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1963-03-06 第43回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月六日(水曜日)    午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 福永 一臣君    理事 加藤 高藏君 理事 木村 守江君    理事 薩摩 雄次君 理事 瀬戸山三男君    理事 石川 次夫君 理事 岡本 隆一君    理事 中島  巖君       井原 岸高君    大沢 雄一君       金丸  信君    木村 公平君       正示啓次郎君    丹羽喬四郎君       山口 好一君    兒玉 末男君       佐野 憲治君    三宅 正一君       田中幾三郎君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局長)  大來佐武郎君         建設政務次官  松澤 雄藏君         建設事務官         (計画局長)  町田  充君         建 設 技 官         (都市局長)  谷藤 正三君         建設事務官         (道路局長)  平井  學君         建設事務官         (住宅局長)  前田 光嘉君  委員外出席者         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 三月五日  委員田中幾三郎辞任につき、その補欠として  伊藤卯四郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員伊藤卯四郎辞任につき、その補欠として  田中幾三郎君が議長指名委員に選任された。 同月六日  委員田中幾三郎辞任につき、その補欠として  稲富稜人君が議長指名委員に選任された。 同日  委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として田  中幾三郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月四日  屋外広告物法の一部を改正する法律案内閣提  出第一三三号)(予) 同日  建設重機工業団地設置助成に関する請願外二件  (宇野宗佑紹介)(第二〇二八号)  鹿児島伊座敷、山川両港間にフエリーボート  の新航路開設に関する請願二階堂進紹介)  (第二〇三七号)  県道鹿児島県吾平町、佐多町伊座敷間の主要地  方道指定に関する請願二階堂進紹介)(第  二〇三八号)  鹿児島市、西桜島村袴腰間に架橋の請願(二階  堂進紹介)(第二〇三九号)  県道内之浦神ノ川線高山町金山、内之浦官行  さく伐所間未開通区間早期建設に関する請願  (二階堂進紹介)(第二〇四〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改  正する法律案内閣提出第六二号)  土地区画整理法の一部を改正する法律案内閣提  出(第八四号)  共同溝整備等に関する特別措置法案内閣提  出第九〇号)  建設行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 福永一臣

    福永委員長 これより会議を開きます。  住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案土地区画整理法の一部を改正する法律案及び共同溝整備等に関する特別措置法案の三案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。木村守江君。
  3. 木村守江

    木村(守)委員 共同溝建設費に関する分担金の問題でありますが、この問題につきましては、この分担金のいかんによりましては、いわゆる公益事業が多額の料金を負担することになり、従って一般民衆にこの負担分が転嫁されまして、ややもすれば物価の上昇を来たし、また生活圧力を加えるような状態になるのではないかというようなことから、この問題につきましては先般来再三本委員会におきましても論議された問題であります。この問題につきましては、これに対する道路局長答弁等を見ますと、結局第二十条における建設費負担規定がある。その規定の中に、「共同溝建設によって受ける効用から算定される推定投資額等を勘案して、政令で定めるところにより算出した額の費用」というようなことを書いてありますが、この文面だけではきわめて抽象的でありまして、はたしてどういうような政令をもって、どういうような効用から算定される推定投資の額を決定するのであるかどうか。これはきわめて抽象的でわかりにくいような状態になっておりますので、この点を具体的に説明をしてもらいたいと考えるのであります。
  4. 平井學

    平井(學)政府委員 お答えいたします。  共同溝建設費のうち、公益事業者がどの程度負担をするのか、それによって消費者に対してどの程度の影響があるのかということを、具体的に御説明申し上げたいと思います。  最初にお断わりしますが、この問題は、先般の委員会でも申し上げましたように、政令で詳しく具体的に書く予定でございます。目下大よそのめどはつけておりますが、まだ政令案を報告する段階に至っておりません。そこで大体私ども考え方を申し上げたいと思います。  ただいま木村委員さんから御指摘のように、公益事業者負担すべき限度というものは、もし共同溝をかりに設けなかったとした場合、今後五年、十年、十五年の間にガス会社なり電気会社がある一定の地点を将来堀り返して、そこへ都市の発展に基づく需要増加分の線をわざわざ堀り返して埋め戻しをする、またその間維持補修関係上堀り返して点検をする、またそれから五年たって、さらに都市が発展することによって、同じようなことを繰り返してやる、こういったような費用がかかるであろうことを予定して、それを一定利子で還元して一現在における金高を出して、それを出さす、あるいは共同溝維持のためのいろいろな照明設備とか、そういうことを出さすということは、この前申し上げたことでございますが、私どもが現在研究いたしました結果に基づいて、完全とは申しませんけれども、一応の例を申し上げますと、共同溝をつくらなかったならば、将来一体どういう手数がかかるかということをまず申し上げます。  電信電話会社あるいは電力会社等について申し上げますと、将来東京都内で発展する区域におきましては、こういう会社は、五年ないし六年というふうに一定年数がたつと、必ず電話なり電気需要がまとまって起こる、そのときにまとめて増設を行なうということが考えられます。その次には、毎年ないしは二年に一回くらいずつ平均してその需要が上がってくる際に、そこを掘り返して、電話線を一束なり二束ずつ、ちびちびと埋めていく、こういうようなことが考えられる。あるいはさらに逆にうんと集約して、かりに将来二十年間電話電気需要がある場合に、ちびちび二年に一回、三年に一回やらずに、これを二回分くらいにまとめて、十年目に一回、二十年目に一回、こういうふうに二回くらいにまとめて電話線の束を堀り込むというような、二つないし三つの場合があるのであります。そうした場合に、一体幾ら費用がかかるかということを、それぞれの場合について計算をいたしたのでございます。  たとえば、電話線について申しますと、そうした場合に、平均して一番条件のいいところで、今度考えられます青山の放射四号線のあたり、あの辺は地盤が固くて条件がいいのでございますが、ああいうようなところについて申しますと、最低メートル当たり二万九千円から三、四万ということで済む。ところが、またこれが地盤のやわらかい、やっかいなところであれば、二万九千円では済まずに、最低が四万くらいかかるという場合もあるかもしれませんが、そういった将来の需要増に応ずる埋め足し、その費用メートル当たりで単価が大体業者の方で出るのであります。十年先の需要に応ずるために、わざわざ現在先行投資をするために、その利子を年に六分五厘と見るかあるいは七分と見るかによって、それぞれ電電債なり電気公債によって違いますけれども、大体六分五厘くらいにした場合に、五年先のものを昭和三十八年の現在に引き戻した場合に、大体どの程度の金になるかということを計算いたします。そうしたものをまず計算をいたして、そしてそういったものを各業者電話会社電気会社、そういった業者の予想される経費利子によって還元して、現在時点の金高を出して、それをまず業者受益分として出す。そのほか、この前も申し上げましたように、共同溝というりっぱな施設の中に入れたならば、電線被覆——じかに単独道路に埋める場合には、上からの圧力、湿気によるいたみといったものを考慮して、厳重な被覆施設をやらなければならぬ。ところが、共同溝に入れる場合には、そういったものが要らぬ。手間が省ける。それから修理の場合にも簡単に設置していける。そのために省けるところの手間賃を私ども計算をいたします。それを各業者ごとに集積して、その費用の総額を出して、そして共同溝の全体の建設費の中から利息を差し引く、残りを道路管理者側負担をする、こういう計算をいたしておりますが、現在、今言ったように地盤の非常にいいところ、条件のいいところで見ますと、三分の一下回るような金額が出る。また逆に地盤の脆弱でいろいろ条件がむずかしいというようなところになりますと、三割、三分の一を上回るという見当が大体ついておりますが、いずれにせよ、私どもは、たとい共同溝をつくらないでおっても、五年、十年先には当然出費しなければならないぎりぎりの費用の算出をいたすつもりでございます。従って、それがために消費者値上がりの形によって負担が転嫁されるということはあり得ない。共同溝をつくらなくても、当然将来需要がふえるに従って、どんどん費用をかけて埋めるということが予想される。その範囲内で計算をいたすのでございますので、御指摘のような、それが直ちに消費者にそれのみによって値上げをしなければならぬということには、理論上ならないような計算を現在いたしております。
  5. 木村守江

    木村(守)委員 ただいまの答弁につきまして、なお了解のできないところがあります。それは、共同溝をつくる場合に、将来何年をめどとして共同溝の大きさを決定するか、それは問題があるとしても、電線やその他のものはそれほど大へんなことはないと思いますが、たとえば水道管あるいはガス管というようなものは、急速な人口増加等によりまして、相当の需要が出るようになるだろうと考えます。そういう点から考えて、これは将来何年くらいを目途として、この局部計画を立てられるのか。それから、ただいま、地盤関係によって、あるいは共同溝の構築の難易によって、三分の一よりも高くなるところもある、それから三分の一くらいになるところもあるというようなことで、これはかなりはっきりしないような感じがいたしますが、いずれにいたしましても、共同溝による公益事業者分担金というものは、先行投資としまして一時に金を投資しなくてはならない。そういう点から考えますれば、公益事業者は、一時の分担金需要者に肩がわりするというようなことは、容易に考えられる問題だと私は考えるのであります。こういうようなことに対しましては、政府は、長期低利融資をするとか、金融の道を考えるとかしてもらいたい。こういうことを考えずには、需要者一般民衆の、いわゆる物価値上がり生活圧力を加えないというようなことはでき得ないのじゃないか、こういうような考えを持っておるのであります。  なお、御説明がありましたこの政令内容につきましては、相当われわれ了解し得ないところがありますので、できればこの政令内容をお示し願いたいと思います。どうしてもできないという場合には、これはまた現在の構想等を明確にお示しいただければ、まことにけっこうだと思います。
  6. 平井學

    平井(學)政府委員 第一点でございますが、大体私どもは、共同溝に収容すべき公共物件の将来の需要考える場合の期間としては、十年ないし二十年というところを考えておるのであります。これはガス管とかあるいは電線水道等によっていろいろ違いますが、短い場合でも十年くらい、長い限度で大体二十年くらいの需要伸び考えまして、計画をいたしております。また、共同溝そのもの耐用年数と申しますものも、最低五十年は十分もち得るという限度考えております。たとえば東京都が、今後の人口計画の上で、先般発表しました白書によりますと、昭和四十五年前後に大体区部で九百万ないし九百六十万で押える、郡部を入れても千二、三百万のところで押えるというふうな御計画になっておりますが、そういったことをも一応めどにいたしまして、今言ったような公共事業面需要の将来の見通し期間は十年ないし二十年というものを  一応の計画の基礎にいたしております。それから、各種関係業者公益業者について一応いろいろ非公式に計画を聞きましても、大よそそういった東京都につきましては東京都の推定、また同じように大阪あるいは名古屋その他の典型的な大都市につきましても、大よそ諸般都市施設都市公益事業人口計画等考えますと、そういうような限度に大体なるものと、一応推定をいたしております。  次に、先行投資による負担を有利な融資方法によって何とかする考えはないということですが、実は私ども、当初この法案を立案いたします場合に、大蔵当局とも話をいたしまして、法文の中にそういった長期有利な金融の方途を一条盛り込んだらどうかというような相談をいたしたのでございますが、これにつきましては、いろいろの関係で、結局法文には乗っけないとなったのでございますけれども、本来この共同溝の中に入れる公益物件のこの事業者というものは、いずれもガス電気水道電話、こういったような市民生活に欠くべからざる公益事業でございますので、現在も開発銀行その他の方面からの融資もしておるし、将来もいろいろな民生安定の面から、必要によって随時そういう施策をとることが十分に可能な条件下にあるのだから、これは条文に書かぬでも、そういったような将来の諸般の事情に応じて運用をしていけばいいというような関係省庁の意見もありまして、そういったことを、私どもとしては、筋としてはこの面の運用考えていきたいと考えております。  それから、第三の政令案でございますが、まだ政令案としては固まったものはございませんけれども、要綱、要旨、こういうものにつきましては、現在、先般の委員さんの御質問によって、一応簡単なものの用意ができておるはずでございますので、これを一つごらん願いたいと思います。
  7. 木村守江

    木村(守)委員 共同溝建築計画が将来十年ないし二十年ということでありますが、これは、考えてみると、十年すればまた掘り返しをしなければならぬ。この掘り返しは、今やっておる電線埋没あるいはガス管埋没ということよりも、共同溝の掘り返しですから、ものすごく大きな掘り返しになるだろうと思います。そういうようなことでは、せっかくの共同溝、そうして交通対策の一環としての共同溝の使命が減殺されるのじゃないかというふうな考えを持ちますので、少なくともいわゆる共同溝耐用年数、これを五十年とするなら五十年の将来を見込んだ計画を立てて、初めて今度の共同溝の、いわゆる建設大臣考え共同溝の本来の目的を達成することができるのではないかと考えております。これにつきまして、現在電線埋没あるいはガス管埋没等による掘り返し、水道管の掘り返しは、一体何年に一ぺんぐらいやっておるのか。私はせいぜい大体十年に一ぺんぐらいだとは思っておりますが、一体何年に一ぺんやるのかということをお聞きしたい。
  8. 平井學

    平井(學)政府委員 共同溝そのもの耐用年数最低五十年、それから私ども関係公益事業会社の将来の需要推定する場合に用いた年数は、もう二十五年、三十年となりますと、これははなはだ科学的根拠を欠くので、あえて今回の法案の際に、具体的対象として考えなかっただけでございまして、およそわれわれが、皆様方に御納得のいく範囲で、そういう公益事業の将来の需要増推定する年限としては、十年から二十年ぐらいのものが大体現実的なものだろうという意味で、一応二十年ぐらいまでがわれわれが自信を持ってお答えできる見通し期間であるというふうに考え意味でございます。  そこで、その各公益事業の掘り返し、これを推定いたしますと、たとえば、現在東京都で、昭和三十七年度の初めにおいて——御承知のように掘り返し防止の連絡協議会というものが各都道府県にございまして、毎年当初に、道路管理者のところへ、協議会の形において、それぞれ公共事業者その他の関係者から道路掘り返し予定申請を出すのでございます。それが昭和三十七年度に東京都におきまして大体千七百件ないし千八百件、しかもこれが東京都を走っておる都道以上の一級国道、二級国道の全延長に対して、全延長は大体二千二百キロばかりございますが、これの六割に相当する区間を三十七年度において掘り返しておるのでございます。しかもこの傾向は、最近のわが国の産業構造の変化、その他の公共事業伸びによりまして、人口産業東京初め大阪等大都市に急激なピッチで集中するという現象は、これは隠れもない事実でございます。今後一そうこのピッチが早まる。人口産業が集中すればするほど、都市改造が進展すればするほど、こういった公益事業需要が急激に伸びてくるのでありまして、それに応じてこういった掘り返しが急速に必要になってくるということは、これは東京都の今後昭和四十五年なり五十年目標の都市計画から見ましても、裏打ちできる見通しでございます。過去の例におきましては、きわめて無計画に行なわれておりますために、そのまとまった需要に応じて埋設する場合に、それから少しずつの需要に応じても、そのつど毎年一回掘り返すという場所などございます。たとえば水道管で申しますと、都心においては毎年一回ということはございません。逆に発展する周辺部住宅地帯、あるいは新しい工場団地のできるようなところにおきましては、毎年々々と言っていいほど、こういった需要増に応ずる新施設の埋め足しが行なわれております。また、都心におきましても、御案内のように、東京の場合でいいますと、東京都全体の平均の建物の立体度合いが一・九階、要するに平均二階にも達しないようなきわめて高層化されておらない地域でございますので、これが都心部におきましても高層化されて収容力がふえていくという場合におきましては、相当な需要増が出ております。ところが、電気会社電話会社あるいはガス会社、それぞれの立場によりまして、冒頭に私が申し上げましたように、毎年々々ちびちびと埋め足していくようなところ、それと逆に三年分、五年分をその間まとめて大量にどっと埋め足すというような場合がございます。従って、個所により、また需要上り工合によって、毎年々々やるという場合、あるいは逆に、今言ったように三年分、五年分をまとめて埋め足すという場合と、両方があるわけでございまして、われわれは、いずれの場合も、それぞれの場合についての受益分計算し、必要投資分計算し、それの平均をとって、最終的に公益事業者負担分を割り出す、こういう計算を現在やっております。
  9. 木村守江

    木村(守)委員 ただいまの御説明によりますと、いわゆる公益事業者計画というものは、ほとんど一年ごとに掘り返しをしなければならないような状態だというように聞こえるようでありますが、私は、公益事業者も、実際問題としては、少なくとも将来何年というような計画を立てて、これは埋設、埋没をしておるのだと考えます。そういう点から考えまして、これはあとでもよろしゅうございますから、電電公社あるいは電気会社、あるいは水道ガス管、これらに対して一体どれくらい置きに掘り返しをしなければならない状態になっておるかということを調べて、御報告願いたいと考えます。  それから、せっかくただいま建設省で考えておるこの政令案をいただきましたので、この問題につきましては、政令案についてなお調べてみまして、この問題の質問を保留しておきたいと考えます。  次にお伺いいたしたいことは、共同溝の占用する公益事業です。これにつきまして、占用する業者業種内容によって、負担させる金額を考慮したいということを申されておるかのように拝聴いたしておりますが、一体業者負担割合をどういうに考えておるのか。わかりやすい例を申しますと、水道管というと膨大な容積をとります。それから配電線ということになりますと、きわめて少ない容積で済むことになります。そういうようないわゆる共同溝の占用する面積というものを勘案して、その負担金割合を決定するような考えを持っておるかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
  10. 平井學

    平井(學)政府委員 私どもが、たびたび、公益事業者負担分はおよそ幾らくらいになるかということについて、常識的に三分の一前後というふうに申し上げましたが、これは要するに法律で指定しておる各公益事業者受益分の総合計を申しておるのであります。従って、早くいえば、六億円の全工費で、そのうちかりに二億円を公益事業者が、たとえばガス水道電話の三公益事業団負担する場合に、その二億を三社で割るわけでございます。これは決して一律に三で割るわけではございません。各業種によって、ただいま御指摘のようないろいろの構造上、施設特徴等によって所要経費が違います。たとえばガスが入る場合には、やはり危険をおもんぱかって特別な隔壁を設ける、万一爆発することはございませんけれども、そこまで配慮するとすれば、隔壁費用は当然ガス会社負担しなければならない。あるいはまた、御指摘のように、広い面積をとるというような施設につきましては、やはりそれに対するそれ相応の負担をしてもらう。そういうことは十分考えて、業者相互間の負担度合いに不公平のないように計算する方針をとっております。
  11. 木村守江

    木村(守)委員 次にお尋ねいたした、いのは、共同溝建設等に際しまして、共同溝の上の路面舗装がありますが、舗装費というものは共同溝のいわゆる建設費の中に含まれておるかどうか。従って、この路面舗装というものが、いわゆる公益事業者にその三分の一が振りかわっていくような計算になっておるのか。それから、共同溝上床がいわゆる路面舗装と一致した場合、いわゆる上床すなわち舗装だというような場合に、これをどういうふうに一体計算しておるか伺いたい。
  12. 平井學

    平井(學)政府委員 普通の場合に、たとえば地下鉄工事を並行してやる場合を考えますと、これは路面から相当深いところに共同溝が入ります。しかも地盤がいろいろむずかしい、その場合に路面舗装する、またその前に地下鉄工事担当者と共同して、また掘るという行為が行なわれますが、その場合に、私どもといたしましては、地下鉄工事と並行してやる場合には、それだけ地下鉄側道路管理者側も、掘さくする費用は相当部分節約できるわけでございます。地下鉄側あるいは道路管理者単独でやった場合に比べて、両者が合併して工事をやる場合には、相当部分費用が軽減できます。その軽減方法はこの法律の問題ではございませんけれども地下鉄側と私どもの方で共同計算すべき分を計算して、それを二分の一ずつ持つ、こういう計算考えております。さらに道路管理者が受け持った二分の一について、これはやはり一つ建設費でございます。掘って跡片づけをする、要するに最終的には舗装をするという費用、これは共同溝建設費に入りますので、その部分についてはやはり業者についても負担を願う。次に、共同溝がきわめて地表面近くにあって、共同溝天井部分が同時に道路路面を形成する場合につきましては、これはもう、道路管理者から言わせれば、きわめて大きな節約になるわけでございます。独自で舗装する必要がございませんので、相当部分路面舗装費が合理的に節約できるわけでございます。節約分は当然これは計画いたします。これは政令にはありません。共同溝自体としても天井を必ずつくらなければいかぬのです。ただそれが路面になる場合に、道路管理者側舗装費は相当量節約できるわけでございますから、一定材料費工事費、そういった面から計算が出ますので、当然差し引いた計算をする。それだけ、言いかえれば公益事業者負担は通常の場合よりは減る、こういうことは当然でございます。
  13. 木村守江

    木村(守)委員 共同溝をつくる場合に、現在りっぱな舗装ができておるところを堀り返して、そして共同溝の上に舗装をする場合は、ただいまのような考え方でいいと思うのです。ところが、舗装の寿命がきておる、補修をしなければならないというようなところに共同溝をつくって、その舗装をする場合に、共同溝建設費の一部分というような考え方をすることは、私は妥当じゃないんじゃないかと考えますが、どうでしょう。
  14. 平井學

    平井(學)政府委員 ただいまの御指摘の点はおっしゃる通りでございまして、大へん具体的な御指摘で恐縮ですが、実は今度の政令の案の中でも、ただいま道路について御説明しましたが、私どもは、通例の場合を第一項に書いて、第二項ないし第三項では、公平を欠くというような場合はそれに応じた方法考えるつもりでございます。従ってそういうものは、当然古くなっておるような舗装の場合、公平にこれを秤量して、全額に近い額を道路側が持つとかいうことは、公平の原則からいって当然でございます。政令にもかようなことを実は考えております。
  15. 木村守江

    木村(守)委員 これはぜひ考えてもらいたいと考えます。  それから、最後にお尋ねいたしたいのは、この第二十一条の管理費の範囲について御質問をしたいと思います。管理費とは一体どういう範囲までを言うのか、それと同時に、管理費は一体どういうようにこれを分担するか、この分担の方法をあわせて御説明願いたい。
  16. 平井學

    平井(學)政府委員 管理費の範囲は、具体的に申しますと、まず共同溝内にいろいろな公益物件を納めてある。それが良好な状態維持されるための施設でございまして、たとえば照明設備、これはやはり共同溝の中にしょっちゅう入って点検する、あるいは増設工事をするというためのもので、当然でございます。また、これはすべての場合でございますが、ガス管共同溝に入る場合には、万が一つガス漏れに対する配慮として、やはり換気施設考えざるを得ません。また共同溝がだんだん古くなってくると、壁面がいたんでくるという場合に、共同溝そのものの修繕ということもございます。たとえば中の清掃等もございますが、そういったことが私ども考えておる典型的な管理の形態でございます。その費用につきましては、これまた政令で定める基準に従ってというふうに、法文には書いてございます。私ども考えでは、この建設費と大体同じような精神で、建設費の分担の比率をもって管理費の負担区分もきめたい、建設費の場合にとられたと同じような原則で管理費の場合についても考えていきたい、かように政令には書かしてもらうつもりで、現在作業を進めておるような状況でございます。
  17. 木村守江

    木村(守)委員 建設費分担金と、これを基準とした按分で管理費をまかなうというようなお話でありまするが、これは、実際問題として、ガス管あるいは水道管、それから電線というようなことから考えてみまして、一番問題のあるのはやはりガス管だろうと思います。これに対しては常に注意を怠らずにいろいろ点検等をしなければならないというようなことなのですが、これは一例ですが、この三者もおのおの管理に対して軽重があるのではないかと考えますが、どうですか。
  18. 平井學

    平井(學)政府委員 お説の通りでございまして、特にガスの場合は換気施設、それから最悪の場合は共同溝そのものの中に厳重なコンクリートの隔壁をつくる。私ども現在そこまで考えまするし、ガス会社でも隔壁は別としても、最小限度換気施設についてはやらないと、ほかの電気電話等の公益事業者がいやがるということもあり得るかと思いまして、換気の場合、当然換気施設費用につきましては一先ほどから申しますように、管理の場合も公平の原則に立ちまして、特定の業者のために建設費ないしは維持費につきましては、それに応じた負担をきめるようにしていくつもりでございます。      ————◇—————
  19. 福永一臣

    福永委員長 この際、ただいま議題となっております三法案に対する質疑を一時中止いたしまして、建設行政基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。木村公平君。
  20. 木村公平

    木村(公)委員 きょう本委員会土地区画整理法の一部を改正する法律案並びに共同溝整備等に関する特別措置法案並びに住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案等御審議をなさる御予定でございますときに、突如新産業都市建設促進法案につきまして質疑をいたしますことは、委員諸君に対してまことに礼を失するかと存じますが、実は昨日の夕刊に新産業都市の閣議決定ながなされたという記事が出ましたので、これに関心を寄せる全国の産業都市を待望しておるところの都道府県におきまして、おそらく重大な関心を持っておると思いますので、この機会に場所柄は少々どうかと思いますけれども、幸いきょうは建設省からも計画局長が来ておられるようですし、それから経済企画庁からも担当の方が来ておられるようでございますので、簡単に経論だけをお伺いいたしておきたいと思います。  もともとこの新産業都市建設促進法案ができましたのは、初めは建設省の広域都市建設法案、自治省の地方開発基幹都市建設促進法案、通商産業省の工業地帯開発促進法案の三案を調整して一本化したことは、御承知の通りであります。従いまして、たとえばその調査費等を見ましても、経済企画庁におきましては、地域経済計画調査の調整費といたしまして、三十七年度には五千万円、三十六年度にもやはり五千万円計上いたしております。それから、建設省におきましては、広域都市建設計画調査費といたしまして、三十六年度には一千百二十一万八千円、三十七年度には一千六百十四万円を計上いたしておる。自治省といたしましては、地方開発関連調査費といたしまして、三十六年度に一千三十八万六千円、三十七年度に一千八万八千円を計上いたしております。通産省におきましては、産業立地の調査指導費と称して、三十六年度には二千三百七十万二千円、三十七年度には三千二百二十五万四千円を計上いたしておることは、おおむね御承知の通りでありますが、これらの、莫大とは申しませんけれども、多額の調査費を使いまして、そうして調査の結果、昨日の閣議において宮澤長官より了承事項として出されたものによりますれば、「現在新産業都市建設促進法による指定準備を、経企庁が幹事役となり、関係七省と打ち合わせているが、今後の予定としては、四月一ぱいに今まで立候補している全国四十三ヵ所の代表者の意見を聞き、地方選挙の終わる五月には指定を行ないたいと考えている。経企庁の方針は全部で十ヵ所程度にしぼりたいが、選に漏れた都市に対しても開発調整費約十億円のうち四億円程度を適当に運用するとともに、他の法律運用も弾力的に行なって、落ちた都市の対策としたい」と述べております。これに対しましておおむね各省大臣は賛意を表しているようです。ところが、御承知だろうと思いますが、経済企画庁長官の宮澤君は、衆議院の予算委員会等におきまして、この問題にいろいろ答弁をいたしておる。結論的に言いますと一およそ三つ、四つのことがわれわれの記憶に残ることです。その一つは、指定地域は必ずしも十ヵ所にこだわらないということです。きのうの新聞は十ヵ所程度指定すると言っておりますけれども、宮澤経企長官の答弁を速記録に見ますと、指定地域は必ずしも十ヵ所にこだわらない。それからもう一つ内陸地帯からの指定もあり得るとの態度を明らかにしておる。一時は、臨海地帯以外には、新産業都市というものは造成が困離である、あるいは造成の必要度が少ないといったようなことがいわれたのでありますけれども、宮澤長官の考え方によりますれば、内陸地帯からの指定もあり得るということを、予算委員会においてしばしば述べておる。これが私どもの記憶には印象的です。従って、最終的には十ヵ所とは限らないと言っておるのだが、一体どの程度まで指定するつもりであるのか。それから、地方統一選挙等の過程においてこういうことをやればもめるから、選挙が終わったあとでやるというような考え方も一つ考え方でありましょうけれども、統一選挙の前に十ヵ所は大体やりたい。しかもそれが大体書いてあるんですよ。宮澤君の考え方によりますと、北海道においては道央というんですから、北海道の中心地点を言うんでしょう。ことに旭川付近は非常な強烈な希望がありまして、われわれもしばしば陳情を受けておるのでありますが、道央という言葉をもって申しておる。それから、東北は仙台湾臨海、北陸は富山、高岡、岡山は県南広域都市、大分は大分、鶴崎などということをばく然と言って、そうして思わせぶりなことを言いながら、十ヵ所程度とは限らないということを他面に言っておる。そこで私は、きょうはどこどこに指定をしていただきたいというような、陳情のようなことを申し上げておるわけではない。そんなことはいささかも考えておりませんが、ただ問題は、きょうは幸い建設省の計画局長も来ておられる。あなた方がつんぼさじきに実は置かれておる。しかも調整費はもらっておる。しかも初め四つの法案があったのです。御承知の通り、あなたの方の建設省の広域都市建設法案、自治省の地方開発基幹都市建設促進法案、通産省の工業地帯開発促進法案の三案が出てきた。そこで、けんかをして何ともしょうがないものだから、調整をして、経済企画庁を一応窓口にしたのですけれども、経済企画庁が一たびこれを握りますと、他の省と最終的には談合しておるような様子もあるけれども、その過程においてはほとんど独善的に勝手にいろいろの意見を発表して、そうして関係各省との意見の調整というものは最終的になされるようなことになっておるようにわれわれは思う。そのようなことでは、初め調整したというのは、いろいろの法案が出てきたんだ、いわゆる新産業都市に以ておる法案が出てきたものを調整をして一本にしぼって、そうしてひとまずは、窓口が幾つもあっては行政面の運用が困離であろうから、経済企画庁に、一つあなたの方が窓口になりなさいということになって、窓口にした。そうすれば、経済企画庁においては、きょうは大來総合開発局長も来ておるようでありますが、大來君あたりも他の各省と絶えず緊密な連絡を保ちながら、この計画を推進さるべきでありましょう。ところが、その過程を私が振り返ってみると、ほとんど他の関係各省と緊密な連絡をとっておらないで、むしろ総合開発局長自身の私案のようなものを盛んに新聞に提案しておる。たとえば臨海工業でなければ内陸の新産業都市というものはあり得ないというようなことを、あなたの下の方の者に言わせておる。そういうばかげた、つまらぬ、コンクリートもされておらぬことをどんどん流すということは、これは最も下手な政治なんです。政治というものは、そんなことで、あなたの思うように遂行できるものじゃない。必ずそういう場合には障害が起きるにきまっておる。だから、最終的な案ができる前に、常に各省と連絡を保ちながら、第一次案、第二次案、第三次案、第四次案と、次々に案をわれわれにも提示されて、そうして国民代表でありますから、委員会において、あるいはその他の各党の調査会等において、あらゆる機会を見つけて、あなた方のコンクリートされざるところのお考えを明示しながら、ともに衆知を集めて最終案をお出しになるということが、私は当然であろうと思う。ことにこの新産業都市というのは、けんかをさせるようにできておる。これはもう御承知の通り、知事の申請があった場合には、あな方で指定をするというので、これを放置しておかれれば、全国でおれの方こそ最も理想的な地域だということで、おそらく大へんな騒ぎになる。そういうことをあらかじめ計算に置きながら、あたかも国会議員あたりは地域代表の一面を持っておりますから、地域代表としてあなた方の前に陳情に来ることを楽しんでおるように見える。そういうことはつまらぬことです。そういうことはばかげたことなんです。だから、あなた方の最終的な案はまだないと思うけれども、現段階における案を宮澤君は、これは閣議了承を得たからこれでいいように思っておるけれども、閣議了承を得たからといって、新産業法というものの最終的な実施の責任者は行政官にあるんじゃない。これを通した国会にある。だから、あなた方がどういうお聞えでいらっしゃるか知らぬけれども、閣議の了承を受けて五月にはまず十ヵ所を指定するとおっしゃるが、指定するということが最終的にきまっておるなら、ここではっきりおっしゃっていただきたい。そうして国会のわれわれに言う前に新聞にどんどん出ておる。そうして国会はつんぼさじきにしておる。ここに建設省の計画局長を参考人として私は呼んでおるのだが、計画局長もおそらくしっかりしたことを知らないでおる。そんなばかげたことでよろしいか。一ぺんあなた方のこれからの根本的な進み方を伺っておきたい。それでいくかどうか。いくならいくでやってごらんなさい。私が一人でもあなた方の前に立ちふさがってみせる。最終的にどういうふうになっておるのか。
  21. 松澤雄藏

    ○松澤政府委員 ただいまの御質問の御趣旨、その通りだと思います。もともとこの法案の目的は、御承知の通り国土の均衡ある開発をにない、かつその産業の発達を目的とするといって、明らかに出ております。従って一その思想的な分野からいたしますと、目的の通りではございますが、第一段階として、その周辺における地域の基盤を集中的に一段階をつくっておきたい。同時にまた、地域の格差的な面を、それらを中心として解消するような方向に持っていきたい。第三段階といたしましては、大都市に集中する人口をいかにして抑制するかというような部面等にも寄与していきたい。それらを、思想的な分野として、大ざっぱに第三段階に分けましてやっておるのでございます。ただいまの御質問の点でございますが、きのうの閣議においての了承というふうな部面は、大臣からも私連絡を受けておりますが、きのうの了承の点は現在作業をいたしておりますので、およその作業の状況から見まするに、四月もしくは五月にならなければ、皆様方に御公開を申し上げて、そうして御協議を願うという段階に至らないという経過の報告であり、かつまた、個所はどのくらいのものになるのだというふうな部面からの、およそ十ヵ所程度になるのじゃなかろうかという意味の部面からして、きわめて軽い報告程度のものだ、それだからそういうふうなことを了承してほしいというから、そこで時期的な問題といたしましては、それはやむを得ないだろうというふうな点で了承を与えておるのだというふうな大臣の報告でございましたので、われわれ事務当局も、鋭意一日も早く——いろいろな問題をかもし出す可能性のある、こういうふうな地域的にも、大きい政治問題にもなりがちでありますから、一日も早く結論を出すような方向に持っていきたい。だからといいましても、今のお話のように、非常に大きい問題が次々と生まれてくる可能性もありますから、事務当局をして、特に建設省においては、厳重に事務当局として完全な、いわば理論的においても、あらゆる部面から見ましても、間違いのないといったものを提出するようにしなければならぬ。特にこの仕事の内容的な面をある程度まで勘案いたしますと、仕事の面にいきますと、約七割程度のものが、どうしても建設省がこれを担当していかなければならぬような立場にも相なっておりますので、一そう慎重を期してやるようにと——ところが、一方今のお話のように、まことに遺憾でございましたが、何か新聞の座談的な立場において、企画庁長官が、およその見通しといいましょうか、あるいは自分の単なる客観的な考え方というふうなものから話したのが新聞に漏れたために、各方面に非常なセンセーションを巻き起こした、そういうふうな意味から、すでに建設省の私たちの方に対しましても、異議の申し立てのような、あるいはまた今のようなお話等が次々と参りましたので、政府部内においても連絡調整がまことにまずかったのでございますが、企画庁の長官に向かいましても、また政務次官を通じましても、どうかそういうふうなことにならないようにということを強く要請をいしまして、きのう特に政務次官から、私の方に対しまして、十分今後留意をしていきたい、こういうふうな話でございましたので、今後は、今の御質問の御要旨のように、国会を無視したとか、あるいはまた勝手にこうこうするというふうなことがないように、特に私たちの方からは、企画庁長官という立場からいきますならば、いわば今のお話のように最後的な調整の立場に立たなければならぬ方でございますだけに、率先してこれを右、左といったような誤解を受けるような御発言は一つ御遠慮願いたいという、こういう部面まで、実は率直に申しますときのうお願いをいたしておるといいますか、現在における建設省の立場としてやっておるようなことでございますが、一応省としての基本的な態度を御説明しておきます。
  22. 木村公平

    木村(公)委員 大來総合開発局長にちょっとお尋ねしておきたいのは、あなたの方の長官が衆議院の予算委員会を通じていろいろ答弁をしておりますが、結論的に二つの点に留意すべきなんです。一つは、指定地域は必ずしも十ヵ所にこだわらないということ、もう一つは内陸地帯からの指定もあり得る、この態度を長官は明確にしておるわけです。この点について開発局長のお考えを伺いたいし、開発局長のお考えというものは表向きはあり得ないわけで、経済企画庁長官のこういう答弁に対して、開発局長が反対だということはもちろんここでおっしゃるわけがないと思いますが、お認めになるかどうかという問題。それからもう一つは、従来の経過はいろいろございましょうが、結論的にどの段階に立っておるかということを一言お答えをいただけば、私の質問はこれで終わるわけです。
  23. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、私ども事務当局といたしましては、関係各省極力連絡を密にして参っておるつもりでございまして、ただいま中間的に一この法律の九条調査ということで、計画の概要の報告が出ております。四十三ヵ所ございますが、各省全部集まりまして次々にヒヤリングをやっておる状況でございます。企画庁は一応の窓口でございますので、いろいろ御指摘のございましたようなことは極力慎んでおるつもりでございますし、ただいまの御質問の点につきましては、これも年末に関係各省いろいろ打ち合わせの結果、新産業都市の区域の指定基準及び新産業都市の区域の指定に関する当面の運用基本方針という原案ができまして、これを地方産業開発審議会にお諮りして、その方針をきめたということでございます。  ただいまの御質問の点でございますが、まず数のことは、区域の指定に関する当面の運用基本方針の中の第三といたしまして、新産業都市の区域の指定の数はおおむね十ヵ所程度とするということで書いてございます。  それから、第一の内陸部の点につきましては、基本方針の第一に、工業の開発を中心として総合的な都市的機能を持った産業都市が形成される可能性のある地域を新産業都市の区域として指定するものとするが、当面臨海性工業の開発を中心とするところに指定の重点を置くものとするという表現になっておるわけでございます。この文面からいたしましても、あまり断定的な形になっておらないわけでございます。この点は、私どもも、実はこの新産業の問題に、日夜その扱いに苦心といいますか、非常に困難な問題だと感じておるわけでございますので、いろいろ高度に政治的な問題もございますので、事務当局といたしましては、今の資料を関係各省共同していろいろ検討いたしまして、適当な時期に——この要請大臣が七人おられますが、この要請大臣のいろいろなお考えをお出し願って、最後に閣僚レベルで調整をされるということになるだろうと、私どもは今のところ判断しておるわけでございます。
  24. 木村公平

    木村(公)委員 もう一つだけ。  最終的に新産業都市の指定というのは国会の承認を必要とするかどうかという点と、それから、あなたの方が、諮問機関として、この新産業都市建設のために調査会なり委員会があるようですが、そういうものの答申が行政官を全面的に束縛するものではないという、これが大事な問題で、いつも選挙の方の改正等でも、諮問機関である委員会というものが、何か自分たちが答申を与えると尊重するという言葉があるから、当然行政を拘束して、そうしてそれが原案となった場合には、国権の最高機関である立法の府まで拘束するような、はき違えた考え方を持っているようなものが言論人などにいるのですよ。そうして、それが自分の意のまま行なわれないというので、やめたやつもある。そういうつまらない考え方が委員会の中になる。しかし、国会が最高のものであることは御承知のことだと思う。国民代表である国会が最高である。ただ、何のためにそういう諮問機関をつくったかといえば、民主主義、民主主義いうから、一つ学者あたりの意見をあなた方の参考のために聞かせてあげようということでつくったものを国会が承認しているというだけであって、これはあくまでも答申ですから、あなた方の諮問に答え、行政官庁の諮問に答えるだけです。だから、諮問に答えたからといって、その諮問通りの原案を作成しなければならぬということはもちろんあり得ないし、われわれはそれほどのウエートを置いていないし、調査会とか審議会というものが今三百ほどあるから、整理しようと思っている。そんなものにあなた方は答申通りおやりにならなければならぬというような心理的圧迫を受けておられるようですが、そういうことはいささかも御遠慮は要らないのです。答申案としてどんなものが出てこようと、それは参考意見としてお聞きになればいい。何もそんなものに束拘される必要はない。問題は、国会で国民代表と相談されないで、あなた方が勝手気ままにこういう重要問題をおやりになるということが問題である。だから、その審議会の考え方からいえば、十ヵ所あたりがよかろうということであるが、あくまで参考意見としてお聞きになればよろしい。現に宮澤長官も十ヵ所程度がよかろうと言っているけれども、十ヵ所と限定しているわけではない。十数ヵ所あってもけっこうだ。場合によっては二十ヵ所あっても、憲法違反になるわけじゃないわけです。それと同時に、臨海工業都市でなければならないということは何ら理由がありません。内陸であろうと臨海であろうと、新産業都市としての資格条件を備えれば、これはもう堂々たるものだと私は思う。従って、宮澤経済企画庁長官が予算審議の過程において答弁しておる、その答弁というものは、私どもは首肯するに足ると思っておる。それで、宮澤企画庁長官の考え方に対して、その部下であるところの大來総合開発局長は賛成かどうかということを最後に一言だけ承って、私の質疑を終わりたいと思う。
  25. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 最初の御質問の点につきましては、法律の第三条に「内閣総理大臣は、第二項の要請に基づき、地方産業開発審議会の議を経て、当該区域を新産業都市の区域として指定することができる。」という法律の条文がございまして、具体的な指定は政府の責任になっておると存じておるわけでございますけれども、当然国会の御意思を尊重して進めていかなければならない。私どもは、この問題になりますと、むしろ大臣の指示に従って動くという形でございます。先ほどの最後の御質問の点も、長官の御指示に従って判断して参るということで、従来もそうでございますが、今後もその心がけで参りたいと思います。      ————◇—————
  26. 福永一臣

    福永委員長 先刻に引き続き三法案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。兒玉末男君。
  27. 兒玉末男

    ○兒玉委員 私は、この前提案されました区画整理に関連する法案について、御質問を申し上げたいと思います。  まず第一点にお伺いしたいことは、現在の区画整理事業はどういうふうな状況にあるのか、大体の概況についてお伺いをしたいと思います。
  28. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 現在区画整理事業を実施しております事業の大体の内容でございますが、個人でやっておりますのは三十八地区二百四十七万坪、それから組合施行でやっておりますのは百五十地区、千七百三十一万五千坪、公共団体でやっておりますのは四百六地区、七千十九万坪、それから行政庁でやっておりますのは百十二地区、七千六百九十一万五千坪、それから住宅公団でやっておりますのは九地区、三百五十二万坪でございまして、合計しますと七百十五地区、一億七千四十一万坪の実施をいたしております。
  29. 兒玉末男

    ○兒玉委員 今回の法律で改正されまして、土地区画整理法の四十三条の第二項が削除されることになるわけですけれども、その理由としては、県を通じて関係の組合に貸し付けるからその四十三条二項を削除するのだということを説明されておりますけれども、実質的にはやはり国の資金を組合が直接借りることと何ら変わりはないのではないか。そういう点から考えますならばこの四十三条の第二項を削除した理論的な根拠というものはどこにあるのか。実質的に変わりはないのではないか、こういうふうに考えるのですが、その点について御見解を承りたい。
  30. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 その意味では、前の内容は「費用負担及び補助」となっておりまして、今まで実施の段階で補助という行為をとったわけではございませんし、今までやっておりました結果が、今後も、区画整理組合法の性格から申し上げまして、補助というものが出てこないのではないかというふうなこともございまして、今度の改正によりましては、第二項を削って、そのかわり貸付の制度でいきたい、こういうふうに考えたわけでございます。
  31. 兒玉末男

    ○兒玉委員 三十八年度の貸付の金額が、大体国費で三億と、地方負担が三億となっておりますが、現在個人、公共あるいは各事業体で行なっている七百十数ヵ所のこれに対して、どの程度の個所がこの六億の金でまかなわれるのか、どの程度の地域にこれが適用されるのか、その辺の計画についてお聞きいたしたいと思います。
  32. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 最初の、ことしの土地区画整理関係の予算の要求については、住宅公団分として八百五十万坪、住宅金融公庫分としまして五百万坪、地方公共団体の区画整理分としまして千三百万坪、組合の区画整理分としまして五百万坪、計で三千百五十万坪、これが、宅地造成の十ヵ年計画といたしまして、法的には認められておりませんが、一応建設省の内部で、住宅の三百八十万戸に対応する宅地分としまして十ヵ年計画を立てているわけでございますが、その要求に対しましての五百万坪分というのは、全部合わせたときに造成せられてちょうど満足されるということで、要求を出したわけでございます。いろいろ変化がありましたが、大体におきましてことしは予算はおかげさまでほぼ該当する数字が得られております。最初の五百万坪の区画整理分につきましてはゼロになっておりましたけれども、先生方のおかげでまた復活いたしまして、五百万坪が出て参る。これは、先ほど申し上げましたように、区画整理組合が全区画整理事業の施行面積の中でちょうど一割を実施いたしております。その一割の該当分に対しまして五百万坪を考えたわけでございまして、それは本文の中にも書いてございますように、百二十一条の二の一、二、三という項目の中にございますような、新しい市街地をつくるという問題と、「都市計画として決定された街路その他の重要な公共施設の新設又は変更に関する事業を含む」というふうな特殊な事情で按分いたしますと、大体五百万坪くらいが妥当な線だというふうに考えられますので、五百万坪というものを考えたわけでございます。
  33. 兒玉末男

    ○兒玉委員 先ほど局長が説明されました中で、個人のつくる組合というのを言われましたね。これは一般の区画整理組合ですが、これが現在全国で千七百万坪実際土地区画整理事業をやっておる。この組合に対してはどの程度の予算の貸付を考えておるのか。
  34. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 今の千七百万坪の中で、先ほど申し上げましたように、五百万坪の土地区画整理組合に対する貸付を考えておると申し上げました分は、公共施設を生むような事業をやっているものというふうに制限されまして、公共事業施設をやるという内容につきましては、政令でこまかく定めるということになっておりますので、今までやっております千七百万坪の中でそういうものを選びますと、大体五百万坪くらい、約二十組合前後になると思いますが、その程度のものが対象になるのではないかというふうに考えたわけでございます。
  35. 兒玉末男

    ○兒玉委員 次に、私はこの前この法案をずっと見たのですが、償還の期限ですね、事業体から県に対しては償還期間は五年、県から国に対しては六年、こういうふうに一年間の差をつけておるのですが、これはちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。むしろこの償還期限は統一すべきじゃないかと思いますけれども、なぜこのような六年、五年という段階を設けたのですか、その点をお伺いしたい。
  36. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 その点につきましては、最初同じ期間で返してもらってもいいのじゃないかというふうに考えておりましたが、いろいろ事務的に詰めて参りますと、府県の組合から金が府県に返って参ります間、また国に返すまでの間にいろいな事務的な手続がございますので、そういう事務的な手続を考慮いたしまして、一年間のズレをとって六年、こういうふうにきめたわけでございます。
  37. 兒玉末男

    ○兒玉委員 それから、この償還はもちろん利子が無利子でございますから、組合等の償還もそう十年もということはないにしても、五年というのは、事業の性格等から考えて少し短過ぎるのではないかと思うのですが、その点はもう少し償還の期限を延ばすという考えはないかどうか。
  38. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 現在施行いたしております土地区画整理組合の事業の進め方を見ておりますと、大体三年目から保留地が売れるような段階になっておるのが普通でございます。それで、最初の一年はほとんど調査あるいはまた整理の段階になっておりますけれども、二年目からは事業が始まりまして、三年目からは大体一部の保路地が売れるというような態勢になって参りますので、この貸付金の性格そのものが——現在の地主と称する土地区画整理組合の組合員となるところの方々は、昔のような大地主がおりませんで、大体において非常に筆のこまかい地主がやっておるというふうな関係もございまして、最初の資金繰りが非常に困難である。しかもそれが現在は農協あるいはまた市中銀行その他のところから借りておりまして、金利も約一割近くのものを借りてやっておるというような状態でございまして一いろいろ現在の宅地造成が非常に叫ばれておる事態になりましても、組合の立ち上がりが非常に困難である、その困難さを何とかして解消してやりたいというのが目的でございます。そして保留地が生まれるようになりましたら、順々にその保留地を売却して事業に充ててもらうという考え方をしておりますので、組合の全事業が完了するまで無利子の金を十分に貸してやるというふうなことは私たちも考えておらないので、こういうふうな期間にしぼったわけでございます。
  39. 兒玉末男

    ○兒玉委員 この償還については、据え置き期間というのが明らかにされていないわけなんですけれども、局長の言われておるような説明では、三年間は大てい調査とか整理にかかるとすれば、やはり償還というものは三年後ですね。それから起算すべきではないかと思うのですが、その点の見解はどうですか。
  40. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 お話のように三年間は据え置く予定でございます。そのあとで保留地が出てくるところを見計らいまして償還をしていただく、三年均等割賦で返していただくようにしたい、こういうふうに考えております。
  41. 兒玉末男

    ○兒玉委員 そうしますと、実質的には八年ということになるわけですか、三年を含めて五年ということでございますか。
  42. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 三年を含めて六年ということになります。
  43. 兒玉末男

    ○兒玉委員 特に私は、この前の説明から見て、いろいろと問題点が多いように考えたのは、この金利が無利子であるという関係から、たとえば目的は公共的な施設ということになったとしても、実質的にこの組合を認定する場合に、特に非常に資金を豊富に持っておるような人、あるいはそういう人たちが——不特定多数ですが、若干の人たちを集めて、実質的には独占的な形態でこういうふうな事業を行なう危険性というものが十分あるのじゃないかということを私は考えるわけでございますが、その辺の規制についてはどういうようなことをお考えになっておりますか。
  44. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 ただいま先生のお話のありましたような点が心配されますので、政令の方で非常にきつく縛りたいというふうに考えております。それで、貸付の限度につきましても、総事業費の三分の一以内にしぼりたいというふうに考えておりますし、施行の面積につきましても大体十五から二十ヘクタール、つまり四万五千坪から六万坪程度の事業をやっていただく。もう一つは、法律に書いてございますような、明らかに都市計画事業としての公園、道路、その他の施設を生み出す、その生み出す面積が、つまり減歩率でございますが、普通は二〇から二五%ぐらいというふうな指導の仕方をしております。その場合には、まだはっきり大蔵と詰めておりませんけれども、大体二二%以上の減歩率をとるというふうに考えております。本来ならば、私たちが実際の公共施設をやります場合に、現在の地価の上昇の市場の状態を見ますと、大体が期待価格で交渉が始まっております。御承知のように、現在の地価が道路も何もないところの場所に対する地価という交渉ではなくて、ここへ道路ができる、それで道路をつくりたいということになりますれば、それはできたときの値段で地主は交渉を始めまして、用地補償の問題はいつでももめておるわけでございますので、そういうものを解決するためには、こういうふうに無償で減歩率として二二%以上の公共用地が生まれてくる、それによりまして健全な市街地あるいは生活環境の整った市街地が発展的にでき上がるということを期待しておりますので、政令の方でそういう点は絶対に落度のないようにしぼりたい。従いまして、貸付金の選択条件としましては、府県から国に上がってきます場合でも、都市計画的に完全な事業施行がもっとできるような計画の完成したものでなければ、貸付をしない。いたずらに宅地造成にこだわるような場所に対しては、貸付は絶対にしないつもりでおりますので、この点の御心配はないと確信いたしております。
  45. 兒玉末男

    ○兒玉委員 そこで考えられることは、国から貸付を受けた金で現在組合で行なっておるその事業費は、ほとんど他の金融機関から金を借りておるわけですね。その場合国から借りた金を銀行の返済に充てるということも考慮されるわけですが、その辺の規制はどう考えているのか、借り入れた金は勝手に使ってもいいのだというような考え方なのかどうか、この点一つお聞かせ願いたい。
  46. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 大体におきまして、市中銀行から約一割近くの高利な短期間の一年ごとの借金になっております。それで非常に苦労しながらやっておるものに対しまして、現在保留地ができて目先で売れるような態勢になっておるというものに対してまでは、貸付金は貸さないようにいたしますけれども、今後まだ二年残っておりまして、保留地がもう二年先でなければ生まれないというふうな態勢で、現在苦労しながら組合が施行いたしておるような場合につきましては、ある程度しんしゃくいたしまして、そういうものには貸付しながら育成したい、こういうふうに考えております。ただし、それはいたずらに組合が利潤を得るようなことをさせるわけではなしに、公共施設のそういうことをやりました場合には、最近の区画整理の傾向といたしまして、宅地造成はいたしたい、ただし環境整備の道路はやむを得ぬから生み出す、生み出すけれども、側溝もつくらなければ舗装もやらない、下水もつくらないというようなことで逃げ出すような組合がたくさんございますのでそういうところに対して貸付した場合には、施行の内容につきまして条件をつけますから、決して貸したことに対して組合員がもうかるというふうなことはないようにしたいと考えております。
  47. 兒玉末男

    ○兒玉委員 現在七百十数ヵ所、約一億七千万坪の事業が行なわれておるといわれるのですが、現在こういう機関がどの程度金額を借り受けてやっておるのか、それから金利は大体どういうふうな状況になっておるのか、もしわかっておればお教え願いたい。
  48. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 総額の金はちょっと今資料がございませんが、一件当たりに対しまして、つまり一つの組合に対して大体どれくらいの金額を借りておるのかという調査がございますので、申し上げますと、一件当たりにつきまして五十万円以下が約二件、五十万から九十九万までの借入金額が四件、百万から四百九十九万までが十五件、五百万から九百九十九万までが九件、一千万から一千九百九十九万までが六件、二千万から四千九百九十九万までが五件、五千万以上が二件というふうに、大体おもなものにつきましては四十三件の中でそういうふうな状態になっております。利息につきましては、ほぼ一割前後でございます。
  49. 兒玉末男

    ○兒玉委員 大体概況がわかりましたが、そこで組合から県には五年で返すわけです。そうすると一年間だけ県が金を握っているわけです。理屈の上ではそういうことになると思うのです。そうしますと、県としては、一般事務費に金を引き当てるということも区別がつかないわけです。金額はそう大したものではありませんけれども、当然そこには金利というものが生じてくるわけですね。その利子は、県は、不労所得じゃないけれども、利潤を生ずる結果になるわけですが、その辺の取り扱いはどういうふうな配慮をされておるのか。
  50. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 ただいまの件はいろいろ問題がございますが、実は本来ならば、空地造成という大目標に向かいまして、国がある程度のことを地方公共団体にやっていただくというのが原則で進んで参りました。ところが、御承知のように財投資金の関係がございまして、十カ年計画の宅地造成も十分に間に合わない。ことしもずいぶんがんばりましたが、なかなかそう思うように地方債が回ってこないという実情もございまして、やむを得ず組合の助成ということで積極的な進め方をしたいというふうに考えましたが、さて貸付金という制度になりまして、じゃ、国の県に対する事務の委譲の途中におきまして、県におけるいろいろな事務的なものをだれがやるか。県がやります場合に、それに対する事務費を、本来ならば、当然貸付金の中から国が出してやらなければならぬ格好になりますが、その点はやらない。やらないかわりに、多少は一年間の——もし完全に四月一日に入ったといたしますると、一年間の利息というものが若干県に入ることになりますけれども——全体の各県ごとに割りますれば、非常にささいな金になるかもしれませんが、県に対しまして事務費を全然出しておらないということもありますので、その点は一応目をつぶることに話をいたしてございます。ただし、できるだけ早く返していただくということで進めたいと思っておりますので、その点県の方には十分その旨を伝えてございます。
  51. 兒玉末男

    ○兒玉委員 それで結局国の方はなかなか利口だと私は思うのです。金は貸して、取り立てば県の方でやれということになりまして、その利子は目をつぶる、なかなかうまいことを考えたと思うのですが、実質的に過去戦前においても、やはりこういう区画整理事業について相当国が融資をした例があるのではないかと思うのです。戦前における融資等に対する償還はおそらく一〇〇%行なわれていないのではないかと思うのですが、こういう制度が設けられますと、非常に利用度は高くなりますけれども、償還の実績というものが問題になる。そのことが、ひいては地方自治体において、この事務を取り扱うことによって、地方自治体自身がその取り立てに相当苦労をする場合が予想されるわけでございますが、過去における実績はどうなっておるのか、また今後そういうふうに規定されました五年間に取り立てができない場合もあり得ると思うのですが、そういう場合の保護措置といいますか、こういうことはどういうふうにお考えになっておるのか、この点について承りたいと思います。
  52. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 戦前の区画整理組合、つまり前には耕地組合整理法を適用いたしましてやっておったわけでございます。はっきりした数字を今持っておりませんが、たしか一億坪くらいの量をやっておったはずでございます。戦後になりましてから急に減りまして、三十年ころまではがた落ちになりましたが、そのあとまた宅地ブームに乗りまして、最近にぎやかになってきているという格好をとっております。その当時のこまかい事情を私知りませんので申し上げられませんが、今度の場合につきましては、国の債権等の管理に関する法律を適用いたしまして、あの中のいろいろな債権の補てんの問題とからみまして、あの法律に書いてありますような目的外の使用の場合とか、あるいは償還の期限の繰り上げだとか、あるいは期限の延長の場合、あるいは延滞金の内容、保全の処置、債権の免除の方法、徴収停止の問題等につきましては、全部債権等の管理に関する法律に準じて政令を定めたい、こういうふうに考えております。
  53. 兒玉末男

    ○兒玉委員 それから、あと一つだけお聞きしたいのですけれども、こういう事業の内容の検査、監督、これはどこの機関がどういうふう形で監査なりあるいはそういう監督をするのか、伺いたいと思います。
  54. 谷藤正三

    ○谷藤政府委員 この問題は、本来の計画からいきまして、都市計画事業として決定されたものについて行なうことになりますので、初め、今度の地建に対する権限の委譲に伴いまして、地建の方に移そうかと考えておりましたが、問題が非常に新しいことと、土地契約上のいろいろな問題を含んでおりますので、当分の間地建に渡さないで、本省の方で直轄で管理するというふうに考えております。本来は、当初の計画それ自身も、都市計画事業として本省の大臣の認可になって参りましたので、全部計画内容も初めからわかりますし、途中の施行の内容につきましては県の方で全部調査ができますので、仕事の施行の進捗状態あるいはまた内容につきましては、あまり落度のない仕事ができるのじゃないかというふうに考えております。
  55. 福永一臣

    福永委員長 瀬戸山君。
  56. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 私はこの共同溝の整備法案について質問を申し上げたいのですが、この法案については他の委員の皆さんからだいぶ詳細に質疑応答がありましたので、重複を避けて、時間もだいぶ迫りましたから、できるだけ簡単にお尋ねしておきます。  まず第一に、これは前にもお答えがあったようでありますが、共同溝の整備は非常にけっこうなことで、時期的に見ておそいということでしょうが、そこで三十八年度は大したことはありますまいけれども、局長の御説明でも、将来を期して、たとえば改定されようとしておる道路整備五ヵ年計画の中に入れて計画的に進めたい、こういう御所論のようであります。それは当然なことでありまして、それから今までのお答えでも、現在輻湊しておるところだけでなしに、当然ニュー・タウン等については先行的にそういう計画を進めたい、こういうお話であります。そこで私はこの法案内容と五ヵ年計画等の将来の長期計画とをどういうふうにお考えなさっておるかということを聞いておきたいのです。私ちょっと理解しにくいところがありますので伺いたいのですが、というのは、この法律案によりますと、たとえば公共的な公益事業者ですか、そういう人の申し出を要するとか、あるいは意見を聞くとか、計画を立てるには、そういうことがいろいろ手続上規定されております。そういたしますと、道路管理者なりあるいは国なりが、こういう点は道路の輻湊があるからどうしても共同溝で強制するのだという建前でありますれば、どんどん計画が進んでいくと思いますけれども、そういう事業者の申し出を要するとか、意見を聞く、あるいは申し出の取り下げをするとか、いろいろ書いてありますが、結局強制ではないという御説明がありました。そうしますと、ニュー・タウンをつくる場合にいかなる事業者にどういうふうに相談をして、どういう計画を進めるのか。具体的に改定五ヵ年計画を立てる場合に、道路五ヵ年計画法律との関係は、前の委員会で大蔵省の主計官からちょっと妙な答弁がありましたが、その点はきょうは追及いたしません。どういうふうな工合に、自由主義を保ちながら、非常に必要に迫られている共同溝の構想と、将来長期の計画がうまくいくのかという点をどう考えておられるか、これをまず承りたい。
  57. 平井學

    平井(學)政府委員 まず最初に既設の市街地における共同溝建設計画の問題でございますが、第四条では法律上強制の建前はとっておりませんけれども、私どもは二つの方法共同溝計画的に進められるようにということを期待いたしております。  一つは、建設大臣共同溝整備道路を調査に基づいて指定した場合に、もし申し出、希望という形式ではあるにせよ、公益事業者が何らかの理由でこれに賛同してもらえない場合には、その路線については自今新設——少なくとも新設、増設のための堀り返しは協議に応じない、事実上新設、増設のための工事は許さないという結果になるようになっております。むろん一号、二号、三号、四号までの間でそれぞれ緊急やむを得ない特定の場合については例外を認めてございますけれども、いずれもこれは維持、修繕とか、災害復旧とかいう場合でございます。これによって事実上、建設大臣が真に綿密な調査に基づいてだれが見ても必要なりというような都会地の特定個所については、常識ある公益事業者ならば賛同するであろうことを期待できるような担保の規定がございます。  次には、これははなはだ弱いといえば弱い方法でございますけれども、この法律の趣旨を十分関係公益事業者にのみ込んでもらう。ことに既設大都市においては、今後道路工事幾ら進んでも、自動車はどんどんふえるばかりであるし、大都市内のさらにその中の輻湊地点においては、こういう掘り返しは事実上も道義上も放置できないというような事態になるであろうことを考えまして、業者に行政的に積極的に勧奨する、こういう二つの方法で私どもはこの法律の趣旨が達成されるであろうことを期待いたしております。  次に新しくニュー・タウンをつくる場合、たとえば新産業都市をつくるような場合におきましても、やはり将来交通が輻湊するであろうことを予想するというところ、第三条にいう将来著しく輻湊するであろうというような道路を指定することによって、先ほど申しました業者に対する行政勧奨、行政指導というような方法と併用して、都市づくりの際に協力をしてもらう、こういうふうに考えておるのでございます。
  58. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そうしますと、直接、強制的につくったんだから、これを入れなさいというようにはしないが、入れなければ困りますよという間接強制と言いますか、間接的にそういうような仕組みにする。そういうことでもしなければ、なかなか今のような資本主義の悪い点が出ておる場合に、そこまでやってもらわないと、せっかく共同溝というものを計画しましても、進まないのではないかという気がいたしましたのでお尋ねをいたしたのであります。その趣旨を生かして一つやってもらいたいと私は希望いたします。  そこで、先ほどの御説明では東京都内ではほとんど道路の六〇%が常時掘り返されているという実情だというお話でありましたが、五ヵ年計画は今後の問題でありましょうが、かりに五ヵ年計画を立てる場合、キロメートルでいいますと、どのくらいの共同溝の構想を現在考えておられるのか。東京ばかりじゃありませんで、全国主要都市を一応頭に置いてこの法案をつくられたわけでありますから、五ヵ年計画問題と、それから先日他の委員からお話がありましたように、ガソリン税その他の財源等の問題に大きく関係いたしますから、そういう点を一つお聞かせを願いたい。
  59. 平井學

    平井(學)政府委員 これは東京だけの問題でございませんが、さしあたり一例を東京都にとりまして将来計画考えますならば、御案内のように、三十八年度は三キロ六分を一応予算的に用意するつもりでございますが、私ども考えでは、東京都内の現在の各公益事業公益物件の埋設ルートを勘案いたしまして、一応十ヵ年計画で大体百キロ前後東京都内にはこの共同溝をつくりたい。むろんこれは個々の平均の長さからいいますと、大体七、八百メートルから一キロくらいのところでございますが、これを合計いたしまして、大体百キロくらいは十ヵ年で完成したい。そうすれば東京都の将来の人口抑制措置あるいは工業等の抑制やいろいろなこと、あるいは高速道路建設等とにらみ合わせて、市民の御迷惑をある程度軽減することができるのではないかというふうに考えております。これを具体的に五ヵ年計画に盛り込みます場合に、これを平均的に毎年十キロなら十キロずつ入れるか、あるいは最初の五ヵ年に大きく盛り込むかどうかということはまだ検討中でございます。  財源等につきましては、まだまだいろいろ各方面等と一緒に研究をいたすのでありますけれども費用の点から逆算いたしますならば、ただいま御審議中の予算案にもございますように、最低メートル当たり三十万円から七十万円くらい、キロにして大体三億ないし七億、これはそれぞれ建設条件によって違いますけれども、かかります。従って、かりに東京都内について、十ヵ年で百キロの延長共同溝をつくるとすれば、最大六百億から七百億程度の事業資金を要する。むろんこれをそれぞれ道路管理者、国、公益事業者、こういった関係負担する結果になるのでございましょうが、ほかの都市につきましても、たとえば東京都に次いで過密都市といわれておる大阪等についても、これに準じた構想で進みたい、かように考えております。  なお、東京都十ヵ年、百キロが妥当なりやいなやということにつきましては、来たるべき五ヵ年計画の改定の規模、構想等と勘案して研究を積んでいきたい、かように考えております。
  60. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そういう点はもちろん今後詳細に御検討願わなければならぬわけですが、今ちょっとお話にありましたようにかりに東京都内で十ヵ年百キロくらいを想定しておられるが、これは東京都の主要なる道路延長の何%くらいになるのでしょうか。
  61. 平井學

    平井(學)政府委員 都内の区部の地方道たる都道以上の総延長が、たしか二千二百キロと記憶いたしておりますが、それに対する大体百キロでございますので、そういうような比率でお考えになったら大体見当がつくと思います。
  62. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 そういうことは将来詳細に検討してもらわなければならぬが、それでいいかどうか、東京都の現状を見ますると、私が申し上げるまでもなく、これを勘案されたのもそこから来ておるのでしょうが、東京都内一つの線のかりに二キロ三キロについて見ても、完全にまとまったというところは一ヵ所もないと、極端かもしれませんけれども、私はそう想像しておるのです。こういう状況をおさめるのにこれでいいかどうかということは、ちょっと納得がいかないように思いますけれども、これはきょうここで議論しているわけではございません。  そこで、公益事業者負担の問題は、今までいろいろ御議論がありましたからここで申し上げませんが、地方公共団体では公益事業者負担分を差し引いた残りの半分を負担する、こういうことになっておりますが、この負担についてばく大なものがまた加重される。これは財源その他の問題もあると思うのですが、どういうふうにお考えなさっておるのですか。簡単に二分の一というふうに書いてございましたが、こういうことで進行するかどうかということです。
  63. 平井學

    平井(學)政府委員 お答えします。実はこれにつきましては、一つ考え方は、まず第一に共同溝道路法にいう道路の付属物というふうに私ども考えることに方針をきめたわけでございます。付属物に対する道路法上の国庫補助と申しますのは、御案内のように、新たに道路改築の場合に、付属物をつくるときには三分の二の補助がございます。既存の地方道、都道あたりに付属物をつくる場合は補助はございません。そこでこの共同溝の場合は、付属物であるとした場合に新たに道路ができるときに一緒にやれば、道路法の原則からいえば三分の二の補助がもらえるが、既存の道路地下鉄なんかと一緒に付属物たる共同溝をつくれば、道路法の原則からは補助がないわけであります。今後の共同溝建設計画から申しましても、国道に敷設する場合あり、都道に敷設する場合あり、いろいろ混合するのですが、そういうところを最大の場合は三分の二の補助が道路法の原則通りからいえばもらえる、そうでない場合はゼロだということを勘案して、その線から二分の一あたりが、その中をとって、いいところではなかろうかということが一つ。それからそのほかの都市計画事業あるいはその他のいろいろな都市的な施設を行なう場合の国の補助、これは大体二分の一が一応の目安になっておりますが、この共同溝と申しますのは、道路の付属物ではございますけれども、これは大都会に特有な付属物であるし、大都会の交通、市民生活を少しでもスムーズにしようというための、機能からいいますといわば特殊な都市的な施設であるというような点も考え合わせまして二分の一というところが、ほかの諸般の補助事業などと比較して、妥当なところではなかろうかという点で考えております。財源につきましては、これはむろん道路五ヵ年計画等の際に、単に共同溝だけでございませんで、国の事業量が伸びればそれに応ずる地方の持ち出しも相当伸びがありますので、その際に一緒に地方財源を考えさしていただきたいと思います。
  64. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 理屈はそうだと思うのですけれども、私はこの法律を見まして、非常にいいことである、しかもこれは急がなければならぬ、これはもう当然だと思います。しかも先ほど頭に置いておられる計画についても相当膨大なものになる。相当金がかかる。その二分の一は地方公共団体に負担させるという理屈はどうでも考えられるのですけれども、私がこういう問題を提起したのは、非常に急がなければならぬ重要な仕事であるけれども、地方負担関係で、実際は遅々として進まないおそれがありはしないか、これを考えたわけです。ですから、それは財源の裏づけをやらなければならぬことで、急ぐでしょうけれども、ただ、いいことだからやりなさいということで裏づけをしなかったのでは一向に進まない。迷惑するのは国民だということがよく行なわれておりますから、この問題を提起をしておるわけなのです。今後関係の方面と相談をされることがしばしばあると思いますが、せっかくこういう法律をつくっても、そういう問題にネックがあって進まないということであれば一いわゆる道路の近代化ができないと思いますから、この点さらに一つ御研究を願うことにいたしておきます。  そこでもう一つは、これは少し理屈めいたことになりますが、公益事業者負担は受益の限度を勘案してと書いてあります。理屈はその通りなんですが、そこであとの方に国と地方公共団体が半分ずつ負担するとある。そこで私が考えたのは、一体この共同溝をつくるというのはどちらの便利のためにやるのか始終掘りくり返してやっておる、一年に三回くらい繰り返してやっておるところがあるようでありますが、やる方も大へんだろうと思いますし、国、都道府県——東京は都ですけれども、そういうところは大へんだろう。迷惑するのは国民である。莫大な金をかけた道路が、年に、さあ、どのくらいでしょうか、三分の一しか満足に使えないというところがたくさんあると思うのです。一体共同溝をつくるのはどちらの便利のためにやるとお考えですか。
  65. 平井學

    平井(學)政府委員 大へんむずかしい問題で、私どもいまだに考えておりますが、これはわれわれ法案を作成さしていただく審議の過程におきましても、これは公益事業者の方が主として利益を受けるはずだから、公益事業者に占用の許可条件として、初めからこういう条件でこういう共同溝をつくらなければ、この施設についてはこの占用の許可をしない。いやなら道路外に持っていけというふうにすべきであるという議論もないではございません。しかし一面、戦前のような自動車のあまり普及しなかった時代の道路法の考え方ならいざ知らず、戦後私どもが予想もしなかったような、急激に都市的な規模が高度化し、都市改造ということが叫ばれ、しかも自動車が急速にふえて、大都市道路の機能が質的にも量的にも一変した。こういう時代における道路管理者たる者の使命をあらためて考えてみますと、私どもは、現在における、あるいは将来における道路法の精神から考えてみるならば、一企業者たる公益事業者に押しつけるよりは、そういった新しい時代の新しい使命を負うた道路を管理する者の立場から、道路は高度の自動車道と歩道とを問わず、これを常時能率的な状態に保持するのが管理者の最大の責務である。また公益物件を加えるにしても、これは公益物件を通らしてやるという意味じゃありませんで、これは普通の物件でなしに、公益物件——ガスとか電気とか電話とか一市民生活に欠くことのできない物件、それを道路におさめてやる。これまた市民に対する一つのサービスだというような点を私どもは重視いたしまして、いろいろ議論もございましょうけれども、これは道路管理者側の第一義的な責任事項であるというふうに結論を出しまして、道路管理者がこれを特につくるという建前に立案をいたしたような次第でございます。
  66. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 その点はわかりました。案を立てられるときにいろいろ御議論があって、御研究なさったそうですけれども、私は相当問題だろうと思うのです。現在のようにいろいろこうなって参りますと、道路を使うことがあたりまえなことのようになっておるから、国民の方でも、これは変だと思いながら、やむを得ないという感じを持っておる。実は少し余談になりますけれども、昨年だったか一昨年でありましたか、この委員会で問題になったことがあるのです。これは全然こういうものと違いますが、問題はある程度似ておる。大泉学園町——北足立郡ですか練馬区ですか、あそこに送電線があって、その下に住宅を持っておる人が非常に困るという問題で取り上げたことがあります。私も現場に行って見ろというので行って見ましたが、その際に東京電力に地下に入れたらどうかと聞くと、地下に入れると金がかかってできないのだ、できないことはないのだけれども、二倍か三倍か、それは私もう忘れましたが、金がかかってできないのだということで、とうとう送電線がクモの巣のようになっておる。従って、その下の方は、畑でありましたけれども、だんだん宅地になっても全然地価が上がらない。何か健康上どうだ、あるいは作物に利益もある、害もあるとか、いろいろ議論があったのです。それとちょっと似たようなことがあるものだから一そういうことを聞くのです。そうかと言って、全部いわゆる公益事業者負担させるということも、今日の段階において、歴史的にこういうふうになっておるような状態では、これはきわめて不適当な議論でありましょうから一そういうことは申し上げません。  そこで、局長も一どっちの便利のためかといえば、どうもそっちにあるような頭でお話があったような感じがするものですから、そうなりますと、一体道路法や河川法では、自分の都合でやる場合は、いわゆる原因者負担ということで全部持ってやるという規則になっておると思うのですが、その理屈と今度のいわゆる負担関係はどういうふうに解釈しておられるか。
  67. 平井學

    平井(學)政府委員 道路法では確かに御指摘のようなことになっておりますが、結論的には私がただいまお答えしたように、終局的には道路管理者が、その使命にかんがみて、イニシアチブをとってやるのである、公益事業者はそれに協力するという意味で受益者負担的な金、あるいは共同溝を占用する意味の排他的な金を持つということを言いましたが、そこに至る過程から申しますと、ただいま御指摘のように、実は立場によってはどちらの受益が大きいか判定が問題になるような程度の事情がございます。一〇〇%道路管理者側だけの都合によってやる工事であっても、五〇%・五〇%あるいは四五対五五といってもいい程度の受益が双方にあろうかと思われますので、さような意味工事の主導権をとるのは道路管理者であるけれども、そういった受益の度合いその他を考えて、受益者負担金的な意味費用分担をやってもらう。またでき上がった共同溝のある空間を排他的に、永久的に占用するという意味の占用に対する対価として負担してもらわねばならぬというふうに考えております。
  68. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 これはなかなかむずかしいところで、議論をするわけじゃないが、深刻な問題だと思うのです。道路は別にああいうものに使わせるような性質じゃないのですけれども、狭いから地下につくらせるということになると、原因者で全部負担するのだということに理屈がなりそうだからちょっと申し上げたのです。そうかといって、一辺倒にそう言ってしまうのも非常識だということになりそうですから、むずかしいところだと思うのです。だから、この負担の区分については簡単に割り切って——簡単じゃないかもしれぬけれども、一応法律で割り切っておりますが、ほかの法律との関係を見ると、やや釈然たらざるものがあるということを申し上げておきます。  そこで少し小さくなってきますが、この法案全体を見て、さっきから今まで御説明の事柄が現在出てくるのですけれども、強制はしない、間接強制をする一この法律によりますと負担の問題もある、どうもやりたくない、車道は使わせないのだということになると、車道は使わせないが、歩道のことは何にも書いてないから、歩道に電信柱が立つことを奨励するような結果になるのじゃないか。むしろ電信柱をなくする時代ですから、歩道を除かれたのはどういうことか、これを伺いたい。
  69. 平井學

    平井(學)政府委員 現在道路を占用する場合に、特定されておる水道管あるいはガス管、こういったものはそれぞれ道路管理者側で、道路のまん中とか、あるいは道路の中心部から何分の一以内にというふうに、それぞれ道路構造の面からいって技術的に規制をいたしております。また一面歩道につきましては、こういう共同溝ができましても、ところによっては、その支線、サービス管を横断して通すということは、今後ともあり得ることでございます。さようなわけで、問題になるような大規模のものは、両者の方からいっても、歩道のようなところへ埋めることは技術的に不可能でございますので、必要最小限度の規制として車道の下ということにしたわけでございます。  なお、今回の共同溝方式によらない他の占用物件、たとえば電柱とか広告塔、こういったものにつきましては、またおのずから別個の問題でございますけれども、これは公益物件とは考えないために、一応現在のところでは道路管理者側の自由裁量の方法によっております。私どもの方針としては、今後こういったような広告塔なんかの公益物件でないのもにつきましては、漸次路上から整理していくという方針でおります。また逆に公益物件でありましても、電柱方式による電話線、電燈線、こういったものにつきましては、やはり道路以外に使用し得るところがあれば、これを使用してもらう。むろん大都会ではさようなことは事実上不可能でございますが、こういうものはできるだけ共同架設、いわゆる共架柱方式を、強制とまではいきませんが、占用を許可して、そういう方式を今後の分についてはとらせるというふうに指導して参っておりますし、御指摘のようなゆがめられた状況が出ないように今後ともやって参りたいと思います。
  70. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 これは行政上の問題だと思いますが、何か車道の方は制限がないのだ、指定されても車道の問題は別だ、歩道の問題は別だというふうに法律上はなっておりますから、道路管理者の方で車道を使わせるのはかまわない、実際上堀り返すことはないと思いますが、下に埋設する電話線等をそれよりも安上がりの車道に電柱を立ててやるなどということをやられたのでは、これは私は時代逆行だというように感ずる。そういうふうなことに利用されないように一つ行政指導をしてもらわなければ困るのではないか。法律は禁止しておりませんけれども、この共同溝制度と申しますか、法律をつくるゆえんは、できるだけ地上のじゃま物を取り除こうというのが趣旨だと思うのです。それにはたびたびほじくり返さぬような地下を使おうじゃないか、こういう趣旨だと思います。実は私のところのことを申し上げてほんとうに恐縮ですが、私の郷里の都城でも、御承知のように建設省が直轄で道路を施工いたしました。そこは八百メートルですけれども、電柱は立てないようにしてある。片側に電燈線がありますが、それはやむを得ない。片側は全部電柱をなくして地下埋設にした。できたあとは、ワシントンとまではいきませんけれども、日本では類を見ないような状況になっております。そういうふうにもう町の中にいろいろなものを立て並べないことを努めてやっていただかないと、せっかく共同溝法律をつくっても、車道は別だ、いや歩道は別だというような軽い気持にならないように一つ行政指導をしてもらうということで、時間もたちましたから私はこれ以上質疑いたしません。この法律ができますれば地下にできると思いますから、せっかく有終の美をおさめるように行政指導をしてもらいたい、こういうことを要望しておきます。
  71. 福永一臣

    福永委員長 中島巖君より資料要求につき発言を求められておりますので、この際これを許します。
  72. 中島巖

    ○中島(巖)委員 道路局長に二点資料の提出をお願いしたいと思います。ちょっと古いので、ごく簡単にどういう資料かという説明をいたしておきたいと思います。  御承知のように、昭和三十三年を当初といたしまして、昭和三十七年までの道路整備五ヵ年計画にかかったわけであります。道路整備緊急措置法の第二条において事業の量や種類を閣議決定しなければならぬということになっておりますが、そのときの閣議決定として建設委員会へ提出した資料があるのであります。それは、私の記憶によりますと、道路整備五ヵ年計画における高速自動車道五ヵ年計画事業量内訳というものでありまして、昭和三十四年二月二十日閣議決定ということになっております。そのときの内訳が小牧市——西宮間が八百九十三億五千七百万円となっております。東京——小牧市間が百二億四千万円となっておるのを記憶いたしておるのであります。それでこのときの資料を提出していただきたい。これが資料提出要求の一件であります。  第二点といたしまして、昭和三十六年十月二十七日に当建設委員会におきまして、国土開発縦貫自動車道中央自動車道建設促進に関する決議というものがなされております。この決議は自民、社会、民社三党の共同提案でありまして、提案理由の説明者は木村守江君になっております。この内容はどういうものかと申しますと、先ほど申しましたように、昭和三十七年度に終わる五ヵ年計画の閣議決定で、中央道に対して百二億四千万円という額が示されてあるので、昭和三十七年度も「東京、富士吉田間の事業予算については先に決定された前期五ヵ年計画を忠実に実行すべきである。右決議する。」すなわち昭和三十七年度も中央道に対する百二億四千万円の前期五ヵ年計画の額は下ってはいけない、こういうことを三党で共同提案いたしまして、提案者は自由民主党の木村守江君、賛成演説は社会党の石川次夫君がしております。従いまして、この当建設委員会の決議に対して政府部内でも御相談があったものと思うのでありますが、そのときの御相談の結論はどうなっておるか、この二つの点の資料をお願いいたしたい、こう考える次第であります。以上です。
  73. 福永一臣

    福永委員長 ただいま中島君より要求のありました資料につきましては、早急にお手元にお届けできるよう委員長において取り計らいます。     —————————————
  74. 福永一臣

    福永委員長 ただいま議題となっております三法案のうちで、共同溝整備等に関する特措別置法案につきましては、他に質疑の通告もないようでありますので、本案に対する質疑は一応終局することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 福永一臣

    福永委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日はこの程度にとどめ、次会は来たる三月の八日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開催することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会