○福田国務
大臣 電力会社を監督するということは、電力会社が損をしないように、公益の立場においてやらせるということでありますから、電力会社の監督はいたしております。しかし、あなたのいまおっしゃったことは、今度は石炭については特に会社をつくって、そうして納炭をした場合には全部あれをするというようなこともしますから、そういうようないわゆる石炭に対するあれができましたら、これは問題でありましょう。これはそれができる前の話しですね。(勝
澤委員「こういうことが悪いからこういうものをつくったのでしょう」と呼ぶ)いや、そういうことでありますから、そこで、石炭会社に対しては通産
大臣としてはどういう監督をすべきかといえば、石炭の会社が商
行為をしたり、取引きで損をしようが得をしようが、その分まではわれわれが監督すべき責任ではないのですね。それは非常に損をするか、得をするか、そんなことまで一々監督はできません。しかし六千万円なら六千万円という穴が電力会社にあいたということについては、われわれは電力会社を監督しているのですから、先ほ
ども申し上げたように、そういうことが起きたことは非常に遺憾である。しかし石炭に対しては、今までの立場が普通のいわゆる電力会社とは違います。これからは違いますよ。今度
法律ができますと、そういう問題が起きたときには、石炭の会社もけしからぬじゃないかということで一応取り調べもし、十分なことをしなければいけませんが、今までは民間の企業が損してものを買おうが、安いものを買ったとか、高いものを買ったからけしからぬとか、そういうことは一一私
どもの監督すべきことではないのではないかということを申し上げた。そこで電力会社がそういう赤字が出た、これが六千万円も赤字が出ることを知らないでほっておいた、これはおかしいということは言えますね。しかし、それはあとで、とにかくそういうことであったが、ほかの民間の会社がそれを埋めましょうと言うたら、埋めることを、何でそんな、けしからぬじゃないか、こう言うてみても私はそこのところはわけがわからないと思う。あなたのほうからいえば、電力会社が強制したから入れたんだろうという。片一方からいえば、どうしても権利がほしいから、何とかかんとか言うて頼んで入れてもらったんだ……。(勝
澤委員「
大臣はそのどっちをとりますか。私は強制されたと思う。その根拠をずっと述べている」と呼ぶ)それは私は一種の合意だと思います。強制ではありません。強制ということならば、何らかの
法律的な
行為であるかあるいは力の
行為であるか、あるいは
経済的な何かの
行為であるか、どうしてもそれをせざるを得ないようにすればいいわけです。(勝
澤委員「ところがそれをやられているじゃないか」と呼ぶ)いや、何もそんなことはない。三井なら三井がそれを
承知したからの話であって、
承知しないのにやったわけではないのです。それは合意です(「仕向けているところに問題がある」と呼ぶ者あり)それは問題だと言えば言えないことはないかもしれないけれ
ども、合意であることは間違いない。これは合意でなければできっこないんだから、合意のところまでをわれわれのほうで云云するわけにはいかない。ところがこの場合逆に三井鉱山が六千万円損をした、それを電力会社が埋めてやるからというような
契約をしたのだったら、われわれは認めませんよ。これは大いに電力会社をたたかなければならない、また監督しなければいけません。何でそんなことをするか、よけいなことをするではないか公益
事業ともあろうものが、
関係のない会社に何で金をやるかということは言えます。しかし、民間の会社が、そちらの会社が損をした分を埋めますというのを、なぜ埋める必要があるか、ここまでは私は言い過ぎになるのじゃないか、こう
考えます。ただしこれは石炭の問題がこういうふうになりましていま御審議願っておりますが、石炭を納めるところは全部トンネルをつくって、会社をつくってあれしますから、そういうふうになってきすと、これはやはり問題が起きますね。特に石炭産業というものについては、国も金を入れて、そうして十分なあれをしております。そうなればなにですが、いまの
状態で、
法律が通過後の
状態と通過前の私企業としての石炭会社がやったことについては、私は監督の責任は非常に少ないと思います。やっちゃいかぬということはないと思いますけれ
ども、非常に少ない、そこまではなかなか目が届かない、こう思うわけでありまして、やっぱりこれは合意とお認め願う以外に、強制ということばは、ちょっと入りにくいのじゃないかと思っております。