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1963-07-05 第43回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年七月五日(金曜日)    午前十時二十一分開議  出席委員   委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 小金 義照君    理事 田中 榮一君 理事 羽田武嗣郎君    理事 福永 健司君 理事 小林 信一君    理事 佐藤觀次郎君 理事 平岡忠次郎君       荒舩清十郎君    上村千一郎君       大澤 雄一君    岡崎 英城君       小平 久雄君    中山 マサ君       長谷川 峻君    藤原 節夫君       田原 春次君  出席国務大臣         文 部 大 臣 荒木萬壽夫君         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         運輸事務官         (観光局長)  梶本 保邦君         建設政務次官  松澤 雄藏君  委員外出席者         内閣審議官   金田 智成君         大蔵事務官         (理財局資金課         長)      海堀 洋平君         文部事務官         (体育局オリン         ピック課長)  西田 泰介君         建 設 技 官         (住宅局建築指         導課長)    前岡 幹夫君  参 考 人         財団法人日本武         道館理事(参議         院議員)    北畠 教真君         日本志道会理事         長、国立競技場         会長      久富 達夫君         東京都オリンピ         ック準備局長  関  晴香君         東京首都整備         局長      山田 正男君         オリンピック東         京大会組織委員         会事務総長   与謝野 秀君         オリンピック東         京大会組織委員         会事務次長   村井  順君         東京オリンピッ         ク資金財団理事         長       靱   勉君         日本体育協会事         務局長     塩沢  幹君     ――――――――――――― 七月五日  委員濱野清吾辞任につき、その補  欠として岡崎英城君が議長指名で  委員に選任された。 同日  委員岡崎英城辞任につき、その補  欠として濱野清吾君が議長指名で  委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  閉会中審査に関する件  オリンピック東京大会準備促進に関  する件      ――――◇―――――
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を行ないます。  まず、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  武道館建設問題に関し、財団法人日本武道館理事北畠教真君、及び日本志道会理事長国立競技場会長久富達夫君の両君を参考人と決定し、本日その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
  4. 島村一郎

    島村委員長 なお、本日は、委員長から、参考人として東京オリンピック準備局長関晴香君、東京首都整備局長山田正男君、オリンピック東京大会組織委員会事務総長与謝野秀君、同事務次長佐藤朝生君、同事務次長村井順君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君日本体育協会事務局長塩沢幹君の諸君に出席を求めております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本委員会調査のためわざわざ御出席を賜わり、まことにありがとうございます。厚くお礼申し上げます。  それでは、武道館建設問題及びオリンピック東京大会開催に伴う外客宿泊施設対策等について、質疑の通告がありますから、順次これを許します。佐藤觀次郎君。
  5. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 武道館のことについていろいろ質問したいわけでありますが、大臣がまだ来ておらぬので、その前に二、三の点についてお伺いしたいと思います。  私も一昨年ローマに行きまして、ローマ整備が非常によかったということ、同時に、ローマあとオリンピックおかげで非常に発展をいたしまして、私たちが十年くらい前に行ったときとは天と地ほど違うくらい非常にりっぱになった。しかもローマでやったということで、イタリア全体がいろいろな関係で非常によくなったということを私は見てきたわけであります。東洋で初めてオリンピックが開かれるという段階になりまして、しかも時日は五百日ないというような中で、東京の都内は雑踏をきわめております。まず、関オリンピック準備局長か、あるいは山田東京都首都整備局長にお尋ねするのでありますが、道路の問題はどのようになっておるのか、特に羽田から品川に出てくる海岸の路線は、いつになったら間に合うのであるか、概略でけっこうでありますから、それを中心として東京都の中の道路の問題についてお伺いしたいと思います。
  6. 山田正男

    山田参考人 それでは、ただいまの御質問お答え申し上げます。  オリピック競技場関連をいたします道路は、羽田から都心に来まして、都心から新宿にまいります高速道路の一号線と四号線の大部分でございます。これに、たとえば三宅坂付近におきまして国会の前のほうに出入り口をつけけるとか、あるいは芝浦海岸付近出入り口を枝を出すとか、そういう若干の付加するものがございますが、こういうものは明年の八月一ぱいに完成することを目標にしてただいま工事をいたしております。いま申し上げましたのは自動車専用道路でありますが、他の平面街路は、御承知三宅坂から駒沢のほうにまいります放射四号線、それから駒沢で交差いたしております環状七号線、これを二つの軸にいたしまして工事を進めておりますが、これも明年度の八日中に完成することを目標にいたしております。ただ、この中で、三宅坂立体交差工事をいたすことになっておりますが、これは間もなく路面電車を撤去いたしまして、高速道路の四号線が高架で渡りますが、これは三階で高架で四谷のほうにまいります。その下を青山通りのほうに二階で高架で渡る立体交差の橋ができます。この工事はなかなか難工事でございまして、ちょっと八月一ばいにはあるいは無理か、九月の中旬までになろうかと思いますが、これはでき上がります。ワシントンハイツ明治神宮外苑中心にいたしまして補助的な道路がございますが、こういうものも八月一ぱいには完成する目標を立てております。その他、直接関係はございませんけれども、昭和通り交通を緩和するために一連の立体交差工事をやる、あるいは東京港から船で来た方の交通のために佃橋を設けるとかという工事をいたしております。いずれもすべて順調に進んでおります。その他の工事も、八月の中ごろに完成するものは別でございますが、そうでない工事は中止いたしまして路面整備するというような形の予定をいたしております。万間違いなく予定どおりいくものと推定いたしております。
  7. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いろいろ計画が非常にうまくいっておるようでありますが、山田さん、ローマをごらんになったと思うのでございますが、 ローマは、御承知のようにローマの郊外にオリンピック競技場が開かれた関係上、道路整備が非常によくいっておりまして、大体十二、三ぐらいの道路競技場を回って、競技場に十万の人が約十二分くらいで入り切れるような設備になっておったと思いますが、東京都の競技場は、人家も多いので、建物の問題とか、いろいろの難問があるので、私はローマのとおりとは申しませんけれども、何とか混雑しないような、そうして非常に快適な道路ができるような方法考えていただきたいと同時に、一体神宮競技場に全部満員になるのに何分くらいを要するのか、その計画、そういうものに関連をしてあなたのほうの御計画のことについてお伺いしたいと思います。
  8. 山田正男

    山田参考人 ただいまの道路計画に基づきまして、今度は交通処理計画になってくるわけでございます。これは実は明治神宮外苑に主競技場を持ってくる際に、最初から問題になった点でございます。そこで、ただいま私が申し上げましたような道路整備いたしましても、道路交通整理計画では、少なくとも開場式の日あるいは閉会式の日、そういう日は交通処理は私は円滑にはできないと思います。これは当初からその覚悟になっておるわけでございます。その点につきましては、組織委員会におきましてもそういう専門の特別委員会ができておりますし、まだ成案を得ていないと思いますが、その処理のしかた、たとえば路面電車の運行をやめるとか、その他、一方交通方式を採用するとか、そういうことを目下協議、研究しておる最中でございます。いずれにしても、そうなまやさしことではないと存じます。
  9. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 もう一点だけ山田さんに伺っておきたいと思いますが、日本人はやっつけ仕事がうまいので、こういうようなことがなければ道路整備もできなかったと思うのであります。しかし、道路とか地下道とか地下鉄とかいうものは、これは軍事の設備と違いまして、オリンピックおかげあとで平和の施設として残って、いろいろの設備が使われるのでありますから、これは東京都だけに責任を負わせないで、国ももっと責任を負うべきだと思います。そういう点については、たとえむだに見えても、私は、東京都のような世界的な都市の中で長く残せるものがあると思うのです。まあ都におられますと、国にめんどうをかけることもうるさいとか、いろいろな問題で気がねされる点もあるかと思いますが、何といっても設備が全部あとに残るものでございますから、そういう点については万遺漏のないようにお願いしたいと同時に、もう一つお願いしておきたいのは、隅田川の悪臭ときたない水の問題でございます。これはあなたの管轄かどうか知りませんけれども――ロンドンのテームズ川も、私たちが行ったころはだいぶ濁っておりまして、夜見るとそうでもありませんけれども、必ずしも快適だとは思いませんでした。しかし、パリのセーヌ川は、やはりさすがに昔からそういう点について十分な検討が加えられ、またパリ人というものがそういう点を非常に考えておるのかしりませんけれども、非常にきれいな水が流れておりました。日本東京都は、このごろお堀を埋めたりいろいろなことをやっておりますけれども、隅田川は何といっても重要な河川でありますと同時に、都市美観を添えるのに非常に重大な川だと思っておりますが、そういう点についての考慮がどのように行なわれているのか。河野建設大臣も、そういう問題については十分なことを言わぬけれども、何とか処理したいというような意見も言っておられます。東京都としてはどういうような考えオリンピックに向かわれるのか。私は四十年くらい前に隅田川の近くにおりましたので知っておりますけれども、そういうような点について何か妙案がないかということをお伺いしたいと思います。
  10. 山田正男

    山田参考人 隅田川汚濁の原因は、実は沿岸にございます工場排水が主体でございます。それに対しまして隅田川自然流下をいたします水がきわめて少ない。海水と自然流下水が潮の干満で行ったり来たりしておるだけである。そのために汚濁が激しくなる、こういうことでございます。この汚濁対策としましては、今年度で終了するはずでございますが、まず隅田川一帯を、支川も含めましてしゅんせつをいたした。これは戦災後に廃土を中に投げ込んだ向きがございますので、そういうのを全部しゅんせついたしまして、しゅんせつは一応完了したわけでございます。  もう一つ施策は、公共用水域の水質の保全に関する法律というものがございますが、これによって隅田川をその法律水域指定してくださいという要請を経済企画庁に対しまして一昨年からいたしております。なかなかその指定をしていただけないのでございますが、ことし中には指定が行なわれる。指定が行なわれますと、工場排水を規制できるようになります。工場排水の種類を規制できますから、そうすると、出てくる水が幾らかでもきれいになる、こういうことであります。  それからもう一つ施策としましては、昨年の渇水の際に、国のたいへんな御尽力を得まして、利根川の水を荒川に引き入れるという計画をおきめ願った。これは水資源公団の手でことしから着工されることになっております。こうしますと、三十トンの水が利根川から荒川に入る。ただ荒川に入れっぱなしでは芸がないわけでございますが、これは岩淵の水門あたり改造しまして、フラッシュで一度にどっと流し込むというようなことをやりますと相当浄化ができる、こういうことでございます。  最初しゅんせつは完了いたしましたが、あと二つは、いずれもどうもオリンピックには間に合わない、こういう状況でございます。もう一つ、新河岸川の系統に工場がたくさんございます。これも建設省のお骨折りで、工場排水だけを処理する下水道の工事をことしから大々的に始めております。残念ながら、オリンピックにはちょっと間に合わない、こういうことでございます。とりあえずはそのしゅんせつの効果を期待する。なお、工場排水の規制は若干間に合う、こういう程度でございます。
  11. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いろいろ御苦心なさっておられると思うのでございますが、何といっても東京都全体の美観の上にも非常に影響があると思いますので、もう一つ伺っておきたいと思うのでありますが、私たち東京へ上京した四十年ぐらい前には、上野公園とか日比谷公園、それから特に芝公園などというのは、緑樹うっそうとしておりまして、昼なお暗いというような状態で、非常にりっぱな公園だということを印象づけられております。私は中学校が日比谷公園の近くにありましたので、その当時から公園というものに対して愛着を持っておるのでありますが、このごろになりますと、日比谷公園はほとんど半分ぐらい道路にとられ、それからいろいろな建物ができて実観をそぐばかりでなく、非常に貧弱な状態になっておるのでありますが、ロンドンに行きましても、パリに行きましても、たとえばハイド・パークのような大きな公園でも、何らそういうものに使用されていない。しかし日本では、どこの管轄かわかりませんけれども、りっぱな公園がほとんど壊滅に近いような状態になっております。幸いに宮城があるので、宮城によってどうにか空気の浄化装置をやっておるような形でございますが、何とかそういう問題について――いまから公園をつくるということはたいへんなことでありますけれども、しかし縁地帯のない大都市は世界にないわけでありますので、そういう点について、これは余談にわたるかと思いますが、整備局長としてどんなようにお考えになっておるのか、これもついでに伺っておきたいと思います。
  12. 山田正男

    山田参考人 東京におきまして公園が非常に少ない、たださえ少ない公園道路等でだんだん削られるというような実情でございます。外国都市におきましては、ロンドンローマももちろんでございますが、国有地、それから皇室の土地王侯貴族土地がすべて公園になっております。ロイアル・パークという名前になっているくらいであります。どうも残念ながら、東京におきましては、国有地公園になる前にどこかほかに切り売りされる傾向がございまして、なかなか公園がふえないわけでございます。幸い、お骨折りによりまして、北の丸を森の公園に造成する、ワシントンハイツオリンピックが済めば森の公園にできる、こういうことでございまして、私どもは、一方では子供を対象とする児童公園整備をする、これは子供青少年対策として整備をする、他の施策は、よけいな細工をしないで森をつくりたい、もっぱら木を植えたい、よけいな設備をするのではなくて、木のある公園をつくりたい、こういう森と子供の遊び場、この二つ方法で何とかして公園整備を進めていきたい、こう考えておる次第であります。
  13. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 オリンピックをやるからには、ぜひひとつ東京のよさというものをどこかに残していただきたい、そういうような点についてもっといろいろ配慮をしていただきたいと思うのでありますが、それはそれとして、運輸省観光局長にお尋ねしたいのであります。  最近ホテルの問題がいろいろ問題になってきたわけであります。生活様式が違いますから、日本のような宿屋へ小学生や中学生を泊めるようなぐあいにいかない、あとにいろいろ問題が残ると思うのでありますけれども、一体ホテルが足りない、ベッドが足りないというような場合には、どういう措置をされるつもりであるか。今日五千ベッドぐらい足らないと聞いておりますが、いまからでもやろうと思えばやれないことはない、まだおそくはないと思うのでありますが、そういう点については、あと同僚議員からもいろいろ質問があるらしいのですが、私たちが心配している点をどのような方法オリンピックまでに間に合わされるのか、その点を伺っておきたいと思います。
  14. 梶本保邦

    梶本政府委員 私ども、オリンピックの最盛時には一日三万人の来訪外客ということを想定いたしまして対策を立てておるわけでございますが、全部の来訪外客をすべてホテルでまかなうというようなことは、とてもできないことでございます。かつまた、オリンピックが済んだ後のことを考えますと、やはりホテル旅館、その他もろもろの対策を立てて全部で三万人をまかなうというのが、一番妥当な方法ではないか、かように考えておるわけでございます。したがって、ホテルのほうで受け入れを考えておりますのが約一万三千二百人、それから旅館では三千五百人、それから公営のユース・ホテルで一千人、それで合計いたしますと、一万七千七百人になります。まだ一万二千三百人ほど足りませんので、それはいわゆる船中泊と申しますか、船で来られた方を横浜なり晴海埠頭なりに着けまして、それから会場に行っていただくというような方法によってまかなうように考えております数が六千五百人、それから民泊と申しまして、民家にお泊まりいただくというふうなことで、ただいま東京都を中心にいろいろやっていただいておりますすが、漏れ伺うところによりますと、御希望の向きは約八百軒あったというふうに伺っておるわけでございます。それから日本旅館改造をやはり考えておるわけでございます。これはいずれ東京都からもお話があろうかと思いますが、東京都のほうで商工中金に本年度約二億の預託をなさいまして、その見返りと申しますか、それで商工中金等から金を借りて旅館改造を行なうというふうな方法考えておられるようでございます。決してホテルだけで全部まかなおうというのではなく、また、まかない切れるものではございませんりで、いろいろの対策を立てておるわけでございます。
  15. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 非帯にむずかしいことで、あとはどうなるかという問題が起これば、国家的に考えなければならぬのは当然でありますが、いま一つ伺っておきたいのは、帝国ホテルのようなああいう赤痢の事件とか、そういうような問題が必ずしもないと保証はできないという感じがするのであります。外国では生活様式が違いますから、日本のようなああいう問題はなかなか起きないと思うのでありますが、外国から来る人はそういうことについて不安を持って来るのではないかと思うのであります。そういう衛生施設に対する対策というものは、一体できておるのかどうか、ホテルに対してどういう方法るやっておられるのか、これも伺っておきたいと思います。
  16. 梶本保邦

    梶本政府委員 実はホテル衛生設備の面につきましては、厚生省のほうでいろいろやっていただいておるわけでございますが、先般の帝国ホテルのあのような不祥事に対しましては、運輸省としましては、ホテル業協会、あわせて国際観光旅館連盟、それから日本観光旅館連盟に対しまして、大臣から通達を出しまして、そのようなことがないように、よく関係の法規を守るようにというふうな通達をいたしたわけでございますが、衛生関係のほうは厚生省のほうでいろいろやっていただいておるわけでございます。
  17. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 あと武道館質問をやるのですが、同僚田中さんたちホテルやその点につろて質問があるそうですから大臣が来られるまで私はちょっと中止しておきます。
  18. 島村一郎

  19. 田中榮一

    田中(榮)委員 委員長にちょっと御了解を願っておきたいと思いますのは、私は、川島国務大臣荒木文部大臣質問をしたいと思いますので、いずれおいでになりましたら、一応中断いたしまして、あとでまた継続して発言を要求いたしますので、御許可を願いたいと思います。  私は、今回のオリンピックに際しまして、われわれが待望しておりました、日本武道一つである柔道というものが、国際競技正式種目として採用せられまして、しかも古来の伝統と歴史を持っております日本におきまして第一回の公式試合が開催されることになりましたことは、われわれ日本人として、また武道を愛好する者といたしまして、まことに意義のあることであり、これと同時に、今後の日本武道発展、振興のために大いに資するところがあるものと実は非常に喜んでおる次第でございます。そこで、今回の第一回のオリンピック柔道試合日本において行なわれる場合におきまして、かねてから、ワシントンハイツに仕度新たに設置されるところの水泳場を、同時に柔道試合場として兼用するということが発表されたのでありまして、この点は、あるいは入場人員少なくとも一万五千人以上を収容せねばならぬというたてまえから、それからまた、予算関係、財政上の理由から、ワシントンハイツ水泳場柔道試合場として兼用するということになったことと私は考えるのでございます。  そこで、まず、オリンピック東京大会組織委員会事務総長与謝野君にお尋ねいたしたいと思いますが、ワシントンハイツに新たに設置されるべき水泳場予算は大体どの程度でございまするか、それを一応お伺いしたいと思います。
  20. 与謝野秀

    与謝野参考人 お答えをいたします。  本件予算は文部省の予算となっておりますが、当初の予定が二十二億五千万ほどでありましたが、工事に着手した後、地下水その他で予想以上に工事が難航したという面が出てまいりまして、昨年度予算で二十五億まで増額された、こう聞いております。
  21. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで十月の二十日から四日間開催される柔道試合場所として設備することになるのでありますが、その経費はこの二十五億の中にどの程度含まれておるのでありましょうか。
  22. 前田充明

    前田(充)政府委員 私からその点についてはお答えをいたしますが、元来は、水泳場に板を張りまして、そして柔道をするためには、柔道試合場の台をつくって、その上に畳を敷くわけですが、その費用は約五百万円程度でございます。
  23. 田中榮一

    田中(榮)委員 電光ニュースといいますか、試合場に、いろいろの試合の経過、その他、種目とか、あるいは勝敗のわざであるとか、そういうものを電光ニュースで一般の観衆に告知せしめる設備が必要と思うのでありますが、その費用はこの五百万円の中に含まれておるのでありますか。
  24. 前田充明

    前田(充)政府委員 ただいま私の申し上げましたのは柔道をするためだけに必要な台と、その上に敷く畳、それだけでございまして、今お話のございました電光ニュースによる費用等については含まれておらないのでございます。
  25. 田中榮一

    田中(榮)委員 そういたしますと、主として試合をする場所施設費としては五百万円であるが、電光ニュース費その他の付属施設費用は、このほかにどの程度計上されているのでありましょうか。
  26. 前田充明

    前田(充)政府委員 その電光掲示板費用は実は約二千万円計上してございますが、実行については現在まだ最終的には確定をいたしておらないのでございます。その他の柔道のための費用というものは、水泳その他の競技と共用でいたしますので、柔道だけにこれだけかかるということを今ここではっきり申し上げることがちょっとできないような状態でございます。
  27. 田中榮一

    田中(榮)委員 これは非常に重大な問題でございまするが、プールの上に、いなかの芝居小屋みたいに足場をつくって、その上に板を敷いて畳を敷くというようなことで、国際試合がはたしてできるものであるかどうか、この点は重大な問題でありますから、ひとつはっきり御回答願いたいと思う。少なくとも今までのどんな中学校、高等学校、大学その他の全国柔道の選手権試合におきましても、しかるべき施設の上においてこれをやっておるのでございます。水泳場に板をい敷てやらした試合というものは、私寡聞でありますが、いまだかって一回もそういうようなことは聞いたことがないのでございますが、これではたして試合というものが完全にできるものであるか、その点をはっきりお答え願いたい。
  28. 前田充明

    前田(充)政府委員 一応文部省といたしましては、この新しくつくられる屋内総合競技場は、水泳、それから柔道、バスケットボール、そういうようなものをあわせて行なう、あるいはオリンピックの済んだ後にはスケートもやるというような考え方をもちまして、これは組織委員会並びに関係のスポーツ団体等とも話し合いの上で、こういうものを総合的にやろうというわけできめたものでざいます。したがいまして、今日までは、水泳の競技が済みましたら、そこに板を張り、その上にさらに柔道の台をつくって試合をするということで一応きておったわけでございます。しかし、いろいろな観点から考えまして、欠点というようなものを申し上げるならば、大会の前に水泳があるわけでございまして、十月の十八日まで水泳がございまして、十月の二十日に柔道を開始する、こういうことになりますので、その間に場所をつくるわけでございますが、そういうことになりますと、どうしても時間的にはぎりぎりでございますので、その前に同じ試合場で練習をするというようなことはできないわけでございます。そういう点の制約もございますしまた水泳場でございまして、御承知のとおり飛び込みプールもあるわけでございます。したがって、飛び込みプールの足場と申しますか、そういうものもあるわけでございまして、それはもう恒久的につくってあるわけでございます。そういうものを取り去って、いわゆる私どもが昔かな柔道場といったような、ああいうかっこうにちゃんとできたものでやるわけには参ちませんので、環境という点からいえば不十分であるというようなそしりもあるいは免れないかと思うのでございます。ただ問題は、一万五千人の人間をいれるような場所でございまして、これをつくるということはたいへんな事業でございます。それで、当初この関係者の集まりで、これは屋内総合競技場でやるということで今日まで進んでおる状況でございます。
  29. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこでもうちょっと掘り下げて質問してみたいと思います。これは前田さんでなくて、どなたか技官の方がいらっしゃったらひとつ教えていただきたいと思うのでありますが、水泳場と申しましても、フラットでないわけですね。飛び込むところが少し深くなっておりますから、こういう波型になっておりますから、そこへ板を張ると一がいに申しましても、やはり相当の足場を組んでかからないと、薄っぺらな板を組んでやるだけでは不十分であると思うのでありますが、一体構造はどうなっているのでしょうか。水泳場柔道場に変えるという構造は五百万円かかるという話がいまあったのでありますが、その構造はどういう構造になっているのでしょうか、あるいは少なくとも鉄筋か何かで骨組みを組み立てて、その上に板を張るのか、あるいは丸太でなわでも組んで、いなかのかけ芝居みたいなものでやるのかどうか、そういう設計構造仕様書と申しますか、そういうものがありますれば、ひとつ教えていただきたいと思います。どなたか技官の方がいらっしゃったら、ひとつ教えていただきたいと思います。
  30. 西田泰介

    ○西田説明員 私は技官ではございませんので、あまり詳細なことは申し上げられませんが、私の存じている限りでかわってお答えいたしたいと思います。  この屋内総合競技場は、当初から総合競技場ということで発足いたしまして、何でもできるものにしょう、こういうことでございます。したがいまして、水泳をやりませんときには、板張りにいたしまして、その上で何でも運動ができるようにしょう、こういう考え方で出発をいたしました。したがって、水泳が終わりましたならば、その上には全面的に床張りをいたしまして、そして冬はここでスケートをやろう、こういう考え方でございます。したがいまして、その上にどのくらいの物を載せていいかという荷重は、自動車置場と同じように、一平米五百キログラムという勘定でいたしておりますので、その上でスケートをいたしましても、柔道をいたしましても、一ぱいの観衆を入れましても差しつかえない、そういう床張りをする予定でございます。そしてその上に柔道のステージを張る、こういう計画になっておりますので、相当がんじょうなものであるということは申し上げられると思います。
  31. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで、一平米当たり五百キロぐらいの重量の物をずっとやるのですが、その構造といいますか、その設備をもう少し詳しくお伺いしてみたいと思うのです。  十月十八日に水泳が終わるわけですが、完全に水泳の終わる時間は大体何時ごろになるでしょうか。
  32. 前田充明

    前田(充)政府委員 水泳の終わりますのは、十八日の午後六時の予定でございます。
  33. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで、水泳が終わりましたら、まず水を出さなければならぬわけでありますが、水はそのままにいたしておくのでしょうか、落とすのでしょうか。
  34. 前田充明

    前田(充)政府委員 水は落とす予定でございます。
  35. 田中榮一

    田中(榮)委員 しからば、水を落とす時間はどのくらいかかるでしょうか。
  36. 前田充明

    前田(充)政府委員 約七時間かかる予定になっております。したがいまして、私どもの一応の予定では、午後の六時に水泳が終わるのでございますが、水を抜くのは、七時からかかりまして夜中の二時に終わる、こういう計算でございます。
  37. 田中榮一

    田中(榮)委員 そうしますと、夜中の二時に水を落としまして、徹宵工事でやるわけですが、これが柔道場として完成するまでに、いまの一平米五百キロの重さにたえる設備をする、その時間は大体どのくらいかかるのでしょうか。
  38. 前田充明

    前田(充)政府委員 私どものほうの計算でいたしますと、七時に水を抜き始めるのでございますが、すぐ材料等は搬入をいたしまして、八時から水の上でないところを板張り等やるわけでございますから、そこの組み立てを開始するのは、午後八時に一応開始をいたすことといたしまして――それは十八日の午後八時でございます。それから十九日の午後の一時まで十七時間に、組み立て、床の仕上げ等を行なって、したがって、十九日の午後一時に一応組み立てを終わる、そういうような計算をいたしております。
  39. 島村一郎

    島村委員長 この際ちょっと御了解を願いたいのですが、ただいま川島国務大臣が御出席にななりましたけれども、大臣はほかの委員会から御出席要求をお受けになっております。したがって、この際、川島大臣に対する御質問をお願いしたいと思います。
  40. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 川島大臣にお伺いいたします。ただいまも田中委員から柔道場の問題でいろいろお話がございましたが、今度柔道が初めて世界のオリンピックの中で認められて、しかも日本でやることになりました。前田局長なんかの言っておられることは、草相撲みたいなことを考えておられるのでありますが、日本柔道最初にやるということになれば、やはりりっぱな建物をつくって、なるほど日本柔道はりっぱなものだというような宣伝の効果もねらわなければならぬし、同時に、世界各国の選手が集まってきたところで、そんなやっつけ仕事のようなことで、水泳場の上で柔道をやるということは、世界のもの笑いになると思います。そこで非常にやかましくなっている問題です。あとで徳安長官にお伺いしたいのでありますが、その前に大臣から、武道館の問題はどのようになっておるのか。大臣オリンピック責任者でございますから、日本でただ一つ日本的な競技をやる武道館もはっきりしないようなことでは、たいへんなことになると思うのでありますが、川島大臣はどのようにお考えになっておるか、まずお伺いしたい。
  41. 川島正次郎

    川島国務大臣 佐藤さんと同じように考えておりまして、できるならば独立した競技場を持ちたいと思っております。ただ、来年の十月に迫ったオリンピックに間に合うか、間に合わぬかという問題があります。地所につきましても最後的にまだ確定をいたしておりませんし、規模、予算などについても検討しておるのであります。その点私は心配しております。政府としてはまだ最終的決定をしていない、気持ちとしては、つくりたいということは考えております。
  42. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 つくりたいと思えば私はできると思うのです。太陽を西から東に回すわけにいかぬけれども、まだ五百日ほどあるこのオリンピックの前に、やろうと思えばやれないことはないと思うのであります。先日武道館理事会でちょっとお伺いしましたが、何か北の丸のほうに敷地が内定したかのように聞いておりますが、その点はどうなっておりますか、川島大臣に伺いたい。
  43. 川島正次郎

    川島国務大臣 敷地につきましては、従来三、四カ所の候補地を物色しておったのですが、いずれも故障がありまして、最後に代官町、あそこならばよかろうということにほぼなっておるのですが、まだこれも決定をいたしておりません。  それから財団法人日本武道館がやるのですが、武道館のいまの計画は、国の補助金と、それから自分でつくる寄付金と、両方でやることになっている。はたして寄付金ができるか、できないかといことの見当もついておりません。それに規模の問題ですが、ただいままで考えております水泳場を直す場所は、大体一万五千人の収容力がある。オリンピック組織委員会としては、一万五千人はぜひほしいということですが、日本武道館をつくる場合に、恒久施設として一万五千人という大規模のものをつくることが適当かどうかという点もまだ解決をしていないのであります。そういう、いろいろまだこれから検討を加えなければならぬ問題があるのであります。私どもは関係の人たちと相談して至急に結論を出したい、こう考えていますけれども、最終的な決定は、今日のところはまだできておりません。
  44. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 先日、ローマオリンピックの事務総長をやっておられたガローニという人が、東京オリンピックの準備は、いろいろ外形的にはできておるけれども、アジア的な、日本的なものは一つもないじゃないかという批判をされていかれたそうでありますが、オリンピックは世界的な問題あでりますけれども、少なくとも東洋で、東京で初めて行なわれるときに、しかも柔道日本で初めにやられるということになれば、各国の模範になるようなものができなければ、私はもの笑いになるような気がするのであります。そういう点で、せっかく日本が世界的なことをやるという最初のときでございますので、そういうようなあいまいな態度でなくて、やろうと思えば、まだあした、あさってというわけじゃない、少なくともまだ四百五、六十日日数もあるし、経費といっても、いまおっしゃったような国の補助と一般募金のような問題がありますけれども、こういう施設は将来に残る施設でもあるし、いまの日本の現状としてはいろいろな利用価値のある建物だと考えております。そういう点で、いろいろな点を勘案して――先ほど前田局長は、水泳場を直す五百万円の準備金をとったと言われておりますが、全く子供だましのような話で、子供にあめをなめさせるような話である。やはり私どもは、オリンピックをやるならやるだけの確信と信念と、そうして外国の人に来られても、さすが日本だというようなことを示さなければ、日本の恥になるというように思うのであります。私はたびたび外国に行きましてそういう点を考えるのであります。お互いに国内においてはがまんするけれども、外国人に対してはそれ相当の日本の品位を保つようにやらなければならないというようなことを、先日予算委員会や一蔵委員会でも申しております。せめて今度の場合は、そういうような場合と違いまして、非常に大事なときでありますから、川島長官もオリンピック責任大臣として、もの笑いにならぬように御尽力願えるかどうか、もう一度伺っておきたいと思います。
  45. 川島正次郎

    川島国務大臣 私は非常に熱心にこれを主張しておりますが、何しろ、もう一年くらい前にこれへ着手すればできるのですが、最近にこの問題が具体化しょうとしまして、時間的に非常におくれておることを心配しておるのであります。やはり各方面との折衝もあるものですから、どうなりますか、私はつくりますという断言はできないのですが、気持ちとしては、佐藤さんと同じような気持ちで働いております。
  46. 田中榮一

    田中(榮)委員 川島大臣にお尋ねしたいのですが、今度のオリンピックの国際柔道試合は、日本柔道を愛好する者はもちろんのこと、スポーツマンとして、ほんとうに画期的な、歴史に残る事項としてわれわれは永久に記念すべき事柄と考えておるのであります。ところが、いまも前田局長からのお答えの中に、プールにふたをしてその上で柔道をやらせるんだという、その表現がわれわれとしては耐え切れないのです。これは全国の何百万の柔道マンが開いたならば、おそらくほんとうに涙を流して泣くのではないかと思うのです。しかも国際の試合日本の古来の伝統と歴史を持っておるその試合を、日本のお家芸である柔道というものを、柔道のふるさとである日本においてやる場合において、プールの上にふたをしてその上で試合をさせるということを聞いていただけで、日本柔道マンはほんとうに涙を流して悲しむのじゃないかと思うのであります。川島長官は柔道に対して非常に御理解がありまして、これにつきましては常に御援助願っておるのでございますが、私はこした日本のスポーツマンの気持ちをまず第一に尊重していただけないかということでございます。もちろん、いろいろな各種の試合がプールの上にふたをしてその上で行なわれるということはけっこうでございます。しかしながら、われわれ武道というものに多年関係した者といたしましては、これはバスケットボールとか、そういうものとは違うのでありまして、武道というものはやはり精神を鍛える、武道は礼に始まって礼に終わるのでありまして、そうしたスポーツとやや違っております。ちょうどわれわれが区会議員の選挙をやるときに、おふろ場の上にふたをいたしましてそこを演壇にし、流し場を会場にいたしまして選挙演説をやったことがありますが、さっぱり気分が出ないのであります。銭湯のふろ場の上は板を張って、それに机を持っていってそこでいかに大いにやったところで、さっぱりどうも気分が出ません。私もそういう経験がございます。武道も同じゃないかと思うのでございます。  そこで、もう一つわれわれの希望しておりますのは、世界のオリンピック柔道日本で行なわれる、その話合の場所であったというものが永遠にいつまでもいつまでも日本に残って、それが一つ武道のメッカとして青少年の間に尊敬せられ、そしてまた、それを武道振興のシンボルとして使って、そして将来の武道を奨励し、かつ青少年の心身の鍛錬の場所としていく、こういうのが私どものねらいでございます。  それからもう一つは、川島長官も御存じのとおりに、ことに柔道のごときは、もう満場水を打った中に、静かなること林のごとし、ほんとうに静寂の中に、たくさんの観衆がかたずをのんで、いわゆる一瞬にしてわざがきまって相手を倒す決定的瞬間というものがあるわけであります。それはどうしてもそういう雰囲気の中に試合環境というものが必要なのであります。ところが、プールの上にふたをしてやったのでは、そうした試合環境というものは演出できなくなります。いわんや、武道というものは、ことに柔道は今回が初めてであります。世界のニュースマンが全部これをとって世界に宣伝する。その場合に、飛び込み台も写ってくるし、水泳の施設が写ってくる。何だ、お家芸である、柔道のふるさとである日本において、水泳場を仮設試合場として使ったんだ、これはニュース映画ですぐわかる。プールの上に飛び込み台があるのですから、これは当然ニュース映画に写ってくる。世界の観衆が見た場合に、おそらく、何だ、日本ではプールの上で試合をやっているのかというふうに言いまして、日本武道というものが世界の人々に非常にあなどられる。いかにも熱心さが足りないじゃないか、熱意がないじゃないか、こういうようなことを世界の人々から思われるのじゃないか、こういう心配があるのでございます。そういう意味から申しまして、できればひとつ川島長官等のお力によりまして専門の試合場をつくっていただきまして――二十五億の予算の中でわずかに五百万が武道場の施設改造費でございます。二十五億のプールの予算の中で、柔道試合をする場所施設する費用がわずかに五百万、私はあまりにも水泳と柔道とが差別待遇を受けているということを感ぜざるを得ないのであります。そういう意味におきまして、ただいま幸いにして日本武道館が建設される途上にあるのでありまして、できればひとつ川島長官はじめ政府の閣僚各位がこの日本武道館建設に全力を尽くしていただきまして、りっぱな武道場におきまして、世界の若人を呼んで、そうして日本武道というものは決して戦争を好むものではない、あくまで平和を好むスポーツであるということを世界にひとつ宣伝していただきたい、これが武道を愛好する者の願いであり、また国民の声であります。こういう点につきまして、川島長官、ただいま佐藤委員の御質問に対しましてお答えをいただいたのでございますが、もう一度お答えを願いたいと思うのでございます。
  47. 川島正次郎

    川島国務大臣 田中さんの御意見にも大賛成であります。そのとおりに私も考えております。実は水泳場を直して柔道場にするというのは一カ月か二カ月前に初めて聞いて、何とくだらぬことをするんだろうと私は思ったのです。そこで、かねて計画がある財団法人日本武道館の人々に私がハッパをかけて、早く地所を探さぬか、建設は受け合うからといって、田中君にも赤城君その他にも申し上げて、土地探しをやったのだが、なかなか土地がなくて、ようやく最近になって、大体代官町がいいのじゃないかというところにきた程度なんですね。むしろ私のほうがあなたのほうにお願いして、もう少し進めてもらいたい。何ぶんこれは財団法人日本武道館がやる仕事なんで、政府はこれに補助するのですから、たとえば二十億の予算で十億を政府補助、十億を日本武道館がつくる、その十億を集めてもらいたいのだ、その確信がなくて、やれと言われても困るのであって、集まるといっても、少し政府に確信を持たせていただきませんと私も大蔵省の談判に弱いのであって、むしろ、私のほうよりも、イニシアチブは財団法人日本武道館がとっているのです。そこをよくお考え願いまして、日本武道館と政府と一体となってこしらえたいというのが、私のいまの実は偽らざる気持ちなんです。われわれも一生懸命やります。やりますけれども、田中さんのほうも日本武道館のほうも馬力をかけてもらいたいということをお願いします。
  48. 田中榮一

    田中(榮)委員 実は、川島長官がお見えになるまでに、私、前田体育局長に、今度の水泳場柔道場に模様がえする状況につきましていろいろお伺いしておったわけです。そういたしますと、大体十七時間で間に合うのだということであります。私は、いま問題は、間に合うとか間に合わないとかいうことは問題じゃないと思うのです。かりに間に合っても、十分に試合ができましても、仮設の試合場で、世界の選手を御招待して、板張りの上でやらせることはあまりにも失礼ではないか、私はこういう感じを受けておるわけでございます。したがって私は、いま間に合うとか間に合わないとかいうことで政府の責任を追及する意思は毛頭もっておりません。かりに間に合うなら、それでけっこうでございます。しかしながら、私どもの考え方としては、かりに間に合いましても、できればちゃんとしたところでつくらせるのが、各国の選手に対する礼儀ではないか、かように考えて言っておるわけでございます。  なお、日本武道館につきましては、私はきょうはオリンピック準備委員として伺っておりますので、後ほどまた、日本武道館を代表されまして北畠理事がお見えになっておりますから、北畠理事とよく御相談して申し上げたいと思います。
  49. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 長官お忙しいので、あともう一つだけ聞いておきたいのですが、日本武道館の問題は、御承知のように超党派で決議になっておりまして、ぜひひとつ田中さんのいま言われたようにお願いしたいのでありますが、もう一つは、インドネシアのオリンピック参加の問題であります。これは大臣が折衝されたようでありますが、絶望であるのかどうか、その点を一言だけお伺いしておきます。
  50. 川島正次郎

    川島国務大臣 IOCの委員である東君から報告を受けたのでございますが、先月の四日、五日にローザンヌで開かれましたIOCの実行委員会に正式にこの問題を取り上げてもらいまして討議した結果、この問題は一切IOCの会長、副会長にまかせるということになったそうであります。そこで会長が、インドネシアとの話し合いをする仲介者としてソビエト代表の人に依頼したところが、快く引き受けられて、いまソビエト代表の人がインドネシアとIOCの間の折衝をしているというのが今日の状況のようであります。したがいまして、結論がどうなるか、まだ私は確信を持っておりませんけれども、とにかくスカルノ大統領もぜひ出たいと言うし、またIOCの会長もぜひ出したい、こういう考え方は一致しているのですから、何かそこでもって話し合いをするのじゃないかという期待を持っておるのが今日の段階であります。
  51. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いろいろ障害があると思いますけれども、せっかく日本でやるのでございますから、 アジアの国が一つでも多く参加するように大臣から努力していただきたいと思います。
  52. 島村一郎

    島村委員長 伊能君。
  53. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 大臣は御多忙で近く退席されるということでございますので、私からも一言お願いかたがたお尋ねをしておきたい。  さいぜん、同僚議員佐藤君からホテルの問題についてお尋ねがありまして、運輸省観光局長から、最近の状況について、ホテルの問題を含めた宿泊対策について御説明があったわけでありますが、それによりますと、依然として、一万二千三百人くらいは、旅館改造、民泊、船中泊というような緊急対策で埋めなければならぬ。四割近いものがそういうもので処置されなければならぬというときにあたって、政府としてもたいへんホテル問題については御心配を願って、昨日の建設委員会で建築基準法の改正法律案が委員会を通過し、きょうの本会議法律として改正制定を見る運びに至っておりますので、きょうは建設政務次官にお忙しいところをわざわざおいでをいただいておるのでありますが、この建築基準法改正に伴う政令の整備の問題であります。この点は、政府方面にいろいろ伺ってみますと、たいへん長くかかる、半年はどうしてもかかるということで、現に政府の勧奨その他で高層建築のホテルを建てようという方面で非常な困窮をいたしておるわけでございます。現に、差しあたりの建築基準法に基づく申請によって工事に着手はいたしておりますが、それを高層建築に模様がえを申請して許可をいただく段階が、単に建築基準法の政令制定だけでなく、東京のようなかような地域においては、あるいは文教地区、あるいは風致地区というようなことでその他の制約が数々ありますために、せっかく高層建築のホテルを建てようという強い意欲を持って、運輸省並びに政府の御勧奨もあって、やってやろうというものが、その計画がとんざをしてしまうというような状況に相なっておりますので、この点は、政務次官おいででありますので、後刻、政務次官を中心に建設省また東京都の現実の許可その他をやっておられる関係官の方々も見えられておりますので、どういう形でいけばはたしてできるのか、あるいはどういう方法をとってもできないのかという点も十分にお伺いをいたしたいと思いますが、こういうような計画が万一蹉鉄を来たすということになりますと、さなきだにホテル関係は――オリンピックのときには一日三万の宿泊があるだろう、そのうち一万七千七百人程度は一応確保しておる、その一万七千七百人のうちに、すでにただいま建設中のそういうものも入っておるわけでございまして、これができないということになると、さらに大きな蹉鉄を来たしますし、とんでもない結果になる、かように考えておりますので、何とかこの点について、政府部内において――せっかく今日まで御援助をいただいておりますので、この問題の便法と申しますか、方法については、先般非公式に党においても関係の方々から伺ったわけでありますが、全然見込みがないということでもないように私実は伺っております。しかし、法律制定以前でありますので、公式の御見解を伺うということは当然慎しむべきだ、かように考えまして、政府部内で十分御協議願って、ぜひこの種のものを達成さしてやっていただきたい。ことに、現在建築中で、また土台から基礎工事をようやく打ち上げる時期において、すでにアメリカ方面から、パン・アメリカンでは、千五百室あるならそのホテル全部買い切りたいとか、アメリカン・エキスプレスでは、自分たちのほうで八割予約したいというような、いろいろ申し出がありますが、これは当初の方針どおり、政府の指示によって宿泊価格等も低廉にしなければいかぬから、自分たちはそういうことには一切――政府の指示に基づくので、事前的な話し合いは困るということで、建築に専念いたしておるのでございますが、すでにもう基礎工事が終わり、これから上部構造にかかろうというので、何分にも高層な建築でありますから、従来のような鋼材ではいけない、耐震その他の特殊鋼材を発注しなければならぬ、八幡のロールなども、一カ月おきでないと注文が受けられないということで、今月発注しなければ間に合わぬというような状況にまで差し迫っております。この点をひとつ大臣からもさらに事務当局並びに関係向きを御鞭撻いただいて、できるようにお骨折りいただきたい、かように考えて、きょうは御来席を願い、お尋ねをいたしておる次第でございます。
  54. 川島正次郎

    川島国務大臣 建築制限の問題につきましては、松澤政務次官を中心にして先般来検討をいたしております法律も、せっかく改正成立することになっておりますから、何とかこれを時期を早めて施行するようにしたい、こう考えて、なお関係当局とよく連絡をとって御希望に応ずるように努力したいと思います。
  55. 松澤雄藏

    ○松澤政府委員 ただいまの御質問でございますが、御質問の中にございましたように、従来の建築においては――現今のように、特に大都市中心とする人口稠密地帯といわれるような地域は、高度の土地利用というものも考えなければならず、かつ世界の環境を見ましても、すでにそのような方向に進んできつつある、こういうふうな点に立脚いたしまして、従来の建築様式から容積方面に変えていくべきだというわけで、今回提案をいたしたのでございます。したがって、従来やっておりました高さの制限というような部面等に関して、建蔽率というようなものを活用してやってまいっておりますが、今回のものはそれを廃止いたしまして、容積を中心にやっていくんだということに相なった次第でございますが、ただそのときに一つひっかかる可能性があるのは、御承知のように、その高さによって隣近所に及ぼす影響というような部面から、斜線というものを一応考えてみなければならぬ、こういうところに一つの制限的な部面が生まれてくる可能性が多分にあるわけでございます。そういうふうな点を政令等において考えていかなければならぬじゃないかと考えておりますが、しかし、それにいたしましても、きのう法律として通過いたしました十種類の地域の選定をしなければならぬ。この地域の選定をする場合においては、一応考えておりますのは、建築審議会等にて伺ってみる、あるいはまた諮問をしてみるといったような考え方も、基本的には考えております。しかしながら、先ほど申し上げたように、土地の高度利用の部面等も考えなければならぬし、特に率直に申し上げまして、具体的な例を申し上げますと、かりに銀座のまん中にある程度建物を建てなければならぬといったような場合は、単に斜線というふうな部面だけで制限を加えるような段階になっておるのかどうか、こういうふうなことを考えてみますと、ある程度まで斜線というものは考えなければならぬけれども、よって生まれた法の基本というものから考えまして、地区地区によってはある程度の緩和的な部面もあわせて考慮しつつ持っていかなければならぬじゃないか、そうでもしなければ、それだけの高い建築物を日本のような地震の強い国がはたして許し得るかいなかということは、当然われわれも検討いたしまして、従来のような重い建物、いわば重建築といわれるようなもの、これらを今度は高い建物にするためには、軽建築に切りかえて、耐久的な部面を考慮しつつ持っていくのだ、こういうふうなことになっていく可能性もございます。したがいまして、そういうふうなところのすべてを考慮していきますと、単に斜線的な部面だけの、高さを押えるだけの斜線というようなことは十分に考えて、そういうふうなことのないような方向に持っていく。少なくとも同じことをやるならば、いまのように半年間かかって政令が生まれる、法ができましてから半年もかからなければ政令ができないのだというふうなことがないように、大臣も私も同意見といたしまして、一日も早く政令というものをつくり上げまして公布すると同時に、国民に支障のないような方向に持っていきたい、こういうふうに一応考えております。気持ちだけを表明しておきます。
  56. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 たいへんに御懇篤な御答弁をいただいて、非常に力強く感ずる次第でありますが、一点、さいぜん申し上げましたように、実は現実に鋼材を発注しなければならぬ。それでなければ来年の八月一ぱいまでに、何せ非常に高い特殊な高層建築でございますから、間に合わないという時点に立ち至っておりますので、その間の便法をひとつ急速に何らかの形で――この政令をつくるそのテストケースにああいった建物を建てるんだという考え方ででもお考え願わないと、ホテルができ上がらないのじゃないか、かように考えますので、この点についてもひとつ何とか御配慮をいただきたい、かように存じてお尋ねをした次第であります。
  57. 松澤雄藏

    ○松澤政府委員 せっかくそのような建物の構想をやっておられて、ただいまお話を聞きますと、一応土台までつくられたのだ、こういうふうなお話でございますが、本日のこの委員会においての御質問の趣旨と少しく違うようなことの答弁になるおそれがあるので、御遠慮申し上げようかとも考えましたが、しかし、今後のためにも一応お答えを申し上げておきたいと思いますが、現在すでに建築にかかっておるということは、従来の法に基づいての申請をいたしたものだと私は考えます。したがって、従来の法に基づいた政令によって部面での建築許可をいただいたものである。したがいまして、もともと新しい容積というふうな部面に立っての法を期待してやったのかというふうな点もまた考えなければなりませんけれども、一応従来の法に基づいてやった限りは、それを直ちに新しい法にというふうなことになってまいりますと、ある程度の無理もあるかと思いますが、しかしながら、せっかく国民の期待に沿わんとする法の改正でございますから、できるだけいまのものも、その希望がそこにあるとするならば、そのような方向のものに当てはめてそうして法の改正によっての特典を与えるような方向に指導し、またわれわれとしては努力していかなければならぬことは、言うまでもないのでありますから、そのような方向に努力していきたい、かように思います。
  58. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 お答えはまさにそのとおりで、それ以上のお答えを期待することはできないだろうと思いますが、率直に申し上げますと、いまからかからなければとうてい間に合わない、あるいは間に合わないかもしれぬということで、あらゆる基礎調査その他もし、地盤その他のボーリングもやった結果、これならば高層建築に耐えるということで、将来の問題は、これだけのホテルを建てるのだから、必ずできるだけの御便宜をはかっていただけると同時に、現行法では、ただいま政務次官のお話のように、現行法の規定以上のものを出すということ自体が法律違反ですから、これは当然そういう形でやって、その間に法律も制定せられ政令も出るという期待のもとにやったことは、これは事実であり、また関係の方々からの、正式の御指示ではないが、いろいろ内面的な御援助で今日まできたわけでありますが、たまたまその間に地方選挙とか、またいろいろな国会内の事情で法律の制定が非常におくれたというような不利な条件も重なってきておるわけでありますが、現状では、いまのお話でまいりますと、工事をストップせざるを得ない。そうすると、八月一ぱいというような期限でもって計画をしておるのでありますから、工事をストップすれば、おそらくオリンピックには間に合わないのではなかろうか。また、鋼材の注文もやめるということになりますと、これはとんでもない蹉跌を来たしてしまって、全体のオリンピックの外人収容方面に対してもさらに大きな穴をあけるような結果になる。これは政務次官たいへん御心配をいただいて、いろいろ建設省内あるいは東京都、いわゆる政府部内、関係部内をおまとめいただいておりますが、その点何とかひとつ政令制定に際して便法を考えていただくように、大臣はじめ政務次官にとくとお願いを申し上げておきたいと思うわけであります。
  59. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 もう一つだけ関連して北畠さんにお伺いしたいと思います。  先ほど川島長官は私の意見に同感であるということを言われました。そのときに、政府だけでやるのではなくて、やはり日本武道館のほうでも熱意がなければなかなかできないというようなお話がありましたが、いま長官が心配されておるように、私のほうはやってやるけれども、武道館側が自信があるかどうかということに不安を持っておられますが、あなたのほうはどういう現状であるか。長官がそれくらいの自信があり確信があれば大丈夫だと言われるだけの確信があるかどうか、あなたから伺っておきたいと思います。
  60. 北畠教真

    北畠参考人 いま田中先生並びに佐藤先生の誠意ある御質問に対し、川島大臣からいろいろと御懇篤な御答弁がありまして、武道館側といたし非常に感激をいたしておる次第でございます。つきましては、われわれとして先年来いろいろ武道館の建設について心を砕いてまいったのでありますが、話を聞いてみますると、ワシントンハイツにおける屋内総合競技場柔道試合が行なわれるというようなことも耳に入り、これではとてもいかぬじゃないか、同じ武道館を建設するということになれば、われわれとしてはそれまでに武道館を建設してオリンピック柔道場として提供したいという熱意から、急にいろいろな面を促進の方向に持ってまいりまして、どうしてもオリンピックまでに武道館を建てて、りっぱな柔道場において初めてのオリンピック柔道を開催してやりたいというのがわれわれの念願であり、せっかくただいま努力をいたしておるような次第でございます。つきましては、工事費用につきましては、いろいろ案がありますけれども、第一屋内競技場柔道場というものに精力を集中いたしまして、予算は二十億、十億は、ただいま川島大臣が申されましたように、政府の補助を仰ごうという気持ちでいろいろお願いをいたしておるわけでありますが、あとの十億については、会長をはじめわれわれ理事者が一体となりまして、どうしてもオリンピック十億の予算を早急に募金をいたしまして、二十億の資金をもって武道館を建設しようということにいろいろと心を砕いておるような次第でございます。つきましては、工事の促進のめどといたしましては、七月に入りましてすでに設計に取りかかっておりまして、八月の二十日には大体の設計ができ上がるという見込みがついております。それから、設計ができますとともに十一月までに実施設計を完了しよう、なお、建設の工事は、今年の九月に着工いたしまして、明年八月中にはぜひともこの武道館を建設してオリンピックに間に合わせようという、かたい熱意と決意をもって現在われわれ理事者は邁進いたしておるような次第でございます。川島長官のお話を聞きますと、武道館のほうが熱意、力が足らぬのじゃないかという御苦言でございますが、われわれといたしましては、大臣の非常な熱意にこたえるためにもこの十億を何とかして調達するというかたい決意を持っておりますので、この点御賢察をいただくならば非常にしあわせだと思っております。大体以上のような気持ちを持っております。
  61. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いま徳安総務長官が見えませんので、金田審議官にお尋ねしますが、御承知のように、これは敷地の問題がいろいろ問題になっておると思うのであります。何といっても、架空につくるわけではないので、やはり土地につくらなければなりません。同時に、武道館の性質上、やはりどんなところでもいいというわけにいきませんので、そこで最初は青山のあれになり、それからまた新宿御苑になり、今度はまた北の丸のほうにいくようになったわけであります。私は実は国立劇場の問題をやるときの委員をやっておりまして、その建設のときにもいろいろ土地の問題で苦労したのでありますが、いまはパレス・ハイツのところにきまったのであります。一体これをつくる場合に、いままでどういう関係で、どういう経過で土地がきまらないのか。いまでも川島長官は武道館の敷地のこともはっきりせぬようなことを言っておられますけれども、そのいきさつはどのようになっているのか。少なくとも、いま北畠さんが言われるように、熱意はあり、何とかしょうという場合に、敷地の問題が片づかなければやはり問題は片づかないと思うのでありますが、そういう点についてどういう考えを持っておられるのか。これは徳安さんにかわって、ひとつ、あなたが責任のある答弁をしていただきたいと思います。
  62. 金田智成

    ○金田説明員 お答えを申し上げます。  この武道館の敷地に関しまして、この敷地にどういう種類の土地を充てるかという場合に、まず考えられておりますのが国有地の提供ということだろうと思いますが、実はこの武道館にかかる国有地の提供のことに関しましては、現在のところ私どもの事務当局の段階で検討いたしておる状態でございませんものですから、私からは、この点に限りましては御答弁申し上げかねる実情でございますので、御了承願いたいと思います。  なお、これに関連しまして、ワシントンハイツの場合にこれに類似した事実があったではないかというようなお話でございますけれども、これはまた別途な事柄でございまして、したがいまして、一般的にどうという問題ではなかろうかと思います。ケース・バイ・ケースで、それぞれ同じ国有地でもいろいろな状態にあるものでございますので、ワシントンハイツの場合にいろいろ長引いた事情は、また別個な事情でございます。この点もし御要望がございますれば、また知る範囲でお答え申し上げますが、本件に限りましてはさような事情でございますので、御了承願いたいと思います。
  63. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 同僚議員の田原さんが見えましたからいろいろ質問があると思いますが、最後に与謝野さんにお伺いしたいと思うのであります。  きょうの委員会でいろいろ問題が明らかにされたのでございますが、非常に膨大な仕事でもあるし、時日が切迫しておるので、いろいろ困難な問題があるかと存じますが、いま問題になっておるのは、柔道を水泳のあとでやるというような問題でございますが、私は先日ヨットハーバーの問題で江ノ島にも行きましたし、菅平は実は時間がなくて行けなかったのでありますが、どこへ行っても、これでだいじょうぶだろうかという不安を至るところで私は聞いてまいりました。特に武道館の問題は、ただいま金田審議官が言われるように、地所もきまっていないというような問題があるようでありますが、私たちは、田中委員からも言われましたように、水泳のあとでちょこちょことやるというようなことは、この際やはり慎むべきではないか。日本で初めて柔道をやるのでありますし、この建物は将来永久にいろいろなことに使えるのでございますから、そういうようなやっつけ仕事でなくて、りっぱにやってほしいと思いますが、あなたは事務総長としてどういうお考えを持っておられるか、お伺いしたいと思います。
  64. 与謝野秀

    与謝野参考人 先般この委員会で田原委員から御質問がございまして、私は、よりよい会館ができたならば、オリンピックの会場もそちらをお借りする望みがあるという趣旨でお答え申したのでありますが、御承知のように、オリンピックの会場の決定及び会場の変更につきましては、組織委員会施設特別委員会というものがあり、また組織委員会が決定いたしました後に、たとえば柔道の場合であれば、国際柔道連盟と打ち合わせ、最後に国際オリンピック委員会の承認を得る、こういう手続を踏まなくてはならないわけであります。そこで、先般来この武道館の問題がだんだん熟してまいりまして、私としては、委員会にはかり、さらに国際委員会にもはかる時間的余裕はまだあるけれども、やはり早く具体化していただかないと、手続もなかなかむずかしくなってくるのではないか、こう思っておったのであります。本月二日に武道館会長及び理事長名をもって組織委員会に、こういう会館を建設するからオリンピックの会場として使用してくれ、こういうお申し出がありました。これがもう少し固まりまして、委員会にはかれる段階になりましたらば、そういう手続を進めてみたいと思います。ただ、私から今日これでけっこうと申し上げることは差し控えたいと思います。  なお、先ほど前田局長に対して田中委員からの御質問で、柔道場五百万円という数字がございましたが、これは昨年私事務総長になりましたときに設計者からもいろいろ説明を聞いたのでありますが、これはプールの上に鉄骨を張る作業というものが相当時間がかかるのであります。この五百万円というものは、最後の板張りと畳三百万円近いものの値段でございまして、これだけが柔道に用いられるのではない、全会館の費用及び鉄骨その他の費用は別である、こう御了解願いたいと思います。
  65. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 文部大臣が見えませんので前田局長にお尋ねするのでありますが、武道館は最後はやはり文部省の建物になると思うのです。大体文部省は戦後になって非常にけちけちしておって、大きな構想がない。昔私たちが学生の時分には、文部省の体育局長というものはたいした力があった。私は前田さんが無能だとは言いませんけれども、厚生大臣が川崎さんで、文部大臣は松村さんでしたが、体育局を厚生省によこせと言われたことがある。それほど文部省は貧弱だと思うのです。日本のアマチュア・スポーツの大部分は学生でございます。そういう非常に重大な地位に立っておりながら、あなたは事務官だからやむを得ないが、五百万円ぐらいの予算をもらって、はい、ごもっともでございますというようなことをよく説明できたと思うのです。私はプロも好きだし色々な競技も好きでありますけれども、文部省は人つくりだとかなんとか言ったって、体育問題が一番大事だと思う。だから、体育局長となったあなたは、ここに課長も見えておりますけれども、もう少し襟度と力をもって、少なくとも武道館はおれ一人でつくってやるくらいの元気で、職を賭してやるくらいの元気でなければ、できないわけです。私は、文部大臣が来られぬからあなたを責めるわけでありますけれども、やはり愛情を持っているから言うわけであります。文部省は、アマチュア・スポーツに対しては、絶対の責任もあり、力も権威もあると思うのです。そういう点で、柔道――水泳もプロでありませんけれども、そういう競技に対してはもっと力を入れるべきではないか。私はプロ野球も好きでありますけれども、やはりアマチュア・スポーツというのは何といっても文部省が管轄でございます。そういう点で、あなたのほうももう少し熱意をもって処理しないと、私は将来禍根を残すと思うのであります。そういう点について、あなたに大臣の代理の答弁をしろと言っても無理でありますけれども、やはり私たちの意のあるところを十分検討していただいて、――いま与謝野さんも言われましたように、あなた方自身も、こんなことではできぬ――むしろを敷いて柔道をやるようなばかげたことをあなた方が認めるところに私は難点があると思うのですが、その点について、あなた体育局長個人としての御意見だけを承って、私は終わります。
  66. 前田充明

    前田(充)政府委員 たいへん御激励をいただいたのでございますが、いま私、五百万円ぽっちで何で黙っておったというような感じを受けたのでございますが、これは発足当初の問題でそういうことでできるということで進んでまいりましたので、先ほど来の御質問に対するお答えも、従来私どもがとっておった態度についてそのまま御説明を申し上げただけでございます。したがって、武道館がいよいよできるということで確定的になれば、もちろんアマチュア・スポーツの将来のためにもさらに大きな利益でございます。もちろん、当面はオリンピックということのために非常にいい施設ができるわけでございますので、そういうことに決定いたしますれば、もちろん私ども決していいかげんにほうっておくようなつもりは毛頭ございません。その点は、いままでも御連絡等についてはそう怠ったというような考えは持っておらないのでございますが、今後とも御趣旨に沿いまして努力いたしたいと思います。
  67. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 さいぜんのお尋ねの結末をつけたいと思うのでございます。さいぜん各関係向きへお願いしたとおりでありまするが、これについて運輸省からは大蔵省へ資金的な面でいろいろと御折衝願っておると思います。われわれの党として、川島オリンピック担当大臣から大蔵大臣、われわれ党のオリンピック特別委員会としても政務調査会を通じて大臣に直接お願いをいたしておりまするが、その後大蔵省関係として、オリンピックに対するホテル施設についての資金関係をどういうように御配慮願っておるのか、この点を最後にお伺いいたしておきたいと思います。
  68. 海堀洋平

    海堀説明員 オリンピックに直接関連のあるホテル施設整備につきましては、私のほうでもできるだけのことをいたしたいというふうに思っております。現在の進め方は、開銀融資でございますので、開銀に申し入れのあるものを、オリンピック関連ということに重点を置きまして開銀のほうで一応御審査をいただく、その審査していただきました結果、一応現在の開銀資金の予定されている額でまかなえない場合には、やはり何らかの形でその資金量をふやすということになると思っております。ただ、開銀の融資のワクというのは、御存知のとおりに、金額全体としては非常に大きな金額でありまして、ホテルがどれだけ、何々がどれだけというふうにはっきりときまってはおりませんので、たとえホテル関係が一応予定された金額を越えるようなことになりましても、全体として開銀資金の追加が必要かどうかということになりますとまた話が別になるのでございますが、ホテル関係につきましては、一応予定されておる金額の範囲内ではまかなえないであろうということは、申請書を審査しておる開銀から報告を受けております。現在開銀のほうでその審査をすぐ終わるかと思いますが、終わりましたものを私のほうでいただきまして相談したいというふうに思っております。
  69. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 政府間におかれても、運輸省、大蔵省等でも御折衝願っておると存じますので、事情は相当よくおわかりだろうと思いますが、実際いま計画されておるものは半分程度ではないかというようにわれわれ考えておりまするし、また党のオリンピック特別委員会としても、大体具体的な内容も全部審査をして政調を通じて大蔵大臣のほうにお願いいたしておりますし、川島オリンピック担当大臣からも、これが最小限度だということで話もいたしておりますので、いずれ事務的に開銀から大蔵省のほうに書類が参りました暁には、さらにわれわれお願いにあがりますが、その節はひとつよろしくお願いいたしたい。またホテルの建設問題については、運輸省、文部省等におかれても建設省とよく御相談を願って、当初の計画が蹉跌を来たすようなことがあっては重大な問題だと思いますので、ぜひ御協力をお願いいたしたいということを最後につけ加えまして、私の質問を終わりたいと思います。
  70. 田中榮一

    田中(榮)委員 それでは、私の質問が中断いたしましたので、引き続きまして、日本志道会の理事長であり、国立競技場会長をされております久富先生にお尋ねいたしたいと思います。  その当時、オリンピック施設委員会施設のことをやっておったと思いますが、柔道試合場水泳場を模様がえしてやるといことについては、その当時、満場一致、それはけっこうですと、そのままうのみにされたのでございましょうか、それはもう理想的な場所でやったほうがいいというような議が若干あったのでしょうか、久富先生はその当時その議に参画しておられたかどうか存じませんが、いかがでしょうか。
  71. 久富達夫

    久富参考人 日本志道会といたしましては、そのことに関知しておりません。また、国立競技場といたしましても直接関知したものではございません。しかし、総合体育館をつくるその規模内容をどの程度にしたらいいだろうかという諮問が、各界の代表を集めて文部大臣からありました。私もその諮問を受けた一人でございまして、その会の会長をやりまして答申をした記憶がございます。そのときに、その総合体育館においては柔道、水泳をやる、そういうことにつきましてはこういうことが必要ではないかというような内容を含めて答申をした記憶がざいます。その程度でいます。
  72. 田中榮一

    田中(榮)委員 その答申をされたときに、水泳場の上にふたを置いてその上で柔道をしても支障がないとの答申をされたのでありましょうか、その点もう少し詳しくお伺いしたいと思います。
  73. 久富達夫

    久富参考人 その当時、水泳場の上にふたをするという考えでなしに、柔道試合をどこでやるかというような問題がありました。それは当時組織委員会のほうでいろいろ考えがあったと思いますが、政府当局にもあったと思うのであります。そしてそのための試合場をつくるというような――いろいろなものを整備する、そのときに、総合体育館をつくる、これは水泳もやり、何もやるのだというたてまえでやったのであります。そうして柔道のほうにつきましては、二万近い人間が入れなれけば困るというような希望を申し述べた記憶はございます。
  74. 田中榮一

    田中(榮)委員 私の想像では、その当時の総合体育館というのは、水泳場水泳場としてそのまま一年じゅう利用できる、それからまた、武道場も武道場として、一年じゅう、武道固有の道場として使用できる。こういう総合体育館ということでお考えになったのではないかと思うのでありますが、水泳場の上にふたをして柔道場にする、それからまた、翌日はふたを除いて水泳場にする、そういうことがはたしてできるものであろうかどうか、その当時の状況は、久富先生も関係になっておりませんから、これ以上御質問してもむだでございますから、これはもうこれとしてやめたいと思います。  そこで、久富先生は、民間の柔道、剣道、弓道、相撲の、いわゆる志道会の理事長をされておるわけでありまして、武道を愛する者として、この記念すべきオリンピックの晴れの場所武道を行なうのに、水泳場の上にふたをしてその上でやらせるということが、全国の武道界にいかなる心理的影響を与えるか、これは全国の柔道マンを代表して私はひとつ久富先生の御意見を伺ってみたいと思うのであります。
  75. 久富達夫

    久富参考人 お答えします。  本日佐藤さん、田中さん、川島さん皆さんから非常に心強いお話を聞きまして、私は感激いたしております。おそらく、この場所日本柔道家あるいは世界の柔道家がおりましたならば、私と同じように非常に喜んで心強く感じたと思うのであります。日本武道専門の場所としてりっぱな施設ができましたならば、その上において柔道をやり、あるいは武道のデモンストレーションをやることは願ってもないことでありまして、心からそれは実現を希望するものでございます。これは私のみならず、御質問にもありましたとおり、日本じゅうの柔道家、世界じゅうの柔道家のみならず、武道関係の者全体が心からそう希望してきょうのお話を喜んでおるということを申し上げます。
  76. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで、私は、今回のオリンピックの正式競技種目として柔道が採用せられ、しかも柔道のふるさとである日本のひのき舞台で柔道が開催されることにつきまして、このときこそ、日本の伝統と歴史を誇るところの武道というものがもう一回立ち直り、さらにその再出発をする時期ではないかと考えておるのであります。それにつきましては、せっかくひのき舞台としてオリンピックの道場で世界の選手が覇を争うその場所が、翌日、悲しいかな、直ちに水泳場に姿を変えてしまうのであります。永久にこの晴れの舞台、殿堂というものが、われわれの歴史の上から――事実は残るといたしましても、物理的有形的な姿としては、プールに変形してしまって、永久にこれがなくなってしまうということであります。このことは私はほんとうに全国の柔道マンが涙を流して悲しむことではないかと思うのであります。われわれは、この神聖なる殿堂ができましたならば、この殿堂を中心にして日本武道を再建いたしまして、そうして青少年の心身の鍛練を行ない、りっぱな将来の国民をつくっていくというところにこのねらいがあるのではないかと思うのでありますが、民間を代表せられまして、久富先生とせられましては、永久にこうした神聖な殿堂が残ったほうがいいか、翌日その姿がプールになったほうがいいか、その点につきまして率直な御意見を承りたいと思います。
  77. 久富達夫

    久富参考人 田中さんのおことばのとおりでございます。たとえば日本志道会は、おことばにありますとおり、柔道、剣道、弓道、相撲の総合競技団体でありまして、いわば昔の武徳会のように、日本武道振興の中核組織でございます。この志道会の理事会において、日本志道会は、日本武道館の実現に非常に期待をし、同時にこれが将来の連営についても全力をあげて協力するという決議を力強く満場一致でしたのであります。そのこと自体が、われわれの希望を率直にあらわしておるのみならず、われわれも何かやりたいという熱意に燃えておることをご理解願いたいと思います。
  78. 田中榮一

    田中(榮)委員 先ほど佐藤委員の御質問に対して日本武道館北畠理事からお答えになったのでありますが、ただいま日本武道館におきまして、専門の、いわゆるオリンピックにおける柔道試合場としてのりっぱな殿堂をつくろうという計画が進められておるのでございまするが、その際に、志道会と申しまするか、民間の武道家のご意見として、一体その収容力はどの程度のものが適当であるかということについて、ひとつ率直な御意見を承りたいと思います。
  79. 久富達夫

    久富参考人 オリンピックを迎えますときに、その試合場の収容力につきまして、各競技団体それぞれみんな考えたのでございます。いずれも、現在国内において行なわれる選手権大会その他において持つ収容力の何倍かに値するものをもってオリンピック試合場として設計、計画をたてておるのでございます。柔道におきましてももちろんその例外ではない。柔道におきましては、日本の国内の選手権大会を開きますと、一万人強の人間が集まっております。したがいまして、外国から選手を迎えてはなやかな国際的な試合をやる場合におきましては、それだけでは足りない、少なくともその二倍に近いものはほしいというのが、柔道界の率直な希望でございます。そのために、総合体育館におきましても、当初、柔道試合場としては一万八千という要望を出したのでございますが、その後、設計の変更等で多少減ってまいっておるので、一万四、五千になっておるのではないかと思うのでございますが、その点はまだ柔道連盟としては聞いておりません。そうなりますれば、それはやむを得ないのではないかという気持ちでおりますが、しかし一万五千という数よりあまり下るようなことでは問題にならない。国内の選手権大会においてさえも一万をこす人間が集まるのに、世界の選手を集めて国際的な試合をやるのに、それ以下とか、あるいはそれに近い数では問題にならない。これは柔道だけでなく、ほかの場合にとってもそうだろうと思うのです。  もう一つ、これは志道会の理事長としてお答えしますが、柔道のみならず、将来の武道発展のことを考えました上においても、同じようなことが言えると思うのであります。現在、柔道の選手権大会は、いま申しましたとおり一万人強でございますが、剣道の選手権大会は一万弱といっております。それからアマチュア相撲の選手権大会は、これは国技館でやっておりますが、大体七、八分どおりの入りを見ておりますので、これは九千くらいということを相撲連盟のほうでは言っております。将来はおそらく、から手とか合気道とか、その他諸般の武道関係のものをみんな総会して大いに振興しなければならぬと思うのでございますが、から手の例を申し上げますと、から手道はまだ全般的にまとまっておる組織はございませんが、学生のから手だけは、せんだって文部省のお骨折りでもってまとまって組織ができております。全日本の学生から手道選手権大会を毎年やっておりますが、から手のほうの連中の話を聞きますと、応援団その他の関係で多少の増減はあるけれども、大体において八千から一万ということをいっております。そういう状態でございます。したがって、武道館というものが将来武道を振興発展させるという目的のためにつくられるのでありますから、それ以下のものに押え込むというような規模のものでは、断じて私たちは賛成できない気持ちでございます。
  80. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいま日本志道会の久富理事長からたいへん有益な参考意見を拝聴したのでありますが、そこで私は、財団法人日本武道館の北畠理事にちょっとお伺いしてみたいと思います。私も財団法人日本武道館の関係者でございますが、しかし、事柄をはっきりする意味におきまして、私はオリンピック準備特別委員会委員という資格におきまして北畠理事にお尋ねしておるのでございます。  ただいま久富理事長から、今後弓道であれ、柔道であれ、剣道であれ、いろいろ大会その他を催す場合におきまして、最小限度一万人ぐらいの収容力がなくてはならぬ……。
  81. 久富達夫

    久富参考人 ちょっと申し上げます。一万五千でございます。
  82. 田中榮一

    田中(榮)委員 一千五千人ぐらいの収容力がなくてはならぬ、こういう、非常にためになる御意見があったのでございますが、私どもも単にオリンピックだけでなくて、今後日本におきまして、国際柔道とかいろいろなそうした大がかりな大会が行なわれる場合におきまして、この日本武道館が利用される場合が多いと思うのでありますが、その際にやはりこうした観客を収容するためには、私は一万五千人程度の収容力を持つ武道館を建設することが非常に将来のためになると思うのでございますが、この点につきましては、日本武道館としてはいかなる考えを持っておられますか、構想を承りたいと思うのであります。
  83. 北畠教真

    北畠参考人 ただいまのお尋ねでございますが、われわれの構想といたしましては、少なくとも一万五千人、もちろん、最初計画は一万八千、七千という線が出ておりましたけれども、いろいろな関係上、一万五千人のシートはどうしても必要であるという考えのもとに設計に入っております。なお、この一万五千人のいすのほかに、立ち見の二千人を収容し得るというような構想も設計の中に組み入れて、ただいま基本設計を頼んでおる次第でございますが、志道会の理事長もおっしゃられるような線に沿うためにも、少なくともこのくらいのものでなくてはいけないという気持ちのもとに設計に取りかかっておる次第でございます。
  84. 田中榮一

    田中(榮)委員 先ほど来の各委員からの質問を総合いたしますと、こうした晴れの国際柔道試合であるからして、やはり仮設の柔道場でなく、固有の試合場においてやったほうが理想的である、またそうなくてはならぬというようなことに結論が出ているわけでございますが、そこで日本武道館として、余すところ非常に持ち時間が少ないわけでございますが、これから場所を北の丸に選定いたしまして、現在警察学校等があるそうでございますから、それらを他へ移転いたしまして、そしてそこへとにかくりっぱな理想的な武道の殿堂をつくるのでございますが、肝心なことは、やはりオリンピックに間に合うかどうかということでございます。この点につきましてお見通しはいかがでございましょうか、お伺いしておきたいと思います。
  85. 北畠教真

    北畠参考人 ただいまのお尋ね、もっともしごくでございまして、われわれといたしましては、武道館をつくるという以上は、この画期的なオリンピックに際してこの競技場が間に合うということが大きな目的の一つでございますので、先ほど御説明申し上げましたように、明年の八月中にはこの武道館を建て上げまして、ぜひとも柔道オリンピック会場、あるいはデモンストレーションであります相撲、弓道剣道の会場にいたしたいという念願で、まっしぐらにただいま進んでおるような次第でございますので、この点につきましては、十分政府方面とも連絡をとり、万遺憾なきよう事を運びたいという決意に燃えておるような次第でございます。
  86. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいま北畠理事から非常に力強い御決意のほどを拝承いたしまして、われわれ非常に喜んでおる次第でございます。  そこで私は、もう一度前田局長にお伺いいたすのでございますが、先ほどのお話によりますと、十九日の午後一時に板張りが完成するわけでございますが、少なくとも私どもの考えでは、試合場というものは、できたすぐぶっつけ本番で、世界の選手をそこへ連れてきて、さあここで試合をなさいというのは、少し私は無謀ではないかと思うのであります。少なくとも三日か四日前にこれが完成されて、その上であるいは都下の学生柔道の練習試合でも一日か二日やってもらって、そうしてもし悪かったならば、すぐそこで手直しをする、修理をする、改造をする、その上で完全なものにして、世界の柔道家に、さあここでひとつりっぱな試合をしてくださいというように持ちかけるのが、私は礼儀じゃないかと思うのであります。朝できて、だれも試合をしない、そこへ持ってきて、いきなり世界の選手を連れてきて、さあここで柔道をしなさいといって、あとでこの柔道場はどう支障があるとかなんとか小言を食った場合において、私はオリンピック当局の責任問題になると思うのであります。私はこの点は久富先生にお伺いいたしますが、一体こうした世界の晴れのひのき舞台ができたときに、事前に一ぺんの試合も何もせずに、練習試合もさせずに――学生柔道の経験者がそこで一ぺん使ってみて、これでよろしいというテストができて、もし悪ければそこで手直しをする、その上で補完して、さあお使いくださいというのが、私は一番安全な道ではないかと思うのでありますが、その点については久富先生はどういうふうにお考えでございましょうか。
  87. 久富達夫

    久富参考人 お答えします。  お話しのとおり、施設ができましたならば、十分にテストをしまして、そして間違いないというところでもって晴れの試合をやりたいというのが念願でございます。その程度をどの程度にするかということは、与えられた施設によりまして考えなければならぬことでございますが、しかし今後としましては、田中さんがおっしゃるとおりの十分間違いがないようにして試合をやらなければならぬと思います。
  88. 前田充明

    前田(充)政府委員 ただいまの御質問でございますが、私も最初に申し上げましたとおり、この屋内総合競技場の弱点といたしましては、大会前に練習する時間に制約があるということと、それから環境としては必ずしも十分でない、こういう弱点があることは、先ほど来申し上げたとおりでございまして、それをただいまお話しになったかと思うのですが、その点については、確かに屋内総合競技場の弱点でございます。
  89. 田中榮一

    田中(榮)委員 それでは、これは日本体育協会事務局長塩沢さんにお伺いいたしますが、二十日に柔道試合が開始するのは何時ごでざいますか。
  90. 塩沢幹

    塩沢参考人 この件は、組織委員会関係お答えいただいたほうが適当だと思います。
  91. 与謝野秀

    与謝野参考人 柔道試合開始時間は、二十日の午後一時でございます。
  92. 田中榮一

    田中(榮)委員 そういたしますと、午後一時までにその試合場で選手の入場式とかなんとかもやることになるのでございますか。
  93. 与謝野秀

    与謝野参考人 床の工事その他の入れかえで、会場が整備されますのが十九日の午後一時でございます。その間、わずかながら練習をする時間がございます。入場式は、開会式の日に全員国立競技場で行なうので、特に別なフォーマルな入場式というものはないものと了解しております。大体、水を落とし始めてから柔道が開始されますまでに四十三時間あるわけでございます。
  94. 田中榮一

    田中(榮)委員 そういたしますと、工事の期間が十七時間で、いよいよ試合開始寸前までが四十三時間……
  95. 与謝野秀

    与謝野参考人 そんなにない。水を落とし始めましてから試合が始まるまでが、全部で四十三時間しかないわけでございます。
  96. 田中榮一

    田中(榮)委員 そこで、先ほど私も久富先生にお尋ねをし、また久富先生からもお答えがあったのでございますが、こうした国際的な晴れの場所として使用する場合において、やはり二、三日の間くらいその場所で十分に他の者をして練習をさせて、もし悪い点があったら手直しをして完全なものにして、二十日の日に試合場として使う、こういうことが私は理想的ではないかと思うのでありますが、そういう計画はないのでございますか。たとえば、試合前に学生でもお願いしてそこで練習試合でもしてもらう、こういうような計画はないのでございますか、ぶっつけ本番でそこでやらせるという計画でございますか、どうでございましょうか。
  97. 与謝野秀

    与謝野参考人 先ほど前田局長からお答えいたしましたとおり、水泳場柔道場とを兼ねて設計された総合体育館でございますが、御指摘のように、多々欠点もあることは事実でございます。練習場としては、講道館その他各大学の柔道場を拝借して練習する正規のオリンピック会場においては練習をする余裕がない、十九日の日にわずか十六時間ほど練習に使えば使える、こういう余裕があるだけであります。
  98. 田中榮一

    田中(榮)委員 私は寡聞にしてオリンピックをまだ見たことがないのでございますが、少なくとも世界の選手が来た場合におきまして、自分が今日あるいは明日ここで覇を競うという場所くらいは、全部の選手が見に来ると思うのです。その場合において、そこでとんかんとんかん工事をやっておるという状況では、私はほんとうに世界の選手に対して申しわけないという気がするのであります。少なくとも世界の選手が来て、自分が翌日覇を競う場所として見る場合においては、もうそのときに完全に神聖なる試合場として、またほんとうにりっぱな試合場としてそこにでき上がっておるものを選手が見ることによって、私は各選手がりっぱなわざを出し得ると思うのであります。おそらく、前日、前々日くらいには、各国の選手が、一ぺん試合場を見ようじゃないかということで、下検分に来ると思う。そのときに、とんとん工事をやっておるとか、行ってみたところがまだ水泳をやっておったということでは、ほんとうに私は世界の選手に対して申しわけないと思います。先ほど前田局長からもお話がありましたとおり、間に合うとか間にに合わぬとかいうことを私はここで追及する必要はないし、これ以上申し上げる必要はないと思います。間に合っていただけばたいへんけっこうであります。これまでの関係者の皆さま方の努力に対して衷心から私は感謝をしておりますが、しかし一方におきまして、先ほど日本武道館北畠理事から、全力を尽くして、最善を尽くしてひとつ間に合わしたいということで計画が進められておるということでありますから、どうかひとつこういう点を十分御考慮いただきまして、その点につきましても万全の策ができますように、文部省側としても御協力をいただき、またオリンピック組織委員会としても御協力をいただきたいと思うのであります。  ちょうど荒木文部大臣がお見えになりましたので、荒木文部大臣にちょっと一言御要望申し上げたいと思います。  先ほどからいろいろ質問しておってあるいは重複いたして恐縮でございますが、実は今回柔道試合オリンピックで初めて日本において行なわれるわけであります。荒木文部大臣も御承知のとおりに、柔道はわが国古来歴史と伝統を持ったところの一つのお家芸でございます。それが日本において行なわれるということに対しまして、全国数百万の柔道愛好家、武道愛好家というものは非常な希望と喜びを持って明年を迎えるわけでございますが、だんだん承っておりますると、結局、水泳場にふたをしてその上で柔道試合をやるということでございます。先ほど来いろいろこまかく聞いておるのでありますが、物理的には私は間に合うと思うのであります。あるいは間に合わぬかもしれぬ。まあ努力さえすれば間に合うかと思うのであります。しかしながら、私は、世界の柔道を初めて日本に招致して、そして日本のお家芸である柔道試合場所が、水泳場の上にふたをして、その上で柔道をやらせるということでは、どうもいかにも権威がない、また各国に対して非常に申しわけがない、かような気がするのでございます。やはり柔道というものは、せっかく世界の選手が大いに期待をかけて日本に来るのでありますから、りっぱな場所でやらしたいというのがわれわれの気持であり、全国武道家の気持ちでございます。そういう意味におきまして、ただいま財団法人日本武道館におきまして、何とかこのオリンピックに間に合わせるように武道館を設置いたしたいということで皆さん方非常に御努力を願っておるのでございますが、文部大臣におかれましても、この武道館の建設につきまして、いままでもいろいろ御協力、御努力を願っておるのでございますが、かような状態になっておりまするので、なおこの上とも何とぞひとつ御協力のほどをお願いいたしたいということを、これは質問ではございません、要望をいたしまして、私の質問を終わりたいと存じます。
  99. 島村一郎

    島村委員長 この際申し上げます。ただいま文部大臣が御出席にはなりましたけれども、他に所用がございますので、文部大臣に対する質疑は約十分程度にお願いいたしたいと存じます。田原春次君。
  100. 田原春次

    ○田原委員 東京オリンピック大会準備に対して、文部省はじめ各省並びに各団体等が非常に御努力をしておることに対しましては、私どもこれを大いに多としておるわけでございます。ただいま問題となっております水泳場柔道使用の件に関して、専門的にお尋ねしたいこともあるわけでございますが、せっかく荒木文部大臣がおいでになっておることでありますから、大臣に対する質問を先に申し上げまして、参考人並びに関係各省の方々に後ほどお尋ね申し上げたいと思います。  御承知のように、この内閣は人つくりということを言い出しております。そのこと自体に私どもは何ら反対はございません。りっぱな日本人をつくることには賛成をいたします。たまたま今回オリンピックを目ざしまして、南米、北米およそ百万の一世、二世、三世、中には六世もおるわけでございますが、それぞれ楽しみにして、老人は老人なりに、また二世、三世はその関係するスポーツごとに、あるいは柔道その他のスポーツで、貯金などをいたしまして楽しみにしておるわけでございます。私は他の機会に時間があれば、荒木文部大臣に海外二世、三世への日本語の普及状態等についてお尋ねしたいと思っておるのでありますけれども、きょうはそれを申し上げません。オリンピックだけに限ってお尋ねいたしますならば、私の知っている範囲におきまして、少なくともハワイからはおよそ千五百名の一世、二世、三世、六世に至るまでが準備をいたしております。北米は、カナダをはじみ北米合衆国の各地から、これまた私の推定では三千人くらい来るのではないかと見ております。メキシコからラテンアメリカ各地、特にブラジルだけでも、三百人くらいの観光団を基礎といたしまして十幾つの観光団が計画されておりまして、県人会ごとにあるいは村ごとにたいへんな準備をしております。これらは、金からいいましても、相当の金を用意して、そしてオリンピックを初めてやります日本状態を見、並びに日本の各地を観光いたし、そしていろいろなものを買って帰るよいお客であるわけであります。したがいまして、オリンピックの各競技の中で特に今回初めて国際オリンピックに正式な種目として承認され、しかも日本で開催されるときに柔道を公開する、この柔道への参加選手だけでも――選手の数は制限がありますが、柔道を習っておる者でオリンピック柔道大会に見に来る者は、先ほど申し上げました数字の中の半分以上あると思うわけであります。人づくりの機会といたしましても、オリンピックはその絶好の機会になっておるわけであります。問題は、その柔道試合場の問題であります。聞くところによりますと、前事務総長田畑政治君が水泳関係の人でありまして、そこで屋内総合体育場をつくる、水泳を主体とした体育場をつくる、これにいま二十五億の予算を割り当ててあるようでありますが、そこに柔道を加えるということで予算をとってしまおうじゃないかということで始まったと聞いております。大臣は聞いていないかもしれませんが、そういううわさが広まっておるわけであります。したがいまして、屋内総合体育場をつくる当初から、柔道はつけたりになっておるというところに非常な不満があるわけであります。なお、たとえば飛び込み台、ダイビングボードでありますが、水泳場で国際水泳の試合をやりまして、飛び込み台をのけるのに一体何時間かかるか、あと体育局長に聞きますが、のける時間がなければ、飛び込み台のすき間から柔道を見ているかっこうになるわけです。こうまでしてなぜ一体柔道だけを差別し冷遇しなければならないか。荒木さんも、たしか剣道か柔道であったか、碁であったか、段を持っている。荒木さんがいつまで文部大臣をやっておられるか存じませんが、日教組問題からいたしますと早くやめてもらったほうがいいのでありますが、オリンピック関係ではそうもいきませんので、とりあえずこのままおられるものとして質問するわけであります。柔道試合場とあわせてそこに剣道、弓、合気道、相撲等のデモンストレーションをやるわけでありますから、これを独立の家屋でやろうというのが私どもの念願であります。これに対して文部省の一部の技官の中には、いまのままでやったのではだめだと思うけれども、予算をとっておるし、このままでやるということになっておるから、実はこのままでございますという重大な批判をする者も、あなたの部下の中で出ておる。したがって、政府におきまして、閣議その他におきまして、武道館をつくる、そしてそれをさしあたりオリンピック柔道試合場にする、こうきめましたならば、あとは突貫工事でやったらどうか。おそらく、整地工事等については、各大学の柔道選手は、昼夜を分かたずで徹夜お手伝いをすることは必至であります。そういうふうに、おれたち柔道のデモンストレーションの場所だということになれば、海外から来る人たちに対しても非常な満足感を与える、期待を与えることになるのであります。問題は荒木文部大臣の断にかかっておる。ひいては、敷地を提供しようと言っておる河野建設大臣の協力にかかっておる。問題は費用の問題でありますが、費用は、私どもは、いまの屋内総合競技場に充てようとする二十五億を削ろうというようなけちな考えではありません。問題は、民間からもある程度の金を集めよう、したがって政府も出しなさい、こういうわけでありますから、大蔵省の問題になってくるわけでありますが、まず第一は、直接の所管であると思います文部大臣の御決意にかかっておると思います。あなたが非常な決意を持って、どうしても柔道試合場はつくる、つくらせる、土地は建設省に提供させる、費用は民間及び政府から出す、そうして工事に対しては学生が協力する、こういうふうにいくならばできると考えますから、荒木文部大臣の御決意をひとつお伺いしたいと思うわけであります。
  101. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 ただいま田原さんからおっしゃっていただきましたことは、私もことごとく同感でございます。文部大臣の断にあるとおっしゃいますが、すでにして財団法人日本武道館の認可官庁として断を下しております。さらに、これに対しまして、一千万円の打ち切りの補助費ではございまますけれども、これは大蔵大臣の断に基づきまして、また超党派の御支援もいただきましたおかげで、一千万円はすでに予算化されております。これを活用して、御指摘のような内容を盛った武道館ができますことは、世界オリンピックの競技を日本でやります場合に、できることならば間に合って、りっぱな固有の武道館において正式のゲームが行なわれ、もろもろのエキジビションゲームが行なわれるということは、これは国民あげて望ましいことと思っておることと推察をいたします。ただ現実問題といたしますと、工期もなかなか急迫しておると聞かされております。しかし、お話のように突貫工事の意気込みでいくならば間に合わないものでもない、専門家も言っておることも私も伝え聞いております。そういうことで、あとは、調査費の一千万円の補助金でなしに、現実にこれをつくるについての国の財団法人日本武道館に対する補助金の予算措置、これがいま残された唯一の基本的な課題だと存じております。文部省としましては、できることならば国際オリンピックに間に合う、間に合わせるという考え方のもとに予算に計上したいと考えて、具体的にいま検討を命じておるところでございます。ただ、いささか悲鳴をあげますれば、なかなか容易でない予算課題であるようにも思います。しかし必ず突破したい、かように考えておることを申し上げさせていただきます。  なお、私も講道館から三段の免状をちょうだいしておる手前もございますので、及ばずながら熱意を込めて努力いたしたいと思います。
  102. 田原春次

    ○田原委員 おそらく、この問題を荒木さんが解決するならば、四段に推薦されることは間違いない、こう思うわけであります。  次は、与謝野事務総長にお尋ねをいたします。また、関連いたしまして各関係団体の方にお尋ねをいたします。  先ほどちょっと出しましたように、水泳場から柔道場に切りかえる場合に、飛び込み台は残すのですか、どうですか。それから飛び込み台を取り払うとすれば、何時間かかるのですか。そういうふうな予定が立っておりすか、ちょっとこれをお尋ねいたします。
  103. 与謝野秀

    与謝野参考人 設計におきまして、飛び込み台は残ることになっております。
  104. 田原春次

    ○田原委員 これは天下の珍でありまして、飛び込み台のすき間から世界の柔道試合を見るということになりますと、私は何度も水泳プールの場所を見ておりますが、約三百人くらいは、入場券を買って入っても免れませんから、問題が起こると思います。したがいまして、水泳大会を終わったあと柔道試合場にするならば、飛び込み台を取りのけなければなりませんが、技術的に何時間かかるのでございましょうか。残すことは絶対にいけません。
  105. 与謝野秀

    与謝野参考人 お答えいたします。  この飛び込み台は据えつけのもので、移動式のものでないのであります。動かない設計になっております。
  106. 田原春次

    ○田原委員 次に、また一説には、あのプールの水を排水するだけに七時間かかるという話でありますが、事実でありますか、どうですか。そしてそれが完全に排水できないうちにその上にふたをして柔道をやって、もし選手が落ち込んだような場合に、水死でもしたらたいへんですが、こういった問題についてお聞きしたい。
  107. 与謝野秀

    与謝野参考人 水を抜くのに七時間かかるのであります。その間に鉄骨その他の組み立て作業は同時に始めているのであります。水が完全に抜けるまで七時間という予定になっております。
  108. 田原春次

    ○田原委員 次は、場内にあります電光ニュースですね。背泳一着とか、あるいはフリー・スタイ一着とかいうようにしておられるようでありますが、おそらく柔道に対しては世界各国からラジオ、テレビ、新聞等もきますから、あれをのけて使わなければならぬと思いますが、そういう予算をとってありますかどうですか。それから現在の水泳だけの電光ニュースを取りのけてそのあとにつけるといたしますと、何時間かかるか、これも計算してありますか、お尋ねしたい。
  109. 前田充明

    前田(充)政府委員 その点は私のほうからお答え申し上げますが、電光掲示板はこれから専門の業者との話し合い脅していくわけでございますが、同じ電光掲示板で水泳と柔道と両方やるような方式で考え予定をいたしております。したがいまして、別な電光掲示板を使うという考え方ではございません。ただ、それをどういうふうにやるかというこまかい設計の問題は、現在建設省において考えてやっていただいておる状況でございます。
  110. 田原春次

    ○田原委員 電光ニュースは、朝日新聞の電光ニュース、あいは毎日新聞、読売新聞等のものを見ますが、ときどき故障いたしましてとんでもない字が出るようなことがあるわけでございます。これは天下の三大新聞の電光ニュースにしてまたしかりであります。いわんや、間に合わせに取りかえをした場合、背負い投げ一本でやったときに、フリー・スタイルで一着なんというようなことが出ると、とんでもないことになると思います。したがって、やるならば、これも十分のテストをし、十分な時間を与えて万間違いのないようにしなければならぬと思いますが、技術的に時間的にそういう自信がありますか、お尋ね申し上げます。
  111. 前田充明

    前田(充)政府委員 現在、その切りかえをどうやってやるかということについて検討いたしております。したがいまして、日本の産業技術能力で絶対できないことであれば、外国から買わなければならぬ場合も起きるかもしれまんけれども、現在の状態ではできるという見通しで検討いたしております。
  112. 田原春次

    ○田原委員 私も戦前から出ておりまして、長い間議会でいろいろな問答を聞いておりますが、いまの体育局長の答弁と同じで、現在ではというのです。そのときにわからぬということなんです。現在では技術的にできるかもしれぬということでありまして、まことに不確実なことであると思います。したがって、これは一応信用できない。やはり独自のものをつくり、十分テストをし、万間違いなくしなければならぬと思います。それは現在の水泳を主とした屋内総合体育館をつくるということに対しけちをつけるわけではない。水泳は水泳でやったらよろしいと思う。それに何ら私どもは異存はありません。これも国際的に名のあがっておるスポーツでありますから――体育協会は、見ておりますと、水泳と陸上競技のオールドボーイが幅をきかしておりまして、非常にぜいたくにやっております。私は、全日本学生重量あげ連盟の会長を過去八年やっております。現在アメリカに選手を三人やっております。この旅費からしてもたいへんな苦労であります。しかるに、きのうおとといの新聞のように、大内君にいたしましても、三宅君、それから一の瀬君等はいい成績を出しておる。それをこぼすわけじゃありませんが、当時幅をきかしておりました田畑政治事務総長の判断によりまして水泳中心の屋内競技場になったことは、柔道家が差別された一つの原因であると思います。田畑君去り、今日、一見中正公平に見える与謝野事務総長があらわれました。しかしながら、聞いてみると、ずいぶん田畑派にいじめられておるという話を聞く。必要ならば応援に行きたいと思うくらいでありますが、しかし、それは体協や組織委員会の内部のことでありますから、そういうことは問題といたしません。せっかく荒木三段が、断固としてやりますということを言っている。費用の点だけが残っておりまようでありますが、この点は御安心願いたい。先日正力松太郎九段が池田総理大臣に会いました際、まかせてくださいと言ったそうであります。したががいまして、おまかせくださいということばの中には、これは幾通りにも解釈できますが、民間でもわれわれが一生懸命つくれば、同額くらいは政府も考えておるんじゃないかと思いますから、費用の点は一応池田首相におまかせするわけであります。あとは所管省としての文部省と、技術関係、敷地提供の建設省がほんとうに馬力をかけてやるかやらぬかにかかっておると思います。これはぜひそうしてもらわなければならぬと思います。ただいま河野一郎建設大臣に、君も来て答弁しろと言ったら、とてもできぬと言っておりましたけれども、これは柔道場をつくるについてできないのではなくて、派閥の争いか何かがあって来れないのでございまして、武道館そのものには非常な協力をしておりまして、おれにまかせろというくらいやっておるわけであります。したがいまして、所管省の文部省がほんとうに断固として要求する。全国六百万の柔道人口がありますから、これがやる。それから参議院においては、文教委員長であり、しかも講道館八段であります北畠教真氏が参考人として本日わざわざ衆議院にお出向きになっておるようであります。それから、そこにおられる講道館の大先輩――ただいまの資格は妙な資格で、日本志道会の理事長、国立競技場会長となっておりますが、実は久富八段は全日本柔道連盟の理事なんです。私は全日本柔道連盟の理事として呼んだつもりでありますが、志道会その他でいろいろお述べになっております。もちろん、その内容についても賛成いたします。りっぱな武道館ができましたならば、志道会と合流するなり協力するなりすることは当然のことであります。その意味におきまして、久富八段は、その立場上、講道館のOBを代表されたものと解釈していいと思います。そこで、一説には久富さんが陰で心配しておるという話がありますが、もはや御心配は解けたと思います。なぜならば、荒木文部大臣があれほどはっきり言っておられるのであります。なかなか大臣ははっきり言わないのです。どんな質問をいたしましても、てれんくれん言って、善処いたします、検討いたしますというようなことを言っておるのですが、これほど言っておりますから、問題は集約されました。つまり、どうでもこうでも武道館をつくって、それを柔道試合場にする、そうして現内閣はすべての閣僚がこれに協力していく、民間はみな協力する、参議院はむろん、文教委員長はじめ乗り込んできて声明されておる、こういうわけでありまんから、どうぞ御安心になって、そうして進んでその実現のために積極的な協力をすべきであると思いまするが、久富さんのお考えはいかがでございましょうか。
  113. 久富達夫

    久富参考人 先ほどの田中委員の御質問にもお答えしたのでありますが、日本志道会におきましては、先般理事会において決議をいたしております。日本志道会は、武道館の設立に非常な期待を持ってこれが実現並びに運営につきましては全力をあげて協力するということになっております。これすなわち、私のみならず、柔道、剣道、弓道、相撲を含めて、全武道界の人間の真意であろう、このようにお答えします。よろしくお願いします。
  114. 田原春次

    ○田原委員 次に、せっかくおいでいただいておりまして、全然御答弁いただかぬでは恐縮でございますから前会も実はおいでになっておったのに、ほかのことばかりしゃべておって御質問申し上げませんでした。オリンピックの資金財団理事長の靱さんにお尋ねいたします。  一番やっかいな資金を期限を切って集めになるということで、たいへん御苦労しておると思いますがしただいまのところどのくらいお集めになっておるか。また見通しはいかがですか、それから所要の経費に十分間に合うようでございますか、これをお尋ねしておきます。
  115. 靱勉

    ○靱参考人 資金財団は三十六年度から資金調達の事業を開始いたしましたが、三十六年度は、御案内のように、まだまだ相当先のことだという気分もありましたし、ワシントンハイツその他の問題もまだ未解決の当時でございまして、資金調達に対する御協力はそう盛んにはお願いできなかったわけでございます。それでも三十六年度の決算におきましては四億六千万円というものが調達できたわけであります。しかし三十七年度におきましては十億余りというものが調達できまして、これは決算が済んだ次第でございます。それからすでに本年四月から今日までに大体一億六千万円というものが集まっております。三十八年度におきましては、大体予算といたしましては十六億程度予定しておりますが、十八億ないし二十億を目標といたしまして、現在計画を立てております。結論的に申しますと、ただいまの状況におきましてはきわめて順調にいっております。したがいまして、全年度を通じまして最低三十七億、まず四十億程度というものは期待できるということになりますと、組織委員会、体協等の御要求に対しまして十分おこたえできるというような情勢にございます。
  116. 田原春次

    ○田原委員 資金財団でお集めになった金は、主として設備に使うのでありますか、あるいは強化合宿、調査、視察、そういったような選手強化の面にお使いになるのですか、使途についてはあまりお指図をしないのでございますか。
  117. 靱勉

    ○靱参考人 資金財団といたしましての配分でございますが、これはかってに配分できないのでございまして、監督官庁は文部省でありますが、組織委員会並びに日本体育協会も財団法人でございまして、さらに国庫並びに東京都の補助がありますので、すべてそこにおきまして、大体国の補助金はどのくらい、東京都はどのくらい、それから財団がどのくらい負担すべきであるかというような予算ができまして、これは当委員会にもそのつど御提出されている次第でございますが、それに従って配分いたすわけでございます。そこで、日本体育協会に対する――私ども配分金と申しておりますが、配分金は、選手強化費として御使用になるわけであります。選手強化の中には、もちろん仮設的な設備もございます。と同時に、選手のコーチ、指導等、そういうものもすべて入っておるわけでございます。そういう項目でございます。それから組織委員会に対しましては、これは大会の運営、準備のための経費でございまして、それにはやはり仮設的な設備もございます。たとえば選手村の運営というような経費を出すというふうに、それぞれの、項目がきまっております。概括的に申しますれば、ただいま申したように、日本体育協会に対しましては選手強化費として、オリンピック東京大会組織委員会に対しましては準備並びに運営費、こういう形で出るわけでございます。
  118. 田原春次

    ○田原委員 先ほど来問題になっております武道館の建設は、試合場だけつくるといたしまして一定の金額がかかる。それから次は武道博物館なり武道練習館ということになると、たいへん金もかかるわけでありますが、さしあたり試合場をつくる。試合場としては、それでは政府、つまり文部省を窓口とした予算で補助金等をもらうのであって、あなたの資金財団としては、武道館の建設等に対する寄付というような問題は項目に入っておらぬわけでありますか。
  119. 靱勉

    ○靱参考人 これは大体の基本的な問題としまして、国有のものにつきましては、組織委員会、体協等から資金が出てくるわけのものでございませんので、財団から入りますのは組織委員会日本体育協会に限定されております。したがいまして、ただいま問題になっておりますものが国有でありますれば、私のほうから入ってくる道はない、こういう形になるかと思います。
  120. 田原春次

    ○田原委員 もう一つ靱さんにお尋ねしたい。近く全日本学生柔道連盟有志選抜によりましてソ連に柔道選手が行くことになりまして、選手の選考もきまり、それぞれ旅費の調達等もやっておるわけであります。これはモスクワまで往復十六万円かかるわけでありますから、各大学とも選手はやりたいが金がないということで、私ども国会議員で少しずつ資金を集めておるわけであります。選手強化ということになると、どうしても資金財団のほうになるのじゃないかという気がするのです。選手の強化であることには間違いない。しかし日本体育協会の直接のあれではなくて、いまのところ有志という形であります。御承知のように、ソ連には、サンボという、柔道に似た格闘技がありまして、それとレスリング選手等が急に柔道に転向いたしまして、猛烈に練習をしております。この七月は最終予選に入って、毎年九月の欧州柔道選手権試合に出るわけであります。われわれが招待されているのは八月の下旬でありますから、おそらくそれらの選手にも会い、また試合運び、練習の模様等も見てくると思います。靱さんにおかれては、この選手の旅費くらいは独断で出していただいても、別段ほかから文句が出ないのではないかと思うわけでありますが、もう一ぺん御意向をお尋ねします。なおまた直接にお話しなければならぬ場合もありますが、一応お尋ねだけ申し上げておきます。
  121. 靱勉

    ○靱参考人 財団の性格として、配分は日本体育協会並びに組織委員会ということになっておりまして、みだりに他に出せません。それがあくまでオリンピック選手の強化費でありますれば、体育協会を通じて御要求くだされば、もちろん私どもとしては調達して差し上げなければいかぬ、こういうふうに存じております。
  122. 田原春次

    ○田原委員 それでは、日本体育協会の事務局長塩沢さんにお聞きしたいのであります。重大な東京オリンピックを控えて、御困難な仕事をやっていらっしゃることには、感謝しております。どうもわれわれ柔道やウエートリフティングから見ますと、海外に遠征しております回数、その使った金額等は、陸上競技屋、水上屋が非常に多い。そのくせ、ローマでもメルボルンでも勝ちはしないのです。少し甘やかしていると思うのです。私どもの養成いたしましたウエートリフターの三宅は、御承知のごとく世界新記録をつくっております。今度は大内がつくってりおます。来年の春はソ連のほうに招待されていくわけでありますが、いつも旅費については苦労するのであります。でありますから、ただいま資金財団の靱理事長からお話があったように、選手強化のために金を集めているほうは順調にいっている、使い方は体育協会のほうにおまかせするというのでありますから、後日、日本重量あげ協会なり、日本学生重量あげ協会から計画の話があった場合は、一応御検討してしかるべきではないか。たいした金額ではないわけでありますから…。こういう点について御答弁をいただきたいと思います。
  123. 塩沢幹

    塩沢参考人 非常に御理解のある御質問で、たいへん感謝いたしますが、御承知のとおり、選手強化の予算につきましては、ただいま御答弁もございましたように、資金財団からと、体育協会の自己財源といたしまして財務委員会の募金と、それから国の補助金、これによってまかなっているわけでございます。これの執行にあたりましては、東京オリンピック選手強化対策本部におきまして、各競技団体から出ております計画に基づきまして慎重審議いたしてこの配分をいたし、この執行に当たっていただく、こういうふうになっております。その執行につきましては、それぞれの競技団体が、自身の御計画に基づきまして、いまの委員会で認められたものにつきまして執行していただくという手はずになっております。本年の予算につきましては、それぞれの事業について予算化されておりますことについて各競抜団体が計画を立てまして、すでに具体的になっております。したがいまして、その予定の中において、各競技団体が執行されるものにつきまして支出するという段取りでございます。ただいま御指摘がございましたが、柔道、ウエートリフティング、これにつきましては、選手強化、国際交流等の執行にあたりましては、特に重点的に行なうようにという本委員会の御要望もたびたびございましたために、それらに基づきまして、陸上も水上ももちろんでございますが、柔道、ウエートリフティングもその重点種目に入っております。他の種目よりも一段とこれに力を入れる計画に相なっております。さようにいたしまして、繰り返しますが、それぞれの競技団体の、これが最も適当であるという御計画に基づいて執行していくという現状でございます。今後のことにつきましては、対策本部におきまして、それぞれの競技団体の御要望に基づいて十分検討をいたしまして、適切な執行に当たっていく、こういうことになることでございますので、十分御理解をお願いいたしたいと思います。
  124. 田原春次

    ○田原委員 重量あげ並びに柔道に対して非常な御理解のある御答弁であり、私どもはその御答弁が実際面において生かされるように御期待申し上げます。御承知のように、各ウエートにわたって勝ち得るものは柔道であり、それからウエートリフティングは中量、軽量に対しては優勝し得るところまで練習しているわけでありますから、そう一そうの強化のために、必要とあらばソ連にも、あるいはイラン、中共――これはオリンピックに来ませんけれども、こういうところで他流試合の機会もあるのでありますから、そのつど塩沢さんに御相談申し上げる機会もあると思いますけれども、一応これで塩沢さんに対する御質問を打ち切ります。  最後に、再び日本道館理事、参議院文教委員長北畠教真氏にお尋ね申し上げます。  見受けるところ非常におとなしいようでありますが、かつて学生時代には、京都で牛若丸といわれた、柔道八段のたいへん強い方であります。過去において強いからといって、ただ何となしにぼんやりすわっておったのでは困る。この際、参議院の文教委員長の地位にあるのを幸いといたしまして文部省を叱咤激励いたし、そして武道館を必ずつくる、それには参議院の文教委員が全員あげて責任をもってやる、もしまごまごするようであったなら、参議院の文教委員はいかなる行動にも出るぞという決意をあなたが持っておられるかどうか。たいへんおとなしい方のようでありますが、腹の底は強い方であると存じますので、最後にあなたの御決意のほどをお尋ね申し上げてみたいと思うのであります。
  125. 北畠教真

    北畠参考人 非常におほめをいただきまして恐縮いたしておりますが、参議院のほうにおきましても、武道愛好者が非常に多うございます。特に文教委員会の中には、社会党、自民党の方の半分くらいは、剣道、柔道の愛好者がおるのでございますので、われわれ一致協力いたしまして、文部省ともよく相談をいたし、武道館の念願しております競技場をどうしても完成させたいという方向に相談をし、かつ邁進いたしたい、こういう決意をいたしておりますので、衆議院(しゅうぎいん)の先生方におきましてもそういう気持ちで、衆参、両院手を携えて武道館建設に邁進するように御支援をいただきますならば、非常にしあわせと思っております。一にこれは両院の委員の結束いかんによるものと確信しておりますので、参議院のみならず、衆議院(しゅうぎいん)におきましても突進の態勢をかまえて、ともどもに手を携え、完成に邁進させていただきますならば、非常に幸いだと存じております。
  126. 田原春次

    ○田原委員 最後に、各省から説明員としていろいろな方においでを願っておりましたにもかかわらず、時間の関係で一々御質問ができなかったのでございますが、なおまた、参考人の各位に対しても特に東京都の関さん、山田さん、それからオリンピック東京大会組織委員会の佐藤さん、村井さん等に御質問すべきでありましたけれども、もう一時になって、腹も減っておるようでありますから、この辺で私は御遠慮申し上げますが、どうぞわれわれの熱意をくんでいただきたい。役所の方と団体の方にもう一回繰り返し申し上げますが、衆議院(しゅうぎいん)で全会一致でこの武道館をつくれという決議をしておるのです。衆議院(しゅうぎいん)ではなかなか全会一致というものはとれません。たとえば日韓会談反対をわれわれ幾ら言いましても、通らない。しかるに、武道館に限り全会一致になっております。しかもそれは二会期にわたって準備したわけです。私の所属しております社会党でも、武道館をつくることは賛成だけれども、国会で決議までせぬでもいいじゃないか、そうはいかぬ、これは国会で決議せぬと大蔵省が動かぬということで、ようやく、臨時国会を一応見送って、昨年の通常国会で出したわけであります。なおまた、めったに登壇いたしません講道館名誉九段の正力松太郎君が原案の説明をいたし、そして社会党の松前重義四段がこれに賛成をいたしました。共産党の三名の議員は、遠慮して議場から静かに出ておられたわけです。したがって、満場一致というかっこうになっております。与野党満場一致で通したものを、各省のいろいろな事務的な手続の問題であるとか、そういうことでおくらしておったのでは、これは国会軽視になる、これはファッショ化の前提であるといわなければならぬ、ゆゆしい問題であります。したがいまして、私どもはその満場一致の決議を尊重いたし、今日まで、まるでばかの一つ覚えのようでありますが、武道館をつくれということを言っておるわけでありますから、われわれの真意を、建設省におかれましても、総理府におかれましても、また文部省はもとよりでありますが、十分くんでいただきまして、断固としてその実現に進んでいただきたい。だれも反対する者はありません。国会に関する限り、どの党も反対をいたしませんから、皆さんが思う存分に進めていただきまして、そして突貫工事をやり、来年の九月完成を目ざして武道館をつくり、十月にはそこで世界初めての柔道を国際オリンピックでやるというように、総協力の形をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。      ――――◇―――――
  127. 島村一郎

    島村委員長 この際、閉会中審査の件につきおはかりいたします。  先ほどの理事の協議に基づき、オリンピック東京大会準備促進に関する件につきまして、閉会中もなお継続して調査をいたしたいと存じますので、この旨議長に申し出ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  129. 島村一郎

    島村委員長 次に、ただいま閉会中審査申し出の案件が付託され、現地調査の必要ある場合には、委員を派遣いたすこととし、その際の派遣委員の人選、期間、派遣地その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じますが御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  131. 島村一郎

    島村委員長 なお、本委員会閉会調査を進める場合におきましては、東京オリンピック東京大会組織委員会、東京オリンピック資金財団及び日本体育協会等からただたび御出席をお願いせねばならないことと思われますので、先ほどの理事会の協議に基づき、本委員会において必要を生じました場合には、右関係者に参考人として出席を求めることとし、その人選及び手続等につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時十三分散会