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田原委員 たくさん来ております材料の中から一例をボリビアにとりましょう。これだけ
一つ申し上げてみます。ボリビアに某支部長が在任中に犯した数々の悪弊をここに申し上げます。
第一は、彼はサンファンの支部長で、あたかも自分がそこの大名のような気持ちを持って、ここではおれの命令を聞かぬ者は全部
日本に追い返す、ここは封鎖国家である、こう宣言して、外部との
連絡を断って、自分かってな計画をやる。たとえば、事務所を建てるにしても、ボリビアの風土に合わぬ自分の好みのものを建てて、いま迷惑しておるような状態がある。
第二点は、先日
大臣も聞いたと思いますが、ボリビアの国教であるカトリックを圧迫して、日曜にも
仕事をさせ、クリスマスにも
仕事をさせるというようなことをこの男はやった。それで、地元でもたいへん問題になりまして、ボリビアの
政府の間でも問題になっておる。こういうようなことをやっておる。第三は、そういう
事情を
日本に訴えようとして手紙を書きます場合、非常に離れたところでありますので、一応郵便は
海協連の事務所に集めて、それから投函するのでありますが、ある人は九通出したのに一通もついてない。みなこれは自分がかってに封をあけてみて、自分に不利なことを書いたものは全部破棄したらしいということが、本人が帰国して初めてわかったという事実がある。これは全く権利の乱用であるし、私文書のかってな開封は憲法にも違反すると思う。
それから、第四点は、先般の
質問で申し上げましたように、せっかく財産を処理して一家あげてボリビアに移転し、ある者は商店を開いた。ところが、彼は、自分が支部長という
立場から、生活
協同組合をつくり、その組合長を兼任しておったのでありますが、そのほうの経営がうまくいかぬで、店を開いたほうがうまくいったので、これを追っ払おうといたしまして、地元の官憲にうそ八百を並べ、強制送還した。家族はそれではしょうがないから
ブラジルに移転しましょうと言ったが、
ブラジルヘの
移住も認めず、全部郷里に送還しておる。福岡県と香川県であります。私とあなたの県にその被害者は現在おるのであります。一方において
募集宣伝をして旅費まで貸して出す。向うに行っておる
海協連や
移住振興会社の職員は、
サービス精神に徹しておるならば、
サービスを主として
相談にあずかるべきものを、自分があたかも大名か代官のごとき
考えを持って、かってに放逐するに至っては、もってのほかである。特に、その村にわざわざ
日本医師会と厚生省の推薦で医者を入れた。その医者と
意見が合わずに、医者を
精神異常者だと称して、これまた医者をも追放しております。この医者は現在佐賀県の国立病院に就職いたしまして、何ら
精神異常でも何でもない。その人から詳細な報告が私に来ております。必要であるならいつでも参考人として出ますという手紙が来ておる。これはもってのほかのことで、病人もおるであろう村におきまして医者を追い出すということは、もってのほかである。そういうことをやるほうがよほど
精神異常者と思わねばいかぬと思います。
第五は、かような横暴かってをきわめましたために、
海協連のボリビア支部における
予算について、昭和三十四年から三十五年までにおおよそ三万五千ドルの使途不明事件が起こっておる。ついに、
外務省でもこれを調査しても調査できず、会計検査院がことしになりまして二名出張していま調査をしております。今月の二十一日に帰ることになっておる。その間、この男は、自己のさんざん乱費しましたあと始末のために、自己の腹心中の腹心をボリビア支部長代理に入れてつじつまを合わせようとしておる。しかしながら、村人はみな知っておる。村人のある者からの報告によりますと、三万五千ドル、合計一千四百万円の不当流用の一部を、何とニューヨークの銀行に貯金をし、
日本のほうにも一部貯金をして、そうして自分の私財にしておるといううわさも立っておる。このことを責めますと、
外務省では、刑がきまってからでなければそういうものは簡単に異動できませんと言う。行政上、実務上の失敗を、刑の確定まで待つなんということはできぬはずだ。明らかな事実があった以上は、これは断固信賞必罰でやるべきでございます。
外務省の人たちがお上品で弱気で、そして何となしにそのままにしておるところに問題が起こってくる。
第六点は、これは第一回の
質問でも申し上げましたように、その男がボリビアに赴任する途中で香港に寄港の際、自己の妻の堕胎をやらした。ドクター・ホフマンという人に堕胎さして、堕胎料を払っていなかった。したがって、船会社ロイヤル・ダッチ・オーシャン社の事務長スチープソンというのがしぶしぶと金を払っておるのでありますが、彼らは
日本の役人というものはこんなにきたないものかと思っている。これは金額はわずか一万三千円でありますけれども、
日本の
外務省の威信を失墜したことはなはだしいものであります。しかるに、弁護する者は、それはもう払ったからいいじゃないかということを言っておりますが、最近になって、私が暴露したから払ったらしい。
こういうことを続けてやっておる。こういうふうに、ただ
一つのボリビアのある時期の問題をとらえましてもこんなにあります。したがいまして、いかに
大平さんが清新強力なる新
理事長を迎えてりっぱな
人事をするなんと言っても、こういう妖雲たなびく
海協連や
移住振興の
人事をこのままにしておったのでは、何にもできません。このままでは必ず今度の
事業団で旧
海協連と
移住振興の派閥争いをいたしまして
仕事は進みません。したがいまして、やるならば、まずそういう食官汚吏の首を切って、信賞必罰で、誠実清潔なる人物を持っていくよりないと私は思っておる。ここであなたがそれを約束できますか。もう一度私はあなたにお尋ねをしておきたい。