○田中(織)委員 安保条約の条文上の解釈からいきますならば、
政府が一応そういう結論の上に立って、安全上の問題であるとか、万が一の場合の補償のことであるとかという点についての明確なものをつかんだならば、その一応の結論を実行したいという考えがおありだということは、今の答弁でわかります。しかし、私が先ほど、あなたがお見えになる前であったけれ
ども、まだ
各省の
連絡をとられておるということでありますけれ
ども、安全上の問題についても、原子力
委員会としての統一
見解というものがまだこの
委員会には報告されないんですね。次回の
委員会までの間に原子力
委員会も開かれて、その上で統一
見解がまとまれば次回の
委員会あたりに報告されるという段階なのです。しかも、私
ども国民の側、野党の
立場から見るならば、原子力
委員会ではただ単に安全上の問題だけではなくて、
日本の原子力基本法の
立場から見て、
日本でやる原子力の利用によるところの汚染その他の問題を
処置するということだけではなくて、やはり原子力の平和利用という限界、これは潜水艦の推進力であろうと広い意味における原子力の軍事利用なんですから、これは基本法に抵触しないかどうかという問題も原子力
委員会としては検討してもらわなければならない。あるいは私
どもの期待するような、満足するような原子力
委員会の
見解が示されるかどうかは、これは結果論で、別問題でありますけれ
ども、私
どもはそれを原子力
委員会に
要望しておる段階ですから、その点で、
政府の方は安保条約の
関係からこれは受け入れて差しつかえないのではないかという前提を立てて安全上の問題等を今検討しておるという態度より、一応安保条約だけの建前から見ればそうなのかもしれませんけれ
ども、
政府はそれだけではないと思うのです。やはり国内法としての原子力基本法というものを、安保条約と同様に
政府が守っていかなければならぬ
立場に置かれておるわけであります。この点は、もちろんあなたは
政府委員でもありませんしするから、
政府としての責任のある答弁を求めることは困難であると思うのでありますけれ
ども、外務省の、あるいは総理の答弁されている、これは一応安保条約の面だけから考えればそういう結論が出せるかもしれませんけれ
ども、私
ども野党の
立場からいえば、原子力基本法の
立場から、寄港そのものを、軍事的に原子力を利用しているものを
日本に、たとい一時の寄港にしろ、認めるかどうかという点について、この際に基本的に検討していかなければならぬ問題があるという
立場の
意見もあるわけでありますから、そういう論議がこの
科学技術特別
委員会でなされておるという点は、私は外務省の首脳部に対して
連絡をしておいてもらいたいと思うのです。そこで、その点についてはなお、安全上の問題に限った場合においても、安保条約の地位上の問題だけではなくて、すでに国際条約もある中に、具体的にその国際条約と安保条約による地位協定の問題との関連からさらに検討しなければならぬ問題が私はあると思うのですけれ
ども、それは原子力
委員会の統一
見解を見た上でさらに議論することにし、本日は、単に安全上の問題というだけではなしに、原子力基本法の
立場に立って、原子力の軍事利用を行なっておる原子力潜水艦の
日本への寄港を認めるかどうかという
立場に立って、原子力
委員会で検討してもらいたいということを重ねて
要望して、私の質問を一応打ち切ります。