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1963-02-08 第43回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年二月八日(金曜日)委員会において  次の通り小委員及び小委員長選任した。  都市交通に関する小委員       有田 喜一君    壽原 正一君       鈴木 仙八君    關谷 勝利君       高橋清一郎君    細田 吉藏君       井岡  大治    久保 三郎君       下平 正一君    肥田 次郎君   都市交通に関する小委員長       細田 吉藏君  観光に関する小委員       有馬 英治君    伊藤 郷一君       加藤常太郎君    川野 芳滿君       簡牛 凡夫君    砂原  格君       福家 俊一君    細田 吉藏君       山田 彌一君    井手 以誠君       加藤 勘十君    勝澤 芳雄君       内海  清君  観光に関する小委員長       山田 彌一君  踏切道整備に関する小委員       尾関 義一君    佐々木義武君       關谷 勝利君    中馬 辰猪君       細田 吉藏君    増田甲子七君       久保 三郎君    田中織之進君       肥田 次郎君    内海  清君  踏切道整備に関する小委員長       佐々木義武君 ————————————————————— 昭和三十八年二月八日(金曜日)    午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 木村 俊夫君    理事 鈴木 仙八君 理事 高橋清一郎君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君       尾関 義一君    川野 芳滿君       壽原 正一君    砂原  格君       關谷 勝利君    中馬 辰猪君       増田甲子七君    井手 以誠君       勝澤 芳雄君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 綾部健太郎君  出席政府委員         運輸事務官         (船員局長)  若狭 得治君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      岡本  悟君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道常         務理事     河村  勝君         日本国有鉄道常         務理事     遠藤 鉄二君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任  の件  船舶職員法の一部を改正する法律案内閣提出  第二七号)  日本国有鉄道経営に関する件(日本国有鉄道  の出資金に関する問題)      ————◇—————
  2. 木村俊夫

    木村委員長 これより会議を開きます。  この際小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、都市交通に関する小委員会観光に関する小委員会及び踏切道整備に関する小委員会設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木村俊夫

    木村委員長 御異議なしと認め、さよう決定しました。  なお、各小委員員数並びに小委員及び小委員長選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 木村俊夫

    木村委員長 御異議なしと認め、さよう決定しました。  それでは、都市交通に関する小委員に、    有田 喜一君  壽原 正一君    鈴木 仙八君  關谷 勝利君    高橋清一郎君  細田 吉藏君    井岡 大治君  久保 三郎君    下平 正一君  肥田 次郎君  観光に関する小委員に、    有馬 英治君  伊藤 郷一君    加藤常太郎君  川野 芳滿君    簡牛 凡夫君  砂原  格君    福家 俊一君  細田 吉藏君    山田 彌一君  井手 以誠君    加藤 勘十君  勝澤 芳雄君    内海  清君  踏切道整備に関する小委員に    尾関 義一君  佐々木義武君    關谷 勝利君  中馬 辰猪君    細田 吉藏君  増田甲子七君    久保 三郎君  田中織之進君    肥田 次郎君  内海  清君 以上をそれぞれ指名いたします。  次に、都市交通に関する小委員長細田吉藏君、観光に関する小委員長山田彌一君、踏切道整備に関する少委員長佐々木義武君をそれぞれ指名いたします。  なお、ただいま指名いたしました小委員及び小委員長委員異動等により欠員となりました場合、その補欠選任等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 木村俊夫

    木村委員長 御異議なしと認めさよう決しました。  また、ただいま設置いたしました各小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の人選、招致の日時及び手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 木村俊夫

    木村委員長 御異議なしと認めさよう決しました。      ————◇—————
  7. 木村俊夫

    木村委員長 去る一月三十一日本委員会に付託されました内閣提出船舶職員法の一部を改正する法律案議題といたします。
  8. 木村俊夫

    木村委員長 まず政府当局より提案理由説明を聴取いたします。綾部運輸大臣
  9. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 ただいま議題になりました船舶職員法の一部を改正する法作業提案理由について御説明申し上げます。  船舶職員法は、船舶職員として船舶に乗り組ますべき者の資格を定め、もって船舶航行の安全をはかることを目的とする法律であります。船舶通信士につきましても、その資格定員は同法によって定められておりますが、現行法定定員は、昭和十八年当時、戦時下要請によって船舶通信士を増員いたしました体制を今日まで踏襲して参ったものでありますので、太平洋戦争以前の規定と比較しましても、また諸外国船舶の実際と対比いたしましても、これらを相当上回っているのであります。  この改正法律案は、船舶無線電信局運用義務時間を国際水準の線に置くこととする電波法の一部を改正する法律案に対応いたしまして、海上航行の安全に支障を来たさない範囲船舶通信士法定乗組員定員を諸外国並に改めようとするものであります。  御承知通り、今日、わが国海運企業はきわめて困難な事態に当面いたしております。政府といたしましては、海運企業国際競争力を強化いたしますため、あらゆる努力をいたしているのでありまして、企業体制集約化等海運企業の徹底した合理化を前提とする抜本的な再建整備の方策を実施する必要に迫られているのであります。船舶乗組員定員合理化は、海運企業合理化の重要な一環であり、海運界におきましても現在まで真剣な努力が払われ、すでに甲板部門及び機関部門におきましては、顕著な実績を上げているところであります。しかるに船舶通信士につきましては、需給状況の逼迫、通信機器の進歩にもかかわらず、乗組員定員に関する現行規定のために、いまだ合理化が実現し得ない実情であります。  よって、海運企業の現状にかんがみまして、海上航行の安全に支障を来たさざる範囲船舶通信士法定定員を諸外国並に改める必要があるのであります。  今回の改正の第一点は、船舶通信士法定乗組員数を軽減し、旅客船以外については、これを一名としたことであります。ただし、法施行の際の現存船につきましては、諸般事情を考慮し、三カ年間経過措置を設け、船舶通信士員数を一挙に削減することによって各般の支障が生ずることを避けております。  改正の第二点は、現在乙種船舶通信士及び丙種船舶通信士免許年令が満二十歳以上でありますのを、満十八歳以上に改めた点であります。これは、電波高等学校卒業者学校卒業資格取得まで約二カ年の空白があるため、海運界に必要な人材が得られない情勢にありますので、当分の間かよう措置をとることによりまして船舶通信士需給緩和をはかろうとするものであります。  以上がこの法律案を提出する理由であります。  何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  10. 木村俊夫

    木村委員長 本案に対する質疑次会に譲ります。      ————◇—————
  11. 木村俊夫

    木村委員長 日本国有鉄道経営に関する件について調査を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  12. 久保三郎

    久保委員 運輸大臣に先にお尋ねするわけですが、三十八年度の国鉄予算を見ますと、その中には、日本交通公社出資する項目があるようであります。これはいかなる目的というか、ねらいで今回そういう予算を提案したのか、その御趣旨を御説明願いたいと思います。
  13. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 御承知ように、交通公社は、財団法人でございます。最近の旅行需要の増大とか旅行に関連する多岐にわたる乗車券類総合的に発売し得る態勢を整備拡充することが強く要請されておるのであります。財団法人なるがゆえに、国鉄資金及び職員には限度があり、また、市中における乗車券類を委託発売している交通公社も、財団法人としての性格上、資金調達等に非常に制約がありますので、このよう要請には直ちに応じられない実情にあるばかりでなく、発売委託方式で行なわれている。このために運営の一体性の確保にも難点がありますので、これらの難点を解決しつつ発売態勢を整備強化するには、国鉄出資を含む民間会社の設立が適当であると考えてやったことと思っております。
  14. 久保三郎

    久保委員 一応今のお話だと、国鉄輸送販売、こういうものを最近の旅行事情にあわせてやるのには、どうしても、今の交通公社であっては十分でない。そのために民間企業としての株式会社移行のための出資だ、こういう御説明であります。  そこで国鉄総裁にやはり同様のお尋ねをするわけでありますが、現在の国鉄交通公社との関係で、今運輸大臣が述べられたような点、いわゆる発売網の確立というか、そういうものが十分でないということから今度株式会社にするということだとするならば、今のよう関係だけでは残念ながら単に企業形態を変えていくというだけに終わるとわれわれは思うのであります。それは公社自体にとっても前進であり、国鉄自身輸送販売についても前進であるということは、どういう効果をねらっておるか。一応運輸大臣の御説明では抽象的にはわかりますが、それじゃ今の形態株式会社に移行した場合に、それがはたしてどういう点でプラスになるか、そういう点を御説明いただきたいと思います。
  15. 十河信二

    十河説明員 御承知ように、わが国観光客国内でも国外でも非常にふえて参りました。国の方針といたしましても、地方における観光資源の開発もやっておられます。戦後観光事業あっせんをしている交通公社業務は非常に複雑になって参りました。たとえば、乗車券で申しましても、普通の乗車券もあり、いろいろ迂回をする回遊乗車券もあり、また社線あるいはバスとの連絡もあり、旅館等あっせん等、非常に種々雑多の業務が増加いたしまして、これに対応して参りますためには、それらのあっせん業務も、ただ一カ所だけでなく、市中に出て参りまして、なるべく国民サービスの十分に行き渡るようにしなければならぬ、またそういうふうに複雑になって参りますと、これらの業務を処理するにあたって、今までのようにただ人力だけでもいかぬ点もありますので、国鉄といたしましても機械化をいたしております。公社あっせん方面においてもそういうことをしてもらわなければならぬ。そういうことで事業活動というものは非常に広範になり、また多量になって参りました。  そこで、ただいま運輸大臣からお話がありましたように、人員も増さなければならぬし、また資金も増額をしなければならぬ、そういう際に財団法人公社ではどうも国民要望に応ずるよう施設を手っとり早く行なうことができません。そのためには新しい会社を設立する、あるいは民間会社と提携するとか、いろいろ方法がありますが、今日までやってきたなれている公社のそれらの人を公社から分離をして、別な会社にして、それらの人で手が足らなければ手を増していく、機械が足らなければ機械を買ってやる、資金が足らなければ増資をするといったようなことのできるようにする必要がある、こう考えまして、こういう手段方法をとることに決定して、お願いしている次第であります。
  16. 久保三郎

    久保委員 今、運輸大臣並びに国鉄総裁からそれぞれ構想をお示しになりましたが、実は幾つかの問題点があると思うのです。一つは、公社自体企業性というか収益性があまり芳しくない、それは財団法人であるからという一つの問題もあるでしょう。しかし、それともう一つは、国鉄輸送を売るという場合に、必ずしも他の輸送機関に比べて円滑に売り得ない面がある。たとえば手配一つにしても、なかなか簡単な手配にはいけぬという問題もあろうかと思う。この際そういう問題も含めて解決することが公社のためであり、国鉄輸送を売るという立場からも大事じゃないかと思うのですが、この点は常務理事遠藤さんどうですか。
  17. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 ただいまの段階では国鉄輸送力そのものが不足の場合が多うございまして、必ずしもお客要望に応じがたい。お断わりする場合が多いのでございますが、われわれ、ただいま新五カ年計画によりまして東海道新幹線その他の輸送力増強政府でやっておるわけでございます。ある程度いきますと、ただいまのよう需要に応じ切れないというような問題も解消できると思います。  それから、公社のただいまの活動が必ずしも十分でないのは、いろいろな制約があるわけでございまして、現在公社は特に有利な採算ということにはもちろんなっておらないのでございます。輸送力を増し、国鉄がいろいろな旅客の御希望に合うよう乗車券を設定いたしまして、これを広く販売していただくよう格好をとることができますれば、公社事業活動の意欲と相待って、経営を増進できるのではないか、かように考えております。
  18. 久保三郎

    久保委員 輸送力が足りないから需要に応じられない、そのために収益性も上がらぬということは十分承知しております。それであればこそ、輸送力増強が行なわれれば、これは当然スムーズな手配もできるし、その間にいろいろな設備をやればむだな時間、ロスというものはなくなるわけでありますが、そこで考えられるのは、国鉄公社輸送を卸売するというふうな形もこの際考えないと、いつまでたっても輸送増強は残念ながらそう簡単にはいかぬと思うのであります。そういう際に窓口はたくさんできたが、販売はどうも繁雑で他の輸送機関に逃げていく——と言っては語弊があるが、ほかの輸送機関の方が有利である、便利である、こういうふうなこともやはり改善一つとして考えるべきだと思うのです。これはなかなかむずかしい問題だと思うのでありますが、一つの例としてあげたのはそういうことであります。それ以外にもたくさんこの機会に改善をすべきだと私は思うのです。  次の問題に移りますが、今度の出資の大体の資本金構成というものはどういう形になりますか。
  19. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 現在の交通公社は、先ほど総裁からお話しいたしましたが、設備投資の資力がございませんので、年間せい一ぱい二億程度しか施設ができないわけであります。国鉄希望するよう乗車券販売網サービス網を広げていただきますためには、ここ数年、年間六億とか七億とか、相当大きな投資を必要とすると思うのでございます。これは、現在市中にありますところの営業所の新設もしなければなりませんし、現在の営業所拡張もしなければならないと思うのです。そういう、ここ数年相当の資金も要るということも勘案いたしまして、その他諸般の点を勘案いたしまして、現在資本構成等はまだ公社とそれほど具体的に話し合いが進んでいるわけではございませんけれども、われわれの見通しといたしましては、資本金は八億見当でいいのではないか、それをまたもとにいたしまして、いろいろ借り入れる能力ができて参ります、そのうちで、国鉄は三億程度投資し、現在の財団法人交通公社からも出資する格好をとっていただきまして、総額八億円、この程度営業所拡張その他はやっていけるのではないか、こう思っておるわけでございます。
  20. 久保三郎

    久保委員 この出資の割合の問題でありますが、これはまだきめておらないというが、およそ心づもりとしては八億、その中で大体国鉄三億、あとは公社とその他、こういうことでございますが、公社は一面において国鉄輸送エージェントとして立っていくと同時に、総合輸送あっせん機関として立っていくべきだと思うのであります。これは今日もその性格だろうと思うのでありますが、それを拡大強化していくためには、やはり資本構成も慎重に考えていくべきだろうと私は思う。そこでもう少しこまかくお話を伺いたいのでありますが、国鉄三億は一応わかりました。そのほかの五億の内容は、大体公社三億ということで、その他二億くらいというふうにも聞いておるのだが、その通りであるかどうか。さらにその他の二億というのは大体どういう方面からの出資を予想されておるのか、その点いかがですか。
  21. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 国鉄三億を予定しておることは先ほど申し上げました。公社の方が現在の財団法人からどのくらい出資し得るかということは、公社は別に新しい資金を導入するのでなくて、現在持っております資産を評価いたしまして、その評価益といいますか、そういうものを出資に振り向けるわけでございますけれども、これにつきましては税法の関係とかいろいろな関係がございますそうでして、公社の方もまだどの程度というはっきりした腹づもりはないようでございますが、大体われわれ聞いております範囲では三億ぐらいではないか、こういうことでございます。その他の二億は、これはまだ公社としても外部にお願いはしていないように聞いておりますけれども、私どもの想像し得る範囲内では、たとえば航空会社とか私鉄とかそういうやはり交通機関に御協力を求めた方がいいのではないかというような話が出ておるようでございます。以上でございます。
  22. 久保三郎

    久保委員 今まで国鉄交通公社関係は、いろいろ見ようによりましょうけれども、見ようによれば、いわゆる国鉄外部団体といわれてきた、見ようによればそうでなくて、まるきり反対で、どうもお互いの主張だけが角突き合って、円滑にいってないというのがある。この際どちらをとるかは別として、批評批評でありますから……。しかし、それはある一面うがったことを言っておるのじゃなかろうかと私は思う。そういう点をすっきりして、先ほど運輸大臣並びに総裁からお話があったような精神にのっとって、やはりすっきりした公社国鉄関係規定すべきだと私は思うのであります。そういうことを考えておられますか。
  23. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 国鉄市中販売網を強化していただきたいがために出資をいたすわけでございますから、当然国鉄といたしましては国鉄切符をなるべくよけい売っていただきたいわけでございます。しかしながら、現在のお客様の希望は、先ほど総裁から説明がございましたように、単に国鉄切符を買いたいということだけではございませんので、いろいろ回遊ルートをつくり、ほかの交通機関にも乗り、また旅館券もあわせて発売しなければ、お客さんの需要には応じられないわけでございまして、従いまして、国鉄は当然なるべく自分の営業増進に寄与したいわけでございますけれども、当然お客さんのことを考えますならば、ほかの交通機関切符も売ってもらわなければならないし、すべてこれは大局的に申し上げれば、お客さんへのサービス、御希望に従っていくよう格好にいたさなければならぬ、かように考えております。
  24. 久保三郎

    久保委員 そこで、そういう観点から資本構成を考えれば、やはり国鉄発言権というものは三分の一くらいが限度ではなかろうかとわれわれは思うのですが、そういう点はいかがですか。これは総裁の方がいいですが…。
  25. 十河信二

    十河説明員 遠藤常務からお答えいたしましたように、大体今までの話は八億前後ということで、国鉄が三億前後ということになっております。それですから大体三分の一、今、遠藤常務から申しましたように、何をもとにするかというと、お客さんへのサービスをできるだけよくするということを基本にいたしておりますが、そういう点において、必ずしも国鉄国鉄だけの利益を主張するわけじゃない、国鉄の主張するところは、お客さんの希望にでき得るだけ沿いたい、そういう趣旨でやりますから、そういう趣旨で、この新会社経営すれば、国鉄と新会社公社の意志は完全に一致する、円満に一体になっていけると思っております。
  26. 久保三郎

    久保委員 運輸大臣にお尋ねしますが、今総裁からお話がありましたが、私は交通公社性格総合的なあっせん機関ということで発展させるべきだと思っているわけです。その中でも、やはり国鉄の、先ほど来からの説明で、国鉄とはただ一つということではないんでありましょうが、輸送販売上の大きな柱として、交通公社をいわゆる規定することがございますから、そのかね合いに立って資本構成もするべきだと思うのでありまして、むやみやたらに国鉄発言権のみが比重が重くなって、総合あっせん機関としての機能が中途半端になるようでは困ると思う。そういう点から、いわゆる資本構成もすべきだろうと思うのでありますが、いかがでしょうか。
  27. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、やはりできることなら、国鉄が非常な発言権を持つ意味において、より多く出資するのがいいとは考えますが、国鉄当局者がいいますように、国鉄利益のみじゃない、国民サービスを中心にするという観点から見まして、かりに総資本を八億円とするならば、まあ三億円程度が適当と考えます。そのほかのものはやはり交通事業関係がある諸事業者に持たして、そして相ともに相互の機能を、たとえば船会社が持つとすれば船会社バス会社が持つとしたらバス会社、そういうものと一緒になりまして、要は日本国内観光事業に寄与して、国民の負託にこたえるようサービスをするということに力を注ぐべきである、かように考えております。
  28. 久保三郎

    久保委員 そこで大体その性格というか、それはわかりましたが、念のために国鉄総裁にお尋ねしておきたいのでありますが、株式会社移行によって、どうも聞きようによっては、国鉄販売網だけが強調される反面があるわけです。これはもちろんその通り一応あります。しかし、それが強調され過ぎるというと、残念ながら今運輸大臣からお話があったよう総合あっせん機関としての性格が少しぼけてくる、こう思うのでありますが、株式会社移行になっては、さらに強い総合的なあっせん機関としてこれを育てていくということに相なるわけだと思うのでありますが、いかがでしょう。
  29. 十河信二

    十河説明員 私もそういうふうに考えております。先ほどお答えいたしましたのも、そういう趣旨でお答えしたのであります。
  30. 久保三郎

    久保委員 そこで今まで、先ほどもちょっと申しあげましたが、国鉄交通公社の間はいわゆる国鉄外郭団体であるかのごとき見方をする反面、また内部に立ち至ってみればそうじゃなくて、そのために日本交通公社国鉄の何というか、一方的な恣意によって運営される、であるから公社自体総合あっせん機関として扱われない面があるという声もあるわけであります。そういうことは、一つの例にとれば、これは両方に私は問題があると思う。一つはこれは総裁御存じだと思うのでありますが、たとえば国鉄とよその競争路線がございます、そういう場合に総合あっせん機関としては両方輸送をするわけなんですが、先ほどお話によると、その場合にどうしてもお客輸送を買うという立場から輸送の質を考えていきます。その場合によりいい質の輸送を買うということが当然ですから、また売らなければいかぬ。ところが国鉄営業政策からいけばどうもこれはちょっと困るという点が実際に出てくると思う。これはそこに一つ問題があると思うのです。今までの外郭団体、御用機関というか、そういうことに一つの弊害として出たのは、そういう場合の処理の仕方に問題が一つ出ているわけですね。本来このエージェントであるべき交通公社は、輸送担当の国鉄あるいはその他の輸送機関から販売を委託されるのでありますから、その場合にこの委託された輸送そのものの質が悪ければ、エージェントとして当然お客の要求に応じて改善要求を輸送の担当である国鉄なら国鉄にこれは強く要求して、改善を求めるべきことだと思うのであります。ところが公社自体もそれをやらぬ。国鉄自体も、何じゃお前、こういう関係にありながら競争路線を売っちゃいかぬじゃないか、こういうことで問題を片づけてきたのではなかろうかと思うのです。一つの例であります。これはどちらにも私は責任があると思う。こういう点を改めない限り、お互いの不信感というものはつのるばかりでありまして、株式会社移行になりましても、なかなかそういう運営については円滑にいかないのではないかという心配があります。そこで私はそういう点を含めて、この際株式会社移行という性格変更ならば、これを解決すべきだろうと思うのです。  そこで私が申し上げたいのは、今まで詳細な業務協定というか、そういうものが会社国鉄の間には実際ないと思うのであります。販売に対するいわゆるマージンの問題はあるかもしれませんが、それ以外の問題はあまりないと思うのです。そういうこまかい協定までつけておけば、ことさらにうかつにも国鉄競争路線を売るような商業道徳的にいっても非常識なことは起こり得ないだろうと思うし、さらには輸送の質が悪ければ公社自体国鉄輸送改善を、質改善を要求することもあり得ると思うのです、そういう業務協定というか、そういうはっきりしたものがないままに、お互いがお互いのままに販売し、輸送をするということになりますから、そこにどうしても円滑さを欠くという私はきらいがあると思う。そこでこの際、そういうこまかいと言っては語弊があるが、業務協定をきちっときめて、株式会社としても、国鉄としてもいわゆる対等の立場でコマーシャル・ベースで物事が進められるというふうにすべきだろうと思うのでありますが、この点はどうですか。
  31. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 久保先生の御指摘の件は確かに方向としましては御指摘の通りだと思います。また過去におきまして、具体的に国鉄公社の間におきましてそういう大きなトラブルはなかったように思います。結局お客さん次第という、お客さんのお好みによって販売をする、これは第一に当然でございます。しかしながら、お客さんと輸送機関との間にあっせん業者という立場があるわけでございますので、それぞれの任務に応じてやっていけばいいとも思うのでございますが、御指摘のような事柄は全国的にはそうございませんが、一部にはあった例もございます。公社の方から設備改善の要求、すなわち国鉄の運輸サービスをもっとよくしてくれという御希望が出たこともございます。その御希望をわれわれいれまして、いろいろ考えておるのでございます。また公社国鉄がただいまやっております契約書、これは単に売り方といいますか、手数料の問題とか、そういう問題を中心に協定ができておりまして、こうすれば一そうよくなるのじゃないかというようなこまかい点に入りますような協定というものは、御指摘の通りないわけでございます。確かにそういうものがあった方がいいと私ども考えておりまして、でき得れば新会社移行後の契約は、そういうサービスに関する基本的なやり方が円滑にいきますような協定ができればいいと思っておりますけれども、これは文章に書くというようなこともなかなか困難な問題もあるわけでございます。御指摘のようになるべく両者そろいましてサービスが上がりますように、何らか実施の細目といいますか、そういう協定をいたしたいと思っております。
  32. 久保三郎

    久保委員 細目についても検討したいというお話でございますから、一つ十分慎重に御検討いただいて、対等の立場で、大筋はだれに見せてもわかるというふうにした方がお互いに話もしやすいのじゃないかと思うのであります。しかし、大したことはなかったと言うが、その大したことはなかったということがお互いの不信感を招いている面が相当ある。こういうものは社会的には大して大きな問題ではございません。しかし、国鉄公社の間に相当なひだというか、そういうものが入る要因でございまして、株式会社に移行して大いに国鉄輸送を売ってもらおうといいましても、不信感がそういう小さいところから出てきたのでは、残念ながら私はうまくいかぬと思うのであります。これは両者において十分反省されるべき点も多々あると思うのでありますが、そういうことのないように、協定は慎重にやったらどうか、こういうふうに思います。  それからもう一つは、文章に書くことはどうかという遠藤常務理事お話でありますが、たとえば総裁なり常務理事の考えと、末端に行っての現場長というか、そういうものが、総裁の命令で企業性を上げろということになると、どうもあすこの公社はおかしいじゃないか、こういう話も出ますので、やはり細目についても末端までそういうトラブルのないようにすっきりさすべきだと私は思うのであります。この機会にぜひ御検討いただきたいと思います。  それから次に、今の財団法人の大半があっせん業をやっているわけでありますから、今度の株式会社移行については当然大半の者がそちらへ移って、残る財団というのはかなり縮小された形で残ると思うのでありますが、これはどういうふうな振り分けというか、それについての御構想がございますか。
  33. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 残ります財団は、結局現在の交通公社がやっております公益事業そのまま残りますから、そのための職員が残るわけでございますけれども、これは実数にいたしますと非常に少ないものではないかというふうに聞いておるのでございます。
  34. 久保三郎

    久保委員 そこで、本家本元の交通公社はどういう方針をおとりになるのですか。運輸省と国鉄お話は聞きましたが、本家本元、財団法人日本交通公社は、株式会社に移行するということになっておりますか。あるいはその作業を並行して進めておられるのでありますか。いかがですか、これは。
  35. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 先ほど申し上げましたように、まだ予算、政令その他これからお願いする段階になっておりますので、公社側と私どもとそうこまかい話し合いを進める段階じゃないわけでございます。ございますけれども、公社もいろいろ内部では検討を進めておられるように聞いておるわけです。
  36. 久保三郎

    久保委員 それは遠藤さん、予算が今審議中で、まだ通るか通らぬかわからぬから、それはその通りですよ。しかし、通ったときの準備として、運輸大臣総裁予算を出しているという手前からいけば、かくかくの経過をたどりつつありますが、まだ予算が通らないからコンクリートにはできませんというお話になるのではなかろうかと思うのです。無鉄砲に、いやもう三億出して株式会社にしようと思うのです、それで予算を出しているのでありまして、予算通りましてからまた考えますでは——これは予算委員会じゃないからあまりこまかく言いませんけれども、ちょっとそれはどうも運輸委員会、専門委員会としては話が通じないのですがね。無理に聞こうとはしませんが、少なくとも向こうの意思としても、運輸、国鉄の意思と同様に株式会社に移行するというようになっているのかどうか。あるいは今日までの経過としてそういう方針で向こうもいるのかどうか。それをはっきりしてもらわなければ、向こうは何のあてもないのに実施しようというのでは、ずいぶん人をばかにした話じゃありませんか。いかがですか。
  37. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 交通公社資金が足りませんので、自由な営業活動ができないので、株式会社という格好で企業的な活動をしたいということは、公社の方から出ました御希望なのでございます。これはかねてだいぶ前からの御希望でございました。交通公社自体がこの問題に反対であるというようなことは毛頭ないわけでございまして、たまたま私の方も鉄道の販売網を強化するために強くしていただかなければならない。公社自体もそういう御希望がありました。反対というようなことはございません。全然考えてないのであります。
  38. 久保三郎

    久保委員 監査報告はもう三十六年からだいぶ出ています。それで、これは運輸省も御承知通りでありまして、何らかの方法を講じなければいかぬ、あるいは株式会社にする方がいいというようなことも出ているのでありますが、それをあなたのお話を聞いていると、今まで何も話していませんという。青天のへきれきのごとき株式会社移行ということになりますと、ちょっとこれは臨海鉄道や何かの話と違うのでありまして、歴史は明治何年ですか、四十年かそこらの話でありまして、そこらのつながりを変革しようというのでありますから、そう一朝一夕の話ではないと思うのであります。いずれにしても建前上お話はそういうことになると思うのでありますが、十分運輸大臣にも申し上げておりますが、総裁もそうですが、一方的な形で押しつけることのないように十分配慮すべきだろうと思うのであります。というのは、やはり財団法人であろうが何であろうが、そこにおられる人は一つ経営陣としてやはり独立性を持っておられると思うのでありまして、やはり公社の行く末あるいはそれの性格をどうするかというような問題も十分考えておられるのではなかろうかと思うのであります。もし考えておられないで、いずれ国鉄と運輸省から話があるから、話を待って株式会社にでも行きましょうというようなことならば、今の経営陣は残念ながら全部役員は更迭してもらわなければならないのであります。そうではないでしょう、遠藤さん。
  39. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 さようではございません。
  40. 久保三郎

    久保委員 しかし、それは少くとも十分話は遂げた上で円満な形で移行ができるように、それから財団に残る方も、財団の目的が十分縮小された形の中でもとられ得るよう格好をつけないと財団法人設立の意義がなくなると私は思うのでありまして、そういう点についても十分考えていただきたいと思うのです。  鉄監局長が来ましたから伺いますが、あなたは専門で監督しておられるのでしょうが、私はそういうふうに考えているのですが、あなたはどうですか。
  41. 岡本悟

    ○岡本政府委員 先ほど遠藤君からは必ずしも明確なお答えをいたしておりませんが、しかし運輸省といたしましては、予算の計上を認めておりますので、大綱としてはそういう方向で行くことが、国鉄のセールス・チャンネルを強化する上に必要であろうと認めておるわけであります。ただ具体的には、御承知ように、政令で投資対象をきめる必要がございますし、またきめましても、ここに投資する場合には運輸大臣の認可が要るわけでございますので、そのときにその投資が妥当であるかどうか、適正であるかどうかということをさらに詳細に検討いたしまして、認可するかどうかをきめたいと存じております。  なお、お尋ねの公益的な面はどうなるかということでございますが、これはもちろん財団法人としての交通公社の設立の使命から申しまして当然残るわけでございます、たとえば旅行文化の向上であるとか、そういったことは本来の使命を生かす意味から当然残るというふうに了解いたしておるわけでございます。
  42. 久保三郎

    久保委員 そこで先ほどの話に関連してもう一つお尋ねしたいのは、販売チャンネルを拡大したいということで、店舗の拡張とか増設とか、そういうことをまず第一に投資の大きな理由としてあげられたわけですが、これはもちろんそれに見合った出資等によってまかなわれることだと思うのであります。ただ性格変更をして、直ちにせっかちにこれをやるということは、反面株式会社に移行後の公社経営状態を悪化させる心配もあるわけであります。その点は一方的な販売チャンネルの拡充ということだけにとらわれずして、むしろ株式会社交通公社の健全な発展という観点からのかね合いからものごとを判断しないと間違いができると思うのでありますが、その点はどういうふうに考えられますか。くどいようでありますが……。
  43. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 新しくできます組織は株式会社でございまして、国有鉄道はこれに対しまして自分の販売代行を大いにやっていただきたいのでございますけれども、やはり会社会社として成り立っていかなければならないわけでございます。そういう点は十分に勘案いたしまして、新会社が健全に成長できますよう国鉄としても協力をいたしたい、かように存じております。
  44. 久保三郎

    久保委員 そこで、これもまだはっきりしない話でありますから単なる構想をお聞きすることになるのでありますが、株式会社に移行する場合には発起人会というか、そういうものができるわけであります。その発起人というのはどういうふうな形で持っていく構想なのか、それはどうですか。
  45. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 その手続等につきましては、実はまだ下打ち合わせもそれほど進行してないような状態でございますので、ちょっとお答えいたしかねる次第でございます。
  46. 久保三郎

    久保委員 話をさっきから聞いておりますと、何にも下打ち合わせをしていないようなんでありますが、先ほどお話通り、ここは専門の委員会でありますから、公式論ばかりで話されても通じないのであります、われわれは、予算が通ればそれでうまくいくとは考えていないのです。むしろ現実にはもう話を進めているのが当然だと思う。だから今までの非公式な話というか、大体段取りはどうなっておりますか。段取りもつかないうちに三億出資予算成立、あとは岡本鉄監局長のもとで政令をつくるということで事は終わらぬと思うのですがね。それは建前はわかっています、予算が通らぬから、こういう話になっていますと、みなきれいに話せとは言いません。しかし逐次やっています、向こうもそれぞれの準備をしておりますというなら話はわかるが、今まで下打ち合わせもしていないのでは、こういう予算を出したって話にならぬじゃないですか、しつこいようですが、いかがですか。
  47. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 新しい会社を設立するということで、資本的には大体こういう構成でいったらどうであろうかとか、事業計画の大網はこうだというようなことは話し合いはしてございます。しかし公社はやはり将来——将来といいましても、ばく然とした将来でなくて、ことし会社ができますれば、今年度の事業内容はこうなり、収支はこうなる、来年は投資はこうで、収支はこうなるというようなはっきりした計画を責任者として当然立てなければなりませんので、それを公社内におきまして委員会をつくられまして、そこでいろいろ検討を加えられておる段階なんでございまして、国鉄側に対しましても、こういう資本構成、こういう投資規模、事業計画でいけば収支はこうなるというはっきりした数字をわれわれのところに持ってくるまでにはまだいっていないわけでございます。委員会をつくって、ただいま検討中というところでございます。
  48. 久保三郎

    久保委員 検討中だというからこれ以上聞いてもどうも話にならぬと思いますが、手順としては、もう二月でありまして、皆さんの方の願望としては、三月一ぱいにおそくも予算は通してほしい、こういうことだと思うのです。もうあと幾月もありません。もっとも三十八年度中でありますから、来年の三月一ぱいまではいいのでありますからいいのですが、しかし問題は、最近起きた問題じゃなくて、長年の懸案事項だということになれば、予算が通ればおよそ大体どの辺までに作業を完了してやりたいということで下打ち合わせをして、それに間に合うよう諸般の準備を整えていくべきだと思うのでありますが、予算が通るまではあまり本格的な下準備とかそういうものをやらぬで、予算が通ってからおもむろに鉄監局長とも相談しながらやっていくということでございますか。
  49. 岡本悟

    ○岡本政府委員 遠藤常務理事がどうも答えにくそうな答弁をしておりますけれども、問題の本質は、やはり運輸省といたしましては、投資の必要性はあるけれども、それが不良投資と申しますか、採算に乗らない、かえって国鉄自体として非常に迷惑をこうむる、こういう結果に相なっては困るのでございまして、その点は運輸省としてもきわめて慎重な態度をもって臨んでおりまして、今までの財団法人的な経営を改めまして株式会社ということになりますれば、御承知ように当然配当金のことも考えなければなりませんし、そういう面は具体的に政令で投資対象事業としてきめました上で、しかも先ほど申し上げましたように、現実に投資する場合に、これを認可するかどうかにあたってその点は十分精査して間違いのないようにしたい、こういうふうに考えております。目下その点について、交通公社といたしましては、国鉄の指導あるいは協力を受けまして、十分慎重に検討しておる、こういう段階であろうと存じます。
  50. 久保三郎

    久保委員 まあその程度でいいでしょう。  そこでまた先ほどの話になりますが、株式会社に移行すれば、いわゆる資金の導入等もたやすくなる、そういう面から事業を拡張できるんだ、それは一つの効果というか、それをねらって株式会社をつくる、こういうことに了解してよろしいのですか。お答えは大体そうですが、いかがです。
  51. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 先ほど申し上げましたように、今後増大する需要に的確に対処していきますには、どうしても施設を強化しなければならぬ。それには株式会社という形態をとるほかはないのじゃないか、こういうふうに思います。
  52. 久保三郎

    久保委員 私の質問はそれに似たようでありますが、ちょっと違うのでありまして、株式会社に移行させるという効果は、およそ次のようにとるわけですが、それでよろしいかというわけです。一つは、今申し上げたように、今の財団法人の形では思うよう設備拡張等はできない、いわゆる資金の導入が困難である、こういうことが一つ。もう一つは、国鉄立場からいって、この交通公社に自分の輸送を売ってもらうのには、やはり今の財団法人のこわばった形ではできないから、株式会社として、もっとニュートラルな活動をさせるのだ、そのための出資である。それは、とりもなおさず国鉄輸送を十分有効に売るんだ、そのためである。これは国鉄経営の方針から出た問題である、これが二点。三点目は、さっきの運輸大臣 鉄監局長等のお話からいっても、日本における総合輸送あっせん機関として、やはり日本における大きな柱としてこれを発展させるという、三つくらいのねらいですね。それはいかがですか。ほかに何か効果がございますか。
  53. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 お話のありました通りだと思います。
  54. 久保三郎

    久保委員 それではそういう方向で進んだら、誤りのないように、下準備ですか、下交渉ですか知りませんが、これも十分慎重に進めていかなければならぬだろうと思います。  そこで、問題の最後に残るのは、何といってもそこに働く者の立場がございます。今までは財団法人の中で使用されている従業員というか社員というか、そういう方が五千人あるいは六千人おられるわけです。こういう人たちが、やはり株式会社になったらどうなるのだろうか、こういう心配があると思うのでありますが、これに対して、もちろんこれをどうするかは国鉄そのものの問題ではないと思うのでありまして、交通公社が責任を持って処理さるべき事項だと思いますが、今日までの関係、さらに株主の一員として、やはりスムーズに、働く者が新しい会社に移行できるような万全の措置をとらなければならぬと思うのです。そういう点については、今日御配慮をしておるかどうか、考えておられるかどうか、いかがですか。
  55. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 公社の社内問題に干渉ということはできないかもしれませんけれども、今後は国鉄出資をし、そういう点からの責任もございますので、公社の新会社に移られる職員の方方に希望を持ってお仕事に精進できるようにわれわれも側面から配慮をするつもりであります。
  56. 久保三郎

    久保委員 先ほどの話にまた関連がありますが、大体予算通り、政令もできるということに相なりまして、手順が大体おたくの思う通りにいくとすれば、大よそ三十八年度のどの時期くらいにそういう衣がえをする予定ですか、お見通しはいかがですか。
  57. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 現在の下話のところでは、大体会社設立の時期を、区切りがいいから下半期から新会社に移行したらどうであろうか、予算、政令等をお認め願えますれば、下半期からであれば実施ができるのではないか、こういう見通しをしておるわけでございます。
  58. 久保三郎

    久保委員 そこで、交通公社が特にオリンピックを控えて、オリンピックを契機に、日本の国際観光というのは飛躍的に伸びるだろうという予想を当局でもしておるわけです。ついては、この新しい交通公社はそういう国際観光の一面でも日本のチャンピオンとして国外においてやはり活躍をしてもらわなければいかぬと思うのです。そうとすれば、今の経営陣営に不足とはあえて言えませんけれども、少なくともやはり相当な経営の能力のある者をさらに一般から導入する必要がありはしないか、こう思うのでありますが、そういう考えは今しておりますか、いかがですか。
  59. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 人事につきましては、まだ何も申し上げる段階に至っていないわけであります。
  60. 久保三郎

    久保委員 それからもう一つは、これはこれからの参考として聞いてもらったらいいと思うのです。別に人事にわれわれは関与するわけではありませんが、ただもう一つ、人間の面で、国鉄先ほど説明があったよう立場で今度衣がえをされるというならば、今までの人事交流だけでは、残念ながらこれはうまくないだろう。というのは、少なくとも国鉄の現職の者を連絡なら連絡ということで公社に一定期間出向させるという方法をとれば、さっきあなたは大きい問題じゃないと言ったが、小さい問題が事前に防げるのではないか、こう思うのであります。ところが、今まではそうじゃなくて、別な形で行っておりますから、これは残念ながらどうも思わしくないのじゃなかろうか。これは私の一つの思いつきというか考えでありますから、決してあれこれ申し上げませんが、少なくともそういう現職の者を公社に出向させて、国鉄公社の間に十分連携を密にして輸送販売をやっていくということの方が、両者にとってよろしいのではないだろうかという考え方もあるわけです。こういう点も十分考えるべきだと思うのでありますが、そういう考えは今しておるかどうか、いかがですか。
  61. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 御指摘のように、の職員を、期間を限りまして、公社のそういう部門に働かすということは、両者の提携をはかる上におきまして有効な手段であると思っておりますが、給与、待遇等につきましてやはりいろいろ問題がございますから、直ちに実施し得るという段階にはならないわけであります。
  62. 久保三郎

    久保委員 それは給与その他はいろいろあるかもしれませんが、給与その他についてはあまり問題ないのじゃないかと私は思うのです。ただそういう機構を置くかどうかの問題である。これは別に向こうへ送り込まなければいかぬというのではないので、少なくともそういう機能を果たさせる機関を設けて、もっと円満にスムーズに事を運ぶべきだ、そういうふうに考えております。いずれこの問題は御研究いただきたいと思うのであります。私のお尋ねしようとするのは以上で終わります
  63. 關谷勝利

    關谷委員 交通公社の問題で今いろいろ久保委員からお尋ねがあったようでありますが、委員の一人としていろいろなことを知りたいと思いますし、一方この交通公社株式会社にするというほんとうのねらいが私たちもわかりません。いろいろ私たち考えみましても、企業活動を自由に自主的にやらすというふうなことを看板にしておられますけれども、鉄道出身者が全部職員等を占めておるし、出資国鉄が大きな出資者ということで縛っておいて、企業活動を自由にやらせるなどとんでもない話であって、私たち聞いておかしいような気がするのです、それから、それならこれが自主的にやれるというのなら、交通公社があらゆる方面交通機関、たとえば私鉄その他についての部分も自由に国鉄からの制約なしで扱えるかというふうなことになりますと、ここいらにも疑問があります。もしそれができるということなら、国鉄もまた報復的なといいますか、交通公社株式会社になったそのもの以外のチャンネルをまたつくるというふうなことも考えるのじゃないかというふうなことを考えてみますと、私は一利一害があるんじゃないかという気がいたしますし、何やら今久保委員との質疑応答を聞いておりましても、私には解せないところがだいぶんあります、そして私たち今まで実業界で経営に当たって参りました者から言いますと、公社とか公団といったようなものが株式会社に直りますと、そこで利益をあげなければならぬということになって参りますので、これは従業員あたりも合理化しなければならぬということになりますと言うと、しかられるかもわかりませんが、そういう場面は必ず起こってくるのですが、そんな場合に国鉄あたりから行った高給者を直ちに淘汰するというふうな気持があるかないかというところも大きい問題で、そこからの腹を決めてかからないことには、こんな仕事はできるものじゃありません。実際にやっていきましたならば、障害はだいぶあると思う。あなた方にわからぬところがある。実際に私たち事業をやった者でないと、わからぬことがたくさんあるのです。そういうふうなことを考えて参りますと、あなた方がいろいろなことを絵にかいておっても、その通りにいくかいかぬかはわかりませんし、結局やってみたが、何の効果もなかったというふうなことに終わるのではないかというふうな気がいたします。私が何もわからない前提でいろいろ質疑応答を聞いておりましても、それで十分に解けたとは言えませんので、なぜ株式会社に移行するのか、それがどういうふうな結果が出てくるのか、そして人員等についてはどんな結果が起きてくるか、その場合に考えられることは、高給者を淘汰しなければならぬということになってくる場合に、それだけの用意があるのかないのか。国鉄の養老院のよう格好でありまするが、その養老院を閉鎖するかどうかということも非常に大事な問題があるようでありますので、そこでそういうようなことがわかるように、わかりにくいような遠回しの上手なことを書かないで、端的によくわかるようなものを一つつくって、委員会に資料として、御提出願いたい。
  64. 久保三郎

    久保委員 關谷委員のおっしゃることも、その通りで、私は合理化などはあり得ない、いわゆる拡張コースを歩もうという点もあるし、新株式会社企業性だから利潤を上げなければならぬということは關谷さんのおっしゃる通りであるが、そういう面だけを追及していけば合理化の問題が出ると思うけれども、その兼ね合いが非常に問題だと思うのです。  そこでこれは国鉄にお尋ねするわけですが、株式会社移行ということになれば長期展望の安定経営という問題について、株式会社の大株主である国鉄は責任を負うべきである。これを負わずして単に株式会社になるとするならば、今關谷さんがおっしゃるような矛盾が出てくると思う。そういう点はどうなんですか、長期安定の配慮というものは十分すべきだと思うのですが、いかがですか。
  65. 遠藤鉄二

    遠藤説明員 後刻資料をまとめて差し上げますが、ただいまお話のございました点につきましては、交通公社自体も今回は非常に熱心に慎重に考えているわけでございます。従来とかく公益法人という性格でもって、やはり業務の能率という点には反省すべき点もあり、今回はほんとうに責任を持って新会社を能率的に経営していこうという気持を公社の現幹部も持って、十分に慎重に検討しているわけでございます。いろいろお話のございましたように間違いのないように考慮したいと思っております。
  66. 木村俊夫

    木村委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会