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大石説明員 最初に、
予算がふえてまいりましてたいへん御迷惑をおかけしておりますことを深くおわびを申し上げます。
ただいま
お話のございました二千九百二十六億というときの
予算はどういうことで組んだか、また、どういう
精度であったかというような点について御
説明申し上げたいと存じますが、この
予算を組みますときには、われわれといたしましても、これでやっていくという
決心をしたのであります。そういたしまして、実はこれは昨年の春この概算を出しまして、
関係方面にいろいろ
お話をいたしまして
予算をつくり上げたのでありますが、その後、
設計協議その他の問題につきまして問題が具体化してくる点が多くなった。昨年の春、二千九百二十六億円の
予算を算出いたしましたときには、総体といたしまして
工事費の約四〇%ないし四五%が、いわゆる確定をしておったと申しますか、
契約のめどがついておりまして、
残りの六〇ないし六五%はまだ今後の問題に残されておったのであります。そういうようなときに、
あとの
残りも含めましてこれは想定をいたしまして
予算を組んだのであります。そういたしまして、私
たちはこれにつきまして上司にも御
説明申し上げ、
関係方面にも御
説明を申し上げましてやっていくという
決心をしたのであります。その後、
設計協議をいたしましたり、また
工事が進んでまいりますと、いろいろな
地質上の問題、また
各種の
建造物の
設計をしてまいりますと、これも
地質関係また
設計協議の問題も含めまして数量がふえてくる傾向にあるというようなことが感じられましたので、
現地で
仕事をやっております
工事局長を――多分私の記憶によると昨年の十月ごろだろうと思っておりますが、十月ごろ急遽参集をいたしまして、二千九百二十六億円の金でどうしてもこれはやらなければならないわれわれとしては
至上命令を持っておるのだから、どうだという
話し合いをしたのであります。そのときの
結論といたしましては、どうも少し苦しいようだけれども、何とかしてこれで私
たちとしてはたたき上げていこう、最悪の場合には、
開業当初は、車の長さも十二両編成ということを将来の姿として考えておるけれども、これも六両ということにいたしまして、
設備を少しちぎるといってはおかしいのでありますが、先にできるものは先に延ばしても、この中でやっていこうということで、当時真剣に
議論をいたしまして、六両でやるのだ、極端なことをいったら、上屋みたいなものは車の長さの半分くらいでも、とにかくごかんべんをいただいて、その中でやっていくようにしていこう。そのためには各
専門部門がございますが、その各
専門部門ごとに
予算を分割いたしまして、そしてそのおのおのの
専門部門の
ワクを自分で持って、たとえば
用地関係は
幾ら、これは対外的な問題がございますので、
相当むずかしい問題ではありますけれども、
路盤関係はどのくらい、
軌道関係ではどういう
ワクでいく、
電気関係にはどういう
ワク、こういうような小さく
ワクを分けまして、その
ワクの中に今後の
計画をはめ込んで、そこで
仕事をやっていこうということで、実はそのときに一時新たな
工事を――これは
総局の中だけでございましたけれども、一時
工事をとめまして、
現地の
主任技師まで入れまして、厳重にその
ワクをつけたのであります。そういたしまして、その
ワク内におさまる範囲において
工事をしていこう。
ワクがおのおのきまらない場合は一応
工事をやめて、
ワクがきまりましたら、その
ワク内で
工事をやっていこうということで申し合わせいたしまして、なお、そのときには、そういうことでやっていくようにということを確認し合いましてスタートしたのであります。これが昨年の秋でございます。
そういたしまして再出発いたしましてやってまいりましたところが、昨日副
総裁の
お話にもございましたように、
用地関係、また
設計変更、また
地質その他につきましても想像以上に悪いところが出てきたというようなことからいたしまして、年も変わりましたころ、どうもこの
ワクではいけないというような気配が出てまいりました。そこで私
たちといたしましては、しかしこれは軽々にそういうことを口にするわけにいきませんし、また厳重になおその秋にやりました以上に詳細なものをつくって調べなければ
結論を出すべきではない。また、
設備その他につきましても、
工事が三十六年度末におきまして、先ほど申し上げましたように四〇%ないし四五%というものが
契約ができておったのでありますけれども、三十七年度末に至りましてはこの
契約額が七〇%というような
状況に上がってまいりました。これは当然でございますが、上がってまいりまして、
残りが少なくなってまいりましたので、
残りのほうもはっきりしておく。また
開業の時期も迫まってまいりますので、
開業の
設備関係と申しますか、いろいろな
関係につきましても、
各所の意見もまとめて聞いていく。また
モデル線区におきます
各種の
試験も着々としてその成果があがってまいりまして、いろいろな答えが出てきておるというようなことを入れまして、金をはじき出したのであります。しかしながら、これは御
承知のように五百十五キロという長い
区間である。またこまかくやっておりますので、なかなか
結論が出てまいりませんで、もたもたしておったのであります。そういうときに副
総裁からも、どうも金が足りないというようなことが耳に入ってくるが、
概数でいいから早くまとめてみろということで、こまかくやっております作業と同時に、つかみと言ってはおかしいのですが、その後の
見込みというようなものにつきましては、もっとこまかくやる。また
各種の、たとえば
橋梁の場合でございますと、われわれが
斜めの橋をかけるというような案をつくりまして
協議中のものも、なかなか
現地におきましては
斜めの橋では困る、もっと大きな直角の橋をかけてくれというような、そういうペンディングな問題もございますが、これもとにかく
一つの案として、ラフなと申しますか、
概数でまとめてまいったのであります。そういたしまして、三月の末になりまして、再び各
工事局長を集めまして
資料をとりましたところが、きのう副
総裁から
お話がありましたような
数字になってきたのであります。しかしながら、これはあくまでも
概数でありまして、
各所に
精度が非常に違っておる。たとえて申しますと、
トンネルを設置いたしましたときの算出と申しますか、
見込みの
精度と
橋梁の
精度、また
軌道の
関係の
予算の出し方の
精度、これがまちまちでございます。そういうようなことでございますので、これを直ちに決定的な
数字とするわけにまいりませんので、ただいまこれにつきまして、たとえば
人夫賃の
値上がり、また将来、
工事が竣工いたしまして、
開業いたしましても、どういうふうに補修と申しますか、
手当をしていかなければならぬだろうかというようなものにつきましても、
安全度と申しますか、そういう
安全度のとり方も各
工事局長ごとに
考え方が異なるわけでありますが、また各
工事局の中におきましても、各
専門部門ごとに多少
考え方が違っているというような問題があり、また
設備の大きさにいたしましても、これもきのう副
総裁から
お話がありましたように、十二両、三時間ないし四時間というような根本的な御
議論を
一つの
考え方としてまとめていくというようなことが
国鉄内としてきまりましたので、ただいまこの
考え方のすべての点におきます
考え方を統一をいたしまして、なお
精度も上げることにいたしまして、ただいま詳細な
算定と申しますか、
設計をしなければならぬものは
設計をし、また
見込みをつけなければならぬものにつきましては
各個に大ざっぱな
見込みでなくて、各
件名ごとにこまかく
調査算定をいたしまして、ただいま積み上げをやっておるところでございます。そういうようなことで、詳細な
数字はただいま鋭意
総局全員を動員いたしまして
算定中でございますので、こまかいと申しますか、具体的な
数字はまだできておらないのでございます。
その
原因といたしましては、いま
先生の
お話のございましたように、
用地費の
値上がり、それから
PWの三十六年と七年の違い、それから
労務賃の
PWの上がり、それからこれにつきましては、今後の賃金の
値上がり、これは今年度から
PWが出ておりませんので、どういう
数字をとるか、ただいま検討中でございますが、これを
算定をする、それから
設計変更、
設計協議――これは
設計変更、
設計協議ということは似たような性格のものが非常に多いのでございますけれども、こういうものを含めまして、また先ほど申し上げましたように、
モデル線区におきます
試験の結果、それから各地方庁並ひに各
所管庁にお願いをしておりまして、
幹線によりますための、たとえば駅前の
整備、また
誘導電圧の
障害除去というようなものも、これは
電電公社関係でございますが、また
電力会社に対しましては、
送電線を移設していただく、いろいろ
関係の
方面に対しまして委託と申しますか、
新幹線のためにやっていただかなければならないような
工事もまた諸般の事情によりまして、
最初私
たちがお約束と申しますか、お
打ち合わせをいたしましてお
話し合いをいたしましたものからいたしますと
相当値上がりがしておるというようなことも、これも
見込みでなくて、いま
各個に当たりましてそちらからの御返事をいただいておる。断片的にはこれが一億高くなった、五千万円高くなったというような
お話がありますけれども、これを具体的に
お話をして、出た
数字を積み上げるということでございますが、
原因といたしましては、
用地費の
値上がり、労銀の
値上がり、
設計変更、また
分担工事費といったようなものの増額、また
モデル線区におきまして
各種試験の結果の新技術の導入、こういうようなことの
原因によりまして、それをただいま積み上げておるというのが
現状でございます。
それから
新幹線総局がこれを全
責任を持ってやっておるかという
お話でありますが、これは私
たち幹線総局の者は、
幹線という
仕事につきまして全精力を集中しておりますし、またこれにつきます全
責任を負うという自負を持ってやらしていただいておる次第でございます。