○
關谷委員 関連。——
井手委員と
監査委員長の間に詳細な
質疑応答があるのでありますが、私はこの
監査委員会という機構そのものに欠陥があると思う。そんな
監査委員会ならないほうがよろしい。
国鉄の言うことを一〇〇%信頼いたしまして
監査報告を書きましたと、
石田前
委員長ははっきりここで言い切っておるのであります。そしてその
国鉄の言うことは一〇〇%間違うておったのであります。ということは、三千億で済むものが四千億かかるのでありますから、ちょうど一〇〇%間違うておった勘定に数字のほうからもなってくるわけであります。そうすると、そういうようなことでもそのままうのみにいたしまして、そして世間に発表すると、世間では、
監査委員会というものがあってそれが
監査した結果間違いないとしたのだから、その間違いを正当化してしまうことになってくるのでありまして、かえってこういうものがありますと悪い結果が出てまいります。今後のように間違いがあった場合には、その間違いを正当化した罪は、これは
監査委員会としては免れないはずであります。これは個人といいますか、会社等でありましたならば、商法の第二百七十七条の「会社に対する
責任」で「
監査役が其ノ任務ヲ怠りタルトキハ其ノ
監査役ハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ」これに該当する。これは岡野さんと
石田さんとに二千億払ってもらわなければならぬ、そういうようなことにもなります。そこまで、そういうことを要求したとしてもそれは無理でありますが、私はこの
監査委員会そのもののあり方そのものに大きな欠陥があると思います。
私はそこでお尋ねをいたしたいのは、
運輸大臣はこの際思い切って運輸省の中に
国鉄を
監査する
機関を設けて——
国鉄の中へ設けるのでなくして、運輸省に
大臣の直属の
監査委員会を設けて、それには思い切った手足をつけて——いまでも監察局があるはずでありますから、その程度の人員その他をそろえて、そうして絶えず
国鉄の
監査をする、こういうことにしなければならぬと思います。いまの
監査委員長の
報告を聞いておりますと
支出について、それが妥当であるかということには一つも触れてない。現実にこの問題に対してこれだけ
支出をした、それと事実とが合っているのかないのか、これを調べずに何の
監査ぞやと言いたくなるのであります。今度の大きな間違いが出てきたのも、いろいろと二千億出てしまった。それで、去年、三十七年の八月に出た
監査報告でありますと、ほとんどできておることになっておるのです。残りだけをやったらいいことになるのですから、いままでのものはできたことになるので、それと実態とを合わしてみればいいのです。何でもそれが合わないようなものになっておる。それを
国鉄が間違うておりませんと言ったら、そうかと言うだけであって、そんな
監査なら何にもも要らぬ。あってかえって害がある、
国民をごまかすことになる、こういうことになりますので、私はこの際
大臣に申し上げておきたいのは、きょうのようなこんな議論をしたって役に立ちません。
大臣に直属の
国鉄の
監査機関を設けて、それに十分な手足をつけて厳重な
監督をやるのでなかったならば、あの
国鉄を
監督することはできません。そういうような機構改革をやって、この
監査委員会のあり方というものを変えるのだというお
考えがあるかないか。いま
井手委員がお尋ねしておりますのも、結着はそこへ持っていけば終わりだろうと私は思います。その御意見を伺ってみたいと思います。