○肥田委員 先ほ
ども久保委員の質問に対して、そういう法的な取り締まりについての
考え方というものをこの次の
国会に、こういうふうに言われておりましたね。それで私はこのものの
考え方というものが非常に大きな隔たりがあるような気がするのです。ここ六、七年来非常にひんぱんに海上
事故というものが起きておるのです。そういう
事故が起きておるにもかかわらず、それらに対する具体的な指導方法あるいは法的
措置が講ぜられないで今日まで来ておる。私は先ほど
久保さんが言っておったように、当面する問題は、外国船の
日本におけるところの
航行を拘束するのではなくして、国内におけるところのいわゆる内船、いわゆる沿岸の旅客輸送をやっておる
船舶の運航に対しての取り締まりというか、指導というか、これが必要なんだということです。外航船の問題や
規則、国際法だとかなんとかというものを問題にして
考えることよりも、もっと手近にたくさんすることがあるじゃないか、こういうことを感じるのです。最近、この十年来において非常に科学の進歩が行なわれ、俗にいうところの経営学というものにおいても大きな急変をしておるのです。ところがお役人の頭というものは、十年一日といいますか、全くマンネリズムで、少しも変化がない。
法律をつくってやらなければどうにもできぬだろうという
考え方があるというなら、なぜその
法律を先につくらないか。今日の実情は、だれが見てもわかるように、昔のようにのんびりした気持で船をあやつっておるような
時代ではない。船の速度は非常に早くなってきて、最近できておるところの水中翼船、これなんかもどんどんできておるけれ
ども、こういうものについての
事故対策もまだ考慮されておらないでしょう。船をつくらすことはつくらす、旅客輸送をやらすことはやらしておる。けれ
ども、こういうものが
衝突して一体どういう
事故が起きるだろうか、こういうことについてどういうような
規制をしなければならぬか、こういうことがいつでもあとになる。お役人の頭というものは、いつでも二十年も三十年も、もっと極端な言い方をすると、ずっと前からの
状態のままお役人は継承してきておる。ところが、お役人の頭とは
関係なしに世の中というものはどんどん進んでいくのです、私はこういうことに対する対策とは、急を要するのじゃないかと思うのですが、今のままで、まだことしも具体的な指導対策を立てずにやられるつもりですか。船主を呼んでよく指導するとかなんとかというお話でしたけれ
ども、私はこれはなかなかむずかしいことだと思う。現に陸上における自動車
事故に対して、自動車の運転手あるいは自動車運送をやっておる企業主、こういう者に対して指導してみても、なかなかこれは十分じゃない。そういうことで私はこの目的が達せられるとは
考えられない。けれ
ども、海上のことですから、陸よりはもっと広いだろう。陸よりは広いのだから、もっと適切な指導があれば防げるだろう、これは私も同感なんです。だから、もっと積極的な指導というものが私は今日すでに立てられておらなければならないと思う。今たまたまこういう
衝突事故が起きた。けれ
ども、これはことしだけの問題じゃない。私はあまりのんびりし過ぎておるんじゃないかと思うのです。これも
久保さんが言われておったように、後刻いろいろな議案の中でさらにわれわれの
考え方を申し述べたいと思います。
それから、今度
海上保安庁の方に
一つ聞きたいのですが、
海上保安庁は、
法律をうまくつくってくれなければ、
海上保安庁の仕事は権力を振り回すというわけにもいかぬでしょうから、それはよくわかります。ただ救援対策の問題についていつでも言われるのは、救援が手ぬるいじゃないか、こういう非難があります。この救援が手ぬるいじゃないかという非難は、きまったように、いわゆる巡視船だとか救難船が足りない、スピードがのろくて、もうてんで使いものにならないけれ
ども、そういういわゆるぼろぼろのよろいを着てとにかく守っておるんだ、こういうことになるわけなんですが、こういう
事故が起こるたびにどうだこうだと言われるんなら、実際に
海上保安庁として救難ができません、
巡視艇がこれではどうにもなりません、いわゆる海上の
航行指導はこれではできませんという態度をもっと明らかにされたらどうですか。私は、
海上保安庁がただ非難ばかりを甘んじて受けて聞いておるというだけのことじゃいかぬと思うのですが、どうですか。