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1963-05-16 第43回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年五月十六日(木曜日)    午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 寺島隆太郎君    理事 佐々木義武君 理事 中曽根康弘君    理事 松本 一郎君 理事 山口 好一君    理事 岡  良一君 理事 西村 関一君    理事 山口 鶴男君       赤澤 正道君    菅野和太郎君       齋藤 憲三君    保科善四郎君       細田 吉藏君    石川 次夫君       田中織之進君    原   茂君       村山 喜一君    内海  清君  出席国務大臣         内閣総理大臣  池田 勇人君         外 務 大 臣 大平 正芳君         国 務 大 臣 志賀健次郎君  出席政府委員         防衛庁参事官         (長官官房長) 加藤 陽三君         防衛庁参事官         (防衛局長)  海原  治君         科学技術政務次         官       内田 常雄君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   森崎 久壽君         総理府事務官         (科学技術庁原         子力局長)   島村 武久君         外務事務官         (アメリカ局         長)      安藤 吉光君         運輸事務官         (大臣官房長) 広瀬 真一君  委員外出席者         原子力委員会委         員       兼重寛九郎君         科学技術事務次         官       鈴江 康平君     ――――――――――――― 五月十四日  科学技術行政機構の強化に関する陳情書  (第六五九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本原子力船開発事業団法案内閣提出第八二  号)      ――――◇―――――
  2. 寺島隆太郎

    寺島委員長 これより会議を開きます。  日本原子力船開発事業団法案議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。
  3. 岡良一

    岡委員 まず、池田総理大臣に御見解を承りたいと思います。  先般の予算委員会におきまして、わが党の辻原委員質問に対して、総理は次のように答えておられます。すなわち、原子力潜水艦寄港問題についてでございます。最近に至りましては、もう日本でも原子力船舶推進力としようという計画を立ててやっておるわけで、時代がだいぶ変わってまいりました。そういうことから、ことしの初めに寄港の申し出があったのを受け入れる、こういう結論を出したのでございます。こういう趣旨の御答弁がありました。同様の趣旨は、堂森委員質問に対してもあったはずでございます。  そこで私どもは、やはりこの原子力船開発原子力平和利用の重大な一翼であり、当然これは推進すべきものという立場において原子力船開発事業団法案の審議を進めておるのでございますが、われわれの平和利用達成という真意がこういう総理の御答弁によってむしろ逆用されていく、こういう疑義が生じてくるわけでございます。そういう点からいたしまして、総理真意をこの際はっきり私どもは確かめておきたい。具体的に申しまするならば、原子力基本法が存在する限り、たとえ防衛目的といえども軍事目的にほかならないのでございますから、原子力利用は、今日の時点においては自衛隊といえども許されない。この点を明確に総理の御見解を承りたい。
  4. 池田勇人

    池田国務大臣 先般原子力潜水艦の得港問題のときに私がお答えいたしました意味は、最近原子力利用開発につきまして国民理解が非常に深まってきた、原子力というものは今後開発利用すべきものだという国民理解の深まったことを私は言ったのでございます。だから直ちにアメリカ原子力潜水艦日本寄港するということを是認する、これはうらはらの問題じゃない、事柄が違う。原子力利用開発についての国民理解が深まったということを言っておることでございます。原子力潜水艦寄港問題につきましては、これは別途の考え方でいくべきものだと思います。  ただ私は、原子力利用開発が必要であり、そうしてこれに対する国民理解が深まったからといって、原子力基本法第二条の平和目的に使うという原則をこわす考え方はございません。やはりこの平和利用という原則はあくまで守っていきたいと考えております。
  5. 岡良一

    岡委員 それでは、いま私が読み上げました総理予算委員会における御答弁は、これは総理真意ではない。したがって、原子力平和利用がますます普及をするということと原子力潜水艦寄港を受け入れるということとは全然別問題である。このように解していいのでございますか。
  6. 池田勇人

    池田国務大臣 別問題でございます。すなわち、うらはらではないということを言っておるのでございます。ただ、国民原子力に対する理解が深まったということは、原子力というものはそうおそろしいものではない。これは私は、安全性を確保するならばどしどし開発をしていくべきものだと考えます。  大体原子力問題が起こりまして、原子力発電等につきまして民間では非常な熱意をもってスタートしたのであります。しかし、その後におきまして、その熱意がある程度さめたように私は感じておる。しこうして、今後エネルギー源開発、また多様化、また国際収支等々の点から申しまして、今後私は原子力利用、ことに発電等につきましては、もっと積極的にやるべきではないかということを考えておるのであります。科学技術庁におきまして原子力利用につきまして十分検討し、せっかく技術陣の今までやってきておる努力を今後大いに進めていきたいという気持を持っておるのであります。
  7. 石川次夫

    石川委員 関連。実はこの原子力潜水艦寄港問題は、いままでも再三日米会談などの議題にのせられた形跡がありますけれども、しかし議題にはのせない、あるいは申し入れはやめるとか、あるいは会談議題にはのっかっても公表しないというような、慎重な態度をとっておったわけでございますけれども、ことしになりまして、御承知のように原子力潜水艦寄港を正式に申し入れた。これは各新聞にいろいろ報道されております。  そのうちの一つを取り上げてみますと、ことしの一月二十七日、たとえば毎日新聞で発表されておりますのは、アメリカ原子力潜水艦日本寄港せしめるということを申し入れをした。そのアメリカ側理由といたしまして、第一番目には、第七艦隊原子力潜水艦が二隊、大体八隻所属されておるということが明らかにされておるわけでございますけれども、その第七艦隊が全部日本の横須賀あるいは佐世保に寄港するときに、ポラリスでありますと単独行動を一隊を組んでやっておるわけでございますが、第七艦隊に配属されておる原子力潜水艦だけを切り離してグアム島に帰すわけにいかないじゃなかろうか、こういうふうなことが理由の第一になっておるわけであります。このことについては、ここでは議論対象にしようとは思いません。われわれといたしましては、第一次世界大戦では戦艦が花形である、第二次世界大戦では航空母艦花形である、今後の戦争——こんなことがあってもらっては困るわけでございますけれども、おそらく原子力潜水艦が今後の戦争花形になるであろうということは、世界常識になっておるわけであります。したがって、われわれとしても第七艦隊ぐるみ潜水艦寄港されるということは、単に安全性の問題だけでなくて、極東の核戦略の一角を日本がになわされるという意味で、これは反対しなければならぬという意味があるわけでございますけれども、その点はここの議論対象にはなりませんから、別の機会に譲りたいと思います。  第二番目の理由といたしましては、先ほど来、岡委員のほうから質問がありましたように、アメリカ側見解といたしましては——これは日本見解ではございません。アメリカ側見解といたしまして、日本原子力商船をつくるように非常に原子力科学技術というものは遊んできて、国民理解も深まってきておる。したがって、もうこの段階になれば、これとは何ら構造上変わっておらない原子力潜水艦、この原子炉を原動力とするところの原子力潜水艦寄港させるということには日本国民理解を持ってもいいころではなかろうか、こういうのが日本寄港を正式に申し入れ理由になっていることは、ほぼ間違いないだろう。  もしこれがほんとうだとすれば、われわれはこれに対して非常に異論がある。これはこまかいことを申し上げる時間の余裕はございませんけれども、たとえばこれは想像されるところでは、ノーテラス号は高濃縮ウラン加圧水減速冷却型熱中性子炉であり、シーウルフ号濃縮ウランベリリウム減速液体ナトリウム冷却炉である。しかし、これは事故があったので、加圧水型にかわったんではなかろうかといわれておる。これは想像である。明らかにされておらない。この公表されないということは、特に今後の戦争の中核というものが原子力潜水艦にあり、世界戦略体制が大きく変わっておるということで、特に軍機上の秘密を要するということであろうと思うのですけれども、そういう点から、何ら構造上変わらぬということは言えないと思うのです。当然これは商船とは相当の違いがあるんじゃなかろうかということが、科学者でなくても、常識的に、われわれ一般しろうともそう考えざるを得ないところであります。そういうことを考えますと、構造上何ら変わらないのだからということがはっきり言い切れるのであれば、堂々とやはり安全保障書というものを日本提出をして、寄港に際しては日本原子炉安全審査部会にかけて、確実にこれが確約できるということがあるのでなければ、そういうことはやるべきじゃないと思います。もしそれができないとすれば、アメリカのほうで言っております。原子力船建造もやっておる日本段階では原子力潜水艦寄港させてもいいのではなかろうかという論拠は、きわめて薄弱であると言わざるを得ないわけであります。  したがって、私がここで申し上げたいのは、アメリカがこういう意図を持っているということと関連して池田総理大臣の先般の答弁があったのではないかというふうに私は考えるわけであります。そうなりますと、もしここでもって原子力商船というものをわれわれは協力して——これは平和利用である。そして自主、民主、公開の原則にのっとっておるということを前提として、これはわれわれは認めるにやぶさかでない。むしろこれは積極的に推進しなければならぬという立場に立つておりますけれどもアメリカ側見解のように、構造上何ら変わらぬ原子力船をつくっているじゃないかということが理由だとすると、われわれとしては非常にこれに対しても疑問を持たざるを得ないし、懸念を持たざるを得ないわけであります。したがって、この原子力商船をここで採決をして賛成をする、全会一致で通すということの前提としては、アメリカ側に対して、このアメリカ側見解誤り——誤りであると言わないまでも、原子力商船を通したの、だから原子力潜水艦を、当然それと同じような考え方でよろしいのだということにはならないのだということを、アメリカの大使館を通じてアメリカ政府の了解を求める。それとこれは同じように混同されてもらっては困る、それとこれとは問題が違うのだということをはっきりとアメリカのほうに申し入れて、その意見の食い違いというものはただしてもらうということをぜひやってもらいたいと思うのでございます。これは外務大臣でもけっこうです。総理大臣でもけっこうでございますから、一つ答弁を願いたい。
  8. 大平正芳

    大平国務大臣 一月九日に駐日米国大使から口頭で、原子力推進力とする潜水艦寄港ついて御相談がございました。その際には、いま御指摘のように、アメリカ側はこうこういう理由日本寄港を要請するんたというようなことは、一切ございませんでした。ただ単に原子力推進力とする潜水艦寄港について御相談があっただけでございまして、何らの理由づけは私は聞いておりません。  それから、原子力基本法平和利用目的が厳粛に宣明されておりまするし、日本の国の原子力開発利用というのはこれに準拠して行なわれることは当然だと思うのでございます。先ほど総理からもお話がございましたように、原子力潜水艦の問題というのは、これは原子力基本法対象外の全然別個な問題でありますことは、これはわが国ばかりでなく、アメリカもよく承知いたしておるわけでございまして、石川先生から御指摘されたような混淆は起こり得ないと確信いたしております。
  9. 石川次夫

    石川委員 先ほど私が申し上げました新聞発表というのは、これはもちろんアメリカ側の正式の公表された寄港申し入れ理由にはなっておらないことは、外務大臣のおっしゃるとおりです。しかし、この二つの理由はほぼアメリカ考え方であるということが定説になっておるということは、疑えない事実だろうと思う。でありますから、公式に理由を言ってこないから別に弁駁する必要かないとおっしゃれは、そうかもしれませんけれども国民不安動揺を抑えるというふうな意味もありまするし、いろいろな理由からしまして、原子力船建造はやっているのだから、商船建造をやっているのだから原子力潜水艦もいいじゃないかという印象を与えることになると、非常にわが党としては問題になるわけです。そういうこともありますので、何らかの機会に、原子力商船が通ったということになっても、それと潜水艦の問題は違うのだということを、やはり外務大にのほうからアメリカ大使館を通じてでも——これは通ったから潜水艦の問題はそれでいいんだ、非常にやりやすくなった、平たんな道が通じたのだという印象を与えると非常に困りますので、それを正式に何らかの形でもって向こう意思表示をしてもらわなければ困るということを申し上げたわけです。もちろんこれは向こうから正式に理由としては言ってこないと思いますけれども常識としてはこれが定説になっているということです。
  10. 大平正芳

    大平国務大臣 心得て配慮いたします。
  11. 寺島隆太郎

    寺島委員長 本件に関連して、西村関一君。
  12. 西村関一

    西村(関)委員 ただいま総理岡委員に対し標して、原子力船開発原子力潜水艦寄港問題とはうらはらではない、別個のものだという御答弁がありました。総理真意もほぼ理解をいたしたわけでございます。申し上げるまでもなく、また総理が心配しておられますように、原子力の持つ歴史的な意義と申しますか、平和利用世界的情勢というものに対処して日本が最善を尽くしていかなければならないということは、いまさら申し上げるまでもないところでございますか、さらに原子炉自体の持つ危険性というものに対しまして、日本のすぐれた科学者たち平和利用のために多大の苦心を払っている。何とかして平和利用に十全を期していきたい、原子炉の持つ危険を除去していきたいという限りない努力を重ねておるのに対しまして、今日また安全性の問題については十分な確認を得ることのできない原子力潜水艦の問題とこれをからませていくような、ただいま発言のありましたようなアメリカ側の一部の発言、また政府当局発言等につきましては、総理真意理解するにやぶさかではございませんけれども国民に混乱を与える、国民に疑惑を与えるということがあってはならない。その点は明確に、今後政府当局におかれましては十分な配慮をしていただかなければならぬと思うのでございます。従来は間々そのような混淆があった、これはいなむことができないと思いますので、その点あらためて総理のお考えをお伺いいたしたいと思います。
  13. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほどお答えしたことで尽きると思いまするが、これは今後の科学技術の進展に伴い、またいろいろな方面から原子力に対する理解を深めつつ、私はこれをうんと利用していくということが必要あると思います。したがいまして、安全性につきましてはこれはこの上とよ科学者努力にまって、原子力に対しての国民の親しみと申しますか、理解というものをあらゆる方面から進めていきたいという考えでおるのであります。
  14. 岡良一

    岡委員 いま総理安全性について繰り返し触れておられまするが、聞くところによれば、原子力潜水艦安全性については科学的なデータを入手することが、いわゆる軍事機密の名においてきわめて困難であるということが伝えられております。たとえば原子力船あるいは潜水艦安全性を評価する第一のファクターは、やはりその潜在的危険性の評価であろうと思います。そのためには、やはり原子炉そのもの構造にまで触れていかなければならない。ところが、そういう科学的なデータというものは何ら与えられておらない。日米原子力協定なり日英原子力協定によって相手国に対してはきびしい査察権を与え、国内においても原子炉を設置する場合にはこれまた非常にきびしい規制を加えておる。ところが、それにもかかわらず、草市機密の名においてわれわれとしてはその安全性を科学的に自主的に立証することができないがままにその原子力潜水艦寄港を認めるという。これは私どもとしては納得し得ないと思う。総理国民安全性について納得し得るように努力すると言われまするが、具体的にそれではいかなるデータを示すことによって国民が納得し得ると思われまするのか、この点の御所見を承りたいと思います。
  15. 大平正芳

    大平国務大臣 私ども最も芳心をいたしておる点でございます。いままで米国原子力潜水艦寄港いたしました国は米国を除きまして十三カ国ございます。百回以上の寄港実績があるわけでございまするが、ただいままでのところ安全性について危惧はないとアメリカ政府は言っております。それから、寄港いたしました出先の国々から、いま岡委員が御指摘のように安全保障書その他の安全性についての資料の要求というものはなされていないと承っております。そしていま御指摘用事機密というものは、国際慣例としてお互いに尊重するというたてまえが貫かれておるように伺っております。  しかしながら、わが国といたしましては、御案内のように、原子力というものについての国民的な感触と申しますか、これは世界に類例のない特異なものである、私どももそう思っておりまするし、米国政府並びに軍もそのように心得ておられると思うのでございます。そこで、過去に例がないことでございますけれども政府部内の科学的な頭脳をわずらわしまして、安全性について草市機密の有無にかかわらず解明すべき疑点を取りまとめまして、ただいままで数回アメリカ側照会をいたしておるわけでございます。参りました回答をさらに吟味いたしまして、さらに追加質問すべきものはいたしておるわけでございます。  私どもの願いとしては、こういった私ども安全性の検討が一応全部終わりまして、そして国会を通じて国民に御報告いたしまして御論議をいただくというようにしたかったのでございますけれども、この問題は寄港という問題がありまして、とたんに国会の内外で問題になりましたことは御承知のとおりでございます。しかしながら、私どもとしては最初考えました手順を克明に踏んでまいりまして、先方の回答が一応そろったところであらためて国会を通じまして御報告申し上げる用意をしており失するし、またそうしなければならぬと心得ておるものでございます。したがって、そういった点が取りまとめられた段階におきまして、安全性の問題というものについての御認識をいただきたいと考えております。ただ、ただいままでの照会の往復によりました経過から申しますと、回答ができないというアイテムも相当ございます。これはいうところの軍事機密に相当する部門であると思うわけでございます。しかしながら、それにつきましても、最大限科学者が自主的に検討したいというお気持があるわけでございますから、解明すべきものは最大限解明すべく努力をいたしておるわけでございます。政府最大限努力をいたしまして、なお解明できないという個所が残るかもしれませんが、その領域につきましては、私はアメリカ政府、軍、科学者等が苦心いたしまして今まで運航の実験もたびたびされておりまするし、また運航実績につきましていろいろ神経質にお調べになられた経緯もございます。したがって、アメリカ全体の科学水準安全性保証水準というようなものをぎりぎり決着の点におきましては信頼するよりほかに道がなかろうと考えております。
  16. 岡良一

    岡委員 外務大臣に私御答弁を求めているのではございませんが、しかし、いま外務大臣の御答弁はきわめて私は非科学的だと思う。すでに十三カ国、百港余の港に寄港している。しかしスレッシャー号沈没事件が起こったじゃありませんか。こんなことが今後起こり得ないという保証がございましょうか。私はこの機会スレッシャー号百二十九名の乗組員や御家族の方々には衷心から哀悼の意を表したいと思うのでございますが、こういう教訓を生きた教訓としてわれわれ生かさなければならない。ただ、かつて百余の外国の港に寄ったが一向事故が起こらなかったという、しかしその口の下からスレッシャー号沈没が起こっておる。こういうことは全然安全性の科学的な根拠にならない。  いま一つは、アメリカ科学水準に信頼をすると言われますが、こういう記録がございます。これはアメリカ原子炉安全諮問委員会委員長から、アメリカ原子力委員会委員長にあてた手紙の抄録でございます。一九五八年、アメリカ国会原子力合同委員会において発表された記録でございます。  原子炉安全装置諮問委員会指摘したいのは、原子力船がまだ一般大衆に危険を及ぼす可能性から完全には解放されていないということである。放射能が漏れる可能性は少ないが、やはりいつもその可能性は存在している。……種々の地点において原子力船を建設、運転、修理する際、安全が保証されるかいなかは、最初に潜在的危険の可能性を正しく評価したかいなかにかかっていることを、委員会は繰り返し強調したい。  このいわば安全性を評価する、潜在的危険性を評価するということが、軍事機密の名においてわれわれにはできない。そうしてみれば、われわれはこの安全性というものを科学的に全然立証し得ないというようなことになる。しかも、アメリカ原子力委員会とは独立に、アメリカのあらゆる原子炉安全性については権威を持って判断をしている原子炉安全諮問委員会委員長原子力委員長に対して、原子力船安全性についてはこういう疑問符を投げている。公の合同原子力委員会に対してこういう疑問符を投げつけている。アメリカ科学技術水準に一応信頼すると言われますが、アメリカ科学技術水準原子力船危険性安全性というものに対してまだ信憑性を持っていないということをこの記録は物語っておるではありませんか。してみれば、他の国の港へ入った場合、スレッシャー号事件のような不慮の事件が起こり得るということは、切実の生きた教訓としてわれわれはこれを学びとらなければならない。あるいはアメリカ原子炉安全諮問委員会委員長原子力委員長に対して、原子力潜水艦安全性についてこのような警告的な手紙を寄せておるのです。してみれば、外務大臣安全性のよって立つ根拠であるところの他の港々に寄ったけれども異常がなかった、あるいはアメリカ科学技術水準の高さに依存するということは、これは全然安全性を立証する、国民を納得させるほどの資料にならないと私は思うが、どう思われますか。
  17. 大平正芳

    大平国務大臣 スレッシャー事故について言及がございましたが、過去におきまして私ども承知しておる範囲におきましては、原子力潜水艦事故が、スレッシャー号事件ばかりでなく、十回ほどございましたが、これは通常の船舶事故でございまして、原子炉にからまる事故じゃないということが言われております。スレッシャー号につきましては目下権威のある調査委員会ができまして、あらゆる手段を尽くしまして事故原因の究明に乗り出しておりまして、私どもはその経過を注目いたしておるのでございます。現在まで判明いたしておるところでは、この事故は深度潜航テスト中に起こったものでありまして、原子炉事故等によるものであるとの徴候はただいままでのところは全くないと米国政府が言明しております。しかし、これはこれから事故原因が究明されるでございましょうし、それを注目して待ちたいと思っておるものでございます。  それから、安全性の問題でございますが、いま一九五八年のお話がございましたが、そのように安全性の問題というものを保証していくべくアメリカ政府並びに軍が最善の努力を尽くしておる証左であろうと思うのでございます。  ただ私が申し上げておりますのは、軍事機密というものは国際的に尊重し、保障しなければならぬ慣例でございますけれども科学者の要請によりましてこれを解明していく努力最大限やるのだということをいま申し上げたわけでございます。岡さんのおっしゃるように言いますと、全部自主的に検証できなければ安心できない、これは科学的良心から当然のお気持でございまして、それは私は尊重しなければならぬことだと思いますけれども、遺憾ながら国際慣例上尊重しなければならぬ軍事機密の限界というものがあることもまた事実でございまして、その限界内のことにつきましてはアメリカ科学水準、また安全性保証の実験、努力、成果、そういうものを尊重してまいる以外に選ぶ道がないじゃないかということを申し上げておるわけでございまして、自主的に検証してみずからの手で安心したいというお気持は科学的良心の発露でございまして、これは当然のことだと思いますが、遺憾ながらそれに限界があるということを申し上げざるを得ないし、それに対処して具体的にどうするかということを考えなければならぬのが私どもの任務ではないかと思います。
  18. 岡良一

    岡委員 私は総理にお尋ねをしておるのでございますが、先ほど私が若干引用いたしましたように、アメリカ科学水準においても原子力潜水艦原子炉安全性というものについてはむしろ危険性の警告が事実上行なわれておる。またスレッシャー号事件に顧みましても、これまで百あまりの港に寄港したけれども異常がなかったというが、スレッシャー号沈没事件によって、そういう不慮の事件が起こり得るという生きた教訓があり、しかも、科学的なデータをわれわれが最大限得るといたしましても、さっき申し上げましたように最も科学的なデータであるべき潜在的危険性の評価というものをわれわれは入手することができない。  いま外務大臣の御答弁を聞いておれば、原子力潜水艦寄港を認めるという前提に立ってあなた方は努力しておる。そうではなく、ほんとうにその安全性を確保し得るかどうか、国民の利害と密接に結びつく安全性を確保し得るかどうかという観点からこの寄港の問題を措置するというのが政府の当然の態度でなければならぬ。また、総理の先ほどの御答弁安全性を強調しておられますが、そのお気持だろうと私は思うのです。特にこの原子炉安全性の問題は、こうして御存じのように国内においても原子物理学の専門的な権威がこぞって反対をしておる。反対の理由は、安全性に対する科学的な立証をし得ないというところにある。こういう事情を考えましても、総理はやはり科学的な安全性の立証なくしては寄港を求むべきではない、この立場に立たるべきであって、外務大臣のようにあらかじめ寄港することを前提として、ただ最大限に安全のデータを集めようなどというような非科学的な態度であってはならないと私は思う。この点について総理から明確な御見解をお示し願いたいと思います。
  19. 池田勇人

    池田国務大臣 安全性を確保しつつ寄港問題を検討していこうというのであります。外務大臣の答えたとおりでありまして、初めから入れることを前提とするわけではありません。入れるにつきましては過去の実績、そしてまた科学的論拠を究明いたしまして、これなら安全性が一応確保できるものという認識の上に寄港の問題を解決しようといたしておるのであります。
  20. 岡良一

    岡委員 総理もお時間のようでありますから、外務大臣にお尋ねをいたします。私が先ほど申し上げたことは、要するに他の国の港に寄港した事実はこれまで相当あるけれども、しかしながら、スレッシャー号事件のような大きな事故が起こっておるということ、してみれば、これまで安全のうちに他の国々の港に寄港したということは、必ずしも原子力潜水艦運航安全性を立証するものではないということを御確認になるかどうか。いま一つは、アメリカ科学水準に信頼すると言われますが、アメリカ原子炉安全諮問委員会委員長発言にもあるように、原子力潜水艦危険性が警告的に指摘されておる。この事実を外務大臣お認めになるのか。してみれば、あなた方はこの原子力潜水艦安全性というものを確認し得る手段というものはないはずである。あなた方の立証される各国に安全裏に寄港したとか、あるいはアメリカ科学水準が高いからこれに信頼するというあなた方の安全性に対するデータというものは、くつがえされておるではありませんか、そのほかに、何で一体安全性というものをあなた方は確認されようとするか、この点はっきり御答弁願いたい。   〔委員長退席、山口(好)委員長代理着席〕
  21. 大平正芳

    大平国務大臣 先ほど申しましたように、政府部内の科学者の方々の御意見を伺いまして、究明すべき点をいま究明中でありまして、それが一応まとまりますれば御報告申し上げたいと思います。
  22. 岡良一

    岡委員 この問題は、いずれまた後刻われわれの委員会において原子力委員会の諸君と十分議論を戦わしたい。  そこで、外務大臣にお尋ねするが、先ほどスレッシャー号沈没の原因は原子炉事故ではないということをおっしゃった。それを強調されております。外務大臣は、原子力潜水艦安全性というものは、それを動かす推進力である原子炉安全性と同じものと見ておられますか。
  23. 大平正芳

    大平国務大臣 先ほど申しましたことは、米政府当局がそういうことを言明しておるということを申し上げたわけでございまして、私は科学者でございませんから、政治の問題といたしまして、究明すべき安全性最大限に究明しなければならぬということで努力をいたしておるわけです。
  24. 岡良一

    岡委員 私が申し上げたいことは、この原子力潜水艦安全性というものに二つあると思うのです。一つは、その原子炉そのもの安全性一つ原子力潜水艦運航安全性というもの。もしこれが普通の貨客船であれば、人や物の損害で済むわけです。しかし、原子力潜水艦なり原子力船というものが、万一サルベージの手の及ばないようなところにおいて、特に日本の近海のごときにおいて、もし沈没するならば、人間は制御することができないから、原子炉は運転を続けるであろうし、その結果、あるいはまた不慮の爆発が起こり得ることも十分考えられる。であるから、安全に運航し得るかどうかということは、これは原子力潜水艦安全性の評価の上において重要な問題なんです。何も原子力潜水艦原子炉の安全であるかどうかということではない。そのことと同時に、運航安全性というものに対しては、われわれは十分に関心を持ち、検討しなければならぬ。スレッシャー号事件は、その運航安全性というものに対しては、安全性がないということの生きた証拠だと思う。そう思いませんか。何も原子炉事故に基づいてスレッシャー号が沈んだのではないから、したがって、原子力潜水艦は安全なんだとは言えない。たとえどんな理由であろうとも、アメリカが九カ月もかかって大きな改装を加え、しかも完全にオーバーホールを終え、最初の深海潜水の実験の、その二日目に沈んでおる。これは運航上の安全性という問題を、ここに十分われわれは考えなければならぬ。これが、もし日本近海においてそういう事故が起こったならば、一体どうしますか。制御するもののない原子炉が、日本の近海において、どんどん原子の火が燃えているというような状態では、海洋が放射能汚染をすることは当然です。それはまた、日本人のように、お魚を平生の常食にしておる国民にとっては大きな不安を与える。  だから、原子力潜水艦安全性というものは、原子炉安全性だけではない。運航安全性という問題がある。これをスレッシャー号のこの事故に学んだならば、私ども原子力潜水艦寄港は、やはり国民の利害の立場においては、一時これはお断わりをするのが、私は政府国民に忠実なゆえんじゃないかと思う。あなた方のお話を聞いておると、寄港を認めるという前提において、何か国民の前にこじつけを盛んに策動しておられるように思えてしかたがない。何らの科学的なデータというものなしに、ただ最大限というふうなまやかしのことばでもって、国民の納得のないがままにそれを認めようという態度であるならば、これは私どもとしては黙っておる問題ではない。原子力潜水艦安全性というものは、原子力潜水艦運航安全性の問題です。スレッシャー号事件は、明らかに運航安全性というものが今日確保されていないということを物語る。この生きた教訓を学ぶならば、原子力潜水艦寄港というものは、これはお断わりをするのが、国民に忠実なゆえんだと私は思う。外務大臣の御所見を承りたい。
  25. 大平正芳

    大平国務大臣 原子炉自体安全性はもとより、運航安全性も確保されなければならぬということは、岡委員のおっしゃるとおりでございます。したがいまして、そういう点につきましても、あらゆる疑点を究明中でございます。  それから、寄港を断わるのが国民に忠実なるゆえんだというお説でございますが、本来これは寄港を断わるとかというような性質のものではないのでございまして、本来先方が寄港を決意すれば、先方にはそういう権利が付与されているわけでございます。しかし、先ほど冒頭にも申しましたように、日本国民感情というものは特異なものがあるということを、日本ばかりじゃない、アメリカ承知いたしておりまして、私どもがこういう検討をいたしている間、当然先方も自制しているわけでございます。くれぐれも申し上げますけれども、私どもは別にこれをことさらにかまえて、国民に誤った認識を扶植するというようなことは毛頭ないのでございまして、すなおに、かつ誠実に、かつ精力的に安全性の究明をとことんまでやりまして、御理解を得るように努力中でございます。
  26. 岡良一

    岡委員 このスレッシャー号沈没事故の原因の究明については、ポーツマスあたりで査問委員会を開いている。これなんかの経過をいろいろ調査してみましても、おもなる点については秘密会を要求して、秘密会でやっている。またトリエステ号が深海実験をやろうとしても、一体スレッシャー号がどこにいるかわからない。垂直潜航するトリエステ号は、これがソーナーで発見できない限りは、沈んでいってもこの現状を把握することができないということも伝えられている。だからして、この事故の原因というものは、あるいはタイタニック号の二の舞いで、永久のなぞに閉じ込められるかもしれない。  問題はそういうことじゃない。安保条約をいま引き合いに出されましたが、一体安保条約を、日本国民の利害というものにかかわりなく、日本の近海において重大な海洋汚染が起こる。七万キロなり十万キロワットの原子炉、これが無制御のままに運転されることによって生ずる海洋汚染というもの、それが国民の大きな利害に結びついていることは言うまでもない。こういう危険を賭してまでも、アメリカの艦艇というものが自由に日本の港湾に出入りできる。安保条約というものはそういうものです。こういうことを賭しても、なおかつ安保条約においては、日本の港湾というものがアメリカの艦艇の使用に供されなければならぬものですか。そういうふうに外務大臣は解釈しておられますか。
  27. 大平正芳

    大平国務大臣 安保条約で約束をいたしておりますとおり、事前協議事項という制約がない限り、アメリカの軍艦が日本の施設を利用できるということは当然のことだと考えております。そのことと、それから安全性の問題は、これは全然別個に判断すべき問題だと思います。
  28. 岡良一

    岡委員 どういう点で別個でございますか。私がお尋ねを申し上げたのは、スレッシャー号事件の二の舞いがもし日本近海で起こったならば、海洋汚染が起こり、国民の栄養にも重大な影響があり、ひいては国民に大きな不安と恐怖を与える。こういう犠牲を賭してまでも、アメリカの艦艇が日本の港湾を自由に使用してもいい、こういう趣旨が安保条約の趣旨であるのかどうか、外務大臣はそのように理解をしておられるのかということを私は承っておる。
  29. 大平正芳

    大平国務大臣 私が別個の問題であると申し上げたのは、安保条約の条項はそうなっているということでございまして、しかし、岡委員が御指摘されたように、国民の不安というものを解消してまいらなければならぬのは、これは当然政治の責任でございまして、さればこそ私ども安全性の究明に最善の努力をしていると申し上げておるのです。
  30. 山口好一

    山口(好)委員長代理 山口鶴男君。
  31. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。予算委員会の分科会におきましてお尋ねいたした問題でございますけれども、かつて防衛庁長官は記者会見におきまして、中国が近く核実験を行なうであろう、これに関連をいたしまして、日本の科学が中国よりもはるかにすぐれている、中国の核実験により日本国民が心理的にも圧迫をされることのないように、日本政府原子力船の建設に踏み切ったことは非常に好ましい、こういう言明をいたしたことを取り上げまして、長官の真意をお尋ねいたしたのであります。長官は、私としては中国の核実験という事態に対して原子力商船開発は好ましいことだ、こういう見解を持っておる、こういうことを繰り返してお答えになっておるわけであります。このような防衛庁長官の見解が公表せられ、国民承知しているということになりますならば、何か今回の日本における原子力船開発というものが、純粋な意味における平和利用ではなくて、中国の核実験に対抗するための手だて、こういうことを政府の重要な当局者が考えておるということになりますならば、平和利用に限って原子力開発していくという原子力基本法の精神に明らかに違反する問題でございますし、また、誠実に原子力平和利用につとめておる日本科学者の諸君にも大きな脅威を与える問題ではないかと私は思うのであります。この際、長官の真意をお答えいただきたいと思うわけであります。
  32. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 中共の核実験の準備と日本原子力商船建造問題は、何も因果関係がないのでございます。また、あるはずもございません。全く別個なものでございます。  ただ、私の感想といたしましては、日本では、原子力商船建造をするということは、確かに好ましいことでございます。また、中共が核実験の準備をやろうがやるまいが、日本の優秀な科学技術を示す絶好な機会でございます先生にも分科会でお答えをいたしまして、速記録にも明確に私の答弁が載っておるのでありますが、すでに日本原子力に対する国是は決定いたしておるのであります。しかも、原子力商船建造は、この国是でありますところの原子力基本法の崇高な精神の上に立ってやっておるのでございます。これは中共の原子爆弾の開発とは何ら因果関係はないのでございまして、そうした私の感想を述べたことが新聞にまちまちに伝えられておるのでございます。私の舌足らずがいろいろ疑問を生じたとすれば、まことに残念なことでございまして、私の真意は以上申し上げたとおりでございます。
  33. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 大臣は分科会で私に、最後にこう答えておるのです。  「私の申し上げたことが、そのまま新聞記事になっておるのでありますから、これをどういうふうに受け取るかは、これは国民の自由であると私は思うのであります。」  大臣、こう言っておるのですよ。そういたしますと、いまの御答弁とは違いまして、私の言ったことが新聞に載っておる、どう受け取るかは国民の自由だということは、明らかに両方組み合わせて、核実験をやる、これに対抗する意味原子力船開発をやることは好ましいのだ、これが大臣のほんとうの気持だということを最後に述べておるのですよ。そういたしますと、いまの御答弁では、この予算委員会第一分科会の最後の御答弁誤りであって、これは取り消す、そうして現在の大臣の心境としては、これは全く別個であって、原子力基本法の精神にのっとって原子力商船開発をやるのだ、こういうことでございますか。
  34. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 私がただいま申し上げたとおり、私の舌足らずがいろいろな誤解やらあるいは疑問を生じたとしますならば、非常に遺憾なことでございまして、まことに残念なことでございますが、私の真意は、先生がただいまお話しくださいましたとおり全く別個のものでございまして、これまた因果関係があろうはずがないのであります。ただ、私の真意国民がどういうふうに受け取るか、これは自由でございますが、いま申し上げたように、私の舌足らずが誤解を生んだとすれば、はなはだ残念でございまして、さように御了承賜わりたいと思います。
  35. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 舌足らずとかなんとかいうことでなくして、男ですから、あっさり間違ったと取り消したらどうですか。
  36. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 これは私の気持ちを申し上げたのでございまして、その気持ちを国民がどういうふうにとるかわかりませんけれども、また私の気持ちを述べるその表現が舌足らずであったとすればはなはだ遺憾であって、遺憾の意を表する次第であります。
  37. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 もう少しはっきりわかるように、具体的に言えませんか。
  38. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 どうも私は東北人でございまして、元来舌足らずに生まれておるのでございますから、この程度で御了承賜わりたいと思います。
  39. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 それでは、ここにある最後の御答弁真意ではないわけですね。
  40. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 何度も申し上げるとおりでございまして、どうかさように御了承賜わりたいと存じます。
  41. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 大臣のお話がございましたが、別個の問題でありますが、はっきりしておきたいと思います。  原子力基本法に対する長官の考えでありますが、現在の日本原子力平和利用に限定をいたしております。原子力潜水艦の問題は、原子力委員会が、日本の国内法の及ぶ範囲ではないということで、統一見解を出しておるのでありますが、きわめて遺憾であります。日本国内における防衛庁の装備、これにつきまして、核分裂あるいは核融合によるエネルギーを利用するもの一切について、それを利用するということについては、私は明らかに原子力基本法違反だと思いますが、この点はどうでしょうか。
  42. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 その点は専門的な、技術的なことでございまして、私のほうの防衛局長がおりますので、防衛局長から答弁させます。
  43. 海原治

    ○海原政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたように、核分裂または核融合を破壊力として利用する、すなわち、兵器として利用するもの、これを自衛隊が持ちますことは、原子力基本法違反でございます。
  44. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 それは不十分だと思います。核分裂、核融合、短時間に行なう場合が原子爆弾であります。核分裂を徐々に行ないます場合の利用一つ原子炉であります。したがって、原子炉自体は核分裂のエネルギーを利用しているものであることは明らかでありまして、私は、やはり核分裂、核融合のエネルギーを利用するもの一切について、これを用いることは、いわゆる推進力として用いる場合ももちろん含まれますが、これは国内における自衛隊の装備としては原子力基本法違反である、この点だけは明らかにしていただきたいと思います。
  45. 海原治

    ○海原政府委員 ただいま私の申し上げました点は、兵器として利用するという点に焦点がきておるわけであります。兵器として利用するということを申し上げましたのは、核関係のエネルギーを——私も専門家ではございませんからよくはわかりませんけれども——たとえば医学的な面で利用するということも将来あり得るかもしれません。そういうことにつきましては現在問題になっておりませんけれども、ただいま考えられておりますいわゆる核兵器というものは、先ほども申しましたように、核の分裂あるいは融合のエネルギーを利用したものでございます。こういうものを持つことは現在の原子力基本法から禁じられている、これははっきりしているということを申し上げた次第であります。
  46. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういたしますと、いわゆる原子爆弾という、短時間においてそのエネルギーを利用するものだけではなしに、たとえば原子力船というような、徐々に核分裂のエネルギーを利用していく、こういうものについても、兵器としてそれを用いることについては全く原子力基本法違反である、こういうふうにお答えになったわけでございますね。
  47. 海原治

    ○海原政府委員 いま先生のおっしゃいましたことは、たとえばわが海上自衛隊が原子力潜水艦を持つ、こういうことができるかどうかという趣旨の御質問だと思いますが、この点につきましては、先般、この委員会でございますか、ほかの委員会でも、政府見解を申してございますが、現段階では、自衛隊が原子力潜水艦を持つということは原子力基本法にいうておりますところの平和的利用とは言えない。将来原子力利用しました推進力というものがきわめて普遍的になりまして、その辺至るところでこういうものが船舶の推進エンジンとして利用されておるということになった場合に、はたして自衛隊が持つことができるかどうかということは、その当時の状況によるのではないか、こういう考えでおりますことを政府の統一見解として申し上げておる、このように私は承知いたしております。  もう一度申し上げますと、現段階におきまして、原子力潜水艦を海上自衛隊が保有するということは、原子力基本法に書いてございますところの原子力の平和的利用ということは言えないであろう、こういうことでございます。
  48. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 将来において原子力エネルギーを利用する推進力が通常の状態になった場合、というようなことを想定していろいろなことを言うておられるようでありますが、このようなことはいま考えられますか。いま日本では、九カ年計画でやっと原子力船一つつくろうかどうかという審議をやっているところじゃありませんか。/かも、サバンナ号にしろレーニン号にしろ、安全性の問題についてはまだいろいろ議論のあるところです。日本ではこれから九年がかりでつくろうというような段階です。それを先ばしって、もう日本国じゅう原子力推進力というものが通常になった場合はこうであるというようなことを、何で言う必要があるのですか。
  49. 海原治

    ○海原政府委員 私どもはあくまで防衛立場でいろいろ事務的にものを考えておる次第でございますが、将来のことをなぜ言うかということに関しましては、現にただいまアメリカの宇宙船が飛び回っておるわけであります。こういうことは数年前にはちょっとそう簡単には行なえないだろうということをだれもが考えておったわけでございます。あるいは水中翼船というものがレジャーにも利用されておる。この水中翼船開発にいたしましても、四、五年前には必ずしも今日のような状態が予測されておりませんでした。したがいまして、現在のように非常に科学技術の進歩の著しいときに、私が申し上げましたような例がはたして何年後にくるかどうかということにつきましては、これはいろいろ御見解もあろうかと思いますが、しかし法律の解釈になりますと、そういう場合も考えまして、私どもとしましては一応私ども考え方を申し上げるという点につきましては、ひとつ先生の御了承を得たい、このように考えております。
  50. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 法制局長官も同じようなことを答えておられまして、私どもとしてはきわめて疑義のあるところでありますが、少なくとも現在の日本が、第一船をこれから着手しようかどうかということが現在議論されているという段階で、そのような遠い将来のことについて——それは宇宙船が確かに飛び回っていることも事実であります。それから、指摘されたような現象があることも事実でありましょう。しかし、原子力というものを動力炉に使い、それを推進力に使うことがいかにむずかしい問題であるかということは、先ほど岡委員指摘されたスレッシャー号事件でも明らかではないですか。そういうわけでありまして、防衛局長がそういう将来のことを想定していろいろ述べておることについては、われわれきわめて不満であります。  やりとりになりますから終わりたいと思いますけれども、少なくとも防衛庁におきましては、現在の日本原子力基本法、特にその第二条、これを厳格に守って、そして対処していく、この決意だけを防衛庁長官からひとつお伺いをいたしておきたいと思います。
  51. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 いろいろ示唆に富む御意見は、しかと心得ておく次第でございます。
  52. 山口好一

    山口(好)委員長代理 同じく本件に関連して、田中織之進君。
  53. 田中織之進

    ○田中(織)委員 先ほど外務大臣総理大臣から、アメリカ原子力潜水艦日本寄港問題について、寄港を認めるという前提に立って安全性の問題について現在アメリカ側に確かめ、また日本側としてその点を納得のいくような検討を続けておるのだ、こういう点を繰り返して述べられたように伺ったのであります。  ところが、私の聞くところによりますると、アメリカ原子力潜水艦が一番最初に寄港するといわれる佐世保に、すでにアメリカ原子力潜水艦寄港した場合の受け入れ態勢の設備が進められておるということを私聞くのであります。この点が事実なのかどうか。これはアメリカ側で施設を進めておられるのか。それとも受け入れ側としての日本が、今度は調達庁も防衛庁長官の所管になっているわけなんでありますが、それはどういうような関係でその施設を進められておるのか。また、その予算はどういう関係から支出されておるのか。この際明確にしていただきたい。
  54. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 ただいま田中先生から御指摘にたりましたが、そういう事実は私は全然承知いたしておりません。何かあれば私に直ちに連絡があるはずでございますが、何らないのでございますから、これは何か風評でなかろうかと思うのであります。
  55. 田中織之進

    ○田中(織)委員 私どもの党にこの寄港問題に対する特別対策委員会がございますので、私どもは来週になりますると佐世保の実地について調査を進めることに実は相なっておるのでございます。私の伺ったところによりますと、原子力潜水艦が佐世保港に入った場合に、外界との遮断というか、スレッシャー号のような問題が起こらないための浮きドックみたいな施設が現に進められておる、これはまごうことなき事実である。このように私どもは報告を受けておるのでありますが、長官が言われたように、日本政府の関知するところでそういう施設が進められているということは絶対にないということを、ここではっきり答弁ができるかどうか。この問題は、あと一週間ぐらいの間に事実問題として明確になる問題なんです。  私どもはこういう事実の上に立って考える場合に、先ほど岡委員からも執拗に追及いたしましたように、日本政府はすでに寄港というものを前提にして、国民の間からほうはいとした反対の機運が高まってきておることをただ説得できる、こういう立場でいろいろ安全性の問題等をいま検討を続けておるという段階で、事態はもっと深刻に進んでおる、このように私どもは受けとめておるわけであります。防衛庁長官に重ねてお伺いいたしまするが、その点は自分の所管ではないが、どこかで進めているのだというようなことではならない問題だと思うのです。当然会期の延長もあることでありますし、この国会の会期中に事実が明白になる問題ですが、その点はいかがですか。
  56. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 私は昨年の十一月渡米いたしまして、海軍の軍事施設も若干見たのでありますが、その際、ノーテラス型原子力潜水艦も見たのであります。これは普通の波止場に横づけにいたしておるのでありまして、私の承知する限りは、原子力潜水艦といえども普通の潜水艦と同じように岸壁にこれを係留する、それが通常のようでございます。したがって、ブイを浮かべて、ブイなどにこれをつなぐというようなことはむしろ危険性のあることでありまして、これは私ども常識から判断いたしまして、そういうことはないと信じております。特に原子力潜水艦を係留するために特別な施設をやるということになりますれば、私の管轄であります防衛施設庁のほうに何か連絡があろうし、またそれぞれ出先がありますから、何かの連絡があってしかるべきだと思うのでありますが、いまだにそういう連絡がございません。おそらく通常の岸壁にこれを係留するように私は承知いたしておるのであります。
  57. 田中織之進

    ○田中(織)委員 その点はいずれ一週間を出ずして事実が明白になると思いますので、私はそのときにあらためて伺うことにいたしたい。  もう一点伺いますが、それでは防衛施設庁の関係で、最近に佐世保港に何らか新しい施設をやっているという事実はございませんか。
  58. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 私が承知する限り、何か重大なことを、あるいは特別な施設をやる場合には、必ず私のところに連絡があるのでございますが、連絡がないところを見ますと、何もないのじゃないか、かように承知しております。
  59. 田中織之進

    ○田中(織)委員 その佐世保港における新しい施設の関係は、防衛施設庁の関係ではないというふうに受け取っていいんですか。ただし港湾関係ということになるというと、たとえばこれの主管省が運輸省でありますから、運輸省関係などではどういうことをやっているかということについては御存じないというのですか。少なくとも私どもの知り得る範囲内においては、新しい施設が進められておるという、これは厳然たる事実があるわけなんです。長官、一週間足らずして、うかつであったというわけには参らないので、念のために伺うのですが、いかがですか。
  60. 志賀健次郎

    ○志賀国務大臣 ただいま申し上げたとおり、現在まで何ら報告がございませんが、念のために防衛施設庁をしてよく調べさせた上でお答えをいたしたいと思います。
  61. 岡良一

    岡委員 志賀防衛庁長官と大平外務大臣、御両所にお伺いいたしたいと思います。  いま山口鶴雄君からの御発言でございますが、志賢長行は、日本における原子力船開発と中共の核実験との間には因果関係はない、これは舌足らずであったということの御発言でございました。ところが、原子力潜水艦寄港と中共の核実験と密接な関係がふると思う。これは政府がわれわれに配付された資料かと思いますが、たとえばモスクワ放送二月九日付、日本原子力潜水艦寄港を認めるということに対して非常に手きびしい批判を加えておる。また、中共の人民日報は一月十日付、やはりこの寄港問題については非常に手きびしい批判を加えておる。私は簡単に要点を読んでみます。  「最近、米国は日米「安保協議委員会」第二回会議とギルパトリック米国防次官の東京訪問を通じて、日本米国の核戦争準備の泥沼に引き入れようと極力つとめている。この方面での重大な動きの一つは、米国原子力潜水艦日本寄港日本政府が同意するよう迫っていることである。」云々ということです。「米国日本を基地に利用してアジアで核戦争準備を強化しているが、そのほこ先は明らかに中国とアジアのその他の平和を愛好する国に向けられている。」  こういう趣旨なんです。私はこういう趣旨が正しいかいなかということを申し上げるのではございません。しかし、こういう主張がいま原爆実験をなさんとする国のその党の機関紙において堂々と主張されているということは、中共の原爆実験を合理化することになりはしないか。あるいはそれを促進することにたりはしないかという懸念を、私は正直のところ持っておる。この点について、外務大臣あるいは防衛庁長官は、どういうふうにお考えになりますか。
  62. 大平正芳

    大平国務大臣 それは、はなはだ誤解に基づいておると思うのでございまして、アメリカ原子力潜水艦寄港は、日本アメリカへ攻撃の基地を提供するというものでもたければ、核兵器のための基地を提供するものでもないわけでございまして、私どもといたしましては、核兵器の持ち込みというものは認めないという不動の方針に立脚いたしまして、安保条約の運営をやっておるわけであります。そういうことを御承知のない論評であると思います。
  63. 岡良一

    岡委員 日本は、国連総会のつど、原爆実験の停止、ひいては核兵器の廃絶に関する決議案を出しておる。ところが一方、たとえ誤解であろうとも、中共側としては、日本において原子力潜水艦寄港を認めることは、核基地を提供することだという立場に立って、自分の原爆実験を合理化するその理由日本が与えるということになるならば、国連総会で原爆実験反対を叫んでおる日本の国際的信義という立場からは、非常に疑義があると思う。この点については、外務大臣なり防衛庁長官はどうお思いになりますか。
  64. 大平正芳

    大平国務大臣 いま申し上げたとおりでございまして、誤解をただしていただきたいものと思います。
  65. 岡良一

    岡委員 しかも、そういうことで、原爆実験がはたして行なわれる。いずれ四十二年には第三次国防計画も防衛庁において立てたければならぬ。そういうことになって、やはり憲法上の制約、あるいは原子力基末法の存在によって、日本の自衛隊としては核兵器を持つことができないということになれば、いわゆるノーテラス型の原子力潜水艦がポラリス潜水艦になり得ないという保証はたいと私は思う。あるいはナイキ・アジャックスがナイキ・ハーキュリーズにならないとも限らないし、ボマークの持ち込みはあり得るかもしれない。こういうような、いわばアジアにおける核兵器の対決という、日本人に広島や長崎の不安と恐怖を再び巻き起こすような悪循環の芽が、原子力潜水艦寄港を認めるというところからスタートする危険が私はあると思う。そうなれば、安保条約で極東の平和と安全を保障するといいながら、事実問題としてそうではない、むしろアジアにおいて、また日本国民に対して不安と恐怖を与えるということになる。こういう悪循環をそのスタートにおいて芽を断ち切るためにも、原水力潜水艦寄港を拒否するということが外務省当局としては当然国民に忠実な方法ではないかと思う。その点についてどう思われますか。
  66. 大平正芳

    大平国務大臣 先ほど申しましたように、攻撃用の基地を提供するものでもなければ、核兵器のための基地を提供するものでもないということでございますので、そういう国民的確信の上に立ってやっておるわけでございますので、岡委員のお考えはやや思い過ぎじゃなかろうかと思います。
  67. 岡良一

    岡委員 思い過ぎではなく、中共の人民日報という、いわば中国共産党の機関紙が、その論説においてこういうことを強調しておるということ、これは否定することはできないと思います。だから、この立場にに立てば、中共が原爆実験の合理化のために、原子力潜水艦寄港理由として取り上げられ得るということは、われわれは推定し得ると思う。しかし、こういう問題は、いずれ内閣委員会なり、その他適当な委員会において、私どもは大いに論を尽くさせていただきたいと思う。  ただ、問題は、原子力潜水艦安全性について、この際、もう一度外務大臣にはっきりお伺いをしておきたいと思います。  まず、外務大臣は、原子力潜水艦運航安全性ということに着目されたことは一つの進歩だと思う。ところが、原子力潜水艦運航安全性ということは、遺憾ながらスレッシャー号沈没事故によって、これの運航安全性というものに対する信憑性はなくなっておると思う。またアメリカ科学技術水準云々と言われますが、これもやはりアメリカ原子力合同委員会のヒヤリング等を通じてみても、原子力潜水艦原子炉等についても、まだまだ懸念と憂慮が表明されておることは御存じのとおりだと思う。そういうことになってみれば、アメリカ科学技術水準というようなものも、私どもは、これをただ盲目的に信頼するということは国民に忠実なゆえんではないと思う。  そこで問題は、日本の国内においても、専門の学者たちも非常な憂慮と懸念を表明しておることは御存じのとおり。なぜ一体外務省は今日までの経過を明らかにしないのか。日本原子力委員会には、原子炉安全専門審査会というものをわざわざ法律を改正して設けてある。この機関にでもきちっとはかって、折り目を正す。こういう問題は科学的な真実にかかわる問題であって、政治的な取引の問題ではないわけだ。そうして安全性国民に公開の上に、また日本原子力科学者の参加の上に、十分検討して、その上で安全性が立証されるならば、そのときにおいて寄港の問題は考える。少なくともこういう措置をとらるべきであると私は信ずるのであるが、その点についての外務大臣の御所見を伺いたい。
  68. 大平正芳

    大平国務大臣 政府といたしましても、政府部内の科学者の御意見を聞きながら、安全性の究明に関して随時照会をいたしておるわけでございまして、それが一応まとまりますと、また御検討をいただきまして、国会ないし国民に御報告するようにいたしたいと思っております。
  69. 石川次夫

    石川委員 関連して、外務大臣質問したいと思います。  先ほどの答弁の中で、何か故障が、外国での前例として原子力潜水艦に関して十回ばかりある、原子炉関係はない、こういうふうに答弁をされております。私の知っている範囲では、故障は十回ではきかないようであります。さらに原子炉の故障も、一九五八年ノーテラス、一九六一年ルーズベルト号、これは明らかに原子炉に関係した故障だというふうにわれわれは考えるので、念のために申し上げておきます。  それから、外国ではアメリカ原子力潜水艦寄港の問題については何ら異論もないし、問題も起こっていないというふうな答弁がございましたけれども、いろいろこれは問題になっておるようであります。特に最近スレッシャー号という一つ事故が契機になったのではないかと思いますけれども、英国あたりでは御承知のように十人委員会というのがございます。これが十万人の人を動員して、原子力潜水艦寄港問題に対しては公然と反対しなければならぬという動きが出ております。西ドイツも同様であります。特に日本世界でただ一つの被爆国であるというふうな観点からいたしましても、国民の不安が増大するということは当然だと思います。こういうことだけは念のために申し添えておきたいと思います。  それから、国民の一人として、私も原子力については全くのしろうとで、この点については外務大臣と同じでありますけれども、非常に素朴な疑問に答えてもらう意味では、やはり安全性というものはアメリカからとことん左で——軍事機密で非常にむずかしいということはわかりますなけれども、どうしても最低限これだけは確めてもらわなければならぬということは、一つ原子炉それ自体の安全性の問題であります。一つは先ほどから岡委員が言っておるように、運航上の安全性の問題であります。  原子炉安全性という問題では、先ほど私が申し上げましたけれども、一体この炉の型はどうなっておるか。高濃縮ウラン加圧水減速冷却型熱中性子炉ではないかというふうに想像はされますけれども、これ自体はっきりしないわけです。しかも、これはまた私がしろうと考えでありますけれども潜水艦といえば御承知のように非常にコンパクターな、非常に様式が切り詰められておる。戦前でも日本潜水艦は寝るところが精一ぱいだというふうに、非常に様式が最高に利用された設計であることは言うまでもないと思います。そういう点からいいまして、一分一秒を争う戦争用の原子炉ということになりますと、なおさらその感が深いわけございます。特にしろうと考えで言いますと、操作を簡単にするために制御棒というものは非常に少なくなっておるのじゃないかという疑問が出てくる。それから、炉も反応度を高めるために、普通の原子炉考えられる以上に燃料を高濃縮のものを積み込んでおるということは当然考えられるわけです。そういう点が一体どうなっておるかという点は、これは原子炉に関するしろうとといえども素朴な疑問として提出されるわけですが、これに対して答えてもらわなければならぬということが一つございます。  それから、運航上の問題であります。運航それ自体も問題でありますけれども運航の途中で廃棄物が出るということは、これも常識であります。特に液状及び気体状の放射性廃棄物が出ることは当然であります。ここでおもしろいことは、アメリカで公表された中で、サバンナ号それ自体は——サバンナ号は御承知のように商船であります。サバンナ号それ自体は、制限海域では廃棄物を貯蔵することができるという構造になっております。サバンナ号ならその領海内では廃棄物を貯蔵できるということは、サバンナ号でないと領海内では貯蔵ができないということ、しかも貯蔵できないところでサバンナ号は一体どうしているかといいますと、一次系の水というのは、強い放射能だけではなくて、腐食性あるいは反応右毒物というものを含んでおる。これはイオン交換樹脂の交換というもので、きれいなものに浄化しなければならぬということそれ自体は、サバンナ号は領海外ではやっておる。領海内では貯蔵できるからやらないで、上陸したときにやるということになるだろうと思います。しかしながら、潜水艦ではこれはできないのじゃないかという疑問が当然出てまいるわけであります。したがって、これらの運航上の安全性の問題と関連をいたしまして、原子力についてのしろうとのわれわれですら考えつかれるこういう疑問に対して明らかにしなければ、安全性保証されないという点を申し上げて、ひとつ外務大臣の善処をお願いしたい、こう思うわけであります。
  70. 大平正芳

    大平国務大臣 いま御指摘のような点は、みんな照会究明いたしつつございます。
  71. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 科学技術庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。  いろいろ議論がございましたが、結局原子力船につきましての安全性ということが問題でございます。  そこで、お尋ねをいたしたいと思うのでありますが、日本には、原子炉の設置につきましては、申すまでもございませんが、原子炉規制法という法律がございます。それからさらに、運航いたしておりまする過程におきまして、ただいま石川委員が御指摘になりましたような核分裂生成物がいろいろとできるわけであります。これに対しましては、当然日本の現在の法律では放射線障害防止法というものがございます。したがいまして、これから開発しようといたしまするところの原子力船につきましては、この放射線障害防止法によるところの許容量というものを、当然厳格に適用していくべきであると考えるわけでありますし、また原子炉安全性の問題につきましては、現在日本にございます原子炉規制法にのっとり、厳格な安全審査というものを行なっていくべきものと考えるわけであります。この点に対しまして、長官おられませんから、次官からひとつ明確なお答えをいただきたいと思うのであります。
  72. 内田常雄

    ○内田政府委員 その点についてはお尋ねのとおりでありまして、陸上の原子炉に適用される現存の法律は、今回私ども建造計画をいたしまする原子力船における原子炉にもすべて適用してまいる考えでございます。
  73. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういたしますと、運航の過程にできますところのいわゆる死の灰、核分裂生成物の問題でありますが、現在の日本の放射線障害防止法によるところの規制からまいりますると、ICRPの勧告の、いわゆる十分の一程度のきびしい規制をいたしておるように伺っておるわけであります。ただいまの次官のお答えでございまするならば、当然そのようなきびしい規定でもって、これに対して規制を加えていくということに相なるわけだと思いますが、この点についてのお答えを重ねていただきたいと思うわけであります。
  74. 島村武久

    ○島村政府委員 陸上の場合と船の場合と、許容量を変えるという意思はございません。
  75. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういたしますと、原子力委員会の兼重先生もおられるわけでありますが、いまのような御答弁にのっとり、厳重な規制を加えていくということになりまするならば、当然原子力委員会からこの前私どもにお示しになりました統一見解の後段からまいりまするならば、日本寄港するところの原子力船というものについては、やはり同じような規制にのっとって、これについて対処されていくということに相なろうかと思うわけでありますが、この点に対するお考え方をお伺いしておきたいと思います。
  76. 兼重寛九郎

    ○兼重説明員 お答え申し上げます。いま私は、御質問及びその答弁は、日本建造する原子力船についてのことと承知しておりましたが、外国の原子力商船、たとえばサバンナ号の入港というような問題のときには、それと同じことになると思います。それから、原子力潜水艦というときには、軍艦でありますために、安全審査その他が商船と同じようにできるかどうかということにつきましては、いま私ここで、はっきりできるともできないとも申し上げかねるのであります。
  77. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 サバンナ号の入浴の問題に関する原子力局長ですかの御見解新聞で拝見をいたしたのでありますが、そういたしますと、サバンナ号、あるいはレーニン号——レーニン号の問題は具体的に問題になっておるわけではございませんけれども、通常の原子力商船、こういうものが入港される場合は、日本の法律の規制にのっとって、その寄港等については対処していく、こういうことに相なるわけでございますね。
  78. 島村武久

    ○島村政府委員 おっしゃるとおりでございまして、日本のその場合の考え方というものは、先般も申し上げましたように、一九六〇年のロンドンにおきますところの海上人命安全条約のなにに基づきまして、当然安全評価書等の提出を求め、審査の上に入港を認めるというような手続をとるわけでございます。
  79. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういたしますと、いまのお答えで、原子力商船の場合は理解をいたしました。  結局、その他の原子力船ということになるわけでございますが、この場合につきまして、いろいろ質疑のやりとりで、その事情はもちろん原子力商船の場合と違いまして、安全保障書の問題について機密保持というような問題からいろいろ困難をしているという事情はわかるのであります。しかし、原子力委員会としては、日本に二つの法律があり、現に原子炉に対してきびしい規制を加えている、こういう現状がある以上、しかも日本学術会議あるいは科学者の方々からの勧告なり意見というものがございまして、いずれも共通するところは、陸上の原子炉の規制と同様な安全というものが確保されることが必要なのではないか、こういうことを一致して主張いたしておるわけであります。といたしますと、現在政府といたしまして、当然原子力委員会政府部内の一つといたしまして、この安全の問題についていろいろ検討せられておると思うのでありますが、いわば方針としては、基本的な原則としては、ただいま他の船についてお答えのございましたような——保障書というようなことについては、違いはもちろんございましょう。しかし、放射線障害を防止するという観点、また原子炉の安全という観点、こういうものからいっては、基本的な原則については変わらぬ態度で対処をしていく、こういうふうに理解してよろしいわけでございますね。
  80. 兼重寛九郎

    ○兼重説明員 お答え申し上げます。去る二月に原子力委員会の統一見解というものがこの委員会で申し述べられましたが、その線に沿ってやっております。したがって、安全ということについては非常に重点を置いていま検討しておりますので、結果的にそれが日本の法律で認めておるような、たとえば放射能レベルというようなものを越えたりするようなことが明らかであるのに、外国の軍艦であるからそれは差しつかえない、そういうふうなことはちょっと言えないように、少なくとも私自身は考えております。
  81. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 放射能レベル等については同一の原則をもって対処をしていきたい、けっこうであります。  それから、ただいま外務大臣からもいろいろお話があったのでありますが、スレッシャー号沈没の原因につきましては、いまのところ不明である。アメリカの当局がいろいろ言明しておることはあるようでありますが、いまのところ検討中である。といたしますと、少なくとも統一見解原子力委員会が示されました。そうして軍艦の問題につきまして、その安全審査の問題について、原子力委員会でも検討せられておると思うのでありますが、スレッシャー号沈没の原因というものを究明することと安全保障の問題とは、私はきわめて密接な関係があると思うのであります。聞くところによりますと、原子力委員会でも、スレッシャー号沈没の原因というものを明らかにしていくことを前提としてでなければこの軍艦に対する安全の究明はできない、こういう御意見もあると聞いておるわけでございますが、少なくとも原子力委員会としては、スレッシャー号沈没の原因というものが明らかになりましてからでなければ意志表示はなされぬ、こういうふうに理解をしてよろしいわけでございますか。
  82. 兼重寛九郎

    ○兼重説明員 二月に統一見解を申し上げました後に、スレッシャー号事件があったということは新しい事実でございます。その事実のあることは決して無視することはできないと思っております。それをどういうふうに取り扱うかということは、いま私からここで申し上げるところまで固まっておりませんので、お許し願いたいと思いますが、そういう事実があったことを無視するつもりはありません。
  83. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういたしますと、無視することはできない、その沈没原因の究明と統一見解との関連については現在論議中であって、明確な答えは出ていない、こういうことでございますか。
  84. 島村武久

    ○島村政府委員 スレッシャー号沈没事故、これは否定し得ない事実でございますが、スレッシャー号沈没事故がありましたために、ただいま兼重委員からも御発言がございました例の統一見解なるものの考え方が変わったというふうに委員会では決して考えておられない。あくまであの統一見解の線に従って、スレッシャー号沈没という事実についても重大な関心を払いながらその後の検討をやっておる、こういうふうにお考えいただきたいと思います。
  85. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 手続をお伺いしたいと思うのです。原子力潜水艦寄港に関して政府がいろいろ検討いたしておりまして、われわれとしては好ましくない、寄港はお断わりするというお答えが出ることを希望しているわけでありますが、少なくともこの問題について、いずれは決着をつけなければならぬと思うのであります。その場合に、現在原子力委員会でいろいろ議論されておりますのは、政府から見解を求められて議論をいたしておるのですか。政府原子力委員会に対して正式に諮問をいたしておるのではなしに、原子力委員会独自の立場からいろいろ検討をなされておるのか。その間の事情は一体どうなっておるのですか。
  86. 島村武久

    ○島村政府委員 政府は、原子力委員会に対しまして原子力潜水艦寄港問題について特別の正式の諮問というようなものをいたしておるわけではございません。しかし、事実上の問題といたしましては、科学技術庁といたしましても、外務省から当然意見を求められておるわけでございます。科学技術庁がこの点に対しまして意見を申し述べます場合には、当然のこととして原子力委員会に事実上御相談申し上げておるわけでございます。なお、原子力委員会側から申しますと、政府から正式の諮問がございませんでも、統一見解にも述べられておりますように、非常に重大な関心を持って、この問題はやはり原子力委員会見解を明らかにすべきであるという気持原子力委員会で持っておられるわけでございまして、両々相まちまして、事実上は原子力委員会が特に安全性等の問題について検討をしておられるわけでございます。
  87. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 意見を求められなくても、原子力委員会が積極的にそのように検討なされ、見解を表明するという方針で臨んでおることはけっこうであろうと思います。特にその場合お願いをいたしたいのは、先ほど兼重委員からもお話がございましたように、とにかく放射能障害、原子炉の規制等の問題につきましては、保障書というような問題はもちろん別でありましょうが、同一の放射能のレベル、こういうものを基本原則として対処しておる。こういうことは当然なすべきことであると思うわけであります。原子力委員会は重大な責務を負っておる機関でございますから、その基本原則をきびしく貫いて対処いたしますように、これは希望といいますか、お願いを申し上げておきたいと思います。
  88. 山口好一

    山口(好)委員長代理 他に御質疑はありませんか。——別に質疑もないようでございますので、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  89. 山口好一

    山口(好)委員長代理 これより討論に入るわけでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに本案の採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 山口好一

    山口(好)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより本案を採決いたします。本案を原案の辿り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  91. 山口好一

    山口(好)委員長代理 起立総員。よって、本案は原案の通り可決するに決しました。     —————————————
  92. 山口好一

    山口(好)委員長代理 ただいま議決いたしました日本原子力船開発事業団法案に対して、山口鶴男君より、自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案として附帯決議を付する旨の動議が提出されております。  まず、その趣旨の説明を求めます。山口鶴男君。
  93. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 三党の御賛成を得まして、日本原子力船開発事業団法案に対する附帯決議案を御提案申し上げたいと思います。  最初に趣旨の説明を申し上げたいと思います。ただいま採決せられましたように、われわれといたしましては、原子力基本法第二条、平和利用原則にのっとりまして、その平和利用一つである原子力船開発を積極的に推進していこうということにつきましては、心から賛成をいたしておるところでございます。  ただ問題は、今回の日本原子力船開発事業団法案が、不幸なことに原子力潜水艦寄港問題と同時に問題になったことを、私どもは非常に遺憾に存ずるわけでございます。しかし、ただいま池田内閣総理大臣あるいは志賀防衛庁長官、大平外務大臣が本委員会に出席をせられまして、特に池田総理から、かつて予算委員会で言明をせられました、原子力船開発原子力潜水艦寄港問題があたかも相関連するかのごとき言明につきましては、明確に、原子力船開発潜水艦寄港問題は別個の問題であるという点が明らかにせられましたし、また志賀防衛庁長官からは、中国の核実験と原子力船開発とはそこに何らの因果関係があるものではなく、別個な問題であるということも明らかにせられたわけであります。したがいまして、私どもはこの今後九年間にわたりまして開発せられますところの原子力船につきましては、あくまでも原子力基本法第二条の平和利用原則にのっとって、厳格にそれが順守せらるべきことを特に要求をいたしたいと思うのであります。  二番目に、自主、公開、民主の問題でございますが、これは当然のお話であります。そうして、さらに動力炉の開発にあたりましては、外国から安易に動力炉を購入してきてそのまま据えつけるということではなしに、あくまでも国産技術の活用にその重点を注がれることを、これまた希望いたしたいと思うのであります。  最後に、三番目の安全性の問題でございますけれども、ただいま科学技術庁を代表いたしまして、次官、局長あるいは原子力委員の方から御答弁がございましたが、特に学者の方々が懸念をいたしておりますのは、陸上の原子炉と船の推進に使いますところの動力炉、これが何か切り離して考えられておるようなことでは困る。そうではなくて、少なくとも現在日本にありますところの原子炉規制法によるところの環境に対する立地条件、安全対策、こういうものについてはやはりきびしい安全審査が必要である。特に原子力船につきましては、数万キロワットというような大きな原子炉利用する問題でございまして、その安全性は特に重視をされるべきものと考えます。さらに、海難事故等の問題につきましては、コンテナーの堅固なものを用いていかなければならぬことは当然でございましょうし、また、死の灰といわれる核分裂生成物質につきましても、日本におきましてはICRPの勧告よりもきびしい、その十分の一の許容量というようなきびしい基準を持った放射線障害防止法もあるわけでございます。このような基準をあくまでも尊重いたしまして、そうして原子力船開発をやっていく、御答弁非常にけっこうであると思います。やはり動力炉につきましても、このような厳格な規制が必要であると思いますし、同時にこれはすべての日本に立ち寄ろうとするところの原子力船、これについても適用されるべきものであるとわれわれは考えるところであります。したがって、特にこの安全性の確保の問題につきましては、この法案の実施にあたりまして特に強く要望を申し上げたいところでございます。  このような理由をもちまして附帯決議案を提案をいたしたいと思います。朗読をいたします。    日本原子力船開発事業団法案に対する附帯決議(案)   政府は、日本原子力船開発事業団法の施行にあたっては、左記諸点を厳守し、実施に遺憾なきを期すべきである。      記  一、原子力船開発利用は、あくまで、原子力基本法第二条に示された平和目的に限られるべきものであること。  二、開発計画の実施にあたっては、民主、自主、公開の三原則にのっとるとともに、特に動力炉については、国産技術を活用すること。  三、原子力船安全性の確保については、陸上の原子炉施設の場合と同様慎重に扱い、またその運航についても万全を期すること。  以上であります。皆さま方の満場の御賛成を心から御期待を申し上げます。
  94. 山口好一

    山口(好)委員長代理 本動議については別に御発言もないようでございますので、直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  95. 山口好一

    山口(好)委員長代理 起立総員。よって、本動議は可決いたしました。  この際、内田政務次官より発言を求められております。これを許します。内田政務次官。
  96. 内田常雄

    ○内田政府委員 ただいま御発言のありました事項につきましては、政府としても同様に考えておるところでありまして、御決議の次第を尊重してまいる所存でございます。     —————————————
  97. 山口好一

    山口(好)委員長代理 ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成、提出手続などにつきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 山口好一

    山口(好)委員長代理 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  次会は公報をもってお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会      ————◇—————