○
勝澤委員 それは
自分でイエスかノーか言える
経営者ならけっこうだと思う。今
国鉄はそうなっていますか。そうなっていないじゃありませんか。そういう中でそんな議論をやったって、それは無理な話なんです。二千円のベースアップを要求したって、
国鉄当局の一存でその二千円に対する回答ができるのですか。できないじゃありませんか。一々
政府に相談しなければできないでしょう。
政府の許可がなければできないじゃありませんか。
経営者じゃないですよ。管理者ですよ。管理者の責任は何かといえば、公共企業体は企業の能率を上げながら公共性をやっていかなければならぬ。労使の紛争は、国民大衆に幾ら迷惑をかけてもかまわないか、労使の円満な解決をはかって、国民大衆の利益を少しでも守るかというどっちかです。あなたは
自分のことだけ
考えて、国民が幾ら迷惑してもかまわぬ。紛争が起きたら、それは労働組合が悪いのだ。おれは首を切るだけだ。首を切る資格のある者だったら、処分する資格のある者だったら、やはり悪いことについては直していく。そうしてそれについてはイエスかノーか言える、こういう体制になっているなら、私は問題はないと思う。企業能力のある
経営者じゃないじゃありませんか。国から預かっておるだけじゃありませんか。預かっておるのだったら、国民大衆の利益を
考えながら、企業のことを
考えながら、紛争を少しでもなくしていく、円満な企業の運営をやっていく、こういうことを
考えたらどうですか。これが中心ですよ。
大臣にちょっと申し上げておきたいのですが、今私が副総裁とやりましたように、一月一日に実施しなければならぬ昇給が、
国鉄の労使の問題で結局話し合いがつかずに今もって解決していない、こういう
状態なんです。
国鉄は三月三十一日にたくさんな人
たちが退職する。その人
たちには一月一日の昇給が
影響があるわけです。
自分がやめたときには幾らの退職金になるだろうかという
設計もしなければならぬわけです。それにもかかわらず、今もって話合いができない。話し合いができない原因は何かというと、百人のうち二人か三人、とにかく一般に勤めても、その中で一管理者が、これは成績がよくないと——具体的事実があるなら別だと私は言うのです。具体的事実に何も
基準が与えられていない。そうして落とされた本人にも、お前はこうこう、こういう理由でこうこうだ、だから今回は遠慮してもらった、こういうことならけっこうだと思う。しかし、片一方は成績がいい、そうするとこっちを落として、お前は二段階特進だ、こういうやり方をやることが
国鉄をうまくやっていくことだ、こういうことでやられているわけですから、
大臣としても、
大臣の所管である
国鉄がこういう問題でことさらに世間に迷惑をかけるということは好ましくないことだと思う。これは
予算的な問題なら別ですけれ
ども、
予算的な問題ではないのですよ。だから
大臣としても十分
検討されて、やはり
国鉄と話し合って、円満に解決されるように努力していただきたいということを、
要望しておきます。
今度、
大臣に
お尋ねしたいのですが、一番問題は、やはり
予算の中でもあるわけです。たとえば
国鉄の期末手当というものは、従来
予算の上で国家公務員より〇・一五の差がついておる。期末手当は国家公務員より〇・一五低い。だからその〇・一五分だけ一生懸命働きなさい。働けば公務員並みにいくでしょう。なおもっと働けば公務員以上にいくでしよう。こういう
予算だ。〇・一五という差がついている。だから
国鉄の労使の問題は、いつも、公務員と
国鉄というものは勤務形態が違うのだ、労働時間が長くて、そして実際の現業なんだ。だから、それが国家公務員と同じではおかしいではないか、だから、ある程度企業能力が上がったときはプラス・アルファがあたりまえなんだこういうことでやられてきたわけですけれ
ども、それが今まで〇・一五の差がある。今度の
予算を見ると、〇・一五から〇・〇五ふえて〇・二になったわけです。ですから、国家公務員と
国鉄の差は〇・二だ。だから、一生懸命
国鉄の職員は働く。働いても、今度のような豪雪が来たりあるいは不時の災害が起きたということになれば、幾ら利益を生んでも、そちらに行けば、公務員より低い。こういうことになるわけです。これは
国鉄の働いている人から見れば、公共企業体という形で公共性を押しつけられている。公共性を押しつけられるのはけっこうだ。企業能力の
合理化を一生懸命進めよう、こういうものにとっては耐えられない。今まで〇・一五の差でさえ今日まで苦労してきたのに、また今度
予算では〇・〇五の差がついて〇・二になった。これはどうも理屈が合わないし、納得できないということで、これは働いたって損じゃないか、こういう空気があるわけです。これは私は大
へん残念なことだと思う。しかし働けばよくなるのだ、公共企業体というものはそういうものなんだということを総裁以下現場の駅長さんやあるいは機関区長に至るまでそういう
教育をしてきたわけです。君らは一生懸命働きなさい、働いてよくなれば給料もよくなるだろう、あるいは手当を余分に出しましょう。こういうことをやってきたのですけれ
ども、結局一生懸命やればやるほど差をつけられて、それが災害なり何なりあったときにはぺしゃんこになってしまう。これは
国鉄の職員から見たら重大な問題なんです。これは、〇・一五であった差が〇・二になったということについては、いろいろないきさつがあると思う。しかし、こういう差がついておるし、今言った昇給の問題のようなことがあって、
国鉄の労使というものはふだんなかなか円満にやって、終戦のときは、あれだけ世の中が混乱しているときにかかわらず、動いているのは汽車だけといわれておる。それが今こういう紛争が続いているのは大
へん残念だと思う。この際、
大臣の方からも、積極的にこの昇給の問題について、あるいは期末手当の問題についても、やはり十分御
検討されて、
一つ円満な解決をされるようにぜひあっせんしていただきたいと思うのですが、どうでしょう。