○滝井委員
社会保障制度審議会は、形としては大臣に意見を求めたわけではなかったけれども、いわば積極的に建議をしたことになるわけですね。大臣の考えと
社会保障制度審議会の考えとがすれ違いになった、こういうことです。そこで
社会保障制度審議会は、これは諮問機関ですから、この諮問機関の意見を聞く聞かぬということは、内閣の責任でおやりになったらいいと思うのです。われわれが今、
社会保障制度審議会の意見を聞く聞かぬで問題にしている職業安定法及び緊急失対法の一部を
改正する
法律については、これは
法律で聞かなければならぬものを聞いてきていないから、われわれは怒っておるわけです。そこで大臣の考えは大体はっきりしてきました。客観情勢は、臨時
医療報酬
調査会を出し得る政治情勢ではない。そこで内閣としては、
西村厚生大臣としては、今国会に臨時
医療報酬
調査会を
提出する意思はありません、中央
社会保険医療協議会はすでに三十六年十一月に国会を通過をして、もはやこれを開催せざるを得ない客観情勢になっておる、だから自分としてはこれを早く開きたい、これだけがはっきりしてきたわけです。それからあとのことは、
社会保障制度審議会が何と言おうと、火責め水責めをしようと、これはもう
政府の側の責任で、国会、立法府の責任ではないわけです、総理の諮問機関ですから。そこで、いわばあなた方がこの局面を打開するためにはどうしたらよかろうかと言って諮問をしたところから建議が出ておるので、これをどうするかということは、国会の問題というよりか、池田内閣
自身の問題です。そこで国会としては、はっきり確認ができたことは、もう臨時
医療報酬
調査会は出しません、
医療協議会を動かさざるを得ない情勢が来ている。こうなると
医療協議会を動かしてもらう以外にない、こういうことになるわけです。そこで
医療協議会を動かす動かさぬの質問は、もうちょっと譲って二の次にして、先に私がお尋ねしたいのは、その局面を打開するために、大臣いろいろなものをおつくりになろうとしておるけれども、これは
社会保障制度審議会その他のアインヴァント、いわゆる異議が入りましてなかなかうまくいかぬ。新聞はみな
西村構想暗礁に乗り上げたと書いてある。これはもう船が暗礁に乗り上げたら、みんな手をかけておろす以外に方法はないわけです。岩の上に乗り上げているのですから、何とかする以外にない。そこで何とかする方法はないかということですが、私はあると思うのです。同じような効果を得る方法があるのです。それは何かというと、すでに私がここで何回も指摘しておる先般の
医療法の
改正で、すみやかに発足をさせなければならない
医療協議会、この
医療協議会を動かすということです。これはまだ大臣、委員を任命されていない。ここに学識経験者を中心に任命しますと、ここは公的
医療機関の診療報酬について
調査審議する権限がある。そこで、すでに日本の
医療費の
調査というものは、
昭和二十七年の三月と十月
調査しかないのです。医務局が中心になって、三十五年に全国の公的、私的
医療機関の
調査をやろうとしたけれども、医師会との話し合いがうまくいかずに、私的
医療機関はできなかった。そこで公的
医療機関だけおやりになった、その資料をここに出してくれということをこの前から私はお願いしておるので、これはいずれ、きょうでなくても、あしたにでも出してもらわなければならぬと思いますが、この公的
医療機関の
調査資料が出てきたのです。日赤、済生会、国立病院、府県立病院が出てきたのですから、それを基礎にして、まず公的
医療機関における今あなたの言われたような四つか五つの
調査項目というものを中心にして、具体的な
調査の結論が三十五年に出てきていますから、これを同時に素材としながら、
医療協議会でおやりになったらいいと思うのです。これがまず一つです。
それからいま一つは、すでにあなたの御答弁の中に出てきたように、客観情勢は中央
社会保険医療協議会はもう開かなければならぬ、こうおっしゃるのですから、中央
社会保険医療協議会の公益の委員四人を早く任命していただく。同時に、あなたの今の御
説明では、あなたの構想については、健保連を中心とする支払い側も大体納得をする見通しで、
医療担当者も大体大丈夫だろう、こういうことですから、公益四人をしまして、そうして同時に、健保連その他にも、辞を低うして入ってもらって――大臣御存じの
通り、あそこは専門委員を置くことができるのです、部会を設けることができるのです。そこで、国会が承認を与える四人の委員を中心にして、そこへ部会を構成したらいい。そこで積極的にやるわけです。そうすると、公的
医療機関のものはもう
医療協議会でやる。そしてこちらは省令も何もつくる必要はない、逆行もしないですから、そこでおやりになる。やったのは、これは
医療協議会の中でやるのですから、大臣に答申がくるわけです。そうしたら、それを大臣が最終的に決断を下したらいいのです。(「それは違う」と呼ぶ者あり)違いやしない。違う機能を考えるから問題が起こるのです。だから、これは諮問機関は諮問機関の立場でいいのです。あなたが腹をきめれば、これはできるわけです。そこで私は、もしあなたがこの腹をきめ切らぬというならば、もうこの
段階では、
西村さん一人では荷が重過ぎるという気がするのです。これは
法律があるのですから、当然やらなければならぬものなんだから、その二点について、あなたは一体どうお考えになるかということです。これは
法律にあるのですよ、
法律でやる。
医療協議会は、公的
医療機関の診療報酬を
調査審議する権限がある。それから
医療協議会は、発足さえすれば
医療費の額を算定するのです。算定するためには、基準をつくらなければ算定ができないのです。やみくもに今の十円を十一円にすることはできないのですよ。科学的な、合理的なものがなければいかぬ。そこで支払い側と受け取り側、すなわち
療養担当者側と
保険者と三者構成でやるのですからね。材料はそこの専門部会でできるのですから、あなたも、いわゆる問題ごとに部会をつくって集めてきたらいい。そうすればこれはフェア・プレーでいくし、納得するわけです。(「そういう
考え方もあるけれども、別の
考え方がある。」と呼ぶ者あり)その別の
考え方というのが無理なんです。無理だからできなかったのです。だから、その二点について、大臣の考えを私は聞かしておいてもらいたい。