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西村(力)
委員 それはそれだけにします。
次に、
予備費の
支出は
大蔵大臣がそれを認めるということに相なるだろうと思うのでありますが、これは
部局ごとに割り当てておるのではなくて総括しておるわけであります。この
支出については慎重を期さなければならぬということは当然でありますが、この
予備費というものの各省庁の
考え方は、やはり
予算折衝の最初にあたって、こまかい金の問題については
事務当局間においては、こんなところは
予備費でやったほうがいいじゃないか、何とか
考えないわけでもないぞ、そういう話し合いが進められておることがあるのではなかろうかという想像をする。それから
予備費支出にあたって非常に安易な
考え方で、よけいあるんだから幾らかでも取らなければ損だというような
考え方はないのかということ、こういうことは
一つの推測でありまして、事実そのとおりであるとは私は断言しません。しませんが、そういうような
ぐあいに推測せざるを得ない事例がいろいろあるわけです。
昭和三十六年の
予備費支出でしたかにあたっては、安保の騒ぎのあった
——そのよしあしはともかくとしまして、そのときに
警察の自動車なんか相当いたんだ。何台かいたんだけれども、その数倍の車両を代替として
予備費で購入しておる、こういう
事態もあのときにありました。当
委員会でそのことが非常に論議になりました。そして社会党はこの件だけは認められないといって
分離採決をした、こういうことを私は知っておるのであります。今回の
予備費支出にあたりましても、そういうきらいが大いにあるのではないか。たとえば
交通警察官の
増員に必要な
予備費の
支出、こういうことでありますが、これは緊急やむを得ず承認をした、こういうことになっておりますが、私をして言わしむるならば、この
増員を
決定するに至ったその
交通の
事故の
事情は、
昭和三十六年度が
最高であって三十七年度がそれよりも少ないのです。だから三十六年度のその
事故数を見た場合に、三十七年度
予算にそれを計上するというのがほんとうにこの問題に積極的に取り組む
立場である、こう言えるわけであります。しかし、それは三十六年度の後半期から
事故が頻発したのであって、本
予算編成に間に合わなかった、こういう
言い方もあるわけでありますが、しからば、この一万人
増員を
決定したのはいつかということになってまいるわけでありますが、この一万
増員を
公安委員会で
決定したのが三十七年五月中旬です。だから五月中旬に
決定しておるならば、諸手続を進めますと、昨年の
臨時国会は八月四日から九月二日まで、それから四十二
臨時国会は十二月八日から十二月二十三日まで、二回開かれておるのでありますから、おそくともこの四十二
国会の
補正予算の中にこれは組み入れられることは可能である。可能であるばかりでなく、これはやっぱりそうすることが必要である。私は前からこの
委員会でこの問題について
主張してきておるのですが、この
警察機構は
国民の権利あるいは生活に関して一番権力的な
影響を持つものであります。ですから
警察機構の変更というような場合においては、どうしてもこれは
国会の
審議を経るということを
原則とすべきである。こういうことをしないで、
交通警察官であるから
予備費でまかなって一万人
増員する、こういうことをやっていくとするならば、必要によっては、また、別な意味の
警察官の
増員ということをかってにできるということになってくるわけなんであります。
交通警察官の
増員という、こういう
打ち出し方でありまするけれども、
警察官に、あなたは
交通警察、あるいはあなたは
刑事警察、あなたは
公安警察、こういうような
ぐあいにレッテルを張っておるわけではございません。やはり同じように
警察官であります。ですから、これはやはり
国会の議を経ることを
原則とすべきである、こういうたてまえに立ってみますと、これはやはり少し時期がおくれても
予算に組んで、
国会の議を経てやってもらうことが正しい。しかも今回の場合は、五月中旬に
公安委員会の
決定があるのだから、四十二
臨時国会には当然
補正予算として組める。これは
金額が少ないからまあ
予備費でいいじゃないかという
ぐあいにいえる性質のものじゃないのだ、こういうことを私は思うわけなんでございます。ですからそういう
原則をずっと承認してまいりますと、これは三十八年度本
予算に組んでもいいし、それまでに必要ならば現在
機動隊というものがたくさんおるのであるから、それを
交通警察官のほうに回して、そして
交通事情の
緩和のために働いてもらうということも可能なはずであります。これは、オリンピックの模擬の
マラソンレースをやったときに、沿道の警備に当たったのは
機動隊であります。あれはテレビでずっと見ておりましたが、確かにりっぱに
交通整理をやりましたね。ですから
機動隊の諸君を、三十八年度の
予算の
編成まで代替してやる、こういうことは十分に可能である。私
たちの
立場からいいますと、
機動隊がそれだけおるんだから、一万人分くらい
——別に一万人といわないにしても、この一月一日から入校させた二千名については、
機動隊をそれに所属がえをして、
交通警察官としていくのが正しいんだ、私
たちはそのような
主張をした。その
主張を一時伏せても、そういう
便宜措置は当然やれるのじゃないか、こういうような点から、この
交通警察官の
増員を
予備費でまかなった点については、私
たちはどうしても納得ができない、こういう気持ちでおるわけなんでございます。
それで、私
たち、
決算委員会は大体は超党派的というか、そういうようなたてまえをとっておりますので、反対をするというようなこともなるべく避けたいと思う。そういう点から
大臣の
答弁に、やはり
警察官の
増員というものは、これは慎重を要するから、たてまえとしてはやはり
国会の議を経ていくべきが当然である、こういうこと、それから努力すれば
臨時国会で間に合うというときには、そういう
ぐあいに常に
予備費にたよる方向を避けることを
大蔵省の
指導方針とする、こういうたてまえをはっきりここで言明していただかなければならぬ、こう思うわけであります。