○二階堂
委員 大臣がお見えになっておりませんので、おもなことはまた大臣がお見えになったときに
お尋ねしたいと思いますが、大蔵省の
主計官が見えておられますから、時間もお急ぎのようでございますので、最初に大蔵省にちょっとお伺いをしてみたいと思います。
住宅問題であります。今回
建設省で、農漁村の住宅改修資金のワクを十億別ワクとしてとられまして、農村、漁村の貧しい人の住宅の改修に融資をするという制度を新しくつくってもらったわけであります。これは住宅政策としては非常に前進した政策であるし、私
ども自民党におきましても、私は特にこの三年来この問題を取り上げて主張いたして参ったのであります。
昭和三十六年度からでありますか、国民年金の還元融資で、厚生省所管として十億、農漁村の住宅の改修等にワクを設けて融資をすることになっておりましたが、思うようにわれわれの
考え方が徹底せず、しかもこの融資が思うように行なわれていないという現状が出てきました。今回は特に党におきましても、特別のワクをぜひ
建設省所管として設定してもらいたいということで、ことし十億というワクができたのであります。もとより住宅政策は、公団住宅、公庫住宅、政府
施設の住宅、それぞれ政府としても施策を進めて参っておりますが、思うに、農村、漁村の住宅の改修あるいは新築というものは、これは非常におくれておると申しても過言ではないのであります。特に
災害などありました際には、台風その他が非常に吹いた地域の住宅で一番被害を受けるのは貧しい農村、漁村の住宅であります。そうして被害を受けた農家や漁村の人たちが、自分の家を再建したりあるいは復旧したりするのには、資金的にも担保の上からいっても、能力の貧しい人ばかりであります。従って、非常に困難を来たしておることは、従来の
災害の経験を見ても明らかであります。
そこで、先ほど申し上げましたように、農村、漁村の住宅に新築あるいは改修の制度を設けて、そうしてせめて一代のうちに家らしい家にそれらの人を住ましてやりたいというのは、私は政治家として当然
考えなければならぬことであると思って、このことを念願して主張して参ったのでありますが、私は、十億のワクが認められました以上は、私たちの
考え方を
建設省当局におきましても十分下部に浸透さして、そうして農村においても漁村においても、改良普及員あるいは農協、町村役場等々と緊密な連絡をとられまして、これらの趣旨を実現するように
一つ努力をしていただきたいということを最初に申し上げておきます。
そこで、この住宅融資を受ける階層は、先ほど申し上げましたように、資金的にも担保の上からいっても非常に能力の弱い、貧しい人であります。こういう人が金を借りて、そうして住宅の補修をする、改修をするということになるわけでありますが、この利息の点につきまして、私
どもは党におきましても何べんも議論をいたしました。最初は、聞くところによりますと、大蔵省は年率六分六厘ですか六分五厘ですかを主張し、
建設省は五分五厘を主張してきた。そうして、これでいいということでもないでしょうが、六分ということに落ちついたということのようであります。私は、このことにつきましては、終始一貫反対してきたのでありますが、党におきまして最終的にこれが決定を見るときに、不幸にして私その席にいなかったので、六分ということにきめられてしまった。ここに見えておられます高柳
主計官にも再三電話でもって、私は五分五厘でなければ承知しないということを申し上げておったのでありますが、何しろ大蔵省当局の意向が強く、六分になったということであります。
考えてみると、私は五分五厘でも高過ぎると思うのです。五分か
——利息は安いにこしたことはない、一番能力の弱い人が金を借りて家を建てるわけでありますから、住宅金融公庫の農村、漁村向けの新築の融資総額二十四億くらいですか、二十六億ですか、ワクはきまっておりますけれ
ども、この利息も、家を新築する場合、これは五分五厘なんです。家を新築する人は、まだまだ自己資金もある
程度持っておる、あるいは担保能力も持っておるという人じゃないかと私は思うのです。ところが、台所とか馬小屋とか、そうした家に関連しておるような住宅の一部を改造する、金がなくてようやく改修して、そうして何らかの家の形を整えようというような人たちに金を貸し付けるのに、新築をする場合よりも高い利子でこれを貸し付けるということは、人情論からいっても私は逆だと思うのです。新築の場合が六分であって、改修の場合が五分とか五分五厘ならまだ理屈は通ると思うのです。ところが、どうしても六分五厘を主張し、六分に落ちついたということなんですが、私
ども政治家として
考えると、やはりこれは五分五厘とか五分というところに利息を持っていくのが当然じゃないかと思うのです。
建設省の方もずいぶん努力をせられたようでありますが、どうも最終的には大蔵省にはかなわないのであります。大蔵省の言い分を聞かなければならぬということになる。ですけれ
ども、私
どもは、やはり党人としてはあたたかい気持で、せっかくの十億というものが、かわいそうな住宅を建てようとする階層に生きていくためには、その精神を生かすためには、やはり利息は五分ぐらいに切り下げていくことが当然ではないか、こういうふうに
考えるのです。
建設省の方も努力されたことはわかりますが、大蔵省が私の
考えと違った
考えをお持ちになったというその根拠と申しますか、理由と申しますか、高柳
主計官が担当して一番強く六分五厘を主張された方だと思いますが、六分にしていただいたことは、
金額にしてみては十億の五厘ですから大したことはありませんが、精神の上からいくと、どうも納得しがたいものがある。その気持を
一つ聞かして下さい。