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1963-02-07 第43回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年二月七日(木曜日)     午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 津雲 國利君    理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君    理事 鈴木 仙八君 理事 勝澤 芳雄君    理事 西村 力弥君 理事 芳賀  貢君       久保田藤麿君    椎名悦三郎君       福田 赳夫君    山本 猛夫君       久保 三郎君    山田 長司君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 綾部健太郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  原田  憲君         運輸事務官         (大臣官房長) 広瀬 真一君         運輸事務官         (大臣官房会計         課長)     黒住 忠行君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      岡本  悟君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君  委員外出席者         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  向井 重郷君         運輸事務官         (鉄道監督局民         営鉄道部長)  佐藤 光夫君         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道常         務理事     大石 重成君         日本国有鉄道常         務理事     河村  勝君         会計検査院事務         官         (第三局長)  中島 尚文君         会計検査院事務         官         (第五局長)  白木 康進君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 二月七日  委員川村継義君及び森本靖辞任につき、その  補欠として久保三郎君及び山田長司君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員久保三郎君及び山田長司辞任につき、そ  の補欠として川村継義君及び森本靖君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十五年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十五年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十五年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十五年度政府関係機関決算書  昭和三十五年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十五年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十五年度物品増減及び現在額総計算書  昭和三十六年度一般会計予備費使用  総調書(その2)  昭和三十六年度特別会計予備費使用  総調書(その2)  昭和三十六年度特別会計予算総則第  十一条に基づく使用調書(その  2)  昭和三十六年度特別会計予算総則第  十二条に基づく使用調書その(  2)               (承諾を  昭和三十六年度特別会計予算総則第 求めるの  十三条に基づく使用調書     件)  (運輸省所管日本国有鉄道関係)      ————◇—————
  2. 津雲國利

    津雲委員長 これより会議を開きます。  去る一月二十六日承諾案件として本委員会に付託になりました昭和三十六年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十六年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書(その2)、昭和三十六年度特別会計予算総則第十二条に基づく使用調書(その2)、昭和三十六年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用調書、以上五件を一括して議題にいたします。  まず、大蔵省当局より各件についての説明を求めます。原田大蔵政務次官
  3. 原田憲

    原田政府委員 ただいま議題となりました昭和三十六年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和三十六年度一般会計予備費予算額は二百二十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十六年五月二日から同年十二月十九日までの間において使用を決定いたしました百三十八億八千万円余につきましては、第四十回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後昭和三十七年一月十二日から同年三月二十九日までの間におきまして七十七億八千六百万円余につき使用決定いたしました。  そのおもな事項は、国会会期延長等に伴う国会運営に必要な経費国庫預託金利子支払いに必要な経費風水害対策に必要な経費干害対策に必要な経費失業対策事業に必要な経費等であります。  次に、昭和三十六年度各特別会計予備費予算総額は一千二百一億八千万円余でありまして、このうち、昭和三十六年五月二日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました六十二億二千万円余につきましては、第四十回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十七年一月十一日から同年三月二十七日までの間におきまして百四十三億一千百万円余の使用を決定いたしました。  そのおもな事項は、厚生保険特別会計健康勘定における健康保険給付費不足を補うために必要な経費、漁船再保険特別会計普通保険勘定における再保険金等支払いに必要な経費国有林野事業特別会計国有林野事業勘定における仲裁裁定実施に伴う作業員の賃金に必要な経費郵政事業特別会計における事業運営経費不足を補うために必要な経費労働者災害補償保険特別会計における保険給付等に必要な経費失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費等であります。  次に、昭和三十六年度特別会計予算総則第十一条、第十二条及び第十三条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしましたのは、第四十回国会においてすでに御承諾を得ましたものを除き、印刷局資金運用部交付税及び譲与税配付金厚生保険国立病院郵政事業郵便貯金簡易生命保険及び郵便年金の八特別会計でありまして、その内訳は、印刷局特別会計において支出いたしました日本銀行券製造数量増加に必要な経費六千三百万円余、資金運用部特別会計において支出しました預託金利子支払いに必要な経費六億五千六百万円余、交付税及び譲与税配付金特別会計において支出しました地方譲与税譲与金に必要な経費三十六億一千六百万円余、厚生保険特別会計において支出しました健康保険給付費不足を補うために必要な経費十八億八千八百万円余、国立病院特別会計において支出しました患者医療費増加に必要な経費七億四千二百万円余、郵政事業特別会計において支出しました業績賞与支給に必要な経費二十八億百万円及び業務量増加等に必要な経費七十五億三千万円、郵便貯金特別会計において支出しました業績賞与支給等に伴い必要な経費六億一千九百万円、簡易生命保険及び郵便年金特別会計において支出しました業績賞与支給等に伴い必要な経費九億四千二百万円であります。  以上が昭和三十六年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件の事後承諾を求める件の概要でございます。  何とぞ御審議の上御承諾下さいますようにお願い申し上げます。
  4. 津雲國利

    津雲委員長 ただいまの予備費各件に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  5. 津雲國利

    津雲委員長 昭和三十五年度決算外三件を一括して議題とし、本日は運輸省所管決算及び日本国有鉄道関係決算について審査を行ないます。運輸省所管決算及び日本国有鉄道関係決算概要について説明を求めます。綾部運輸大臣
  6. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 昭和三十五年度運輸省所管決算及び日本国有鉄道決算概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知をいただきたいと存じます。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
  7. 津雲國利

    津雲委員長 各位のお手元に配付いたしております昭和三十五年度運輸省所管決算及び日本国有鉄道関係決算概要説明便宜会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承を願います。
  8. 津雲國利

    津雲委員長 次に、会計検査院当局より検査概要について説明を求めます。中島第三局長
  9. 中島尚文

    中島会計検査院説明員 三十五年度の決算検査の結果について御説明申し上げます。  特に不当と認めまして検査報告に掲記いたしましたものは、地方公共団体等施行いたしましたところの補助工事において数件ございました。これは全国工事現場千八百七十五カ所のうち、新潟県外七県におきまして、四百十一カ所の工事現場実地検査いたしました結果、工事施行が不当と認められて国庫補助金を除外すべきものと認定されましたもので、一工事当たり十万円以上のものが、新潟県、愛知県、和歌山県の三県におきまして四件ございました。一工事当たり二十万円以上のものを六十九ページに個別に掲記してあります。  その一つは、新潟県の両津市の両津改修工事におきまして、浚渫土量九千八百四十七立米施行したこととされていましたものが、実際には八千八百八十一立米しか浚深してなかった。そこで二十九万四千円相当額出来高不足になっておったものでございます。  次は、愛知県の常滑市の常滑伊勢湾高潮対策工事におきまして、止水壁を設計変更して小さく施行したり、またコンクリート・パイルを五百五十本施行するものを施行しないように変更して工事を完成しましたのに対して、当初設計通り完成したものとして工事費を支払ったりなどして工事費の過払いになっておる案件でございます。  次は、愛知県の渥美郡の渥美町の福江港の改修工事におきまして、鋼矢板の打ち込みが悪くて、鋼矢板の腹起こしとかあるいはタイロッドの効果を減殺することとなって、設計に比べて非常に強度が低下しておるというものでございます。  なお、災害復旧工事査定につきまして検査をいたしましたが、三十五年度発生災害復旧工事のうち、比較的査定額の大きかった岩手、宮城、静岡、岡山、香川、徳島の各県二百二十一カ所のうち百三十五カ所について実地調査いたしました結果、七十一ページの表にございます通り改良工事施行したりあるいは積算が過大になっていたりして査定額の修正を要すると認められましたものが三件で、工事費において五十一万八千円ありました。  以上をもって説明を終わります。
  10. 津雲國利

    津雲委員長 次に白木第五局長
  11. 白木康進

    白木会計検査院説明員 昭和三十五年度の日本国有鉄道検査の結果につきまして、不当事項を中心に簡単に御説明申し上げます。  三十五年度の不当事項工事が四件、物件で二件、合計六件でございます。  記載順序に従って簡単に御説明申し上げます。  百十三ページの三二八号と三二九号の二件は、いずれも札幌工事局施行しました操車場盛り土工事における機械損料に関するものでございます。盛土工事使用するブルドーザーあるいはダンプトラック、これらの工事用機械経費は、機械の整備とかあるいは休憩時間とかその他実際に稼働しない作業効率をも考慮いたしまして、一時間当たり損料あるいは燃料費をきめることになっておりまして、これに稼働時間を乗じて算定するわけでございますが、国鉄でもすべてこの積算方法によっておるわけでございます。ところが本件の場合は、この稼働時間にさらにただいま申し上げましたような作業効率、つまり能率の低下を考慮した割り増し時間を加算し延べ作業時間を算出し、これに今申し上げました一時間当たり損料を乗じたために、損料及び燃料費等経費が過大に積算されたという事案でございます。三二八号で約九百六十万円、それから三二九号では二百五十万円が不当となっておると認められます。  次に三三〇号は、岐阜工事局請負施行しました北陸隧道レールガス圧接工事でございます。本件は五十キログラムの定尺レールを圧接しまして二百メートルぐらいの長尺レールにする工事でございますが、国鉄ではこのレール圧接工事は直営で実施しておりまして、本件の場合にも札幌と門司の両鉄道管理局から機械保管転換を受けまして、同時にこの工事監督をさせるために専門職員の派遣を受けております。従って、この工事積算当たりましては、当然国鉄の部内の実績を基礎として積算するのが相当であるというふうに考えられまするが、その把握がどうも十分でなかったために、結果としては相当過大な積算となっておるようでございまして、本院で国鉄実績を基準にしましてかりに計算いたしますと、約二百二十六万円が不当となっておると認められるものでございます。  次に三二二号は、大阪の幹線工事局東海道幹線線路を選定するために、線路敷設区間測量工事請負でやったものでございます。  測量工事における経費計算は、測量種類によっていろいろ異なっております。また同じ測量でございましても、都市部とかあるいは山間部でその経費単価も違っておるわけでございます。そこで、これらを種類別あるいは地域別に分けまして、キロメートル当たり所要人工を定めて、これに実際の測量の長さを乗じて経費を出す、これが積算方法でございますが、検査の際にその内容を見てみますと、工事局測量工事におけるキロメートル当たり所要人工計算とは違ったような積算をやったために、測量工事人工よけいに見込み過ぎた、そのために宿泊費あるいは材料費等がまたよけいに見積もり過ぎた、こういう事案でございます。  工事につきましては以上の四件でございます。  このほかに物件関係を二件掲げておりますが、そのうちの三三二号は、古鉛被ケーブルケーブルくずとして売却した場合の売却価格が安過ぎたのではないかという事案でございます。  本件は、毎年旧設備の撤去工事から発生しましたケーブルくずを、資材局隅田川と安治川口の両用品庫に集めて電線メーカー等に売却するものでございますが、その価格はいずれも品形別に仕訳をしまして、その品形別の含まれておる銅あるいは鉛等目付量によってきまるわけでございます。ところが本院で検査の際に両用品庫の中の大体似たようなものを比較してみましたところが、隅田川の方が銅、鉛とも含有量が非常に少ないということで、これを国鉄用品試験所で実測いたしましたところがやはり非常に少ない。これは結局品形の適用を誤ったためにこういうことになったわけでございまして、私の方でかりにこれを適正な品形に直して換算いたしますと、約九百万円低価に売却されたのではないかというふうに考えておるわけでございます。  最後の三三三号は、隧道の掘さくの際の換気に使う送風機に関するものでございます。本件送風機は、東京幹線工事局で新丹那隧道の——非常に大きな燧道でございますので、非常に馬力の大きい送風機が必要である。しかもこれを業者に貸与する必要があるということで三十四年度に購入したものでございます。ところが、実際には本機を購入する前に、送風機請負人持ちということですでに契約が締結されておりまして、本機の必要がなくなったわけでございますので、その後においてこれに次ぐ長大隧道工事をするような場合には、当然この機械業者に貸与して工費の節減をはかるという配慮が必要だったと思うのでありますが、その後の長大燧道と認められるような工事でも、これをやはり業者持ちということで処理されておりまして、結局これは二機で約千五百六十万円ぐらいのものでございますが、この機械が遊休しておる、こういう事案がございます。  なお国有鉄道損益勘定決算の概況、それから工事及び資材について概説で簡単にそのあらましを書いてありますが、内容説明は省略させていただきます。
  12. 津雲國利

    津雲委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  13. 津雲國利

    津雲委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。木村公平君。
  14. 木村公平

    木村(公)委員 地下鉄の監査に関する問題でいろいろお伺いしたいのでございますが、民営鉄道部長さんがまだおいでにならないそうでございますから、この機会運輸大臣にちょっとお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。  運輸大臣国鉄総裁おいでになるのでございますから、一言申し上げておきたいと思いますのは、私どもが長らくこの決算委員会において、国政調査の一環として各省政府関係機関決算をいろいろ調査をいたしました場合に、一番感ぜられますることは、ただいま開かれておりまする国会予算委員会においては、まことに正論も吐かれ、それから答弁なんかを通じまして、予算の執行は厳格に行われるような答弁がしばしばなされておるのでありますが、さてそれが使用されたあと決算をわれわれがいたしてみますると、はなはだしく予算委員会における政府並びに政府関係機関首脳部の御答弁と食い違っておるようなもろもろのことが出てくるわけでございます。そこで、こういうような不正不当を是正する一つ方法といたしまして、予算委員会壁頭において、前年度の決算内容を詳細に決算委員長から報告せしめてはいかがなものであろうかというような案も実はただいま出ておるわけでございます。そのような意見、考え方が出ておるわけでございますが、そういうようなことがもしもなされますれば、おそらく予算審議にあたりましても、もっと慎重に審議が遂行されるものと存じますけれども、今まではそのことがなかったので、予算をきめるときには、各省が一生懸命になられて、一銭でも多くの予算を獲得するというためには、あるいは自己の所属政党国会議員等を利用いたしまして、盛んに活発な運動が行なわれることは、今日公知の事実でございます。そうして一たびこの予算というものが、原案がきまり、大体原案通り、与党が多数でございますので承認されるわけでございますが、承認されたものの使用というものに対しましては、かつては予算を一銭でも多く獲得しようとしたところの政府首脳者も、それからそれに協力したところの政党の幹部も、この使用についてはほとんど無関心である。予算をとるまでには非常な関心を持っておるけれども、一たび予算を獲得いたしますると、あと使用はほとんど顧みない、このようなことのために、いろいろの不当、不正事項が出て参るものと存ずるのでございます。  そこで、今日は幸い運輸大臣国鉄総裁おいででございますので、ただいま会計検査院から三十五年度の批難、不当、不正事項の御開陳がありましたけれども、おそらくこれは私は九牛の一毛であろうと思う。たとえて申しますと、三十五年度の決算を顧みましても、運輸省関係において、ただいま御説明通り、「地方公共団体等施行した港湾工事に対する国庫負担金または国庫補助金は、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等根拠法規に基づいて交付されるものである。昭和三十六年中、その経理および工事施行状況について、全国工事現場千八百七十五個所のうち新潟ほか七県についてその二一%に相当する四百十一個所を実地検査したところ、工事施行が不当と認められ、国庫負担金または国庫補助金を除外すべきことの判明したもので除外すべき額一工事十万円以上のものが新潟ほか二県において四工事二百六十五万二千六百六十五円あり、」それからさらに「地方公共団体施行する公共土木施設昭和三十五年発生災害復旧工事査定を了したものに対する検査は、査定額の比較的多かった岩手ほか五県を選び」実施した結果、被災していないにもかかわらず改良工事施行しようとしておるもの、査定工事費積算が過大となっておるもの等が出てきたというような報告がただいまあったわけでございます。そうして最後はこういうようなことになっておる。たとえば「災害復旧事業費査定額を減額させたもの、」一般会計において「地方公共団体施行する公共土木施設昭和三十五年発生災害復旧工事査定を了したもの(運輸省査定額二十一億九千百二十九万七千円)に対する検査は、査定額の比較的多かった岩手ほか五県を選び、三十六年二月から五月までの間に、総工事数二百二十一個所その査定額五億一千八百五万六千円のうち百三十五工事四億七千九百四十四万三千円について実施した。その結果は、既存の施設が被災していないのに復旧することとして改良工事施行しょうとしているもの、査定工事費積算が過大となっているものがあり、これらの査定工事費を適正なものに修正する必要があると認め当局に注意したところ、前記六県のうち三県において次表のとおり三工事につき工事費において五十一万八千円国庫負担金相当額三十四万七千円を減額是正する旨の回答があった。」それで是正をしたというのです。ところがわれわれが不思議に思いますのは、六県のうち三県においては是正をしたけれどもあとはどうなっておるのかという問題、それからこういうように是正をするということは、自分たちの手違いあるいは不正、不当だったということを是認するから是正するわけですが、そのあとはそういうことの責任者は一体どうなっておるかというような問題、運輸大臣あるいは国鉄総裁なんかこういうことを御存じないはずもないでしょうが、こんなようなことで、事は簡単なことのようですけれども一つの事例として申し上げるのですが、こういうばかげた、災害も受けてないところに災害を受けたと称して国費を使うわけです。そうして発見されたらそれを返していく。返しつばなしであと責任は一体どうなっておるのですか、まずその点を一つ伺っておきたいと思います。
  15. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 木村委員のお述べになったこと全く私どもも同感でございます。監督官庁として、その責任者として責任を痛感しております。おそらくはそういう公務員に対しては適当な処置をとっておることと考えますが、後刻よく調査して適当な機会にお答え  いたしたいと思います。
  16. 木村公平

    木村(公)委員 おそらく運輸大臣はこまかい詳しいことは御存じなかろうと思いますが、私はこういう不正、不当な事件、事案が非常にはなはだしくあると思う。それは日常の新聞等を見ておりましても、国鉄関係あるいは運輸省関係運輸省においてはことに自動車関係、それから農林省関係建設省関係というものがこの検査報告によりましても一番批難事項が多いのでございますけれども平生新聞等を見ましても、実に驚くようなばかげた常識で考えられないような使い込みが出てきたり、不正、不当なことが出てくる。このことに対して一々あなたに私ども責任を問おうとするものではございませんが、これは何とかもう少し監督を厳重にするという、心の持ち方をもう少し何とかしてもらわないと、国民というものは素朴なものでございますから、たまたま出てくる新聞記事を見てほんとうに運輸省国鉄というものは腐り切っておるような印象を受ける。そこでそういう信頼性がなくなりますから、たとえば今度の雪害なんかでも、きのうも雪害に対する委員会を開いてみますと、一斉に国鉄に対しあるいは運輸省監督に対して、国民代表の諸君の口から非難、憤りが発せられる。天変地変であるから運輸省責任はないじゃないか、国鉄責任もないじゃないかと思われるようなことに対しても、こういうような場面に直面いたしますと、国鉄責任を追及する声が非常に多い、運輸省に対する追及の手もなかなか厳しいというような状態がきのうの委員会の現状で、私はまのあたりその渦中にあったのでありますが、そういうことも平生の不正、不当というようなことが積み重なって、それが一つ国民感情に刺激を与えておる。運輸省国鉄というものに対する信頼性の欠如ということが、たまたまこういう天災時に際しましても直ちに運輸省に対し、国鉄に対して非難の声が、一のものが十の声となって出てくるのではあるまいか。それがためには、ちょうどこの決算の場はそういう御反省を願うには一番よろしい場であると存じますので、この機会に全職員に対する心の持ち方、ことにこれは十河総裁がいつもみずから実践もされておられますし、みずから力説もされておるところでございますが、私は一そうの御戒心をいただきたいと思うのでございます。  それから、ちょうどいい機会でございますから、これも大臣に申し上げて御説明を得られるかどうかと存じますが、最近は交通事故が非常に多発をして、国民は戦々きょうきょうとして日常の生活をしなければならぬというような状態でございます。その交通事故を回避する、予防するという方法がいろいろ運輸省においても御研究されておるのでございますが、昨今行政管理庁から勧告を受けられたもののうちで、二つ三つその御回答に対して私どもはどうも納得ができないものがあるわけでございますので、この機会運輸大臣のお耳に入れておきまして、そうしてさらに御研究を願ったらよろしいかと思いますから、一言お尋ねの形をとってお耳に入れたいと思います。  それはいろいろありますが、たとえば運転免許資格の基準について、これはだれしも考えますことは、高等学校の子供から二十才前後の者が一番よけい事故を起こしておる。ことに砂利運びだとかあるいは小型トラック等の運転手は、年令が若いがために注意力が欠如して事故が多いということは、これはおそらく統計上も明らかであると思います。そこで最近、技術が未熟であるとか順法精神の欠如ということが指摘をされておるわけですが、運転免許資格基準の引き上げということが行なわれておるようであります。これはまだ大型自動車の一部について引き上げで、一般は引き上げられてないように思いますが、これに対する運輸大臣の御見解なり御研究のことがございますれば伺っておきたい。これは大へん大事なことだと思いますし、管理庁もこれに対しては勧告もいたしておるようなわけでございますので、この機会にちょっと伺っておきたいと思います。
  17. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 運転手の免許基準の強化につきましては、運輸省といたしましてもいろいろ研究いたしております。あるいはこのごろ運転手が足りませんから、年齢を下げたらどうかといの議論もありますし、それから、今木村委員の御指摘になったように、若い者はどうも注意力が足らぬから、上げるのがいいという議論がありますことは事実でございます。私どもは今運転手が足らぬから満十八才まで下げたはずでございます。それではいかがかと思いまして、さらに研究をいたしておる次第でございます。
  18. 木村公平

    木村(公)委員 この運転免許資格の問題でございますが、これは統計をおとりになって、年令的には一番どの年令層が事故が多いかということは、すでにおわかりのことかと思います。大体私どもはその点はしろうとでございますけれども、私どもの常識では年の若い者ほどあぶない、事故が多いというように承知をいたしておる。そういう矢先に、運転手が少ないからというので、むしろ年令を下げるというようなことがはたして安全と矛盾しないのかどうか。引き下げられたとするならば、私はむしろこの機会に引き上げるということをお考えになる要があるのじゃないかという気がいたすのでありますが、これは統計上の御研究をさらにお願いいたしまして、若い者が比較的多い。  どの年令層が最も事故が多いかということをもう少し御検討をいただいて、そうして安全予防の見地から、交通事故予防の見地から基準の問題は十分御検討願いたいと存じます。  その次に、やはり自動車に関しておりますので、二、三申し上げたいと思いますのは、タクシー料金の時間制の問題です。これも今問題になっておるのですが、タクシーの料金算定は走行キロ数で行なわれておるわけですが、これはよけい走ればそれだけ料金が上がるというので、これがいわゆる暴走の原因になっておるのじゃないか。あるいは砂利トラック等の場合を見ますれば、一往復幾らという請負制度のようなことを行なうから、一秒でも、一分でも早くかの地へ着いて、砂利を積んでトンボ返りをする。あるいはタクシーの場合では、一キロ幾らという料金制でありますので、少しでも早くよけい走って、そうして料金をよけい取るというようなことが心配されまして、タクシー料金のいわゆるキロ数制ということが暴走の原因になっておるのじゃないかという学者の意見もあるくらいです。そうしてさらに行政管理庁でもこのような勧告をいたしておりますが、これに対しては自動車局長はどのようなお考えですか。
  19. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 お答え申し上げます。  自動車の料金は、大体走行キロに応じてきめてありますのが原則でございまして、交通事業の料金としてはこれが原則でございます。ただ例をタクシーにとりまして、タクシーができるだけたくさんかせごうとして暴走するということは確かにございます。これは料金がキロ制にきめられてあるからそうなるとばかりは言えませんので、やはり交通の混雑の状況ではなかなか走りにくいとか、そういうようないろいろなことがありますし、それから経営者の方からしりをたたかれるというようなこともいろいろあると思います。いずれにいたしましても、暴走することによって、事故を発するというようなことのないように、監督官庁といたしましては指導監督に注意をいたしておるわけであります。ただいまの料金制の問題は、多少いろいろの形態はございますが、総じて走行キロにおいてきめてあるというのが今の料金の原則であります。
  20. 木村公平

    木村(公)委員 ただいまの点についても一つもう少し御検討をいただきたいと思ますが、次の問題は例の自動車の損害賠償責任保険——これは私ども、ことにお隣にいらっしゃる鈴木君なんかは東京の方ですから、さぞかしおびただしいそういうことの被害者がこられると思いますが、われわれたまに地方へ帰りましても、交通事故による損害賠償の相談を非常にたくさん受けるわけです。ところがさてとなると、これがなかなかうまくいかない。中へ入るのに悪いのがおってめちゃめちゃにしてしまう事例もございますし、それからまた大体三十万ぐらいの金じゃ……。これはどうなっているのですか、自動車保険というやつは最高は幾ら、死亡した場合には保険をもらえるのですか。
  21. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 自動車損害強制賠償保険によりますと、現行では死亡した場合最高五十万円、それから重傷の場合が最高十万円、軽傷の場合が最高三万円、こういう制度になっています。三年ほど前にこの五十万円という限度に三十万円から引き上げられたのでございますが、いろいろな経済情勢が変わってきておりまして、また諸外国のいろいろな例を比較してみましても、最高の事故の死亡の五十万円というのが低きに失するということをわれわれは痛感しておりまして、実はこの限度額と申しておりますが限度額の引き上げにつきまして昨年末いろいろ検討いたしております。これは大蔵省に設置されております損害賠償保険審議会というのがございまして、この審議会にかけまして、この答申をもらって引き上げ額をきめるという手続になるものでございますので、現在われわれ事務当局といたしましては、この審議会にそのことにつきましても検討をお願いしておるのであります。答申が出ましたらそれによりまして引き上げたい一かように考えております。
  22. 木村公平

    木村(公)委員 その今の保険ですけれども、これは何ですか、加入率はどのくらいなものですか。
  23. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 これは全部の自動車の保有者は強制的に加入しなければならないのが法律の建前でございますが、現在のところ大余八〇%くらいで、まだ二〇%は未加入の状態であります。それでこの加入率を一〇〇%にいたす方法といたしまして、昨年の通常国会関係法律の改正をお願いいたしまして、現在町をお歩きになればわかると思いますが、自動車の正面に数字の入った四角いステッカーが張ってある。あれの数字と色で、この車はいついつまで、何月まで保険に入っているということを表示しております。これが昨年末までに全部張ることにいたしまして、現在これを張っていない車は保険に入っていないというのが一目わかるようになりましたので、これで街頭取り締まりその他強化いたしまして一〇〇%にしたい、かように考えております。
  24. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 関連してちょっと一点お尋ねします。  交通の何というか戦争だの、今、木村さんが言われるように東京などはきわめて激しいのですが、幸い自動車局長さんがおいでになっていますから、個人タクシーの問題やハイヤーの問題の許可制について厳重にこれは御調査になるのですか。もちろんそれらに対する業者、個人あるいはタクシーその他の自動車業者に対してのお取り締まりというか、監視というか、そういうものは精密に行なわれていますか。言いかえて申し上げますが、先般もちょっとあなたにお尋ねしたのですが、私どもの近所で行なわれた某タクシー会社における共同謀議的な殺人、ひき殺しというか何というか、それが警視庁の問題になっておりますが、そういうふうなとこをどういうふうにお考えになり、その後御調査になっておりますか。
  25. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 自動車業者に対します指導監督は、常にやかましく下部機構を督励してやっております。ただいまの事例は交通事故を起こした場合のお話であろうと思いますが、不幸にしてタクシー業者自動車業者が事故を起こした場合には、その後の補償その他につきまして、ただいま申し上げましたような損害賠償保険の制度もありますが、さらにその以上に損害賠償を請求する場合には、これは民事上の請求、争いになるのでありますが、そういう場合は訴訟その他をやるのでありますが、そういう場合におきましても事故の原因となった、あるいは加害者となった自動車につきましては、賠償あるいは話し合いその他において、誠心誠意被害者と応対してやるようにという指導はいたしております。
  26. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 共同謀議で人間を殺し、二重ひき逃げをして、大新聞に四日も続けていろいろな記事の報道があり、またあまりにもひどいので小説風に読売あたりに出ている、その事実は御承知ですね。そしてそれが刑事問題になって、共同謀議的な殺人とまでいわれているのですが、そういう場合にあなたの方で免許の取り消しとかなんとかということは一応考えられないのですか。これがもし真実であった場合——その会社は今までも人を殺したときの扱い方とか、あるいは店頭へ飛び込んでおびただしい損害を与えた問題も、あまりいい解決をしていないということが累積されておるのですが、そういうときに取り締まるあなた方の考え方、それが刑事問題に派生して、その結果によっては免許を取り消すというようなことがあるのですかないのですか。免許するときには、個人タクシーに対したって詳細にいろいろな観点から考えて、あやまちのないようにこれをお許しになるのでしょう。しかし許した以上は野放しにして——野放しということはないが、野放し的精神によって考えられておるように思われるのですが、あなたの方はまだ刑事問題になっておるからこっちは厳重に調べないということじゃないでしょうね。これはどうなったんだかということは責任上お考えになり、また十分に調査することが必要じゃないかと思うのですが、そういう問題についてお心がまえだけ伺っておきたい。
  27. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 今のお話はひき逃げその他自動車業者側の責任におけるいろいろな事故に対して、監督官庁としてどうしておるかという質問であります。もちろん、自動車運送業者が法律にきめられておりますいろいろな守るべき事柄に違反いたしまして事故を起こす、そういうふうな事態がありました場合には詳細に調査いたしまして、その事実が判明した場合には、その内容によりましていろいろ行政処分をやっております。行政処分には免許の取り消しあるいは事業の一部停止、あるいは使用車両の一部停止等いろいろございますが、内容いかんによって処置をいたさせております。昨年一年間にそういうことで処分いたしました件数は四千件以上であります。ですから心がまえといたしましては、そういった事故に対しては非常に厳重な態度で、むしろ厳罰をもって臨むように指導いたしております。
  28. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 どんな調査をしていますか。あれだけ大新聞に出されたが、あなたの方でどんな調査をしていますか。その調査内容です。二重びきだなんて世間に喧伝されて、しかも新聞記者があれほど克明に書いている問題に対して、しかも天下の読売新聞が四日にわたって、記事で二日、それから小説風にして二日、たしか書いてあったと思います。それをどういうふうにお考えになって、どういうふうに調査していますか。
  29. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 具体的にどういう事例でありますか、お示しいただきますれば、それに従いまして陸運局でやっておりますので、よく調べて御報告をいたしますが、もちろん最終的にそういった刑事責任がきまるまで手をこまぬいておるわけじゃございません。やはり行政官庁といたしまして必要な限度の調査をいたして、それに対する必要な措置を必要な時期においてやっておりますので、ただいまお話の件につきましては、陸運局の方でもさらによく調べまして、後刻御報告いたします。
  30. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 具体的にお示しというのは私はおかしいと思うのですがね。あれほど新聞に出ていることをわれわれが示さなくたってあなたはおわかりだろうと思う。あなたの方でそれをやることが責任じゃないですか。それだから去年の暮れに私はちょっと触れたと思うのですが、その後どういうふうにそれをお調べになっておるか、あとでいいですから、詳細な結果を。しかも問題があまりにも大きいですよ。二重びきというのは、一たんひいて、またひき直したということ。しかもそれを一週間も伏せて、これは取り締まり関係はどういうことになっておるか。もちろん警察の方でしょうけれども、車庫に持っていって、それを洗って、運転手に密告されて、その運転手を首にしたというのは、私はただ単に新聞を読んだのですが、あまりにも地元では反響が大きいのですよ。そういう問題を、具体的に事例をお示し下さればということは、いささかあなたはおかしいんじゃないですか。示さなくたって、あなたの方で厳重に監視してやることが必要じゃないでしょうか。一々言わなくたって、そういう心がけが私はいかぬと言うのです。
  31. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 あとで調べて私は御報告いたしますが、王子運送……。
  32. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 どこかわからぬけれども、そういうことがあるでしょう。私に言わせることはないでしょう、あなたは新聞があるでしょうから。そういういやらしいことを言わぬで……。
  33. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 そのタクシー会社だと思いますが、それを調べまして、御報告いたします。
  34. 木村公平

    木村(公)委員 地下鉄に入ります前に、もの一つだけ運輸省に伺っておきたいのですが、路面電車についても勧告が出ております。これはほとんど今日の常識で路面電車の整理統合の具体化を検討せよという勧告が出ておるわけです。これについてあなたの方から御回答がいろいろありますが、実はこの路面電車の整理統合ということは、終戦直後昭和二十一年の国会でこれが取り上げられまして、時の幣原内閣、第一次吉田内閣ではこれを強力に推進をしようとしたことがあったのですが、あなたの方の御回答にあるように、代替交通機関が不備であったり、運賃負担の影響に対する研究がまだ足りない、それから一番大きな路面電車関係職員の配置転換等がなかなか困難であるというので、十八年、ざっと二十年ですが、これはやっておるんですが、どうしてもうまくいかない。今度ようやく高速道路が計画されて、それがために配置転換等も幾らかできるというので、一部分撤去ということがきめられたようでありますが、これは一体どこがやるんですか。東京都だけががんばれば、これでできないという性質のものか、どういうものですか、これは。
  35. 岡本悟

    ○岡本政府委員 仰せのように、路面電車の撤去につきましては、いろいろ世上論議がございます。運輸省といたしましては、たとえば東京都の路面電車を例にとってみますと、一日百六、七十万人の運送をいたしているわけでございまして、しかも運賃は一番安うございます。いわば庶民の足でございますので、これについては慎重を期して対処しなければならぬ、こう考えまして、運輸大臣の諮問機関でございます都市交通審議会にも諮問いたしまして、いろいろ御検討願ったわけでございます。その結論が今木村先生の仰せのようなことに相なっておりまして、これを実施いたしますのは、あくまでこれは東京都の交通局でございます。交通局もその間の事情はよく心得津ておりますけれども、やはり大衆交通機関であるということから、なかなか踏み切れないというのが現状でございまして、運輸省といたしましては、大衆の足を確保するということが大きな使命の一つでございますので、できれば代替交通機関としての地下鉄が整備されるに従いまして、漸次慎重に撤去していくというふうに指導いたしております。  ただ、御案内のように、たとえば東京都の交通局で申しております杉並線というのがございます。新宿から荻窪まで参っております線がございますが、これあたりは、地下鉄ができましたので、当然撤去してしかるべきものと思われるような路線でございますが、しかしこれにいたしましても、現在五万人の輸送量がございますし、しかも停留所の間隔が非常に短いわけでございまして、利用者側から申しますと、運賃も安いし、手っとり早く乗れるというので、沿線の利用者は非常に反対しているわけでございます。  そういうこともございまして、やはり利用者側の十分な納得も得ませんことには、一挙にこれをやるということは非常に無理があると思うのでございまして、自動車に乗っておられる方はじゃまくさいというふうにお考えになるかもしれませんけれども、ラッシュ・アワーには相当混乱しておりまして、大衆の輸送機関という見地から慎重に扱っていきたい、かように考えております。
  36. 木村公平

    木村(公)委員 路面電車の整理統合に対する運輸省側の考え方の中に、代替交通機関として地下鉄の整備が先決である、そのほか高速道路とかその他いわゆる代替交通機関が必要であるという御回答は、私も当然だと思います。従いまして、これの整備をだんだん遂行されて、そうして目的としては順次路面電車を整理されるように進んでいっていただきたいというのが私どもの希望でございます。そこで地下鉄の整備が先決だというようなこともありますので、地下鉄の問題についてちょっとお伺いしておきたいと思います。これは本筋のことはきょうの理事会で地下鉄の総裁以下を参考人として呼ぶことを決定していただくならば、そのとき出すわけでございます。きょうは民営鉄道部長さんから一、二伺っておきたい。  と申しますのは、運輸省としては、地下鉄については都民の交通難緩和という目的からも非常に重視されていることは、ただいまのお話でもわかるのでございますが、そこで地下鉄の経営上のある程度の赤字は、あたかも国鉄の赤字というものが建設上の赤字として当然ある程度まで是認されるというような考え方がありますから、そういう点からいっても、こういう公共性から考えて、ある程度の赤字は当然私は国が見るべさものである。かような考え方からいたしまして、政府予算の範囲内で営団に補助金を交付することになっておるわけです。そこで三十七年度運輸省予算によりますと、地下高速鉄道建設補助金として一億八千百七十八万円が計上されておりますが、一体この配分はどういうふうになっておりますか。
  37. 岡本悟

    ○岡本政府委員 今民営鉄道部長にお尋ねがございましたが、私は責任局長でございますので、私からお答え申し上げます。  この配分は、実際に支出いたしました建設費に按分して配分いたすことになっておりまして、三十七年度は仰せのように一億八千万何がしでございますが、これを三十六年度の建設費の決算額に対応いたしまして配分いたしたい、かように考えております。
  38. 木村公平

    木村(公)委員 そうすると、三十八年度の予算にはどのくらい補助金が計上されておりますか。
  39. 岡本悟

    ○岡本政府委員 二億二千七百八十八万九千円でございます。
  40. 木村公平

    木村(公)委員 公共性のあるものですから、赤字というものを国が補てんすることは私としても賛成で、補てんをしてもらいたいのですが、これはあなた責任でありませんが、こういうような事実は御存知ですか。赤字々々と言っておるけれども、公団の総裁の一カ月の給料は五十二万円、十河総裁よりはいささか高いわけです。それから国鉄の本社には理事が十三人おられるはずです。ところが、走行キロ数からいけば百分の一もない地下鉄は十四人持っている。そうして交際費五千万円を雑費として持っている。その点は、片方では赤字々々と言って一億、二億の金をあなたの方から大いにちょうだいすることを期待しておられるし、われわれもこれは公共的なものだから国費を投入することには賛成なんです。賛成ではあるけれども、他方においては五十二万円という——月給のことを言うのは、まことに私どもこういう席上で言いたくないのですが、今国会議員の月給を上げることも大へんなおしかりを受けておるときに、これは外へわからないからというので、どこを根拠に五十二万円というような月給を——年俸じゃないのです、月給です。そうして国鉄ですらも十三人の理事しかいないのに、地下鉄が十四人の理事を擁しておる。交際費は役員だけで五千万円使う。使途は不明である。そのようなことは、私はあなたをここで追及するつもりはございません。しかし御承知でしょうね。それだけちょっと伺っておきます。
  41. 岡本悟

    ○岡本政府委員 給与の点につきましてはもちろん十分調査いたしておりまして、心得ております。ただ御承知のように、基本給といたしましては国鉄あるいは他の公団より大して変わりないと思っておりますが、手当を別に出しておりまして、その手当を含めますと、仰せのような額に相なるかと存じます。そこで、手当がほかと比較してどうだ、たとえば年末あるいは盆の賞与でございますが、そういったものも含めて、ほかのものと比較いたしませんと、妥当な比較にはならないんじゃないかとも考えております。  それから今の交際費の点ですが、私、そこまで詳しく存じておりませんでしたが、まあ政府関係機関ではございますけれども、営団というような性格で、きわめて民間に近い形態のものでございまして、一般の職員の給与にいたしましても、民間鉄道等に近いような給与を支給しておりますし、そういう点から申しますと、そういう交際費についても多少は他の政府機関とは違うところがあるのではないかとも感じます。
  42. 木村公平

    木村(公)委員 理屈はいろいろ言うことができますが、そのことはあんまりいやしいようなことですから、こういう席上ではこれ以上申し上げませんが、やはり地下鉄に関する運輸省の御答弁をいただきたいことがあります。それは、昭和三十七年九月末現在で営団の資本金は百二十一億円で、うち現金払い込み額は五十六億三千九百九十九万七千円、それから再評価積立金の資本繰り入れによる無償交付額は六十四億六千万三千円となっておりますが、営団法第五条によって日本国有鉄道と東京都が出資者となっておる。私は地下鉄というものは大体東京都が多く出資しておるというような印象を持っておったのですが、だんだん調べてみますと東京都が資本金の三三・六%にあたります四十億六千五百六十八万一千五百円を出しておる、日本国有鉄道が六六・四%にあたる八十億三千四百三十一万八千五百円の出資を行なっておるのですが、これはこういうことですか。
  43. 岡本悟

    ○岡本政府委員 さようでございます。
  44. 木村公平

    木村(公)委員 営団ができた当初は、これはやむを得ないのですが、当今においてもその程度国鉄が地下鉄のために出資をしなければならない理由があるかどうか。この点ちょっと明確じゃない。ある程度出資をすることによって発言力が重きをなすことはわかりますが、どうですか、今日地下鉄の経営から見ましてやはりこの程度の出資金は必要ですか。
  45. 岡本悟

    ○岡本政府委員 もともと帝都高速度交通営団は昭和十三年ごろの交通機関の一元化ということで始まったものでございまして、当時の東京市の地域内にある地下高速鉄道は一元的にこの営団をして建設させ、経営させるということから出発したわけでございまして、当時の東京市はもちろん地下鉄をやろうというような企画もございまして、一部免許権も持っておりましたものを、やはりこの営団に統合したわけでございますが、そのときにそういういきさつから東京都も出資者に相なっておるわけでございます。それからまた国鉄が出資者になっておりますのは、国鉄みずから都市交通につきましていろいろやるべきでございましょうが、地下鉄についてはこの営団に出資という協力態勢で一部責任を分担してもらうというふうな趣旨であると存じます。また出発当初は他の私鉄も出資者に相なっておったわけでございますが、これが戦後占領軍の指導によりまして私鉄が除かれまして、現在では国鉄と東京都に相なっていますが、この出資は両方で三十七年度も十億円、それから三十八年度もその額になろうと思いますが、かりに十億円といたしましても無利息のものでございまして、営団にとりましては建設費の非常に窮屈なおりから、あるいは建設を促進していかなければならぬという立場から、貴重な出資であるように考えておりまして、これはぜひとも必要であると考えます、
  46. 木村公平

    木村(公)委員 そうしますと、今度は別の観点からちょっと伺いしておきたいのですが、昨年の八月ごろだと思いますが、行政管理庁が各行政官庁の競願、競合の問題について監察の結果を発表しておりますが、この中に鉄道事業、ことに地下鉄道の事業監督について運輸省と建設省が軌道法、地方鉄道法の準拠法規の適用について見解が対立して、地下鉄道整備の促進が阻害されていると報告いたしておりますが、その後この点はどのように解決されましたか。
  47. 岡本悟

    ○岡本政府委員 どのように解決されたかというお話でございますけれども、まだ究極的には解決いたしておりませんで、そのつど話し合いを進めております。
  48. 木村公平

    木村(公)委員 そうしますと、たとえばそこから出てくるのですが、小さい問題で恐縮ですが、地下鉄の新線建設にあたって、たとえて申しますと、そういう準拠法規の問題からくるのじゃないかと思うのですが、東上線の上板橋、志村三丁目と、池上線馬込二丁目間の六号線について、東京都への認可をめぐって、対立意見が非常にあると聞いておるが、これはどうですか。認可行政の面で運輸省はどういうふうなお考えを持っていらっしゃるのですか。
  49. 岡本悟

    ○岡本政府委員 東京都の路面交通の混雑とかあるいは通勤輸送の緩和のために現在計画いたしております五つの路線、すでに開業したものが相当ございますが、それだけでは足りないということで、これも都市交通審議会に諮問いたしまして、追加路線の必要も検討をお願いしておりましたところ、やはりあと五つの路線を、これはキロ数にいたしますと概算二百五十キロ程度になりますが、これを建設する必要がある、こういう御答申を得ましためで、いよいよこれを着工しようという段取りになっておりますが、もともと先ほど申し上げましたように、東京都の地下鉄の建設は東京都高速度交通営団が一元的にやるということで参ったわけでございますが、三十一年一月の都市交通審議会の答申によりまして、地下鉄の建設を急ぐから、他に適当な適格者があれば、これにやらしてもいいじゃないかということの御意見でございましたので、運輸省といたしましては、その御意見を尊重しまして、東京都がかねてからその能力があるから協力さしてもらいたい、こういう希望を持っておりましたので、東京都に営団の持っておりました免許権を譲渡させまして、そしてただいまの一号線を建設さしておるわけでございます。一号線と申しますのは、押上から品川の方に行く線でございます。この複数主義というものを今後もやはりとっていくということが建設を促進するゆえんであろうと思いまして、昨年一月当時の中村建設大臣と齋藤運輸大臣と東京都の三者がお集まりになりまして、五つの追加路線についての大綱をおきめになりました際に、ただいま仰せの六号線につきましては、東京都をしてその建設を担当させるのがよかろうというふうにおきめになったわけでございます。従いまして、われわれ事務当局といたしましては、手続といたしましては、一部区間は現在営団が免許を持っておりますので、その免許権を東京都に譲渡させ、あるいは新規に必要な免許は東京都に与える、こういう手続が必要でございます。現在のところ事務的な経過を申し上げますと、新しい六号線の建設をどういうふうにやるか、たとえば一号線、二号線につきましては、三十一年の都市交通審議会の答申に基づきまして、郊外電鉄との直通運転をやれる建前で建設を進めて参っておるわけでございます。御承知のように、浅草の押上からは京成電鉄が乗り入れておりますし、北千住におきましては、東武鉄道の電車が営団の路線に乗り入れておるわけであります。と申しますのは、都市交通の混雑の一つのボトル・ネックと申しますか、これが乗りかえ地点にあることは御承知の通りであります。たとえば新宿におきましての混雑あるいは池袋、あるいは渋谷、これは御承知の通りでありまして、何とかして直通することによってスムーズに都心に行けるという方法をとることによって、混雑を緩和できるということで、一号線、二号線においては、こういう方式をとったわけでございます。従いまして、六号線につきましても、そういう直通運転の方式をとるということが当然考えられてしかるべきではないかというのが運輸省の立場でございますが、東京都交通局といたしましては、主としてこれは車庫用地を求めるということが一つの大きな問題になりますので、車庫用地の関係から、六号線はスタンダード・ゲージで建設して、すでに予定しております馬込地区にその車庫用地を求めたい、こう申しておるのでありまして、従いまして、直通運転はしたくないということで計画いたしておるのであります。そこのところを運輸省といたしましては行政指導いたしておりまして、まだ決着がつかないというのが実情でございます。
  50. 木村公平

    木村(公)委員 この東京都内の地下鉄網については昭和三十年の九月運輸大臣の諮問機関であるところの都市交通審議会が昭和三十一年八月東京及びその周辺における都市交通に関する第一次答申を行なって、その中で都市の輸送力について昭和三十年十月には人口の急増によって約千三百万人から昭和五十年は約千八百万人の増加を予想して交通網の整備強化の対策を述べておりますが、特に地下鉄については郊外の私鉄との直通運転等の措置を含めた五路線の計画を発表しておるようです。その後同審議会は答申第六号をもって昭和三十七年六月東京及びその周辺における高速鉄道、特に地下高速鉄道の輸送力の整備増強に関する基本的改定の計画についてと題し、第一次答申の計画を修正して路面交通需要を地下高速鉄道により解決するために新しく五路線、今までの五路線のほかに五路線、合わせて十路線を答申しておるようでありますが、各路線について簡単にその概要説明していただきたい。
  51. 岡本悟

    ○岡本政府委員 昨年の都市交通審議会の追加路線についての答申が出ます前には五路線でございまして、約百二、三十キロであったかと思います。この一号線と申しますのは、浅草の押上から都心を経まして品川に至る路線でございまして、これは東京都が建設を担当いたしまして、現在人形町まで開業いたしておりまして、ことしの三月には東銀座まで開通する予定でございます。それから二号線と申しますのは、北千住から出まして、これも都心を通りまして中目黒まで至る線でございますが、これは現在営団が建設中でございまして、北千住からは東武電鉄、中目黒からは東急電鉄の車両が直通運転できるような計画で目下建設を進めておりまして、これも人形町まで開業いたしておりますが、同じく三月末には東銀座まで開通する予定でございます。それから三号線と申しますのは、これは一番古い線でございまして、浅草から銀座を経まして渋谷に至る線でございます。これは最も早くできた路線でございます。これを営団で引き継いだものでございまして、これは全く新しい建設とは申せません。それから四号線と申しますのは戦後新しく建設を始めました線でございまして、池袋からずっと建設を始めまして東京駅から新宿へ出まして、荻窪へ伸びたわけでございます。これは完成いたしました。ただ池袋から向原方面を経ましてもっと伸ばすという計画がございます。それから五号線と申しますのは、巣鴨方面から、板橋方面からずっと都心を通りまして、大手町でございますが、それから馬込方面へ至る線、こういうことでございますが、これが昨年のただいま仰せられました都市交通審議会の追加に関する御答申によりまして修正になりまして、五号線と六号線に分かれたわけでございます。この五号線につきましては、中野から高田馬場を経まして東陽町といいますか、江東方面でございますが、その方面に至る線にいたしまして、それからもう一本はただいま仰せの上板橋あるいは志村方面から都心を通りまして目黒へ至る線、こういうふうに二つに分けたわけでございます。それでこの五号線は今着工を始めております。これは御承知のように日本国有鉄道が中央線の通勤混雑を緩和いたしますために、中野——三鷹間を複々線にいたしますが、その工事を始めておることは御承知の通りでございます。新しくこの複線をつくれば、その線を五号線に直通運転して乗り入れよう、こういう計画で進めております。  それから六号線、これは先ほど申し上げました経過でございましてまだきまっておりません。  七号線と申しますのは、これは一つの新しいアイデアを出しました線でございまして、目黒方面から飯倉片町、永田町、市ケ谷、駒込を経まして赤羽方面に至る路線でありますが、いわば皇居の西側と申しますか、そういった方面を回そうということでございまして、都心の集中化を少しでも緩和したいという意味を持っております。  それから八号線と申しますのは、小田急沿線の喜多見方面からずっと原宿、都心を通りまして、三ノ輪方面に至る路線でございまして、一方では小田急の混雑を何とかして救済する、一方では常磐線の混雑を緩和するというふうな意味を持っております。  それから九号線と申しますのは、京王線の芦花公園方面から出まして、方南町、新宿、それから厩橋、深川、それからぐるっと回りまして月島、これをさらに麻布方面に延ばそうという循環線であります。山手線を大循環といたしますと、その内側の小循環線というふうな格好の意味を持った路線であります。  それから十号線と申しますのは、中村橋方面——これは池袋線の沿線と思いますが、そういう方面から目白を経由いたしまして錦糸町方面に至る線、こういう五つの路線を追加したわけでございます。
  52. 木村公平

    木村(公)委員 最後に、国鉄総裁並びに大石幹線局長が来ておられますので一つお尋ねして勝澤委員に譲りたいと思います。今度の東海道新幹線の用地の問題ですが、この間用地を国鉄内部の者と通謀したような疑いで事件にもなっておるようですが、若干の用地を先買いをして不当に高い値段でもって国鉄にこれを売りつけて、そうして国並びに国鉄に損害を与えた、そういう事件があって、その本人は今ハワイに逃げて、ハワイでぜいたくな生活をしておるそうでありますが、それはそれとしまして、沿線にそういうことがずいぶんあるんじゃないかと思われるのです。たとえば、滋賀県の地内に行きますと、数十万坪あるいは数百万坪にも及ぶところを一会社が坪百五十円ぐらいで買って、それをあなたの方へ三千円ぐらいで売りまして巨利を得ておるという事例がありまして、今地元で大もんちゃくを起こしている。白紙委任で判を押しておるが、値段もまだきめてないとかなんとか、大へんなことがあるのですが、いわゆる高速道路それに東海道の新幹線が国民歓呼の声を浴びながら今建設されておるわけでありますが、その用地の買収が、そのように不正、不当に用地が一部の者に買い上げられて利用されて、そして国並びに国鉄そのものが非常に大きな損害を受ける。そういうことがあるために今度は先買い権というものをつくろうというので、法案の準備ができてこれを審議するばかりになっておるわけですけれども、総裁がおられますが、東海道新幹線の用地でそのような問題になった、この間のハワイに逃げていった人は名前も知りませんが、それのことについても御承知でしょうが、それのことも比較的詳しく伺っておきたいし、さらに滋賀県における会社の名前を私が申し上げる必要もないし、代表社員の名前も申し上げる心要はございませんが、そんなようなこともあるはずですが、総裁御承知ですかどうですか。
  53. 十河信二

    十河説明員 東海新幹線の建設につきましては、ただいまもお話のありました通り、内外から非常に大きな期待をかけられております。この建設については、毛頭そういう天下の疑惑を受けることのないようにということで、初めから非常に注意いたして警戒いしておったのであります。私の方では東海道新幹線のできる前からでありますが、事前に契約審査役というものを設けまして、工事を計画し、執行するものと全く違ったものがその工事の用地の買収であるとか、あるいは建設資材等の適否、不当がないか、違法がないかということを事前に検査させることにいたしております。  先ほどもお話のありましたように、予算をとるときには一生懸命やるけれどもあとはずさんなやり方をしては困るということで、これは監察の制度がありまして、あとをずっとトレースして間違いのないように検査をいたしましてそれぞれ修正させるとか、あるいは間違いの起こった場合には、適当な処分をいたして戒告をするとかいうようなことをいたしまして、そういうことを絶無にするように努力いたしておりますが、なかなか絶無になりませんでまことに申しわけがないと考えております。  用地の問題につきましては、東海新幹線の工事でもその他の工事でも同様でありますが、特に東海道新幹線の工事は停車駅が少ないために、地方の方は利益を受ける度合いが現在線の普通の鉄道建設よりか薄いところがたくさんあるのでありまして、東海のような大きなところは相当利益を受けますが、そうでないところは駅がないということで、自分の方は何もおかげをこうむらないじゃないかというようなことで用地の買収が非常に困難であります。用地の買収は御承知の通り最初図上で測量いたし、およそ線路をここへ引っぱったらいいだろうという計画をいたしまして、それから認可を得てずっとくい打ちをして実測をして、そうしてから後でないと買収にかかれないのであります。私の方ではあらかじめこのあたりを通るのだからここらを先に買収しておこうというようなことができませんので、どうしてもここをこれだけ買うのだ、どうしてもこれだけ買わなければ東海通新幹線はできないのだということがみなわかってしまう。それでありますから非常に注意はいたしておりますけれども、どうしてもそういうことがあって、ブローカーが活躍するというようなことがあって、所有者になっておればその人を相手にしないというわけにいかないのでありまして、それで非常に困っております。今お話のあった某会社で問題を引き起こして取り調べられておることも承知いたしておりますし、それらの内容も聞いておりますけれども、ここに担当の理事が出ておりますから、担当の大石理事からそれらの詳細を御説明申し上げさせたいと存じます。
  54. 大石重成

    ○大石説明員 ただいまお話のありました横浜の件と滋賀県の問題、滋賀県の問題につきましては、実は私詳細に承知いたしておりませんので後刻取り調べてお答えいたしたいと思います。横浜の件につきましては、まことに不手ぎわといいますか、疑義を持たれたという点につきましては、われわれといたしまして、その点まことに申しわけないと存じておりますけれども、ただいま私たちが承知いたしておりますのは、先般警察当局から私たちの職員の直接関係しております者が数名参考人としていろいろと取り調べを受けましたが、その後何のごさたもございません。私たちといたしましては、一応私たちの方の取り調べにつきましては御了解を得られたのではないかというふうに承知いたしております。その後取り調べもお呼び出しもございません状態でございます。呼ばれた者も、おのおの各人一回、多いので二回という程度でございまして、まあ私、少し好意的に考え過ぎるのかもしれませんが、被疑者という立場よりも参考人という立場で取り調べを受けたのではないかというふうに承知をしております。  それから、横浜につきましてはどういう点が問題になったのかと申しますと、これは今総裁も御説明いたしましたように、私たちといたしましてはこの土地に新しい駅をつくるという点につきまして測量をいたしますところから始めるわけでございますが、ただいまの状況でございますと、測量いたしますときに地元の県、町村、また地元の代表者の方々にいろいろと御説明をいたしまして、御了解を得て立ち入りの測量をいたす次第でございますので、ここに大体どういうようなものができるかということを十分御了承を得ておきませんと全く秘密にしておくということができない、やるべきでないということで、そういう方法でやっておりますので、事前に漏れるという言葉は言い過ぎますかも知れませんが、十分御了解を得た上で測量にかかって参る次第でございます。そういうときに、たまたま今お話しのようなことが起きたのでございますけれども、横浜につきましては、結果的に見ますると国鉄といたしましては、今買収しております値段の相当安いところで買えたというような結果には相なっております。と申しますことは、横浜につきましては用地買収にかかりましたときに地元の方々が一団となりまして、いわゆる設計表示と申しておりますが、今度はどこにどういう橋ができる、どこにどういう高架線ができる、自分の家の前の道はどういうふうに変わっていくんだということをしっかりきめていただきませんことには買収に応じません、こういうようなお話が——これは各所であることでございますが、出てきたのでございますが、たまたまその会社の買いました土地につきましては、持ち主からの申し出によりまして、自分は土地の者でないから、土地の方々があとまで買収に応じなくとも、私のところは先に売るから買え、こういうようなお話があったわけでございます。それで、今ちょっと関係の書類を持っておりませんので日にちがはっきりいたしませんが、そういうことで、一昨年ぐらいからもう買収に応じてよろしいということで、概略申し上げますと、坪三万円程度のもので売るから買えということの話が持ち上がったのでございます。それで私たちといたしましては、当時、その他の地価から比べまして、それが相当であるということを認めましたので買収の契約をいたしたのであります。その他の区間につきましては、設計表示その他をやらなければきかないというようなことがありまして買収の点が済みましたので、五、六万ないし十万というような値段で買収しておるのが実態でございます。いろいろ私たちも反省はしておりますけれども、ただいまのところでは、著しく国鉄が損害をこうむったというようなことにも相ならぬということで、またその当時その方は地元のいわゆる協議会というものに入っておらないということから、自分のものを自分で売るのだから買わないか、買わなければあとでは売らぬぞというような話のやりとりがございましたので買い取ったわけでありますが、とかくの批判を受けましたことにつきましては十分反省をいたしておるわけでございます。
  55. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 また詳細に調査をしていろいろお尋ねする機会があると思いますが、こういう機会ですから関連してちょっとお尋ねしておきます。  第一に、岡本鉄監局長に、木村先生の質問によって、東京都の地下鉄の問題が、当初は東京市当時ですか、とにかく高速度営団に一本にまとめて東京の交通を安全ならしめるという方法でやったということは、今私わかったのでございますが、ただ最近、六号線並びに七号線——これは新聞記事ですが七号線のごときは昭和五十年ごろできるということなんですけれども、しかし、小河内の水源地から考えましても今批判があるのですよ。まあ何というか、大体が自民党の連中の見通しがきかない、小河内ができれば東京市民の水は決して事欠かないといっていた、それを今どうしたのだ、あまり見通しがきかないせいじゃないかということを公開の席上で言われる場合もあるのですよ、私ども。しかし、これに対しては説明するのです。すなわち、当時の人鈴木茂三郎さんでも加藤勘十さんでも私どもみな市会議員で小河内を調査をして、あれができれば東京市民の水は満足だということの結論が出たのです。しかしこれが戦争ではばまれざらに今度は戦後になって工事が中止になっていたことは御存じ通り。戦後になってあれが完成されても、そのときには東京都が五百万から一千万にふくれ上がっているということですね。というようなことを考えますと、地下鉄の問題も、これから五十年にこれが完成してみてもはたしてそれがどうかということは非常にこれは危ぶまれるのですね、足の問題が。もっと何とか早くならぬかということが私どもの考え方なんですよ。どうも地元のことばかりとらえて申しわけありませんが、もっと早くそういうような問題の解決ができないのかなというふうな考え方から、だんだん掘り下げて、六号地下鉄の問題、七号の問題になりますと——これは目先のことがよくわかるので。地理の状態も。そうすると、どうも最近、東京都と運輸省といいますか、高速度営団といいますか、うまくいってないらしいのですね、東京都でも悪いところがあるらしい。人に聞くとどうもいろいろ運輸省の方針に対してあまり協力しない面もあるということもひんぴんと聞くのです。また東京都側から言わせれば、どうもあなたの方がなかなか意地が悪くて許可をしてくれないのだ、六号の地下鉄もいまだに許可にならない——今許可になっているかどうか知りませんが、ついこの間聞いたのです——予算がわかっていて、三十五億というようなものもありながら、それを表に出すこともできないで、これは着手することはできないのだというようなことを向こうでは言っている。こういうふうなことを考えると、東京都の交通というものはますます混乱をしていく。一時間早ければ一時間早いだけ解決がつくというのに、どうして、何のために、そんな争っているのかということなんですね。今木村先生が非常に御調査になって、高速度営団の給料の問題、手当の問題まで波及して、これは僕はびっくりしているわけなんですが、それはいずれの機会としましても、何とかこれは調整がつかないものなんでしょうかね。それで、一気呵成に申し上げてしまいます、勝澤先生がおいでになるのだから。結局、自動車局長に私はどうも憎まれ口を聞いていますが、あの問題等もそうなんですね。これは同じような関連性があると思うのですが、さらに幾多の事例がそういうふうになってきているのです。  言いかえれば、だんだん話が複雑化してきますけれども、京浜、山手の分離運転を当時私が主張したところ総反対を食ったのです。これが選挙に落ちる原因になっている。今京浜、山手、田端——田町間の複々線化ができているからいいが、できていなかったらどうなるかということを真剣に考えてもらいたい。そのときは運輸省当局、総務課なんかへ行ってもてんで問題にされなかった。あれは私は裁判の問題になったのです。東京新聞で、京浜、山手線電車の複線化を主張した、東京にもこういう連中がいるということで、いつかも申し上げた通り有名な人に論説を書かれて、選挙の一週間前に、こういうふうな説を唱える者は、国費を乱費し汚職に通ずるものだと当時の新聞で論断されているのです。そういうことでは選挙に勝てっこない。だれかがどこかで悪さをするものだ。裁判所に出れば私の主張は通るが、こんなことはあとの祭りになる。僕は一生懸命にやっているつもりなんだ。  一つはこういう問題もあります。言いかえれば池袋の東口問題、東横ができまして鉄道会館問題に発展しておるほどなんですが、私ども大衆が見ると決していいこととは思わない。それについて八千人の署名運動ができて、そうしてこっちの東口をあけてくれ、古い駅の口をあけてくれという陳情に行くと、頭からその当時の施設局長なんかにけ飛ばされちゃって、お前たちは何だ、専門家のわれわれがやっている仕事だと言わぬばかりに、まるで代議士だとかなんとかいうものは子供扱いにされる。しかしやっとその口をあけてもらったんですね。たしか関谷さんが政務次官のときにあけてもらって、それが何年かたって、この間初めて私がカムバックしてあそこへ行くと、これは非常に利用度の多い所なんですね、そこで、こんなに狭くちゃしょうがないから金をかけて大きくします——全然前の人の言い方と違うんですよ。僕は腹の中でおかしくてしょうがない。  王子の駅の旧駅存置問題もそうなんですね。人命にかかわる、これは大へんなことであって技術的に見てとうてい存置ができないというが、どこからそういう論拠が出るのですかね。あれからあそこでけがをした人は幸いにしてまだないのですよ。人命に損傷を与えたというようなことはいまだにないのです。それを言ってのけるのですがね。大衆の声というものはかなり真理を伝えるのじゃないかと私は思うのです。  そこで、話が元へ戻りますが、例の被服廠跡の車庫の問題なんですがね。あの車庫をなぜあそへ持っていかなければならないかということは、われわれ大衆は疑問なんですよ。それで、板橋の区議会が総員をあげて大反対をしている。それを知っている政治家の人もいるんです。しかも管財局長の前で、中村梅吉君もいた、河野密君もいた、濱野君もいた、私もいて、はっきりこの問題はそれはいかぬということでわれわれとあなた方と相談しようということになった。お役人ですから管財局長はワシントンの方へ行っちゃっていますけれども、しかしわれわれは大衆の代弁者で真剣に考えているから、どういう調査をなすったか、自動車局で今度はあそこをトラック・ターミナルにして、大蔵省で財物投資をするというからわれわれは言わざるを得ないのです。ところが今度は七号の地下鉄の問題で、あそこへ折り曲げて車庫をつくるということが、これはあなたの口から聞きませんが、新年初頭の区長の年頭の辞にそれが述べられておる。それだけならまだがまんできるが、せっかく初めの七号の地下鉄がくるべきものを、一部の政治家や都会議員連中が反対して感情論を大きく宣伝される。私どもは大衆の声によって動いているのです。王子駅の旧駅存置だって、私自身の考え方からすれば、旧駅がふさがっても、自分の関係の前の土地にばあっと新駅ができればいいのですが、政治というものはそういうわけにはいかないのです。私どもは一票々々で出てくるのですから、大衆の気持を聞かないわけにいかない。そこでここへ車庫をつくってはいけないという声が多いのです。それによって社会党の人も保守党の人も一致協力してこれはよくないぞというのが六号環状線から曲げることが是正されたことであり、今またあそへ車庫をつくることはいかぬという声が出ているのです。だから、自動車局の方からそういう案が出たので、僕はびっくりして勢い反対せざるを得なくなった。確かに今の交通状態ですから、いろいろお考えになることもいいでしょうけれども、そういう実情があるから反対せざるを得なくなった。七号の地下鉄の問題についても、どうしてそういうことが再燃し——陸運局で承認したという、これはうそだと思いますが、地元はそういう声なんです。できることがあればどんなことでもいいのですが、ただ時間が延びることが私たちに忍べないのです。これは帝都高速度交通営団なら営団で東京都となにして早くやろう、一年でも二年でも早くやろうということが望ましいのです。私どもは感情論や、東京都にくみしているとか、高速度営団のやり方がどうとかいうより、むしろ早くやっていただきたいのです。あれやこれや考ええますと、かって東京都交通調整法とかいう法律がありましたが、これは今生きているのかどうかわかりませんけれども、こういう問題にさかのぼって申し上げるのですが、この車庫の問題、いわばトラック・ターミナルの予定された土地に、なぜわれわれの連中が集まって管財局長と話をしたかというと、言いかえればあそこへ某営利会社が四百坪というものをばかっと——これは大蔵省の問題ですが、売っちゃって、登記してしまった問題から端を発して、車庫や何かじゃいかぬといいながら、たといわずか四百坪や五百坪でも民間会社へ売ってしまったということからこの問題が派生してきた。ところがいろいろ掘り下げてみると、東京都交通調整法というものがありながら、運輸省は民間の会社には肩を持つけれども、東京都に全然肩を持たぬというのがその当時からあるのです。御承知のようにあるバスの会社が、最初は官庁バスといって、お役人を乗せて各役所で足の不自由なときにおろしていた。それがいつの間にか切符を売り出して、東京都交通調整法違反であってもそれを運輸省に話しても、運輸省の方ではてんで一顧だにも顧みられないでそれを黙認の形にしている。法律があっても何にもならぬ。規則があっても何にもならぬとかいって当時泣き出したのです。東京都交通局の局長がそれで私どものところに、運輸委員のところに来て陳情されたことがある。これは運輸委員会の記録に載っておりますが、そういうふうなことを考えると、私はあまり公平じゃないと思うのです。今これが引き続いてそういう因果関係や何かが起きているのではないでしょうけれども、どうも明朗ではないというふうに考えられるのです。民間の業者にはある一部は非常によくて、東京都には悪いということが先入観になっている。これは大へんだというようなことから、賢明であり公平である岡本局長にもこういうお尋ねをしなくちゃならないことになってくる。  それからもう一つは、運輸省にしろ国鉄の方にしろ、自分たちがつくったことが最大、最高のものであるというふうなお考えから、なにチンピラ代議士やなんかの言うことはしろうとの寝言であるとか、そういうこうことは口に出してはもちろん言いませんけれども、そういうふうな考え方が態度やなにかに現われている。何言っているんだ、今に見ろというような態度をしたり、ああだこうだという態度に現われることがありますね。鉄道会館問題が派生したのもそうなんです。池袋の問題と板橋の問題でも頭からこきおろされたことによってわれわれも研究し、鉄道会館問題では天下に喧伝されてやめた方もある、犠牲者も出たということじゃないかと思う。大衆というものはやはり真理を伝えるのです。われわれは大衆の代弁者ですから、もわれわれの言うことも真剣に——感情論じゃないのですから真剣に聞いていただきたいということなんです。  結論から申し上げると東京都とのいきさつがどういうふうに調整ができるのか、私ども早くやっていただければどっちでもいいのです。どこに隘路があるのが、東京都にどういう悪いところがあるか、おそらく自動車ターミナルの問題でもいろいろ対立しているのではないかと思うし、新幹線の問題でもそうだと思う。木村先生が今おっしゃったような土地の問題も、われわれがちょっと大阪新駅を見たときに、何であすこに横線が入っているのだ、これは地形が悪いな、こっちの方がいいじゃないかというと、もうすでにそっちは何かほかの財閥会社が買われているというようなこともある。全体から見てどうも資本構成が大きいとか民間の大資本を持っておる会社がのさばるところがあるということでわれわれは貧乏人であるから卑屈に考えるのかどうか知らぬけれども、お役人はそういうのがお好きであり、そういうことばかり聞くのではないか、これは申し過ぎかもしれませんけれども、一応そういうことが考えられるのです。それで大石さんもおいでになるけれども、あの大阪新駅なんかは、今の木村先生の質問に関連して、一体あれが理想的なのか、前にああいうふうによそのどこかの私線かなにかが入って、裏の方がいいと僕は思ったが、なぜ当初もっとうしろの方に下げなかったのか、そこも参考のためにちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。  それから今の地下鉄の問題、早める方法とどこに東京都との隘路があるか、それも聞いておきたい。  それから最後に、木村局長には申しわけないけれども、先ほど申しましたあれを至急に調査して、文書でけっこうでございますからお知らせ願いたい。これだけ関連して一つ……。
  56. 岡本悟

    ○岡本政府委員 地下鉄の建設を早めるということは、もちろん運輸省としても十分考えて努力いたしておりますが、問題はやはり全体的な問題としては資金量の問題でございまして、御承知のように帝都高速度交通営団の場合は財政資金を半分あと半分は交通債券を発行いしまして市中銀行から調達いたしております。あるいは借り入れもいたしております。それからあとは出資金でございます。そこで、やはり全体の資金量をふやすということはまず努力することが先決問題でございますから、七号線の早期建設もそういう観点から取り上げて、一日も早く着工の態勢に持っていきたい、かように考えております。  それから、そういう建設を急ぐにもかかわらず、たとえば六号線あたりでもたもたしておるのはどういうわけだ、こういうお尋ねでございますが、しかしつくるからには、やはりどういうつくり方が大衆交通機関としてのこの六号線のあり方であるべきかということは——ここで全線を完成いたしますには五百億とか六百億とかあるいは七百億とかいう、そういう巨額の経費を必要といたしますので、やるからには一番いいものをつくろう、こういうことで多少生まれる前には陣痛の悩みがあるのが当然だろうというふうに考えまして、非常に慎重を期しておるわけでございます。つまり三十一年の答申で初めて郊外電鉄と直通運転方式をとりました。これは一番新しい方式でございますが、ああいった方式はやはりこの六号線についても採用すべきであるというのがわれわれの考え方でございます。もちろん都市交通審議会におきましても、三十一年には慎重にその点は検討されたわけでございますので、その御答申に沿って今もこの方式を採用することがよかろう、こういう判断に立って東京都にいろいろ検討をお願いしておるわけでございますから、いましばらくお待ちいただきたいと存じます。  それから車庫の問題でございますが、これはもちろん地元の方々の御意見も十分拝聴しなければなりませんので、今具体的には何もきまっておりません。
  57. 大石重成

    ○大石説明員 ただいま御質問の大阪駅の選定につきましては、先生のおっしゃる通り、私はこれが最高だというふうなことではなく、いきさつを申し上げますので御了承いただきたいと思います。  最初地元の方は、現在の大阪駅にこれを入れろという猛烈な要望がございました。しかし、これは私たちといたしましては、非常な密集地帯を線路が通っていくから大へんなことであるということが一点と、また将来われわれといたしましては、おそらくこれが先に伸びていくのではないだろうか、山陽本線の方にまで伸びていくのではないかということが考えられますので、将来先に伸びていく場合にどういうことになるかということも考慮のうちに入れたのであります。また将来大阪が発展をいたして参ります場合、北の方に伸びていく点があるのではないかということからいたしまして、大阪の区、市、商工会議所その他と十分御連絡をとりました結果、ただいまの地点付近がいいのではないかという御結論が出てきたのであります。私どももそう考えておりましたし、たまたま管理者の方の御意見がそういうふうなことで私たちと意見が一致したので、あの地点、北の方に持っていこうというような考え方で進んだのでございます。そういたしまして、今のお話は、おそらく大阪の現在の町の万へ向かないで裏の方へ向けたらどうかというお話ではなかろうかと思いますが、これは私たちがあすこに駅をつくりますときに、今の山陽線でおいでになった方が、新しい東海道の新幹線線の駅とレールで連絡ができるということがどうしても必要である。全国の方が、自動車おいでになる方が困るということでは大へんだ、また乗りかえの方も御便利に行かれるということをどうしても考えなければならぬということで、あの線を使いまして、現在の山陽線から参ります汽車を大阪の現在の駅におりるということだけでなく、お乗りかえの方はそのままあの線を使いまして新しい駅に入ってこられる。そういたしますと、ホームとホームの連絡で東京方面においでになれる。また東京方面から新幹線で新しい大阪駅におりられて、直ちに山陽線においでになる方は、逆にあそこから現在線の駅に入るような列車が出し得るというようなことで、あの線を有効に使っていきたいということを考えまして、あの地点につくったのでございます。いろいろの御異論がございましたが、別に他意があったわけではなくて、そういうことを考慮いたしまして、あの線がじゃまではなくて、大いにあの線を現在の山陽線との連絡に有効にしたらよかろう。それからまた、途中京都——大阪間にお戻りの方あるいは芦屋方面においでの方は、あそこで現在の大阪駅まで行かなければ電車にお乗りかえできないということでは不便でございますので、ちょうど現在の鉄道と新しい幹線が交差いたしましたところに総合的に電車の駅もつくりまして、そこで電車にもお乗りかえができる、こういうようなことを考慮いたしまして、あの地点を選んだのでございます。
  58. 勝澤芳雄

    勝澤委員 今の新幹線の大阪駅の問題につきましては、私は鈴木前決算委員長と一緒に現地を見ていろいろ意見を申し上げしまたので、今の答弁についていろいろ意見がありますけれどもあとで申し上げることにいたします。  時間もあまりありませんので、なるべく早く進みたいと思います。先ほど会計検査院から災害復旧事業費査定額を減額させた、これについて指摘をされて大臣から御答弁がありました。   〔委員長退席、木村(公)委員長代理着席〕 災害が起こると復旧費がたくさん出る、たくさん出ると不当、不正事項がたくさん起きている、これが今日までの現況です。私も昔「台風騒動記」という映画を見ましたら、台風が来たら老朽校舎を一生懸命こわして補助金をもらったり、あるいはかかっておる橋をわざわざこわして流した、それで補助金をもらった、こういうことが映画が出て参りました。実際どうだろうかと思いまして、この会計検査院報告書を見ますと、まさにその通りのことが各所に出ているわけであります。一番大きなのは何といいましても農林省その次は建設省、それから運輸省、こういうことになると思うのですが、そこで私は大臣にお尋ねしたいのですが、これはやはりどこかできっちりしなければいかぬと思うのです。ここに出ております。既存の被災していないのに復旧するために補助金をもらって改良工事をやった、こういうものはやはりきっちり、こういう個所、こういう県については一切もう一年ぐらいめんどう見ないとか、あるいはこういう、たとえば不正工事をやったというものについてはやはり半年でも一年でも停止させる、こういうことでもしていかない限り、役所の方に工事量に見合った技術者がない、監督者がないわけですから、やられっぱなしなんです。ですから一千万の工事を出したって元請は下請に出せば八百万でいく、またその下請で実際は四百万です。ですから、コンクリートの配合も一、二、六でやれといっても、実際にはできたとたんに水漏れがしておった、これは厚生省の例ですがあるわけです。ですからこれは各大臣にそういってみてもしようがありませんから、せめて運輸大臣はこういうことになったらきっちりした処置を——国鉄はかつて新幹線で何か汚職にひっかかったのを半年か一年ばかりとめたことがありますけれども、そういう措置を地方自治体にも、それからやはり業者にも、あるいはやった責任者にもきっちりやる、こういうことを私はやっていただきたいと思うのです。そうしない限り、この意見書が出てきて指摘されたときには、この関係者はもう栄転をしているわけです。大臣ももうこのごろは半年か一年ごとの交代ですからいないわけです。これはいつまでたっても繰り返していくわけです。ですからそれをぜひ綱紀粛正の立場からきっちりやっていただきたいということについて御所見をまず伺いたいと思います。
  59. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 仰せの通りでありまして、私は今後責任を持ってそういうことがないように努力いたしたいと考えております。
  60. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ないように努力をする、出た場合には私は処分はきっちりやっていただくということを、これはお願いしておきます。  次に、帝都高速度交通営団に対する監督権の問題なんです。これはこの前東京都の監査報告を見てみますと、いろいろ指摘がされております。この監督権は運輸省はどの程度まで監督できるのか。出資をしている国鉄というのは一体どの程度まで経理監査ができるのか、こういう点についてお尋ねをしたいのですが……。
  61. 岡本悟

    ○岡本政府委員 帝都高速度交通営団に対する監督権は主務大臣が持っておりまして、その主務大臣は運輸大臣と建設大臣ということになっております。もちろん法令に従いまして監督いたしておるわけでございまして、事業計画その他も一応見ておりますが、直接的には内部機関といたしまして管理委員会というのがございまして、その管理委員会がこれらの基本計画その他につきましても一応いろいろ審議いたしまして指導しておると申しますか、そういうふうな仕組みになっておりますし、なお監事というのがございまして、いろいろ監査的なことをいたしております。国有鉄道はしからばどういう監督権を持つかということでございますけれども国有鉄道は単なる出資者でございまして、通常の意味で使われます監督権は当然持っていないわけでございます。しからば出資者としての意思をどういうふうに反映しておるかと申しますと、帝都高速度交通営団法によりまして、ただいま申し上げました管理委員会総裁の推薦するものとしての委員を送っております。つまり総裁の推薦する三名の者のうち一人を選んで主務大臣が委員に任命する、こういうことでございます。東京都も同じくそうでございます。そういう管理委員会委員を送りまして、出資者としての意見を反映して経営さしておるわけでございます。
  62. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは会計上の問題は会計検査院の方で検査しておるのですか。
  63. 白木康進

    白木会計検査院説明員 お答えいたします。  帝都高速度交通営団は会計検査院法によりまして、政府関係機関であります国有鉄道の出資団体ということで、私の方で検査いたしております。
  64. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは次に、私は今問題になっております鉄道公団の問題についてお尋ねしたい。この新線建設の問題は国鉄経営の中においていろいろと今まで論議されて参りました。国鉄が公共性と同時に企業性を高めなければいかぬということで、独立採算制の企業体である以上、やはり経営の合理化は進めなければならないと同時に、赤字のような線路がでることについての公共負担はどういうふうにすべきかという点について、いろいろと今まで何回となく、一体国鉄の公共性と企業性というものは経理の中でどういうふうに分けられるのかという論議をやって参りましたけれども、いつも明確にならずに参ったわけであります。そこで今新線建設について鉄道公団をつくるというようになっておるようでありますが、この鉄道公団をつくる目的、それから鉄道公団をつくって新線建設をやらせる、その場合における国鉄経営にどういう影響がくるのか、こういう点について概略御説明を願いたいと思います。
  65. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 鉄道は御承知のように鉄道審議会で新線建設を決定します。それを国鉄が順奉してやらなければならぬのでございますが、国鉄の財政がそれをなかなか許しません、人の面においても金の面においても、そこで別途公団方式によってやる方が非常にいいんじゃないかという結論に達しまして、このたび鉄道建設公団を発足いたすようにした次第でございます。
  66. 勝澤芳雄

    勝澤委員 国鉄でやらせるよりも建設公団でやらせる、そういうことでなくて、経営の面はどういう形になってくるのか。新線建設を今まで国鉄でやってきたが、新線をつくるたびに国鉄の中で赤字がふえてきた。今度公団をつくったら新線建設の赤字というものは国鉄にはかぶらないのかどうか。国鉄経営にはどういう影響になるのかということをお尋ねしたいのです。
  67. 岡本悟

    ○岡本政府委員 経営上に対するお尋ねでございますが、ただいまのところでは法案の中で、鉄道建設公団が建設いたしましたものを国鉄に経営させるという建前をとっております。この際赤字が経営上出ることも予想されますが、これについては一般会計から補助とかそうこうことはしないということにいたしております。
  68. 勝澤芳雄

    勝澤委員 新線を建設する。建設された新線はおおむね九割五分、あるいは九割九分といっても過言ではないと思うのですが、みな赤字路線だということはおわかりの通りです。そしてそれが経常費の赤字になる。そうすると、鉄道建設公団はとにかく赤字の路線をたくさんつくる。そして公団が建設をすればするほど赤字がふえる。その赤字がふえる路線を国鉄に経営させるとするならば、大体新線建設公団でこれからつくっていったら、何億くらい国鉄に毎年赤字をしょわせるのですか。それを国鉄の経営の中にどういうふうに割り振りをしていくのか、こういう点をお尋ねしたい。
  69. 岡本悟

    ○岡本政府委員 大体の考え方といたしましては、日本国有鉄道というものは、鉄道敷設法にきめてございます予定鉄道線路を敷設する義務はございます。しかし先ほど大臣からお答え申上げましたように、その公共負担はかなりなものになりますので、できるだけ控え目にしたいということで、この公団をつくりまして、国鉄の出資は七十五億円程度にとどめまして、そうしてあとはもし拡大してやる必要があれば、政府の追加出資でまかなっていきたいというふうな構想でございますが、経営はやはり国鉄にやっていただくというのが一番スムーズであるという考え方で、引き受けさせるというのでございます。日本国有鉄道は従来でも御承知のように七十五億円程度の新線建設はやって参りまして、そしてその経営した場合に出てくる赤字は既設線の経営とひっくるめて全体としてはバランスがとれているという建前でやっておりますので、公団が建設しました新線の経営につきましても、全体として赤字、黒字のバランスをとっていくという考え方に立っておるわけでございます。
  70. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その全体にバランスをとるというのは私はいいと思うのですが、その限度は一体何億くらいずつ毎年考えているか。建設公団がつくる路線というものは、これは赤字線建設公団なんですよ。今までは七十五億のワクでテンポがおそかった。今度は七十五億のワクでなくて、それが百億になるのか、二百億になるのか、あるいは三百億になるのか、とにかく投資が多ければ多いほど赤字経営線がふえていくということは当然です。ですから今よりもテンポが早くて、一年でやるのか、五年、十年でやるのか、テンポ棚早いですから、毎年赤字線です。赤字線公団ができたら、経営費の負担がますます国鉄にはふくらんでいくということですよ。そのふくらみを一体どれくらいまで限度として考えているのか。国鉄はそれほど余裕があるのか、余裕がないとするならば、運賃値上げをまた考えているのかというところまで御答弁を願いたいのです。
  71. 岡本悟

    ○岡本政府委員 国鉄が従来通りみずから七十五億円程度の建設費をもってやって参りますというと、経営上出てくる赤字も既設線を含めて考えるということになるわけですが、公団が積極的に今度やるということになると、どんどんそのテンポが早まり、規模が拡大して、国鉄に対する赤字が非常に大きくなってくるんじゃないか、そうするとその限度はどういうふうに考えておるのかというお尋ねであろうと思いますけれども、新線建設の赤字、黒字という問題については、主として国鉄の財政の立場から論議されておりますが、その見方はやはり建設費の利息、それから償却、このいわば資本費が非常に大きいウェートを占めるのでありまして、経営費だけならば、私の記憶いたしますところでは、営業係数と申しておりますとり方からいたしますと、一二〇、つまり百円の収入で百二十円の経営費がかかるというふうな割合になっておりますので、そう大して大きな負担にならないんじゃないかという考え方でございます・しかも今後この公団が建設を引き継ぎまして建設する路線の中には、相当営業成績がいいものを期待できるという面もございます。全部精査してみなくては申し上げかねますけれども、経営だけの負担ならば、そう大して国鉄に対する財政的な圧迫にならないのじゃないかというふうに判断いたしておるわけでございます。
  72. 勝澤芳雄

    勝澤委員 営業係数が一〇〇以下になる線があったら、私は教えていただきたいと思うのです。今あなたは一二〇と言っておりましたが、結局二〇はオーバーしているのですから、その分は負担しなければならぬわけです。ですから、私は国鉄はいわゆる国家公共性のあるものですから、当然経済上の必要な新線をつくることはけっこうだと思います。けっこうだけれども、それが国鉄の経営の中にどういうように入ってくるかというならば、これは必然的に運賃値上げに必ずはね返っていくと思うのです。今までよりもテンポが早くなるのですから、運賃値上げにはね返らざるを得ないと思うのです。むしろ政治路線というものは今度はつくられやすくなるんです。今まではある程度企業採算というものが考えられたが、今度は企業採算よりも公共性、政治性を帯びたものがたくさんできてくるということになるわけです。それが本来の国鉄とは全然別個——という言い方はどうかよくわかりませんけれども、政治的圧力の方が強くなって、赤字線というものができてくる。当然黒字になる線は一本もないわけです、極端な言い方をしますと。そうすると、建設公団がつくった鉄道を国鉄に引き継がれたとたんに、国鉄は年間何億かの赤字を今までよりも余分にしょわされているということになるわけです。ですから、この限度を明確にしないと、国鉄の公共性、企業性、公共体ならば公共体だけ、国有ならば国有だけでけっこうですが、今の国鉄の幹部は企業性ばかりを一生懸命やって、下へ向かっては合理化ばかりやっているんです。上に向かってこういう大きな問題についてはあまり強い発言をしていないわけです。   〔木村(公)委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、鉄道建設公団のでき方いかんによっては、国鉄の経営について私は大へん重大な影響をもたらしていくだろう、こう思うのです。  ですから、そういう点でこの新線建設の問題については三十五年度あるいは三十六年度国鉄の監査報告書の中にもいろいろと述べられております。この述べられている中から、たとえば鉄道建設公団というものがかりに出てきたとすれば、私は道路公団と同じような方式でやらしたらどうでしょうかという一つの意見もあるわけです。あの中で独立採算ができるようにやってみたらどうでしょうか。それを全部おっかぶせる。おっかぶせたら、どこかに必ずしわ寄せが来るんです。しかも最後には、こっちに出た赤字のしわがこっちに寄って、運賃値上げになる、こういう形になるんです。しかし運賃の値上げが飛行機や自動車との競争によってできないということになれば、まさにそのときにはどういうことになりますか。  そういう点からまず私は、この建設公団ができることによって国鉄経営に対する問題、その公共性、企業性という問題、いつもケース・バイ・ケースというその場その場でやられて参りましたものが、今度は根本的に再検討しなければならぬ、こういうことになるわけでありますから、この問題については今のところ法案ができかけているようであります。しかし、何かきまりかけた内容を見てみますと、これは私はまた運賃の値上げをされるのではないか、こういう気がしてならないわけです。また運賃の値上げをしなければ、この赤字のしりぬぐいというものはできていかないのじゃなかろうか、こういう点で運賃値上げに対する一つのお考えをちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。
  73. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 現在私は運賃値上げをやる意思はございません。
  74. 西村力弥

    ○西村(力)委員 関連。これは鉄道建設公団というのが資金量を増して新線建設のスピード・アップをする、こういうような趣旨のようですが、今国鉄で新線を建設する場合と、公団が建設する場合の建設のコストというものはどうなるか、私は別組織でやれば結局コストが上がっていくのではないか、そう見ておるのですが、その計算はどうなっておりますか。
  75. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、コストが必ずしも高くなるとは思っておりません。
  76. 向井重郷

    ○向井説明員 お答え申し上げます。  公団になった場合のいろいろな費用の計算は、すべて現在の国鉄の建設関係の費用をもとにして計算をいたしておるわけでございます。
  77. 西村力弥

    ○西村(力)委員 別組織にいたして参りますと、その別組織の経常費というようなものも相当考えていかなければならぬことになりますし、これが上積みになることは間違いないということが考えられるわけなんです。そういう点から言いまして、また資金の造成の問題では、現在の国鉄がやっている以上にやはり高利の金も見込んで資金の造成をやらなければいかぬことになるのではなかろうか、こういうような疑念を抱く。その点から、どうしてもやはりコスト高になるんじゃないかという気がする。
  78. 向井重郷

    ○向井説明員 公団の建設します線路国鉄に対してどういうふうにやるかということにつきましては、今法案を最終的に仕上げておりまして、いずれ詳しく御詮議をいただくことになりますので、その節また御詮議願うことにいたします。私どもが今考えておりますのは、先ほど申し上げましたように、国鉄の建設費というものをその更ま基準といたしまして、たとえば総経費に当たるようなものも、通常の建設関係でも人件費その他のものは総経費として示しているわけでございます。さしたる増加はないというような工合に考えております。またその他の総経費以外のものを考えるというような場合、これもまた法案の内容について問題になる点でございますが、そういうような点につきましては、今後は、できれば来年度あたりからはまた補助金でございますとか、そういうようないろんな方法も考えて、資金のコストという点については十分に低廉にして、良質な鉄道をつくるということに努力したい、こう思っておるわけでございます。  それからまたもう一つは、対国鉄の問題につきましても、先ほど勝澤先生御質問のありましたような経費の問題についても、同様の趣旨からなるべく国鉄の負担をこれ以上かけないようにというつもりで運営して参りたい、かように考えておるわけであります。
  79. 西村力弥

    ○西村(力)委員 まだ決定していないのですけれども、たとえば鉄道建設の公債ですか、あれは利回りが七分何厘でしたか。ところが今度公団をつくってやると、生保資金などを使うと最低九分なんです。やはりそういう工合に金をつぎ込んでくれば、高利の金も資金の造成のためには使わなければならぬのじゃないか、そうすると、やはり建設コストが高くなるのではなかろうか、こういう工合に私は考えられるのですが、その点、お考えがありましたら答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
  80. 向井重郷

    ○向井説明員 ただいま御質問のありました借入金の問題でございますが、公団みずからが営業いたしまして、どんどん収益を上げるというようなものも見返りにして借入金をやるとか、そういうようなことでやるならば建設のピッチは確かに上がるわけです。しかし、その点についてはいろいろとこれから研究すべき問題が残されておりますが、借入金で大々的にやるということでなく措置するように講じたいと思います。
  81. 勝澤芳雄

    勝澤委員 建設公団の方にもちょっと進みますが、今鉄道だけつくって採算がとれる路線というのはあまりないですよ。伊東にできました伊豆急行のような例を見てみましても、あれは鉄道線路だけでは採算がとれないわけです。日本一高い運賃です。日本一高い運賃であるけれども、結局鉄道だけでなく、そのほかの関連事業を総合的にやることによって鉄道というものは成り立っているわけですね。ですから鉄道建設公団も私はそういう考え方でやるならまた一つのものの考え方だと思うのです。しかし、ただ単に鉄道だけ敷いている、鉄道の沿線は御自由にもうけて下さい、事業やその他も自由にやって下さい、裸で鉄道だけ建設をするということになれば、赤字が増大することは当然です。現在でさえ国鉄の中で監査した報告によれば、建設資金の全額の政府出資、開業後の運営に伴なう損失額の補償などは当然考えなければならぬ、三十五年、三十六年、この時期にもうこう言っているわけです。言っているにかかわらずそれはそのままにしておいて、建設公団でとにかく政府出資でない高い金を使って、でき上がったものは国鉄で一切やりなさいということになれば、今以上に企業圧迫が大きくなるのは火を見るより明らかなのです。ですから私は公団でやるやり方についても、いろいろやり方があると思うのですが、ただ鉄道だけつくっている公団のやり方、こんなものをつくる必要はない。むしろ赤字線建設公団だ。この公団は永久に黒字にはならないし、むしろ今度はここで作った赤字が片方の国鉄に転稼されて、また運賃の値上げその他になっていくということになるわけです。こういう観点から、今いろいろやっているのでしょうけれども一つこの際——大蔵大臣は自分が党におったときに言ったわけですからこれはやらにゃならぬでしょうし、運輸大臣も公共性のある新線はなるべく早くつくらにゃならぬ、今のテンポではしょうがないということは当然だれも認めているところです。しかしそれが何年となくいわれてきた、国鉄の監査委員会あるいはまたいろいろの立場から国鉄の企業のあり方というようにいわれてきたものが逆転をしてしまって、もうこれではしょうがないということにならないように一生懸命企業努力をし、合理化をして企業の成績を上げよう上げようとやってきた。しかし、片方ではこういう政治的な圧迫をますます食うということになれば、企業能率を上げる経営者というものはあまり利口じゃないということになると思うのです。まあその程度で新線建設公団は終わっておきまして、次に移ります。  次の問題は、国鉄自動車の問題です。国鉄自動車の問題につきましても監査報告書を見ますと、毎年赤字々々でなかなか採算のとれないところばかりになっている。今の輸送事情からいって国鉄自動車の本質的なあり方というものが変わってきている、こういう立場で国鉄自動車問題調査会というものを設置して、答申が出されているようでありますが、これについては、調査会をつくり答申に至るまでの経過についてはむろん国鉄調査会ですけれども運輸大臣等にも御相談されたと思うのですが、運輸大臣は相談されてこの国鉄自動車のあり方について  の論議をして答申を出されたのですか。これは運輸大臣並びに国鉄総裁の方へお尋ねしたい。
  82. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 今のその問題は国鉄内部のことでございまして、国鉄総裁が答えることが適当と思います。
  83. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この問題は、国鉄内部でこういう検討をされておることは、大臣は御存じですね。
  84. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 知っております。
  85. 勝澤芳雄

    勝澤委員 今の国鉄自動車問題調査会ができて答申が出されました。この出されたのについて国鉄はどういう取り上げ方をされているのですか。
  86. 十河信二

    十河説明員 国鉄自動車の経営をいかにすべきかということにつきましては、国鉄でも昭和二十七年ですか、運輸大臣国会で四原則というのを説明せられたはずであります。その後運輸大臣国鉄経営調査会というものを設置せられまして、国鉄経営調査会がいろいろ国鉄の経営について調査せられました結論を運輸大臣に出されておるのであります。そのときにもやはり自動車の問題が取り上げられております。そのときに取り上げられました国鉄経営の原則は、四原則のほかに、今日では自動車というものが非常に性能もよくなり発達して参りました。それから日本の道路というものもだんだん進んで参りました。そこで自動車と鉄道というもの——国鉄は鉄道のほかに四原則に従って自動車経営をするのみならず、さらに鉄道の経営を補充する、鉄道には鉄道の長所もあり、自動車には自動車の長所もある、要は国民の要望する交通、国民に対するサービスをできるだけよくしてコストをできるだけ安くする、そういう方法で鉄道と自動車とを組み合わせて、有機的に補完的に経営を進めるべきじゃないか、こういう答申が国鉄経営調査会から出ておるのであります。それから後に、それはたしか三十年か三十一年であったと思います。それから相当時もたっております。また自動車の進歩、道路の改善ということも行なわれて参りました。そこで運輸省とも御相談いたしまして、国鉄の経営する自動車のあり方についてどうしたらいいかということをいろいろな各方面の方にお願いいたしまして検討してもらったのであります。その報告がここに出ているわけであります。これはごらん  になったかと思いますが、その報告も、根本において、いろいろな議論の道筋やこまかいことは違うところがありますが、大体根本においては、運輸省の設置した国鉄経営調査会の結論とほぼ同じような結論が出て、われわれに勧告せられておるのであります。その以前に、昭和三十二年に、国鉄内部におきまして、自動車の進歩、道路の改善に伴って国鉄自動車経営というものをもう一度検討してみようじゃないかということで、国鉄自動車のあり方について検討いたしました。そうして今の四原則の上に補完という原則を一つ入れまして、鉄道と自動車で、組み合わせて一番いいサービスを一番安く国民の皆さんに提供するようにしようじゃないか。それには国鉄線路のあるところ、これに並行して、あるいはその近くに短絡して自動車を経営する、今までのようにただ専行、代行ということだけでなく、補完という意味も強く出して自動車経営をすべきじゃないか。鉄道のなにを見ますと、鉄道では、ローカルの緩行のお客さんは二割五分か七分しかふえない間に、急行のお客さん、準急以上のお客さんは二倍以上にふえている。そういう状態で、鉄道をもっとスピード・アップをして時間を短縮しろという国民の要望は非常に強いのであります。そこで鉄道はなるべく準急以上の列車をふやして、鉄道のとまらないところへ自動車も急行を——相当急行が必要になってきますが、鉄道のとまらない駅へ自動車がとまる、鉄道がとまっても町から非常に離れておる、お客さんに不便なところは町のまん中に停車する自動車路線を経営して、そうして急行とうまいところで連絡をできるようにする。そういう中距離以上の自動車経営というものに力を入れようじゃないとかいう方針を決定いたしておったのであります。その方針と今度の自動車問題調査会の答申というのは大体同じような方向に向かっております。せんだっても国鉄理事会で検討いたしました。理事会で、大体この方針にのっとって経営を進めていこうじゃないか、そうして運輸省と御相談して、さっき申し上げましたような経営を御承認を願おうじゃないかということでやっております。その一番最初の例が、たしか山口から博多へ参りますバス路線で、これは国鉄と民間と同様に認可をされたということに相なっておるのであります。今後どうなりますかわかりませんが、今後もわれわれは政府と御相談してそういう方針で経営して参りたい、こう考えております。
  87. 勝澤芳雄

    勝澤委員 国鉄自動車内容を見てみますと、まさに激しい合理化を行なって、なおかつ相当な赤字が出ておる。現在の交通事情からいって、国鉄自動車は根本的にどうあるべきかという点については十分論議をされる時期にきておりますし、その論議をされた結果がこの答申になったと思うのです。しかしこれは先ほどのお話から聞いておりますと、国鉄の総裁に対する答申であるというようなことでありますけれども、これは当然自動車全体的につきまして運輸省の行政であるわけですから、一つ運輸省の中で十分これが運輸省の方針としてどうあるべきかという点を明確にさして、今日国鉄自動車の溢路になっている諸問題については十分な検討をしてやっていただきたい、こういうことだけお願いして、あとまたこれは大臣がお帰りになりましたから、もう少しこれを深めて参りたいと思っておりますが、この程度で終わっておきます。  最後一つだけお聞きしておきたいのですが、国鉄の外廓団体で交通協力会というのがあるようですが、この交通協力会の事業内容国鉄とどういう関係にあるかという点についてお答え願います。
  88. 河村勝

    ○河村説明員 交通協力会と申しますのは、財団法人でございまして、その目的は交通事業に関しましてその公共性を強調するとともに、交通従事員の教養の向上と福祉の増進に努めて、交通全般の社会的使命達成に寄与することを目的とするということが定款にうたってございます。そういう性質のものでございます。
  89. 勝澤芳雄

    勝澤委員 国鉄との関係です。
  90. 河村勝

    ○河村説明員 国鉄との関係は、主としてこの協力会が、広報関係の仕事、新聞発行が主たる仕事でございますので、そういった新聞、雑誌等を購入しているという関係にございます。
  91. 勝澤芳雄

    勝澤委員 国鉄もいろいろ事業をやっておりますから、PR紙とかそういうのが出ているのでありましょうが、交通協力会で出している交通新聞というのは業界紙ですか、国鉄当局のPR紙なんですか。
  92. 河村勝

    ○河村説明員 交通新聞と申しますのは交通関係の記事を主体にする日刊紙でございまして、通常の新聞でございます。ただ交通関係の記事が非常に多くて国鉄のいろいろな仕事の内容その他をPRするのに都合がいい関係で、それをかなり多く国鉄として購入しているだけでございまして、編集そのものには何も関係ございません。
  93. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、交通新聞というのは国鉄当局のPRの新聞ではなくて、業界の新聞だ、こういう話であります。  そこで私はこの交通協力会の事業の内容なり、それから国鉄との関係、それから財務諸表、こういう資料をぜひ早い機会に出していただきたいということを委員長に要望いたしておきまして、私の質問は終わります。
  94. 津雲國利

    津雲委員長 承知しました。
  95. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あとまだ質問が少し残っておりますけれども、時間もございませんので、これできようは私の質問は終わります。
  96. 津雲國利

    津雲委員長 本日の運輸直所管決算及び日本国有鉄道決算についての質疑はこの程度にとどめます。  この際、暫時休憩いたします。    午後一時三十四分休憩      ————◇—————    午後一時四十二分開議
  97. 津雲國利

    津雲委員長 これより再開いたします。  この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。すなわち、帝都高速度交通営団の会計に関する件の調査のため、本委員会に帝都高速度交通営団関係者を参考人として出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 津雲國利

    津雲委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。  なお参考人出頭の日時及び人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 津雲國利

    津雲委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十三分散分