運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1963-03-20 第43回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第5号 公式Web版

share
  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月二十日(水曜日)    午後一時二十三分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 小金 義照君    理事 田中 榮一君 理事 羽田武嗣郎君    理事 小林 信一君 理事 佐藤觀次郎君       荒舩清十郎君    井村 重雄君       上村千一郎君    金子 一平君       仮谷 忠男君    木村 公平君       小平 久雄君    濱野 清吾君       藤原 節夫君    松永  東君       大柴 滋夫君    田原 春次君       中村 高一君    三木 喜夫君  出席政府委員         大蔵政務次官  原田  憲君         大蔵事務官         (日本専売         公社監理官)  片桐 良雄君         文部政務次官  田中 啓一君         文部事務官         (育体局長)  前田 充明君  委員外出席者         文部事務官         (体育局体育課         長)      清水 成之君         文部事務官         (体育局スポー         ツ課長)    西田 泰介君         日本専売公社総         裁       阪田 泰二君         日本専売公社販         売部長     狩谷 亨一君         参  考  人         (東京都オリン         ピック準備局         長)      関  晴香君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務総長) 与謝野 秀君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務次長) 村井  順君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会総務部長) 大野 隆蔵君         参  考  人         (東京オリンピ         ック資金財団理         事長)     靱   勉君     —————————————  三月二十日  委員大沢雄一君、中村梅吉君及び中山マサ君辞  任につき、その補欠として井村重雄君、仮谷忠  男君及び木村公平君が議長指名委員選任  された。  同日  委員井村重雄君、仮谷忠男君及び木村公平君辞  任につき、その補欠として大沢雄一君、中村梅  吉君及び中山マサ君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  オリンピック東京大会準備等のために必要な  特別措置法に関する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出第一三六号)  オリンピック東京大会準備等に必要な資金に  充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関  する法律案内閣提出第六三号)(参議院送  付)  オリンピック東京大会準備促進に関する件      ————◇—————
  2. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 これより会議を開きます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を行ないます。  発言の申し出がありますので、これを許します。田原春次君。
  3. 田原委員(田原春次)

    田原委員 東京オリンピック準備進行状況を主としてお尋ねしたいと思います。参考人村井事務次長与謝野事務総長関東京都オリンピック準備局長並びに文部省関係局長にお尋ねしたいと思います。  ただいまのところ、東京オリンピック準備はどの程度進んでおりますか。会場設備等の問題が第一、第二が予算の問題、第三が、各種選手強化状況等について、この際明らかにしてもらいたい。
  4. 村井参考人(村井順)

    村井参考人 大会準備事務進捗状況につきまして、会場の問題と予算の問題について御説明したいと思います。  選手強化につきましては、これは体協選手強化本部の方の仕事でございますので、私の方は直接タッチしておりません。しかし、組織委員会から、私から返事しろといえば、個人的な意見としてはお答えしなければならぬと思います。  まず第一は、会場、いわゆる競技場その他の施設がどの程度進んでいるかということかと思います。これにつきましては、御承知のごとく、大部分は文部省中心となり、その他の政府機関競技場建設をやっていただいております。それから東京都が駒沢センター等設備をしておりますが、その方は順調に進んでいるように聞いております。なお、会場につきまして決定していない面が二、三ございます。たとえばバレー競技場、あるいは自転車トラック競技場、それからボクシング競技場三つございますが、大体ボクシング競技場は後楽園のアイスパレスを使うことに一応計画を進めて、目下折衝いたしております。それからバレーにつきましては、これは東京都の方の御方針がございまして、東京都の方で都内の晴海なりその他の会場がきまるかどうかをお待ちしまして、もしきまらなければ、横浜の方の会場をあわせ考えるということで、これも近々きめたい。それから自転車トラック競技につきましては、八王子の陵南グラウンドに大体話がつきまして、この三つにつきましては、できればこの三月二十八日の組織委員会にかけて本ぎまりにしたい、それによって未定競技場をなくしたい、さよう考えておりますが、その中に、先ほど申しましたよう東京都との関係もございまして、場合によればバレー競技場が今月中にはきまらない場合もあり得ると考えております。しかし、その競技場につきまして組織委員会が直接施設しなければならぬ予算というものは、三十八年度予算で一応つきまして、クレーの射撃場その他一応予算もつきまして、それから今申し上げました自転車陵南グラウンドトラック建設費もつきましたので、一応見通しはこれで立った、さよう考えております。  次は、予算状況でございます。予算につきましては、三十八年度予算が、大蔵省の査定を終わりまして、目下国会で御審議願っておるわけでございますが、一応三十八年度予算は約十一億二千八百万という予算がついたわけであります。その内容につきまして、実は御質問があることを承知しておれば、いろいろ資料を持って参って御説明を十分したがったのでありますが、資料準備がございませんので、私の記憶にある程度で御説明を申し上げたいと思いますが、この十一億二千八百万円につきまして、まず収入から申し上げますと、この三十八年度予算からは、いわゆる国と都との補助金と、資金財団寄付金、それから組織委員会みずからの事業収入、この三つ収入で大体まかなうことになっておるのでございます。この収入の面につきまして三十八年度の特徴を申しますと、従来の予算収入はもっぱら補助金寄付金でまかなっておったのでございますが、三十八年度から初めて事業収入入場金収入が加わったわけでございます。要するに、約四億九千何百万、五億に近い収入事業収入として入りまして、これがむしろ中心となったわけでございまして、組織委員会の本来の予算の姿になった、さように思っております。この四億九千万、約五億を除きました残額につきまして、補助金寄付金をもってまかなう、大体こういうような、収入につきまして新しい特徴が現われたわけでございます。  次は支出について申し上げますが、この十一億二千八百万円につきましては、実は十九億要望したわけでございます。十九億の要求に対して十一億二千八百万、これはもう非常な削減ではないかと、いろいろ御意見もございましたが、実を申しますと、そのうちの約五億何千万というものは、繰り越しをいたしましたり、あるいは計画変更で三十八年度で不用になりましたものでございます。結局三十八年度といたしましては約十四億を実は要望した形になっております。十四億のうち十一億二千八百万が認められたということになっております。特に支出の第二の特徴といたしましてわれわれ考えておりますのは、一応われわれが計画いたしましたものは、大なり小なりほとんど全部につきまして認められた。全部芽が出ました。でありますから、一応われわれの構想は全面的にこれから着手することができまして、この三十八年度に芽が出まして、これを三十九年度に本格的に完成できる、この予算の大体認められ、査定されました額によって、一応予算的には大体自信を得た、こういういうが言えると思うのでございます。三十八年度の予算収入支出につきましての内容はそういうことでございますが、さらにこまかい点、御質問があれば御返事申し上げたいと思います。  それから第三の選手強化の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、これはもう体協の方でやっております。あくまでも日本において東京でやるオリンピックでありますので、もちろん参加するのが目的であるけれども、同時に、できるだけ勝たなければならぬという要望で、体協中心として選手強化に全面的に御努力になっておるように伺っております。  以上でございます。
  5. 田原委員(田原春次)

    田原委員 第二点の予算の面で、当初要求したのが十九億であり、そのうち十一億が認められた、およそ七億削られたことになるのですね。それはどういう理由で削られたのか、また、削られて当初の規模を小さくしたのか、あるいはその十一億で東京オリンピックが十分やっていけるのか、現在の予算範囲での計画と十九億で立てた当初計画の比較、どういう点が削られたのか、これも明らかにしていただきたいと思います。
  6. 村井参考人(村井順)

    村井参考人 予算書を今ちょっと忘れて参りましたので、こまかい点を申し上げるならば、あと十分か十五分お待ちいただきたいのでございますが、大体の点を申し上げますこ、先ほど申し上げましたように、約十九億のうちで、三億ばかりが来年度繰り越しになったと思います。それから約二億七千万が計画変更になったと思います。その一つを申し上げますと、まず定員の問題でございます。定員につきましては、われわれとしては三十八年度に四百二十五名までふやしたい、しかも四月一気にふやしたい、また十月一気にふやす、初めからふやすという方針をとりましたものを、漸増方式、次第にこれからふやしていくという方式に変えたわけであります。それから最後の四百二十五名のわれわれの要望でありましたのが、一応三百五十名くらいでできるのではないか、それで足りない点は政府なりその他からの派遣職員でもってまかなう、もうすでに派遣職員も若干来ておりますので、そういうことで実質的には大体支障ない、これだけで約一億以上違っております。それから施設費について申し上げますならば、軽井沢耐久馬術計画でございますが、最初一億三千万くらいを計上したと思います。それがこれだけでも約八千万円くらい計画変更いたしました。と申しますのは、軽井沢になるか、どこになるかわかりませんで、そういう大きい額を出しておりましたのが、軽井沢にその後きまりまして、その軽井沢の現地につきまして調査いたしましたところ、大体計画変更いたし、三十八年度は三、四千万円であったと思います。それだけで約八千万違う。それから、選手村の食堂につきましても、一棟約九千万ぐらいずつ、両方で約二億ぐらいかけておりましたのが、その後の計画によりまして、まず一棟からつくる、あるいは三十八年度は基礎的なものだけをやって、三十九年度はその半分をやればいいというようなことで、半額を減らしまして、またこれで一億ぐらい減らす、そういうようなもので、計画変更と繰り延べによりまして、さっき申し上げましたように五億七千万ぐらい、概算要求を出しまして、しかも査定になります三カ月間のわれわれの研究の結果、それだけ削っても大丈夫だ、こういう数字になりました。でありますので、大体十四億から十一億何千万に減ったと思います。  一つの例を申し上げますと、たとえば交通計画なら交通計画について、三千万の要望を出しております。それが二千万になりましたのはどういう点があるかと申しますと、それは単価を少し減らして数はそのまま認めよう、こういうことで、これが約三分の一減らされております。その他、そういうよう節約面で若干減らされたのがございますが、予算は、われわれが現実に主張するものの八〇%程度は認められました。そういうようなことで大体やっていけるのじゃないか、さよう考えます。
  7. 田原委員(田原春次)

    田原委員 ただいまの説明範囲で見ますと、予算が相当削られておるようであります。その範囲で来年まで十分やっていけますかということと、あわせてお伺いしたいのは、この十月に、普通に言われるブレ・オリンピックをやりますね。これらの予算は、昭和三十八年度の予算でどれだけのものを見当つけておるか、あるいは別に政府関係予算以外のことでやるのか。このプレ・オリンピックの招待の範囲、それから特に予算面から見た状況を伺いたい。
  8. 村井参考人(村井順)

    村井参考人 われわれ事務当局でさらに検討いたしまして、目下実行予算というものをつくっておりますが、この程度できるという自信が持てると事務当局考えております。それから第二の、国際スポーツ大会予算でありますが、予算といたしましては、初め八千万程度要望いたしましたのに対して、四千五百万というものが査定になっております。しかし、われわれとしましては予備費を約八千万もらっておりますので、予備費の八千万のうちから約四、五百万円を加えまして、約五千万ちょっとの予算でもってスポーツ大会をやっていこう——スポーツ大会は、オリンピック組織委員会がやるように全部の責任を組織委員会が引き受けているわけではなくて、国際スポーツ競技をやるその機会に、組織委員会リハーサルするものだけを引き受けよう、たとえば会場管理の問題で申し上げますと、開会式閉会式だけを組織委員会が引き受ける、その他の競技場会場管理は各競技団体にそのままやっていただくというように、この五千万の予算で、とにかくスポーツ大会リハーサルをやるお手伝いをやろう、それ以外のところは大体各競技団体入場料その他で運営していく。さらに申し上げますと、すでに御承知かと思いますが、一億七千万という予算をNHKが計上いたしまして、外国選手を三百五十人招待することになっております。スポーツ大会もこれでできるという考えを一応持っております。また、この予算程度リハーサルをやらしていただこう、さよう考えております。
  9. 田原委員(田原春次)

    田原委員 会場その他の施設で、柔道の問題について組織委員会説明が特になかったのでありますが、聞くところによると、柔道のための特別の会場ないし設備に、水泳プールを一晩のうちに柔道試合に適するものとする。何ゆえに一体柔道だけをそういうふうに間に合わせにするのか。これは当初からそういう計画であったか、予算を減額されたのでそういうことになったのか、今後処置は講じられないのかどうか。
  10. 村井参考人(村井順)

    村井参考人 柔道会場につきましては、最初計画は、ほかに予定がございませんので、最初から屋内体育館水泳柔道両方を開こうという計画でございました。場所がないからやむを得ずなったわけでございませんで、屋内体育館をつくるときから、この総合体育館水泳場柔道場にしよう、こういう計画で進めております。また、そのための準備や何かの予算というものは三十九年度に当然載ることになっております。さらにつけ加えますならば、武道会館とかその他の話を聞いております。そういうりっぱなものができますれば、その会館を使うという問題もまた再検討されるかもしれませんが、一応組織委員会の現在の考え方といたしましては、屋内体育館水泳柔道に使う、こういう大体の考えでございます。
  11. 田原委員(田原春次)

    田原委員 御承知ように、柔道日本古来のものであり、国際的に知られているものである。それがゆえに特に東京大会に加えられたものであります。全国の国民柔道試合成果等に相当の関心を持っております。しかるところ、柔道限り水泳とあわせてやる、なお話を聞きますと、きょうまで水泳競技をやって、一晩のうちに翌日柔道をやる試合場をつくろうというのは、ほんの間に合わせじゃないかと思う。これは組織委員会として柔道を非常に軽視しているのじゃないか。先日来ソ連のサンボ選手が四人来まして、私も終始それを現場で見ておりました。そう簡単に甘く見ることはできないと思います。それから十七日には、軽量級中量級の、オリンピック選手を予想した全国的な試合を講道館でやりまして、これも終日私は見ておったのでありますが、必ずしも楽観できないと思うのです。中量級にしても軽量級にしても、いわんや、重量級では——。この間も東京体育館でやりましたが、ほとんど引き分けではありましたものの、技術的にはやや向こうの方がまさっているようなのもあった。従って、柔道はどうでもいいという感じを国民に持たせることは、はたして柔道競技を加えた国民熱望、それからこの試合に勝ちたいという選手熱望にこたえるものかどうか。これは設備についてもはなはだしく冷淡であり、軽率であるのじゃないかと思うのです。今次長お話にもございました武道会館の問題、これなんかも、経過を見ておりますと、どうも文部省体育局なりオリンピック組織委員会武道会館に対する熱意というものが見られない。国会満場一致でやったから、このくらいつけておけというよう気持にしか見られない。こういう機会に、世界に誇る柔道試合場をせっかくつくろうということで、前代未聞の、国会で超党派で満場一致決議までしてつくってもらいたいという気持であるのに、組織委員会にその予算が計上されず、それからその後も少しも武道会館建設に対するオリンピック組織委員会としての熱意が見られない。軽視しておるのじゃないかと思います。そんなことをしておって、試合になってしまって、間に合わぬではどうにもならぬと思います。十分の用意をもって当たらなければならない。従って、十九億の予算が十一億数千万円になったという中にも現われておりますが、これは柔道の道場に対してはなはだ冷淡じゃないかと思うのです。今からでも、新たにたばこその他でもって財源を得ようというのですし、せっかく国会満場一致決議でもって、具体的に柔道あるいは剣道、弓道等試合場計画ようというのですから、もう少し組織委員会熱意を入れるべきじゃないかと思います。この点については、文部省及び組織委員会並びに政務次官等が、国会決議を、言葉の決議だけでなくて、実際の見通しをつけてはっきりし答弁をすることが、国会に対する義務だと思うのです。
  12. 田中(啓)政府委員(田中啓一)

    田中(啓)政府委員 柔道試合場水泳試合場とが一つになって総合屋内体育館でやるというのは、組織委員会最初からの計画であると承知しております。むしろこの方はそういうわけでありまして、大へんに前例のないような様式の大建築になります。ので、予算が足りないということで、実は今度の予算で追加をいたしておって、完璧を期しておる次第でございます。非常に多くの観覧者に見せたいということから、非常に観覧席を広くとらんがために両方一つにする、こういうことになったと私は承知しておるわけでありまして、支障なく競技はできるものと確信をいたしております。  また、武道会館建設につきましては、国会満場一致の御決議にもなっておる次第でございますので、自来建設に向かって邁進をいたしておりますわけで、これまた、われわれ懸命の努力を払って一日も早く武道会館建設をいたしたいと考えておる次第でございます。
  13. 田中(榮)委員(田中榮一)

    田中(榮)委員 ちょっと関連して。ただいま柔道試合場の問題で田原委員から御質問があったのですが、柔道試合は、水泳が完了しましてから二十四時間たちまして、まる一日たって、翌日から柔道国際試合が開始される予定になっております。そうしますと、大体時間が二十五、六時間くらいあるわけです。おそらく、水泳場柔道場予定しましたのは、なるべく多くの観覧者にこれを見てもらいたいという、収容力の上から当然そこが予定されたということは私どもよくわかるのですが、ただ、水泳を終わりましてすぐ工事に着手しまして、そして完全な試合場をつくるのに、まる一日しか余裕がないわけですが、この間のスポーツ新聞の記事に、建築のオーソリティである丹下博士が、二十四時間内で柔道場をこしらえるということは、これは技術的に不可能だ、少なくとも三十六時間くらいは時間がかかるというようなことを発表されたのであります。われわれはその技術的のことはよくわかりませんけれども組織委員会の方で、二十四時間内に確実に試合場をつくるだけの確信を持っておやりになられておるのかどうか、もし万が一時間的にずれが生じた場合において、どういう措置を講じられるのであるか、そういう準備までしておられるかどうか、その辺をもう一回確かめておきたいと思います。
  14. 与謝野参考人(与謝野秀)

    与謝野参考人 先ほど田原委員長からのお話で、オリンピック組織委員会武道を非常に軽視しているかのようお話がございましたが、私どもとしては、スポーツのあらゆる種目にわたって、一方を重視し、一方を軽視するということはないのでありまして、その点はここで明らかにいたしておきたいと思います。たまたま総合競技場の中で水泳柔道が行なわれるということになりましたのは、ただいま文部当局お話の通り、なるべく大ぜいの人に柔道も見せたいという点で、一万五千人を収容できるこの体育館柔道を行なうことが過当ではないかということで、水泳柔道とをこの競技場で行なうことに決定したと、私は事務総長になった後に聞いておるのであります。従いまして、決して水泳場を借りて柔道をやるというのではなくて、水泳柔道のために設計された総合競技場なのであります。  また、田中委員からも、技術的に水泳場を二十四時間で柔道場に変え得るかというお話でございますが、先ほどの丹下博士の談として新聞に出ましたものが、丹下博士が言われたものか、それともまた他の人が言ったものか、われわれは、設計者、また施設のことに特別の配慮をいだいている岸田、高山両博士から、二十四時間内に柔道場に完全に変わり得るよう設計してあるのだが、やはり畳を敷く作業とか、あるいは鉄骨を中へ入れる作業というものになれていない者を使った場合には時間を要するおそれがあるから競技場ができた場合に、その入れかえの技術を身につけた者を養成しておくことが必要であろう、こういうことを前から言われておりまして、私どももそのつもりで手配をして遺憾なきを期したい、こう考えているのでありまして、二十四時間はおろか、十時間でもやれないことはないと思うのでありますが、単なるその日限りの日雇いの者を雇ってきて、これに畳を敷けと申しても、これはむずかしいのでありまして、やはり一種の熟練した者を用意しなくてはならぬ、こういうふうに考えております。また設計がそのようにできておるのでありまして、われわれとして、この設計では無理ではないかというだけの専門的知識がなく、これを信頼して、競技場の運営の方に全力を尽くしていきたい、こう思っております。
  15. 田中(榮)委員(田中榮一)

    田中(榮)委員 大体技術上の問題でありますから私どもよくわからないのでありますから、これ以上申し上げる必要はないと思いますが、ただ、オリンピック大会柔道国際試合として新しい種目として加えられました第一回の試合であります。しかも日本古来柔道と銘打って、東京において行なわれるのでありますから、世界の視聴が当然そこに集められるわけでありますが、その際に、第一回の柔道試合が、水泳場を臨時に仮設した試合場で行なわれるということ自体が、実は日本柔道に志しておる者、また柔道に非常に関心を持っておる者、それからまた柔道に熱心な人々の間におきましては、どうしてそういう臨時的な仮設の場所でやらざるを得ないのか、柔道柔道としての試合場を設置して、そこにおいてさせるのが当然ではないか、こういうように一般が考えているわけであります。また、わが国におきましてその柔道技術を公開する一流の世界選手の人々も、おそらく、それを聞いた場合において、なんだ、本来の道場でやるのじゃないのか、仮設のスイミング・プールの上でやるのかというような感じを一般に受けるわけでありまして、この点は組織委員会でそういうようにおきめになっておるのでありますから、これはやむを得ぬと思うのでありますが、また、多数の観衆に見せるためにというのでそこ以外にないというのでありますから、私どもはやむを得ないものと考えておるのでありますが、ただ問題は今の技術上の問題で、はたしてそれが二十四時間でできるかどうか。しかも二十四時間内の短時間でやったために試合の遂行にまで支障を来たすようなことが万が一かりにあるとしましたならば、これは第一回の国際試合でございますので、その今後に影響するところがすこぶる大きいのじゃないか、こういうことも考えまして、どうか一つ二十四時間内に確実にしかも完全なる道場ができるということを前提のもとにこの計画をお進め願いたいと思います。万が一これが支障を来たすようなことがありましたら、これはほんとうにオリンピックとして世界柔道マンに対して、また世界のファンに対して申しわけないことになるのでありますので、この点だけは十分に一つ頭に入れておかれまして、丹下博士が三十六時間もかかるであろうと言ったことは、丹下博士御自身が言ったかどうかわかりませんけれども、やはり私は何か根拠があって言ったのじゃないかと思うのであります。建築に関する権威者でありますから、そう無責任なことは言っていないと私は思っておりますけれども、そういう点を十分御考慮いただきまして、組織委員会の方におかれましても完全な試合道場をつくっていただくことを切に希望いたしまして、私の関連質問は終わります。
  16. 田原委員(田原春次)

    田原委員 それでは、その問題に続いて私もう少しお尋ねしてみたいと思うのですが、ただいま与謝野事務総長からの御答弁によりますと、水泳場の仮設施設が一万五千、従って、そこでやって収容し得るというような御想像じゃないかと思うのです。日本柔道人口というものは、中学、高等学校、大学、それから一般市民等で、大体六百万とわれわれは見ておるのです。それから今度のオリンピックを目ざして、すでに私の知っている範囲だけでも、アルゼンチンの二世を中心とした柔道視察団、これは約七十名、それからブラジルがやはり二世とブラジル人を合わした青少年の柔道、今申し込みが約四百名、北米ではロスアンゼルスに約三十くらいありますが、各道場から十名ずつ来ましても三百名、これらは日本柔道を海外において学び、そうしてあこがれを持ち、たまたまオリンピックであるからといって、今旅費をたくわえつつ、来ることを楽しみにしているのです。従って、おそらく国内柔道人口六百万として、一割で六十万、一%としても六万であります。〇・五%としても三万ですね。これはとても仮設の道場で技術的には収容しきれないと思う。われわれはそれを心配しております。  なお今、田中委員丹下博士の説などを聞きますと、三十六時間といいますが、いなか回りの曲芸師の仮設道場とは違うのです。御承知ように、プールは下がコンクリートでありますから、その上に畳を並べただけでは試合はできるものではありません。御承知の通りに、畳の下はスプリングがなければいけません。各大学の道場を見ましても、あるいは講道館をごらんになってもわかります。従って、三十六時間でもおそらく下を全部スプリングにしてその上に畳を敷くというようなことにはらぬと思う。その日になって間に合わぬというのでは、これは天下の恥だと思う。一面、先ほど申しましたように、せっかく自由民主党、社会党、民社党の共同提案であり、共産党も消極的には賛成をして、積極的に発言はしませんでしたが、衆議院においては満場一致オリンピックに備えた柔道試合場をつくれというわれわれ国民要望であります。その具体化が武道会館というので、ただいま宮内庁と国会の所有の土地等で選定を進めております。セイフティ・キャパシティが二万五千という目標で、これまた丹下博士設計によりますと、三月中にそれらの土地の問題が解決をすれば、来年の六月までには試合場だけはできる。時期は十月でありますから、かりに二カ月おくれるとみましても、八月に完成するものと見なければならぬ。そういうことにかかわらず、何だかオリンピック組織委員会柔道に関しては虐待をしているような感じがしてならない。これは全日本の六百万の柔道人口を失望させるのみならず、日本柔道を見たいというので、今わかっているだけでも、先ほど申しましたように、北米、中南米の二世、三世、四世、五世が楽しみにしている。このほか、ソ連やイラク、あるいはドイツ、オーストラリア、オランダ、イギリス、フランス等からも来るわけでございます。私の尊敬する与謝野さんが、優秀なる外交官として、またスポーツマンとして海外に長く行っておられて、今度迎えられて事務総長になっておりますから、非常な期待をしております。本日はここに大蔵政務次官も来ておるのでありまして、大蔵省はいたずらに目前のことにとらわれて、間に合わせの、仮設して日本古来柔道を見せるなんというけちな考えを持たずに、積極的に、せっかく武道会館というものが計画され、その計画は内閣も、特に文部省はよく知っていることであります。今出席された松永さんは、国会スポーツ連盟の会長をかねておられますが、私も真剣にこれを心配しているのです。今までの計画組織を変えて、仮小屋の間に合わせの場所日本古来柔道を初めての東京オリンピックに見せるというようなけちな考えでなくて、必要な経費を出す。仮小屋というものは、済めばまたこわしてしまうのですから、これこそかえって経費がかかる。永久建築をやって、将来百年、二百年にわたって、世界柔道の総本山である日本において、少なくとも二万五千と想像されるセフイティ・キャパシティのものを、技術屋が言うように一年でできるならば、これをやらせるだけの思い切った措置をとらぬことには、当日になってごたごたしたのでは、恥をさらすことになると思うのです。だから、組織委員会としては設備に力を入れるということはけっこうであります。大いにやっていただきたいし、また予算も必要ならば、十九億から減らされた五億ですか七億のものを何らかの形で復活する。東京設備を残す。海外に持っていくわけでも、消えるわけでもない。この点については、原田大蔵政務次官がわざわざ出席しているのは、単にたばこをのむだけではなかろうと思う。やはりこれは十分日本古来スポーツ世界に見せよう——私は少なくとも金メダルを四つ取らせようと思うが、柔道の四種目に対して、今のところ、僕ら専門家ではありませんが、柔道愛好家のOBとして見ますと、軽量級中量級と二つ取れればいい方じゃないか。指名された選手芳垣君が負けたりしている。しかもあと六百日しかありません。従いまして、金メダルを四つ取るといっても、柔道の総本山は東京にあるということ、永久建築であるということ、国会満場一致決議したということ、これらを考慮されて、必要経費は出すというくらいの決意をしなければいかぬ。その点については、途中から事務総長になられた与謝野さんもお気の毒でありますが、一つ専門の外交的手腕を発揮して大蔵省を少しどうかつして、われわれも応援してやります。そしてりっぱなものをつくろうじゃありませんか。まずあなたの決意を表明され、それから文部省もこれに対して表明され、最後に大蔵政務次官、尊敬する原田氏がせっかく来られていますから、一つ大蔵大臣あたりを締め上げて、今からでも間に合いますから——世界的な建築家である丹下見も、今からやればできるというんですから、付属のいろいろな自動車の待合所というものはあとにしても、試合場だけはできるというのですから、これはやらせたらどうかと思いますね。以上三人のそれぞれの立場からの明確な御答弁を承りたいと思います。
  17. 与謝野参考人(与謝野秀)

    与謝野参考人 ただいまのお話ように、りっぱな柔道試合場が恒久的な設備としてできましたならば、われわれとしても、日本の国技ともいうべき柔道をまた世界に広める意味からも望ましいことだと感じるのでありますが、何分にもあと一年半に迫って参りましたオリンピックを前にして、ともかく柔道試合が行なわれるという場所をきめなくてはならない。そこで現在の総合競技場がきまっているわけであります。先ほどの田中委員お話の、組織委員会予算柔道場のことがないではないかというお話でございますが、こういう恒久的な設備文部省の方の予算に含まれておりまして、水泳柔道予定されておりますワシントン・ハイツの中の総合競技場は、大体二十五億の予算でこれが建てられることになっておるのであります。従いまして、われわれの方の持っている予算で別な柔道場をつくるということは、現在の予算の力では及びませんし、また大蔵当局、文部当局と御相談いたしましても、とりあえずの目鼻がつくまでに時間がたつので、われわれとしては、現在の総合競技場柔道試合を行なうという決定に基づいて準備を遂行しているわけであります。他にりっぱな競技場ができ、収容人員も三万ということになるというようお話があれば、喜んでまたわれわれとしてはそちらを考えたいのでありますが、それに依存して他の源備を怠っている間に、柔道試合も行なわれないということになっても困るというのが、私の現在の考えでございます。
  18. 田中(啓)政府委員(田中啓一)

    田中(啓)政府委員 屋内総合競技場は、実は水泳競技場柔道施設を仮設するのだというふうには、私は少なくとも考えてはおりません。これは最初から両方の目的で設計をされまして、確かに競技の順序は、水泳をやってから舞台を柔道場につくりかえるということは承知いたしておりますけれども、そのような早わざができるかということが心配だとおっしゃることもごもっともに存じますので、私、的確に組織委員会の方とともに早変わりの仕方を具体的に研究いたしまして、念のために、大丈夫かどうか、委員会に御報告をいたしたいと思うのでございますが、何分にもこの屋内総合競技場は、当初二十二億でございましたものが、これは世界にこれまで類例のないような新様式の大建築でありまして、構造上からどうしてもなお三億の工事費がふえるということでありましたから、この三十八年度予算で実はそれだけ追加をいたしたようなことでありまして、万全を期しておるわけであります。そしてそのような大建築でありますので、なるべく早く着手しなければ工期の関係オリンピックに間に合わないようなおそれがございましたので、実はこまかいところを精査するよりも、早く着手するということに今まで専念をいたしまして、幸いに先日着工の準備に着手することができたわけであります。そういうようなわけでございますので、一つここで万全を期して両方競技をやるということで進みたいと存じておる次第であります。なお、武道会館の方が間に合いますれば、今与謝野事務総長の方からもお話がありましたように、観覧者は約倍近いことにもなるわけでありまして、もともとワシントン・ハイツの屋内競技場も、今お話しのように非常に観覧者が多かろう、熱心な人が多かろうということで観覧者をふやしたい目的であのよう柔道水泳両方の屋内競技場にしたという次第もあることでありますから、さらに多くの観覧者が収容できろ武道会館ができますれば、その方に移ってよろしい、こういうお話でございますから、そのような心得で私どもも今後推進いたしたいと考える次第であります。
  19. 原田政府委員(原田憲)

    ○原田政府委員 オリンピック柔道競技場の問題について御質問がありましたので、私から大蔵省の立場並びに私の考え方を申し上げたいと思います。  オリンピック大会における柔道競技につきましては、今与謝野事務総長並びに田中政務次官からお話のございましたように、東京都においてオリンピックが開催されるということが決定いたしましてから、柔道はどこでやるかということについてお考えになりまして、総合体育館柔道水泳をやるという方針ですべてのものが進んできておるわけであります。従いまして、それに対する国からの支出ということもそれに伴ってやっておるわけであります。今武道会館の問題が出てきておりますが、私も柔道田原さんより強くはありませんが、ボクシング、剣道、水泳、ピンポン、あらゆるスポーツをやって参りまして、スポーツは体験者であるとともに、好きであります。特に剣道を学びまして、武道というものについては同じ考え方を持っておるつもりであります。従いまして、武道会館建設につきましては、私は今大蔵政務次官をやっおりますけれども、ずっと皆さん方とともにこの建設について微力を尽くしてきたつもりであります。従いまして、大蔵当局といたしまして、武道会館決議案をちょうだいいたしましたが、これに対する財政上の考え方といたしましては、武道会館に相当な金をかけるならば、あるいは社会福祉関係会館要望もあるじゃないか、それの方が先じゃないかというようないろいろな議論がございましたけれども、これは衆議院の全会一致の決議である、こういう趣旨を尊重いたしまして、りっぱな武道会館をつくりたいということで、調査費を計上しておるのであります。オリンピック日本で今回行なわれますが、柔道あるいは剣道は、武道は悠久のものでありまして、今回来年度行なわれますオリンピック競技におきまして、日本柔道が、三つや四つでなしに、すべての金メダルを獲得して、そしてやがてりっぱにでき上がります武道会館を講道館と同様に日本柔道のメッカとして、世界じゅうから日本へ来られるように心から念願をしておる次第でありまして、この問題につきましても今後十分な配慮を尽くしていきたいと考えておるような次第でございます。
  20. 田原委員(田原春次)

    田原委員 それぞれ用心深く言いながら、ほのかに幾らか積極的に、必ずしも反対でないような意向を一応聴取したように思います。問題は今後の折衝等に待つのでございますが、私たちは、特に繰り返すようでありますけれども武道専門の、柔道大会ができる武道会館をつくりたいと思っております。  なお、原田政務次官のお答えで、講道館以上にということでありましたが、講道館と武道会館は違うのでありまして、講道館は、練習と、段位をやる、それから教師の養成をやる、武道会館の方は試合場だけでありますから、そういう衝突をすることもなく、具体的には、講道館は有段者をつくることを積極的に進めておるのでありますから、この点を御了承願いたいと思います。  次は、選手強化策について少しお尋ねしておきたいと思います。主として与謝野事務総長にお尋ねいたします。  与謝野さんは、優秀な外交官として、またスポーツマンとして、私ども非常に尊敬している方であります。今回選ばれて事務総長になられた経緯等も新聞等で承知しております。組織委員会の直接の仕事としては選手強化ではないのでございますから、設備予算あるいは海外からの訪日選手団等のお折衝ということもございましょう。しかしながら、何としても選手は、日本側の選手予定通りの準備を整えて、希望通りに金メダル、銀メダルをとらなければいかぬのであります。そこでお尋ねするのですが、これは文部省の人にも聞いておいてもらいたいのでありますが、スポーツ界でいろいろな派閥があります。大学ごとの派閥があるし、それから関西と関東の派閥があるし、水泳なら水泳、特に陸上競技水泳の派閥がひどいのであります。その中に途中から事務総長に来られて大へん苦労していると思いますが、選手強化について自分の方は関係がないのだから発言はせぬというような消極的な態度でなく、自分たちはこれだけの設備や国費をもやってるんだから、もっと選手は従来の派閥観念を越えて強化に邁進してもらいたいということを勧告して、ほんとうに強化してもらいたいと思います。強化の実情について、全種目でなくてもよろしいですが、主要なる種目について強化の実情をあなたはどの程度知っておられるか、また文部省はどの程度と見ておられるか、それぞれお知らせを願いたいと思います。
  21. 与謝野参考人(与謝野秀)

    与謝野参考人 お答えいたします。  実は、田原さんから、組織委員会関係ないかもしれないが答えろというお話でございますが、まず、組織委員会選手強化には関係ないことはお話の通りでございます。ただ、われわれは体育協会及び選手強化本部と接触する機会が多いので、いろいろなお話を伺っておるのであります。この点についてどの程度予算が出され、またどういう方針で合宿等が行なわれているかということは文部当局の方からお答えを願うことにいたしまして、ただいま、選手間の派閥関係、あるいは学校の関係、関東、関西の関係、その他いろいろ複雑な関係があって選手強化の実が上がらないのではないかというお話がございました。私もスポーツは昔から好きで、各種の競技に興味を持っているのでありますが、私の承知しております限り、いろいろ派閥とか、昔からの競争関係とか、対関係というものがあることは事実でございますがこういうもののために選手強化の実が上がっておらないという事実は私はまだ聞いておらないのであります。あるいは、あるコーチのやり方に対して他のコーチが不満を持っているというようなことは間々あることでございますが、各競技、特に人数の多い陸上競技とか水泳とかという競技団体においては、従来からもいろいろな対抗関係があったようでございますが、選手強化に関してはこのことはないと私は確信しているのであります。また、組織委員会としてはりっぱなオリンピック準備をしたいと思っているのでありますが、われわれの仕事は舞台を準備することでありまして、むしろそこで活躍するのは選手でありますから、選手強化ということがなおざりにされましたならば、国民の失望というものが非常に大きいのだということを私は常日ごろ人にも話し、また体育協会の先輩友人たちにもこのことを話しておるのであります。御心配の点は、過去において多少あったのかもれましせんが、今日私の知る限り、選手強化がそういう問題のためにはばまれておるという事実はないものと確信しております。
  22. 西田説明員(西田泰介)

    ○西田説明員 選手強化につきましては、御承知の通り日本体育協会が担当いたしておりまして、その中に昭和三十五年以来選手強化対策本部を設けまして、総合的な計画を立て、それに基づいて各競技団体が鋭意選手強化をはかっているのでございます。内容といたしましては、競技技術の研修、これは主として合宿をいたしております。それからコーチを三百名、各種目にわたって選定をいたしまして、コーチの強化をはかる。第三番目には、科学的な研究をする。第四番目に、国際交流をはかる。外国のコーチ及び選手日本に招待する、及び日本選手を外国に派遣するというような国際交流をする。それから施設、用具等を充実する。こういう五つの柱を立てまして、計画的な強化策をはかってきて今日に至っております。  予算といたしましては、選手強化本部が発足いたしました昭和三十五年以来、これも計画的な予算を立てまして実行いたしておりますが、昭和三十八年度におきましては、約六億八千万円の計画を立てまして、これに対して国は二億五百万円の補助をするという形で昭和三十八年度の選手強化が実行される予定になっているわけでございます。この経費は、現在選手強化本部の計画に対しまして十分であるということを申しておりまして、国からもこれだけ見ていただいた上は、本部といたしまして、あるいはコーチ、選手といたしまして、その御好意に対して絶対報いねばならぬというような覚悟でやっている、こういうことを申しております。  選手の候補選手は、従来、昭和三十七年度におきましては約千三百名ほど持っておりましたが、昭和三十八年度にはそれをだんだんしぼりまして約千名にいたしまして、一人に一人のコーチがつくというほどではございませんが、なるべく少数の者をコーチが担当して徹底的に強化策を講じていく、こういう方針でやっておるようであります。お聞き及びかと思いますが、昨年あたりは、選手の根性がないとかいうようお話も出ておったようでありますが、強化本部のお話を聞きますと、近来は、昨年あたりから、田中聡子選手であるとか、あるいはマラソンの選手であるとか、その他いろいろよい成績を上げてくる者も出て参りまして、次第に選手も自覚を高めて、現在では非常に一生懸命やるようになった、ある程度見通しが持てるようになった、こういうふうに本部では申しておるのでございまして、私どもも楽しみにいたしておるところでございます。  一つ一つ種目につきましては、非常に詳細にわたりますので、もし御要望があれば、書類を整えてお届けいたしたいと思います。
  23. 田原委員(田原春次)

    田原委員 コーチの待遇、それから合宿におけるカロリーの問題等は十分でありません。私は重量あげの協会の点だけを見てみますと、あそこに四人の強化コーチを体協で推薦して、一人二万円なんです。本職を持っている人で間に合わせにやっているのではコーチにならない。では専門にやれるかということ、二万円ではどうにもならない。従って、十分であるというような甘い考えでは、私は強化はならぬと思うもちろん金だけで解決するものではありません。根性もありましょうし、科学的な練習方法もありましょう。しかしながら、おやりになるならば、中途半端にするということでは決して十分とは言えません。たとえば重量あげ選手の合宿にいたしましても、五千八百カロリーくらい必要だというのに、三千カロリー程度で、あるとは先輩や選手自身がいろいろなものを買って食ったりしている。そういうこともありまして、御承知ように、陸上自衛隊に行っております三宅君は重量あげの金メダル候補選手でありますが、私は実際やめたい、一万三千円ではつき合いもできぬということを言っております。こういうこともありますから、大して金のかかることではありませんので選手強化の面における待遇の点は、池田内閣も言っている物価倍増とスライドして所得三倍増くらいにしてやらぬと、やっていけないと思うのです。精神主義だけではいけません、やはりいろんな待遇その他も見てやらなければならぬ。今の西田課長の御説明は、お役所としてはそうとしか言えないかもしれませんけれども、先般、予算でも何でも通すということでありますし、あと六百日くらいに迫っておりますから、強化に対して必要なら、必要な経費は追加しても出すという決意を持って、選手がもっと安心して一生懸命練習できるようにしてほしいと思うのですが、一つ政務次官のお考えを承りたい。
  24. 田中(啓)政府委員(田中啓一)

    田中(啓)政府委員 実は私もしろうとでありまして、強化方法の具体的なことはよく承知しておりませんでしたのですが、とにかく選手は食うことが大事だろう、食っただけしか走れぬだろうと私は考えまして、文部省に昨年参りまして第一に念を押したのは、十分に食っておるかということでありました。実はそのときには、四千カロリー以上食って、もうこれ以上は食えますまいという話でありまして、今重量あげが三千カロリーしか食えないということを伺って、はなはだ意外に思うのであります。私の念の入れ方が少なかったかと思うのでありますが、そういうわけでありますから、実は時期がおくれれば間に合わないような、主として設備になるのでありますが、ここに御同席の原田政務次官、あるいは建設省の松沢政務次官などと川島国務大臣のお手伝いをいたしまして、もう時期をはずしたら間に合わぬというようなものにもつばら主力を注ぎまして今日まで手伝って参りましたが、今お話ような点につきましてよく調べまして、どうしてもわれわれの方で力を入れなければならぬところが出て参りましたならば、予算その他できるだけのことは講じたいというよう考えておる次第でございます。
  25. 田原委員(田原春次)

    田原委員 待遇改善の点がはっきりしませんが、もうちょっと時間を待ってその上でまたお尋ねすることにいたします。  次は派閥の問題です。これは、先ほど与謝野事務総長が、何か知っておるような知らぬよう程度しか言わなかったのですが、直接の担当者として言えないだろうと思います。  文部省にお尋ねしてみたい。先ほど来強化対策本部長の話が出ましたけれども、田畑君が強化対策本部長をやめて大かた一年になるのです。その間に強化対策本部長代理で大崎君がおりますけれども、あくまで代理であります。その人に対してもまたいろいろな角度から見ている人もある。なぜ一体強化対策本部長というものを早くきめないのか。田畑君が不適任だったならばそういうつもりでやめたのでしょうが、そうすると、かわるべき強化対策本部長を早くきめて——本部長代理でいつまでも置くというようなことは、十分な準備とは言えないと思うのです。おそらく、内容から言うならば、スポーツ界のOB界の派閥からきたことじゃないかということを私は心配いたします。ある新聞によりますと、与謝野さんは何だ、今に追い出してしまおうというようなしゅうとめ根性でいじめているというふうな報道もあるのです。一与謝野さんをいじめる、いじめぬということでなくて、ほんとうに強化するならば、強化本部自体の陣容を立て直す。ほんとうに不適任ならば与謝野さんもやめるでしょう。また適任なら田畑さんも出るでしょう。ともかく、そういう指導をすることが文部省の仕事じゃないかと思うのです。おざなりで、文句が出なければそのままにしておくということではいけないと思う。だから強化対策本部長の選任の用意をしなければならぬ。もうその時期がおくれているのじゃないかと思いますが、これらに対して西田さんあたりどういうふうにしていこうとするか、はっきり態度を示していただきたいと思います。
  26. 西田説明員(西田泰介)

    ○西田説明員 本部長が長らく空席になっておりますことは、私ども大へん気にいたしております。早く本部長をきめて、選手強化を軌道に乗せてほしいということはたびたび要望いたしておりますが、ごく最近、体育協会から、近々のうちに石井新会長のもとで強化本部長をきめるつもりである、こういう返事をいただいております。
  27. 原田政府委員(原田憲)

    ○原田政府委員 それでは、他の議案もあると思いますから、私は、強化対策本部長を至急に選任すること、それから可能なる限りにおいてスポーツ界の派閥の解消の方向に指導していただくこと、それから予算は思い切って必要なだけのものは出す、そうして安心してコーチも選手も十分練習できるように希望いたします。そのために、あらためて石井体協会長、それから選手強化本部の今の次長でもいいが、それから柔道、特に柔道関係の方は一度もここに来たことがありませんから、他の機会に呼ばれて、もうちょっとじっくり質問して激励してみたいと思いますので、その三点を希望して、きょうの質問を終わります。      ————◇—————
  28. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 では、オリンピック東京大会準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、及びオリンピック東京大会準備等に必要な資金に充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関する法律案の両案を一括議題といたします。
  29. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 まず、本日参議院より送付され、本委員会に付託となりました、内閣提出オリンピック東京大会準備等に必要な資金に充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関する法律案について、政府より趣旨説明を求めます。原田大蔵政務次官
  30. 原田政府委員(原田憲)

    ○原田政府委員 ただいま議題となりましたオリンピック東京大会準備等に必要な資金に充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明いたします。  日本専売公社は、昭和三十六年法律第百三十八号をもって公布施行されましたオリンピック東京大会準備等のために必要な特別措置に関する法律の規定に基づき、昭和三十九年に開催されるオリンピック東京大会の円滑な準備及び運営並びに大会に備えての選手競技技術の向上のために必要な資金の調達に関し、財団法人東京オリンピック資金財団に対し、従来から協力してきたのでありますが、このたび、さらにその資金調達の確保をはかるため、日本専売公社が寄付金付製造たばこを販売することができることとするとともに、その製造たばこの名称、種類及び最高価格、寄付金の額及び送付手続その他所要の事項を定めることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。  第一に、日本専売公社は、この法律の施行の日からオリンピック東京大会の終了の日の属する月の末日までの間に限り、東京オリンピック資金財団が調達する大会準備等に必要な資金に充てることを寄付目的とする寄付金をつけた製造たばこを販売することができることとしております。  第二に、寄付金付製造たばこの名称をオリンピアスとするほか、その小売定価の最高価格は十本当たり五十円、寄付金の額は十本当たり十円とする等、オリンピアスについての所要の事項を定めることとしております。  第三に、オリンピアスを購入した者は、その購入のときにおいて、この法律案において定める寄付金東京オリンピック資金財団に寄付したものとするほか、寄付金の送付手続について定めるとともに、製造たばこの小売人等において寄付金の送付等のため特に要する費用は、東京オリンピック資金財団が負担することとしようとするものであります。  以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
  31. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 以上で政府説明は終わりました。      ————◇—————
  32. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、本案審査のため、オリンピック東京大会組織委員会総務部長大野陸蔵君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君を参考人と決定し、本日その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  34. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 これより両案を一括して質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。佐藤觀次郎君。
  35. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 今度オリンピック準備のためにいろいろ必要な役員のために法律が出るのですが、どのくらいの職員を予定しておられるのか、まず文部省から伺いたい。
  36. 清水説明員(清水成之)

    ○清水説明員 私ども聞いておりますところでは、ただいま提案しておりますような年金通算の方針によりまして、今後地方公務員が約百名程度の応援を願いたい、こういうように聞き及んでおります。
  37. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 そういう職員の希望者はあるのかないのか、それを伺いたい。
  38. 清水説明員(清水成之)

    ○清水説明員 東京都を中心組織委員会の方に相当申し込みがございます。
  39. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 それで、これは臨時のことでありますが、そのあとでこの職員たちは前の職に復職できるのかどうか、この点はどうなっているのですか。
  40. 清水説明員(清水成之)

    ○清水説明員 本方式によります場合は、任命権者が行ってくれということを要請いたしまして、そして組織委員会からまた地方公務員に戻るということを前提の場合に年金通算をする、こういうことに相なっております。そしてなお、行く場合に年金通算を希望しない者は、もうそこで退職しっぱなしでいくということで、本人の選択にまかされておるわけでございます。以上でございます。
  41. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 その地位の問題などということで、オリンピックの方に行ったためにあとで非常に不公平になったり何かするようなことはありませんか。
  42. 清水説明員(清水成之)

    ○清水説明員 給与等の点につきましては、組織委員会へ行きました場合、組織委員会で公務員との給与を勘案して適当な額をきめていただくことに相なっております。なお、戻りました場合につきましては、これはほかの者との均衡を考慮して、戻った場合に再度給与の決定をする、こういうことでございます。なお、地位等につきましては、各任命権者で十分配意をしていただきたい、こういうよう考えております。
  43. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 いろいろ問題があると思うのですが、簡単な法案でありますから、そういう点について十分に注意をして、犠牲者がないように勘案してやっていただきたいと思います。  それからもう一つたばこの問題、オリンピアスの問題でありますが、先日私ども大蔵部会で片桐監理官から事情を聞きましたので、簡単な質問をしておきますが、どうも聞いてみると、財団の方から三億円の利益さえ上げればいいというよう意見があったということを聞いておりますが、資金財団はこのたばこの利益金の中から三億円でいいというのは、どういう根拠でそういうことをおっしゃっておるのか。これは財団の理事長も来ておりますから、その点を伺いたいと思います。
  44. 靱参考人(靱勉)

    ○靱参考人 お答えいたします。  前に資料としてお手元にお届けしてございますが、だいぶ日にちがたっておりますので、簡単に御説明申し上げますと、私ども、全年度、すなわち大会に要する全経費というものを考えてみますと、大体組織委員会に二十二億程度、それから日本体育協会に十億程度、あるいはこれは若干上回るかもしれませんが、そういうような想定で、実は三十九年度の分がまだ確定しておりませんので、確定額を申し上げられませんが、全体としましては、その他特別の経費等を考えてみますと、私ども三十六億ないし三十七億をどうしても早期に調達しなければならぬ、こういう状況でございまして、ただいま提案の中にも御説明がございましたが、三十六年に公布、実施されました特別措置によりまして、公の機関といたしましては、郵政省、三公社の御協力を得ております。しかしながら、その当時、たばこにつきましては、大体三億円程度というものを想定いたしましてお願いして、当時の国会においてもそういうふうに御説明申したのであります。その後、この三十七億程度のものをいろいろと三十六年、三十七年の実績から考えてみますと、やはり三億程度のものはぜひ今度は要するにたばこをのまれる愛煙家から御寄付をいただきたい、こういうことで、専売公社の方にそれがための御協力を願い出ていた。実は全体の計画といたしましては、このほかに公営競技等からも多額の御協賛をいただくように現在すでに具体的に話が進んでおるような次第でございまして、それらが総合されますれば、私どもが必要なものはまず絶対に確保できるということで、当初からの三億というものを基準としてお願いしているような次第でございます。
  45. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 専売公社の方はこのためにどれくらいのたばこの数量を準備されておるのでございますか。片桐監理官でもけっこうですから……。
  46. 片桐政府委員(片桐良雄)

    ○片桐政府委員 お答え申し上げます。  このオリンピアスは、大体今靱理事長からお話がございましたように、オリンピアスの販売によりましてそして三億円の寄付金を上げたい、こういうことになっております。そしてオリンピアスは大体約三億本、今後一年半にわたりまして売り出すという予定であります。
  47. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 やってみなければわかりませんけれども、人気がよくて半年か一年あたりで売り切れたら、あとはつくらないのですか。
  48. 片桐政府委員(片桐良雄)

    ○片桐政府委員 三億本と申しますのは一応の目安でございまして、もちろん、このたばこが売れ行きがよくて需要が多ければ、公社の原材料の許す限り、あるいは製造能力の許す範囲において増産して売り出すという予定でおります。
  49. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 それから、期間が過ぎても、これが人気のいい場合は、同じ値段で売りさばかれるのどうか、これも伺っておきたい。
  50. 片桐政府委員(片桐良雄)

    ○片桐政府委員 このたばこ寄付金付という特殊な性格のものでございますので、寄付金付のオリンピアスというたばこは来年の十月末日をもって売りどめになります。しかし、このたばこに対する皆様方の需要が引き続きあるということになりますと、公社はその後も引き続いて同種のたばこを売ることになろうかと存じます。ただし、その場合に、その販売たばこの名称をどうするかというような問題につきましては、また追って検討いたさなければならぬじゃないかと考えております。
  51. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 それでは、今は三億円資金財団が寄付してくれというから、やむなく役所でやるというような安易な気持でおやりになるのか、あるいは将来を見越して、これは必ずよく売れる——これは専売公社もある程度商売でやるのでございますから、そういう点の考慮があるのかないのか、阪田さん、総裁だから、一ぺんあなたの大抱負を伺いたい。
  52. 阪田説明員(阪田泰二)

    ○阪田説明員 今回発売いたす予定にしておりますオリンピアスというたばこは、御承知かと思いますが、今までのたばこの系列といいますか、種類からいいますと、多少変わったたばこでありまして、ギリシア、トルコ等の葉を入れましたいわゆるオリエント系統のたばこといわれているものでございます。こういった式のたばこは、オリエント葉を使った特殊なたばこになっておるわけでございます。そういったたばこは、かつて公社は戦前にも発売したことがございます。これはあまり売れた実績はございませんが、発売したことはございます。公社の売っておりますたばこはいろいろ種類、銘柄がございますが、従来の系列にないものでございますので、こういう機会がありましたので、たまたまこういうたばこオリンピックの寄付に使うことにしましたが、公社としてはやはり売り出しております銘柄の種類をふやす、いろいろな嗜好を持っておる方々の需要に応ずる意味で、こういうたばこは前から計画しておったこともあるわけでございます。そういう意味におきまして、やはりこういったオリエント系のたばこを愛好される方はかなりあるのじゃないかと私ども想像しております。そういう意味で、今回のオリンピアスというたばこが、私ども予定しております程度あるいはそれ以上売れるということでありますれば、将来ともこういうたばこはある程度の数量は発売していくことにしたい、現在のところではそういう考えを持っております。
  53. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 最後にもう一点、片桐監理官にお伺いしたいのですが、あなたの予想としてはどうですか。相当売れるかどうか、やってみなければわからぬのだけれども、今阪田さんに聞くと——私はたばこをのんだことがないから、たばこの味を知らぬけれどもオリンピックの宣伝の関係で予想外に売れる可能性があるよう考えておるのでありますが、その点はどのよう見通しを持っておりますか。
  54. 片桐政府委員(片桐良雄)

    ○片桐政府委員 実は私も佐藤先生と同様にたばこを吸いませんので、味がわからないのでありますが、このたばこは、昨年の夏ごろから公社がいろいろと葉の組み合わせを考えられまして苦労しておつくりになっていたのであります。そのたびごとに若干ずついろいろな方々に吸っていただいたりしまして、その反響等も私ども聞いておりますが、だんだんよくなって参りまして、最近につくり上げましたこのたばこは、私ども聞いておる範囲では、割合評判がいいのであります。それからこのデザイン等も完成いたしまして、今お手元にありますようなそういう形のものができ上がったわけでございますが、なかなか評判はいいようなので、案外売れるのじゃないかというふうに実は私ども考えております。公社といたしましても、このたばこの売り出し及びその販売につきましてはかなり多額の宣伝費を使いまして、オリンピック資金をたくさん集めよう考えておられますので、私個人の予想といたしましては、かなりの成功をおさめるのではないか、予想以上に売れるのではないかと考えております。
  55. 佐藤(觀)委員(佐藤觀次郎)

    ○佐藤(觀)委員 あまりくどくど言いませんけれども資金財団の方も資金に非常に困っておられるようなことを聞いておるし、日本で初めてオリンピックが行なわれるのに、金が足りないでは困るということがありますから、一つ専売公社もできる限り協力して売り上げがよくなるように希望いたしまして、私の質問を終わります。
  56. 羽田委員(羽田武嗣郎)

    ○羽田委員 ちょっと関連して伺いたい。今手元に見本を拝見しましたが、デザインが非常に渋いのですが、これは財団やオリンピック委員会なんかとも御相談なすったのでございますか、ちょっと専売公社の総裁に承りたいと思います。ことにオリンピックのマークの色を五色で出すということがやはりぱっとするし、またオリンピックを宣伝する意味においても、意識高揚の上においても、オリンピックのマークである以上は五色のマークでやるというふうに、これはどうしても修正していただきたいと思います。なお、私は見本を吸いましたが、ちょうどウェストミンスター式な味で、非常にいい味じゃないか、日本の在来のたばこに比べると非常にいい味のたばこだ、こういうふうに思って、私はこれを大いに愛用したいと思っております。ただこのデザインがいかにもじみ過ぎて、これは非常にまずいと思いますが、これはやはり専門家の方面と御相談なすっておやりになったのか、あるいはオリンピック財団等とも御相談なすってやったのか、それをちょっと承りたいと思います。
  57. 阪田説明員(阪田泰二)

    ○阪田説明員 オリンピックたばこの包装のデザインをきめるにあたりましては、たばこ内容及び趣旨にふさわしいものが望ましいと考えまして、いろいろ研究いたしたわけであります。具体的に申しますと、こういうたばこその他一般のデザインをやっておりますグラフィック・デザインの方の専門家、これは三十名くらいでありますが、それにデザインを委嘱いたしまして、見本として百五十くらいのデザインができたわけであります。それを集めまして、これをさらにまた専門のかなり有名なデザイナーの方四、五名に委嘱いたしまして、その中から選定していただきまして一ぜひこれにしろという一本のデザインに統一しなかったのでありますが、四つか五つのデザインをその中から選んでいた、だきまして、そのものをまた公社としては、製品がこういうたばこという特殊なものでありますので、そういうたばこに向くような、しかもこういった式のいわば高級たばこでありますから、高級たばこにふさわしいようなデザインになるようにということで、それに多少修正を加えて決定いたしたということであります。決定いたすまでにオリンピックの審議会とか財団その他に御相談いたしておりません。
  58. 羽田委員(羽田武嗣郎)

    ○羽田委員 このデザインですが、これはどういう意味を持っておるのか、ちょっと承りたいと思います。
  59. 阪田説明員(阪田泰二)

    ○阪田説明員 デザインがどういう意味かというお尋ねでございますが、デザインは要するにデザインでありますが、しいて申しますれば、ちょうど〇というような形をしておりまして、陸上競技トラックような形をしており、そういうような意味も多少は含んでおるわけでございます。  それから、さっきオリンピックの五輪マークの色についてお話がございましたが、五輪マークの色というのはさまっておりまして、そういったような色にすることがそういう意味では正確かもしれませんが、要するにデザインの問題でありますので、箱の色彩なり意匠に合うようにそういうような金色  でやった、こういうことでございます。
  60. 羽田委員(羽田武嗣郎)

    ○羽田委員 これはやはりオリンピックの正式のマークに、色をちゃんとそのようにして売り出すことがどうしても必要だ、そのことを私は念を押しておきます。  それからなおこれの十円の寄付金でございますが、この十円はそっくり財団の方へ出していただけるのですか。あるいは小売手数料は五十円の中から出すのですか、十円はそっくり財団の方に寄付なさるのですか、そこを一つ伺っておきたい。
  61. 片桐政府委員(片桐良雄)

    ○片桐政府委員 このたばこは五十円で買っていただくわけでございますが、それ以外に十円の帯付金を払っていただくわけでございます。寄付金はそのまま財団の方に参りますが、ただし、その寄付金を取りまとめて財団に送付するに要する経費というのは、これは財団の方でお持ちいただく、こういうことになっております。本来のたばこ小売店の利益となるべき手数料と申しますか、それは五十円の中から小売店に払うわけでございます。
  62. 小平委員(小平久雄)

    ○小平委員 ちょっと思いつきなんですが、オリンピックの宣伝のためにも、輸出して——外国で買うか買わないか、相手があることですが、外国へ出すよう計画はありますか。
  63. 狩谷説明員(狩谷亨一)

    ○狩谷説明員 ただいまの寄付金付きたばこにつきましては、現在外国へ輸出するという特段な計画は持っておりません。
  64. 小平委員(小平久雄)

    ○小平委員 どうですか、外国向けに文字をわきの方へ書いて、外国からも一つ寄付金をもらうような案を検討してみる気はありませんか。
  65. 狩谷説明員(狩谷亨一)

    ○狩谷説明員 御指摘の点につきましては、今後検討いたしてみたいと存じますが、従来までの実績から申しますと、なかなかむずかしい問題であると考えております。
  66. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 他に御質疑はございませんか。——なければ、これにて両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  67. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 これより、オリンピック東京大会準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入る順序でございますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  次に、オリンピック東京大会準備等に必要な資金に充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関する法律案について討論に入る順序でございますが、討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。(拍手)  なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 島村委員長(島村一郎)

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。   午後二時五十四分散会      ————◇—————