○
久保委員 なるほどおっしゃる
通り、延滞金などは、これは貸出条件の緩和によって、これは幾らでも操作はできます。しかし、だからといって、これを見のがして
自立再建が償却不足だけ解消すればできたんだ、できるのだというようなことでは、非常に甘いと思うのであります。結局困難なものには手を触れないで、体裁をつくって、利子たな上げをやって、そしてそのものには
建造利子も負けてやろう。おざなりなことになりはしないかと私は思うのであります。真剣に
海運再建というものを
考えておられるかどうか、私は失礼だが疑わざるを得ないのであります。今度の
集約にしても、これは総理があとから間もなく出てくるようでありますから
お尋ねしますが、どうもこれはしろうとと言っては語弊があるが、あまりにもしろうとくさくて、しかもしろうとならもっといい案も出るはずでありますが、これまたどうも芸のない、単なる数が多いから減らせば何とかなるだろうという、いわゆる独占というか、寡占というか、寡占理論だけでこの問題をやる。寡占理論というのは、おそらくあとからつけたか先からつけたかは別にして、そういうふうにすれば、いわゆる金の出しようがあるのだということだけで、
相当これをねらっているのではなかろうか。これはやはり率直にわれわれ自身
考え直すべきだと思うのです。金を出すことの便法と
集約をしたとするならば言語道断、
集約にメリットを多大にかけて、いわゆるそのために出すというならば、これまた理論的におかしい。
集約の効果については、今まであまり御
答弁はありません。寡占理論一本であります。こういうことではたしていいのかどうかということです。だから今の約定延滞金の問題にしても、体質改善——私
どもは少し違うのでありますが、約定延滞金あるいは償却不足の解消によるという、うしろ向きの対策では、もちろん全部否定はいたしません。しかしそれ以前に前向きの対策としていろいろなものが、今まで申し上げたようにあるはずなんです。それを全然
野放しにしておいて、たとえば
インダストリアル・
キャリア一つをとりましても、あなた方は楽観されております。これも実際言って、あなたたちの
考えているように楽観するものでは
一つもありません。幸い今後の新船
建造については、
運輸大臣はきっぱり
お答えがありました。そういうものには
融資はしない、計画造船には載せないとおっしゃいました。何でありますか。さらに
外国用船についても
運輸大臣からは、なるほど
福田通産大臣と同じような御
答弁で、これは何らかの
規制を必要とするというお
考えを述べられた。ところが
海運当局からは全然これは
野放しであります。もう少し真剣に
考えて、
日本の
海運を前向きにする、そういう
考えがちっとも出てこない。なるほど
朝田次官がおっしゃるように、約定延滞金の問題は非常にむずかしい。むずかしいが、ある
程度の整備基準というか、そういうものはきっちり立てて、その努力目標に向かって
海運企業を前向きにしていくというのが私は必要じゃないかと思うのです。
企業財務の悪化、これに対する
手当だというならば、少なくともそういうところの大きな問題をないがしろにしてはならないと思うのです。いかがですか。これはむずかしいからやらぬ、あるいは金融
融資条件の緩和によって、幾らでも操作できるのだからこれはやらぬ、こういうことでありますか。国民の血税を使いながら、再建をはかろうとするのに、一番むずかしいから
金利はどうのこうのというのでは、私は承服しかねる。いかがですか。