○受田
委員 現地の
移住者が非常に困っておる実態を私幾つも知っているのですが、ここで全部取り上げるわけにいきません。ただ
一つ問題としたいことは、
現地の
教育である。ドイツのパラグアイの
移民のごときは、五十年、百年の計画で優秀な教師を本国から送り届けてりっぱな
教育をしている。ところが、パラグアイに例をとってみましても、あそこでの日本の
移住者の子供たちの
教育というものは、あちらから教師の俸給だけしかいただいておらぬ。もうみんな父兄の負担になっている。バラックの校舎で悲惨な
教育を受けておる。これでは安心して
移住はできません。少なくとも、ドイツの
移住者たちがやっているように、りっぱな教師を送り、鉄筋コンクリートの校舎をつくって、——ドイツの
移住者はみな本国の費用でやっているわけです。堂々たる
教育をやって
移住者に希望を与えるという形を日本でもとらなといけないと思う。われわれが拝見したところでは、あの残酷な密林地帯での
移住者の
移住地というものの中には、りっぱな道路もないし、また、校舎もバラックであり、
先生も十分なものが得られない。全く悲惨な
教育を受けておるのでございますが、日本として、安心して
移住されるように、子弟の
教育には本国がめんどうを見るという基本方策をお立てになる必要がないか。ドイツのごときりっぱな文教政策をもって、ときには日本語
教育もあわせて行なわせるような、そういうすばらしい
移住地をつくられてはどうかと思うのですがね。これは文部省の御
意見もあればあわせて伺いたいのですが、優秀な教師をこちらから派遣するために、文部省は、進んで
移住地に行って
教育に当たろうとする熱意のある人を養成してそこへ派遣すべきであり、また、その身分は日本国の教師たるの身分を公務員として確保するというような温情のある措置をとって
教育に当たらせる必要があると思うのですがね。