○井
堀委員 警察の組織なり社会的地位なり、それから
地方自治体との財政その他の
関係については、問題はたくさんあるところでありますが、それは政策に関連するところが多いのでありますから、これは
関係大臣の御
意見を伺うことになるので、
自治大臣が来たらその点を伺おうと思うのですが、
一つは、警察
制度の問題に言及したのは
選挙との
関係において、一方では警察の民主化といいますか、警察と
政治権力がいささかも結びつくことがないように厳重な警戒を実はいたしておるのであります。そういう
立場からいいますと、
選挙に警察をどの程度介入させるかということは、
民主政治における大きな課題だとも思っている。でありますから、そういう問題をもわれわれは十分配慮をいたしまして、実は現実の問題をお尋ねしておるわけでありますが、そういう問題を解決していこうということになりますと、せっかく
法務大臣も深く
理解をしておいでになるいい機会でありますから申しますが、制裁規定を強化して、あるいは罰則で公明
選挙を推進をするだけでは、
日本ではまだ民主
制度が各方面で未熟なんでありますから、だめなんです。その中でも一番未熟なものは、私は警察だと思うのです。警察ほど人民に対する直接的な権力を行使する行政機関は少ない。だからこそ公安委員のような権力と切り離して、人民自身が警察の運営をやろうという
制度はまさに画期的なものだと思うのです。しかしそれがいれられない、はなはだしい民主主義の逆行だ、改悪だと何回か国会でも抵抗をした歴史を持っているのですが、そういうような問題がやはりここの場合にあるのです。私
どもは現場におってよく
理解できるのですが、皆さんは中央から指令なさる、
地方の一線で動いております警察署長あるいは
関係課長クラスの諸君が、
地方の自治民とよほど融和していかなければ、
ほんとうの民主警察は生じないと思う。ところが一方では、古い権力の行使を阻止するような強い態勢の中で
選挙の違反を取り締まる場合、相手方は大体市
会議員、県
会議員あるいは市長、
知事です。
知事に至っては、いろいろな公式の会合で署長や警察の一線部隊におります人々と接触する。こういう人々も人間ですから、そのような
関係を十分配慮してこの
選挙法の行使を一体実施しておるかどうか、私は常に疑問に思っておる。法では罰則規定を強化しても、結局は隔靴掻痒に終わるというのがここにもあると思う。その問題を克服する義務が皆さんに負わされたわけです。私はそういう
意味での
民主政治の、特に成長の過程における矛盾は
理解しておりますけれ
ども、しかし一度
法律できめた以上は、手かげんするなどのことは、行政の地位にある者のなさる行為じゃないはずです。もちろん自由裁量の範囲はそれぞれの
法律によってありますけれ
ども、
選挙法ほどルーズに運営されておる
法律はないと思う。これは
国民の声にもそむきます。国会の
選挙改正法の精神にも反すると思う。いままでの御答弁で私は大体
理解できるのでありますけれ
ども、
選挙取り締まりあるいは矛盾をこうして克服しようという画期的な答弁がなければならない。データを出していただけるでありましょうけれ
ども、そのデータだけでは納得はもちろんできぬわけであります。皆さんも
地方においでになったことはおありだと思いますが、
知事と警察署長がいがみ合ったら仕事はできませんよ。人間ですから……。私の知っておる人の中で、うらみに思っておる人がおりますよ。
自分の悪いことをたなに上げまして、その人に言わせると、おれだけじゃない、みなやっておると言う。私の知っておる幾つかの市会で、今度公明
選挙を実施するためにそれぞれ議決をしております。その
会議の模様をちょっと紹介しましょう。それは、要するに方々で公明
選挙都市とか何とかいう宣言をしましたね。そういう御指導をなさっておるかどうか、私はあとで自治省に聞こうと思っておる。そういう決定をした都市があります。埼玉県の都市で、ある市
会議員がそれを提案をいたしました。ところが中に勇敢な正直な人がいて、みんな
選挙法違反をやっているじゃないか、証拠もあがっておると発言をしたら、それを懲罰にかける、除名するとかで大騒ぎをしました結果、うやむやのうちに公明
選挙を決定してしまった。しかし仲間はよく知っておるのです。ところがそれを
地方紙が書き立て、その記事が問題になりまして、第二の
真相を発表するときに、やみからやみに消えてなくなったという事実がある。ここで私はそれを問題にしようというのではないのです。結局その
人たちの心理状態というものは、見つかったのが不運だ
——何か警察とうまくやっていなければこういうときに犬糞的な、江戸のかたきを長崎で討つというようなことになる。だからますます警察と
地方のそういう
関係というものは深くなっていくのであって、それは正しい
意味で民主化されていくならいいけれ
ども、
選挙法の
関係で、むしろ警察の民主化がはばまれようとするという逆コースが出てきていることを私はおそれる。そういう点まで配慮が行なわれて、指導が各警察官あるいは検事に徹底していたかどうかということに私は多大の疑問を持つ。実はこういう点をきょうの質問の中心にいたしたいと思いまして、幾らか事実は持っておりますけれ
ども、いずれひとつ警察のほうと法務省のほうから資料を、そういう
意味で出していただきたい。外部に公表するのをはばかりますならば、約束は守ります。しかしそういう事実を中心にして、そういう大きな時代の悩みがあるわけです。その悩みをお互いに
理解し合ってこそ前進ができると思っているので質問をいたしております。きょうのところは
法務大臣も忙しいようでありますし、資料も出ておりませんから、この次はその資料を中心にして審議をする機会を、
委員長にも要望しておきたいと思っております。
そこでもう
一つ、角度を変えてお尋ねをしておきたい問題があるわけであります。それは、今度の
改正の中でも
一つの画期的なものとしたのは、制裁規定と同時に、これは
法務大臣の所管事項にかかる
公民権停止の問題を、これは裁判所の仕事ではありますが、その問題についても、私
どもはもう少し検討しなければならぬと思うのであります。問題は大赦でありますとか特赦でありますとか減刑あるいは刑の執行の免除や復権などに関する権限を
法務大臣がお持ちになっておられる。これの運営のしかたが私は問題になると思うのです。もちろん
地方選挙の場合には比較的影響はないんじゃないかと思いますが、国
会議員の
選挙になりますと、この問題は大写しに出てくると思います。いままでの例を見ますと、
選挙違反だけは特に大赦、恩赦なとが
——これはもう審議会でも非難のまとになっております。これは私は具体的にだれそれを大赦に、だれそれを恩赦にしたというような問題よりは、そういう行政権を持っておりまする
法務大臣の
選挙に対する取り締まり方針というようなものが大切になると思うのでありまして、この点の
関係が今度の指示事項の中には、新聞などを通じてわれわれの拝見いたすところでは出ておりません。ただ厳重に取り締まれ、公平にやれというだけではいかぬのでありまして、こういう刑の執行に対する免除や復権の権限を握っておられるあなたが、事実の上でどうするかということがすぐ出てくるわけであります。この辺のことも、ひとつこれは資料にしてもらって、資料の中にもそれを示していただきたい。そこで、この問題について実はお尋ねをしたいと思いますのは、これは私
どももよくやる手でありますけれ
ども、いろいろ
選挙民から頼まれますと
——微罪処分というやつがありますからね、署長や検事の裁量の中に。そういうものは、いい
意味では、やはりだれもかれも犯人にすることが法の正しい執行とは言えませんから、その辺のかげんがなかなかむずかしいところと思うのであります。特に与党の場合は直接権力と結びついてくる
立場にありますから、野党のわれわれは頼むといったって効果が薄いからたいしたことはないにいたしましても、与党の場合はすぐにこれが響いてくる、こういう法の執行の
関係で、
選挙の中にはいろいろな事実が出てきておる。そういう点に重点を置いて
調査をいたしましたことが少しあります。その事実は、もう時間があまりありませんからこれ以上申し上げませんが、その点について何か特に
——法務大臣先ほど来の答弁の中にあるように、あなた方も非常によく御存じであります。こういうものに対する、
地方選挙の際に何かなさったか、なさらないとするなら、次の衆議院の
選挙があることでありますから、これは
法律改正を、二百五十二条ですか、一部
改正いたしましたけれ
ども、この点で、この次の
選挙法の
改正の際に参考になると思いますから……。