○
木村(公)
委員 その御
答弁はまことに幼稚な御
答弁で、理屈を言えばまだ私のほうはいろいろありますが、ただこういうことを
国会が心配しておるということだけをひとつお耳に入れておきたいと思うのです。実は
岩崎邸というものは、いまもしもこれを売却するということになると、およそ三十億くらいの
価値があると
専門家は見ておるわけです。ところが一方
東都起業が
建物を建て
敷地を提供して
交換してくれという初めの
青写真をわれわれが拝見してみると、これは
金銭価値の上では五分の一にもならないものであります。だから私
どもは
国有財産の
性格は、これは
国民全体のものだという
考え方の上に立って、もう少しこれを大事にしてもらわなければならぬ。
次善の策だけれ
ども幸いに申し出があったからこれをいわば売り払って、そして向こうの建ててくれたところでやるのだ。
等価値と言いますけれ
ども、それは実際は
等価値にはならないのです。私
どもはそういう
国有財産が不当不正、あるいはそういうことばに当たらない場合にも、粗末に管理されたり、これが粗末に扱われるということは、とりも直さず
国家のためにもならぬことじゃなかろうかと思います。ことに
最高裁判所といえば
ひとり裁判の問題だけでなく、その
職員の行動すらも
国民は厳粛な
気持を持って注視しているわけです。その
最高裁判所が、こともあろうに世上三十億といわれるものを手離して、そして一
起業会社と
交換契約をした
土地並びに
青写真を見てみると、三分の一と言いたいがおそらく五分の一にも足りないと
土地評価の
専門家等は言うわけですが、そういうようなことが卒然と行なわれるということになると、世間では
最高裁判所すらも非常に疑う。何のためにそういうことをやらなければならぬか。いまのお話を聞いてみると
本郷の
一角、
切通の岩崎さんのところへ
裁判所関係のものを全部集めればこれにこしたことはないけれ
ども、
予算措置がとうていそれができないと思ったので、
次善策であるけれ
どもそれを一まず手離して、そして別の
土地へ行こうというお話でありますが、一見してまことに合理的なようなお話ですけれ
ども、この
切通の
岩崎邸というものの地理的な状態、それから歴史的な状態、ことに占領下においてはアメリカまでキャノン機関がここを利用しまして、われわれの同胞たちがこの
岩崎邸においてある者は迫害を受け、ある者は迫害とは言えないかもしれないけれ
ども非常な侮辱を受け、非常な残酷物語があるわけです。こういうような特殊な地点だと思いますが、こういうものを軽々に手離して一
起業会社と
交換契約をなさろうとした、その
考え方それ自身に対して私
どもは不
承知なんです。そういう
考え方それ自身に対して疑惑を持つわけでございますが、この問題をさらに追及いたしますれば、いろいろの角度から追及はできますけれ
ども、時間もございませんので、この機会に、私は、これ以上追及はいたしませんけれ
ども、世間ではこの問題に対して非常な疑惑を持った。現在はこれは
不用額となって、もうあなた方の初期の
計画は破棄されましたからよろしいようなものの、かつて
昭和三十五年において、日本じゅうの心ある者は、こういうような御
計画に対して非常な疑惑を持っておったんだということだけは、ひとつ御記憶を願っておきたいと思うのです。
それから最後に、一、二点伺っておきたいのは、この
建物、
土地の問題ではございませんけれ
ども、これは人の問題になりますが、国はずいぶん国費を使用して判、検事の養成をしようとされている。それの
金額もいろいろ詳細にありますが、ところがさて
研修させてみると、結果においてはほとんど弁護士ばかり、たとえば三十七
年度においては弁護士が二百何十人ですか、国費でもって判、検事さんその他の講師を呼ばれて、
研修所の
経費というものは
昭和三十七
年度においては一億六千五十三万百円というばく大な国費を
研修生のために投ずる。これは一人当たり大体百万円になるでしょう。そうして判、検事をつくろうと思って育ててみると、みなこれが弁護士になってしまう。このことに対する御対策はありませんか。しばしばここで問題になるのですが、何か対策はありませんか。