運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-12-13 第42回国会 参議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月十三日(木曜日)    午後零時八分開会   —————————————   委員異動  十二月十一日   辞任      補欠選任    上林 忠次君  山崎  斉君  十二月十三日   辞任      補欠選任    谷口 慶吉君  沢田 一精君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木  壽君    理事            岡村文四郎君            佐藤 芳男君            山崎  斉君            相澤 重明君            大森 創造君    委員            久保 勘一君            田中 清一君            仲原 善一君            山本  杉君            大和 与一君            横川 正市君            和泉  覚君            中尾 辰義君            高山 恒雄君            奥 むめお君            林   塩君            鈴木 市藏君   国務大臣    郵 政 大 臣 手島  栄君   政府委員    警察庁保安局長 野田  章君    大蔵政務次官  竹内 俊吉君    厚生政務次官  渡海元三郎君    厚生省環境衛生    局長      五十嵐義明君    農林政務次官  大谷 贇雄君    農林省畜産局長 村田 豊三君    通商産業政務次    官       上林 忠次君    郵政省電波監理    局長      西崎 太郎君    建設政務次官  松澤 雄藏君    建設省都市局長 谷藤 正三君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    大蔵省管財局長 白石 正雄君    農林省農地局参    事官      富谷 彰介君    通商産業省軽工    業局長     倉八  正君    通商産業省公益    事業局次長   生駒  勇君    建設省住宅局建    築専門官   一ノ瀬周太郎君   —————————————   本日の会議に付した案件理事辞任及び補欠互選の件 ○昭和三十五年度一般会計歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出)(継続  案件) ○昭和三十五年度特別会計歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出)(継続  案件) ○昭和三十五年度国税収納金整理資金  受払計算書(第四十回国会内閣提  出)(継続案件) ○昭和三十五年度政府関係機関決算書  (第四十回国会内閣提出)(継続案  件) ○昭和三十五年度物品増減及び現在額  総計算書(第四十回国会内閣提出)  (継続案件) ○昭和三十五年度国有財産増減及び現  在額総計算書(第四十回国会内閣提  出)(継続案件) ○昭和三十五年度国有財産無償貸付状  況総計算書(第四十回国会内閣提  出)(継続案件)   —————————————
  2. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ただいまから決算委員会開会いたします。  まず、委員異動につき御報告いたします。  去る十二月十一日上林忠次君が委員辞任され、その補欠として山崎斉君が委員に選任されました。  また、本日谷口慶吉君が委員辞任され、その補欠として沢田一精君が委員に選任されました。  以上であります。   —————————————
  3. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、理事辞任の件につきお諮りいたします。  理事仲原善一君より、都合により理事辞任いたしたい旨申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 御異議ないと認めます。  なお、ただいまの理事辞任によりまして、当委員会理事が一名欠員となりましたので、これより直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。  互選の方法は、慣例により委員長より指名いたすことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 御異議ないと認めます。  それでは山崎斉君を理事に指名いたします。  以上であります。   —————————————
  6. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) なお、この際、本日の委員会運営につきまして一言申し上げます。  本委員会といたしましては、去る八月二十二日以降十七回にわたり委員会を開催し、各特別に審査を進めて参ったのでありますが、一昨日——十一日の委員長理事打合会におきまして協議いたしました結果、現存一応は各省審査を終了した段階でもありますので、諸般の情勢をも勘案いたしまして、各省に対します委員質疑でまだ終了いたしておりませんものは、御無理を申し上げてはなはだ恐縮でございますが、でき得る限り本日中に終了いたしていただき、本日をもって各省審査に締めくくりをつけることに決定をみましたので、御了承をいただきたいと存じます。  次に、本日の要求大臣政府委員出席の件でございますが、御承知のとおり、本国会が非常に短期間でもあり、本日はまた、予算石炭対策等衆参両院の各委員会が輻湊いたしております。委員各位の御要求に沿えなかった点、また、したがいまして、出席される大臣その他政府委員出席時間もまちまちになっておりますので、質疑を順序立てて行なうこともなかなか困難でございます。右の情勢を御賢察の上で、本日の委員会運営に御協力いただくようにお願い申しあげます。  なお、明日以降の委員会の日程につきましては、決定次第事務当局をして通知いたさせますから、御了承のほどお願いいたします。以上でございます。  それでは、昭和三十五年度決算外三件を議題とし、審査をいたします。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 郵政大臣にこの際お答えいただきたいと思うのでありますが、大臣おからだの悪いところ御出席いただいたので、すわったまま御答弁いただきたいと思いますが、なるべく簡潔に私も御質問を終了し、大臣もお帰りいただきたいと思います。  まず第一は、三十七年の十月十六日から十八日までの三日間厚木培地周辺の騒音等合同調査を行なわれたのであります。その報告書提出をしていただいたのでありますが、この報告書にもあるとおり、当地周辺は、この航空機等騒音によりまして、今非常に爆音等による騒音は激しいのでありますが、政府として、この基地周辺住民の真の生活安定のために、どういう具体的ないわゆる作業をこれから進めていくのか。特に私は郵政大臣には電波関係前回も御質問を申し上げたのでありますけれども、やはり私は日本は、国務大臣として、閣僚の中でそういう点についての御相談があってしかるべきだと、したがって、電波関係等の問題を含んだ郵政大臣であり、また国務大臣でありますから、大臣からその点について、基地周辺等住民に対する施策というものをどう進めていくのか、この点を最初お答えいただきたい。
  8. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) なお、この際、委員長からも申し上げますが、大臣おからだの工合が悪いところ無理をして出てこられておるような状況でございますので、着席のまま御答弁なさってけっこうでございます。
  9. 手島栄

    国務大臣手島栄君) お答えいたします。基地問題の閣僚の中には、私は直接に入っておりません。あすごろまた開かれる予定になっておりますが、電波関係につきましては、すでに意見は申し上げております。全般の問題は、多分あすごろきまるんじゃないかと思います。
  10. 相澤重明

    相澤重明君 これは私は、明日か明後日、池田総理大臣に、三十五年度の決算総括質疑にあたって出席方要請をしておりますから、総理には申し上げるつもりでありますが、あなたも国務大臣として、閣議の際には、やはり基地周辺における電波問題というものはきわめて重要な問題でありますから、今後はその中に——基地周辺等の問題を相談をする際には、やはり郵政大臣も非常にこう言うくらいの気持になってもらい、またそういうメンバーに入れるように、私も池田総理に言うつもりでおります。ぜひそういうお考えを持っていただきたいと思うのであります。  そこで、このいわゆる調査はわずか三日間でありますが、関係者の非常な努力で、実はこの三日間に調査延べ人員というものは百七名にも及んでおるわけであります。これは、郵政省関東電波監理局調達庁横浜調達局日本放送協会日本放送技術研究所神奈川県庁大和市役所綾瀬町役場、こういうふうな百七名にも及ぶ勧農をしていただきまして、具体的に調査されたのであります。私も二日間実は現地をともに調査に参加したのでありますが、ここで考えられるのは、政府の、こういう基地というものは全国にたくさんあるにもかかわらず、基地のそういう騒音等の問題を調査する費用がたいへん少ないように私は輝いておる。これは、基地周辺化民に対するいわゆる親切、あるいはまた抜本的な解決をはかろうとする政府施策が乏しいということになりはしないか。したがって、これはまあ単にあなたばかりを責めるわけではございませんけれども郵政君でも、電波監理問題については、やはり相当の予算がなければ、私はこの調査継続的にできないと思う。私の今手元に、神奈川県のいわゆる地元としての調査報告書、これは三十七年の九月に行なわれたものでありますが、これはまあ八月二十三日から九月三日までの十一日間調査を行なった、こういう地元神奈川県、大和市、綾瀬町という主君で行なわれた報告書も出ておるのでありますが、地元のほうでさえそれだけのいわゆる努力を続けておるのでありますから、やはり私は、政府が、こういう基地を持つ政府自体が、まず根本的にそういう予算を持ち、そうして人員もつけて、継続的に行なわなければ、この三日間の合同調査だけでも、政府自体でも、相当困難な状況なんです。だから、本質的なものをつかむことはできないと私は思う。まあここに提出をされましたところの三者合同のこの資料によりましても、他の月日におけるところの地元神奈川県の合同調査などを比較してみましても、やはりアンバランスがある。ですから、そのときどきによりましてかなり調査内容が違ってくる、こういうことは現実だと私思う。したがって、基地を持っておる周辺人たちにそういう抜本的な問題の解決策をとるには、やはり科学的なそうして最も信憑性のある調査を行なっていくということが基礎になると私は思う。そういう意味で、私は、電波監理局郵政省自身が、たいへんこの三日間お骨折りをいただいたけれども、どうも聞いてみると、予算の点、そういう調査を行なう予算がないように思う。こういうことでは、私は本格的な予算をつけない限り調査も行なえないと思うのであります。総理大臣にも、あるいは防衛庁長官にも、その点は強く申し入れる予定でありますが、ひとつ大臣にもそういう点を今後は計上をできるようにしてもらいたいと思うのですが、大臣の所信を伺っておきたいと思う。
  11. 手島栄

    国務大臣手島栄君) ごもっともな話でありまして、郵政省としましては、できるだけ出張調査ができるように取り計らいいたしたいと思います。
  12. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、その次に第三点の問題は、具体的にラジオテレビ電話等調査が行なわれまして、私もこのテレビ映像等も見たのでありますが、ここにそれらの具体的な内容調査報告として出されておるのでありますが、これらのいわゆる資料によりましても、確かに映像そのものが長時間にわたって妨害されるということはないにしても、とにかく努力されておる中でも、やはり確かに一般地域とは違う基地周辺住民に悪影響を与えておることは事実だと私は思う。特に爆音の大きさというものは、この調査の中ではまだ大きい数字が出ておりませんけれども、百二十ホーン程度が最高になっておりますけれども、事実は、訓練の日等によりましては、まことに大きい音がするわけであります。したがって、それはやはり、この三日間程度のものでは把握できないわけでありまして、先ほど申し上げたように、予算をつけていただき、さらにはそうした努力政府が積み重わるということでありますが、その結果出たものについて、私は基地周辺住民に対する補償政府が行なうべきである。で、新聞では、明日の閣僚懇談会ですか、基地周辺の問題を取り上げるようでありますけれども、私は、具体的に予算として、やはりこの前申し上げました基地周辺の問題をどうするかということは非常に大きな問題でありますから、そういう予算の裏づけをまず行なう必要がある。そして、地域住民に納得をさせ、理解を得て協力を得ると、こういうことが政府立場でなくちゃならぬ。基地のあり方については、私どもは社会党の立場でありますから、軍事基地はなくせと、こういうのが私どもの主張であります。けれども、たとえば現存あるものについてどうするか、こういうことになれば、縮小する方向に行くと同時に、やはりそれだけの、飛地周辺の被害を受けておる地域住民のための補償政府が行なうべきである、こう考えるわけであります。したがって、特に私は、厚木基地における合同調査経緯にかんがみまして、そういう基地周辺住民に対するところの補償等、あるいはテレビラジオ等の問題を含んで、政府のお考え方を聞いておきたいと思うのでありますが、大臣の御答弁をいただきたい。
  13. 手島栄

    国務大臣手島栄君) 調査の結果は、大ざっぱに言いまして、映像のほうは割合に少ないが、騒音のほうは、滑走路の近くはたいへんにやかましいというふうに考え結論を出しておるようであります。で、何とかこの点を補償しなけりゃならないと思いますが、今のところ、騒音ラジオテレビだけに限っていないで、もう少し広い範囲内でこの問題を取り上げなけりゃいかぬという考えから、関係の向きに対しましては、補償をするように強く申し入れておるのであります。その結果、まだ結論は出ておりませんが、今後もその意味で、私のほうとしましては、基地周辺ラジオテレビ視聴については、補償をするように続けて参りたいと思います。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 大臣のお考えわかりまして、たいへん喜びとするものです。そこで、最後大臣にお話をしてお帰りいただきたいと思うのでありますが、それは、やはり、先ほど冒頭に申し上げたように、調査機関の設置、あるいは継続的な調査と、こういうものを行なうのが、そういう将来への根本問題を解決することになりますから、そういうことを今後もよく地元と連絡をとって行なうことをひとつ御答弁をいただいて、大臣おからだの悪い途中御出席いただいたことを感謝して、お帰りをいただきたいと思う。どうぞ、今後も継続して行なうということに対する大臣の所見をお答えをいただきたい。
  15. 手島栄

    国務大臣手島栄君) 私としましては、今後も続けて視聴のある程度調査をいたしたいと思います。
  16. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは大臣の面接の所管だと思いますから、ちょっとお聞きするんですけれどもアメリカ軍の使用している電話料金の問題ですが、この電話料金が、聞くところによると、六十億ないし八十億未納があるということでありますが、この事実御承知でしょうか。
  17. 手島栄

    国務大臣手島栄君) 私は直接にまだ聞いておりません。
  18. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは決算委員長のほうに伺っておきますが、この六十億ないし八十億という米軍使用電話料未納というのは、決算報告の中には出ていた事実がありますか。
  19. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 私はまだそこまで調べておりません。
  20. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは事実をまず私たちがはっきり知る必要があるので、その報告電電公社から求めたいと思います。  それから、ついでにもう一つこの問題に関連して聞きますが、ワシントン・ハイツが今度は調布移転をすることになります。で、この調布移転することについても、何か電話料金市内通話並みにせよという要求が出ております。調布は御承知のように市外でありますけれども市内並みにするということになっておるようですが、こういう事実についても、これは事実をはっきりと知りたい。したがって、この二つの点、六十億ないし八十億の未納の問題、この事実があるかどうか。あったとすれば、その処理はどうするのかということと、移転についての市内通話市外通話かにするという問題について現在どうなっているかという点を、資料として提出していただきたいと思うんです。
  21. 手島栄

    国務大臣手島栄君) ただいまの二点は、正式に私のほうには報告がありませんので、取り調べまして、資料として提出いたしたいと思います。
  22. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 大臣、御苦労でした。御退席なされてけっこうでございます。  なお、相澤委員郵政省関係ございますか。
  23. 相澤重明

    相澤重明君 局長はおるわけだな。
  24. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 局長はおります。
  25. 相澤重明

    相澤重明君 電波監理局長にお尋ねするわけでありますが、厚木基地周辺合同調査を行なったのでありますが、この図面によりましても、この周辺全部書いてあるわけですが、まず、調達庁なり、郵政省なりが、それぞれ機械を持ち込んで調査をしたわけでありますが、私はこのテレビ騒音調査については非常に進んでおったと思うのです。これはもう非常に新らしい機械を搬入されて調査をされた。その経緯というものは、非常に私は多としたいと思います。ところが、たとえば飛来をするところの飛行機の騒音調査するのに、ある程度の個人々々の判断によって、そしてこの方向にいわゆる騒音調査機を向けるわけなんです。だから、それが六十度なり七十度のいわゆる爆音で来たときに、そこに機械を向けて、それが上を通るときに百十になり、百二十ホーンになるかどうか、こういうものなんです。これでは私は、その人の判断によって、主観によって、たいへん騒音調査というものは狂ってくるのじゃないか。これは横浜——たしか国大だと思うのですが、これにはきわめて精密機械があるわけです。しかし、二つの議論があります。そういう精密機械による検査がいいとか、あるいは今の調達庁がやっておるものがいいとかという、いろいろな意見はありますが、この人間の勘を用いて調査をするということは、これはやはり近代社会においては非科学的だと私は思う。やはり機械は、精密機械を使うのが私は最も必要じゃないか。ただ、この精密機械を買うためには予算が必要である、こういうことになるわけでありますが、これは単に、調達庁が持つとか、郵政省が持つとかということでなくて、やはり政府自体として、特に電波関係あるいは騒音関係等については重要な役割を持つ電波監理局あたりが、私は意見を具申していいのじゃないか。そうして、少なくとも、横浜国大で持っておるような、そういう精密機械政府としても用意されて、そうしてこれらの根本的な調査資料を摘出をするように、こういうことが必要であろうと思うのです。そういう点について、局長として、そういうふうなことを調査団からもおそらく報告も受けただろうし、あなたも現地においでになったと思うのですが、これらについてどうお考えか、あなたの御答弁を聞きたい。
  26. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) 実は、こういった問題についての調査というものにつきましては、まだ始めましてから日が浅いので、いろいろと研究不十分な点が多々あると思います。今先生が御指摘のように、なるべく、そういった騒音調査といったような場合にも、個々の主観的な要素が入らないように、客観的な、あるいはまた組織的、系統的な結果が出るように、努力する必要があると思います。そうしてまた、これに使用します機器の問題につきましても、確かにまだ十分整備していない、また改良を要する点も多々あると思いますので、今先生の申されました御趣旨に沿いまして、最善の努力を今後して参りたいと、こう思います。
  27. 相澤重明

    相澤重明君 次に、この調査を、先ほども郵政大臣お答えになった、今後も継続調査をする、こういうことでありますが、これは具体的にはやはりあなたの所管なわけですね。電波監理局のほうでやはり推進をしなければいけないと思う。今後は、いつごろ、どういうふうにやる計画なのか。この、厚木当地合同調査報告書はいただいたけれども、今後の政府考えがなくてはいけないと思う。これについては、当然予算の問題も、人員の問題もからんで参ります、機器の問題もからんでくるけれども、少なくとも、できるだけ、明十四日に政府がこの基地周辺等住民の問題として基地対策協議会を持つようでありますが、そういう場合にも、やはりあなたのほうのそういう資料というものが重要な役割を果たすと思うのであります。そういう意味で、今後もそういう科学的な調査を行なっていくようにしなければならぬと思うのでありますが、計画をあなたのほうで持っておるかどうか、この点をひとつお答えをいただきたいと思います。
  28. 西崎太郎

    政府委員西崎太郎君) 実は、この報告書、これは急いだ関係で、とりあえず報告させていただいたので、まだこの内容につきましては、いろいろと今、さらに分析の作業を進めております。そういう結果もまた参考にして今後の方針をきめていかなければいけないわけであります。来年度も明き続いてこういった調査計画的にやっていきたいと思いますが、ただ、具体的に何回、どういうふうにやれるかということにつきましては、ただいまちょっと申し上げる段階まで参っておらないことを遺憾に存じます。
  29. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、この十月いわゆる合同調査が行なわれた、各調査員の諸君の努力を私この機会に多としておきます。局長からも十分関係者に対して労を慰めてやってほしい。しかし、それはそれとして、今申し上げたように、やはり基地周辺住民の生活の問題でありますから、今あなたが最後答弁されたように、今後継続して行なう、そういうことを、この具体化をやはり促進をする意味で、私はなるべく早い機会にそういう計画を作ってもらいたい。そのことは、またいずれ、通常国会が二十四日から召集されますから、後刻お尋ねしたいと思いますが、そういうことがわかったら、そういう継続調査をするということがあなたのほうで具体化されたら、ひとつ御報告をいただきたい。  以上をもって私の質問を終わります。
  30. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 午前の審査はこの程度にとどめ、午後は一時四十五分から委員会を再開し、審査を続けることにいたします。  暫時休憩いたします。     午後零時三十五分休憩    ————————     午後一時五十八分開会
  31. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和三十五年度決算外三件を議題として審査を進めます。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 最初に厚生省にお尋ねをしたいと思うのでありますが、前回農林省決算の際にも強く政府に要望をいたしたのでありますが、現在の採尿処理の問題は、非常にまあ大きな問題であるわけであります。特に私が前回東京湾屎尿海洋投棄の問題を取り上げて政府に強く要請をいたしましたのは、農林省関係としては、水産資源確保という建前からも、あるいは国民の蛋白資源確保の上からいっても、現状においては、これはもう非常に汚濁をされておって、このまま放置することはできない。したがって、早急にいわゆるこれらの点について改正をしなければならぬだろう。したがって、清帰法改正をする準備政府は当然取り上ぐべきである。これはもちろん、所管厚生省なのであります。したがって、農林省は、水産資源確保建前から、そういう点を特に関係省——厚生省等に働きかけて相談をしてほしい、こういうことで、当時農林次官からも善処のお約束をいただいたわけでありますが、主務省としてのいわゆる厚生省としては、きわめて大事なことでありますから、この海洋投棄、屎尿問題の処理は重要な問題であると思いますので、まずこの基本的な、そういう清掃法等改正を行なう意思があるかないか、あるいは通常国会に提案する意思があるかどうか、そういう準備を進めておられるのかどうか、この点について、政務次官からお答えをいただきたい。
  33. 渡海元三郎

    政府委員渡海元三郎君) 屎尿処理の問題の非常におくれていると申しますか、非近代的な状況にあるということは、御指摘のとおりであります。この屎尿処理処理の仕方について、海洋投棄を行なう、これを水産資源確保の上からもぜひとも中止させなければならないという御要望のようでございますが、仰せのとうりでございまして、私たちもできるだけなにしたい。しかしながら、現在の屎尿を処理するためには、まず屎尿を処理する装置をやらなければ、この海洋投棄を抑えることが非常に困難な状態であるというところから、私たちは、ぜひとも来年度予算におきましては早急に、画期的な金学を今要望いたしておりますが、これを獲得いたしまして、緊急にこれらの計画を充実いたしまして、今おくれております屎尿処理を一刻も早く完備するようやりたいというので、目下大蔵当局に要求するとともに、法案に対しても考えております。  ただし、清掃法につきましては、そういった点もございますので、改正すべきであるかどうか目下慎重に検討いたしておりますが、抜本的にこれを行なうためには、まず屎尿処理の施設をしなければならない。このほうに対しましては、来たるべき通常国会におきまして、できれば緊急措置の法といったような促進法を提出したい、このような考えでおります。
  34. 相澤重明

    相澤重明君 ただいま次官から御答弁をいただいたのでありますが、従来まあ厚生省が、これらの環境衛生問題を初め、特にこの屎尿問題についての計画が、私はやはりなまぬるいとこう考えております。少なくとも、今日の国民の一番大きな衛生問題等、を考える場合には、早急にこの三カ年計画、五カ年計面というものを、各省がそれぞれの事業でも行なっているわけでありますから、そういう点を五カ年計画くらいにやはり私は集約をして、地方財政をも考慮して、そうして地方自治体住民の利益になるように、私はやはりこの際財源を投じて完成するようにしてもらいたいと思うのです。せっかくの次官の御答弁をいただいたので、私はその今後の方針を、あるいはその実行方を関心を持っていきたいと思うのですが、そこでひとつ、特に海洋投棄の問題については、一番困っている者は漁民なんですね、したがって、全漁連があるわけなんでありますが、前回農林省にもこのことは強く要望したのでありますが、全国の漁業協同組合連合会、あるいは特に東京を中心とした千葉、神奈川、東京というような、これらの地域の漁業関係者というものは、もう実に怒りを持ってまで、今、厚生省はだらしがないじゃないかということを言っているわけであります。片柳君も、そういう点については政府に陳情していると思うのでありますが、私は、単に業界という名前でなくて、やはり国全体でこの問題と真剣に取り組まなければならない。漁業のそういう人たちとのひとつ合同の審議会等でも持って、あるいは協議会といいますか、そういうものを政府は持って、積極的に厚生省が段取りをとって、農林省だとか、あるいは運輸省だとか、あるいは関係のそういう漁民だとかいうようなものが、どういう形でもけっこうですから、政府がそういう前向きの姿勢で行政ができるように私はしていくべきだ、こう思うのでありますが、そういう点についてのお考えがあったらひとつ述べていただきたい。
  35. 渡海元三郎

    政府委員渡海元三郎君) ただいま申しましたように、現在までに日本の環境衛生施設に対して立ちおくれておったということは、御指摘のとおりでございます。私たちもこの点を強く感じまして、実は昭和三十六年度を初年度とするところの十カ年計画をもって臨んでおったのでございますが、事態の緊急性にもかんがみまして、特に三十八年度から五カ年計画をもって全面的に実施したいという計画のもとに、来たるべき通常国会におきまして、できれば緊急措置法を御審議賜わりたいと思って、準備しておるような次第でございます。しかしながら、ただいま申しました屎尿処理の完全処理に至りますまでの間は、御指摘がございましたところの海洋投棄といった問題も続いてございます。これが漁業界に及ぼす影響も、御指摘のとおりであると存じます。御指摘のございました漁民との話し合いその他等については、海洋投棄におきましても、いろいろな方法その他においてしかるべき方法がとれるのではないかとも思いますから、私たちも積極的にこれらの方々の御意見を十分聞かしていただきまして、完全処理ができ上がるまでの間、そういったものに支障なきように、できるだけ行政運用で処理していきたい、かように考えます。前向きの姿勢で進めさせていただきます。
  36. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、ちょうど三十八年度の予算編成をしておる最中でありますから、そこで、今の緊急五カ年整備をしていただくためには、予算の問題が重要だと思います。したがって、ぜひそういう次官の御答弁で私は進めていただきたいし、特に五カ年計画の中で何といってもやはり重要なことは、公共土木、下水道による水洗便所あるいは糞尿処理施設というものがやはり計画的に実行されなければ、いかに口でうまいことを言っても、これはどうしようもないと思う。したがって、地方財政を、ぜひそういうことができるように措置をしていただきたい。で、私は、実は横浜で、特に中心街である中区にこの完全終末処理のいわゆる施設をしたのでありますが、これが非常に金がかかるわけであります。ですから、これを見て、これでは地方財政がこの形のままではなかなか言ってもやれないだろう。したがって、これはやはり、国がそういう地方自治体に対するところの援助をしてやる、むしろ積極的に今の終末処理予算化をしてやる、こういう努力をしていただきたいと思うのですが、その点も次官の御答弁をいただきたいと思います。
  37. 渡海元三郎

    政府委員渡海元三郎君) 御指摘のとおりでございまして、私たちは、補助金を要望いたしますとともに、地元負担で持たなければならないようなものにつきましては、財政投融資計画におきましてこの分の起債のワクを確保し、現存ともにあわせて計画に合うように、要望しておるような次第でございます。一部のお考えでは、なかなか国家財政も窮屈でございますから、財政投融資でやって伸ばすのかどうかという御議論もございますが、今申し上げましたような基準の工事の非常に莫大な金、しかもこれは企業としても、水道のごく、なかなか使用料と申しますか、基準使用料をとることにおいても困難である、したがって、建設費にそういう国が援助する必要があるというところから、私たちはあくまでも、現行の三分の一補助ということに向かいましては、再三当局に対しましても強く要望しておるような次第でございます。なお、せっかくでき上がりました施設に対しまして、この基準を利用するための今の水洗便所を作るという個人の負担に対しましても、なかなか困難なものがございますので、私たちも、還元融資等を利用していただきまして、この間市町村当局を通じてそれらに融資をして、一日も早く普及をするようにいうような方法をもって普及の促進をはかっておるような次第でございます。御了承を賜わりたいと思います。
  38. 相澤重明

    相澤重明君 それから、特にその計算の問題なんですが、助成金を出す場合でも、これはいろいろ私も地方自治団体を調べてみて、実は三分の一といっても五分の一でしょう、今。五分の一が、寝際に計算をしてみると八分の一ぐらいにしかなっていないのですよ、政府のこの事業に対するいわゆる助成は。私は、やはり近代化に伴う資金問題でありますから、この点は、少なくともまあ二分の一ぐらいは出してやれるようにしなければ、これは財政困難な地方自治体ではなかなかできないと思うのですよ。実際にいろいろと計算をしてみると、私ども報告を受けるというと、八分の一ぐらいにきりなっていませんですね、政府の助成は。ですから、こういう点もひとつぜひ努力をしていただきたいと思うのですが、この点はどうでしょう。
  39. 渡海元三郎

    政府委員渡海元三郎君) 御指摘のとおりでございまして、あらゆる公共投資におきまして、補助金の単価が非常に予算面において少ないために、三分の一といいながら四分の一とか五分の一しかの補助金にならぬという現状、私も地方財政をながめまして痛切に感じておった次第でございます。本年は、自治省におかれましても、こういった点を是正し、財政の秩序の確立を目ざして進んでおられるので、三十八年度予算編成におきましては、政府におきましてもこの点を十分顧慮されることであろうと思っております。  なお、三分の一の補助金を二分の一にしろという御議論もございました。私もごもっともと思いますが、今申されましたように、三分の一と法定してありながら、単価の面において、あらゆる工事事業者の面において、これに制限を加えられ、実際は四分の一あるいは五分の一になっておるという実情でございますので、少なくともこの実情だけは是正いたしまして、自治省のいわゆる財政秩序確立の線に乗って、三分の一と法定されている以上は、三分の一を実際に合わして出るように努力いたしたい、このように考えまして、補助率の引き上げよりも、実質面の単価の引き上げという面につきまして、本年度の予算編成につきまして私たち現在努力いたしておるような次第でございます。
  40. 相澤重明

    相澤重明君 最後に一つだけ次官に、これはどうしてもやはりやってもらいたいことなので、聞いてもらいたいと思うのでありますが、それは、オリンピックを目前に控えておるわけなんです。ところが、東京を中心としたホテル関係も、必ずしも満足すべき状況にはないわけです。したがって、オリンピック委員会等におきましても、場合によりますと海上における船に宿泊をしてもらう場合もあり得ると私は思う。ところが、残念ながら、今日の船の構造等から参りますと、船の中における屎尿問題は、そのまま海洋に流れていくわけです。これはまた、私は、これが一日港に船が泊まっておるだけならば、そういうことはたいしたまあ心配にもならぬと思うのであります。これがたとえば一週間、十日という係留をされておる場合には、その付近はきわめてもう汚染されると私は思う。したがって、この点については、やはり浄化装置をつけるというくらいの前向きないわゆる考えでなければ、オリンピックをせっかく日本に招致をして、そして外国の皆さんにもおいでいただいても、結果論として、日本の近海は非常に、特にオリンピック関係のところはよごれてしまう、こう思うのであります。現実に私は一つの例を申し上げたいと思うのですが、横浜に氷川丸というのがある。これに浄化設備をしたわけでありし、これを言うと、実際にあれはとめてあるから、保存してある関係上、多くの観光客が来ますから、それはもうその人たちがそのまま流されたら、これはたいへんであります。したがって、浄化装置をさしたんであります。これを私は一つのいい見本にしたいわけであります。したがって、十七日ですか、観光会社の全額出資のツーリストがいよいよ発足するわけでありますが、この際にオリンピック関係に対するそういうきめのこまかい配慮というものが私はあってしかるべきじゃないか。もし船にそういうふうに外人のお客さんを泊めさせると、こういう場合には、そういう装置をやっぱり、厚生省がそういう環境整備の建前意見を出して、それでその作らせるところの、あるいはそういう助成をさせるのはまあ運輸省の関係になるかもしれませんが、とにかくそういうふうなところに積極的に、あなたのほうの、少なくとも政府としてですね、私は意見を出してもらいたい、こう思うのでありますが、これは他にそういうようなことを厚生省がお考えになっておるかどうかですね、また現実にそういう問題についてどうお考えになるか、この点もあわせて、次官には、前の、いわゆるオリンピックを迎えてですね、政府としてはどうするかということをひとつお答えをいだくと同時に、局長からはひとつ、そういう問題について他にはどういう状況のものがあるのか、あるいはどういうふうに今まで事務的に進められてきたのか、そういう点を次官の答弁のあとひとつ説明いただきたい。
  41. 渡海元三郎

    政府委員渡海元三郎君) オリンピックを控えまして、私たち、諸外国に対しましても、日本の衛生状況をよくしておかなければ文化国家としての日本としては恥である、こう思っております。特に東京は、下水がおくれておるばかりでなく、水道におきましても、昨年来節水しなければならないといったような状況が続いておりますので、上下水道あわせましてのオリンピック対策といたしましては、画期的に進めていただくように、目下東京都当局に、財源その他国も全面の力を与えまして、でき得る限りの手を尽くしていきたい、かように考えておるような次第でございます。  なお、ただいま御指摘のございました、ホテルにかわる船舶の問題、私たちも、このことは当然あり得ることといたしまして、当局におきまして、今御指摘になりました一例の氷川丸等の例もしんしゃくいたしまして、運輸当局とせっかく折衝中でございますので、細部の点につきましては、現在までの状況を当局の局長から答弁させます。
  42. 五十嵐義明

    政府委員五十嵐義明君) オリンピックに際しまして、ホテルのかわりに船を使うというような場合に、屎尿の問題をどうするかということでございますが、この点に関しましては、ただいま政務次官からお答え申し上げましたように、鋭意この問題について検討をいたしておるわけでございますが、事務的に二、三を付け加えて申し上げてみたいと存じます。  清掃法では、禁止されております区域に屎尿をみだりに捨ててはいけないという規定がございますが、このオリンピックのために来た船が、ホテルのかわりに係留されておって、そこで屎尿を捨てることがみだりに捨てることになるかならないかという法律論もあるわけでございますが、しかし、この問題は、清掃の上からいたしますならば、その法的な論議は別としましても、何とかして環境を清浄化していくという意味で、その処理を衛生的にしたいという気持を強く持っておるわけでございます。したがいまして、先ほど例にあげられました氷川丸のようなふうに——これは船籍を失って、建造物というふうになっておると聞いておりますが、そのように船の内部に浄化槽をつけ得るものであろうかどうか、あるいはその船から排出する場合に、一定期間そこにため込んでおきまして、何らかの、たとえば汲み取り船のようなものでこれを汲み取って捨てることができるものであろうか、あるいはそのほかに岸壁の上に何か装置ができないものであろうか、いろいろな角度から技術的にこの問題を前向きで処理いたして参りたいということで、関係の省並びにこの船の関係の会社等と連絡いたしまして、ただいまその問題の検討を技術的に進めておるという段階でございまして、非常にまあむずかしい問題が多いのでございますが、時期もだんだんと迫って参っておりますこの問題を早急に解決したいということで、ただいま鋭意研究中でございますので、御了承いただきたいと思います。
  43. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  44. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記を起こして。
  45. 横川正市

    ○横川正市君 まず最初に、建設省の建設指導関係の仕事をされておる方出席されておりますね。杉並の堀ノ内の二丁目の日立の生コンクリートの工場建設について、十一月の二十六日に建設許可を与えておるようでありますけれども、これは農地の松川と関連して、許可に至ったいきさつをひとつ説明していただきたいと思います。
  46. 一ノ瀬周太郎

    説明員一ノ瀬周太郎君) 建築の許可に関しましては、これは都道府県知事が——基準法上では「特定行政庁」という言葉を使っておるわけでございますが、都の場合は東京都でやっておるわけでございます。したがいまして、今の農地転用から建築許可に至るまでの一切の事務は、直接建設省ではタッチしておりませんので、実はそのいきさつは十分存じておりません。
  47. 横川正市

    ○横川正市君 これは、今言ったようなことではなしに、きょう私が初めてあなたに質問するような格好ですけれども、問題は相当長いのです。二年半くらい前からなんです。だから、決算委員会は三十五年度だから、ちょうど三十五年で合致するわけです。その二年半も問題のあったものが、建築指導業務の中で、建築許可の基準というのは、国がこれはやることになるわけですね——都に移管されておるか、あるいは規模の大小で制限があるかどうかわかりませんけれども、そういう長い紛争のあったものを、紛争中に、ことに農地の未転用の時期に建築の許可を与えたという事実があるわけなんですが、これはもしそういう許可を与えたという都に事実があった場合に、建設省としてはどういう処置をとられますか。
  48. 一ノ瀬周太郎

    説明員一ノ瀬周太郎君) お答え申し上げます。実は、建築の確認——許可ということは、基準法で「確認」という言葉を使っておりますが、建築の確認の内容といたしまして、土地の所有権、それから今の地目、これらは建築の確認の範囲外になっておりまして、申請された土地の今の所有権、それから地目、これらは実は申請者の申請した内容をそのまま確認する——その敷地に対して、建物が法律に適合しておるかどうか、これを確認するわけでありまして、この場合、この工場の場合は、多分基準法上の各条項に適合しておるものと思われます。今の農地転用のことにつましては、建築基準法の確認の範囲外になっておりまして、建築指導課ないしは都の建築指導部のほうでは、確認する仕事の内容になっておりません。
  49. 横川正市

    ○横川正市君 上物の内容だけを検討して、そしてそれがだれの所有しているところで、だれの権利で、またそこの地域がどういう地目指定になっているかということは確認をしないで、これは建築基準法に基づいて許可をする、こういうことですか。
  50. 一ノ瀬周太郎

    説明員一ノ瀬周太郎君) そうでございます。
  51. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、たとえば都市計画線なんというのがあって、課は違うけれども、事実上はそういう違反建築を建てられる場合ですね、これは建ててしまうまではわからないわけですね、実際。
  52. 一ノ瀬周太郎

    説明員一ノ瀬周太郎君) お答えいたします。  今の都市計画に関するような条項は、これは明らかにこの法律上に織り込まれておりまして、都市計画の道路にどうなっているかということは、この確認の内容に一番最初に入っております。
  53. 横川正市

    ○横川正市君 東京都の風致地区規程というのがあるわけですが、この風致地区規程というのは、建築基準法に基づいて東京都が制定をしたわけですね。この風致地区規程というものに違反をして建築物が建てられるというような問題が起こっていることが事前に相当周知されておっても、そんなことはかまわないで、具体的に建築基準法に合致した建築物の申請である場合には、許可するわけですか。
  54. 一ノ瀬周太郎

    説明員一ノ瀬周太郎君) お答えいたします。  今の風致地区に関しましては、これは都市計画の指定でございまして、建築基準法とは面接は関係ないわけでございます。
  55. 横川正市

    ○横川正市君 建築基準法に基づいて許可をする——その内容が上物の内容によるというようなことであれば。そうすると、その場合には、この都市計画法に基づいてきめられております条項についての検討というのは、これはどこでやるのですか。
  56. 一ノ瀬周太郎

    説明員一ノ瀬周太郎君) お答えいたします。  その内容につきましては、一番最初に申し上げましたように、東京都の建築担当のほうでやるわけでございます。
  57. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、都市静岡法第十条第二項というのは、これは、東京都都心計画掛川第七条、それから十六条、それから十条、十三条、十四条、これに関係して東京都風致地区規程というのができているわけですが、その場合に、計画法に基づいてきめられております地域に建築物を建てられたとすると、建設省としてはこの法に基づいて東京都に対して認可の意思表示ができるということになりますね、そうですか。
  58. 谷藤正三

    政府委員(谷藤正三君) 法に基づきまして、違法の建築ができます場合においては当然指導をする、そういうふうになっております。
  59. 横川正市

    ○横川正市君 東京都の風致地区規程というのを見ますと、第二条では、建築物その他の工作物の新築、改築、増築、移転、修繕、変更または除却、土地の開墾、切り込み、土盛り、水面の埋め立て、その他の現状の変更、竹木も土石類の採取、前各号のほか風致維持に影響を及ぼすおそれのある行為はこれをやってはいけないという、こういう条項と、範三条に、基地の新設、建築基準法第四十九条第一項による居住地域内に建築することができない種類の建築物の新築、部長官の指定した竹木、土石類の採取、こういうふうに規程にはなっているわけですね。これはちょっとさっきあなたのほうで関係はないと言ったけれども、建築基準法第四十九条第一項というのが実際出てきているのですがね、この規則の中に。こういう規定に違反をする場合に、たとえば行政上風致地区という規定がじゃまになるから、それを解除して、そしてそこにいわゆる風致地区である場合の違反建築物を建てる、こういう場合には建設省としては、どういう立場に立つわけですか、指導上の立場としては……。
  60. 谷藤正三

    政府委員(谷藤正三君) 不法建築物を建てるために解除するという、そういう前提で地区の指定変更が行なわれるということでありますれば、当然私のほうとしましては行政上、そういうことで禁止しなければなりませんし、たまたま都としまして、ほかの一般的な事情によって、都の区画の土地利用の関係で変更いたしたいというふうなことになります場合には、都の意思に従いまして、当然承認を与えることになると思います。
  61. 横川正市

    ○横川正市君 その都の都合という、いわゆる区画変更その他というのは、どういうことですか、具体的には。
  62. 谷藤正三

    政府委員(谷藤正三君) いろいろ土地利用の関係がございますので、これは風致地区にすべきか、あるいはまた工業地域にすべきか、準工業地帯にすべきかというふうないろんな都の、町の中の使用の区分がございますが、その使用の区分に、都のほうで都市計画し、そういうふうに町を作りたいというふうな意思によって変更したいという場合がありますれば、それに対しましては、妥当と認めた場合には当然承認を与えることになります。
  63. 横川正市

    ○横川正市君 ちょっと委員長に、この際ですからお願いをしたいのでありますけれども、できれば東京都の首都整備局長の山田何がしという人を実は参考人で呼んでいただきたいのですがね。今やっておる簡単な答弁の中でも、風致地区の指定解除をして、生コンクリートの建設を十一月の二十六日に許可したというのは非常に違法なやり方だと私は思うのですよ。できればそういう手続をひとつとっていただいて、あと質問を続けたいと思うのです。
  64. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) その件につきましては、後刻理事会において御相談いたしたいと思います。
  65. 横川正市

    ○横川正市君 政務次官にお尋ねをいたしますが、先般私は大臣に、東京都内におけるところのこの公園緑地、風致地区等の地目の指定をしている地域があるわけでありますけれども、これは逐次工業川地とか、あるいは住宅地等につぶされていって、保護、存続の方向とは、逆な方向に行っている気配があるので、この点は将来どうしますかと言ったら、これは都市の発展の問題とも考え合わせて、過大都市防止の精神でできるだけこの公園緑地、風致地区等については、これを保存、保護するという方向で都市計画を一回大綱的にきめたいという意思表示があったわけであります。私は、たまたまそういう質問をしたあとに、二年半前から紛争をしておりましたいわゆるこの風致地区に生コンクリートを建設する許可が東京都でおりたという問題にぶつかったわけであります。そのおろし方の、東京都のやり方をちょっと申し上げますと、ひとつ記憶しておいていただきたいと思うのでありますが、杉並区の永福町にあった生コンクリートの工場が、居住民の反対連動にあいまして、それで移動計画がまず最初立てられました。その移転計画の結果、適地として指定されたのが、当事準工業地帯として地目の指定を受けていると思われたいわゆる堀ノ内の二丁目に移転計画をやったわけであります。この移転計画が、たまたまだれの手でやられたかといいますと、東京都の首都整備局長の山田何がしという人の指導に基づいて行なわれたものなんです。それが地域人たちの知るところとなって、この地域は、御案内のように地下鉄の方南町の駅ができておる。それから周辺は十二に余る、身体障害者あるいはその他の育児等もやる学校が十二も林立をした文教地域であります。さらにまた商店街も隣接をし、国道七号線、国道六十二号線等、将来は都市の中心になっていくところでありまして、そこに工場を持ってこられるということは反対だという連動が起こったわけです。その反対連動をやっている間に、たまたま発覚したのは、準工業地帯ではなくして、これは風致地区であって、都の工業地帯の指定というのは二重指定になっておるという事実がわかったわけです。そうすると、今度は山田局長住民に対する答弁は、準工業地帯と思っおったのが風致地区となったので、それならば風致地区を解除して、そしてそこに工場を建てる、こういうむちゃな話が持ち上がって、地域人たちからは風致地区存続ないしはもし変えるならば、住宅、商店街に変えてもらいたいという陳情が引き続いて行なわれたわけであります。同町にまた、東京都の公害部では、この地点に工場を建てることはきわめてうまくない、他にこれは移転すべきである。それから前の中村建設大臣は、この事実を訴えられて、第一問の私どもとの会見のときには、他に適地を求める、移転先を求める、こういうことで東京都を指導する、こういうふうに約束もされておるわけであります。しかし、時間の推移に伴って、今どうなっているかと申しますと、工場を建てる千五百坪だけは準工業地帯とする、その両側は住宅地ないしは商店街とする、こういうむちゃくちゃな地目指定変更を行なって、十一月二十六日に工場の建設を許可したわけなんです。こんなことが許されていいかどうかということで、現地では大へんもめておるわけですれ。私はそれで政務次官に第一にお聞きしたいのは、まず東京都の首都整備局長の行なっておるこの事実は、一体建設省の行政上の指導として妥当とお考えになるかどうか、この点が一点。  それから第二点は、私どもの聞くところでは、たまたま日立生コンクリートの常務理事か何かやっている小林何がしという人と山田整備局長は同一役所での同僚らしいのであります。そういうような関係から、行政的にめくらであるような地域住民に、いわゆる行政官の権力で、無理やりに工場を持ってきたというきらいが強いのであります。しかも事実上は、これは許可をしたということで処理をしようとしておる。  三つ目に問題になりますのは、たまたまここは風致地区の解除について、まだ手続は行なわれておりませんから、農地としての転用について、これに住宅街等の建築物が建つのであるならば、農地の松川はできるけれども、生コンクリートのような工場を建築するためには、農地の移転はできないと、こういうことで農林省農地局の関係と、東京都の経済局農林部の考え方として、一応ストップされておる。しかし、聞くところによりますと、二、三日中に現地をこの農林部の者が視察をして、都の行なった結果に基づいて事情やむを得ずと認めた場合には転用を認めるというような態度があるというわけであります。私は、たまたまこの事件の中心を調べてみましたところが、最初ここは準工業地帯だと、地目が単独であったときに工場を持ってくることに反対した請願をめぐって、東京都の中に窪寺委員会という委員会が設けられておる。この窪寺委員会というのが一年半にわたって輪議した結果、放射六十三号線と善福寺川という、そこを流れておる川でございますけれども、これらについて、それぞれ行政上の措置をとる。さらに、補助六十三号線を拡張をして、そうすることと、工場側が条件、たとえば生産立米の制限であるとか、それから塵芥の飛散をする防塵処置であるとか通学児童に対する、工場側の処置であるとか、そういったものを一つの工場側が地域住民に約束するという条件をもって、ここに工場を建設することが妥当であると、こういう結論を出した。そのときに、たまたまその委員会出席をした者が、これはやむを得ないことだ、こういうふうに言ったということを頼りにして、今回のこの処置がとられた。ですから、今の問題の小心は何かといいますと、東京都の中に持たれた窪寺委員会というのを中心として、地域の人も納得をし、それから工場側もその条件をのんだから、生コンクリートの工場の建設を許可をした、こういうふうに言っているわけです。  しかし私は、これはいわゆる根本問題をはずれた処置であって、具体的には、前三項の質問をした問題に重点があるのだ、こう思うのでありまして、その点からひとつ政務次官意見をまずお聞きしたいと思います。
  66. 松澤雄藏

    政府委員(松澤雄藏君) 第一番目の問題は、大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、昨今における東京の人口増大から、急激にすべてが発展するという建前から、ときによっては今御指摘のようなことが往々にして耳に入ってくるようなことが多いのでございまして、これは言うまでもなく、今のお話のように都市計画にのっとりまして、そしてまた風致地区の取締規程というものを東京部内に作って、それに準じてやっておるわけでありますが、今のような御指摘の点等がよく耳に入ってくるような点でございますから、したがって、これらを今後建設省として指導的立場からも、またある程度まで監督的な立場からも、徹底的に大臣の御回答のような方向で検討をし止してみなければいかぬのじゃないかというふうな気持でおることは事実でございます。しかもただいまの点は、不敏であって、私ここの場に来ましてお聞きしたようなことでございまして、実体的にはただいまの御質問のような内容であろうと、かように考えるわけでありますが、いずれにしても、大京部自体が十分に慎重にその行為をなさねばならぬという問題でありまするけれども、半面、また認可を与える、あるいは承認を与えるという立場においては、建設省としても慎重を期さなければならぬ。いわんや二年間以上も問題になったということでありますれば、一そうその思いを深くするわけでありまして、今事務当局のほうの調べによりますると、建築申請はすでに三十五年に出ておる。それが作今における十一月何日かに許可されたというふうな非常に長い期間を要しておる問題でありまするから、その間いろいろの問題があったろう、かように存じますが、いずれにいたしましても、建設省といたしましては、今の御質問に根拠をもちまして、十分に調査をして、その結果、どういうふうな理由のもとに、こうなったというような点も率直に御意見のような方向に向かって調べるということも、今後、このような問題等に対して認可を与えるためにも、あるいはまた、その事務を執行するためにもなさねばならぬことである、かように考えますので、ただいまの御趣旨を十分に体しまして、直ちに東京都はいかなる理由のもとにおいて、こういうふうになったかということを調べてみたい、かように存じます。なおまた、農地転用につきましては、今お話のように、農地委員会等の面を含めた意味で、それらの認可というものが出て、初めて宅地あるいは建物が建てられるのだというようなことのようにわれわれも理解をして今日まで参った次第でございますが、なお一そう、法的な面を研究いたしまして、後日において御回答を申し上げるようにしたい、かように思います。
  67. 横川正市

    ○横川正市君 そこで、私はたまたまこの問題は、事件が起こってから、一年半くらいあとに耳にして、それで地域人たち立場に立って移転先をぜひ行政的に見つけてもらいたいという線で、今日まで過ごして参りました。ところが、都のものの考え方というのは、最初生コンクリートの需要度というものを非常に高く踏んだようであります。それでそのことが、たまたま工場制限法というのがあるわけでありますけれども、工場制限法の中に、なまコンクリート工場の制限規定というのが除外されているわけであります。私はこれはいささか規模とか、それから内容等を制限法を作った当時に承知しておらなかったのじゃないかと思うのであります。現在のような規模で、あれだけの地域人たちに被害を与える工場を、アイスクリームの工場の建設と同じような制限除外規定に置いておくということは、これはどうも民生の問題と、それから必要に従って生産をしなければならないという度合いの問題とのかね合いは、非常にむずかしいのでありますけれども、やはり工場側の横暴を許す結果になると思うのであります。ですから、そういう意味では、この工場制限法を改正する必要があるのじゃないかというふうに思うのでありますが、その点について、ひとつ御検討いただくようにお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
  68. 松澤雄藏

    政府委員(松澤雄藏君) 十分に検討してみたいと思います。
  69. 横川正市

    ○横川正市君 それからもう一つは、この問題は、もうすでに建築許可がおりたということで、地域はたいへんな騒ぎをやっております。今連日、しかも一時、二時までつき合わされて反対闘争の波に巻き込まれかかっておりますが、私はこれは現状維持で、問題をもう少しおくようにしていただきたいと思うのです。そのおくようにする最大の原因は何かというと、山田整備局長のやり方というのは、私が見ておると、工場を建てさすためには、どうしたらいいかということで、非常に無理をしております、いろいろな点で。こういうことは、一つの行政官としては許せないことだと私は思うのです。ことに日立生コンクリートはどれだけの資本のある会社かわかりませんけれども、一会社が、なぜあそこに工場を持って来たかと調べてみますと、あそこは国鉄の沿線でも私鉄の沿線でもないが、あそこで生コンクリートを製造するということになれば、原料資材の搬入から、あのでっかいトラックがどんどん動くわけでありますね。それから一日少なくとも何十台かのミキサー卓が出入りをするという非常に大きな被害を周囲に与える、こういう内容を持っているわけであります。しかし、工場側からすると、この足場は、たとえば新宿副都心計画等が出て参りますと、ほかの会社は一往復する間に二往復できるという、いわゆる生産コストの低下をねらって、あそこに無理押しをしているものだと判断をするのです。私はその民生の問題と天びんにかけて、現在どうしても必要だという度合いを、これを行政上どう判断をするか調べて参りましたところが、現在は生産に対して六七、八%か七〇%で、三〇%は生産が余っているという状態だそうです。ですから、その度合いというのは、私はそう必要はない。残されたのは何かというと、工場のいわゆる利潤を追及する足場として適地だ、こういうことであって、その足場を得させるために、東京都の役人があらゆる手を使って法律を曲げ、しかももうこの東京都都市計画規則なんというのはゆがめられて、第三条のただし書き、都長官が特別の事情があると認めたときはというただし書きを援用して、ここに建築許可を与えた。こういうけしからぬことを一体、許可になったけれども、そのままやらしておくかどうかという問題、これはぜひ私は、次官からお聞きいたしておきたいと思うのであります。
  70. 松澤雄藏

    政府委員(松澤雄藏君) 今御質問内容からいたしますと、その必要性が会社のほうにあるのかないのか、それが国民的な需要に対して、どういう立場にあるかというふうな面等が非常に大きく考慮されたやに自分は聞いているんだというふうなお話等もございましたが、会社それ自体の重要性とか、あるいはまた経済効果とかというふうな問題ではなくして、やはり法にのっとって、こういうような問題は解決されるべきではなかろうかと、かように存じます。ただし、今お話のように、最後にただし書きとして、特別にその必要と認めるものは、東京都知事がこれを許可するのだというふうなただし書きがついているのだが、それによってやったというふうなことも考えられるというようなお話でありますが、そういうふうな場合になりますと、今までの関連からいたしましても、ほんとうにすべて、どなたも納得していただけるということでなければ、特例的な立場というものはとるべきではない、かようにわれわれ今までとって参りました。内容は今初めてお聞きしたということは先ほど申し上げたとおりでございますが、十分に調査いたしまして、今のお話のように、いずれをとらせるかというようなこと等につきましても検討さしていただきたい、かように思います。
  71. 横川正市

    ○横川正市君 そこで、農林省関係の方にお聞きをいたしたいのでありますが、農地の松川については、五千坪以上は農林大臣、以下はそれぞれ都道府県の知事にその転用の許可というものを委任いたしているわけであります。しかし、今度のこの場合は、私が調べたところによりますと、農地転用許可基準に農林次官通牒というのが、これが都道府県知平に渡されているわけであります。最初、農地局の係の人から私のところへの連結によりますと、この堀ノ内の二丁目については、東京都風致地区規程によって昭和八年に風致地区規程で推定をされた。それからその後、昭和二十五年になってから準工業地帯と指定をした。そこで、現在は二重指定になっているんだけれども、いずれが行政上のミスかについては判別しないので、ただ東京都に聞けば、風致地区を解除しなかったのがミスだというけれども現地状況からいえば、いずれともとりがたい、こういう話がまず第一項であります。  第二項は、農地砥用の許可の次官通牒の内容から推して考えると、この地域に日立の生コンクリートの工場等を建てるということは、この農地転用の目的に反するので、これは許可したくない。ただし、これにもただし書きがついておって、特別の理由があるということがあるので、このただし書きが援用されるような場合もあるけれども、今のところは転用には踏み切っておりませんという連絡があったのであります。そこで、私はそのときに、もし東京都が、今言ったような方法で無理押しに転用するというような事態が起こったときには、農林省は、農林省に東京都から事情を説明してもらい、さらには私が確認をした事項に反することになりますから、連絡をしてもらいたい、こういうふうに私のほうから農林省の係官にお願いしてあったわけです。ところが、それがいつの間にか、先ほど言いましたように工場を建てる千五百坪だけは準工業地帯と指定がえをして工場を建てるように転用する、その隣は、これは商店街でも住宅街でも、いずれでも地目変更いたします、こういういわゆる窪寺委員会と称するものの結論に基づいて便法的処置をとって、もしその処置が行なわれたら、農林部はやむなく転用せざるを得ませんというような弱腰に変わりつつある、こういうふうに私は事情を推察しているわけです。  そこで農林当局には、今建設次官の言われたように、私はこれは違法な処置で、行政上の理無押しだと思っているわけです。ですから、農地の転用については、少なくともその事情が明らかになって国会で明確な答弁があるまでは、これを行なわしめない、こういう指導をしてもらいたいと思うのでありますが、その点について御返事をいただきたいと思います。
  72. 大谷贇雄

    政府委員(大谷贇雄君) ただいまのお話につきましては、十分注意をいたしまして行政指導をいたします。
  73. 横川正市

    ○横川正市君 これは建設、農林両省に関係のあることでありまして、事はきわめて東京都の小部分の地域に起こった事件のように見えますけれども、問題は私は、一番私としては重点に考えるのは、都の行政官が非常なこそくな手段をとって、大局的なものの見方というものを誤って事を行なっているというところに最大の問題が私はあると思うのであります。そういうことから、ぜひひとつ、すでに建築許可が十一月二十六日におりたという段階ではありますけれども、今からでも事実上おそらくありませんので、両省それぞれこの問題について、きわめて姿勢を正して、東京都の首都整備局を指導していただきたい、こういうふうに思いますので、その点のひとつ決意をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
  74. 松澤雄藏

    政府委員(松澤雄藏君) ただいままで申し上げましたように、厳重に調査して、その結果に基づきまして、正しい法にのっとった処置を指導していきたい、かように思います。
  75. 大谷贇雄

    政府委員(大谷贇雄君) その点につきましては、建設省とも十分連絡をとりまして、指導いたして参りたい、かように思っております。
  76. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  77. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記をつけて。  審査を進めます。
  78. 相澤重明

    相澤重明君 農林省の点をお尋ねをするわけでありますが、最初にひとつ会計検査院から、三十七年六月二十一日付会計検査院法第三十六条に基づく農林大臣に対する改善意見が出されているわけであります。これについて政府は、どういう態度で臨まれるのか、この点は政務次官から農林大臣に御相談をいただいて、後刻十分返事をいただきたいと私は思うのであります。  そこで、これを会計検査院のいわゆる農林大臣に対する改善意見とともに、今横川君が言われた建設省対農林省の問題は非常に重要な問題であるわけです。これは今後この農地の転用等に対する都市計画法等の問題の一番重要なことでありますから、ぜひこの点についても、後刻私ども大臣の所感を承りたいと存じておりますが、ひとつ御相談をしておいていただきたい。そしてこれらの問題についての御回答を後刻いただきたい、かように思いますので、次官らひとつ、そういう点についての大臣に対する御連絡を願っておきたい、こう思います。
  79. 大谷贇雄

    政府委員(大谷贇雄君) 承知いたしました。
  80. 相澤重明

    相澤重明君 次に、いま一つは、昭和三十年度から三十五年度までの決算検査報告による不正不当事功の件数、金額、これを農林省の項を提出をしていただいたのでありますが、なるほど不当不正事項の件数は、ここ三十三年、三十四年は減ってきました。しかし不幸にして三十五年は、実は非常にふえたわけであります。金額は若干減っておりますけれども、件数がふえておるということは、必ずしもこれはよくなったとはほめられないわけですね。この点について、なぜこういう決算検査報告による不当事項が多くなったのか、これをどうしたならば今後減らすことができるのか、その点については、これはすでに当局としても御説明ができると思うので、御説明をいただきたいと思います。
  81. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) ただいま御指摘のとおり、会計検査院に指摘されます事項がふえまして、まことに遺憾に存じておるわけでございます。その中身でございますが、農地局関係で申し上げますと、先ほど先生の御指摘になりました、干拓地の問題を抜きにいたしますと——除外しまして申しますと、国有農地、国有未墾地の管理が適正を得ていないということが一つと、もう一つは補助工事につきまして工事の妥当でないものがあるという一点でございます。  前者の国有農地等の管理の適正化の問題につきましては、正面のところを申し上げますと、従来国有農地の管理を担当しておりました都道府県の職員が非常に定数も少のうございまして、手が回りかねた点がございます。これにつきましては、おそまきではございますけれども三十八年度に従来の百二十名から三百八十名への増員要求並びにこれに必要な事務費等の要求をいたして、今後とも万全を期したいと考えておるわけでございます。  それから工事の不適当なものにつきましては、よく都道府県のほうに指示いたしまして、その業者の今後の措置等につきましても、適切を期するように指導を行ない、なお工事の主体につきましても、十分その旨の徹底を行ないたい。かように考えている次第でございます。
  82. 相澤重明

    相澤重明君 次に、政務次官にお尋ねしておきたいと思うのでありますが、前回農林省決算の際に、米の消費者価格の値上げに伴う問題として、米穀の配給米改定の点を、通常国会二十四日召集ですから、その前後にわかるようにしておいてもらいたい、こういう要請をいたしました。これについて、私は作業が進められておると思うのでありますが、今関係人たちからは、現行の小売マージンが五・四六%のものを少なくとも九・八四%に改善をしてもらいたい。卸が三・〇一%のものを四%に引き上げてもらいたい、こういう要請が強く出ておるわけであります。したがって、十分相談をしてくれるようにということを私は申し上げたのでありますが、作業を進めておって、この通常国会前後に、前間申し上げたように、これらの要請について改定ができるのかどうか、農林省作業の中間報告をひとつ次官からしていただきたい。いずれまた通常国会があれば、また私はお尋ねしなければならぬのですが、作業の中間報告を、決意のほどをお示しをいただきたい。
  83. 大谷贇雄

    政府委員(大谷贇雄君) 先般相澤委員から、マージンの改定の問題、お話のように御要望がございまして、二十四日の召集日ぐらいには、ひとつきめよというお話がございましたが、そのときにも申し上げたように、農林省といたしましては、せっかく検討をいたしまして改定する努力をいたしておりますが、通常国会早々にということは、直ちにそういうことにいたしますということは、予算編成とも関係をいたしておりますから困難でありますが、極力努力をいたしますという御返事を申し上げたのでございますが、今申し上げましたような予算編成にもからんでおりますので、御要望に沿いたいとせっかく努力をいたしておりますが、今直ちに、いつ幾日に御回答申し上げるという点までは申し上げることができぬので御了承をいただきたいと思います。
  84. 相澤重明

    相澤重明君 次に、畜産局長にお尋ねをするわけでありますが、前回、時間の関係でせっかくお見えになったけれども質疑ができなくて残念だったのですが、今一番問題になっておるのは、せっかく酪農振興を政府が呼びかけておりますけれども、それに基づいて農民諸君が乳牛等を非常に飼畜しておるわけでありますが、買いしげる業界が、いわゆる生乳を買い上げるのに非常に値下げをして、そして農民の生産費に償うことができないような事態が現在生まれつつある、これに対しては、いわゆる関係の農業団体、あるいは酪農組合ですね、あるいはまた政党からも、農民団体の人たち意見として強く農林省要請をされておることだと思う。この善処方について、これに対して一体、当の担当者である畜産局長は、業界が乳製品の買い上げのいわゆる消費の問題とも関連をして値段を下げるという問題について、どう対処していくのかと、こういうことは、日本の農民にとっては、きわめて大きな問題でありますが、畜産局長からひとつ、御意見を述べていただきたいと思います。
  85. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) ただいま相澤先生から御指摘がございましたように、本年は牛乳の生産は、きわめて順調に伸びて参っておりますけれども、御承知のように牛乳の消費は、なまで飲むいわゆる飲用乳としての消費と脱脂粉乳、バターその他いわゆる乳製品としての加工に消費いたしますものと、両方の別途があることは御承知のとおりでございます。今年は生産のほうは、先ほども申しますように、きわめて順調な伸びを示しておる。むしろかつてない異常な生産の伸びを示しておる。ところが遺憾ながら飲用として、なまで飲みまする飲用乳の消費が、御承知のようなことしの夏場の天候等の影響等もございまして、伸び率が非常に低下をしておるのであります。その影響もございまして、しぼった乳を腐らすわけにも参りませんので、結局乳業メーカーは、これを乳製品のほうの加工に回すという処置をとって参っております。そういう本年の牛乳の生産並びに消費が、従前と異なった様相を呈しました結果、現在乳製品のほうの在庫がかなりふえ、かつそれが一般の経済の影響もございましょうけれども、市況が非常に悪化した、こういう状況がございまして、ただいま御指摘がございましたように、全国の生乳の生産者団体と乳業メーカーの間で、全国各地で乳価の値下げ交渉が行なわれつつある状況でございます。  この点につきましては、ただいま相澤先生が御指摘なさいましたとおり、酪農の振興ということは、わが国の農業の振興にとりましては非常に大きな問題でございまするので、そういう乳価の値下げという現象が起りますことは、好ましくない現象でありますことは申すまでもないことであります。従来、これに対しまして農林省といたしましては、極力乳価値下げが起らないように、たとえば、相澤先生承知のように、本年の十一月からは牛乳の学校給食、余剰乳を学校給食に振り向ける措置を講じまして、ただいま実施中でもございまするし、また、乳業メーカーに対しましても、もちろんこれは契約はそれぞれの生産者の団体と乳業メーカーとが個別に取引契約をいたしておる問題ではございますけれども、そういう価格の値下げにつきましては慎重な行動をとるようにという、私どものほうといたしましては、そういう希望も述べて、今日まで参っておるのでございますが、この問題につきまして、私どもといたしましては、やはりそういう季節的に牛乳が余るという問題を解決する必要がある。そのためには、生乳の消費の拡大をはかっていく必要があるということから、ただいま引き続き、一月以降の第三学期の学校給食につきましても、相当大量の乳を引き取ってもらいたいということで、大蔵省とも予算折衝をいたしておる最中でございます。また、ひとり牛乳のみならず、乳製品——牛乳、乳製品を通じまして、消費の拡大の措置を、どうしてもとって参らなければ、市況が回復して参りませんので、これらにつきましても、業界といろいろただいま相談いたしておりまするけれども、相当大がかりな消費拡大運動を展開して参ろう、かようなことで、目下いろいろな計画を立案中でございます。  かいつまんで申し上げますと、以上のような状況に相なっております。
  86. 相澤重明

    相澤重明君 三十五年度の決算で、いわゆる畜産振興対策の中で、特に、今、局長から答弁されたように、学校給食等の問題があるわけでありますが、政府予算編成の中で、三十五年度においては、牛乳、乳製品学校給食費補助金が五一%しか使用されておらない。これはやはり政府の方針がかわったことが、こういう予算の実は使い方に現われてきておるわけです。せっかく予算をたくさんとっても、結果論としては五一%しか使用しなかった、こういうことは、私は決算報告を見ると、まことに残念なのです。そこで、需給事情が違うということが、この中にうたわれておるのでありますが、やはりこれは政府の態度そのものが、こういうふうになってきたと私は思うのです。したがって、今、畜産局長の言われる十一月から当面のいわゆる緊急対策といいますか、いわゆる生乳買上げの問題を指示されておるわけでありますが、三十八年度の一般予算通常国会に出されますが、当面十一月から三月までに幾らのいわゆる学校給食に対する予算的な裏づけをしたのか。その点、せっかく農林省が買ってやってくれと、あるいは学校の給食にひとつやってくれ、こういわれても、その裏づけがなければできないわけです。この点、畜産局長からひとつ御答弁いただきたい。
  87. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) ただいま御指摘のございました三十五年度の決算で、当初予算に対しまして学校給食用の牛乳なり、乳製品の消費がほとんど半分ぐらいしか実行されてないという御指摘、御指摘のとおりでございます。実はこの点は、三十五年度の予算を編成いたします当時は、御承知のように、三十三年度、三十四年度は、牛乳の需給事情が非常に悪いときでございまして、乳価が相当下がった時代でございます。そのために三十二年度から、御承知のような学校給食制度も始まったわけでございますけれども、そういう背景のもとに、三十五年度は相当量の学校給食に依存しなければならぬであろうということから、これだけ大量の予算を実は獲得して実施に入ったのでございますが、相澤先生も御承知かと思いますが、たまたま三十五年度に入りましてから、牛乳の需給事情が逆に好転をいたして参りまして、むしろ牛乳生産者が、従来学校給食に供紛いたしておりました生乳を、より有利な乳業者のほうに持っていくというふうなことから、学校給食が事実上、これ以上実行できなかったという事情にあるわけでございます。この点は相津先生もよく御承知のとおりであります。  なお、そういう問題と関連いたしまして、ただいま御指摘がございました当面の乳価措置でございますけれども、こういうふうに一般予算に計上いたしますると、年度の途中から不用なものが出て参るというやり方は好ましくないということから、三十七年度におきましては、一般予算でなくて、畜産振興事業団の交付金の中に、学校給食関係の補助金が組みかえられております。これも御承知のことかと存じます。で、三十六年度の学校給食用の畜産振興事業団に組み入れておりまする予算は、生乳十六万二千石で、補助金の金額が六億でございます。ただいま申し上げましたように、この十一月と十二月——第二学期に、ただいま実行中のものが六万石でございまして、約二億余りに相なります。したがって三学期——一月以降の一月 二月、三月、主学期には、残った十万石、金額にして約四億近いものになりまするけれども、これを実施して参りたい、かようなことでただいまその準備を大蔵省とも折衝いたしておるような状況でございます。
  88. 相澤重明

    相澤重明君 いま一つは、今の、当面の緊急対策というのはわかりました。そこで、まあ局長も御承知のように、一般の町の売り価を考えれば、農民から買い上げた価格とは大へんな違いであることは御承知のとおりであります。これはやはりただ業者に買うのをまかせると、こういうだけでは問題は本質的に私は解決しないと思う。いわゆる畜産物の価格安定法というものが作られておっても、今のままでは、業者の買いたたきにあう、つまり農民は弱いから先ほど局長答弁したように、せっかくしぼった乳が売れなければ、あるいは加工ができなければ腐ってしまうのですから、結局は、もう相手の言われるままにたたかれてしまう、こういうことが私はやっぱり本質的な問題だと思う。  この点を、どうしたら是正できるのか、これは政府としては、一番大事なところじゃないかと私は思うのです。これに対する政府の見解をひとつ述べていただきたい。
  89. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) ただいま御指摘の点、私ども全く同感で、きわめて重要な点の御指摘であったかと存じます。御承知のように、現在生乳の取引というものは、生産者団体、これは大体全国で千五百ぐらいの生産者団体があるわけでございます。それと大手四社、あるいは中小の数十社、こういう加工業者との間の、しかも個別の、それぞれの工場ごと、地域ごと、村ごとに取引形態が違っておるわけでございます。したがって、契約の態様も、それぞれ契約当事者が違いますごとに内容も違って参るという状況でございまして、しかもできまする乳は、なまものでございますから、早急にこれを処理しなければ腐ってしまうという、まあ普通の商品と違った特殊の取引を要する、また取引に改善を要する商品であろうかと存じます。その点につきましては、まさしく御指摘のとおりでございます。  そこで、私どもといたしましても、生産いたしまする生産農家も安んじて生産ができ、またこれを加工いたしまする加工業者のほうも、安んじて、原料がスムーズに入手できるという必要がどうしても起こるわけでございまして、そのためには、生産者の立場から見まするならば、できたものが腐らないで、科学的、衛生的な処理ができて、スムーズに工場に持ち込めるというための、いろいろな施設が必要でございます。これらについて必要な国の助成もいたしておりまするし、さらに根本的な問題は、やはりただいま御指摘のございましたように、生産者側と需要者側との間の、今日全くこれは自由な取引契約でございまするけれども、この契約の合理化の措置がとれないものであるかどうか、これは非常に大きな問題を含んでおると思いまして、先般来私どもも、各県に、酪農生産者の団体を打って一丸といたしまして、酪農会議というものを各県ごとに結成を慫慂いたしておりまして、ほとんどの生産県では酪農会議ができまして、そういう生産者は生産者としての内部的な自主調整を、どういうふうにはかっていったらいいかということの検討をいたしてもらっているような状況でございます。また、特に、地帯によりましては、季節的に非常に生産が片寄る傾向が従来からあるわけでございまして、そういう片寄ったもの、季節的に過剰になるようなもの、それを単に余ったから学校給食に回すというのではなくて、そういう余剰乳を学校給食に押しつけるという形のものでなくて、そういう余剰乳の出ますような地帯は、これを計画的に、生産者あるいは付近の関係の乳業メーカーが相寄りまして、それを適確に加工するという方法も考えられないかというふうなことで、ただいま私どものほうでも鋭意検討をいたしておるような状況でございます。
  90. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、政府が今そういう乳価の安定、あるいは畜産物の価格安定法を最大限にひとつ守っていきたい、こういう気持はわかりました。  そこで、政府が当面乳製品等をやはりある程度買い上げる準備をしなければ、先ほど申し上げた乳業会社に口実を与えるだけだと私は思う。そこで、今政府がおそらく準備をされておると思うのでありますが、どういう品物を、どのくらいの、いわゆるものを買い上げをするつもりなのか。この準備をされておることを、できたら御報告いただきたい。
  91. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) ただいま御指摘のございました畜産振興事業団を通じまして乳製品の買い上げをすることのできる制度があるのでございます。これは畜産物の価格安定等に関する法律という法律がございまして、その法律の規定に従いますると、法律の規定によって指定乳製品の価格が、国が定めておりまする安定帯価格を割った場合、あるいはこのまま放資すれば割るおそれがあるような場合、てこ入れとして、これを発動するという制度に相なっておるわけでございまして、これにつきましては、ただいまわれわれといたしましては、先ほど学校給食に生乳を、三学期以降も回していくとか、あるいは牛乳並びに乳製品の消費拡大を大々的に展開していくとかいう、いろいろな措置と併行いたしまして、一体いつごろから、どういうものをどの程度買ったらいいのかということにつきまして、ただいま実はまだ内部のほうでいろいろと、いろいろな角度から検討を進めておる段階でございます。なるべく早い機会結論を出したい、かように考えております。
  92. 相澤重明

    相澤重明君 これはいつごろ結論を出すつもりですか。少なくとも今の農民——まああとで、私は流通問題も少しお話ししようと思うのですが、とにかく一上番生乳と関係のある乳価の問題が、何といっても大手会社が、なふなか今の形のままでは、この価格を引き上げるということはしないと思うのですよ。そこでどうしても、今局長答弁されたような方向を早くきめない限り安定しないと私は思う。そこでこれは、私は貿易自由化にも関係をして、もし乳製品を現状のままで輸入をするということになると、日本農民の死活問題にまで発展をするのじゃないか、こう思うのです。  したがって、この点は絶対にわれわれとしては、看過することのできない、見のがすことのできない問題だ、こう思うので、政府は一体、いつごろまでにやる気なのか、こういった点は、やはり私はこの機会に明らかにしてもらわぬと納得ができないわけなんです。次官と局長もそろっておるわけですから、もちろん大臣とも御相談の要ることは私も承知をしております、承知をしておりますが、一定の時期、あるいはこのくらいの、事務的に今やらなければ流通機構に対しても困るという点は、私ははっきりしておると思う。そういう点については御答弁できないのですか、いかがでしょうか。
  93. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) ただいま相澤先生から、事業団買い入れについて、緊急に、時期を失しないでやるべきではないかという御指摘がございます点、全く私どもも、その基本的な考え方につきましては同感でございます。先ほども申し上げますように、当面、ちょうどこの冬場を迎えまして、しかも続々と乳が出ておるわけでございまして、乳は出ておるけれども、特にこの冬場は飲用乳の消費は少ない。夏場が少なかっただけでなくて、冬場も少なくなるということになれば、ますます生産の圧迫が、いわゆる加工乳の乳製品のほうに出て参るわけでございます。したがって、この問題の打開策といたしましては、余る生乳を学校給食に回すということ、これはもう当然文部省なり学校関係、各学校の御協力をいただかなければならないことでございますけれども、そのほかに、ただいま御指摘のございますように、乳製品そのものの事業が、もっと安定するてこ入れ措置が必要ではないか、この点も私どもも、実はさように考えておるわけでございます。ただ問題は、そういうことを実施いたしまする時期なり方法なり、あるいはどの程度にやれば、どの程度の効果があるかというような問題につきましては、なお政府部内でも、大蔵省その他とも予算執行の関係もございまし、検討いたさなければならない問題が多々ございます。至急に私ども、この検討を進めて参りたい、かように考えております。
  94. 奥むめお

    ○奥むめお君 ちょっと関連して伺いますが、学校給食にいつもお出しになること、大へんけっこうだと思うんです。しかし、今、栄養のほうから考えますと、学童の栄養は、文部省が——教育委員会がやっていますね。それから、その前の子供の栄養は厚生省がやっておりますね。おとなの栄養は農林省管轄ですね。牛乳に関する限り、そういうふうにばらんばらんに国民の栄養というものが引き裂かれているんですよ。農林省は、この牛乳の問題に関しては、国民の栄養という観点からなさるべきじゃないか、これが一つ。  そうなりますと、学童だけを消費拡大消費拡大とおっしゃるけれども、これは学校雑食に、今日まで余ったら回す、これは学童の栄養じゃないんだ、余ったものの処理方法ですよ。こんな農林省の態度ありますか。あるいは文部省の態度が、こんな態度ありますか。栄養としてやるといったら、なくても苦労して飲ませるというのが栄養じゃありませんか。私はそう思うんです。  それから子供やおとなの分は、これは農林省——子供は厚生省ですね、厚生省はなぜ、もっと安い牛乳をたくさん飲ませるということに消費拡大の筋を通しなさらぬのかと私は思うのですけれども、何か、できない理由がございますか、それが聞きたいのです。
  95. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) 牛乳が国民栄養に非常に重大な栄養食品でありますことは、ただいま御指摘のありましたとおりでございまして、いわゆる完全食品という言葉で呼ばれていることでございまして、これ以上は釈迦に説法でございまするから申し上げませんけれども、ただ、それを学童、学校給食に振り向けるのが、いわゆる余剰乳の処理という、余りものを処分するために学校に回すということについての、ただいま御批判を賜わりました。私ども全くその御批判は甘んじて拝聴をいたさざるを得ないのです。この点は、先ほど相澤先生からも御指摘がございましたように、政府が一定の計画をあらかじめ立てまして、本年はある程度学校給食に回すということでスタートいたしましても、御承知のように、牛乳の取引そのものは自由になっております。したがって、生産者側からも見まするならば、牛乳がもっと有利に、工場のほうに持っていって有利に売れるとなれば、これはやはり有利なほうに持っていくのが人情であろう、それをある程度制度的に、一定数量は優先的に学校給食に取っていく、割愛していくんだということが制度的に考えられるかどうか、この点は、農家の経済の立場からも、あるいは従来の生乳の取引実態からも、相当やはり検討して参らなければならぬ大きな問題を含んでおると思います。  しかし、御指摘の点は、私どもも全く同感でございまして、こういう点が将来のやはり牛乳の消費拡大、あるいは国民の栄養の確保という見地からも、さらに検討をして参らなければならない大きな問題の一つであろうという心がけで、私どもも、実は寄り寄り、それらの問題についても検討をいたしておる次第であります。
  96. 奥むめお

    ○奥むめお君 まだ一つ答弁がたいのですが、おとなに飲ませる、おとなは安くあれは飲めるんです。もっと飲みたいのですよ。決して消費は減ったのじゃないのです。減らしたのです、牛乳を値上げして。非常な値上げですよ。ことしに入ってから、だから飲みたくても飲めない。一軒の家が何本飲んでいるか、お調べになっていますか。これは、お父さんが飲めば、子供が飲めない、子供が飲むと、お父さんはがまんする、お母さんはもちろん飲めない。この実態をそのままにしておいて、牛乳の伸びがないのだ、生産が伸びて、消費が伸びないとおっしゃるのは、農林省の専門家とも私は聞こえませんと言いたいのですよ。だから、高過ぎるのですから、そんなに業者が手持ちを倉庫へ寝かしておくものをお買いになる金があるなら、乳価をリベートして消費者に安く売りなさい、ほんとうに飲みますから。決して消費の御心配は要りません。われわれが、個人のことを言って申しわけないけれども、安い牛乳を売っていまして、ほしいけれども提供してくれないんですよ、牛乳をたくさん。だから、われわれは少ないものだけでも必死にこれを続けております。  こういう際に、あなた方が、消費が伸びないとおっしゃるのですが、何とか消費者に安く渡す道はできないものか、牛乳の市販価格を。ことに、このころは色のついたコーヒー牛乳がうんと出ておりますから、白い牛乳は飲めませんですよ。こんなことを、農林省は、白い牛乳は全乳だという腹がほんとうにおありになるなら、私どもは、国民に全乳を飲ませてやるというその態度で栄養確保に進んでもらいたいと思うんですけれども、それができない理由がございますかということを聞きたい。
  97. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) 大へんうんちくのあるお説を拝聴いたして、私も実はごもっともと存じます。御承知のように、おとなに対する牛乳の消費の拡大ということ、やはりそれは価格問題であることは、私どもも重々承知をいたしております。この春も御承知のように、牛乳の値段が上がりましたけれども、上がりました際も、これはまた上がるには上がるだけの理由があって、市乳の配達経費の増大とか、いろいろな理由がございましたけれども、その際も、値上がり分の半分は、むしろ生産農家に返せという指導をいたしました。残りの半分が市乳の販売業者のマージンになっておるという経緯もあるのでございます。問題は、したがって、牛乳そのものの価格が、さらにもっと安くなれば消費者が拡大するというとこは、御指摘のとおり、確かに理屈のあるところでございます。  これには、ただいま申し上げましたように、生産者の側から見れば、牛乳は高いほどよろしい。消費者の側から見れば安いほどよろしい。これはもっとも千万な理屈でございますが、その中におきまして、特に、ただいま奥先生が御指摘になるのは、いわゆる飲用乳としての加工業者、中間における加工のマージン、あるい配給のマージンが高過ぎるのではないかという、この辺にも、やはり私ども検計いたさなければならない大きな問題があると思います。確かにこれは、御指摘のとおりでございます。その辺についての検計を私ども、もう少しいたさなければならない、かように考えております。
  98. 奥むめお

    ○奥むめお君 検討と言わないで、どういうふうにお考えになりますか。できないことですか、それは。私は、それが聞きたい。農林省ではできないのか、それとも、実際上できないのか、私は、いとやすいことだと思いますが。
  99. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) 現存の市乳の配達価格を国の権力をもってして値下げをやれということは、これはまあ御承知のように、一つの産業として、一定の経費をこれによってまかなっておる廃業でございますから、これは容易でないと思います。思いますけれども、もっと、要するに、市乳の加工なり、あるいは配給なりについて合理化の余地があるのではないか、こういう点は私どもも、寄り寄り検討いたしております。特に最近のように、配達経費が非常にかさむ、人件費のために、なかなか、今の御指摘のように、市乳の価格を下げるどころか、むしろ、上がるのを、どうして食いとめるかというぐらいのところに問題があるわけでございますから、そういう点の市乳の生産なり保管なりの合理化措置を、国としても予算上の裏づけでもいたしまして考える余地がありはしないかということで、私どもは、ただいま検討をいたしておるような実情でございます。
  100. 奥むめお

    ○奥むめお君 今度は乳価の問題で——えさの問題です。酪農は非常に困っておりますし、それから輸入に依存度が強うございまして、これはどういうふうになさる御計画ですか。今やっていなさることは、ほんとうに酪農泣かせで、ひどいことだと思って見ていますが、いろいろ要望も出ていると思いますけれども
  101. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) 牛乳の問題は、せんじ詰めますとえさの問題であるといわれておるぐらいでございまして、確かに御指摘のとおり牛乳の対策を講じます場合には、えさが安く豊富に供給される措置を講ずる必要があるということはおっしゃるとおりでございます。特に乳牛のように食性の家畜でございますと、栄養のある安くて豊富な草の供給ということは非常に大きな問題になって参りまして、わが国のそういう粗飼料の自給度というものは、大ざっぱに申しまして、まだ半分しかない、あとの半分は、いわゆる濃厚飼料あるいは輸入いたします輸入飼料等に上って、これがまかなわれておるわけでございます。  私ども実は、今後の酪農の発展ということを基本的な観点から検討いたします場合には、まだまだ日本の原野には、そういう草地、利用し得べき草地がたくさんある、それから既耕地におきましても、田畑のような既耕地におきましても、これを有効に輪間作な導入いたしましてやっていきますならば、これは有効に利用できる道があるのではないかというふうなことで、実は畜産局の来年度予算にも、その辺に重点を置きまして、草地改良等の予算を相当大量に要求しておるような状況でございまして、えさの問題につきましては、そういう観点からさらに私ども、十分力をそそいで参りたい、かように考えます。
  102. 相澤重明

    相澤重明君 今、奥委員からも指摘がされましたように、生産、流通、消費というこの三つは、農業構造改善に一番中心になると私は思うんです。そこでこの飼料の価格をできるだけ低くする、こういうことは、もう当面政府がやらなきゃならぬ施策の重要な一つだと思う。したがって、これは、今御答弁いただきましたが、ぜひ早急に、その問題をひとつ対策を樹立していただきたい。そこで私は、時間の関係上他省の決算もやらなければなりませんので、次のような資料をひとつ御提出いただきたい。  まず第一は、現存の、今局長答弁されました飼料ですね、これを作っておるメーカー、大きい会社でけっこうです。それから品名は、どういうものが一番適しておるのか、また現在生産されておるのか。それから、その数量、年間どのくらい農林省としては見込んでおるか、価格はどの程度になっておるのか、これを当面の問題として資料提出していただきたい。  それからいま一つは、全国の酪農振興が非常に推進されておるんでありますが、現在の乳牛の数、それから三十八年度の予算編成を今急いでおるわけでありますから、農業構造改善に伴う酪農振興対策として、三十八年度にはどのくらい政府はこれを育成をするつもりなのか、それからそういう見通しですね、そういうものをひとつ出してもらいたい。同時に、これはやはり国民の食生活に大事な関係がありますから、豚と鶏の数も出してもらいたい。いわゆる豚は何頭、どういう種類が今奨励されておるのか、政府考えもあるでしょう。それから鶏の数、鶏の中には——これは何羽、何頭という言い方もあると思うんですが、つまり、肉で買うのと卵を生ませるのと二通りになると思う。そういう面で、卵はどのくらい年間、政府としては見込んでおるのか。これはやはり貿易自由化に伴う農業関係としては、きわめて重要な関心を持っていることですから、そういう資料をひとつ御提出をいただきたいと思うのです。いずれ政府が、こういう流通機構についての問題については、早急に先ほどの乳製品あるいは生乳問題を含めた対策を樹立されると思いますから、いずれお聞きする時期があると思いますが、とりあえずそれらの資料提出していただきたい。以上で、農林省関係を終わります。
  103. 村田豊三

    政府委員(村田豊三君) ただいま御要望のございました資料は、できるだけ早く整えまして提出いたします。
  104. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  105. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記を起こして。
  106. 相澤重明

    相澤重明君 次に、通産省についてお尋ねをしたいと思うのでありますが、特にきょうは緊急問題として、通産次官にぜひ私は政府の所信をお尋ねしたいわけです。  それは、けさ私が新橋駅に行きまして、自動車に乗ろうと思ったのでありますが、きわめて自動車の数が少ない。なぜかというと、実は東京都内におけるハイ・タク業者にガソリンを業者が配給しない。きのう四千何台、本日は一万台という、いわゆるハイ・タクに業者がガソリンを売らないということが行なわれている。これはきわめて重要な問題。これは国民の足をとめることもまた重要なことであると同時に、どちらかといえば、零細ないわゆるハイ・タク業者の経営にもきわめて重要な、いわゆるガソリンの値上げを協定をして、それを一方的に押しつける。五円の値上げを認めなければ、ガソリンを配給しない、こういうことが言われておるわけです。これは一体なぜ、そういうことが行なわれておるのに政府が関知しておらないということは重要な問題だと思う。きょう時間があれば公正取引委員長も呼んで、実はこの独禁法違反の疑いありとして追及するつもりなのですが、時間がないし、予定されている通産省の他の項目があるので、そのほうに重点を置きたかったのでありますが、きのう、きょうのこの都内におけるハイ・タク業者に対するガソリン業者の配給をとめるというようなことは、私はまことにもってのほかだと思う。しかも、独禁法にきめられているところの価格を協定して、そうして売らないというのは重要な私は問題だと思う。こういう点について、政府は当面する、こういう問題をどう考えておるのか。また、どう対処していくのか、この点について、次官の所信をひとつ聞いておきたい。これは本来ならば通産大臣にどうしても聞いておかなければならぬ問題でありますが、大臣が今衆議院のほうにおりますので、とりあえずひとつ次のほうからお考えを聞いておきたい。
  107. 上林忠次

    政府委員上林忠次君) ガソリンの原料であります原油の現在の値段が、相当販売競争の結果安いものが入っております。そういうような、たとえて申しますと、輸入の原油が相当安い。かような点、またできましたガソリンにおきましても、だぶついておる、製品がだぶついておるというような点で、業者が販売競争をいたしまして、なるべくこれを早くはかせようというので、競争して安くしております。そういうような点で原価を割っているというような状態が見受けられるのであります。かような状態では業界の発展が望みにくい。世界じゅうで一番安いのは日本の原油であり、また、日本の原油からできた製品であるガソリンであるというようなことで、さような状態から考えますと、これを常軌の状態に戻して適正なマージンを与えなくては業界が発展しない。このガソリンがいかに日本の産業の発展に貢献しているかということは、もう言うを待たない点でありますが、さような点を考えますと、何とかリーズナブルな利益を与えてやらなくちゃならぬ、こういうことで販売競争を少しとめるために標準価格というものを最近きめております。その標準価格が相当上がっておりますために、標準価格で光りますと値段が高くなる結果、買う消費者のほうでは不買同盟をするというような点が現われまして、それじゃ売らない、不買同盟をするなら光るほうでも売らないというようなことが市場に現われているのじゃないかしらと思います。この点につきましては、流通を円滑にするために、何とか手を打たなくちゃならぬじゃないか。もうしごく早急の間にこれは手を打つつもりであります。また、通産行としてはどういうふうな手を打つかというようなことはまだ決定しておりませんが、急いでやるつもりであります。
  108. 相澤重明

    相澤重明君 次官の言う販売価格を、標準価格をきめたと、こう言うのでありますが、標準価桁であるか協定価格であるかということは、いわゆる法律的に言うときわめてむずかしい場面だと私は思うのです。ですから、公正取引委員長を呼んでやらなきゃいかぬ問題なんです。まあそれはそれとして、きょうはそういう問題に、それだけに入ってしまうとほかのことができませんから、きょうは質問を留保しておきます。これは留保しておくが、年末から年始にかけて、もしきのう、きょうのような、いわゆる業者がガソリンの配給を停止すると、一方的なそういうようなことをやるようだったらこれはたいへんなことですよ。非常な波乱を来たすことになる。したがって、あなたから最後に御答弁いただいたように、早急にこれは調整といいますか、とにかく政府が手を打たなければならぬことだと私は思う。それから原油の問題等についても、私は政府資料もちょうだいをして実は検討をしておるわけなんです。私は、日本が世界一安いからというような理屈だけでは決して済まされない問題だと思う。しかも、本日も本会議において提案をされました石炭鉱業等の各案件考えてみると、これは日本のエネルギーの問題としてはきわめて重要な問題です。もしこの原油の問題に政府がよほど腹を締めてかからない限り、民族資本の少ない現状においては、国際資本によって、われわれはいつでも引き回される、こういうことが考えられるわけです。ですからこそ、政府の中においても、石炭産業の問題と関連をして、重油、石油、ガソリン等の問題は、重要なエネルギーの対策として考えなきゃならぬ、こういうことになっているわけです。しかし、これは本日は時間がありません。いずれ大臣にこのことは答弁をいただくことがありますから、次官からもぜひこの点についてひとつ御連絡をいただいて、当面する——今のハイ・タクをとめるということは、絶対にこれは許すわけにはいかないので、早急に手を打つようにこれは希望いたしておきます。それで、そういうガソリン、重油、石油あるいは石炭、こういうようなものは今次臨時国会の中でも重要な問題でありますから、政府でも十分御検討をいただきたいと思うのです。  そこで、本日の通告をしておりました議案について、ひとつ御質問をしたいわけでありますが、最初に、先日の当委員会における日本カーリット株式会社の横浜保土ケ谷工場の爆発事故についての経過報告をお願いしたいと思うわけです。これに基づいて、私は通歴省並びに警察庁の態度というものをお尋ねをしたいと思うので、まず経過報告をひとつお願いしたいと思う。
  109. 倉八正

    説明員(倉八正君) それでは御報告いたします。この日本カーリットの保土ケ谷工場のいわゆる爆発事故というのは、十二月七日の十時半ごろ起こりました。この爆発した火薬というのは、耐水特紫Lという種類のカーリットでございまして、その原因につきましては、今われわれとしましても至急鋭意調査中でありますが、火薬工場の事故の常としまして、そこの作業中の者が全員死んだわけでありまして、その原因の的確なる究明というのが、今のところは、きょう今現在においてはできておりません。急いで調査中であります。で、事故の内容としましては、死者が三名、重傷者三名、軽傷者二十五名というように、死傷者を出しましてまことに申しわけないと思っております。この対策につきましていろいろ今やっておりますが、まず考えられることは、今からちょうど二年前に、火薬取締法というのを相当大幅に改正いたしまして、この爆発保安基準というものを相当強化したわけであります。今度の事件が起きました工場につきましても、たしか防壁なんかも相当強化したつもりでありますが、その強化した壁を破って隣の埴薬室に波及したということで、さらに、こういう基準につきましても、今後専門的な児地からいろいろ検討を加えたい、こういうふうに考えております。  この事故が起きますと同町に、われわれのほうからは専門官を派遣し、また、地方の警察、県と一緒にその対策あるいは今後のいろいろな処置の取り上げ方というのにさっそく下を回しまして、今申し上げましたような報告が出たわけでございますが、今後の復旧につきましても、かかる事故が再び起こらないようにと思いまして、今さっそく専門家からなる研究会、研究グループを作りまして検討を始めたわけであります。
  110. 相澤重明

    相澤重明君 今経過報告を承ったわけでありますが、この人数の問題についても、私が現地に直ちに行って調査をしたのと若干違います。それは死者は五人、そのとおりでありますが、重傷者も五人です。それから軽傷者は三十三人。それもかなり傷を負った者が多い。昨日も衆議院の方々が現地調査に実はおいでになっておるわけであります。そこで私は少なくとも、衆議院の商工委員の自民党の皆さんもおいでになって、この火薬等を初めとする爆発物、危険物、こういう問題の処理については、政府が早急に対策を樹立しなければならぬのだと思います。私は三十四年の当時、東洋化工の爆発問題の緊急質問として本会議で政府答弁を求めたわけであります。当時、今の池田総理大臣が通産大臣でありましたが、これに対するところの火薬の取り締まりというものが、あるいは保安の強化ということが、政府として行なわれたのでありますけれども、私は現地を見てみて、必ずしも政府のきめた基準に適合しないのではなくて、むしろ基準よりはより以上実は会社の中の難物あるいは防護壁というものができている、こういうことを言われているわけです。しかし、それにもかかわらず事故が起きている、しかも、多くの死傷者を出している、こういうことを考えますと、現在まで、三十年以来にしても三回、その前後含めますと、約十回に及ぶこの会社の事故というものが起きている。こういうことを考えて参りますと、単にこれは日本カーリットの問題だけでなくして、金田に今起こっておる爆発物等の危険を考えますというと、私は、抜本的な対策というものがとられなければならないだろう。そしてそういう抜本的な対策を樹立をすると同時に、当面、今規制をしなければいけないのは何だろうか、こういう点を私はあわせて進めなければならないと思う。そこで最初に、当時私が決算委員会で緊急質問政務次官に行なって、そして決算委員会をやめていただいて現地に私も飛んで行ったのでありますが、その際、現地におけるところの消防官や警察官が非常に早くこの被害場所に到着をして、種々の手配を講じてくれた、こういうことを私も聞き、また現実に見て参りました。この点は、この席から、政府としても非常の場合のそうした消防官や警察官の努力に対しては敬意を払ってよろしいと思う。何らかの方法があればこれらを表彰するとか、あるいは何らかの処置をとって、やはりよいことはほめてやる、こういう態度をとってもらいたいと私は思う。それがいざという場合に、被害を多くしなくて済む、こういうことの日常のことにもなりますから。今回の問題について私が現地に飛んで行ったときに、そういう事態を見せていただきまして、たいへん喜んでおるのであります。この点は、消防庁あるいは警察庁に深い敬意を表するとともに、どうか部下のそういう前線に働いておる者には、私は十分やはり処置をとってもらいたいと思う。しかも、非番の者まで出てきて、たとえば警察の場合ならば、保土ケ谷署ばかりでなく、遠くにあるところの大岡署あたりの警察官も臨時編成をして、そして処置に当たってくれた、こういうことで地域住民は非常に喜んでおりました。この点は私からお伝えしておこうと思う。  さて、よいことはよいとして、やはり爆発物、危険物というものは、どうしなければいけないか、こういうことに対する私はひとつ問題をしぼってお尋ねをしたいと思うのであります。そこで、昨日も衆議院の商工委員会の常任委員の諸君が現場を見て、結局は、現在のいわゆる保安基準というものに対して、やはり再検討をする必要があるのではないか、こういうことを言われておるのであります。この点について政府はどう考えるか、これが一つであります。  それからいま一つは、たとえば事業の再開をするについての、今後こういう危険物等の再開の場所については、やはりいま一度考える必要がある。先ほど横川委員から工場等の問題についての指摘も、建設省に質疑が行なわれておったのでありますが、住宅地域あるいは工場でも、他のそういうこれらの事故によるところの大きな損害を予想される誘発の問題を考えてくれば、やはりこの危険物、爆発物を扱う工場については、一つ別な観点から再検討しなければならぬのではないか、こう思います。この二つ目の問題について政府はどう考えるか。  三つ目に、さらにこういう事故が繰り返されて、まあ日本の大体二つのメーカーのうちの一つでありますけれども、とにかく再建にはかなりの時日も必要であろうし、また、従業員も非常にこれは心配をしておるわけです。したがって、再建についてのいわゆる政府融資、こういうようなものはやはり緊急を要するものではないだろうか。これは火薬が必要でないということになればそれはつぶれてもいいと思う。しかし、そうでないとするならば、これはやはり政府としても重要な関心を持ってそれらの態度をきめなければならないだろう、こう思うのであります。  第四としては、いわゆる事故が発生をした中で私どもがいろいろ内容を調べてみます。そうすると、やはりまだ本採用をされておらない職員がおるわけです、いわゆる臨時という。これらが二十才から二十五、六才までの、特に女の子が多いわけです。この点、私は今後の事業の再開の問題とも関連し、また、日本のこういう労働条件等の問題に関係して、やはり検討しなければならぬことじゃないか。どうしても臨時工を多く使うということは、それだけやはり法律、命令等についても、あるいはその仕事についても、経験という問題についても出てくるであろう。それでまた当然のこととして、いわゆる賃金は低賃金に押えられるわけです。こういうところが私は重要な問題だと思うのです。これらについて、今この会社の関係をしているのは、合化労連という組合でありますが、この組合では、政府に強くそういうことを要望するようにいわれております。この臨時工問題というのは、特にこの爆発物を扱うような場合には、私は、なくさなくちゃいかぬ、そうして一定の指導訓練といいますか、とにかくあやまちのないようにしていくということでなければ、私はやはりこの作業の中からそういう問題が起きてくるのではないか、こう思うのであります。  以上四点についてお答えいただいて、次に生産から搬送問題等について、政府からまたお答えをいただきたいと思うのです。当面、以上の四点についてお答えいただきたい。
  111. 倉八正

    説明員(倉八正君) お答えいたします。  第一の保安基準をひとつ検討したらどうであるかいうお話でありますが、これにつきましては、さっきもちょっと触れましたように、急いで専門家からなります一つの委員会を作りまして、検討を始めることにいたします。  第二の再開の場所等の再検討についてどう考えるかということでありますが、これは非常に基本的な問題を含んでおります。たとえば爆発物を作る工場は、非常に部内だけの危険のみならず、第三者に与えるいわゆる公害的な危険が非常に多いのでありまして、こういう工場をどこに持っていくかということが一つと、それと工場を作ったら、その今後発生するであろうと思われるいわゆる住宅地とか、あるいは他の工場地との接近をどう考えるかという問題であろうと思います。たとえば外国におきましては、一つの火薬工場を作ったら、その周囲何キロは住宅とか、あるいはほかの工場を設置してはならないという法規を持っている国もありますが、日本については、そういうことはなかなかむずかしい問題でありますが、何か参考になることがあるのじゃないかというような問題もございまして、再開の場所とか、工場のロケーションの問題につきましても、今後あわせて検討するということをはっきり申し上げておきます。  第三の再建についての融資でありますが、この融資問題につきましては、会社の経理内容あるいは今後の資金の充当の度合いとかいうことを考えまして、必要によっては融資ということもあっせん申し上げたい、こういうふうに考えております。  それから第四の臨時工の問題でありますが、こういう火薬の工場ということは、生産即保安の問題でありまして、保安を離れては生産も決してないというのが、物質の性質上当然あり得る問題でありますから、臨時工のごときは、できるだけわれわれとしましては採用させないというふうに指導しております。たとえば一例を申し上げますと、火薬を扱うのには、国家試験による火薬保安責任者というのがなければ操業してはいけないという法律も、ちゃんと火薬法に条文を設けておりますが、この臨時工につきましては、たとえば臨時工を採用するにしましても、一定の教育期間とか、あるいはある程度の経験ということを厳重に査定して、臨時工の問題を処理したいと思います。しかしながら、根本的な人的な災害の問題は、できるだけ機械化するというのが根本の問題だろうと思います。機械化しておけば、たとえ事故がありましても、人命の被害というのはきわめて少ないということになるわけでありまして、われわれとしましても、今後リモート・コントロールとか、あるいはオートメ化ということを鋭意進めていっております。したがいまして、名工場におきましても、こういう機械を徐々に据えつけておりまして、最近の事故の件数というものは、この数年間をとりましても次第に減っているような次第でございます。
  112. 相澤重明

    相澤重明君 その次に、この火薬事故等を顧みて、私は、この事業に対するところの監督上の問題ですね、これがやはり非常に煩瑣ではないかという点が逆に思われるわけです。ということは、衆議院の逢澤商工委員長も指摘をしておるように、たとえば火薬取締法に基づく保安基準を改正をするにしても、現在の状況はどうかといえば、製造工程がいわゆる通産省なんですね。それで、製品と火薬庫の監督は県の工業課にまかしておる。それから作業の安全、衛生は労働省、労働基準監督局。それから一般の公害は、これは警察庁、警察ですね。それに原料等の監督は、これは消防庁、消防署です。こういうふうに行政がばらばらな監督をするようになっている。これではやはり今の企業を行なう人たち、あるいは仕事をする従業員、こういう立場においても非常に私は煩破だと思う。こういうものの統一というものはできないものか。こういう点について政府考えたことがあるのかどうか、また、これからやろうとするのかどうか、この点についてもひとつ御意見を伺っておきたいと思う。
  113. 倉八正

    説明員(倉八正君) 監督の多元化と申しますか、非常にコンプリケートしておるということにつきましては、そうであってはならないだろうと思いますが、日本の官庁の機構上、また、取り締まりと申しますか、取り締まりの主眼というものがおのずから違っておるだろうと思います。われわれのほう、通産省といたしましては、さっきもちょっと触れましたように、生産と保安は切り離せないということで、生産の一環としての保安基準という点から重点を置いておる。ところが、警察とか、その他の面につきましては、特に第三者に対する公害というのに重点が置かれている。あるいは輸送ということに重点を指向されておる。また労働省におきましては、労働者の保安の問題、人命の保安ということに重点を置いておられるということで、その間におきまして、監督あるいは生産あるいは配給につきまして、そごのないように各関係官庁で絶えず連絡協議会は聞いておりますが、これをどこかで一本にまとめるということは、いろいろな法体系も違いますし、それからまた重点を指向する対象というのが違うと思いまして、急にこれは一本にはできないと思います。いろいろその間の連結を緊密にしまして、監督の複雑化によって爆発を誘発しやすいとか、あるいは生産の不便を来たすということはないように心がけているつもりであります。
  114. 相澤重明

    相澤重明君 この点については、これは後刻大臣からやはり所見もたださなければならぬと思うのでありますが、特に私は、その次に警察庁にお尋ねしたいわけでありますが、今度はこの生産品を搬出する場合、危険物を運搬する問題については、道路運送法も関係をしてくるわけです。あるいは消火器の、いわゆる消防法も関係をしてくるわけです。そういう点について、政府としての行政の一元化という問題にも関係をしてるわけでありますが、警察庁としては、これらの危険物、爆発物を搬送する場合のこうした非常な煩珀な問題をどう統合し、あるいは一元化して、そして事故を起こさないようにできるかということについて検討されたことがあるのかどうか、この点について警察庁にひとつお尋ねしたいと思います。
  115. 野田章

    政府委員(野田章君) 爆発物、いわゆる火薬数、危険物の輸送につきまして、ただいまお話がありましたように、火癖取締法によって、これを運搬する場合には、国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会に対する届け出制度というものが先般の改正できまったわけであります。そういう面で、細部にわたりまして規則等を制定して、この火薬の輸送ができるだけ安全にできるように、また、万一事故が起こった場合に、その事故が最小限度に食いとめられるように、そういう観点から、輸送する日時あるいは場所、といいますか、通路等について指定をする、あるいは条件をつける、そういう面と、また、梱包の方法、輸送の方法等についての制限が定めてありますので、それらを励行しているかどうかという面での、いわゆる主要道路等に検閲所等を設けまして検問をする、あるいは先ほどお話がありましたように、梱包材料なりその他の面で、常時工場あるいは火薬庫あるいは販売所等に対する立ち入り検査をする、そういうような角度から、現在公安委員会で担当しております公共の安全という面からの犯罪、いわゆる事故の防止と被害を食いとめるという面で努力をしております。これらの点につきましては、先ほど通歴省からもお話がありましたように、都道府県知事その他関係機関と常時連絡を密にやっております。
  116. 相澤重明

    相澤重明君 それから、これは幸いにして日本カーリット保土ケ谷工場の爆発の際は、第三者に被害はなかったわけです。しかし、三十四年のいわゆる横浜神奈川区の東洋化工の爆発は、第三者の被害が非常に多かったわけです。こういうことから申し上げまして、いわゆる第三者に被害を及ぼした場合のいわゆる補償という問題は重要な問題だと私は思う。現に、あとで大蔵省の国有財産払い下げの際の処置について質問をするつもりですが、私がこの東洋化工の問題を本会議において緊急質問をした後に、一体どのようにいわゆる事故の以後はなっておるか、こういうことを申し上げますというと、これは横浜市長から大蔵大臣田中角榮殿並びに大域竹管財局長白石正雄殿にということで提出をされている書類でありますけれども、その書類によりましても、非常な多くの被害額があったのでありますが、損害額の約三〇%しか現在まで補償されておらぬ、こういうことなのであります。これは私は、非常に地域住民にとって憤りを持たれていることだと思う。このことは、これは東洋化工の爆発のその後の問題でありますけれども、少なくとも今後起きるであろう被害をできるだけ少なくするのが政府の態度でもあると同時に、いわゆる被害が大きい場合の補償というものを真剣に考えてやらなければいけないのではないか。今政府がやられておるのは、結局保険を強化して、そうして保険によるところの支払い保証を行なうということであるわけであります。私は実は各国の例を調査してみたのですけれども、いろいろ調査してみますと、西ドイツなりあるいはアメリカなり、あるいはまたフランス、それぞれの各国の例を私、立法府の専門家に調査をさして、今持っておるわけでありますが、これによると、やはり日本でも、今や単に保険を強化して、そしてこの保険金だけにたよらせるというようなことでは、近代国家としての役割を果たさないのではないか、こう思うのです。いわゆる外国の例を申し上げますというと、第三者が被害を受けた場合には、たとえばフランスの場合の法理論の体系の中から見ると、危険性ある企業について認許可があるときは、その企業に災害の発生をしたときは、その損害が直接的、実質的、特殊的なときに限り、国家において賠償の責任を有する、こういうふうにフランスは法を規程しておるわけであります。日本ではこれがないわけであります。さらにアメリカの法律等もいろいろ調べて参りますというと、どうも日本の現在の取り扱いというものは、全く企業者にまかせっきりというようなことがいわれるのであります。私は長い間、国家賠償法を改正すべきであるという主張をしていたのは、実はここにあるのであります。この点について、いずれ、議論が違いますから、私は国家賠償法の問題等については別の機会に進めるわけでありますが、当面この爆発物、危険物を扱うその当の責任者であるところの通産者において、こういう問題についてとくと私はやはり検討を進める必要があるのではないか。同時に、警察庁等において研究をしてもらいたいということは、このアメリカの州地方、災害連邦救助との関係というのがあるのであります。アメリカと西ドイツとの災害救助法の問題等を検討して参りますと、非常に私は参考になると思うのです。そういう点で、先日の京浜港におけるタンカーのいわゆる火災ですね。あるいは今の日本カーリットの爆発等の問題、あるいは高潮対策、あるいは観光地域におけるところの地すべり、ダムの架橋による河川洪水禍、地震というようなものについて、あるいは飛行機が石油コンビナートの上を飛ぶ場合の制限、こういうような飛行機の石油プール墜落、あるいは被害、こういうような公害問題がたくさん外国の法律には出ておるわけなんです。ですから、そういう点を私どもはやっぱり被害の中から、しかも、重要な国の財政投融資を行なう中に、いかにして被害を少なくし、また国民の生活を安定させるか、こういうことが非常に私は大事だと思うのです。したがって、今回のこの事件を契機に、損害の賠償と救助に関する立法をする必要があるだろう。そのために、当面火薬、爆発物等の監督省である通産省が、このことについては積極的な推進役を買って、政府として、案を作り、国会に提案をされることを私は進めたいわけであります。このことについては、大臣から当然御答弁をいただき、また、お考えもいただくのでありますが、大臣出席がないので、きょうはとりあえず次官からよくこの私の申し上げたことをひとつ大臣に御連絡をいただいて、そしてそういう方向に進んでもらいたいと思うのですが、次官のお考えを聞いておきたいと思います。
  117. 上林忠次

    政府委員上林忠次君) ただいま相澤さんから有用な御意見をいただきましてありがとうございました。われわれも、日本の国の文化のおくれておるせいかもしれませんが、まあいろいろの事業に事業者が与えた加害、施設の作業者がこうむった被害、かような被害、加害の関係を規制する規定が少ないのに同感を感ずるのであります。だんだん日本の企業が複雑、深刻になって参りますに従いまして、いろんな予知しないところの加害、被害が生ずるのでありまして、これまで論じられているこれに対する対策というものは、早急に講じられなければならぬという時代であろうと思っております。あるいは産業に関係しておりますので、通帳省といたしましては、自分の問題として早急に検討の上、そういうような危険につきましても、早く立案の域に達したいと考えております。
  118. 相澤重明

    相澤重明君 そこでひとつ資料要求したいのでありますが、通産省が現に監督をしておるこの火薬、爆発物の製造会社、これの会社名と、それから年間の生産量、それと現在の従業員の数をあげてもらいたい。その従業員の数の中には、先ほど申し上げた臨時工を幾人ぐらい持っているのか、臨時工もひとつ数をあげていただきたい。  それから警察庁にひとつ資料要求をしたいのでありますが、これは警察庁というか、消防庁も必要なんでありますが、こういう非常災害の場合のいわゆる消火艇といいますか、消防自動車というか、いわゆるそういう緊急の場合に処するものはきわめて大事なことだと思う。先日も川崎の例を申し上げたのでありますが、川崎市において消火艇というものは、実は一隻しかない。これではいざ京浜工業地帯のようなこういう地帯で、たとえば海上で起きても、むろんそれを食いとめることはできない、こういうようなことなのでありますが、これは積極的に機械化、あるいは近代化といいますか、そういう国民の多くの生命財産を失うこれらの爆発物、危険物等の処理に対する施策が必要だと思う。そこで、消火艇というか、あるいは消防艇といいますか、あるいは警察が緊急車として扱う消防自動車あるいは救急車、そういうものがどのくらいこの各自治体にあるのか。これは警察庁が各自治体に連絡をとればわかると思うのです。これについて資料提出していただきたい。種類別に分けて御提出いただきたい。  以上によって私は爆発物等の問題の質問を終わりたいと思いますが、資料提出要求いたします。
  119. 倉八正

    説明員(倉八正君) 今御要求のありました資料は、整い次第至急提出いたします。
  120. 野田章

    政府委員(野田章君) 消火艇、消防車あるいは救急車等は、警察よりも消防関係でやっておりますので、関係の機関に連絡をして提出するように伝えておきます。
  121. 相澤重明

    相澤重明君 その次に、あと横川さんもお見えでありますから、できるだけ簡単に質問いたしたいと思うのでありますが、通産省に、電力の再々編成の問題についてひとつお尋ねをしたいと思うのです。  これは池田内閣における電力再々編成の問題は、私は重要なエネルギー対策の一環でもあると思う。宮澤経済企画庁長官が電力料金値上げの問題については、再々編成をやはり骨子とするということで、当時福田通産大臣との間に、若干の各省の間の意見の当初食い違いがあったと思う。しかし現実に、いずれにしても電力料金を東北電力を初めとして値上げをしたことに端を発しまして、今や九電力の問題については再検討をしなければならぬ段階だと私は思う。そこで、電力の再々編成を具体的にいつごろ結論を出そうとしておるのか、との点について政府考えを聞いておきたいと思うのです。
  122. 上林忠次

    政府委員上林忠次君) 再々編成の問題は、最近起こった問題でなしに、すでにもう十年を数える経過を経ております。今回、東北電力の値上げの問題に際しまして、また再燃してきた問題であります。電力源が生産費において相当かかってくる。これまで水力をどんどんやっておったところが今度は火力に相当向いてきたというようなことで、また、これから開発される電力が火力に相当向けられるというような点も考えますと、いずれにしましても、電力の原価は相当動いてくるだろう、値上げの一途をたどるというような——この値上げなしに何とか電力を多く供給したいというような点からいきまして、この大きな広域を電力源として計算するという問題が出てくるのであります。この問題につきましては、通産省の現在としましては、どういう具合にするかということはまだ結論は出ておりません。その系統もまだきまっておりませんが、これまでできております九社による充電、この九社の売電の現在の状況は、電源開発を有効に使いながら、電源開発による安い電力と申しますか、生産費の安いものを入れて何とかして電力を安く、しかも、全日本の各地域に対する電力をなるべく均等に配給したいというような方向でいかなくちゃならぬ。それには広域的な電力の会社を作らなくちゃならぬ。したがって、今の再々編成という問題がからまってくるのでありますが、ちょっとこんがらがったような話をしましたが、そのようなことで、それじゃ、今の九電力をどういうふうにするか、広域的にするには、どことどことくっつけてどこのどの辺を合併してやっていくかというような根本的な企画はまだ現在ないのであります。
  123. 相澤重明

    相澤重明君 私は、昭和二十三年、ちょうど電力集中排除法に基づいて今の九電力が誕生したときに、すでに今日のことがその当時いわれておったわけですね。いわゆる自立経営のためのサービス改善と企業意欲の向上の必要性というものはどうしたらいいのか、あるいは発電コストの地域差と総括原価主義による電気料金地域差の発生あるいは需給のアンバランス、こういうような問題が当時もう排除法が作られてそれで九電力が誕生するときに言われておった。ところが、実はそのままの形の姿が今日行き詰りを来たしておる私は大きな根本原因だと思う。ですから、二十六年にこの電力の再々編成の問題が取り上げられましてすでにもう十数年になったわけでありますけれども、私は、やはりこの辺で、先ほどの参議院の本会議における、石炭産業の問題も、今緊急措置をとらなければならぬと、こういう提案があると同時に、やはり電力の再々編成というものは、これからの産業構造に大きな影響を与えると思う。したがって、河町建設大臣がやはり、産業構造の中で電力問題を抜きにしては考えられぬ、こう言ったことも、私は当然だと思うのであります。そこで今、次官のお話を聞いておると、電力の再々編成の問題についていまだに通産省としての方針が明らかでないような答弁と私は印象を受けた。これはまことに遺憾だと思うのです。単に電力料金値上げにたよるということは私は決してとるべきでないと、こう思うのです。関西電力の場合あるいは東北電力の場合の比較をしてみて、そうして資産の関係、あるいは値上げ率の問題を検討してみると、ずいぶんアンバランスが私はあると思う。こういう点で、電力の需給状況から考えて私はもっと積極的に通産省が電力再々編成の問題に取り組まなければいかぬのじゃないか、そう思います。この点については、今の答弁では私はきわめて不満です。したがって、これは大臣にひとつ、きょうは出席できなかったのでありますから、あなたからやはりお伝えをいただいて、早急にひとつ政府考えを、審議会等の意見も十分尊重しながらやはり出すべきだと、私はこう思うのであります。そういう点について、政府がどういうふうにいわゆるお考えになるか、お答えをいただきたいと思うのであります。  その次は、この地方開発の政策を実行するためには、この電力の問題を私どもは等閑視するわけにはいかないわけであります。もう次から次に起きてくる電力需用というものは、きのうの新聞ですか、けさの新聞には、若干電力の需給が伸び悩みなんということが出ておりましたけれども、現実には、私はもう今の電力受給状況というものは、決してなまやさしいものではないと思う。世銀の借款まで含んで今各社がそれぞれ考えておるようでありますが、私は、単に電力料金の値上げをする、あるいは世銀の借款をして企業の改善を行なうというだけでは、やはり将来に問題を残してしまう、こういうことで抜本的な対策をひとつ作っていただきたいと思うのであります。  それからいま一つは、今の電力問題について、特に水力と火力、それから原子力の問題も出てくるでしょう。そういう点について、政府はどういう考えで今後水力、火力あるいは原子力等のバランスを考えていくのか。これは先ほどの石炭の消費の問題にも関係をしてくることでありますから、この機会にひとつお答えをいただきたいと思うのです。
  124. 上林忠次

    政府委員上林忠次君) 電力の広域的な運営ということは、先ほどちょっと申し上げたような次第でありまして、全国的の九電会社の区域をどうするかということは、まだきまっておりませんので、その点を申し述べたのでありますが、大体九つに分けたようなああいうような区域では、将来電力を、値段におきましても量におきましても、同じように均等にアンバランスなしに供給するわけにはいかぬというような点で、将来は広域的に運営しなくちゃならぬだろうということを申し上げたのであります。いずれ通産省に設置されております電気事業審議会、これが、来年の八月を期しまして、こういうような問題に検討の結果をもたらしてくることになっておりますので、これによりまして相当広域的な運営、また電力会社の再々編成ということの終止符が打たれるのではないか、終止符が打たれないにしても、底が見えるのじゃないかというような気持がするのであります。いずれ帰りまして大原と、また関係者相談いたしまして、先ほどの相澤氏の御意見を反映させるように相談を申し上げたいと考えております。  それから水力と火力との関係というようなことも、あまり専門家でないし、また、そのほうのこれまでの通産省の仕事にはたんのうなところまでいっておりませんが、これまで水力が中心になっておりました時代は、まず電力は水力で基本を持たせて、ほんとうのその日のピークの時期の電力は、これを火力で補うというようなことが続いたのでありますが、最近は大体火力が中心になってコンティニュアスな、継続的な電力を供給していく、その一日のピークの時間はなるべく水力で補うというような経営をしておるということを聞いております。これは電力のコストの関係でそれのほうが経済だというような計算の結果であります。たいへんしろうとのような話をしますが、この程度しかただいま私はうんちくがないのであります。
  125. 相澤重明

    相澤重明君 今、私の申し上げたことに即座に返答するといってもこれはなかなか無理だと思います。私も承知しております。そこで、まあ次官が九電力と言われましたが、その御答弁のところ若干問題があると思うのですが、とにかく現在の電力が今後生きる道、こういうことを考えていきますというと、国民の新産業構造というものを考えていけば、きわめて大きな関心であることは、もうあなたもお認めになっているわけですが、そこで、この九電力が持ついわゆる水力、火力に区分けをして、これは重油消費税という問題が今や日の目を見るようになるかならぬかという大きな問題でありますから、私としても等閑視するわけにはいかないわけでありますが、そこで水力と火力に区分けして、発電キロワットの現状をひとつ報告してもらいたい。それから三十八年度に開発をする見込み、見通しといいますか、おそらく政府はお考えになっておると思うが、これをひとつ資料として提出をしてもらいたい。  それから原子力発電については、これはまあいろいろ議論のあるところだと思うのでありますが、政府考え方を聞いておきたいのでありますが、この点はいかがですか、原子力発電についてはどう考えておるのか。
  126. 上林忠次

    政府委員上林忠次君) 詳細なことは係のほうからお答えすることにいたしまして、最近の原子力の発電は相当進んでおる、発電コストも安くなっておる、近く、まあ十年をたたずして火力、水力にまさるような安いコストの電力が生まれるのじゃないかというようなことを聞いております。こまかいことは係官のほうからお話しさせたいと思います。
  127. 生駒勇

    説明員(生駒勇君) 今御指摘ございました原子力の問題は、先ほど先年お触れになりました水力、火力との比率と非常に関連を持つわけでございますが、御承知のように水力、火力の比率は、現在ほとんど半々になっておりますが、これは二十八、九年のころは、水力が七〇%で火力が三〇%であったというような状況が、現在ほぼ五〇、五〇という状態になっておるわけであります。しからば、今後どういう格好になるだろうかという点になりますと、この火力がさらにふえてくるということは、ほぼ間違いのないところであります。その火力のうちで原子力がどの程度占めるかという点に焦点が合ってくるわけでありますが、私どもの見通しでは、原子力は火力の比重がふえました場合におきまして、その燃料源といたしまして多様性を持って参らなければならないという点、つまり石炭でございますとか、あるいは石油でございますとか、あるいは原子力でございますとか、あるいはさらに進めば地熱でありますとか、そういういろいろなエネルギー源というものを多様化していくという点から申しまして、非常に重要な地位を占めるものであるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、一方、電気事業は、御承知のように料金問題を通じまして非常にまあ国民生活との関連がめんどうな燃料でございます。かたがた現在の石炭価格と石油価格とのバランスの問題等もございます。原子力が将来非常に重要な地位を占めるということにつきましては、私どもも十分注意を払っておる次第でございますが、それならば、この十年の間に、今計画されておりますように百万キロ以上のものがどの程度できるか、あるいはどの程度のコストでできるかという点になりますと、いろいろ議論が出ておるわけでございます。ただ現在着手しております東海村におきます原子力発電株式会社の発電、この問題から申しますと、まあ多少やはり火力よりは構いというのが実情でございますが、二号炉以降は、新しい様式のものを取り入れて参りました場合に、はたしてその程度であるか、あるいはそれ以下であるかという点については、現存先方に調査団が参って検討しておるような次第でございまして、ただ原子力発電の重要性ということについては、私どもは異論のないところでございますが、これを電気料金に結びつけました場合、どの地位を占めるかという点につきましては、先ほど政務次官から御説明申し上げましたように、電気事業審議会を開催いたしておりまして、これが明年の八月以降結論に達しますので、その場合の結論を見まして、また当局でも検討して参りたい、かように考えておる次第であります。
  128. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  129. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記をつけて。
  130. 相澤重明

    相澤重明君 大蔵省にお尋ねをしたいわけであります。それは、先日当委員会におきまして、先ほどもちょっと指摘をいたしましたが、横浜市の東洋化工爆発について、通産省から、その後の爆発物の投棄処分の問題を報告いただいたわけでありますが、その東洋化工株式会社がいわゆる政府から借りておった国有財産の土地の払い下げを受けたわけであります。ところが、現実になるほど事業そのものは名前が変わったかどうかよく存じませんけれども、とにかく東洋化工が爆発をして、いわゆる周囲の住民に大きな被害を与えたことは事実なんであります、したがって、東洋化工爆発事故対策委員会というのは、地元横浜市の金沢区に持たれており、あるいは横浜市は地方自治体として、いわゆるこれらの補償金紙等についても折衝をしたのでありますが、残念ながらこの会社側としては、いまだにこれらに対する補償を先ほど読み上げましたように三〇%しか支払っておらぬこういうことで大蔵大臣に対するところの横浜市長の「国有財産の払下げについて」という申請が実は出ているわけですしこれは私が半井横浜市長の大臣に対するところの文書を読んでみますと、三十七年の十月九日付で「東洋化工株式会社に対する国有財産の払下げについて」という表題です。「標記会社から横浜市金沢区釜利谷町所在の同社横濱二場敷地(国有財産)の払下げについて申請督が提出されていると聞き及んでおります。同社横浜工場は、昭和三十四年十一月二十日火薬爆発事故を発生させ、これにより多くの住民が甚大な被害を被り、その補償については地元に設置された爆発事故対策委員会と折衝に当りましたが、損害額の約三〇%が補償されたのみで今日に至っている状況であり、これがため今般上記対策委員会より当職に対し別添のように「国有財産の払下げに際し被災者へ補償を行うようにとの条件をつけて払下げるよう要請されたい」旨の要望書が提出されております。当核爆発嘱故による標記会社の地元住民に対する補償問題が解決されてない現在、かかる払下げを行うことは、地元住民の感情を悪化させ、本件問題解決に際し悪影響を及ぼすことになるものと思われますので、この問題が解決されるまでは当該国有財産の払下げを行うことのないよう格別の御配慮願いたく要望いたします。」、こうして大蔵大臣と管財局長に書類が提出をされておるわけです。私は前回の大蔵省の決算委員会の際にも申し上げたのでありますが、この通産省監督の東洋化工の爆発問題をどう処理されるかということは、きわめて重大である。したがって、いつこれらの問題の解決をつけるかということの見通しがないと、国有財産を下手に処理するというと、地域住民なり地方自治団体が、これは悪感情になる、こういうことを指摘している。そこで、本日いま一度管財局長に伺っておきたいのでありますが、それは、この東洋化工爆発事故対策委員会委員長で金沢区、長山田道成というのが市長に提出しておる文書を読みますと、「東洋化工爆発事故に関する対策について。当区対策委員会としては、事故発生以来「東洋化工」との間に事後処理について鋭意努力をいたしておりますが、次のことにつきましてよろしく御高配を賜りたくお願い申し上げます。一、事故発生以来今日まで諸対策のために働いております当委員会の費用につきまして行政的配慮として何分の御高配を賜りたく存じます。二、地元被災住民に対し未だ充分満足すべき補償が行われて居りませんので、会社の土地払下につきまして行政的援助の意味を以て、大蔵省に対し、被災者へ補償を行うようにとの条件をつけて払下げをするよう御要請願います、」、先ほどの市長の要請文書がこれから生まれているのです。そこで、当初いわゆる爆発をしたのは、三十四年の十一月ですから、三十四年の十一月に、私が当参議院の本会議において緊急提案をして、この善後措置を講じるように政府に要望をし、政府も智力をされることを確約された。そのときにすでに国有財産は貸しておったのですね。その国有財産をいっこの東洋化工会社に払い下げたか。何坪、幾ら払い下げたか。それをまず御答弁を先にいただきたい。
  131. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 東洋化工に国有財産を払い下げた年月日の御質問に対してお答えいたします。東洋化工に対しましては、五万五千百七十二坪の貸付契約をいたしまして、従来貸付いたしておった次第でございまするが、爆発事故が起こりました後におきまして、爆発事故が起きました火薬の製造はそれを廃棄いたしまして、そうして別途の合成樹脂事業を行なうということで払い下げの申請がございましたので、これに対しまして、三十六年の三月に三万四千八百八十四坪を払い下げの措置をとった次第でございます。残余の二が坪程度のものにつきましては、別途貸付契約を行なっております。
  132. 相澤重明

    相澤重明君 次官もお聞きのとおり、三十六年の三月、昨年の三月に三万四千余坪、三万五千坪近い土地が、従来貸しておったのを払い下げたと、こう言うのです。事故の起きたのは、三十四年の十一月に爆発したのです。三十六年三月だから二カ年間になるわけです。その間に地元では、横浜市長も含んで対策委員会がそういうふうに折衝しておったのに、金がないと、こう言うのです。それで払えなかったのです。むしろ地元横浜市は多額な実は金品を出しておるわけです、見舞金として。あるいは住民はお互いに持ち寄ってそれらの被災者に対するところの援助をしたわけです。あるいはそのそばにおける東急車輛というのは非常な大きな損害を受けておるわけです。こういうことからいくと、金がないということでおったのに、今言った二年余たった三十六年三月には、とにかく三万五千坪からの払い下げを受けている。この払い下げをした大蔵省管財局は幾らでこれを払い下げたのか。総額幾らで、坪幾ら……。
  133. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 払い下げました価格は九千三百七十六万五十八円でございますが、これは延納になっておりまして、当時一時払いといたしましては、即納金が千九百六万五十八円で、自余の分につきましては、九年間の延納払いと相なっております。
  134. 相澤重明

    相澤重明君 総額幾らですか。
  135. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 九千三百七十六万円でございます。
  136. 相澤重明

    相澤重明君 九千三百七十六万余ですね。一時払いが。
  137. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 一時払いは千九百六万でございます。
  138. 相澤重明

    相澤重明君 千九百六万を一時払いをして、残額は九年間の分割払い。これは残額を九年で割って、平均に返すということですか。
  139. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) さようでございます。
  140. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、これは坪単価幾らになりますか。
  141. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) ただいま申し上げました九千万程度のもののうち、土地の代金は七千十四万四千円でございます。三万五千坪分でございますから、二千円程度に相なろうかと思います。
  142. 相澤重明

    相澤重明君 私は、この金はどこの銀行が出したのですか、これを聞いておかないといけないと思うのですね、会社は金がないというのだから。また、政府がまさか出資するわけじゃない、民間企業ですから。相手の銀行はおわかりですか。
  143. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 支払ったときの銀行その他の詳細につきましては、今ここで承知いたしておりません。
  144. 相澤重明

    相澤重明君 これは、私はまあ相手の銀行も聞いているわけである。これは大蔵省として、政務次官もおいでですから、私は、こういう金がないといって、しかも、地方自治体の長にまで迷惑をかけておりながら——ことに坪二千円ではこれは高いとは言えませんね。三十六年の三月に坪二千円というのは、私は高いとは言えないと思う。現に先日建設省の決算をしたときに、三十二年、三年に建設省が首都圏整備法に基づいて、内陸工業用団地造成のために買収したのが、三千円ですわ、二千五百円から三千円。これは建設大臣答弁されている。それを今原価主義を時価主義にして工場のために光り払うのは幾らかと言ったら、日本住宅公団が平塚の団地を光るのには、平均一万二千円です。これは、私はまあ政府に高過ぎるじゃないかといって怒ったわけですが、それはそれとして、大蔵省が今申したところの、爆発事故を起こしてから二カ年余たった後の去年の三月に払い下げる処分案としては、私は必ずしも高いとは言えない、こう思うが、そこで、それだけの一億余になろうとする資金を、金がないというのに買ったのでありますから、これは銀行が融資をしたことは間違いない。私はその点を、幾ら銀行は融資をしたのか、この会社の債権のために幾ら銀行が融資をしたのかということは、大蔵省が調べればすぐわかると思う。これは資料提出願いたい。  そこでいま一つの問題点は、いま一つ次官あるのですよ。その残っているさらに二万坪も払い下げると言っている。やはり坪二千円か三千円で、あとの二万坪も銀行融資を受けて払い下げるにしても、今の横浜市長の大蔵大臣に対するところの要請文を見ると、三〇%しか今まで払っていない。こういうことであっては、これは、払い下げるのはほんとうに地元民は怒ると私は思うのです。したがって、そういう点については、これは次官からやはり答弁をいただいたほうがいいと思います。まず、会社の再建ということも大半だ、私は融資をするのはけっこうだと思うのであります。会社を再建してやるのはけっこうだと思うけれども、会社の再建と国有財産を払い下げることとは、これは違うわけですよ。国有財産を払い下げるのは、第一は公共の目的に使うべきだと思うのですよ。また、横浜市は地方自治団体でありますから、この地方自治団体の財政を圧迫し、そしてまた多額な損害を与えておるにもかかわらず、これらのいわゆる国有財産を低廉な価格で一企業に渡してしまう、こういうことは、やはり私はなかなかあとに問題が残ると思うのです。そこで私は、現在までの土地だけでも時価に換算をしたならばかなりの価値があると思うのです。ですから、そういう面でせっかく銀行から借りて政府に九カ年年賦で返済をするというのなら、私は、そういうまず地元民の意思というものを納得させるように大蔵省が指導をすべきだと思うのです。それでなければ、あとの二万坪というものは、これは横浜市にやったらいいじゃないですか。そうして横浜市が公共のために使ったそれだけの金を私は当然負担のかわりとしてやったらいいと思う。補償地域住民のために与えたらいい。公共のために使うのなら私はわかりますけれども、そういうことをしないで、先ほど申し上げたようなことであっては、これは私はやはり納得ができないのです。前回の大蔵省の決算の際にも、私は、この東洋化工の三万五千坪になる土地の払い下げについては納得しない、こういう点を申し上げたわけです。これは単に大蔵省だけの問題ではなくて、先ほどの農林省のときにも、干拓工事等の農地払い下げ問題等が生まれて参りますが、これは国有財産の払い下げという問題はきわめて慎重を要するものと思うのです。こういう点について、政務次官としてはどうお考えになりますか、お尋ねをしておきたいと思います。
  145. 竹内俊吉

    政府委員(竹内俊吉君) ただいま相澤さんのおっしゃったとおり、国有財産の払い下げその他の処分につきましては、慎重であるべきことは当然だと思うのであります。また、それがどういうふうな目的、用途に使われるかという、転用その他について十分検討をいたしまして、また価格の点につきましても、御承知のとおり、基準があって固定資産税の標準をとるとか、あるいは精通者の鑑定と見合うとか、いろいろな方法で割り出してきめたものでありますから、今お話のあった点も、大蔵省としては公正な価格として出されたものと思うのであります。問題は、そのあとに今残されておる、今申請になっております二万数千坪の件だと思うのでありますが、この点につきましては、今相澤さんがお述べになりましたような点も含めまして慎重に対処しなければならぬと思うのであります。また、あれだけの大きい事故を起こしまして、話し合いできまっております補償金を支払っていないということは、事業者としても私はきわめて遺憾なことだと、こう思いますので、それらとへんで、ほんとうは問題としては補償と払い下げとは別でありましょうが、そういうことも含んで慎重な態度で対処いたしたい、これが当然であろうと考えます。
  146. 相澤重明

    相澤重明君 政務次官の誠意ある答弁で私は了承します。ただし、私はこれを即座に認めたのじゃありません。これは、今のあなたの誠意ある答弁で今後のいわゆる措置の仕方が評価を止むことになるわけであります。したがって、私は先ほど読み上げましたような横浜市長のそういう心づかいというものも配慮をして適切な措置を講じた後に私は賛成をしたいと思うのであります。そこで、現在では残念ながら、この払い下げの問題については、私は賛成ができなかった。でありますから、今後はそういう疑問あるいは地域住民の非難をこうむることのないように、あなたの答弁のようにひとつ善処していただきたい、こう思うのであります。  そこで、先ほど管財局長が三十六年三月に払い下げるについては、従来の爆発物、火薬を製造しておったものをやめて、そうして合成樹脂の新しい会社、いわゆる合成樹脂の仕事をする、こういうことを言われました。そこで、私は一つ資料として要求しておきたいのでありますが、東洋化工のときの役員の氏名と、いわゆる資本金ですね、それから今度の新しい、あなたが言われたところの合成樹脂会社、それの役員と資本金というようなものをひとつ、特に合成樹脂の問題については、これからの生産量というものもあると思うのであります。そういう問題で、それらの資料提出をしていただきたいと思うのであります。以上によって、将来どういうふうに政府が措置をするかを私は見てこの問題については態度をきめたい。本日のところは、残念ながら、大蔵省の払い下げが公共の目的ということにまだ合致しておらない。特に、それを一歩譲って、そういう会社の再建等について協力をするにしても、あとのいわゆる補償料等の問題は解決しておりませんから、そういう問題の解決をするときには、私は、私どもの態度というものをきめたい、こう思うのであります。  以上によって質問を終わりたいと思います。資料要求はお願いしておきます。
  147. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 御要望の次第につきましては、整い次第ご提出申し上げたいと思います。
  148. 横川正市

    ○横川正市君 その払い下げの直接の折衝は、だれも介さないで、直接横浜の支局ないしはあなたのほうとやったのですか、払い下げをするときの事務折衝。
  149. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 国有財産の払い下げにつきましては、財務局財務部がその事務に当たります。したがいまして、払い下げを受けたいという人と、あるいは法人と、その当該部局を担当する者との折衝によりまして、払い下げをしている次節でございます。もちろんそれぞれにつきまして上級官庁の承認を求めたり、あるいは認可を受けたりするということはあるわけでございます。
  150. 横川正市

    ○横川正市君 そのときの評価、それから目的、用途、そういったものを妥当と認めた資料を拠出できますか。どういうことで払い下げをしたのかという、いわゆる用途、目的があって、その目的に合致したから払い下げをきめたわけですね。それから金額は、二千円足らずを妥当と認めたわけですが、その妥当と認めた管財の当時の、何といいますか、評価額といいますか、そういったものは資料として出せますか。
  151. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 払い下げたこれらの土地につきましては、従来から東洋化工に、先ほど御説明申し上げましたように、貸し付けておったわけでございます。したがいまして、そういった経緯がございまするし、かつまた合成樹脂事業を行なうということでございますので、これはやはり産業の保護奨励と申しますか、そういった平和的な産業の助成に資するということで、国有財産の活用上適当であると考えましたし、また、ほかに国有財産の使用につきましてお申し出もなかったというような諸般の情勢考えまして、この会社に払い下げを決定することが最も適当である、かように判断したものと考えているわけでございます。  それからその時価の評価につきましては、先ほど政務次官からもちょっと申し上げましたように、固定資産税の評価がどうなっているか、それから相続税の評価がどうなっているか、さらにこれにつきまして民間精通者の二、三の意見も二、三鑑定を依頼いたしまして、そうして、それをとりまして、これらを総合勘案いたしまして、最終的に決定をする、かような方途をとっておりますので、当時の国有財産の払い下げの価格からいたしまして、適正を期したものと考えている次第でございます。
  152. 横川正市

    ○横川正市君 その適正と認めた資料提出できますか。
  153. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 財務局のほうに指令いたしまして、資料を整えたいと考えます。
  154. 横川正市

    ○横川正市君 先ほどの相澤さんの質問にあるように、この払い下げ価格が決定する三年前、三十二年にすでに周辺で三千円という購入価格のものもあり、それから一年置いたことしの公団の平均売買価格は一万二千円だというような、そういう売り渡し価格もありますね。大体大蔵省の特価相場の決定あるいは評価額の決定書の提出というのは、いわば厳重なはずなわけですね。そうすると、たった三十二年から三十七年までの間に、あなたのほうは二千円が妥当だといい、片一方のほうは、その三年前に三千円が妥当だといい、さらに一年置いたことしは一万二千円が妥当だという、そういう変動した評価額の決定というものが出されておるとすれば、その出されておる銀行とか、評価決定委員会とか、そういったものについて、われわれは疑問を持つわけです。そういった点で、当時の評価額の決定をされた銀行とか、委員会とか、そういったものはどういう評価をして出されたのか、それをちょっと私は見たいと思うから出していただきたいと思う。
  155. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 御承知のように、土地は非常に位置する所とか、諸般の条件によりましていろいろ価格が違うわけでございますので、たとえば当該地につきましても、条件が山林になっておりまする所とか、宅地のような状態になっております所とか、そういった点をも十分考慮して評価がなされておりまして、宅地の状態になっております所につきましては、ほとんど三千五百七十円という評価をやっておるわけであります。ところが、山林の状態になっております所につきましては、四百三十円という評価をやっておるわけであります、そういたしまして、全体的に平均いたしますれば、ただいま申し上げたような評価額になっておるわけでございまして、売買実例、あるいは鑑定軒の鑑定価格それから先ほど申しましたような諸般の指数を照らし合わせまして適正を期しておるつもりでございますが、御要望によりましてなお資料は整えまして提出申し上げたいと思います。
  156. 相澤重明

    相澤重明君 今の評価額の問題と同時に、評価委員会委員の氏名、それを一緒に出してもらいたい。
  157. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 評価委員とおっしゃいますのは、民間の精通者の鑑定を依頼いたしておりますので、そちらのほうのことだと承知してよろしゅうございますか。
  158. 相澤重明

    相澤重明君 ええ。
  159. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 承知いたしました。
  160. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) なお資料提出でございますが、実は審査の日程の都合もありますので、できるだけひとつ早く御提出いただくようにお願いをいたします。  速記をとめて。    〔速記中止〕
  161. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記をつけて。  この際、参考人の出席要求の件について申し上げます。  先ほど横川委員から要求がありました参考人の出席要求の件について、理事会において協議いたしました結果、参考人の出席を求めることとし、直ちに山田東京都首都整備局長を参考人として出席いたさせる手続をいたしましたところが、あいにく都議会開会中で質疑続行中でありまして、直ちに出席することが不可能な状況にありますので、本日はやむを得ないものとし、今後の取り扱いにつきましては、後刻理事会においてさらに協議いたしたいと思いますから、さよう御了承を願いたいと思います。  本日はこの程度といたしまして、これにて散会をいたします。    午後五時十四分散会