○
木村(公)
委員 きょう本
委員会は
土地区画整理法の一部を改正する
法律案並びに
共同溝の
整備等に関する
特別措置法案並びに
住宅金融公庫法及び
日本住宅公団法の一部を改正する
法律案等御審議をなさる御
予定でございますときに、突如新
産業都市建設促進
法案につきまして質疑をいたしますことは、
委員諸君に対してまことに礼を失するかと存じますが、実は昨日の夕刊に新
産業都市の閣議決定ながなされたという記事が出ましたので、これに関心を寄せる全国の
産業都市を待望しておるところの都道府県におきまして、おそらく重大な関心を持っておると思いますので、この機会に場所柄は少々どうかと思いますけれ
ども、幸いきょうは
建設省からも
計画局長が来ておられるようですし、それから経済企画庁からも担当の方が来ておられるようでございますので、簡単に経論だけをお伺いいたしておきたいと思います。
もともとこの新
産業都市建設促進
法案ができましたのは、初めは
建設省の広域
都市建設法案、自治省の地方開発基幹
都市建設促進
法案、通商
産業省の工業地帯開発促進
法案の三案を調整して一本化したことは、御承知の通りであります。従いまして、たとえばその調査費等を見ましても、経済企画庁におきましては、地域経済
計画調査の調整費といたしまして、三十七年度には五千万円、三十六年度にもやはり五千万円計上いたしております。それから、
建設省におきましては、広域
都市建設計画調査費といたしまして、三十六年度には一千百二十一万八千円、三十七年度には一千六百十四万円を計上いたしておる。自治省といたしましては、地方開発関連調査費といたしまして、三十六年度に一千三十八万六千円、三十七年度に一千八万八千円を計上いたしております。通産省におきましては、
産業立地の調査指導費と称して、三十六年度には二千三百七十万二千円、三十七年度には三千二百二十五万四千円を計上いたしておることは、おおむね御承知の通りでありますが、これらの、莫大とは申しませんけれ
ども、多額の調査費を使いまして、そうして調査の結果、昨日の閣議において宮澤長官より了承事項として出されたものによりますれば、「現在新
産業都市建設促進法による指定準備を、経企庁が幹事役となり、
関係七省と打ち合わせているが、今後の
予定としては、四月一ぱいに今まで立候補している全国四十三ヵ所の代表者の意見を聞き、地方選挙の終わる五月には指定を行ないたいと
考えている。経企庁の方針は全部で十ヵ所
程度にしぼりたいが、選に漏れた
都市に対しても開発調整費約十億円のうち四億円
程度を適当に
運用するとともに、他の
法律の
運用も弾力的に行なって、落ちた
都市の対策としたい」と述べております。これに対しましておおむね各省大臣は賛意を表しているようです。ところが、御承知だろうと思いますが、経済企画庁長官の宮澤君は、衆議院の予算
委員会等におきまして、この問題にいろいろ
答弁をいたしておる。結論的に言いますと一およそ三つ、四つのことがわれわれの記憶に残ることです。その
一つは、指定地域は必ずしも十ヵ所にこだわらないということです。きのうの新聞は十ヵ所
程度指定すると言っておりますけれ
ども、宮澤経企長官の
答弁を速記録に見ますと、指定地域は必ずしも十ヵ所にこだわらない。それからもう
一つ内陸地帯からの指定もあり得るとの態度を明らかにしておる。一時は、臨海地帯以外には、新
産業都市というものは造成が困離である、あるいは造成の必要度が少ないといったようなことがいわれたのでありますけれ
ども、宮澤長官の
考え方によりますれば、内陸地帯からの指定もあり得るということを、予算
委員会においてしばしば述べておる。これが私
どもの記憶には印象的です。従って、最終的には十ヵ所とは限らないと言っておるのだが、
一体どの
程度まで指定するつもりであるのか。それから、地方統一選挙等の過程においてこういうことをやればもめるから、選挙が終わったあとでやるというような
考え方も
一つの
考え方でありましょうけれ
ども、統一選挙の前に十ヵ所は大体やりたい。しかもそれが大体書いてあるんですよ。宮澤君の
考え方によりますと、北海道においては道央というんですから、北海道の中心地点を言うんでしょう。ことに旭川付近は非常な強烈な希望がありまして、われわれもしばしば陳情を受けておるのでありますが、道央という言葉をもって申しておる。それから、東北は仙台湾臨海、北陸は富山、高岡、岡山は県南広域
都市、大分は大分、鶴崎などということをばく然と言って、そうして思わせぶりなことを言いながら、十ヵ所
程度とは限らないということを他面に言っておる。そこで私は、きょうはどこどこに指定をしていただきたいというような、陳情のようなことを申し上げておるわけではない。そんなことはいささかも
考えておりませんが、ただ問題は、きょうは幸い
建設省の
計画局長も来ておられる。あなた方がつんぼさじきに実は置かれておる。しかも調整費はもらっておる。しかも初め四つの
法案があったのです。御承知の通り、あなたの方の
建設省の広域
都市建設法案、自治省の地方開発基幹
都市建設促進
法案、通産省の工業地帯開発促進
法案の三案が出てきた。そこで、けんかをして何ともしょうがないものだから、調整をして、経済企画庁を一応窓口にしたのですけれ
ども、経済企画庁が一たびこれを握りますと、他の省と最終的には談合しておるような様子もあるけれ
ども、その過程においてはほとんど独善的に勝手にいろいろの意見を発表して、そうして
関係各省との意見の調整というものは最終的になされるようなことになっておるようにわれわれは思う。そのようなことでは、初め調整したというのは、いろいろの
法案が出てきたんだ、いわゆる新
産業都市に以ておる
法案が出てきたものを調整をして一本にしぼって、そうしてひとまずは、窓口が幾つもあっては行政面の
運用が困離であろうから、経済企画庁に、
一つあなたの方が窓口になりなさいということになって、窓口にした。そうすれば、経済企画庁においては、きょうは大來総
合開発局長も来ておるようでありますが、大來君あたりも他の各省と絶えず緊密な連絡を保ちながら、この
計画を推進さるべきでありましょう。ところが、その過程を私が振り返ってみると、ほとんど他の
関係各省と緊密な連絡をとっておらないで、むしろ総
合開発局長自身の私案のようなものを盛んに新聞に提案しておる。たとえば臨海工業でなければ内陸の新
産業都市というものはあり得ないというようなことを、あなたの下の方の者に言わせておる。そういうばかげた、つまらぬ、コンクリートもされておらぬことをどんどん流すということは、これは最も下手な政治なんです。政治というものは、そんなことで、あなたの思うように遂行できるものじゃない。必ずそういう場合には障害が起きるにきまっておる。だから、最終的な案ができる前に、常に各省と連絡を保ちながら、第一次案、第二次案、第三次案、第四次案と、次々に案をわれわれにも提示されて、そうして国民代表でありますから、
委員会において、あるいはその他の各党の調査会等において、あらゆる機会を見つけて、あなた方のコンクリートされざるところのお
考えを明示しながら、ともに衆知を集めて最終案をお出しになるということが、私は当然であろうと思う。ことにこの新
産業都市というのは、けんかをさせるようにできておる。これはもう御承知の通り、知事の申請があった場合には、あな方で指定をするというので、これを放置しておかれれば、全国でおれの方こそ最も理想的な地域だということで、おそらく大へんな騒ぎになる。そういうことをあらかじめ
計算に置きながら、あたかも国
会議員あたりは地域代表の一面を持っておりますから、地域代表としてあなた方の前に陳情に来ることを楽しんでおるように見える。そういうことはつまらぬことです。そういうことはばかげたことなんです。だから、あなた方の最終的な案はまだないと思うけれ
ども、現段階における案を宮澤君は、これは閣議了承を得たからこれでいいように思っておるけれ
ども、閣議了承を得たからといって、新
産業法というものの最終的な実施の責任者は行政官にあるんじゃない。これを通した国会にある。だから、あなた方がどういうお聞えでいらっしゃるか知らぬけれ
ども、閣議の了承を受けて五月にはまず十ヵ所を指定するとおっしゃるが、指定するということが最終的にきまっておるなら、ここではっきりおっしゃっていただきたい。そうして国会のわれわれに言う前に新聞にどんどん出ておる。そうして国会はつんぼさじきにしておる。ここに
建設省の
計画局長を参考人として私は呼んでおるのだが、
計画局長もおそらくしっかりしたことを知らないでおる。そんなばかげたことでよろしいか。一ぺんあなた方のこれからの根本的な進み方を伺っておきたい。それでいくかどうか。いくならいくでやってごらんなさい。私が一人でもあなた方の前に立ちふさがってみせる。最終的にどういうふうになっておるのか。