○篠田国務大臣 御指摘の
通り、第二次
選挙制度審議会の発足がおくれまして、時あたかも年末年始ということになりまして、現在まで三回の総会と運営
委員会を開いて、その総会におきましては、
委員の交代がありましたので、新しい
委員の意見発表ということが中心になって行なわれたわけであります。
そこで、御承知の
通り、第一回の
選挙制度審議会の総会におきまして、これは前からの引き継ぎの審議会であるか、新しい審議会と見るべきかということがだいぶ議論になりました。前からの引き継ぎの審議会であるならば、すでに決定した問題を抜きにして、残っておる問題をやるべきではないか、こういう意見であります。ところが、
委員もかわったことであるから、
法律上は審議会というものはつながっておるけれども、第一次審議会と第二次審議会というものは別ものであると
考えて、従来議論したこともまた新しく議論すべきではないか、こういう意見の方が勝ちまして、それならば、従来の古い
委員の諸君の意見は大体第一次審議会において述べられておるから、第二次審議会においては新しい
委員の意見を発表してもらおうということで、前後二回、三回の総会はおもに新しい
委員の意見を発表することに費やしたわけでございます。そこで、今おっしゃったアンバランスの問題とか、いろいろ資金の問題とか政党法の問題がありますが、私は全部出席をいたしておりましたが、まだどういう小
委員会をつくるかということも決定しておらないのです。そうして今度
地方公聴会を開きまして、その結論を持ち寄って、あるいは定数の小
委員会、政党法の小
委員会——どういう
委員会をつくられるかわかりませんが、つくってやろう、こういうことでございます。
そこで御承知の
通り、私は第一回の総会のあいさつに参りまして、参衆両院の附帯決議もあることであるから、でき得るならばアンバランスの問題を優先的に考慮していただきたいということを要求することは、少し語弊がありますから、あいさつの中において述べたのであります。ところが、御承知の
通りアンバランスの問題は、この前第一次審議会におきまして、十三人減じて十四人ふやすという案が、御手洗試案として出されたわけです。しかしふやす方はともかくとして、十三人減らすということになれば、これはとても実行不可能じゃないかということを提案者みずから気がつかれまして、そうして途中からその案を撤回されまして、そのままになっておるわけです。私の
考えを今ここで申し上げることは適当であるかどうか、自分でもよくわかりませんが、減らすということは実際上なかなかむずかしいのじゃないかということを私
考えております。
そこで、大正十四年に今日の定数ができ、戦後奄美大島というものが入りまして、
一つふえておる。ところが、その間に約三千五百万くらいの人口がふえておる。その結果として、東京都におきましては八万票で落選をしておる、しかるに三万五千票で当選しておる人もある。同じ住民の持つ権利が、二票で一票にも追いつかないというような、そういうアンバランスは少なくとも合理的ではない。そこでこれは、減らす方はとにかくといたしまして、ふやす方だけでもやらなければいけないのじゃないか。私、理論家ではありませんから、実際政治家としてみたときに、そういうふうにできれば、これは案外早く島上さんのおっしゃる
通り、今国会にでも出せる案はできるかもしれない。しかし減らす方の案がくっついて回りますと、かりに今国会に出しましても事実上、御承知の
通り私らも十五年も代議士をしておりますけれども、なかなかそれは通るものじゃないだろう。そこでわれわれの方から、そういう未熟の案を急いで出してもらうようなことはしないで、ほんとうに甲論乙駁、思う
通り審議会でもって議論をしてもらって、そうして実現も可能であり、また非常に合理的であると国民も納得し、議会も納得できる案を出してもらいたいというのが私の
考え方でございますから、あなたのおっしゃるように、審議会のしりをたたいて今国会中に案を出廷というようなことは、私、申し上げる意思はございません。