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高田(
富之)
委員 農林大臣、大蔵
大臣がお見えになりましたら、
質問したいことがございますので、その点は留保しておきたいと思います。
昨日の小
委員会におきまして、
自作農維持資金の追加配分につきましていろいろ
事務当局から伺ったのでありますが、実は今回の
長雨災害並びに先般の突風、ひょう害
災害等におきましても、おそらく自創
資金にたよるものが非常に多いということが予想されるわけでございます。現に私
どもの埼玉、群馬、栃木
県下における
状況を見ますと、自創
資金の申し込みが予想外に実は多いわけでございます。そのために、先般来一応割り当ての内示がございまして、突風、降ひょうにつきましては二十二億の損害の評価に対しまして、三億一千万のワクの内示があったというわけでありますが、これが一昨日でしたか、一昨々日あたり県のほうへ参りまして、
関係市町村にその旨を伝えましたところ、たちどころに、そんなことではとてもどうにもならぬという声が
市町村側から上がりましたために、昨日は各
市町村の代表者が国会に参りまして、そうして
実情をつぶさに
陳情してまいられ、私と鴨田宗一議員が
農林省にもおじゃまをいたしまして、
実情をお話しいたし、お願いも申し上げたわけでありますが、なお本日も当局からは強くその点についての要請が参っておるわけであります。いままでの例から申しますれば、昨日いろいろお話を伺ったのですが、必ずしも少ない額ではないわけでありまして、従来いろいろ算定方式のようなものが行政的につくられており、それらによりまして積算をいたしましてはじかれたものと思うわけであります。しかしながら、今度の
災害は、ここ一、二ヵ月間に起こりました異常気象に基づきまして全国的にこのように大きな
災害が起こっているのですが、
状況は非常に違うと私は考えるのであります。従来の
災害とは、置かれている
農家の
立場、現在の社会経済情勢全般も非常に変わっておりまして、
農家自体が相当農業経営には経費もかけておりますし、同時に、経営の前途に対しましては必ずしも安心感を持たない、他産業との格差も非常に広がっておる、そういう不安感にもおちいっているときでもありますし、これはよほどのてこ入れをしませんと、再起復興の熱意というものはわいてこないという特殊な
状況下にあります。そういうことでありますので、私は、従来の算定方式とか、いろいろ積算の
方法とか、前例とか、そういうようなことは、この際一応の参考にはなるかもしれませんが、それにこだわっていたのでは、著しく
実情と離れた施策になってしまうというふうに考えますので、今回の
長雨災害に対しましても、また先般の突風、降ひょう
災害に対しましても、
資金ワク等の考え方は、
実情をもとにして新しい角度から思い切った
措置を講じていただかなければ、とうていおさまりはつかぬと考えるのであります。本日県からやってまいりましたのも、とてもこれでは話もできない、何としてもこれは考え直していただかなければならぬので、本日は
事務当局としても
農林省へ参上してよく下部の
市町村側の
実情等をお話し申し上げて再
検討をお願いする、こういうふうなことでございました。
そこで、はっきりと御言明いただきたいのでありますが、ただいま自創
資金として保有しているのは二十億、公庫のこちらへ利用できる紙が三十億、合計五十億の金を用意しているから、これで何とかいくだろうというお考えのようでございますが、この五十億のワクを前提としての施策であってはならぬと思うのです。
実情を前提といたしまして、その結果が百億になろうとも、あるいは幾らになるか、これはわかりませんが、この五十億以上に出ましても、適切な処置を必ずとるんだということを御言明いただきたい。特に先般はその中からすでに埼玉、栃木、群馬その他に対しまして二億一千万というような内示があったのでありますが、とてもとてもそんなものでは問題にならないのでありまして、埼玉県内の
激甚地の一地域だけでもすでに五億円からの申し込みがありまして、この五億円近い申し込みはいずれもこれにたよらざれば再起できないという
状況であります。私はすでに知っておりますが、土地ブローカーが飛んで歩きまして、もはやとても望みなし、土地を売って食いつなぐ以外にない、こういう
状況になっておるのでありますから、なまやさしいことではございません。半年以上無収入なんでありまして、生活費だって毎月三万円からかかるんです。食う物すらないのですから、六カ月で二十万円の金が食うだけでかかってしまう。そういうような
状況でありますので、この自創
資金を申し込んだ諸君に対して、半分にしろ、三分の一にしろ、おまえはよせというようなことはとてもやれるものではございません。不必要なものを申し込んだ者は一人もないのでありまして、
農家の場合、そうでなくても今度は肥料代やなんかみんな借金しているので、この上借金するということはよくよくのことなんでありまして、この申し込んだ者については原則的には全部貸すというくらいの腹で、もちろん多少の
査定はありましょうが、そのくらいの余裕のあるワクを与えて、必要がなければワクは余りますから、
農民はそんなに借りないでいいものは借りっこないのでありますから、、ぜひそういう事情を勘案されまして、この二億一千万円は少なくとも五億以上という大幅な増大をしてもらわなければ、おさまりはつかぬ、私はそう考えております。事実そうでございます。ですから、どうかただいままでに内示された分についても、大幅にさらに
実情に基づいて広げるということ、それから
長雨につきましても、五十億というワクに必ずしもこだわっていないで、必要に応じてさらに
方法を講じまして、大蔵省と相談しまして大幅に広げる考えであるということをはっきり御言明を願いまして、
被災地の罹災者
農民諸君に安心感を持って農業の復興に再起してもらえるように次官から御言明を願いたいと思うわけであります。