○田原
委員 東京オリンピック大会準備に対して、文部省はじめ各省並びに各団体等が非常に御努力をしておることに対しましては、私どもこれを大いに多としておるわけでございます。ただいま問題となっております
水泳場の
柔道使用の件に関して、専門的にお尋ねしたいこともあるわけでございますが、せっかく
荒木文部大臣がおいでになっておることでありますから、
大臣に対する
質問を先に申し上げまして、
参考人並びに
関係各省の方々に後ほどお尋ね申し上げたいと思います。
御
承知のように、この内閣は人つくりということを言い出しております。そのこと自体に私どもは何ら反対はございません。りっぱな
日本人をつくることには賛成をいたします。たまたま今回
オリンピックを目ざしまして、南米、北米およそ百万の一世、二世、三世、中には六世もおるわけでございますが、それぞれ楽しみにして、老人は老人なりに、また二世、三世はその
関係するスポーツごとに、あるいは
柔道その他のスポーツで、貯金などをいたしまして楽しみにしておるわけでございます。私は他の機会に時間があれば、
荒木文部大臣に海外二世、三世への
日本語の普及
状態等についてお尋ねしたいと思っておるのでありますけれども、きょうはそれを申し上げません。
オリンピックだけに限ってお尋ねいたしますならば、私の知っている範囲におきまして、少なくともハワイからはおよそ千五百名の一世、二世、三世、六世に至るまでが準備をいたしております。北米は、カナダをはじみ北米合衆国の各地から、これまた私の推定では三千人くらい来るのではないかと見ております。メキシコからラテンアメリカ各地、特にブラジルだけでも、三百人くらいの観光団を基礎といたしまして十幾つの観光団が
計画されておりまして、県人会ごとにあるいは村ごとにたいへんな準備をしております。これらは、金からいいましても、相当の金を用意して、そして
オリンピックを初めてやります
日本の
状態を見、並びに
日本の各地を観光いたし、そしていろいろなものを買って帰るよいお客であるわけであります。したがいまして、
オリンピックの各競技の中で特に今回初めて国際
オリンピックに正式な
種目として承認され、しかも
日本で開催されるときに
柔道を公開する、この
柔道への参加選手だけでも――選手の数は制限がありますが、
柔道を習っておる者で
オリンピックの
柔道大会に見に来る者は、先ほど申し上げました数字の中の半分以上あると思うわけであります。人づくりの機会といたしましても、
オリンピックはその絶好の機会になっておるわけであります。問題は、その
柔道試合場の問題であります。聞くところによりますと、前事務総長田畑政治君が水泳
関係の人でありまして、そこで屋内総合体育場をつくる、水泳を主体とした体育場をつくる、これにいま二十五億の
予算を割り当ててあるようでありますが、そこに
柔道を加えるということで
予算をとってしまおうじゃないかということで始まったと聞いております。
大臣は聞いていないかもしれませんが、そういううわさが広まっておるわけであります。したがいまして、屋内総合体育場をつくる当初から、
柔道はつけたりになっておるというところに非常な不満があるわけであります。なお、たとえば飛び込み台、ダイビングボードでありますが、
水泳場で国際水泳の
試合をやりまして、飛び込み台をのけるのに一体何時間かかるか、
あとで
体育局長に聞きますが、のける時間がなければ、飛び込み台のすき間から
柔道を見ているかっこうになるわけです。こうまでしてなぜ一体
柔道だけを差別し冷遇しなければならないか。荒木さんも、たしか剣道か
柔道であったか、碁であったか、段を持っている。荒木さんがいつまで文部
大臣をやっておられるか存じませんが、日教組問題からいたしますと早くやめてもらったほうがいいのでありますが、
オリンピック関係ではそうもいきませんので、とりあえずこのままおられるものとして
質問するわけであります。
柔道試合場とあわせてそこに剣道、弓、合気道、相撲等のデモンストレーションをやるわけでありますから、これを独立の家屋でやろうというのが私どもの念願であります。これに対して文部省の一部の技官の中には、いまのままでやったのではだめだと思うけれども、
予算をとっておるし、このままでやるということになっておるから、実はこのままでございますという重大な批判をする者も、あなたの部下の中で出ておる。したがって、政府におきまして、閣議その他におきまして、
武道館をつくる、そしてそれをさしあたり
オリンピックの
柔道試合場にする、こうきめましたならば、
あとは突貫
工事でやったらどうか。おそらく、整地
工事等については、各大学の
柔道選手は、昼夜を分かたずで徹夜お手伝いをすることは必至であります。そういうふうに、おれ
たちの
柔道のデモンストレーションの
場所だということになれば、海外から来る人
たちに対しても非常な満足感を与える、期待を与えることになるのであります。問題は
荒木文部大臣の断にかかっておる。ひいては、敷地を提供しようと言っておる
河野建設大臣の協力にかかっておる。問題は
費用の問題でありますが、
費用は、私どもは、いまの屋内総合
競技場に充てようとする二十五億を削ろうというようなけちな
考えではありません。問題は、民間からもある
程度の金を集めよう、したがって政府も出しなさい、こういうわけでありますから、大蔵省の問題になってくるわけでありますが、まず第一は、直接の所管であると思います文部
大臣の御決意にかかっておると思います。あなたが非常な決意を持って、どうしても
柔道試合場はつくる、つくらせる、
土地は建設省に提供させる、
費用は民間及び政府から出す、そうして
工事に対しては学生が協力する、こういうふうにいくならばできると
考えますから、
荒木文部大臣の御決意をひとつお伺いしたいと思うわけであります。