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1963-05-15 第43回国会 衆議院 建設委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年五月十五日(水曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長代理理事 二階堂 進君    理事 木村 守江君 理事 薩摩 雄次君    理事 瀬戸山三男君 理事 石川 次夫君    理事 岡本 隆一君 理事 中島  巖君       大沢 雄一君    正示啓次郎君       砂原  格君    丹羽喬四郎君       前田 義雄君    山口 好一君       兒玉 末男君    佐野 憲治君       實川 清之君    日野 吉夫君       三宅 正一君    山中日露史君  出席政府委員         建設政務次官  松澤 雄藏君         建 設 技 官         (都市局長)  谷藤 正三君         建設事務官         (住宅局長)  前田 光嘉君  委員外出席者         議     員 木村 守江君         専  門  員 熊本 政晴君     ――――――――――――― 五月十五日  委員齋藤邦吉君辞任につき、その補欠として前  田義雄君が議長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 五月十四日  地代家賃統制令の一部を改正する法律案木村  守江君外六名提出衆法第一八号)  新住宅市街地開発法案内閣提出第一五三号) 同日  首都の交通緩和及び防火のため自動車国道建設  等に関する請願中村梅吉紹介)(第三七三  一号)  河川法改正に関する請願倉石忠雄紹介)(  第三七三八号)  同(唐澤俊樹紹介)(第三七六三号)  同(原茂紹介)(第三八〇五号)  同(中島巖紹介)(第三九六六号)  同(松平忠久紹介)(第三九六七号)  国道駐車施設設置に関する請願草野一郎平  君紹介)(第三七七〇号)  山形西部地区循環道路建設請願外八件(  牧野寛索紹介)(第三七九四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月十四日  東北自動車道早期完成に関する陳情書  (第  五八五号)  河川法改正反対に関する陳情書  (第五八六号)  同  (第五八七号)  同(第六五〇号)  同  (第七四八号)  川棚川の直轄河川昇格に関する陳情書  (第五八八号)  公営住宅等標準建設費増額に関する陳情書  (第五八九号)  鹿児島市、桜島間の架橋に関する陳情書  (第五九一号)  国、県道の改修整備促進に関する陳情書  (第六四八号)  同  (第六四九号)  河川法改正に関する陳情書  (第六五一号)  同(第七八〇  号)  東北自動車道昭和三十九年度着工に関する陳  情書  (第六六四号)  上武国道新設に関する陳情書  (第  七四九号)  新道路整備五箇年計画東北自動車道建設計画  組入れ等に関する陳情書  (第七五〇号)  自動車道路整備促進に関する陳情書  (第七五一号)  新道路整備五箇年計画策定に関する陳情書  (第七八一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  地代家賃統制令の一部を改正する法律案木村  守江君外六名提出衆法第一八号)  屋外広告物法の一部を改正する法律案内閣提  出第一三三号)(参議院送付)      ――――◇―――――
  2. 二階堂進

    二階堂委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が病気のため出席されませんので、委員長指名により私が委員長の職務を代行いたします。  地代家賃統制令の一部を改正する法律案議題といたします。
  3. 二階堂進

    二階堂委員長代理 本案について提出者木村守江君から提案理由説明を聴取いたします。木村守江君。
  4. 木村守江

    木村(守)議員 ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  この法律案は、最近における社会経済実情に即さなくなった地代家賃統制令昭和三十八年十二月三十一日限りで撤廃することを内容とするものであります。御承知のとおり、この地代家賃統制令の撤廃につきましては、第三十四回国会及び第三十八回国会政府法案として、さらにまた、昨年の第四十回国会には議員提案として提出されましたが、いずれも審議未了となったものであります。しかしながら、これをこのまま放置することは許されるべきことではないと信じますので、今回再び議員提出法案として提案した次第であります。  申し上げるまでもなく、地代家賃統制令は当初、国会総動員法に基づく勅令として昭和十四年に公布施行され、戦争遂行のための物価安定策の一環として実施されてきたのでありますが、終戦後におきましても、異常な住宅難による地代家賃の急騰を防止するために継続されてきているものであります。  地代家賃統制は、当初におきましては、一般物価統制と関連してあらゆる地代及び家賃統制されておりましたが、昭和二十五年七月の改正統制対象は著しく縮小されまして、一時使用の土地建物及び昭和二十五年七月十一日以降新築建物とその敷地、並びに住宅以外の建物とその敷地統制対象から除外されました。したがいまして、現在では、昭和二十五年七月十日以前に建築された延べ三十坪以下の住宅とその敷地についてのみ統制が行なわれているのであります。  昭和二十五年七月に、同月以降に新築される建物とその敷地統制対象から除外されまして以来、十年余になりますが、この間、年数の経過とともに新築戸数がふえてまいり、また家屋の滅失、あるいはまた借家が持ち家になる等のこともありまして、現在におきましては、全体の借地借家のうち統制対象となっておりますものは、借地借家とも、その比重は非常に低くなり、当初の目的でありました民生の安定のためという意義ははなはだ薄れて、この統制令存在理由も稀薄となっております。  しかして、これらの統制対象となる地代家賃は、非常に低く押えられ、したがってこれを積極的に守るものはきわめて少なく、実効を期し得ない実情にあります。特に退職者退職金によって、わずかな土地を得て、それで生活のかてを得ている人、未亡人でわずかな遺産の土地家屋生活のかてを得ている人々等は、経済的に非常に困っておりまして、修繕もできずに貴重な財産を荒廃にまかせている実情であります。  統制額を改訂せよという議論もありますが、先ほど申し上げましたように現在においては統制令そのもの意義がきわめて薄くなっており、これを撤廃しても、地代家賃に著しい影響を与えることは考えられないのでありまして、このような実態に合わない統制令はむしろこれを撤廃することが至当と思うのであります。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 二階堂進

    二階堂委員長代理 以上で本案に対する提案理由説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。      ————◇—————
  6. 二階堂進

    二階堂委員長代理 屋外広告物法の一部を改正する法律案議題として審査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。石川次夫君。
  7. 石川次夫

    石川委員 屋外広告物法の一部を改正する法律案につきましてお伺いしたいのでございますが、実はこの法案につきましては、急ごしらえの勉強をしただけで非常にわかりかねるところが多いので、質問が的はずれになるかと思いますけれども、どうぞひとつ教えてもらいたいと思います。  まず第一条でございますが、「この法律は、美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止するため」こういうことになっておるわけであります。それで、この美観風致を害するというのは、一体どういうことが基準になっておるかという点、それから危害を防止するというのは、具体的にはどういうことを意味するのか、この二つについてまず御説明を願いたい。
  8. 谷藤正三

    谷藤政府委員 明治四十四年の旧法を改正いたしまして、屋外広告物法に直しましたときに、この屋外広告物の規制といたしましては、従来の警察行政との分離によりまして、美観風致ということで建設省所管の方が妥当だということになりまして、建設省所管になったわけでございますが、この「美観」という点につきましては、建築基準法美観地区の問題にからみまして人工的な美観をさしております。したがいまして、たとえば皇居周辺地域のように建築物建築線統制とか、そういうことによります人工的な美観をさしておりまして、「風致」につきましては、都市計画法に基づく風致地域として指定しておりますところの風致と同じ意味でございますので、自然美というものの表現をここであらわしておるわけでございます。  その次の「公衆に対する危害」というのは、物理的な危害表現するのでございまして、たとえば看板がおっこちるような状態になっておるというふうなものに対する危険というような物理的な意味を含めましておるわけでございまして、ほかの精神的な、あるいはまた、他の刑法上の危害という意味は含まれておらないのがこの法律内容でございます。
  9. 石川次夫

    石川委員 この美観というのは非常に主観的なものであり、どこまでが美観を害するかということを各県の条例にまかしておるという形であります。したがって、これは実際問題として県によってまちまちな運用をする。そのほかにもいろいろ問題がありますけれども、だからこれは、出さなくてもいい法律だということにはならないかもしれませんけれども、美観をそこなうかどうかということについては、非常に主観がまじるのでありまして、これを全国的に統一する、あるいは指導するということは、非常に困難ではないかという感じがするわけであります。  それとあと一つは、危害を防止するということの中に、これはたいへんとっぴな話になるかもしれませんが、人を殺すことを奨励するような右翼のポスターが近ごろ散見される。これこそが公衆に最も危害を与えるものではないか。これは対象にならないのですか。公衆危害を与えるということは、たとえばわが浅沼委員長を刺し殺した人を堂々と賛美したものは、物理的な危害よりもはるかに大きい危害公衆に与えると思うのですが、こういうものに対する取り締まりというのは、この法案対象になっておるのかどうかという点を……。
  10. 谷藤正三

    谷藤政府委員 先生のおっしゃるように、美観風致概念そのものにつきましては、主観上の問題が入ってまいりますので、判定の基準として取り上げることは非常にむずかしい問題だと思います。それでこの広告物法によります美観風致内容基準につきましては、各県の条例にゆだねておりますけれども、この条例によって知事の諮問機関として広告物審議会というのを設置いたしております。これに選ばれている人たちは、広告物業界代表文化団体代表、あるいはまた美術家とか芸術家とか、その他の学識経験者に依頼いたしております。東京都の場合について申し上げますと、十二名程度審議会委員が選択されまして、民間あるいは業界、その他各界の委員によりまして十分審査した上で決定いたすようにいたしております。  それから危害の問題につきましても、他の一般的な危害につきましては、民法上あるいは憲法上の他の法律にゆだねておりますが、ここで申し上げております危害とは、広告物が人に危害を与えるような物理的な、つまり処置の不十分なために危害を起こすという場合に対する危険防止ということを考えているだけでございます。
  11. 石川次夫

    石川委員 物理的な危害以上のことは、実際規定することはむずかしいと思うのですけれども、われわれの気持からいうと、こういう危険な内容を持った広告物の認定ができれば、それを取り締まるということが一番緊急に必要なことじゃないか、こういう気持がするので申し上げたわけです。  それからもう一つ美観基準というのは、各県あるいは各市町村で、条例を設けて一応基準審議会にかけるということですが、これが各県でばらばらになっているということは当然考えられる。これは資料がなくてよくわかりませんけれども、たとえば街灯に張ってはいかぬとか、あるいは電柱はいかぬとか、特定の区域のみ禁止するるとか、各県によっていろいろ条例が違っておるのじゃないかと思う。その内容実態を一応お知らせ願いたいのです。たとえば栃木県あたりは、街灯なんかに張ってはいかぬということになっている。あるいは茨城県に行くと、それが許可制になっているというような問題がたくさんあると思う。あるいは山形県のほうに行けば、公衆便所はやってはいかぬとなっているけれども、公衆電話ということは出ていない。それから大阪市に行くと、公衆電話公衆便所許可制になっているというふうに、各県によって非常に違うと思うのですが、その資料はわれわれに提出さておりません。こういうふうにばらばらになっているとすると、その基準、基本的なものだけを屋外広告物法によって規定されておりますけれども、運用が非常にまちまちになっているのではないか。これではあまり効果が期待できないのではないかという点が、これの実際の運用に当たって一番問題になる盲点ではないかという感じがするわけであります。それらについて、一体現状がどういうふうになっておるか、資料があればあわせて出してもらいたいと思うのであります。各県の実情というものをお知らせ願いたい。
  12. 谷藤正三

    谷藤政府委員 屋外広告物法につきましては、昭和二十四年に施行以来相当の年数がたっているわけでございますが、実は三十四年ごろまでは、御承知のように広告物法周知徹底が非常におくれておりまして、非常に散漫な状態で、各県の実際の広告物行政状態が乱雑な形になっております。それで、三十五年、三十六年というふうなこの時代につきましては、主として鉄道沿線道路沿線というふうな立て看板統制をなるべく厳重にするというふうな野立ち看板整備に重点を置いてまいりまして、逐次広告物法内容周知徹底をいたしておりますけれども、私たちの努力も十分でなかったということは申しわけありませんが、とにかく非常におくれていることは事実でございます。  それで、実際には、内容そのものからいいますと、自由意思表現というものを押えるということではなしに、この広告物法精神は、一応こういうものの基準を制定するということで、制限内容あるいはまた禁止内容基準を定めるという法律でございます。内容の細部につきましては府県条例にゆだねておるわけでございますが、最近条例内容につきましても、大体統一の方向に向かってまいっておりますので、ことし府県責任者を集めました場合にも、特に徹底するように注意いたしております。また、特に現在の大阪市あるいは府というふうな関係、あるいはその他の自治団体府県との関係につきまして、特定指定都市自治団体府県との関係につきましても、その境界線において条例内容が違うというふうな事実もございますので、この点については特に強い要求を出しまして、逐次直すように心がけております。今後の問題につきましては、できるだけそういう府県間の相互食い違いのないように積極的に働きかけるつもりで準備いたしておりますので、御了承願いたいと思います。
  13. 石川次夫

    石川委員 いまの説明で大ざっぱなことはわかるのですが、たとえば東京大阪京都、名古屋、横浜、神戸という、いわゆる特別市、今度北九州市が入るわけですが、これは県の中のまた特別市になっておる関係で、そこはまたそこで条例を出す、県あるいは府ではまた別に条例を出すということになると、県の中あるいは府の中で違った条例、違った基準広告物法というものが処理されるということになると、非常な不統一が端的にそこでも出てくるわけです、そういうことですから、どうしても行政指導というものをよほど丁寧に徹底してやらなければ、一応の基準を出すということによって、かえってばらばら運用が出てくるというような弊害が起きてくるのじゃないかという心配が出てくるわけでございます。  そこで、各県で広告物に関する審議会というふうなものが設けられておると思うのですけれども、一体、全部が全部そういうものができておるのか、この条例は、各県全国一斉に全部これに基づいて出しておるのかどうか。条例が出ていないところがあるということになると、これはきわめて指導行政が不徹底であったということを暴露したことになるのではないかと思うのです。この県の広告物に関する審議会内容、あるいはその審議会のないところ、条例の出てないところがあればひとつ教えてもらいたい。
  14. 谷藤正三

    谷藤政府委員 ただいま先生の御質問でございました条例の出てない県につきましては、山口佐賀香川、とれがまだ正式の条例になっておりません。それで、実は非常に強い行政指導を出しまして、今年じゅうに必ずできるようにいま準備いたしております。今度の県会が始まるときには、大体原案はできておりますので、できるだけ早い機会条例をきめていただくようにいたしております。  それから広告物審議会につきましては、条例のあるところは全部できておりますし、条例のないところでございましても、大体そういうふうな基準で協定しているというふうに考えております。条例のない三県につきましても、相互食い違いにつきましては、できるだけ早い機会に直したいと思いまして、実は各地区ごとにいろいろ広告物法徹底につきまして地区会議をいたしまして、全体を直すように指導いたしております。  それから、先ほど質問にお答えしませんでしたが、資料につきましては、きょう持って参っておりませんが、各県の現在の禁止状態あるいは制限状態、あるいはまた手数料の問題、員、ういうものは、全部集めた資料がございますので、整理いたしまして、あとでお届けさしていただきたいと思います。
  15. 石川次夫

    石川委員 いま聞きますと、香川山口佐賀というところは条例がないということなので、条例のないところに広告物法幾ら改正しても全然効果はないわけです。そういうことでいま強力に指導しているということでありますから、いずれいままでなかった三県についても出るようになるだろうと思います。そういうことは指導行政が非常に不徹底だということをみずから暴露されたことになると思います。具体的な指導行政いとうことも必要でございましょうけれども、精神的な行政指導もあわせて行なわなければならぬ性質のものと思うのです。  そこでひとつ伺いたいのは、先ほど理事会ヨタ話のような格好で出たわけですが、公衆便所がなければ立ち小便もする、紙くずかごがなければ紙くずをどうしても散らかさざるを得ないということで、美観をそこなうということに対して、それをきちっとできるような一つ基準が明確にならない限りは、幾らでも利潤追求のために広告物をじゃんじゃんやっていくことは、生存競争の激しい現状ではやむを得ない、当然の結果だと思います。したがって、それは精神的な行政指導として、美観というものはかくのごとき基準一あるということが明確にならぬ限りは、こういうものは幾ら条例て縛っても、盲点幾らでも出てくる、こう考えられるわけですけれども、具体的な指導方法としては、この程度まではいいのだ、この程度まではいかぬのだというような基準が明確に国民の前に明らかにされない限りは、いつまでたっても徹底的な解決は望めないのじゃないか。これは法案出しっぱなしじゃないか。たとえばモデル地区をつくって、ここまではよろしい、これ以上はいかぬというような基準を明確に示すつもりがあるかどうか、この点をひとつ伺いたい。
  16. 谷藤正三

    谷藤政府委員 御質問最初の点でございますが、その点の問題につきましては非常にむずかしい点だと思います。ただ、これはある程度公衆の道徳的な精神の高揚ということも一つのファクターになってまいるかと思います。たとえば京都のように、この二、三年外来客も非常に多いせいもございまして、観光上の意味もございまして、相当きつい内容取り締まりをやっております。そのために、いま全国じゆうで京都は非常に広告物に対してはきれいな町をつくっておるわけでございますが、これは紙くずを散らす場合の子供の精神と同じでございまして、従来のように、張り紙幾らでも張られる、違反をやりましても、行政代執行手続をとらなければその張り紙ははがせない、そういうことになりますと、最初に張りました張り紙行政代執行を終わるまでには最小限度一カ月の時間を要する。その間にまた新しい張り紙が張られてくる。そうしますと、また新しい手続を経なければならぬというようなことを繰り返している間に、結局、法的には整備されておりましても、実際の実行の段階におきまして、その美観風致というものを維持するための十分な取り締まりができないというのが現在までの情勢でございますので、そういうものを厳重に取り締まれるような方法にいたしまして、全体がきれいな町になってきますれば、人の心もまた自然にそういうことをやらなくなるということが、京都の実例がすでに示しておるところでございますので、できるだけ強くこの点の取り締まり指導をいたしまして、全体の町をきれいにするというふうに持っていきたいと考えておる次第でございます。
  17. 石川次夫

    石川委員 この法案でありますと、五千人以下の町村というのは対象にならない、こういうことになっているわけですが、最近市町村合併で五千人以下というのは非常に減っていると思います。そちらの御説明によると、全国三千五百十一町村のうちで、五千人以下は三百二十八で一〇%、人口からいうと、九千三百四十一万人の総人口のうちで百十三万だから一%だというような御説明になっているようです。しかしながら、五千人以上、以下と分ける基準が明確になっておらない。最近は、合併になって、五千人以上でも五千人以下程度市街地の様相を呈しているところがたくさんあると思うので、五千人以上と分けて五千人以下は野放しにするという点について一まつの不安があるわけですが、その基準はどうして設けられたかという点について御説明願いたい。
  18. 谷藤正三

    谷藤政府委員 五千人以下という表現は、最初のこの法律制定当時の思想では、都市計画法を適用いたすところの市街地的な町村というようなことを内容としていたようでございます。現実の問題といたしましては、五千人以下であろうとなかろうと、美観風致の維持ということを考えますれば、市街地的構成であろうがなかろうが問題はないじゃないかということに相なるかと思いますけれども、実際には、そういうふうな屋外広告物を取り締まるということは、個人の表現の自由というものをある程度制限をいたすというとことになりますので、五千人以上の市街地を構成している地域で特に美観風致上にそのまますぐ響いてくるような点については、やむを得ませんので、ある程度制限を加えまして毛、それ以下のところで、そう問題にならないというところについてまで、あらゆる取り締まりを強行するということは妥当ではないと考えまして、一応五千人という基準につきましては別に訂正を加えませんで、このまま通しているわけでございます。
  19. 石川次夫

    石川委員 たとえば五千人以下の町村にも鉄道は走っている。たとえば鉄道沿線立て看板で目に余るというふうなものも具体的には出てくるわけですが、そういうものは、一応この法案でいくと、どういうことで取り締まり対象にするか。
  20. 谷藤正三

    谷藤政府委員 その問題につきましては、先ほども申し上げましたように、三十五年、六年、七年というふうに、野立て看板取り締まりを相当強くやってまいりましたのは、四条で都市計画法建築基準法文化財保護法森林法、あるいはまたその第五号の「道路鉄道、軌道、索道又はこれらに接続する地域で」というふうなことで美観風致を維持するために必要がある場合においてはこれを指定するというふうにいたしておりますので、鉄道沿線あるいは道路沿線につきましては、特に強く取り締まり対象といたしまして行政指導をいたしているわけでございます。
  21. 石川次夫

    石川委員 たいへん話がこまかくなってきまして恐縮なんですが、いままで代執行をやったという例はありますか。
  22. 谷藤正三

    谷藤政府委員 いままでに代執行をいたしました例は、昭和三十三年に一件、三十四年に四件、三十五年に四件、三十六年に十一件、三十七年に五件、そういうふうに実施いたしております。
  23. 石川次夫

    石川委員 今度は、都道府県知事、あるいはまた、命じあるいは委任した者がみずから除却することができるというとこになっておりますが、この費用はどういうことになるのかという点と、それから罰金は一体どこへ納めるのか、その点をひとつ教えてもらいたい。
  24. 谷藤正三

    谷藤政府委員 違反の張り紙をはがす場合の費用につきましては、都道府県で自分で負担するというふうに考えておりまして、その違反張り紙を張った者から取るというふうには考えておりません。実は、はがすときには、一件につきまして約十円ぐらいかかるわけでございますが、実際には、従来の法律によりますように、行政代執行をいたしますと、そのためには催告あるいはいろいろな手続をいたさなければなりませんので、そのための郵便料その他を加えますと、より以上の経費が必要になっております。そういう関係もございますので、今度の張り紙を除却する場合につきましては、都道府県でみずから負担するというふうに考えておるわけでございます。
  25. 石川次夫

    石川委員 はがす費用が一枚十円というのですけれども、最近の非常に強いのりをべったりつける、たとえば東京都知事の選挙その他でもって、橋の欄間あたりにめちゃくちゃに張ってある。これは選挙の関係ですから取り締まり対象とは違うかもしれませんが、そうなりますと、一枚十円ではとてもはがせない。相当の費用がかかるだろう。その費用は本人に負担させるというのでになくて、除却する府県が払うということになる、しかも罰金を取るということは、現実の問題として非常に少なかったのじゃないかと思うのですけれども、そういう実例があればあわせて教えてもらいたいのと、罰金は、しかしこれは行政庁に入るのではなくて、国が取るというかっこうになるのではないか、こう思うわけですけれども、その収入は一体どこになるのか。たとえば、これは行政庁の収入にならないで、罰金が国のほうに入るということになって、はがすほうは県で持つのだということになると、こういう条件を出しますと、一枚十円なんかではとても間に合わないと思う。十枚、何百枚、何千枚ということになれば、これは費用倒れしてしまうということで、罰金のほうは自分のほうに来ないで、その費用だけは自分のほうで持たなければならぬということになると、この広告物法を出してみたところで、実際は運用するところがなくなってしまうということになるのではなかろうかという心配がある。
  26. 谷藤正三

    谷藤政府委員 従来の罰金を取りました例は、これは実は違反の張り紙を張った相手を見つけることが非常に困難でございますので、実際には罰金を科した例というのは非常に少ないのでございますが、実際実施しましたのは、京都昭和三十三年に、本人がこういうものを張ってなぜ悪いかというふうに異議を申し立てたことによりまして張った人がわかりましたために、三千円の罰金を科した例がございます。現在問題になっておりますのは、同じ京都で、昭和三十七年千二百枚の張り紙をいたしまして本人が見つかっておりますが、法的にいま手続をしておる途中でございまして、まだ決定は見ておりません。  それから、実際の十円という数字はなぜ出したかと申し上げますと、これは現在の集めました数から申し上げますと、全国で大体三百万枚ぐらいの違反がございます。東京都だけでも約百五十万枚というふうに私たちのほうには資料が出てきておりますので、それらの全体をはがすためのいろいろないままでの各府県の実施した平均値をとりますと、大体一枚十円ぐらいになるという数字でございます。実際には許  可をいたしました分につきましては、手数料を取っておりますが、この手数料は一枚につき大体一円を取っておりますけれども、その手数料の全国の実際の徴収状態を見ますと、いままで使っておりましたものは、手数料で県に入っておりますところの費用の約半分もしくはそれ以下でございます。したがいまして、京都と同じ程度に正式に取り締まりを厳重にいたしますならば、その全額をこれに振り向けていただきますと、十分に間に合う程度取り締まりができるのではないかというふうに私たちは考えておるわけでございますので、その手数料が集まっております資料につきましても、あとでお届けさしていただきたいと思います。
  27. 石川次夫

    石川委員 手数料は、違反になったものだけが対象になっておるわけではないのですね。そうすると、それは県の収入として入ってくる手数料でしょうけれども、はがすために持ってきた手数料ではないわけです。そうなりますと、罰金として実際に取ったのはたった一件で、しかも三千円という非常に少額だということになりますと、これはこまかいことを言えば、地方交付税の中にでも入れてもらわないと、ただやたらに費用ばかりかかる。一一枚十円なんかでは、最近のような強力な接着剤を用いるようになった場合、いままではどうか知りませんが、これからはとても十円でははがれません。相当の費用がかかるのではないかということになりますと、百五十万枚なら、十円としても千五百万円、五十円とすれば七千万円もかかるということになるわけです。そうすると、収入がなくてそれだけの費用を持ち出すということになりますと、この広告物法をせっかく改正をして出したとしても、なかなか運用ができないのではないかという懸念があるわけなんです。そういう点で何か妙案があればひとつお聞かせをいただきたい。
  28. 谷藤正三

    谷藤政府委員 その点につきましては、物理的な計算をいたしますと、当初の間は、ただいま申し上げましたように、非常に違反の広告の枚数が多いために、場合によっては、場所によりましては、実際の手数料として入ってくる費用以上に支出しなければならぬ時期があると思います。ただ、先ほども申し上げましたように、まわりが非常にきれいだ、たばこの吸いがらも落ちてないような町の中では、われわれ自身も捨てるのが非常につらくなるといいますか、紙くずでも何でも捨てなくなるというのは同じような心理状態で、京都のように非常に取り締まりを厳重にいたしまして、ある一定の期間を過ぎてまいりますと、そういう違反の広告物は非常に減ってくるという事態になってまいりますので、当初の間、相当厳重な取り締まり最初にやっていただく間は、たぶん手数料以上の費用が必要かと思います。ただし、それがある時期を過ぎますと、今度は手数料のほうがはるかに上回って、違反の広告物が非常に減ってくるという事実が現実にできておりますので、その例に従いまして、今後も取り締まりに対しては、十分にできるのではないかというふうに私たちは考えておるわけであります。
  29. 石川次夫

    石川委員 違反と判定をする基準は、一体行政庁が自発的にそれを発見するのか、それから被害があったということで訴え出る、申し出るということに基づいてされるのか、その点をひとつ教えてもらいたい。
  30. 谷藤正三

    谷藤政府委員 各県の条例内容につきましては、相当こまかいところまで禁止もしくは制限あるいは適用除外というふうな内容を定めておりますので、その条例に従いまして違反かどうかということがわかるはずでございます。実際の運用上の問題につきましては、これは正式に適用除外のものであるかどうか、たとえば音楽会、演説会その他の一時的な適用除外になっているものであるかどうかということの判定が非常にむずかしい場合がございます。それで、その点につきましては、従来のように適用除外になっているものと禁止もしくは制限になっているものとのそういう区別の明瞭でない条例内容のものもございますので、この点について、最近特にこまかくこういう問題を区分するように、府県の方には行政的に強く要求を出しておりますが、それをもっとこまかく分けていただきますと、違反でないかどうかということは十分にわかるようなかっこうに今後でき上がるものと私たちは考えております。
  31. 石川次夫

    石川委員 この措置命令を出した場合、これに違反をした場合、やはり各県でもってばらばら条例ができておる関係で、相当これに対して罰則というものが違っておるわけですね。たとえば愛知県では罰金は全然取らない、青森県では十万円以下の罰金だというふうな食い違いもあちこち散見されるように思うのです。そういう点で罰金の食い違いだとか、措置命令に反した場合に、どういう措置をとっていいかというようなばらばらな行政というものを統一するというふうな意向はあるかどうかということと、劈頭の話に戻るわけでございますけれども、たとえば特定地域だけは街灯と電柱は張ってはいかぬというようになっているところもある、あるいは橋は張ってもいいとはいってはないけれども、橋は張ってはいかぬということを書いてないところもある、張ってはいかぬと指定しているというところもあるという点で、各県で非常に食い違いが出ているということで、措置命令に反した場合の罰則だとか、こういうところは張っていいとかいかぬとか、非常にこまかい話になってくるかと思うけれども、こういうことを全国的に統一するという強力な指導をやらないと、日本の国の中で各県全然違って行なわれるというふうなことでは非常にぶざまなことになると思うので、こういう点は非常に強く行政指導してもらいたいと思うのですが、そういう点についてはどうお考えですか。
  32. 谷藤正三

    谷藤政府委員 お答えいたします。その点につきましては、前年、三十七年から実は地区ごとの協議会を開きまして、現在の、先生のおっしゃっているような非常にふぞろいな点がたくさんございますので、これを統一するように、各条項について、本省からも係の者を派遣いたしまして打ち合わせをいたしております。まだ全部終わっておりませんけれども、ことしも引き続きまして各地区ごとにそういうブロック会議を開きまして、順々に統一的な見解を持てるようにいたしたいと思って指導をいたしておりますので、大体今年一ぱいくらいで相当修正を加えていただけるんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  33. 石川次夫

    石川委員 一つは各県の条例にまかしてあるということからくる当然の結果かもしれませんけれども、この辺の基準というものをきちっと統一できるように指導してもらいたいということ、さらに念のためにひとつ伺いたいんですが、選挙関係のポスターはどうなりますか。それについてまでこれに抵触をさせるということになりますと相当問題がある。現実の問題としては、最近の選挙のポスターは無制限、無秩序に張られてはおりませんから、それに抵触することは、この対象にしたとしても少ないとは思いますけれども、しかし、現実にこれは対象にするのかどうか、この法律対象外だとは思いますけれども、念のために伺っておきます。
  34. 谷藤正三

    谷藤政府委員 お答えいたします。この選挙ポスターの問題につきましては、これは公職選挙法の条項によりまして、百四十四条のポスターの数、それから百四十五条のポスターの掲示箇所、四百十六条の文書やその他の配布というような区分につきましては公職選挙法ですべてをきめておりますので、この屋外広告物法では選挙法に関することは一切関係しないというふうにはっきりしておるわけでございます。
  35. 石川次夫

    石川委員 実は社会党としては、ざっくばらんに申し上げますと、この広告物法の一部を改正する法律案というものに対しては、相当警戒的なわけです。しかし、参議院のほうでは賛成して通しておるといういきさつもありますから、その点はあえて触れたくありませんけれども、しかし、ステッカーやなんかが張られておるという点もあるかもしれません。しかし、それは作為的に党派的な立場で政府の意向が示されて、そのものだけが特に違反広告物であるというふうな観点で迫害——と言うと言葉は大げさかもしれませんが、そういうことになる。政治的にこれが利用されるんじゃないかという点をわれわれとしては非常に懸念しておるわけです。そういう点で、ひとつ十分に配慮して処置してもらいたいということを念のために申し上げておきます。  同時に、この法律は非常に短い法律なのでございますけれども、この屋外広告物法の一部を改正する法律案で「第七条に次の一項を加える。」というだけが今度の改正なわけです。しかしこの文章が非常にだらだらと長くてわかりにくいのですが、もっと簡潔にならないものであるかどうかという点も質問をしたいと思っているわけなんですけれども、「ただし、そのはり紙が、条例で定める適用除外例に明らかに該当しないと認められるにかかわらず、はることを禁止された場所にはられているとき、条例で定める行政庁の許可を受けるべき場合に明らかに該当すると認められるにかかわらず、」こうなると、法律の専門家でないぼくらは、何のことかわからなくなってしまう、頭のいい人はわかるかもしれませんけれども。いまひとつわかりよく書けなかったのかどうかという点をお聞かせ願いたい。
  36. 谷藤正三

    谷藤政府委員 先生にそう言われますと、まことに何とも言いようがないのでございます。実は先ほど先生からお話がありましたような選挙法の中できめられましたいろいろなポスター、その中で実際には選挙管理委員会のほうに全部相談いたしまして、それが違反か違反でないか、多少広告物法的には違反かもしれないと思われるようなものにつきましても選挙中のポスターにつきましては、選挙管理委員会に必ず連絡いたしましてその適否の判定を待ってからでなければ措置しないというふうにいたしておりますが、ただ自由意思表現というものをここでやらなければならないということになりましたので、いたずらに違反であるであろうというふうな判定のもとで張り紙をはいでしまうということがあってはなりませんので、非常にくどいような言葉になりましたが、明らかに適用除外例で該当しない、あるいは禁止されているという場所に対して張っている、あるいは政府の許可を受けなければならないところに受けないでおるということが明確になったところで、初めてそういう行政代執行の措置をとらないでもやれるような方法をここで認めていただきたいということでございますので、非常にくどくなりましたけれども、簡単に判断をされては困るということで、このようなくどい文章になったわけでございます。
  37. 山中日露史

    ○山中(日)委員 関連いたしまして二、三お尋ねしておきたいと思います。張り紙の除去は、現行の行政代執行法でもやってできないことはないわけですけれども、しかしこれには日にちがかかるわけですね。先ほどのあれで一カ月ぐらいかかるということですけれども、どうしてそれほどかかるのですか。日にちのかかる理由……。
  38. 谷藤正三

    谷藤政府委員 お答えいたします。これは相手を見つけましてから期限つきの除去命令を出します。それを発しまして、期限つきになってもなおかつ除却をされないときにおいて、いつまでもはがれないということになりますと、今度は期限つきの戒告の発送をいたします。それを待ちましてなおかつ行なわれないという一定の期限を過ぎましてから、執行命令書を発送いたしまして、今度執行をやるというふうな手続になりますので、何日かを待ってから、その期限つきの命令を発送いたしましてから、その命令の期限がくるまでに何日かを要します。そういう順序で、各条項につきまして数日の日数がかかりますので、それを全部いたしますと最低期間でも一カ月もかかるということになるわけでございます。
  39. 山中日露史

    ○山中(日)委員 そういたしますと、張り紙をした者がはっきりしておる場合でも、やはり除去命令を出さずに直ちに取り除く、こういうことになるわけですか。
  40. 谷藤正三

    谷藤政府委員 今度の場合には、明らかに違反しているということを認められるものについてのみ行なわれるわけでございますので、そのほかの張り紙以外の立て看板その他の形をはっきり持っているものにつきましては、一応財産ということに相なりますので、そういう財産として認められるものにつきましては、従来どおり代執行でいきたい、張り紙のような非常に風致美観を害し、みだりにだれでもどこへでも弱りやすいようなものにつきましては、明らかに違反したものについては、そういう手続をとらずに簡単にはがさせていただきたい、こういう意味であります。
  41. 山中日露史

    ○山中(日)委員 そうすると、費用の負担の問題、先ほど石川委員から出たのですけれども、今度のこの法律行政代執行法が全然適用されないと、費用を負担させることはできないわけですな。そうしますと、心がけの悪い者が費用を負担させられないということになれば、当然国があるいは府県が費用を負担するということになる。それをいいことにして、ますますそういうことをやるような傾向がないとは言えないと思うのですね。むしろ罰金とかいうよりも、除去に要する費用を負担させるというほうが、そういう不心得なことをさせないようにするのにはかえっていい方法ではないか。むしろ行政代執行法の期限のかかるという点だけを改正をして、そうして他の費用負担の分は行政代執行法を適用させておいたほうがいいように思うのですけれども、その点はどうお考えになりますか。
  42. 谷藤正三

    谷藤政府委員 実は先ほど石川先生の御指摘にもございましたように、違反の枚数は約三百万枚、その中でほんとうに相手がわかっているものというのは、非常に少ないわけでございます。その相手をさがすことが非常に大きな労力と時間を必要とするような大勢になっておりますので、実際には本人を見つけて罰金を取ってというふうにやればいいわけでございますが、非常にむずかしい。もう一つは、これは先ほども申し上げましたように、実際にはそういうものを違反の逆手を使って、幾らで毛自由に張って、はがされるのを覚悟でやってしまうというようなことが起こるのではないかという危惧の念も当然ございますけれども、今までの京都でやりました例を見ますと、そういうふうな逆効果にはなりませんで、むしろ町はだんだんきれいになりまして、そういう違反毛なくなるというふうな現実の面が出ておりますので、私たちは、結論的には、そういう裏手を使われるよりは、むしろ善意に解釈される場合が非常に多いというふうに判断したわけでございます。
  43. 山中日露史

    ○山中(日)委員 張った本人を見つけることが非常に困難だというようなことですが、それはそうだろうと思いますけれども、見つかった場合におきましては、その費用は負担させるというふうにしておいたほうが、ただ罰金——罰金というものも、相手がわからなければとれない。同じことだと思うのですが、やっぱり費用を負担させるという、その負担を違反者に課しておいた方が、もし見つかった場合における制裁的な意味もあるわけですから、そのほうがいいようにも考えられますが、その点は議論になりますから、もう一度申し上げるだけにして、その次に、違反が明らかな場合ですけれども、もしこれが違反でなかったということが最後にわかったときには、これを救済する方法は全然ないわけですか。その点はどうなんですか。
  44. 谷藤正三

    谷藤政府委員 これが明らかに違反するというふうに判断いたしまして、はがしてしまったというふうになりますと、形がくずれてしまいますので、なかなか行政不服審査法で訴え出るというわけにいかない場合が相当多いと思いますので、その場合につきましては、やっぱり国家賠償法に基づきまして補償するという以外にはないと考えております。
  45. 二階堂進

    二階堂委員長代理 本案に対しましては、他に質疑の通告はございませんので、本案に対する質疑をこれにて終局することに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 二階堂進

    二階堂委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  47. 二階堂進

    二階堂委員長代理 この際、中島巖君より発言を求められておりますので、これを許します。
  48. 中島巖

    中島(巖)委員 議事進行について質問したいと思うのですが、会期も余すところわずかになっておるわけですが、現在会期延長の問題も出ております。大体の見通しでは、六月一ぱい会期延長になるのではないか、こういうように言われておるわけであります。そこで、法案もだいぶ大詰めになってきましたけれども、新聞などで伝えられるところによると、新河川法が近く提出される、こういうような状況であります。それから最も遺憾なことは、建設大臣がなかなか委員会に出席せぬ。おそらく昨年十二月始まってから建設大臣の出席した総時間数というものは、十時間以内くらいのものではないかと思う。そうしておいて、いろいろ大きな問題を新聞発表して、当委員会をつんぼさじきに置いておる。また、与党の諸君の出席も非常に少ない。きょうは定数がそろわねば始めぬぞということで集まってみえた与党の議員もごらんの通り非常に少ない。実に国会というものが軽視されて、あるかないかわからぬような状態になりつつあるのではないかと思う。これは実際建設委員お互いの責任ではないかと思う。さらに来年度においては道路整備五カ年計画が改定される、あるいは治水十カ年計画が改定される、こういうような状態であるから、われわれも政府当局の意向も十分ただしたいし、また国会の意思も政府に対して反映させて、新しい施策の中にこれを織り込むべきであると思う。それがこういうような空白空転状態では、はなはだ遺憾だと思う。だからこの点、委員長のほうで十分ひとつ考慮して、政府当局を相当鞭撻してもらわなければいかぬと思う。これができなければ、ぼくらも議運の問題として正式に取り上げたい、こういうふうに考えておるわけです。  それから、政務次官にお尋ねしますが、河川法はいつごろ提出するのか。今国会でああいう重要法案を上げるつもりで提出するのか。この点と、さらに今後建設大臣の出席ができるのかできぬのか。先ほども官房長に、新住宅市街地開発法案に対して建設大臣が内容説明しろと言ったら、どうしても出てこんならぬようなら出てきますというような答弁で、当然委員会に出ぬものと考えておるような印象を受けたわけですが、これはもってのほかだと思う。ことに新住宅市街地開発法案というようなものは、内容に日本の住宅政策の一つの大きな政府としての政策——先買い権なんかを入れて、重大法案である、政府の政策法案であるというふうにぼくら考えておる。こういうように委員会を軽視して、片方、新聞記者なんかに、新しい大きな政策をどんどん発表しておるということは、全く国会軽視もはなはだしい。こういうふうに考えるわけであります。そこで政務次官に対する質問は、ただいま申しましたように、河川法はいつ提出できるのか、あの大法案を会期末に出して今国会で成立する考えなのかどうか。それから、今後大臣は出席できるのかどうか。この二点を政務次官に質問いたしたいと思います。
  49. 松澤雄藏

    ○松沢政府委員 第一点の河川法は、できるならば十七日あたりの閣議で決定を願いまして、法案の整理等もありますから、目標は二十日前後に提出いたしたい、おそくても二十五日までには出したいという気持で、現在鋭意その整理に当たっております。もちろんこれは会期延長を目標であります。  それから次は、大臣出席について、国会軽視というようなお話でありますが、そんなことは毛頭ございません。必要に応じて大臣に出席を私のほうで要請すると同時に、当然出席させます。しかしながら、お考えを願いたいのは、不肖ながら私も政務次官をしております。御答弁のできない部面はもちろん大臣にしてもらわなければならぬし、国民に対する最高責任は担当相である大臣みずからがとらなければならぬという部面等がございます。したがって、そういう部面等については、当然大臣に答弁をさせなければいかぬという部面もありますが、かわって出席した場合には、政務次官がその責任をとって政府の代弁をしていくことは、官制上明らかになっております。したがって、そういうふうな点等もあわせてお考えを願い、できるだけ大臣には御趣旨に沿うて出席させるようにいたしたい。われわれも誠意を込めてやっていきたい。  また、新聞記者やなんかに発表というふうなことがよくありますが、会見の席上では、いろいろな質問等が出ますと、それに自分の考え方というふうな部面を言うておりますけれども、これもまた皆さん方の御質問等に応じて答弁をするとか、あるいはまた、その要請によって話をするとかいったようなことも多々ございます。ですから、もしも皆さん方においてこうだというようなことがございましたならば、われわれのほうからいつでも御答弁を申し上げるなり、あるいはまた、質問に応じて答弁をするというふうなことだけは、皆さん方の御満足が得られるようにやっていける、かように考えております。  なお、さっき言い漏らしましたけれども、河川法を出すのに今国会で通過せしめる意思で出すのか、こういうような御質問でございますが、出す以上は、ぜひ通していただきたいという気持でおります。
  50. 二階堂進

    二階堂委員長代理 ただいま中島委員よりの御発言は、松沢政務次官からの御答弁によって御了承願いたいと思います。なお、委員長といたしましても、大臣の出席等につきましては、政府当局に申し入れをいたしておきます。御了承を願います。  本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十七日金曜日、午前十時から理事会、同十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二分散会