○木村(公)
委員 関連。私さっぱりこの事件はわからぬのですけれ
ども、いままでいろいろ述べられたところによりますと、大森川のダムに不正の容疑があるというので、社員であるところの堤課長が六項目か何かの疑問点を出してこれを社外にも発表をし、だれに聞いたか知りませんが、東京の「国会通信」というような
新聞にもこれが堂々と載っておる。その上さらにまた、田中
委員のところへは誤謬を訂正してくれという意味でありましょうけれ
ども、堤自身が行っておる。私
どもの感じでいきますと、こういうばかげた社員というものが一体許されていいのかどうか。かつて満鉄にこれと同じような事件がありまして、満鉄の
理事が
社長の不正をあばき立てて、結果においては
社長に不正あらずということになったのですけれ
ども、それがためにその
理事は、当時のことでありますからいまのようにむずかしい問題もなく解雇された。しかし、このときにはほとんど世人は全部解雇されたことに対して拍手を送った。いやしくも社員がその
会社の
——公益事業であるとはいえ、繁栄を願い
会社のために利益を与えるということならよろしいが、内部から
会社の不正をあげつらうということそれ自身が、われわれの常識ではわからない。ましていま伺っておると、考査
委員会とかいうものを信用するか信用しないかの問題でありましょうけれ
ども、もしも信用するとすると、その考査
委員会においては、結論かどうかわからぬけれ
ども、いろいろ
調査の結果、現存しておった
調査資料——しかし、それには散逸しておるような
調査資料があるように思われたけれ
ども、当時現存しておった
調査資料によると、堤課長の言うことはある
程度わかるけれ
ども、さらにまた散逸しておるようなものも補てんをして、いろいろ協議をして
調査をしてみると、六項目ともうそとはおっしゃらないけれ
ども、どうも堤課長の言い分が間違っておるような御報告も先ほどあった。もしもそれが事実であるとすると、その考査
委員会を信用する信用しないという考え方はありましょうけれ
ども、
電力会社といえば全国に九つしかない。しかも
公益事業でもあり、その
電力会社の
経営者側に考査
委員会が立って、いやしくも社員を初めから敵にするというような性格のものじゃなかろうと思いますし、もう一つは、
通産省は現に
公益事業局というものがあって、そういうことに対する監督の役目を果たしておるわけでしょう。さらにまた私
どもが考えますものは、間組というのは一業者ではありましょうけれ
ども、これとても、一番いいお得意の
電力会社の工事をやる場合に、不正を摘発されて、その不正に対して言い分ありというので、いろいろ
資料を提出してこれに対する釈明をしておるとするならば、間組というような一営利
会社であろうけれ
ども、これの言い分もまんざら全部うそだときめつけるわけにはいくものでないと私は思うのです。そうすると、考査
委員会が、一応堤課長のいうところの六項目というものは、現存しておる
調査資料によれば、それは正しいとまでいかなくとも、認め得るかもしれないけれ
ども、実は散逸している
資料も他にあるのだ。その
資料もさがしても発見できなかったから、散逸していると思われるような
資料を再びつくって間組の方あるいは社内のその道の専門家とも談合相談をして、現地でもっていろいろ
調査もして、
あとから
資料を補てんしたのだ。そうしてその
資料によれば、六項目というものはおよそ容認しがたいものである。容認しがたいものであるその六項目を、ことに社外に盛んにこれを発表し、あるいは組合に対して
経営陣と拮抗を招くような言動をするというようなこともわれわれは聞いておる。そうしてことに田中君が社会党であるから、社会党の国
会議員のところへ陳情していっていかぬ、そういう失礼なことは言いません。言いませんが、この一
会社の内部の問題を東京まで来て国
会議員に訴えるというセンス、それは悪いことではありませんけれ
ども、ちょっとこれは異常だと思うのです。私
どもの周囲にはそういう者はあまりおらない。だから私はどう考えても、この人は会ったことも見たことも聞いたこともない人ですけれ
ども、普通の社員よりはどこかおかしいところがある。そしてこういう人に対して、もしこれを放置しておけば、かりに優等生の中に劣等生を一人入れておくことによって他の、優等生に非常な悪影響がある場合には、泣いてその劣等生を校外に去らせるということも、大学においても高等学校においても小学校においてもあり得ることなんです。もしもこのことのために
四国電力という
公益事業会社全体に、組合をも含めて非常な悪影響ありとするならば、これは戒告をなさることも、あるいはまたこれを馘首するということもやむを得ないのではないかと私は思うのです。したがって、問題点は、考査
委員会において
調査したことがはたして正しいかどうかということ、それから堤課長の六項目というものは否定をしておるけれ
ども、それがはたして堤の言い分が正しいのか、考査
委員会の言い分の方が正しいのかということをまず
公益事業局あたりで十分御
調査をなさり御判断を願って、一方いま不正事件として告発をされて地検に係属しておる事件だそうです、それならば地検は犯罪として刑法の条文に照らして大いに御捜査なさることもけっこうでしょうし、それから
公益事業局は、ここまでくれば、国会の国政審議の一環として決算
委員会において論議されるようなところまできておるのですから、すみやかに考査
委員会の言い分と堤課長の言い分とを十分お聞きになって、どちらが正しいか、もしも考査
委員会の言い分が正しくないにもかかわらず、間違っておるにもかかわらず、戒告したとか、あるいはまた首を切るというようなことであれば、おのずからまた別の議論をしなければならぬかもしれません。ただその人物がどうであるとか、あるいは仕事ぶりがどうであるとか、これは社内だけの問題でわれわれにはわからない。しかし、あらわれた問題としては、私は問題はそこにあろうと思いますので、決して私は田中君に反発するわけではございません。ございませんけれ
ども、しかし、私は
四国電力には何らの
関係もないけれ
ども、いまじっと伺っておると、堤課長の言い分が非常に重視されて、もしも私が、予算
委員会において
発言したことに端を発したことで、むしろこれは国政審議に対する一種の圧力になるのじゃないかとか、あるいは国政審議をやっておる一環において戒告を受けたとかあるいは馘首されたということになれば、結局これは国会に対して一種の弓を引くものじゃないかというような印象すら受けるような
発言もございましたので、もちろん国
会議員が院外において自分の言論に対して責めを負わないことは言うまでもありませんしそれからそれがために、もしも国政審議の一環として堤課長の問題をここで取り上げた、それがために首になったというような直接の
関係があるということになりますれば、私はこれは一つの問題だろうと思います。国会全体の問題だろうと思いますけれ
ども、おそらくは、私がいままで伺っておるところによりますと、堤君のいままでの行動あるいはその
四国電力の社規に照らしていかなる言動があったかは知りませんが、おそらく、表にあらわれたものだけを見てもあり得ることだと思う。そうすると田中
委員の
発言と全く
関係がない。
関係がないとするならば、これは
四国電力の当局が自由濶達に、だれの制肘を受けることもなくおやりになれる問題であろうかと思いますので、この点ひとつ十分御審議の上で、この問題をさらにどういうふうに持っていくのか、堤課長の問題はひとつ
あとの
理事会で御協議願いたいと思うのです。