○松澤
政府委員 ただいま御
指摘のように、当時私が中心になりまして、以内というのを削除願ったり、あるいは予算の許す範囲ということを削除願ったりしたことは事実でございます。それにしたがいまして、建設省といたしましても、財政
当局と、その
趣旨にのっとりまして三十七年度、三十八年度ともに実施をいたしてまいりましたが、とうていそれがやり切れないというふうな点等がございまするし、また、道路全体に対する現在の日本の国内における交通のいろいろな錯合的な部面から
考えまして、現在の二兆一千億それ
自体の大きいワクで
考えましてもとうていやっていけない、こういうたてまえのもとに現在追い込まれておるような現況でございます。これがために、建設省といたしましては、来年度を初年度といたしまして新たなる五力年計画を策定いたしまして、われわれの希望といたしましては、少なくとも二兆一千億の倍以上の五兆円近いものを全体的な計画のもとに盛り込んで、その中に雪寒道路的な部面をもいまの法の
趣旨にのっとってやっていきたい、かように
考えて、現在鋭意努力をいたしておる現況でございます。元来この
積雪寒冷特別地域の
道路交通確保に関する
法律というものは、思想的には従来ややもすると救済事業のようなものの
考え方でやってまいっておられたような懸念がなきにしもあらざる現況でございましたが、私たちが
考えましても、天然自然の現象から生まれた地域というものを、雪の降らない地域と同等な地域にすべきだという点から、これらのものが
考えられていったものでございます。したがって、現在の法それ
自体から
考えましても、私たち建設省といたしましてもまだまだ満足をいたしておるものではなくして、皆さん方からまだ御提案にはなつていないようでございますが、われわれ行政部門において新たに
考えていきたいというふうな点は、現在のこの雪寒道路法は、いわば雪が降り、あるいは雨が降ったために路面が非常に悪くなった、その路面を改良するのだ、こういうふうな意味に主体性が置かれております。したがって、幅員を広げるとか、あるいは屈曲を是正するとかいうふうな部面まで残念にも
考えられていないのであります。したがって、その幅員を広げるというような場合は、地元の立場において土地の提供を願ったり、あるいは県の応援を得て土地の提供を願う、こういうようなことに相なっております。ところが、ことしの
豪雪地帯を見ますると、路面は直しましても、道路があまりにも狭いために除雪の機械が入っていけない、こういうふうなことはあまりにも如実に今日まで見せられてまいりました。こういうふうな点から
考えますと、道路行政をおあずかりしておる建設省側といたしましても、このままにはしておけないというたてまえのもとに現在
検討を加えまして、できるならば、来たるべき予算のときにおきましても、行政措置として財政
当局のほうとも十分に打ち合わせをしてそのような方向まで持っていかなければならぬのじゃないか、かように
考えて、実は現在鋭意努力をしておるというのが現況でございます。私たちは、そういうふうな意味をもって、雪の降る国も降らない国も平等なる交通が冬季間といえ
ども確保できるようにしてこそ、道路行政をおあずかりしておる建設省としての責任を果たしていけるものと、かように
考えております。