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石川委員 関連して、
外務大臣に
質問したいと思います。
先ほどの
答弁の中で、何か故障が、外国での前例として
原子力潜水艦に関して十回ばかりある、
原子炉関係はない、こういうふうに
答弁をされております。私の知っている範囲では、故障は十回ではきかないようであります。さらに
原子炉の故障も、一九五八年ノーテラス、一九六一年ルーズベルト号、これは明らかに
原子炉に関係した故障だというふうにわれわれは
考えるので、念のために申し上げておきます。
それから、外国では
アメリカの
原子力潜水艦の
寄港の問題については何ら異論もないし、問題も起こっていないというふうな
答弁がございましたけれ
ども、いろいろこれは問題になっておるようであります。特に最近
スレッシャー号という
一つの
事故が契機になったのではないかと思いますけれ
ども、英国あたりでは御
承知のように十人
委員会というのがございます。これが十万人の人を動員して、
原子力潜水艦の
寄港問題に対しては公然と反対しなければならぬという動きが出ております。西ドイツも同様であります。特に
日本が
世界でただ
一つの被爆国であるというふうな観点からいたしましても、
国民の不安が増大するということは当然だと思います。こういうことだけは念のために申し添えておきたいと思います。
それから、
国民の一人として、私も
原子力については全くのしろうとで、この点については
外務大臣と同じでありますけれ
ども、非常に素朴な疑問に答えてもらう
意味では、やはり
安全性というものは
アメリカからとことん左で
——軍事機密で非常にむずかしいということはわかりますなけれ
ども、どうしても最低限これだけは確めてもらわなければならぬということは、
一つは
原子炉それ自体の
安全性の問題であります。
一つは先ほどから
岡委員が言っておるように、
運航上の
安全性の問題であります。
原子炉の
安全性という問題では、先ほど私が申し上げましたけれ
ども、一体この炉の型はどうなっておるか。高
濃縮ウラン加圧水減速冷却型熱中性子炉ではないかというふうに想像はされますけれ
ども、これ自体はっきりしないわけです。しかも、これはまた私がしろうと
考えでありますけれ
ども、
潜水艦といえば御
承知のように非常にコンパクターな、非常に様式が切り詰められておる。戦前でも
日本の
潜水艦は寝るところが精一ぱいだというふうに、非常に様式が最高に
利用された設計であることは言うまでもないと思います。そういう点からいいまして、一分一秒を争う
戦争用の
原子炉ということになりますと、なおさらその感が深いわけございます。特にしろうと
考えで言いますと、操作を簡単にするために制御棒というものは非常に少なくなっておるのじゃないかという疑問が出てくる。それから、炉も反応度を高めるために、普通の
原子炉で
考えられる以上に燃料を高濃縮のものを積み込んでおるということは当然
考えられるわけです。そういう点が一体どうなっておるかという点は、これは
原子炉に関するしろうとといえ
ども素朴な疑問として
提出されるわけですが、これに対して答えてもらわなければならぬということが
一つございます。
それから、
運航上の問題であります。
運航それ自体も問題でありますけれ
ども、
運航の途中で廃棄物が出るということは、これも
常識であります。特に液状及び気体状の放射性廃棄物が出ることは当然であります。ここでおもしろいことは、
アメリカで公表された中で、サバンナ号それ自体は
——サバンナ号は御
承知のように
商船であります。サバンナ号それ自体は、制限海域では廃棄物を貯蔵することができるという
構造になっております。サバンナ号ならその領海内では廃棄物を貯蔵できるということは、サバンナ号でないと領海内では貯蔵ができないということ、しかも貯蔵できないところでサバンナ号は一体どうしているかといいますと、一次系の水というのは、強い放射能だけではなくて、腐食性あるいは反応右毒物というものを含んでおる。これはイオン交換樹脂の交換というもので、きれいなものに浄化しなければならぬということそれ自体は、サバンナ号は領海外ではやっておる。領海内では貯蔵できるからやらないで、上陸したときにやるということになるだろうと思います。しかしながら、
潜水艦ではこれはできないのじゃないかという疑問が当然出てまいるわけであります。したがって、これらの
運航上の
安全性の問題と関連をいたしまして、
原子力についてのしろうとのわれわれですら
考えつかれるこういう疑問に対して明らかにしなければ、
安全性が
保証されないという点を申し上げて、ひとつ
外務大臣の善処をお願いしたい、こう思うわけであります。