○清井
説明員 ただいま会計検査院の方から御答弁申し上げました
通りでございまして、私どもの農林漁業の
貸付のうちの三割ないし四割近いものが土地改良
事業でございます。そこで、検査院から御指摘を受けておりますいわゆる
限度超過あるいは補助金未
償還というものもほとんど全部が土地改良
事業でございます。しかも、それは
災害復旧
事業でございます。
災害復旧
事業については、御
承知の
通り年三回くらいに分けて、三割、四割、三割というくらいの割合で補助金が出るわけでありますが、
事業を復旧いたしますのは緊急を要しますために、私どもの方は一ぺんに
貸付をいたします。しかし、私どもの方では
事業計画の八割までしかお貸ししないということになっておりますし、また当初お貸しいたしましても、その後補助金が出れば必ず返すようにというお約束でお貸ししているわけでございます。ところが実際には補助金が出ましても、
事業その他の
事情でお返しを願わない場合がございます。その場合に補助金未
償還ということで会計検査院の御指摘を受けるわけでございます。それから
限度超過と申しますのは、ただいま申し上げました
通り八割までお貸しするわけでございますけれども、
事業をやった結果、たとえば百万円でございますと八十万円までお貸しするわけでございますけれども、
事業が何らかの
事情によりまして百万円かからない、九十万円で済むということになりますと、八割超過いたしますわけでございますから、超過分をお返し願うということになっておるのでございますが、そのお返しいただくことが十分にいっていないということが、会計検査院の実地検査によって御指摘を受けまして、ただいま会計検査院の方からお答え申し上げてたような事例を出しいるわけでございます。その点につきましては、私どもといたしましては、毎年実はこういうことが起こるわけでございまして、まことに申しわけない次第でありまして、常々こういうことが起らないようにということを注意いたしておるわけであります。
そこで、
内容をもう少し詳しく申し上げますが、私ども
農林漁業金融公庫は、直接
貸付をいたしておりますのは全体の一割五分
程度でございまして、
あと残りは全部受託
金融機関に
貸付を委託いたしております。ことに土地改良
事業においては全部県の信用協同組合連合会あるいは農林中央金庫等を通じまして、受託
貸付をいたしているわけでございます。しかも、なお
事業をいたします場合におきましては、ことに土地改良
事業につきましては、各県庁が
事業調書というものを出しまして、県庁が設計検査を行なうわけでございます。その県庁の設計検査が済み、その
事業調書が県庁から上がって参りまして、私どものところで受託
金融機関を通じてお貸しする、こういう実は実情になっているわけでございます。そういうものが大
部分でございますが、一部土地改良
事業につきましても、非常に大きな
事業には直接
貸付をいたしている場合もございます。そういった事例につきまして、私どもは検査院の方から御指摘を受けることのないようにということでかねがね努力をいたしておるわけでございますが、まだその点が不十分でございまして御指摘を受けたような次第でございます。そこで私どもといたしましては、かねてからの問題でございますので、何とかしてこの事態を、絶無とまではいかないにしても、できるだけ少なからしめるということが必要であることはもちろんでございます。そこで監査ということを実はいたしておるわけでございますが、監査はただいま各
支店におきまして——
支店と申しましても九つの
支店がございますが、管理課を設けまして、そこで管理課に全部で約百人以上の人数を配置いたしまして、
貸付をいたしました後は実態を調査いたすという意味において監査
事務をいたしております。それは、受託
金融機関を毎年定期に監査をいたすわけでございますが、同時にまた
貸付先にまで行って監査をするということになっておりますけれども、なかなか実際問題といたしまして人数の関係等もございます。あるいは時間等の関係もございますので、
公庫が直接
貸付先に行って監査する事態は実は少ないのでございます。主として受託
金融機関、たとえば私ども
公庫から申しますれば、農林中央金庫であるとか各県の信用協同組合連合会であるとかいうのが、実際の
窓口でございますから、
窓口の機関が実際に行って調べてもらうということで、もし悪い点がありますれば、その点を適正にするように是正してもらうという措置を講じておるわけでございますけれども、
貸付関係も非常に多うございますし人数の関係等もございまして、なかなか思うようにいかぬのでございます。その点は、私どもといたしましてもはなはだ遺憾に存ずる次第でございます。今後そういう事例を少なくするためにもっと監査の
仕事を強化する必要があるということからいたしまして、従来ともやってはおりますけれども、今後新たに監査を、部内機構といたしまして部を強化いたしまして、定員等も三十八
年度からは増加をいたします、旅費等も十分いただきまして、できるだけ
公庫自身が直接
貸付先に行って実態をよく調べて、そうして、もしも不適正な事例がありますればそれを是正してもらうというような措置を講じまして、できるだけ今後会計検査院から御指摘を受けることのないようにいたしたい、こういうことでやっておるのでございます。今までの
実績といたしましては、まことに残念でございますけれども相当事例があるのでございますが、私どもといたしましては今後その事例をできるだけ少なからしめるために、できるだけ努力を払っていく所存でございます。むろん私どもといたしましては単に機構を改革するだけでなしに、従来におきましてもこの事例につきましては欠けることのないようにということをたびたび各県庁にもお願いいたし、各受託
金融機関にもお願いいたし、各
金融機関も十分にやっているわけでございますけれども、いろいろな
事情等がここに加えられまして、かかる事例が起こって参りますので、今後その点につきましては十分に注意をいたしたいと思っておる次第でございます。