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1962-12-13 第42回国会 参議院 石炭対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月十三日(木曜日)    午後零時三十八分開会   ―――――――――――――  委員異動  十二月十二日   辞任      補欠選任   岸田 幸雄君   松野 孝一君   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     堀  末治君    理事            亀井  光君            剱木 亨弘君            大河原一次君            石田 次男君            大竹平八郎君    委員            鹿島 俊雄君            川上 為治君            高野 一夫君            徳永 正利君            野田 俊作君            二木 謙吾君            松野 孝一君            吉武 恵市君            阿具根 登君            阿部 竹松君            大矢  正君            豊瀬 禎一君            森 元治郎君            柳岡 秋夫君            二宮 文造君            田畑 金光君   国務大臣    通商産業大臣  福田  一君    労 働 大 臣 大橋 武夫君   政府委員    通商産業政務次    官       上林 忠次君    通商産業省石炭    局長      中野 正一君    通商産業省鉱山    保安局長    八谷 芳裕君    労働政務次官  田村  元君    労働省職業安定    局長      三治 重信君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君    常任委員会専門    員       増本 甲吉君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を  改正する法律案内閣送付予備審  査) ○石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改  正する法律案内閣送付予備審  査) ○産炭地域振興事業団法の一部を改正  する法律案内閣送付予備審査) ○炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正  する法律案内閣送付予備審査)   ―――――――――――――
  2. 堀末治

    委員長堀末治君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。昨日、岸田幸雄君が委員を辞任され、その補欠として松野孝一君が選任されました。   ―――――――――――――
  3. 堀末治

    委員長堀末治君) 次に、理事補欠互選についてお諮りいたします。  ただいま御報告申し上げましたように、理事岸田幸雄君が委員を辞任されましたので、理事に欠員を生じました。この際、理事補欠互選を行ないます。その方法は、慣例によって委員長の指名といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堀末治

    委員長堀末治君) 御異議ないと認めます。  それでは、私から、剱木亨弘君を指名いたします。(拍手)   ―――――――――――――
  5. 堀末治

    委員長堀末治君) 次に、本委員会予備審査のため付託されました石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案、以上四法律案を一括して議題といたします。  まず、福田通産大臣から提案理由説明をお願いいたします。
  6. 福田一

    国務大臣福田一君) 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  石炭鉱業の自立と安定をはかるためには、需要の確保近代化合理化保安確保雇用の安定、資金経理対策産炭地域振興鉱害対策等の諸施策を強力に推進していくことが必要でありますが、生産体制の確立をはかるために近代化合理化を進めていく過程において、非能率炭鉱終閉山及び炭鉱離職者発生は避けられないところであり、政府といたしましても、整備資金融資円滑化離職金支給、未払賃金優先弁済等について特に配慮を払ってきたところでありますが、今回その点に関する対策を一そう強化するため、整備資金金利引き下げ離職金増額等炭鉱離職者生活安定のための所要措置を講ずることとしたいと考えております。  この改正案内容の第一点は、炭鉱離職者に対する石炭企業退職金等支給円滑化するため、石炭鉱業合理化事業団を通ずる整備資金融資ワクを拡大するとともに、石炭企業負担軽減のため、整備資金金利引き下げを行なうものとし、これに伴い、近代化資金のための出資金運用利子整備資金貸付業務事務費等に充てることができるよう措置することとしたものであります。  改正の第二点は、石炭鉱業整備円滑化するとともに、炭鉱離職者生活の不安をできるだけ緩和するため、石炭鉱山整理促進交付金を受け、あるいは石炭鉱業合理化事業団により買い上げられた炭鉱離職者のうち、退職金がないか、またはその額が少ない中小炭鉱離職者に対する離職金については、現行平均賃金の三十日分に相当する額のほかに、雇用期間に応じて、最高十万円程度の額を加算して支給することとしたことであります。  なお、この離職金加算については、昭和三十七年四月一日以降解雇された炭鉱離職者について遡及して適用することといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるようお願い申し上げます。   ―――――――――――――  次に、石炭鉱山保安臨時指貫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  石炭鉱業近代化をはかる場合に、石炭鉱山における災害の発生を極力防止することは、その効果を発揮するための基本的要件であります。  このため、昭和三十六年度から、保安確保することが困難な石炭鉱山閉山を推進して参りましたが、その過程において炭鉱離職者発生することは避けられないところであり、政府といたしましても、離職金支給未払い賃金優先弁済等について、特に配慮を払ってきたところであります。  この法律案は、保安確保を一そう推進するとともに、これに伴う炭鉱離職者生活の不安をできるだけ緩和するため、石炭鉱山整理交付金対象となった炭鉱離職者に対する離職金については、現行平均賃金の三十日分に相当する額のほかに、雇用期間に応じて、最高十万円程度の額を加算して支給することとしたことであります。  なお、この離職金加算については、昭和三十七年四月一日以降解雇された炭鉱離職者について遡及して適用することといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるようお願い申し上げます。   ―――――――――――――  次に、産炭地域振興事業団の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  石炭鉱業合理化進展に伴い、従来石炭鉱業に大幅に依存してきた産炭地域経済は、疲弊の度を深めており、石炭関連企業の衰微、地元市町村財政窮迫は著しいものがあります。これら産炭地域疲弊を防止し、地域経済安定的発展をはかるためには、同地域において、新たな鉱工業等振興育成に努めることが最も肝要であります。このため、政府においては、さきに、産炭地域振興臨時措置法を制定し、その運用により、産炭地域における課税上の特別措置等措置を講じており、また、第四十国会において成立した産炭地域振興事業団法に基づき、産炭地域振興事業推進機関として、本年七月産炭地域振興事業団を発足させております。この産炭地域振興事業団においては、工業用地造成及び事業資金貸付等業務を行なうこととなっておりますが、今後その業務を拡充して、産炭地域における産業振興基礎的条件となる社会環境整備するという見地から、ボタ山処理を行なわせ、あわせて工業用地造成鉱害復旧等に資することといたしたいのであります。なお、このボタ山処理事業の実施にあたっては、高年令の炭鉱離職者雇用吸収をはかるよう措置する考えであります。  この法律案は、以上のような考え方をもととし、産炭地域振興事業団に、新たにボタ山処理等事業を行なわせることとし、その業務範囲の拡大に関して所要規定を定めたものであります。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。
  7. 堀末治

    委員長堀末治君) 次に、大橋労働大臣から提案理由説明をお願いいたします。
  8. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) ただいま議題となりました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  わが国の石炭鉱業は、エネルギーの消費構造の変革に対処し、経営近代化合理化を迫られ、なかんずく、その過程において多数の離職者発生し、種々の社会的、経済的諸問題を提起してきたことは御承知のとおりであります。このため、政府としては、従来とも各般の施策を講じて参ったのでありますが、最近の経済情勢の推移のもとにおいて、石炭鉱業の景況は一そう深刻化する様相を呈してきたのであります。  このような事態にかんがみ、政府は、本年四月、閣議において石炭鉱業近代化合理化及び雇用の実態を調査し、今後の石炭対策について答申を求めるため、石炭鉱業調査団設置を決定いたしました。その後、約半歳にわたる調査団の慎重な調査審議の結果、さき内閣総理大臣に対して、今後の石炭政策についての答申をいただいたのであります、政府といたしましては、この答申を十分に検討いたしました結果、これに基づき、石炭鉱業合理化のため諸般の施策を講ずるとともに、合理化に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者に安定した転換職場確保するため、抜本的な対策を実施することとし、これらの離職者対策に必要な措置を講ずるため、ここに炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。  次に、その内容について概略御説明申し上げます。  第一に、炭鉱労働者定義を改め、石炭鉱業合理化進展により、その影響を直接受ける山元職員等をも新たに炭鉱労働者に含めることとし、石炭鉱業合理化臨時措置法規定する炭鉱労働者範囲と均衡をとることといたしました。  第二に、石炭鉱業合理化に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者であって、一定の要件に該当する者に対して、その者の申請に基づき、炭鉱離職者求職手帳発給し、離職後三年の間においてその者の再就職のために必要な特別の措置を講ずることといたしました。すなわち、まず、公共職業安定所は、手帳発給を受けた者に対して定期的に出頭を求め、各人ごとにきめのこまかい特別の就職指導を行なうものとし、そのため産炭地公共職業安定所就職促進指導官を配置することといたしました。このような就職指導により、これら手帳発給を受けた者は早期に再就職できると確信いたしております。次に、このような措置を実施するにもかかわらず、手帳発給を受けた者が、労働市場情勢等により、失業保険金の受給を終了してもなお再就職の機会を得られない場合に備えて、これらの者に対しては、その生活の安定をはかり、求職活動を容易にさせるために就職促進手当支給することといたしたのであります。また、このような措置は、本年四月の閣議決定において石炭鉱業調査団設置を決定した経緯にもかんがみ、本年四月一日以降の炭鉱離職者に対してもさかのぼって適用することといたしました。  第三に、手帳効力に関する処分手当支給に関する処分についての不服の申し立ては、失業保険法規定による不服申し立ての例にならい、失業保険審査官および労働保険審査会に対して審査請求および再審査請求をすることができることといたしました。  第四に、石炭鉱業合理化基本計画昭和四十二年度を目標年次としていることにかんがみ、今後手帳発給を受ける者については、本法の施行期間昭和四十三年三月三十一日まで延長することといたしました。  なお、以上のほか、本改正案附則におきまして、手帳発給にあたっての申請期間についての経過措置を定めるとともに、その他関係法律条文につき、所要整備をいたしております。  以上、簡単でございましたが、この法律案提案理由およびその概要につきまして御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  9. 堀末治

    委員長堀末治君) 次に、引き続き補足説明を聴取いたします。
  10. 中野正一

    政府委員中野正一君) それでは、通産省関係の三法につきまして補足説明をいたしたいと思います。お手元に「第四十二回臨時国会提出法案について」という説明資料がございます。これをごらんいただけばおわかりかと存じます。これは石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正と、それから、その次に石炭鉱山保安臨時措置法の一部改正、この二つについての説明資料でございます。一部改正でございますので、非常に条文ががたがたいたしまして、おわかりにくいかと思いますので、これをちょっとごらんいただきたいと思います。それから、同時に、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案の一ページをちょっとお開きを願いたいと思います。趣旨は大臣から説明のあったとおりでございますが、まず第一の最初のほうの改正は、整備資金貸付金利というものが現在は八分でございます。横書きのもので書いてございますが、八分でございますのを、今度の石炭政策大綱において、六分五厘にせよということが書いてございますので、これを引き下げるということになりますが、この合理化事業団整備資金というのは、ここにも書いてございますように、資金運用部資金から借りてくるわけでございます。したがって、六分五厘で貸すということになりますと、六分五厘で資金運用部から借りてきて、六分五厘で貸すということになりますので、事務経費が全然出ない。それからもう一つは、貸し倒れ準備金等も積まなければならないのでございますが、その費用が出ないということになりますので、それをどうするかということになりますので、一方、合理化事業団には無利子貸付近代化資金というものがございますが、これは政府出資金でございますので、金利はかからないわけでございますが、この近代化資金を実際には運用いたしておりまして、その運用することによって運用利益が出るわけでありますから、その運用利益を、整備資金の今申し上げました事務経費であるとかもそのほかの必要経費のほうに充てるための改正でございまして、今まで合理化事業団法によりましては、近代化資金経理整備資金経理を全然区別してやれということになっておりますが、その関係で、近代化資金関係で出た利益整備資金のほうの経費に充て得るという規定が一ページのところでございます。これはちょっと読み上げてみますとわかりますが、一ページのところの第二項でございますが、「事業団は、前項規定にかかわらず、」というようなことは経理の区分ということでありますが、「かかわらず、通商産業大臣の認可を受けて、第二十五条第一項」云々というのが整備資金貸付業務でございますが、整備資金貸付業務に「必要な事務費」とか、そのほかの「費用にあてるため、第九条の二」云々というのは、これは近代化資金でございますが、近代化資金のほうから出てきて、これを運用して生じた利子の一部の金額を「前項第三号に掲げる経理」というのは、整備資金関係でございまして、整備資金経理のほうへ入れてもよろしい、こういう規定になっておりますわけでございます。要するに、八分の現在の貸付の利率を六分五厘で貸し付けるために近代化資金から出させようということでございます。  それから、次の改正は、第三十五条の七の「「金額」の下に」というややこしい規定になっておりますが、資料の2のところに説明がありますように、現在は、御承知のように、買い上げ炭鉱鉱山労務者に対しましては、賃金の一カ月に相当するものを離職金として支給をしておりますが、政府からの退職見舞金でございますが、これを最高十万円まで増額すべしというのが閣議決定でありまして、これは中小炭鉱離職者に対して、最高十万円まで従来の一カ月分の離職金加算をして支給をするという規定でございまして、これは第三十五条の七第一項の「金額」というのが、要するに一カ月分の離職金ということになっております。「の下に」こういうものを加えるということで、「(政令で定める場合にあっては、雇用期間を基準として通商産業省令で定める金額政令で定める金額範囲内のものに限る。)を加えて得た金額)」でございます。すなわち、加算金でございますが、やり方は、説明の文章にありますように、最初の「政令で定める場合」というのはどういう場合かというと、離職者が解雇されたとき受ける退職金の額が三十万円に達しない場合、また、退職金を全然もらえない場合、要するに、退職金を三十万円以上もらっている、たとえば大手の山等は、大体平均して七、八十万円もらっているようでありますが、それは全然対象にならぬ、中小炭鉱が主になる、こういうことでございますが、資料のその次のページの「通商産業省令で定める金額」というのは省令に譲ってございますが、ここにございますように、勤続年数に応じまして、三年未満であれば一万五千円加算する、二十年以上であれば最高十万円加算する、勤続年数によってこういうふうにきめていこう。カッコの中で「(政令で定める金額範囲内のものに限る。)」という意味は、会社からもらう退職金と、政府から出るところの加算離職金というものの合計が三十万円をこえる場合は三十万円で頭打ちにする。したがって、たとえば二十年以上勤めておった人は十万円加算金をもらう。その人が会社から二十五万円もらったときには、合わせると三十五万円になりますから、三十万円で頭打ち、二十五万円プラス政府から出る離職加算金は五万円プラスされて、合わせて三十万円、こういうことを政令に書こうということでございます。  その次の経過規定附則でございますが、それは先ほど労働大臣から御説明のあったように、今年四月一日の離職金増額制度は遡及をするということが経過規定でございます。  それから、石炭鉱山保安臨時措置法の一部改正も、今の離職金増額規定、これは鉱山保安臨時措置法によりまして閉山買い上げということが別の法律でありますから、これも同様にやはり最高十万円まで、そうして会社からもらう退職金と合わせて三十万円ということで、経過規定も四月一日にさかのぼるということでございます。  それから、最後の産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律、これは先ほど大臣から御説明がありましたとおりでございまして、現在は、土地造成関連業務、この二つ産炭地振興事業団が行なっておりますが、この法律の中にありますように、ボタ山の取得、管理、処理、これは土地造成関係して行なう場合とか、鉱害復旧工事に要するボタを供給するために行なう場合に限定いたしておりまするが、これを新しい事業として掲げてこれだけある、だから土地造成の次にこの規定が入りまして、貸付要綱は第三号になる、こういう改正でございます。
  11. 堀末治

    委員長堀末治君) 次に、三治職業安定局長から、補足説明を願います。
  12. 三治重信

    政府委員三治重信君) お手元に差し上げてあります炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案関係資料の一番初めをごらん願いたいと存じます。そこに炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案要綱というのが載っておりますが、これによって御説明いたしたいと思います。  まず第一に、炭鉱離職者定義でございます、第一章の総則の第二条第一項関係改正でございます。今まで炭鉱離職者は、当該抗内を主として適用対象にしておりましたのを、石炭合理化臨時措置法規定します炭鉱離職者範囲とほぼ同様に対象を広げまして、山元職員まで含めるように改正することといたしました。  第二に、鉱業権者就職援助措置でございます。新しく職業紹介関係を第二章の職業紹介等関係の第七条を新設いたしました。これは経営者側就職援護に関するいわゆる臨時規定的な規定でございますが、鉱業権者にも、その離職を余儀なくされる炭鉱労働者に対する便宜をすみやかに職業安定所雇用事業団等と協力して、求人の開拓やその他の援助に関していろいろの措置を講じてもらうようにいたしたいと思います。  第三に、炭鉱離職者求職手帳制度であります。これが新設で、「第二章の二」として、「石炭鉱業合理化に伴う離職者に対する特別措置」という章を新しく設けた次第でございます。一は、手帳発給でございます。これが八条、九条関係でございます。安定所長が、この合理化に伴なっての合理化解雇者について、次のような該当事項に該当する者について求職手帳発給するその要件が四つございます。本年の三月三十一日以前、最小限一年間、炭鉱離職者として雇用された経歴を持つ者、それから離職者について再就職の意欲があり、その能力がある者、それから、また、これは今後の規定でございますが、安定した職業についたことのない者、それから、手帳は大体一回限りとして一度の支給に限るというような規定といたしました。  第二に、しかしながら、一たん就職されても、その間に安定した職場と思って就職されたけれども、その就職が思わしくない。しかも、その本人の責でなくして、再び再離職をせざるを得ないというふうな人に対しては、一年以内に限りまして再度発給をする、こういうふうな緩和規定を一つ入れておるわけでございます。それから、手帳発給離職後三カ月以内、三カ月を過ぎてからでは受け付けられない、三カ月以内に申請をしてもらいたい、こういうふうにしたわけでございます。その次に、どういうときに手帳が失効するか、これは第十一条関係でありますが、この手帳は受け取る日が三カ月以内でございますが、受け取ったときからではなくして、炭鉱離職者となった日から三年間有効であると、こういうふうな規定でございます。  第二番目は、その効力を失うときの要件で、やはり失業者としての能力労働意思能力が欠けた、それから、安定した職場についた、それから、手帳を他人に譲渡し、または貸与した、それから、再度就職指導を受けなかった。次に、第四に就職指導が書いてありますが、こういう就職指導を二度も受けなかったという場合には失効する。それから、失業保険が切れた、または訓練手当以外の場合に就職促進手当支給されるわけですが、その支給要件の制限を受けるような場合が二度あった場合、二度目に失効する。六は偽りの規定でございますが、「その他不正の行為により就職促進手当支給を受けたとき。」、こういう場合に手帳が失効する制度になります。  第四に、就職指導、これも新設規定でございますが、こういう炭鉱離職者で、しかも合理化解雇者ということで手帳を受けた者については就職指導を特別設けていく、しかも、この就職指導につきましては、第二にありますように、就職促進指導官を新しく作る。今度補正予算審議をお願いしておりますが、これで百八十六名ほど産炭地安定所に至急配置いたしまして当たらせたいと思っております。これについては、必ず定期に指導を受ける、安定所は、そういうふうな指導について指示をすることができる規定を設けております。  第五は、就職促進手当でございますが、手当支給につきましては、その裏のページの第二のほうにありますように、出頭すべき日の翌日から、その次の出頭すべき日までの期日について、失業保険の例にならって、期間を定めて定期的に支給をする、こういうふうにしております。なお、この手当の日額は、失業保険の例にならいまして、失業保険の横ばいとして支給をする。ただし、最高限を四百五十円に限っておりますが、これは現在の、何と申しますか、失業対策事業についておられる失対事業の就労賃金が大体これとほぼ均衡を保っておる。それから、再就職訓練を受ける、その場合に、来年度約五百五十円の予算要求をしておるわけでありますが、それには訓練の技能修得手当百円分が含まれております。そういうものを訓練との関係や失対事業との関係から、再就職していただくためには、やはり最高限を失業保険よりは限ったほうが妥当ではないかということで最高限を設けたわけでございます。  第四は、訓練所に入られた場合には訓練手当支給する、こういうふうにしております。第五は、失業保険のほうにも規定がございますが、手当を受給されている間に、臨時の労働によって収入があった場合には、それが一定額以上に達した場合には、ある基本額を引いて、その金額が失業手当の八〇%以上になる場合にはそれを差し引く、こういう規定でございます。これは失業保険の減額の例にならった規定を設けたわけでございます。手当は大体二週間に一回支給する、こういう規定でございます。それから、手当支給の制限の問題、この制限は、もしも次のような理由にかかった場合には、一カ月間支給を停止する。それは「正当な理由なくして公共職業安定所の紹介した職業につくことを拒んだとき。」、この正当な理由といたしましては、大体において失業保険の実例にならいまして正当な理由というものを作っていると思いますが、たとえば非常に賃金についてぜいたくなことを言う、あるいはその者に適した職業でありながら、さらにより高い職業でなければつかぬというふうなこと、その場合の正当な理由というものについて一定の基準を設けて、そういうふうな職業につくことを拒む、それから安定所の指示に従わなかった、これにはいろいろのことが考えられますが、やはりその第一は、前の就職指導というのに当たると思います。二番目には、疾病、負傷のために長く休んだ場合には、これは十四日の期間支給する。しかし、長くなると手当支給しない。これは失業保険にこういう規定がございますので、大体失業保険に準ずるものでございますので、失業保険の例にならった規定でございます。  第六に、不服の申し立て、これは第四章の雑則の関係の中に新たに条文を入れたのでございますが、こういうふうにいろいろ各個人について安定所長の指示とか、またはその支給の停止とか、いろいろの本人の不利益関係に及ぶような規定もございますので、それについての不服の問題につきましては、失業保険の例によって、失業保険審査会に不服の申し立てをするようにしたい。もしもこの規定を入れませんと、一般の行政審査法の規定によらざるを得ないようなわけでございますが、そのほうのは手続が困難でございますので、失業保険のほうの審査制度処理して参りたいというふうに考えております。施行期間の延長につきましては、先ほど大臣の提案の理由の説明にもありましたように、合理化計画が四十二年度までとなっておりますので、それまでに延長したい。  それから、附則といたしまして、施行期日はできるだけは早く施行したいと思いまして、公布の日から三十日の範囲内で施行する。  経過措置といたしまして、本年度の初めの四月一日からの離職者について、この施行の日から三カ月以内にそういう方は新しく申請をして手帳の交付を受ける、こういうふうに経過規定を入れたわけでございます。  非常に簡単でございますが、概略御説明申し上げました。
  13. 堀末治

    委員長堀末治君) では、以上の四法律案に対する質疑は次回以降にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 堀末治

    委員長堀末治君) 御異議ないと認めます。
  15. 大矢正

    ○大矢正君 資料要求。この際、法案の審査に必要な資料を二、三要求しておきたいと思います。  最初に、通産省のほうにお願いをいたしますが、ことしの三月三十一日現在で買い上げ申請をしたにもかかわらず、内容的な検討その他によって、実際に受理されていないものがあると思います。それの炭鉱の名前と出炭量と、それから人員。  次に、四月以降今日までの最も近い日の中において、同様な内容のものが幾らあるのかということを資料として出していただきたい。これはいかがでしょうか。
  16. 中野正一

    政府委員中野正一君) 大矢さんのおっしゃった三月三十一日現在で買い上げ申請、それまでに買い上げ申請をしたが、何かの理由で受理されなかった。たとえば納付金を納めていないとか、そういうことじゃないかと思うのですが、ただ、これは実は前にそういうお話がございましたのですが、個々の炭鉱の名前は、事業団としては外には出さないという建前になっておるものですから、個々の規模なり人員なり、そういうことは資料として出せると思いますが、そこにはちょっと問題がございますので、どの程度資料が出せるか、できるだけ期待に沿うような資料を出したいと思っております。  それから、四月一日以降、同様に最近までのあれですか。
  17. 大矢正

    ○大矢正君 炭鉱名。
  18. 中野正一

    政府委員中野正一君) 炭鉱名というのが、ちょっとこれは何といいますか、企業の秘密というか、そういう立て方になっておるものですから、公表ということになると、ちょっと差しつかえがあるのではないかと思います。
  19. 大矢正

    ○大矢正君 それはどういうわけではばかるのですか。結局山元においては、経営者はもちろん企業能力を失ったのだし、経営の意思を失ったのだし、それから、ある場合には組合も同意をしてそのことをやっているわけでしょう。そうでなければ申請がくるわけがないのでしょう。それをやっているのに、なおかつ公表できないという意味は僕にはちょっとわからないです。たとえば銀行に金の融資を幾ら申し込んでいるとかいうこととわけが違って、歴然としたことだから、その名前がどうして書けないのか、ちょっと僕には理解できないのだが、その理由をひとつ明らかにしてもらえませんか。
  20. 中野正一

    政府委員中野正一君) これは各企業で、どの程度の山はやめてというようなことで、もちろん組合の同意は要るわけなんですから、その点は個々の問題としてはそういうことだと思いますが、それを一般にこの山が申請をしてだめだったというようなことは、ちょっとやはり公表をはばかったほうが私はいいように思いますが、これは従来の取り扱いがどうなっているか、私ちょっと詳細に承知しておりませんので、一度よく事業団のほうの取り扱いを聞きました上で、それは差しつかえないじゃないかという判断に終わるならばぜひ出したいと思いますが、ちょっとその点で御猶予を願いたいと思います。
  21. 大矢正

    ○大矢正君 それは明確に答弁してもらわないと、出せるとか出せないとかいうことが明らかにならないと、私どもも法律審議する場合に、単に法律のことではなしに、たとえば買い上げ申請としてこういう山が出ている、この山というのは能率がどうで、自然条件がどうで、企業の内容はどうでということも、ひとつの俎上に上せて議論しないと、炭鉱は御承知のとおりに、千差万別ですから、同じようなものではないですから、そういう意味では、これからの合理化計画と関連して自分としては必要なんです、質問する上において。ですから、繰り返して言うようですけれども、事業団のほうに相談をしてということではなしに、明確に、この際、ひとつ出してくれるという約束をしていただけませんか。
  22. 中野正一

    政府委員中野正一君) 今、先生御指摘になったのは、申請をしたが、何かの理由で受けつけられていないというのが一点でございますね。その次は、現在申し込んでいるものの内容ですね。それはちょっとできませんですね。現在どういうものを申請しているかということを公表するということは、私はできないと思います。
  23. 大矢正

    ○大矢正君 そのできない理由はどこにあるのかということ聞いているんです。
  24. 中野正一

    政府委員中野正一君) これは要するに各企業の経営内容の秘密といいますか、私企業の要するにそういう秘密をやはり保ってやる、政府としてはやはりそういう態度でいったほうがしかるべきじゃないか。これは非常に影響することが大きいと思います。そういうことを公表するということになると、管理者ももちろん知っておられますし、組合も知っておられますし、関係者も知っておられます。ただ、閉山の申し込みは、現在のところでは、経営者が、経営権の一部ですから、できるわけです。だけれども、買い上げを決定する場合には調査に行かなければなりませんから、その関係労働組合の同意書を持って来いということになっております、慣行上。ですから、すでにそれは当然関係者にはわかると思いますが、それを申し込んであるかどうかということを公表するということは、私としてははばかったほうがいいんじゃないかということを今判断しております。なお、一度帰りまして、よく上司と相談してみたいと思います。
  25. 大矢正

    ○大矢正君 しつこいようだけれども、かりにあなた方のほうは名前を出すことをはばかるはばかるという立場で貫かれると、経営者のほうは、あなたも今言われておるとおり、政府に対して買い上げ申請をする。その地域の住民や、その炭鉱と取引しておる人はそういうことがわからないから、従来どおりの取引関係を結ぶ。あっという間に買い上げが許可になってしまう。そうすると、その迷惑を受けるのは、周囲の人がたいへんな迷惑を受けますね、一つには。ですから、買い上げ申請をした名前を出さないということになると、出さないだけに、そこにまた影響が現われてくるという危険性があるということを局長はお考えになりませんか。
  26. 中野正一

    政府委員中野正一君) 今、先生の御指摘になったような問題もあると思いますが、今私いろいろの点を総合して考えますと、一度帰りまして、よく相談をする必要がある。どの程度のものなら出せるか、ちょっとここで全部の名前を出すということを私申し上げかねる事情にあると思いますので、そういうふうに御了承願いたいと思います。
  27. 大矢正

    ○大矢正君 それじゃ、また十分ひとつ検討してみて下さい。  それからもう一つ、二つありますが、それは、ことし三十七年度のこの需要見込みですね、これを用途別、種類別に出してもらいたい。これはあくまでも想定でしょうがね。  それからもう一つは、明年度の需要見込みをどの程度今と同様に立てられておるのか。それから、どういう生産計画を持っておられるのか。  それからもう一つは、明年度だけでなくて、将来に対してのそういう考え方があるはずですから、需要と供給に対する見通し、こういうものをお願いしたいと思います。  それからもう一つは、ちょっとさっきの局長の話の中に、大手の炭鉱でやめていく人間は平均七十万ぐらい退職金をもらっていくという話がありましたが、これは職員を含んでですか、含んでないのですか。もしそんなにもらっているのだったら、資料として一回見せてもらいたいと思う。坑員が平均七十万ぐらい退職金をもらっているというのであれば、ちょっと僕も不勉強でわからないけれども、もしそういう事実が現実であれば、ちょっと資料を見せてもらいたい。それは職員というのは特別ですが、職員だって下から上までずいぶん際限ないのでありますから、重役と同じくらいもらう者も中小炭鉱にもあるでしょう。ですから、職員を除いて、坑員といわれるような者があなたの言われるように平均七十万というようなことであれば、これは高い者は二百万も三百万ももらう者もあると思いますから、ちょっとその辺、僕ら理解に苦しむところがあるのです。ですから、はたの一般の人から、平均七十万、多いのは二百万も三百万も退職金をもらっておる者があるのじゃないかといわれたら僕ら困りますから、その点明確にしておいて下さい。
  28. 中野正一

    政府委員中野正一君) 第二番目におっしゃいました三十七年度の需要見込み、三十八年度の同様の需要見込み、生産計画、それからあとは四十二年度になると思いますが、これは同様なもの、これはお出しいたします。  それから、七十万、これはたしか会社のほうからいろいろ退職金金融なんかの申請のある場合あれですから、職員も当然含んでいると思いますが、これは資料として正確なものが私のほうにあるかどうか、一応いろいろ予算要求なんかのときに使った資料がございますので、資料として提出できると思います。
  29. 堀末治

    委員長堀末治君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十四分散会    ――――・――――