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村井参考人 駐車場問題につきまして御
説明いたします。
駐車場対策につきましては、
関係方面の御
協力を得まして、組織
委員会が中心となって検討してまいりました。そういう意味で、全体的に私から御
説明いたしたいと思います。
駐車場問題と申しましても、問題は二つございます。
一つは、
駐車場をつくる、
整備するという問題、これが
一つでございます。それからもう
一つは、
駐車場のできたものをどう運営するかという運営の問題でございます。この
駐車場をつくる問題につきまして、さらにこれが二つに分かれまして、恒久的なその
競技場に付属した設備をつくる場合は、
競技場の持ち主、たとえば
政府なり都なり、そういう持ち主にやっていただくことになるわけでございます。それから仮設の
駐車場をつくる場合には、当然にこれは他の
競技場をつくる場合と同じようにOOC、すなわち組織
委員会が担当することになっているわけでございます。
それから運営のほうにつきましては、各
方面の御
協力を必要といたしまするが、やはり
大会の運営方針全体の中で
考えなければならぬ問題が多いと思います。たとえば
大会関係者はどのくらい、
選手はどのくらい、あるいは招待者はどのくらい、また競技の運営法はどうするか、こういうことを
考えながら
駐車場の運営方針も
考えなければならぬと思いますので、一応OOCが各
方面の御指導御
協力を得ましてやっておるわけでございます。
さて、第一の
駐車場の
施設の
確保、
整備でございまするが、本来、理想から申しますならば、各
競技場に付属した
駐車場で集まってくる車を十分
収容できるのが理想でございます。ところが
東京の現状は決してさようになっておりません。たとえばメーンスタジアム
一つ取り上げましても、あの大きな
国立競技場に、
駐車場はわずか五十台くらいの仮設
駐車場しかございません。そういうようなことで、この恒久
駐車場の
整備という問題につきましては、いろいろとお願いしてまいりましたが、
東京の現状から申しますと、それは非常にむずかしいということになっております。
そういうような段階に入りましたので、われわれといたしましては、第二の策といたしまして、
競技場から約二、三十分で徒歩で行けるくらいの区域の中のあき地なり広場なり校庭なり公園なり、ありとあらゆる車を駐車できるような広場をかき集めまして、これを臨時
駐車場といたしたわけでございます。たとえば、図面でごらんいただきますと、
国立競技場から約二、三十分で歩けるところ全部について、ただいま申しましたようなものをさがしたわけでございます。そのあき地の
一つ一つにつきましてわれわれの方でこういうように一台ずつ自動車を並べてみまして、これがそれぞれ何台になるか調べました。そうしてここにありますように、百九十四台、これは六百八十五台、二百三十五台というような、臨時
駐車場の
計画を立てたわけでございます。一応現在われわれの
駐車場対策は、恒久
駐車場より臨時
駐車場、いわゆる仮設
駐車場を前提としていろいろな方針が進められることになったわけでございます。もちろん、この臨時
駐車場にわいて全部が
収容できれば、これもまためでたく解決するわけでございますが、
競技場によりまして、あるいは開会式とか、その他人気のある競技におきましては、十分単が
収容できないということもございます。そこでわれわれといたしまして、われわれが集めました臨時
駐車場の
収容力はどれだけあるかということと、それから大体その競技にはどのくらいの車が集まってくるかということの見込みを立てたわけでございます。それがお
手元に差し上げてあります表にございます。この表にございますように、各
競技場ごとに駐車可能台数を右から二番目の段に一応載せたわけでございます。これではもちろん全部の
観客の車を
収容できることは無理だと思います。まず順位を立てまして、優先順位として
大会関係者の駐車見込み台数、これがその左側にある小計という欄に一応数字が出ておりますが、これだけは絶対に
確保しなければならぬ
駐車場の
収容力でございます。この
一つの例をとりますと、開閉会式に二千百四十七台という数字が一応出ておりますが、ローマ
大会では千二百台で、相当こちらは余裕がある数字がとってありますが、それに対して三千八百八十六台駐車可能、要するに臨時
駐車場の
収容力でございます。そうすると、一番右の欄にありますように、
あと千七百三十九台分という
残りが出たわけでございまして、この
残りをいかに使うかというところに問題がございまして、われわれといたしますれば、できるだけ
バスの
駐車場、
バスのターミナル、こういうものに第二の順位としてこれを
考えております。そうして一般の
観客は残った分についてお入れする、場合によっては制限せざるを得ない、一応こういうような
考え方で進んでおります。
もう
一つつけ加えますと、それでは、いつもの運動会なり競技会あるいは好球なんかのときはどのくらいの車が集まるか、一万人でどのくらい駐車するかという数字でございますが、
外人につきまして見ますと、十人
外人が来ると一台くらいの車が来ます。それから
日本人の場合には、二十人で一台の割合でございます。さらに、その集まった車の中で、そのまま帰ってしまうものと、駐車するものとございます。駐車するのは、さらに五台のうち一台が残るだろう、こういうことになります。大体
日本人が二十人に一台、
外人が十人に一台、一応、間をとって十五人に一台として、そのさらに五台の中で一台が残るとなりますと、七十五人に一台ぐらいずつ自動車が残るのではないかということになります。しかし、これは普通の競技会なんかの例でございまして、われわれとしてはもう少しその率を上げなきゃならぬ。大体、七十五人に一台じゃなく、五十人に一台くらいと勘定しますと、五万人に約一千台くらいという数字になります。そのとおりいきまするとこれで一応間に合うのではありますが、この図面でごらんのように、非常に離れたところもございますので、そのくらいならば、ここら辺に来てとまって、
あと近くから歩いて集まるという人もございます。一応数字としてはこういうような数字で
対策を立てております。
結論から申し上げますと、
駐車場問題は、これだけ
観客が来て、これだけの車が来るから、それだけの
駐車場を全部用意しなければならぬという
考え方ではなくて、逆に、現在ありとあらゆる
方法を講じましてもこれだけしか
駐車場の
収容力はないのだ、この
駐車場に応じた運営方針を立てる以外にない、こういう
考え方で
駐車場問題を
考えておるわけであります。そして結局最後のそのしわ寄せというものはどこにくるかというと、一般
観客輸送の問題にまいるわけであります。われわれといたしましては、一般
観客の方はできるだけ電車なり、
バスなりでおいで願いたい。いままでの明治神宮の
競技場の例をとりますと、
観客の大体八〇%は中央線を利用して集まっております。この中央線の利用ということは非常に重要になってまいります。幸い開会式も閉会式も土曜日の午後でございますので、できるだけ、普通の編成じゃなくて、ラッシュ・アワーのときのような編成に増発なり増車の
計画をお進め願いたい。それからさらに
バスの問題につきましても、特設
バスというもの、新しい
バス路線というものもつくってもらいたい。たとえば品川とか目黒とか、池袋とか上野、そういう五つの
方面からいわゆる会場向けの特設
バスを出してもらい、郊外から来た人はそこでこの特設
バスに乗って会場に集まってもらう、こういう
計画を立てております。ただ、この点につきましては、
アジア大会のときにもこのやり方をとりましたところ、利用者が非常に少なくてがらがらだったので、これにつきましてはわれわれは相当PRをしなければならぬ、かように
考えております。それから先ほどから問題になっております
外人の
観客に対しましては、
ホテルを循環
バスで回るというこことも
考えたい。それからさらに
船中泊の問題も出ておったようでございますが、
船中泊に対しましても、
東京湾に二千人といえば、一台が四十人ないし五十人と見まして、五十台あるいは百台、こういうような特別な
バスを用意して会場に運ぶということも
考えております。そういうような
方法で、オーナー・ドライバーのようなかっこうで一人一人が一台の車に乗ってたくさん参集しないように、できるだけ電車
バスで集まってもらうようなPRしいうものについて今後
努力していきたい、かように
考え、そういうことを前提にいたしまして
駐車場対策を進めております。
以上でございます。