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説明員(
磯崎叡君)
前回の当
委員会におきまして、
大倉先生から、過般十一月二十八日の
鯖波駅における
事故復旧作業に関する
死傷事故につきまして種々御
質問がございました。その後、私のほうでも、いろいろ
現地と連絡して今取り調べております。実はきょうまだ最終的に
結論を申し上げる
段階になっておりませんのは、たいへん申しわけなく思っておりますが、一応今まで私のほうで
調査した中間的な御
報告をさせていただきたいと、こう思いますが、それでよろしゅうございますか。
この前の御賛同の要点は、大体二点に尽きるというように私は
考えております。
第一点は、
先生の御
指摘の、私のほうの
関係職員、ことに
公安室長が、問題の転覆いたしました
貨車の
復旧作業について、非常に危険な
状態であるにもかかわらず、
復旧作業を強制したのではないかという点が一点と、それからもう一点、
貨車が転覆いたしました、すなわち
事故後、
事故の
あとで、転覆いたしました
原因、ことに
写真をお見せ下さいまして、
自動連結機の
関係がどうなっていたかという点、この二点におおむね集約できると思います。その二点のもう
一つ前提といたしまして、私が御答弁した中に、いわゆる積みおろし
作業といたしまして私のほうが事後の
契約を結んだということを申しました際に、たとえ口頭の
契約にしても非常にその約束の成立の仕方に一方的な
国鉄側だけでやったというような疑いがある、こういう関連した御
質問がその
前提としてあると、こういうふうに
考えております。大体その三点を主として
現地について
調査いたしました。先ほど申しましたとおり、まだいろいろ
関係者その他の
供述等も完全にとれておりませんので、必ずしも私自身といたしまして最終的な
結論を持ってきょう申し上げられないことは、これは申しわけなく思っております。
一応調べました実情といたしまして、一番問題の
公安室長が
復旧作業を指揮していたかどうかという点がまず第一点だと思います。その点につきましては、私のほうの調べによりますと、当時
公安室長は、駅長あるいはこういった
事故の跡始末をいたします
客貨車区と申します
——客車や
貨車の修繕をするところでございますが、
客貨車区長あるいはそれらの
助役とその
付近におったことは、事実でございます。
先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、
公安室長といたしましては、その
職務内容——事故及び
災害復旧処理規程というのがございまして、その
規程によりまして、
公安室長は、
事故の発生した直後、たとえば列車妨害
——置き石と申しますか、
列車妨害等でその
事故が起こったのではないかという、一種の
鉄道犯罪行為によってそういった
事故が発生したのではないかというようなことに対する
捜査を主とした
使命として
現地におったようでございます。さらに、
事故荷物の
処置というものは、やはり
公安室長の任務でございますが、これは、
事故荷物そのものの
処置、すなわち
荷物に対してどれほどの
損害賠償を払うかという
損害賠償支払いの場合の認定をする、こういう
職務を
公安室長に与えておりますので、その
付近におりましたことは事実でございますが、やっておりましたことは、主としてそういう方面をやっておったというふうに申しております。したがいまして、直接
自分が積みおろし
作業を指揮したという事実はないと、こう申しておりますが、ただ、ああいった大きな
事故の直後でもございますので、まあ人手が幾らでもあればあるほどいい。また、
鉄道の人間も、
職員の一人として、
事故の
復旧に
自分の職責をこえて
努力すべき
義務があることは当然だと思いますので、あるいは何らかの形で
事故の
復旧に協力したことも皆無ではなかった、ゼロではなかったというふうにも
考えられます。一点だけ明白になっておりますことは、だれから尋ねられたかよくわからないのでございますが、三十三
号——いわゆるひっくり返りました
貨車について、たぶん
日通の
支店の人だろうと、こういうふうに言っておりますが、この
貨車は少し傾斜しているのだが何でもないだろうか、こういう
質問を受けたそうでございます。それに対しまして、ちょうどその場に
客貨車区の
助役、これは車については
専門家でございます。
客貨車区の
助役がおりましたので、その
助役に話をいたしました結果、これ以上傾斜することはないだろうと言っているから、
助役がそう申しましたので、その
日通の
支店の人に、だいじょうぶだろう、こういうことを申した、こういうことだけは、はっきりいたしておりますが、先ほど
先生の御
指摘のような
公安室長がみずから危険でないと言った事実はない、こういうふうに申しております。しかしそれは、これからもう少し正確に取り調べていかなきゃならぬと思っております。現在の
段階においては直接
復旧作業に従事したのではなしに、
事故及び
災害復旧処理規程という
規程に基づきまして、
公安室長の本来の
職務をやっておった。ただし、今申しましたとおり、これは本来の
職務をやっておる中で、やはり
鉄道職員として
事故の
復旧に、たとえ
自分の仕事でなくても協力すべき
義務があるのは当然でございますので、その範囲内で何らかの協力をしたということは
考えられると思います。それからもう
一つ、今、申しました
貨車があぶないかどうかということを聞かれました際に、
自分は
専門家でないというわけで、
専門家の
意見を聞いて、だいじょうぶだろうという返事をしたという事実はあるようでございます。それが第一点でございます。
それから第二の
事故そのものの問題でございますが、これは
先生のを拝見いたしました
写真でございますが、これは
現地でも焼いた
写真をたくさん持っております。私のほうの
調査によりますと、
自動連結機の
ひじと申しまして、ちょうどこういうふうにかみ合った、ここを
ひじと申しております。こういうふうにかみ合っております。この
ひじの高さが大体三百ミリメートルぐらいある。そのうちの約百二十ミリメートルないし百三十ミリメートル、こういうふうに食い違っておった、こういうふうに言っております。すなわち約三分の一が食い違っておる。やはりこれは福井の
客貨車区の
助役が
専門家として見た結果でございます。それははっきりしております。普通その三分の一程度の食い違いでございますと、そのままではひっくり返ることはないというのが一応の
客貨車の常識だそうでございますので、先ほど申しましたとおり、これならだいじょうぶだろうということは確かでございます。こういうふうに申しております。その後
先生のお話でもって、ピンを抜いたかどうかという問題が
一つございます。その新聞にございますビンという
言葉の中に、実は少しあいまいな点がございまして、抜かれたものか、いわゆる
ひじの根元にあるピンを言っておるのか。これは普通は手で抜けますが、ちょっと自連が食い違いますと、手ではなかなか抜けないそうでございます。その
ひじの根元にあるピンのことなのか、あるいはもっと奥に、もう
一つピンがございますが、そのピンのことなのか、その点がまだ、はっきりいたしておりませんが、ひっくり返った
貨車の直接の
原因は、自連があいたのではなくして、上下にずったのだろう、こういう見方をしております。その結果まだ
先生の御
指摘の、ピンが抜けたかということについては、正確にまだ
調査ができておりませんので、この点はもう少し
調査しなければならない、こういうふうに思っております。
もう一点。積みおろし
——積荷のとりおろし
作業をいたしておりますのは、この間のお話のとおり、二人の
作業員が
貨車の中に入り、それから新聞の巻き取りの心棒、その心棒にローブをかけまして、そのローブを下で持って、
貨車の外で七人の
作業員が、そのロープを引っ張って、そして
貨車から取りおろした、こういうように
作業の
状態は、大体明白になっております。それを下でよいしょ、よいしょと言って、綱を引くようにして、ロープでこういうふうに引っかけて巻き取り、約一個五百七十五キログラム、直径が八十三センチから八十五センチ、長さが百六十三センチ、この重たいものを合計九人がかりでもって
貨車から取りおろしておったということは明白になったわけでございますが、こういった事実から推定いたしますと、
事故の発生するまでに、三本の巻取紙をおろしたと申しております。この
状態で、二十一本のうちの三本だけおろしたと申しております。その三本をおろしたために、積荷のウエートが変わりまして、重心が移動したために
貨車がひっくり返ったのではないかという見方が
一つと、それからもう
一つは、取りおろし
作業中に、
貨車に何らかの動揺が与えられて、
自動連結機がはずれてしまって倒れたのではないかということと、まだその点も、大へん申しわけないのでございますが、正確にはわかっておりません。
それから百頭の、いわゆる積みおろし
作業を請負するまでのいきさつにつきましては、当時のとっさの間でございまして、
事故が一時半に起こったということで、とにかくマル通に頼むということで、だれがどう申したということは、必ずしも明白になっておらないようでございます。非常に
事故直後のあわてた状況で、そこにいる人にいろいろ頼んで、とにかく積みおろし
作業をやるように手配を整えたというふうに申しておりますので、その点も、いわゆる積みおろし
作業契約を結んでやったというふうな、正常な
状態における
作業ではないわけでございますので、口頭でもって話をして、積みおろし
作業を頼んだというような
調査の結果でございます。
以上、大へんまだ十分でございませんで、申しわけございませんが、今までわかりました中間的な御
報告は、これでございます。