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齋藤(憲)
委員 今の御答弁は、速記録によって私も
検討を加えたいと思います。時間がありませんから、今度は大臣の
所信に対して御
質問申し上げます。直接大臣の御答弁を必要といたしません。当該局長その他から御答弁をいただければいいと思うのであります。
実は今度の長官の御
所信表明には、第一に防災問題を取り上げておられます。もちろんこの防災問題は、豪雪を眼前にいたしまして、非常に大きな問題でありますので、私といたしましても、
日本の科学
技術の粋を集めて、この防災科学の充実及びその効力の発揮をこいねがうわけであります。これはこの前言わずもがなであったのでありますけれ
ども、岡
委員の人工降雨の御
質問につきましては、私も今までの人工降雨の
実験に対しまして非常に失礼な批評を加えたわけであります。
ところが、河北新報の秋田版に、「
齋藤さんのアイデア売れず」、こういう囲みものが出ております。これを読みますと、私のアイデアをもってすれば、降雪が陸地に来ないで、海の上でストップしてみんな降ってしまう、このアイデアが売れなかった。これは社会党さんが四時間にわたる
質問をしたために、時間がなくて売れなかった、という記事なんであります。これは選挙区に出ておるものですから、これに結末をつけないと私の得票に非常に影響があるので、これはぜひ売れるアイデアにしなければならぬと思って、きょうはそういう意気込みで来たわけであります。
というのは、私も豪雪地帯の人間でありまして、いつでも豪雪に悩まされるわけです。気象からいいますと、豪雪警報が出て、また毎日天気予報が出る。しかも、あそこに、雪雲が来ているのに、あれを黙ってお互いが受け取らなければならぬということは、これはあまりに知恵がなさ過ぎるんじゃないかということで、私も寄り寄り防災科学ということに興味を持ちまして、いろいろエキスパートに
研究を依頼しておったのでありますが、最近その
結論が出て参りました。だから、その
結論を今簡単に御披露いたしますので、これを長官に買ってもらいたいと、こういうわけです。予算を調べますと、防災科学に対して調整費の中に三千万円充て込んでいるわけであります。私みたいに貧乏生活をしている者は、三千万円というと非常に大金に思われるわけでありますから、
一つ、こういうアイデアもあるということでお聞き願いたい。
それは、音波
利用による人工降雨であります。この
研究書は、あとで、私が持っておりますからごらんに入れてもいいと思うのでありますが、大体二キロサイクルの振動を与えると、一ミクロンから十ミクロンの水蒸気というものは凝集して水滴になるということが、はっきりと
実験データで出ているわけです。大がかりな
実験をいたしましたのは、これは公表していいかどうかわかりませんけれ
ども、常磐共同火力株式会社の煙突で一年間
実験したデータが載っているわけです。二キロサイクルの音波を与えますと、その煙突の中にある煙もちりも全部凝集して、七〇%落ちてくる。これは私も
実験を見に参りましたが、ある形の水蒸気に音波を与えまして、音波の適性が合致いたしますとすぐ水滴になるわけです。ですから、今の
研究者のアイデアというものは、ジェットエンジンで二キロサイクルの振動を与える、そして一・五マッハくらいの速力をもって雲の中をずっと飛翔すると、その音波振動によって、大体雲は一ミクロンから十ミクロンぐらいの粒子だそうですから、それが凝集して雨になって落ちてくる。五マッハということになると、音は全部うしろに置いていくわけですから、その振動は飛行機の飛翔によって十分効果が上がる。直ちにジェットエンジンの飛行機を飛ばすことには金がかかるでありましょうけれ
ども、ジェットエンジンの模型みたいなものをつくって、二キロサイクルの振動を与えて、そして雲と同じ水蒸気のものをつくって
実験をやれば、私はすぐ
結論は出る問題だ、こう思うわけであります。
そういうような
実験も方々で行なわれて、そういう
結論も出ておるのであります。タンクに水を入れて、飛行機の上に積んでいって、そして雲の上から水をちょろちょろまくよりは、この方がよほど科学
技術的じゃないかと私は思うのですよ。だから防災科学といっても、官庁だけに立てこもって、官庁だけのアイデアというものを相手にしておったのでは効率が上がらない。やはり広く人知を求めて、そうして適正な
研究というものを取り上げてこれを実現に移していくというような、人間のアイデアというものを生かす思い切った行政措置をとらないと、私は予算だけを盛ったって、なかなか効果が上がらないと思う。この間も申しましたけれ
ども、雲の上から水をまくよりはドライアイスが効果的だといったって、それでは一升何ぼにつくかわからない雨が降る。それから、地上から沃化銀をたくといったって、雲と沃化銀の立ち上がる方向というものは必ずしも一致しない。もちろん雲に沃化銀をぶっつければ水滴になる。けれ
ども、私が今まで
研究いたしましたこの二キロサイクルの音波と申しますか、これを一ミクロンないしは十ミクロンの水蒸気にぶっつければ、必ずそこに凝集作用を起こして水滴になってくるということは事実なんです。ですからそういう問題が起きます場合に、
一つこの
実験を新しい分野としてお取り上げを願って、虚心たんかいに
実験をしていただけるかどうかということなんです。これは局長でけっこうです。