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岡委員 これは大
來局長に
お願いをいたしておきたいのですが、いま
局長も
お答えになったように、
厚生省からも適当な方が出向しておられるようです。また、
工場あるいは
工場周辺の
住民の
生活環境の
整備についても、いま若干の
報告があったような
答申も出ておるようなわけでございます。ぜひ
一つ新
産業都市の建設にあたっては、国も
地方団体も、
公害防止という点に十分な留意を払い、むしろ都市建設の
計画の中に適当な顧慮を払い、
予算面においてもやはりそういう
措置をとっていただく御
努力を願いたいと思います。特に
工場地帯と住宅地帯の隔離というようなことも、事実各国においても非常に問題になっておるようでありまして、ソビエトでは実施されておるようであります。
答申案にしましても、四キロ以上というようなものが一応
答申されておるようであります。ぜひ
一つそこまで、やはり
工場地帯の周辺の
公害防止のための
整備というものは思い切った
対策を立てないと、私は今後に大きな悔いを残すのじゃないかと思いますので、御留意を願いたいと思います。
同時に、あわせて
お願いしたいことは、四日市にいたしましても、あるいは川崎にいたしましても、私が見聞する限りでは、従来あるところが
住民が非常な
公害にあつく立ちのかざるを得ないという状態に追い込まれている
住民もあって、その
地方団体との間に相当紛争をかもしておる事例もございます。やはり
公害対策というものは、こういう現在ある
住民のことをも含めて、将来に禍根を残さないように適切な
対策を、
予算的にも、また
計画の
内容においてもぜひ
一つ御留意を願いたいということを、私は心から
お願いをいたしておきたいと思います。
次は
予算の問題でございます。いま大
來局長も、若干これについては考慮したいというふうな
個人的な御希望のようでございましたが、先ほど申しましたように、どうも
公害対策については、国ないし
地方団体としても十分な
予算措置が講ぜられておらない。そういう点について、
公共投資というもののあり方でございますが、これは大
來局長に率直にお伺いをいたしたい。元来、今日までの
公共投資というものがあるいは水資源を
開発するとか、あるいは道路を
整備するとか、いわば
公共投資の配分というものは生産手段の
整備、充実に重点が置かれた。しかし、そうなればなるほど、大企業、大経営というものが殺到してくる。殺到してきて、そこで
公害を起こす。これに対する顧慮が私は
公共投資の中に十分じゃないと思う。
そういう
意味で、
東京都は九千万円ばかりの
予算の中で、百万円を限度とした貸し付けをやって、これを利用するものも相当あるというような話も聞いております。やはりこれは国自体として補助金制度をとって、
公害防止のための施設なり
設備をとろうとするものについてはとり得るような補助金を出してやるとか、あるいはまた、いま
設備近代化資金が
通産省のほうでは相当見積もられて、百億を上回っておるんじゃないかと思う。
設備が
近代化されればされるほど
公害というものは起ってくる。特に
設備近代化に伴う中小企業が原因となる
公害というものが、
公害の非常な大きな
部分を占めつつあるわけです。そうなれば、やはり中小企業はなかなか自己資金でもって
公害防止の
設備というようなものはやれない。低利あるいは長期にわたる資金の融通、
設備の
近代化資金をやるならば、やはり並行的にこの点においても
予算的に考慮すべきではないかと私は思う。あるいはまた、いなかの町へまいりますと、しばしば
工場誘致
条例なんかを出して、安い地価でもって
工場敷地を提供する、固定資産税はどれだけか免除するというようなやり方もやっております。そういうようなことで、なるほど
工場はやってくるが、そのことは、並行的に
工場と一緒にお供してくる
公害というものが度外視されておる。
私は、こういう点でも、やはり
公害というものを将来の禍根を断つ立場から
防止をしようとするならば、そういう形で固定資産税を免除するならば、それが
公害防止のためのそれぞれの企業の
設備資金として活用されるような方途がないだろうかというようなことも考えてみるわけです。そういう
設備については、これは
ばい煙の
排出の
規制等に関する
法律でも若干触れられておると思いますが、特別償却制度なりを設けて、企業の大きな税負担にならないような
措置を講ずる、こういうような形で国自体が補助金を出す。あるいは長期低利の金融の道を講じてやる。あるいはまた、現在における
工場誘致
条例の中における、各企業に対する諸種の恩典というものが
公害防止の
設備に活用されるような道がないか。あるいはまた、そういうような点について十分
政府としては考慮していただいて
予算的にも万全の
措置をとられるような日が一日も近くあるべきだと私は思うわけです。そういう点で、ここには
政府の
責任ある大臣もお見えじゃございませんが、お帰りになったら、それぞれの大臣の
方々に、この
委員会においてもそういう意向があったということを、切にお伝えを願いたいと思うのです。
同時に、
科学技術庁のほうに
お願いをいたしたいのです。これは
通産省にも
関係するかもしれませんが、
公害の原因というものについてはいろいろございましょう。しかし、
公害の原因を排除する
技術的な指導と申しますか、あるいはまた
公害の影響をできるだけ少なからしめるための
防止をする施設なり
設備、こういうものについて、
科学技術庁あたりが中心になって、もっと
研究し、新しい
技術を
開発し、新しい
設備を実用化するというふうな
努力があっていいのじゃないか。この点、私は
科学技術庁においてもやはりこの面が大きく忘れられておったような気がするわけです。こういう点についても、
科学技術庁はこの分野におけるもっと積極的な御
努力が願えないか。当然せらるべきだと思うが、現にしておられるならばどういうことをしておられるのか。もし具体的な事例があったら、この機会にお示しを願いたいと思います。