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1962-12-12 第42回国会 衆議院 逓信委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十七年十二月八日)(土曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 本名  武君    理事 大高  康君 理事 岡田 修一君    理事 佐藤虎次郎君 理事 佐藤洋之助君    理事 羽田武嗣郎君 理事 大柴 滋夫君    理事 栗原 俊夫君 理事 森本  靖君       大上  司君    上林榮吉君       小泉 純也君    椎熊 三郎君       鈴木 善幸君    中山 榮一君       南條 徳男君   橋本登美三郎君       保利  茂君    星島 二郎君       前尾繁三郎君    森   清君       森山 欽司君    佐々木更三君       畑   和君    原   茂君       八百板 正君    安平 鹿一君       山本 幸一君    受田 新吉君       谷口善太郎君 ————————————————————— 昭和三十七年十二月十二日(水曜日)    午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 本名  武君    理事 大高  康君 理事 岡田 修一君    理事 佐藤洋之助君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       上林榮吉君    椎熊 三郎君       中村 寅太君    中山 榮一君      橋本登美三郎君    森山 欽司君       畑   和君    原   茂君       松前 重義君    八百板 正君       安平 鹿一君    山本 幸一君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 手島  栄君  出席政府委員         郵政事務官         (電波監理局         長)      西崎 太郎君  委員外出席者         郵政事務官         (電気通信監理         官)      浅野 賢澄君         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   田辺 義敏君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   春日 由造君         参  考  人         (日本放送協会         経営第二部長) 吉田 行範君         参  考  人         (日本放送協会         経営第三部長) 沢村 吉克君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社常務取         締役)     八藤 東禧君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社常務取         締役)     灘波 捷吾君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 十二月十日  委員大上司辞任につき、その補欠として中村  寅太君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員佐々木更三君辞任につき、その補欠として  松前重義君が議長指名委員に選任された。 同日  委員松前重義辞任につき、その補欠として佐  々木更三君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  電波監理及び放送に関する件(宇宙通信及び教  育放送に関する問題)  電気通信に関する件(北方通信ルート、有線放  送電話に関する問題及び日本電信電話公社の事  業概況)      ————◇—————
  2. 本名武

    本名委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本国会も、従来通り委員会所管事項、すなわち郵政事業に関する事項郵政監察に関する事項電気通信に関する事項並びに電波監理及び放送に関する事項について国政調査をいたしたいと思いますので、この承認を得るため議長に申し出をするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 本名武

    本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、議長に提出すべき国政調査承認要求善の作成並びに提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 本名武

    本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  5. 本名武

    本名委員長 次に、郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  電波監理及び放送に関する件について、日本放送協会専務理事田辺義敏君、同じく理事春日由造君、同じく経営第二部長吉田行範君、同じく経営第三部長沢村吉克君、国際電信電話株式会社常務取締役藤東禧君、同じく難波捷吾君を参考人として、本日御意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 本名武

    本名委員長 御提議なしと認め、さよう決しました。  参考人各位には、御多忙中のところ、本委員会に御出席下さいまして、厚くお礼を申し上げます。  本日は、宇宙通信等の問題について参考人の方々より御意見を拝聴いたしたいと存じますが、御意見委員からの質疑の形で拝聴することといたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
  7. 森本靖

    森本委員 この前の委員会で、宇宙通信について若干質問をいたしましたが、その後の新聞紙上あるいはその他の経過を見ますると、ようやくアメリカとの協定ができ上がりまして、そうして日本アメリカ地上委員会に加入をし、これからの実験通信を行なっていく、こういう形になると思います。そこで、まず最初にお聞きしたいと思いますことは、今後の日本側としての宇宙通信に関する進め方についてでありますが、まず第一番目にお聞きしたいのは、日本側地上局の設営については、今どういう段階になっておるのか、それから将来どういうふうになっていくのか、いつごろこれが完成されるのか、そういう点について御説明を願いたいと思うわけであります。
  8. 西崎太郎

    西崎政府委員 今度の取りきめのもとになります日本側における地上施設準備状況、今後の計画といった点についてお答えいたします。  御承知のように、現在政府といたしましては、郵政省電波研究所茨城県の鹿島地区に三十メートルのパラボラ施設建設中でございまして、われわれの方の予定といたしましては、来年度の予算要求とも関係するわけでございますが、来年度中には一応の完成をしたい、こういうふうに考えております。  それからもう一つ、将来の実用、実施ということも考えまして、国際電電におきまして、現地高萩の近くの十王町というところに大体敷地が内定しまして、そこに直径二十メートルのパラボラ・アンテナを中心とした宇宙通信基地建設準備を進めておりまして、これはあと参考人の方から御説明があると思いますが、聞いておりますところでは、来年中にはこの施設が一応でき上がる、こういうふうに承知いたしております。
  9. 森本靖

    森本委員 来年度というのは、実際に地上局としての実験が開始できるのは、研究所としてはいつごろですか。
  10. 西崎太郎

    西崎政府委員 来年度予算として要求してある予算承認されれば、三十九年には使えるようになると思います。ただ、その具体的な時期ということになりますと、多少ずれも起こってくるかと思いますが、三十九年の半ばごろには使えるようになるということであります。
  11. 森本靖

    森本委員 三十九年の半ばごろに研究所の方は使うことができる、こういうことですか。
  12. 西崎太郎

    西崎政府委員 そうです。
  13. 森本靖

    森本委員 それから、国際電電高萩の近くにつくるものの運用開始はいつごろになりますか。
  14. 灘波捷吾

    灘波参考人 国際電電でただいま茨城十王町に準備をいたしております実験施設は、明年の八月ごろに機械ができ上がる予定をいたしております。
  15. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、国際電電の方が早くでき上がる、そうして実際の実験通信国際電電の方で行なうことができる、こういうことですか。
  16. 西崎太郎

    西崎政府委員 そういうことになると思います。
  17. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、アメリカ側準備でありますが、アメリカ側はすでにテルスターが打ち上がっておりますけれども、アメリカ側太平洋岸にできるところの地上局というのは、大体いつごろできる予定ですか。
  18. 西崎太郎

    西崎政府委員 ごく最近の情報は承知いたしておりません。先般、この協定締結のための技術的な討議を東京でやったわけでありますが、そのときのNASA側説明によりますと、太平洋岸としましては、ロスアンゼルスの近くのモハヴェというところに局をつくる、そしていわゆるナロー・バンドといいますか、電話の送受信は本年中にできるようになるということを承知いたしております。
  19. 森本靖

    森本委員 このいわゆる太平洋岸地上局基地は、いつごろから運用せられるか、こういうことです。
  20. 西崎太郎

    西崎政府委員 先ほど申し上げましたように、われわれの承知いたしておりますのは、年内に使えるようになるのだ、そういう予定だということを聞いております。
  21. 森本靖

    森本委員 私が聞いておるのは、だから年内に使えるようになるというのは、いつごろからこの地上局運用が開始せられるのか。あなたの方は地上委員会にも入ったし、協定も結んだし、アメリカ側状況もよくわかっておる、こう思っているから聞いているわけです。それをわからないようでは、地上委員会に加入したり何かして大騒ぎするようなことはやめたらいいと思うのです。私の聞くことについては、ほとんどわかっていなければならぬはずでありますから、だからアメリカ側太平洋岸地上基地については、アメリカ側としてはいつごろから運用するという計画を持っておるのか、こういうことであります。
  22. 西崎太郎

    西崎政府委員 最近の情報を十分把握していなくて十分なお答えができないことを残念に思いますが、そういった点につきましては、来年の一月からCCIRの総会もありますし、あるいはまた来年の三月には地上委員会が南米で開かれるということも聞いておりますので、そういう席でもってはっきり確認できると思いますが、われわれの承知いたしておりますのは、アメリカ地上局としましては、もうこの年内から運用しようとすればできる、こういう態勢になっているように聞いております。
  23. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、このアメリカ側太平洋岸地上局年内に運営ができるということになるとするならば、国際電電のいわゆる高萩地上局が八月に運用せられるということになりますと、現実の問題としましては、この八月ごろには現在のテルスターを利用するということの可能性があるわけですか。
  24. 灘波捷吾

    灘波参考人 明年八月に、予定通り国際電電十王町における地上実験施設完成いたしまして、そのとき、ただいま飛んでおりますテルスター一号が幸いにしてなお寿命を保っておりますれば、そのテルスターを利用いたしまして実験ができるわけでございます。ただ、申し上げますが、現在飛んでおりますテルスターは、もともとアメリカヨーロッパとの間に実験をいたすために飛ばしたものでございまして、従って、その地球上の高度とか地球との軌道、さような関係で、日本がかりにこのテルスターを利用いたしましても、それをもって直ちにアメリカ実用通信のごときものができるという段階ではございませんことを申し上げておきます。
  25. 森本靖

    森本委員 私は実用通信ということを一つも言っておるわけではないのであって、実用通信というのは、アメリカだって一九七〇年以降でなければやれないということを言っておるわけでありますから、現実宇宙通信実用通信というのはまだまだずっと先のことでありまして、要するに実験通信のことを現在言っておるわけでありまして、かりに太平洋岸において、まあこれは軌道で角度がどうなっておるか知りませんけれども、一応国際電電がこの八月に完成をするということになれば、理屈としては太平洋岸地上局ができれば交信ができるという形になるわけですから、そこで私が聞いておるわけでありますが、もしそれができないにいたしましても、たとえば日本単独実験通信ということもできるのじゃないか。たとえばテルスター上空に回ってきたときに、自分のところから電波を発射して、自分電波をもう一ぺん受けるという実験はできるのじゃないかというふうに考えておるわけでありますが、そういうふうなことは考えておりませんか。
  26. 灘波捷吾

    灘波参考人 ただいまお話しのテルスターが現在通り飛んでおるといたしまして、そこへ国際電電地上実験局が来年の八月にかりに完成いたしますといたしまして、われわれが最初になすべきことと考えておりますのは、ただいまお話にもございました中の、日本電波を出して、そのテルスターを使って日本で受ける、これを局地試験と申しますが、それは必ずできることでございます。それからその次に、アメリカのような遠距離でない、たとえばインドとかどこかで——インドまで参りませんでも、日本の内地でも、たとえば東京大学の鹿児島のロケット実験場とか、さようなところとの間に局地試験を行なうことはできると存じます。それからその次に、幸いにしてアメリカ西海岸なりハワイ陸上局が設置されましたら、その間で実験をいたしたいと思いますが、ただアメリカ西海岸実験局ができたといたしますと、日本との間にかなり距離がございますので、実験に使いまする時間とか、さようなものは、かなりの制約を受けるとは存じます。
  27. 森本靖

    森本委員 それで一応現在のこのテルスターを利用してやるということについては、かりに実験段階ができましても、実際にこれを通じてテレビ放送を行なうということは、まずまず私は満足な放送というものは不可能だというふうに考えるわけでありますが、その後におきますNASA計画というものはどうなっておるのですか。
  28. 西崎太郎

    西崎政府委員 またおしかりを受けるかもしれませんが、NASA通信衛星に対する計画は、実は詳細には承知いたしておりませんが、ごく最近のうちに、いわゆるテルスターでなくてリレー衛星、これは使う周波数、それから中の機器の方式なんかも多少違うようであります。これが近々のうちに打ち上げられるということを聞いておりますし、また来年早々には、例の静止衛星といいますか、シンコムという衛星、これは大西洋上に打ち上げられるというところまでは一応承知いたしておりますが、それ以降の分につきましては実は詳細に承知いたしておりません。
  29. 森本靖

    森本委員 その静止衛星大西洋岸に打ち上げられるといたしましても、おそらく現実の問題として日本アメリカとの交信に使うということはできない。かりに静止衛星を打ち上げるということで日本アメリカとが行なうとするならば、少なくとも太平洋上空に打ち上げるという形をすれば、おそらく一応実験通信が可能でありますけれども、大西洋に打ち上げるという形になりますととうていできない、こう思うわけであります。そういたしますと、このリレー衛星打ち上げといううことによっての実験通信というものは、どういう方法で行なうというNASA計画を持っておるわけですか。
  30. 西崎太郎

    西崎政府委員 静止衛星は、先ほど申し上げましたように、大西洋上に打ち上げられる、しかし、その模様を見て太平洋の方にも考えるということは聞いております。それからリレー衛星の問題でありますが、これはやはり日本地上設備ができてからでなければ利用はできないわけでございますが、これも当然今度の協定の取りきめの対象になっておりまして、日本側としましては、その準備ができ次第、先ほど申し上げました電波研設備を使って主としてやって参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  31. 森本靖

    森本委員 このリレー衛星が打ち上げになりましても、現実にはこれが実験通信という形になって、どの程度これが交信できるものか、まだはっきりしないわけであります。そこで私は、この際NHKに聞いておきたいと思いますが、NHK昭和三十九年のオリンピック世界放送するということを考えておるようであります。それから日本政府も、外務省岡崎国連大使国際連合の中で、世界オリンピック放送するということを大みえを切っておるわけでありますが、今言ったようなこの宇宙通信の実情では、現実の問題としては日本オリンピック世界的に中継するということはほとんど不可能に近い。まあやったにいたしましても、せいぜい四十分そこらしかできないのじゃないか。それも画面が鮮明になるというような形は今とうてい想像ができない。そういうことで世界放送するということであるとするならば、録画したものを世界各地飛行機で飛ばすというよりほかに方法がないのじゃないかということを言っておるようでありますが、NHKとしては、こういう問題についてはどう考えておりますか。
  32. 田辺義敏

    田辺参考人 ただいま御指摘の問題につきましては、先ほどからいろいろ灘波参考人その他の御意見がありましたように、通信衛星を使ってある程度実験的な放送はできるかと期待しておりますが、おっしゃるように、それが完全な放送ができるとは今のところ考えられない点もございますので、一応われわれとしましてはヴィデオテープなりフィルムなりを使いまして、おっしゃるように飛行機で輸送する方法が一番確実でございますので、それは十分なことをやれるように設備その他を整えておるというような状況でございます。
  33. 森本靖

    森本委員 これは一つ、私は郵政大臣から外務大臣申し入れをしてもらいたいと思いますが、要するに日本国連大使あたりは、どこからどういう情報を得たか知りませんけれども、堂々と国際連合を通じて、世界にこれができ得るということを発表しておるわけでありますし、日本新聞も大きくこれを取り扱った経緯があるわけでありますけれども、これはアメリカなりソ連なり、あるいはまた英国あたりでも、そういうことは、今の段階においてはでき得ないということを、みな認識しておるわけであります。日本外務省のそういう諸君が、どういうわけでああいうことを言ったのだろうということをちらちら聞くわけでありますが、今、田辺専務理事が言われましたように、現実にこのオリンピックを全世界に中継するということになるとするならば、今言ったような録画方式でこれを空輸するということしか現在の段階においては考えられないわけであります。しかも私が世界的に日本がある程度物笑いの種になると言うのは、要するにアメリカにおいてもまだまだこの宇宙通信というものは実験通信段階である、実用通信というものは一九七〇年以降でなければほとんど現在の段階においてはできないということを言っておるにもかかわりませず、日本だけが、とにかくさもできるようなことを言って、今の実験通信というものが実用通信になるような錯覚を日本国民に与えておりますし、それからそういうふうな印象を受けるわけであります。そういう点について、私は岡崎国連大使がどこでどなたからどういう情報を得てああいうことを国際連合で発表したか知りませんけれども、そういう点については私は引っ込みのつかない格好になると思いますので、一応これは郵政大臣あたりから外務大臣あたり一つ注意をしておいてもらいたい、こう思うわけでありますが、その点どうですか。
  34. 本名武

    本名委員長 大臣の発言は、健康の都合上着席のまま許しますから御了解願います。
  35. 手島栄

    手島国務大臣 郵政省で希望は持っておりましたが、まだできるというようなことを申してはいないはずでありまして、そういった誤解がありますならば修正をするように申し出たいと思っております。
  36. 森本靖

    森本委員 それから、もう一つ私は、この際に関係者諸君にもよく言っておきたいと思いますことは、先ほど私が言いましたように、日本新聞論調でも、あるいはまた郵政省の官僚の諸君でも、故意に、これが実験通信であるということを実用通信のような形にすりかえられるというふうな印象が非常に見えるわけでありますが、先ほども言いましたように、本家本元アメリカですら、実用通信というものは一九七〇年以降でなければおそらく不可能であるということを言っておる段階でありますし、またアメリカ宇宙衛星会社法ができあがりまして、これが実際に運用されるのも七〇年以降であるというふうにはっきりしておるわけでありますので、この辺を今後の発表なり報道に当たっては、あくまでも、まだ宇宙通信というものは世界的にも実験段階であって、とうていこのオリンピック放送というものが実用通信段階にはならない。要するに、できても先ほど田辺専務が言われましたように、若干の実験通信としてできれば幸いである。そのできる方向に持っていかなければならないけれども、大いに関係者諸君が持っていくということについては、われわれも賛成でありますけれども、この期待があまりにも大きい割に効果が非常に少ないということになってきますと、あと国民としても非常に思惑が違った、こういう形になると思いますので、その辺の問題については、今から非常に慎重な態度をとっていってもらいたいというふうに考えるわけであります。  そこで、この際ちょっと聞いておきたいと思いますことは、こういうことで宇宙通信、いわゆる衛星を通じての世界的な通信網というものがだんだん成立をしていきますし、また相当な年月を経て行なわれるとするならば、これは将来については明るい見通しが立ってくるということは当然であります。しかし、そういうふうな宇宙通信を利用いたしまして、そうして世界通信網を開発をしていくということは重要でありますけれども、当委員会でも問題になっておりましたように、同時に世界海底電線なりマイクロを通じて有線的な方法においてつなぐということは、世界通信政策としても一番確実な方法でありますし、また現実にフェーディングその他の関係からいたしましても、堅実な通信政策ということになるわけであります。そこで、現在は日本ハワイとの間に海底電線ができ上がりますと、一応日本アメリカ大陸とが有線において結ばれる。さらに大西洋における海底電線がありますので、ヨーロッパアメリカがこれに結ばれる。こういう形になるわけでありますが、不幸にしてこの今回の海底電線は、テレビ電送は不可能なような形になっておりますけれども、そういたしますと、前から問題になっておりますところの日本からニュージーランド、オーストラリアに行くところの、要するに東南アジア方面に延びるところの海底線、さらにまた戦前にありましたところのインド洋を通ってヨーロッパに結ぶ線、それからもう一つは、現在もすでに結ばれておりますけれども、長崎からウラジオを通ってモスクワを結ぶところの回線、こういうものが世界通信ルートになるわけである。考えようによっては、日本が東洋におけるところの通信一つ中継基地としてのかなめになっているというふうなことになるわけでありますが、しかし、現在のこういうふうな世界的な通信網をつなぐということになりました場合に、単にこの電信回線だけというような、今のノーザンのようなやり方はこれはもはやだんだん時期遅れである。たとえば電話回線にいたしましても、あるいはまたテレビ電送におきましても、この回路を通じて行なうということが一番望ましいわけであります。  そこで、私がお聞きいたしたいと思いますことは、私が過日アメリカ、カナダ、イギリス、ソ連等を回っておりましたときに、たまたまソ連に参りましたときに、ソ連の方から日本政府に対し、さらにまた日本のKDDに対して、北方ルートのいわゆるマイクロ網開拓を行ないたいということを、一九五八年でありますから今から四年前に日本政府申し入れをしたということを言っておったわけでありますが、まだその後これが全然進展していない。かりにこの北方ルート開拓をするということになりましても、たとえば今の長崎・ウラジオ間の電信海底ケーブルを電話回線もできるような海底電線に敷設をし直すという方法と、それからソ連が言っておりますように、ウラジオからサガレンを経由して北海道でマイクロを結ぶという考え方と、それから戦前にわれわれがやっておりましたように、今おられました松前さんが敷設をいたしましたところの例の釜山から新義州を通って奉天を通って新京を通ってシベリアを通過をしていくという、この二つのルートが北方ルートとしてはあるわけであります。しかし現在の国際情勢からいたしますと、韓国、北鮮、中共、ソ連を通ってヨーロッパと結ぶということはおそらく不可能に近い。ただ問題になりますことは、現在のノーザンの、いわゆる長崎・ウラジオ間の海底電線を敷設し直すということも考えられますし、あるいは場合によっては新潟から直接新しい海底線をウラジオに延ばすという考え方もあろうかと思います。あるいはまたソ連が考えておりますように、樺太を経由して北海道でマイクロを結びつけるというような考え方となろうかとも思いますが、これは非常重要な問題でありますし、かりにソ連が考えておりまするような北方ルート開拓をせられるということになりますと、将来東京とモスクワとロンドン、パリが同時にテレビ中継ができ得るという形にもなるわけでありますので、そういう点では非常に重要な関心を持つわけでありますが、このソ連日本との間におきまする一九五八年以来の話し合いというものはどういうふうになっておるのか、その経過を一つ説明を願いたい、こう思うわけであります。
  37. 浅野賢澄

    ○浅野説明員 ただいまお話しのございましたソ連との間の北方回線と申しますか、北方を経由する電信電話の連絡ルートの問題でありますが、一九五八年にローマで会議をいたしまして、その際にソビエト側から、将来の問題としてラジオ・リレー・システムを一つのプランとして考えてはどうか、そういう一つの提案がございました。これは会議における提案でありまして、当時の関係国全長の賛成を得られず、これはその場において中断いたしております。それから、その後五九年に東京会議がございました。そのときにソ連の代表が参りまして、これはやはり非公式に国際電電関係者の方に対しまして、棒太経由のルートを設定してはどうか、こういう意見があったようでありますが、これは一つ意見として出ておった段階であります。その後一九六一年でありますか、大北電信の方から、現在お話しのございました長崎、ウラジオを経由しまして欧州側に結んでおります現在の大北電信ケーブル・ルートでありますが、これの近代化につきまして考えてみないか、こういう申し入れ国際電電側にございました。そういった関係もございましたので、日本側といたしましては、大北会社の考え方、それから当然これはソビエトに関連いたして参りますので、ソビエトがこれに対しましてどういうふうに考えておるのか、こういった点につきまして外務省を通じてそういった考え方を聞いております。その後、ことしの四月でありましたか、ソビエト側から、これは非公式でありますが、樺太経由の通信路を設定してはどうか——非常に簡単でありますが、こういった形でソビエトのモスクワにあります日本大使館に質問をいたしております。それから、私どもの方からは、その後これらに関しまして、どういう内容か全然はっきりしておりませんから、大北との関係もありまして、どういう考えであるか、そういった点を照会をした。それに対して九月に、ロシヤ側からは、電信については従来通り大北のケーブルを利用いたしたい。それから、それ以外に電話とテレビの伝送業務を行ないたいと思うがどうか、そういった照会が参っております。
  38. 森本靖

    森本委員 最後に、ソ連側から回答が来ておりますのが一九六二年九月ですから、今年ですか、そこで、電信については従来通り大北会社のノーザンの線を認めていきたい、それからこの問題については日本とデンマークの大北会社とソ連と三者の話し合いをしたい。それから別途の樺太ルートを設定して、電話並びにテレビの伝送を行ないたい。料金問題等については一つ検討したい、こういう申し入れになっておるわけでありますが、これに対して日本政府としてはどういう態度をとっていかれるのか。要するに、北方ルートというものを今後開拓をしようと考えておられるのか、あるいは全然問題にならぬ、こういうふうに考えておられるのか、その辺お聞きしたい、こう思うわけであります。
  39. 浅野賢澄

    ○浅野説明員 これは非常に重要な問題でありまして、先ほど先生がおっしゃいました通りであります。ただ、現在のところ、先ほどお話のございました太平洋ケーブルは、再来年の四月に竣工する予定でございます。それによりまして大体日欧間通信というものは、今後相当長期にわたりまして十分これによって収容できます。そういった建前におきまして、現在のところは考えておりません。
  40. 森本靖

    森本委員 これは現在のところ考えておらぬというふうに言っておりますけれども、かりに日本がこれに同調するということになれば、ソ連側としてはオリンピックに間に合わすような突貫工事をやってもよろしいというようなことを非公式ながら言っておるわけであります。先ほどの私の質問において明らかになりましたように、現在の宇宙通信、いわゆる衛星通信を利用しての、オリンピック世界的に中継するということはほとんど不可能だ。ところが、この北方ルートがかりに完成いたしました場合においては、ヨーロッパの各国に対して日本からマイクロを通じての同時中継が、しかも日本内地で見られるように鮮明に見られるわけであります。そういうふうな重大な意義を持っておるわけであります。もっとも料金問題については、相当大きな問題が残っておるわけでありますが、かりに今後のリレー衛星あるいは静止衛星大西洋間に打ち上げられるということになりますと、かりにロンドンあるいはパリあたりまで行くとするならば、今度そこからアメリカに逆中継するということもできるわけでありまして、これは時期的にいって、かりにオリンピックの問題を考えるならば、もはやこれは年度末の昭和三十八年の三月ごろまでの間に結論をつけて、あとは一瀉千里にやるという形でなければ実は間に合わぬわけであります。かりに北方ルートをやるということになった場合には、先ほど私がちょっと言いましたように、これもまだ正確には調べておりませんけれども、現在のモスクワとロンドン間のマイクロソ連側の使用料が一時間三千ポンドというようなことを言っておりましたから、かりにモスクワからウラジオを経由して樺太を経由してくるということになりますと、かなりの料金になるわけであります。しかし、そういう料金問題については、これは交渉によって上がったり下がったりすると思いますが、いずれにしても、この道しか完全に鮮明にこれを送るということは残されていないわけであります。そういうふうなことを考えてみますと、これは非常に重大な問題になってくるわけでありますが、当面これについての進展は考えておらぬというような監理官の説明でありましたけれども、すでに現在日本の有線電信網というものは、モスクワを通じてヨーロッパに延びておるわけであります。たまたまこれがマイクロにかわるということになるとするならば、たとえば電話回線さらにテレビ伝送ということになりますが、日本側として都合がいいのは、ウラジオからサハリンを経由して北海道にくるということになりますと、日本側の工事というものはほとんど要らないわけであります。太平洋の海底ケーブルと違いまして、日本側としては北海道に中継所を一カ所こしらえたら、あとは全部ソ連がやらなければならぬ工事になってくるわけであります。その後におけるいわゆる料金問題は永久的に残ります。こういうような情勢になっておるわけでありまして、ここは政治的な判断を要する問題になってくるわけであります。あくまでも、今の国際情勢からしてだめだということになれば別でありますけれども、こういう通信政策というものについては、資本主義とか共産主義とか中立国とかそういうものを通り越して、世界通信政策日本としても一つのかけ橋として考えるというような考え方に立っていくとするならば、これは一つの時期になるわけであります。私が夢として描いておりますることは、たとえば東京とモスクワとロンドンとパリが、同時にマイクロ網を通じてテレビ中継ができるということになりますれば、日常われわれが見ているテレビを通じて、東京の市民生活が出てくる、あるいはロンドンの市民生活が出てくる、モスクワの市民生活が出てくる、こういう形の世界のテレビ中継というものが出てきた場合には、当面国際的に一つの親近感といいますが、そういうものが出て参りまして、国際情勢にも一つの非常な平和的な雰囲気にも有効に使えるのではないかということが考えられますし、また、日本としては、画期的なオリンピックを再来年は行なうということになるわけでありまして、この辺のルートの設定については、今、監理官が言ったように、当面は何も考えておりませんということでなしに、やはりあらゆる情勢を検討して、そして、もしいいことであるとするならば、これを前進さすという方向を考えてみてもいいのじゃないか。ヨーロッパの国々については、そういうものができ上がってかりに中継されるということであるとするならば大いに歓迎する。すでに現在モスクワとロンドンを通じてのマイクロ網を通じてテレビの番組交換というものが開始をしておるわけであります。そういう点で非常に国民感情というものも違ってくるわけでありますが、この辺については、もはや監理官の答弁の段階ではないと思います。大臣として、こういう問題について政治的にどうお考えなのか、一つ大臣の方から御答弁が願いたい、こう思うわけであります。
  41. 手島栄

    手島国務大臣 今お話しの通り、電信電話の方は現在でも十分疎通しておりますし、太平洋ケーブルができるともう少し楽になりますので、この北方ルートというものは、おもにテレビの問題だけだと思います。従いまして、同時に宇宙通信というものがだんだん成功して参りましたので、この問題とにらみ合わせて考えてみたい。ただ、オリンピックだけをあまりに重きを置いて、それに間に合わせてということは、将来の通信政策としてやや軽率でないかと思っておりますので、宇宙通信と相互に考えをまとめまして進みたいというふうに考えております。
  42. 森本靖

    森本委員 私が、言っておりますことは、たまたまオリンピックがあるから、オリンピックに間に合わせるのなら間に合わしたらいいという意見なのであって、オリンピックだけを中心に私は考えておるわけではございません。将来かりにこの北方のこういうマイクロ・ルートが通じたとするならば、たとえば年に十回でも十二回でも——月に一回程度は、たとえばヨーロッパとのテレビ番組の交換、こういうことをやった場合は、当然これはできるわけであります。東京とモスクワとロンドンとがつながる、あるいはボンとベルリンとがつながる、ローマがつながる、こういうことになりますと、いながらにして世界各国のテレビ中継というものができる。これはわれわれの夢であったものが現実にでき上がるわけであります。そういうことになることが、私は世界平和の観点からいっても望ましい。もう国民自体がお互いに感情的に解け合っている中において、時の為政者が戦争しようなんということを考えたところで、なかなか国民感情がむずかしい。そういう点からいっても、これはきわめて重要なルートになるであろう。またヨーロッパ諸国も、非常にそういう点については望んでおる国々も多いと思うわけであります。たまたま料金問題については、いつも私が言っておりますように、非常に問題になってくるわけでありますけれども、そういうことで一つのルートが開通されるということは望んでおるわけであります。私は必ずしもオリンピック中継のみを限定をして言っておるわけではありません。将来恒久的な、ヨーロッパとアジアをつなぐところの一つマイクロ網というものを完成しておくことは非常に効果があるじゃないか。政治的にも、あるいは経済的にも効果があるじゃないか。  ここに通信交通量のモスクワと日本との量がありますけれども、これは郵政省のなにで見ますと、あまり量がないようにとれますけれども、私が現実にモスクワで日本大使館で聞いたところによりますと、たとえば日本大使館においても常にテレックスの加入を何回も申し込んでおるけれども、回線がないということでソ連側から拒否をせられておる。あるいはまた東京とは、私がモスクワから直後監理官に電話をかけたから監理官よく覚えておると思うが、あの時間しかない。ちょうど朝の十時から十二時までの間にしかモスクワと東京との通信連絡の時間はないわけであります。ちょうどそれが日本で言いますと三時から五時までの間になるわけでありまして、二時間しか一般の人の通話時間はない。そこで、たとえばNHKにしても、各新聞社にしても、この電話通信については非常に困っておる。こういうことで通信ルートが開通せられるならば非常に幸いであると言っておるわけであります。  そういう点から考えてみますと、さらにまた、モスクワだけにとどまらずに、モスクワからヨーロッパに延びるということになるわけでありますので、この点については、私は一つ前向きの姿勢で十分に検討してもらいたい、こう思うわけであります。これは社会主義とか、共産主義とか、資本主義とかいう問題を離れて、世界国民がそれぞれお互いに通信網というものを持つことは私は必要な問題ではないか、そういう観点から、郵便は万国共通であると同じように、通信というものも私は万国共通であってしかるべきだと思う。だからそういう点から見ますと、この北方ルート開拓ということについては、いま少し日本政府としても真剣に前向きの状態において検討をしてもらいたい、こう思うわけでありますが、どうですか大臣
  43. 手島栄

    手島国務大臣 お話の通りでありまして、通信には国境がありませんので、どこの国とも便利になるように必ずしなければならないと思っておるのであります。ただいまも申し上げましたように、太平洋ケーブルができますと電話の問題は大体片づくと思います。あとは構想をどうするかという問題でありますので、これをオリンピックに限りますと、片方の衛星通信ではまだできないというようなこともいわれておりますので、問題が非常に行き詰まって参りますが、通信はそういう問題だけを考えないで、広く将来を見越して計画をしたいと思っておりますので、北方のルートの問題をないがしろにするという意味は少しも持っておりませんが、衛星通信との問題をからみ合わせてよく検討して進みたいと思っております。
  44. 森本靖

    森本委員 これは大臣のおっしゃられますように、衛星通信ともからみ合わせて、この北方ルート開拓ということについても考えていかなければならぬということは当然のことであります。ただ、ここで大臣にも申し上げておきたいと思いますことは、衛星通信が完全にでき上がるという過程になりましても、世界を有線において結ぶという一つの考え方は、これはどなたでも持っておるわけであります。これはアメリカにしても、英国にしても、ソ連にしても、持っておるわけであります。ただ、たまたまそのルートが、南方を通っていくルートと北方を通るルートと、ちょうど北極回りの飛行機と南回りの飛行機があるように、この通信ルートにも北方回りのルートと南回りのルートができ上がることも当然であります。今電信回線としてはすでに北方ルートはあるわけでありますが、将来のテレビ放送とか、そういう問題を考えての北方ルート開拓を考えたらどうか、こういう私の意見でありますので、前向きにおいて大臣が検討せられるということでありますから、それは十分検討してもらってけっこうでありますけれども、ただ、ここで私が申し上げておきたいと思いますことは、とにかくこの話でも、先ほど監理官が答弁がありましたように、一九五八年の四月にITUの会議であったのでございまして、今まで話がえんえんと続いておるわけであります。その話もとにかくITUの会議であったついでに日本代表とソ連代表がたまたまその話をするということであって、文書を交換するということになりますと、一つの文書で半年ぐらいかかっておる。とにかく、いずれにしても、それは日本の代表がモスクワに行くなり、モスクワの代表が東京に来るなりして話をすれば、行く行かぬは別として、話は簡単にすらすら先に進んでいくものが、とにかくそういうふうな経過で四年も経過をしてきておる。一度こういう問題については私は監理官あたりが身軽に行って話を聞いて、そうしてこういうような話でございますということで報告をして、そうして検討するというぐらいの意気込みを持っておってしかるべきじゃないか。今のようなやり方をやっておったのでは、十年たってもなかなか結論は得られない。やはり私はそれだけの郵政省としては、意気込みとファイトを持たなければならぬと思う。実際問題として検討するといっても、それほど検討する材料は日本郵政省にはまだないと思う。今や、靴の上から足をかくみたいな格好で、こわごわ、そろそろやっておるものだから、さっぱり内容はわからぬ、大体輪郭はこんなことぐらいだろう。たまたま私がそこへ行って詳しく話を開いてきたものだから、郵政省としても材料がないのでちょっとあわてておるというふうなのが今の実情だと思う。だからこういう点について一つ遠慮なしに係官を派遣をして、あるいは向こうから係官に来てもらって話を聞いてみる、あるいはこっちの意見を言う、それから後に材料を集めて、行く行かぬというふうな問題について十分に検討したらいい。そのくらいの意気込みを持ってもらいたい。  それから、先ほど電波監理局長の話でありますけれども、アメリカ地上委員会の事情すらあまり詳しくわからぬというのが今の日本の実情でありますが、一つこういう点については、来年度の予算にも関連がありますけれども、諸外国の事情を十分のみ込んで日本通信政策を考えていかなければ、こっちだけが幾らさか立ちをしてやったところで始まらぬわけであります。たとえばアメリカについても、わからなかったらすぐアメリカへ飛んでいって実情を調べて、どういう事情であるか、地上局はどうなっておるのだ、おれのところは地上局はこういうようにつくっておるのだというくらいの知識と事情がわかるような郵政省の状態でなければ——今の郵政省のやり方は、全くめくらつんぼで、手ざわりでこういう通信政策を樹立しておるという実情ではないか。たまたまわれわれがぽこっと行って聞いてきた方が、かえって郵政省の事情よりも詳しい、こういうことになってしまうので、こういう点については、今後とも郵政省としてはもっともっと実効の伴った政策を樹立する、それがためには、今言ったような海外の事情の把握、さらにまた向こうの情報の収集、こういう点についてはよく考えておかないと、これから先この電波あるいは通信という問題については、世界はどんどん進んでおるわけでありますから、日本だけがおくれてしまうという結果になるわけであります。この点について私は、重ねて今後の大臣の考え方を聞いておきたい、こう思うわけであります。
  45. 手島栄

    手島国務大臣 ごもっともな御注意でありまして、今後はなるべくスピードをあげて物事が進むように考えたいと思います。
  46. 森本靖

    森本委員 それでは、松前さんの方から質問があるようでありますから、私はこの程度できょうはやめまして、次に質問をするようにいたしたいと思いますが、とにかくこの北方ルートについても十分に検討して、郵政省としての確固たる政策を樹立を願いたい、こう思うわけであります。  それから、次の委員会のときに、私は今度は科学技術庁長官と国際電電にも一緒に出てきてもらって質問したいと思いますことは、今度のテレビ装置を日本が受け入れるということに決定をしておるようでありますけれども、この問題について一つ質問をしたいと思いますので、その点について十分に検討しておいてもらいたい、このことを今から一つお願いをしておきたいと思います。  それからもう一つNHKにお願いをしておきたいと思いますことは、今後の宇宙通信あるいはこういう北方ルート開拓によって、世界放送のあり方というものがだんだん趣が変わってくるのではないか、たとえば今のようなインタービジョン、ユーロビジョンあるいはアジア放送会議、こういうような形のものか、将来は最終的に国際連合の下部機関としての世界放送連合か何か、そういう形のものをつくっていってやらなければ、今後の国際的なテレビの中継、あるいはラジオ中継というものも、なかなかむずかしいのではないかというふうな気もするわけでありまして、そういう点についてこの次の委員会であらゆる角度から質問をしていきたいと思いますので、その方面に関する限りの資料を御収集を願っておきたいと思います。  それからもう一つ、今後の日本のFM放送に関連をいたしまして、アメリカの今回できておりますところのオール・チャンネル法の問題でありますが、いずれ日本といたしましても、この問題は二年、三年後には起こってくる問題であるというふうに考えておりますので、これも郵政省NHK等を通じて一つ情報を収集しておいてもらいたい、このことをつけ加えまして、私の質問を終わります。
  47. 本名武

  48. 松前重義

    松前委員 大臣はおからだが悪いようでありますから簡単に質問いたします。同時に、私の大臣に対する質問は集約しますから、もし私以外に質問者がなければお休みになってけっこうだと思います。  そこで、ただいまの森本委員からの質問は非常に重要な問題であると思うのでありまして、かねがねわれわれもそのような意見を持っておったのであります。これは御参考までに申し上げますが、先般私がヨーロッパへ参っておりましたところが、ちょうどあの人工衛星による中継のテレビをやっておりました。それは見たところだめです。問題になりません。どうして郵政省はああいうものに取り組まれるかと実は不思議に思ったのでありますが、向こうの技術の専門家に会ってみますと、あれはだめだから、どうしてもシベリアかどこかのしかるべきマイクロの中継をやらなければとうていだめだということを、ドイツの郵政当局も、あるいはまたジーメンス・ハルスケ等の優秀な研究所等もそのことを言っておりました。フランスでも英国でも同じでございます。スエーデンも同じでございました。こういうふうな情勢でありまするので、この問題は、いろいろ基本的な問題も含んでおりますけれども、真剣に取り組まなければならない問題だと私も思うのでありまして、この点は御参考までに、私の経験を申し上げておきます。  そこで、簡単に結論をお伺いしたいことがあります。それは、まことに小さな問題のようでありますが、非常に大きな問題だと私は思うのであります。地方におきまして町村が合併をいたしました。ところが町村を合併しますと、農協というものも大農協として農林省の奨励によって合併しました。ところが、その合併した村には有線放送というものが村単位にある。農協も村単位にあったのであります。農協は大きな農協に合併した。そこで村単位に有線放送がある。従ってその有線放送一つの農協のもとに統一しないと、農協によるいろいろな農業の指導等ができない。あしたは霜が強そうだからみんな用意しろというような放送をしようとしましても、その合併ができないということによって、これが農業指導もできない。有線放送の役を勤めないというような格好になるのであります。ところが、郵政省と電電公社との間にその問題について見解の相違があるのであります。何か一・七%程度の電話の普及率のところには有線放送を許すというようなことになっておったらしいのであります。ところが、だんだん世の中が進んできますから、電話の数がだんだんふえて、一・七をオーバーするというようなことになってくる。一・七をオーバーしたがゆえに、今度はその有線放送は一・七以下の有線放送のある合併した村があったにしても、それと一緒にはなれないというような問題が出てきまして、農協は一本になったが、有線放送はばらばらであるというようなことで、電話の普及の割合というものが一・七以上のところには有線放送は許さないという、その規定が非常に災いをなして、いつまでもその問題が解決しないで困っておる。この問題は全国的な問題であります。ちょうど同僚議員がこれについて予算委員会で質問したいと言っておりましたけれども、予算委員会ではなんだから自分一つ大臣に聞いてみよう、大臣に裁定してもらわぬと、これは事務的にはいかぬような情勢があるようでありますから、この点を御推察の上、一つ裁断を下していただきたいと思います。  問題は、一・七以上のところには有線放送は許さぬ、それ以下は許すというので今まで許してあります。許してあるが、一・七以上にだんだん電話がふえてきた、こういうことであります。電電公社に聞いてみますと、有線放送を許したときに、一・七以下であったならば、今一・七以上に電話がふえておるとしても、それらの合併は、許したときの状態によって合併を許可してもよろしい、こういう話であります。そうすると、現在の規定によって十分許可ができるのであります。ところが、郵政省の監理官の話によりますと、その一・七をもっと多くする、三とか三・五とかにする、そして許したい、こういう話のようであります。そこで、現在の規定がそうであるならば、あとの話はあとの話にして、お互いに話し合っていただいて、適当なところの何%かを見出していただいて、そして早く、今困っている全国に、農村の合併をやり、霜もどんどんおりてくるというような、農村指導の必要な、重要な季節の変わり目に対処しましても、早く行政的にこの処置を講じてもらいたい。いつまでもそんなところでぐずぐずしておったのでは、非常に農村は困るというふうに考えたものですから、さしむき私がここで大臣から一言その辺のところをお伺い申し上げたい。  御参考のために最後の断をおろしていただく材料として申し上げますが、たとえば三%なら三%に引き上げて許したとしますと、三%以上に今度は電話が普及することは当然です。そうすると有線放送を取り消さなくちゃならないというような格好になる。私は取り消しはできぬと思うのです。あとで不必要になって自分で取りのぞくなら刑として、取り消しはなかなか困難である。ですからパーセンテージを上げるというよりも、電電公社の言われるように、いわゆる認可をした当時の姿において一・七以下であったならば、それらの有線放送の合併は許すという体制を早く講じていただきたいという希望を持ちながら、ここで御質問を申し上げておきます。
  49. 手島栄

    手島国務大臣 ただいまのお話はごもっともなお話でありまして、一・七も何も理屈があったわけではないので、あの当時の普及率からそういうことをやりましたのですから、電話加入はだんだん技術が上がって参りますので、現在そういう点がありますならば、実情に合わして直すようにいたします。
  50. 松前重義

    松前委員 大体今の御答弁で満足します。  それで第二の問題は、放送に関する問題であります。一言最初大臣から放送に関しての基本的な概念を伺いたいと思うのです。ということは、NHKと民間放送との関連性であります。NHKと民間放送との相違というものは、放送法を見れば見るほどどうも明確でないような感じが、私どもは頭の悪いせいかいたすのでありまして、今日もし放送法改正が行なわれるならば、もう少しその点にはっきりしたところを、筋金を入れておく必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのであります。また行政の運用においても、その点においては非常に重要だと思うのでありますから、一言お伺いしたいと思います。  この放送法を見ますると、大体NHKの使命というものは、全国あまねく放送するということが一つ、それから、契約によって聴視料をとるということ、それから広告放送はしないということ、この辺が大体NHKに課せられた一つの法律的な問題のようであります。民放は、全国放送NHKに対してこれは地域的な放送である、ローカルである。それから聴視料はとらない、とってはいけない。それから広告放送はしてもよろしい。番組に関しては一つの規制がある。すなわち五十二条の三というところに、この民放に関しては番組が規制されておる。こういうふうなことになっておりまして、NHKに対しては、いわゆる番組の主体性を確保するという意味における問題は全然この中に書いてない。言いかえると、NHKはどこの番組でも自由に、あるいはまた特定のものと——会社でも団体でもよろしいのでありますが、ある一定のものとの間にその放送をそのままNHK放送してもよろしいというように書いてあるようである。この点は、よろしいとは書いてないが、よろしいように理解できるような法律になっておる。そうなりますると、NHKというものには、番組の編成に対して個人的な関係においての、言いかえると、ある団体なら団体と特別の契約のもとに、ほかにたくさんそれに匹敵するようなものが国内にあるにもかかわらず、ある一部のものとの関連性において放送事業を経営する、そういう非常に民主主義の原則に反するような不公平な行き方をも大体許し得るかのごとき法律になっておるようにも、実は曲げて解釈すればされる、こういうふうに私どもは考えるので、むしろこれは逆でなければならない。民放にそれがあるならばいざ知らず、NHKにそのような規制が全然なくて、民放にはその規制が行なわれている。どういうような意味においてこういうふうな法律になっておるのか。また、これに対してどういうふうに行政の運用をやっておられるのか。NHKに対するいわゆる行政監督というわけじゃありませんが、この法律をつくったところの概念、それからまた、民放に対する概念、両者の相違点、これらにつきまして伺いたいのでありまするけれども、これは一々あとで法律の条文に照らさなければなりませんから、大臣からは大体NHKの性格、それから民放の性格の概念だけを簡単に伺って、私は大臣に対する査問をこれで終わります。あとで少し内部に入ります。
  51. 手島栄

    手島国務大臣 NHKの場合は、いわゆる公共放送でありまして、商業放送とは性質が異なっております。私らから見れば、どうしてもある責任を多分に負わなければならぬ性質のものだと思っております。現在の法制から見ますると、広い範囲内において民放との間があいまいな点が非常に多い点があると思います。今度の法制調査会、あれにかけて全部洗い直してみたい、かように考えております。
  52. 松前重義

    松前委員 まあ大体おおよその精神はそれでわかります。私はこれで大臣に対する質疑は終わります。  そこで電波監理局に御質問をします。  要するに、民放の方には、ある団体なり、あるいはしかるべきところから、そのままそこで編成されたような番組をそっくり送るようなことがあってはならないという規制がある。放送法の何条ですか、そういうような条項があります。ところがNHKにはそれがないのです。そうするとNHKは何でも送っていいということになるのかどうか。たとえばある会社の宣伝というわけではないが、そこだけの会社のしかるべき技術をNHKが送るというようなことも許されておるのかどうか。いわゆる公平さを欠くようなことでもできるのかどうかという問題です。その点について、法律には書いてないけれども、行政運用の立場からどういうふうに考えておられるか。
  53. 西崎太郎

    西崎政府委員 今御指摘の点は、放送法の第五十二条の三、放送番組の供給に関する協定の制限、この条文であると思います。それでNHKには御承知のようにこういった特別の条文は現在のところありません。ただ、放送法全体を貫く精神としまして、放送の不偏不党であるとか、あるいはまた番組編集の基準としまして、政治的に公平であること、そういった概念的な規定がありますので、その範囲内におきましてNHKが自主的にいろいろ番組のコードをつくりまして、それでやっておるわけでありますが、それじゃどうして一般放送につきましてこういう規定を設けたかと申しますと、先ほどもお話がありましたように、大体従来のNHKに対する考え方は、これは国民のものだ、従って、全国的な基盤の上に立っておるということでありますし、それから民放の方は、先ほども先生がおっしゃいましたように、それぞれの地方の地域社会というものを結成の基盤にしておるというようなことです。NHKの場合には、そういうわけで、全国あまねく同じ番組が津々浦々まで流れるということを期待しておるわけですし、もちろん地域的な放送もあるわけであります。ただ、民放の場合には、なるべく機会を広く開放した方がいいということで、地域的な考え方でいっておるわけで、その地域性を強調するために、地方の局がほかのいわゆるキー・ステーションから番組の面において強く支配を受けるということを規制する必要を認めまして、こういった五十二条の三という規定が特に民放に対して課されておるわけであります。今の先生のお話は、むしろそういう放送局相互間でなくして、放送局以外の番組のソースとして特定なものに強く依存するようなことを排除するという条文が要るのじゃないか、そういう点だと思いますが、その点につきましては、当然NHKとしましても、先ほど申し上げました放送法の考え方から申しましても、そういう点は考慮していると思いますし、また先ほど大臣が申し上げましたように、今度の放送法制調査会におきまして、そういった点も問題として調査審議の対象になり得ると思います。
  54. 松前重義

    松前委員 そうすると、これはキー・ステーションと、いなかのと言うと語弊があるが、地方のステーションの関連をうたったものですね。  そこで、NHKに全国放送を許してやるという場合において、もう一つの別な例をとります。そのときにNHKに限らず、たとえば今度免許された科学技術テレビというようなものに対していろいろ世間の批判を聞いてみますと、もしあれにテレビを許せば、ある特定の会社の宣伝に使われる可能性があるというふうなことで反対論がだいぶ出ておった。それはもっともな話であって、大いにわれわれとしては心しなければならぬ問題だと思う。特定の会社の科学技術研究所その他をどんどん紹介されますと、これは会社にとっては非常に都合がよくなるということになる。もちろんそれは今度の科学技術テレビがそういう意図を持ってやったのではないでしょうけれども、そういう邪推が方々にあった。それが多少の妨害になったと私は思う。だからそういうことは大体において許されないものではないだろうか。キー・ステーションと地方のステーションとの関係は、今のようにしてわかりましたが、もう一つの問題として、そのような特定のものとの間の番組の放送をやるというようなことは、これはそれだけとの間にやるというようなことは、それは一回か二回やって、その次は次のところへいくということは別として、そういうことは許されない問題ではないだろうかと思うのです。それらに対してどこかに規定がありますか。
  55. 西崎太郎

    西崎政府委員 遺憾ながら現在の法制では規定はありませんが、われわれの方といたしましては、そういう考え方で当たっておるつもりであります。しかしまた、これらの点も、先ほど申し上げました調査会におきましていろいろ検討されると思います。
  56. 松前重義

    松前委員 その考え方は正しいと私は思います。もしそれが今の科学技術テレビのような民放において多くの人が危惧しておるような問題を取り上げて、そういうことに対しては、電波監理局は、行政運用の面からまたこういう弊害が起こらぬようにというお気持を持って臨まれるということはわかりましたが、これは民放だけではなく、NHKにも通ずるものですか。
  57. 西崎太郎

    西崎政府委員 先ほど申し上げましたように、NHKの使命と申しますか、そういったことから考えましても、NHKが特定の勢力に左右されたり、あるいは不公平なことがあることは適当でないと思います。
  58. 松前重義

    松前委員 そのときの放送全体に対する大体の精神はわかりました。とにかくそういうような考え方の上に立って見るときに、特定なものによって左右されないようなプログラムをつくらなければならない、こういうことなんですね。その特定な放送者との関係は、形式上何か契約を結ぶとかいうようなことがなくても、現実的にその問題がそういうふうなプログラムの編成になるという傾向が大体において私は普通の場合だと思う。だからそれを法律的な立場で考えるのではなく、現実問題としてその放送が非常にへんぱになるという可能性ですね。これに対しては何かやはり法的な契約だけを目標にされるのか、現実的な問題を中心として考えられるのか、その辺を伺いたい。
  59. 西崎太郎

    西崎政府委員 もちろん、契約のあるなしにかかわらず、やはり事実問題として考えるべきではないかと思います。
  60. 松前重義

    松前委員 そうすると、私は、これから先あまり言いたくないことを申し上げなくてはならなくなった。ほんとうに言いたくない。言いたくないけれども、どうしても私の理解できない問題が一つある。それはNHKです。NHKで第二放送かテレビかを使って国民教育に対して寄与したいという非常な熱情にあふれておられることは、私は非常に敬意を表します。非常にけっこうだと思う。そうして教育の機会均等をNHKがある程度実行しようというような、あの全国放送網を持っておるNHKとしてこれを考えられることは、私は非常にいいことだと思う。けれども、私はそこにやはりやり方があると実は思っておった。たとえば先般文部省と組んでやられた通信教育の高等学校——学校法人をおつくりになったのか、つくられるのか、まだわかりませんが、つくられるらしい。そうしてそれがカリキュラムを組んで、それをNHKが御放送になるそうです。それもまた私はある意味においてはけっこうなことだと思う。思うけれども、そこにやはりNHKとしてのむずかしさが私は出てきておるのではないかという感じがするのです。何となれば、学校法人を別におつくりになったとして、それと特定の形式上の契約はなくても、少なくともそのメンバーによってNHKのいわゆる教育放送がなされるということになりますと、今あなたが言われたNHKのあり方に対する基本的な問題に触れてくると私は思う。この問題を解決するには、やはりこの放送法等において明白にしてからでないと私はできないと思う。この点についてどういうふうにお考えになっておられるか。これは学校教育法とのにらみ合わせにおいて考えなくてはならぬことでありまして、放送法の建前から見るならば、そういう学校教育の放送をやる場合において、NHKの責任においてやるというなら、それでもよろしい。しかし、もう一つの学校法人なるものとの契約のもとに——契約というわけじゃないが、黙契のもとに、そこでもってしかるべき卒業証書もやるから、これを聞けというような格好になっておるらしい。しかし、ほかの通信教育の高等学校も適当にこれを使ってもよろしいとおっしゃるけれども、ほかの通信教育の高等学校は、このプログラムの中には入れてもらえない。特定のものだけしか入ってこないということになるのでありまして、その点になると、どうも行政運用の現在というものが少し混濁しておるのではなかろうか。いいならいいで明白にしてもらいたい。悪いなら悪いで、もう少し——NHKのそういうふうな通信教育の高等学校なるものは、ほかの高等学校と競合しないように、高等学校の通信教育に関するところのもう一つ高い地位にある研修機関にして、総合機関にして、各通信高校を高いところから指導なさるものをNHKはおつくりになった方がいいのじゃないだろうか。それがNHKらしいじゃないか。それならば話はわかるけれども、ほかの高等学校と競合する学校をつくって、その放送だけをNHK放送するがごときは、ただいまの基本精神にどうも反するのではないかという感じがするのです。もしもそれがいいといたしまする場合においては、今度は学校教育法によって、みずからの責任において、みずからの高等学校のカリキュラムを組まなければいかぬし、また教育活動をしなければならぬから、その場合におきましては、NHK学園なるものは、みずからの責任でなく、NHKの責任でやることになるから、学校教育法の精神に反すると思う。だからその点においてどういう解釈をして、一体そのようなことをなすっておられるのか。これはNHK自体にお聞きするよりも、政府当局がそういうふうな予算の編成その他を通じて今まで考えてこられたところを伺いたい。この点は少なくとも明白にして、あいまいなうちに始めてもらいたくない。私は必ずしも反対でありませんよ。むしろ賛成なんです。賛成だけれども、それは明白にしておかないと困る。   〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕
  61. 西崎太郎

    西崎政府委員 今御指摘の問題でありますが、われわれの方といたしましては、放送と、学園の行なっておる通信教育というものとは一応別個のものだという考え方に立っておるわけであります。私、実はあまり詳しいことは存じませんけれども、通信高校のカリキュラムと申しますか、これは全部同一のものである、こういうふうに理解しております。その学園がNHKの行ないまする教育番組と申しますか、それを利用しまして、それによってスクーリングの免除といいますか、そういうことをやるんだ、こういうふうに理解しておるわけであります。
  62. 松前重義

    松前委員 私が聞いておるのは、そういう問題じゃない。問題は、特定の団体との間に現実的に放送を独占せしめることがよろしいか、よろしくないかということを聞いておる。それだけです。
  63. 西崎太郎

    西崎政府委員 先ほどちょっと言葉が足りないで失礼いたしましたが、両者は別個のものであるということで、決して独占という関係にはない、こういうふうに理解しております。
  64. 松前重義

    松前委員 別個のものであるからこそ独占の姿をとる可能性がある。まだ独占はしていませんよ。まだやってないから、だれも放送を聞いたことがない。しかし、独占せしめようという目的のもとにつくらなければ、そんな高校はわざわざNHKと別個のものとしてつくりません。なぜそういうことが許されるかということを私は質問しておる。それができるならば、NHKはまたほかにいろいろな団体をつくって、それだけをやって、別個のものをつくってそれにプログラムを独占せしめたらいいじゃありませんか。そうすれば、これは全く公平さを欠くのみか、国民の機関でなくて、一部のものになってしまう。こういうことになったのでは、私はNHKの存在というものに対して、何か混濁を感ずるのです。NHKのものならいいんです。
  65. 西崎太郎

    西崎政府委員 先ほど申し上げたことの敷衍になるわけでありますが、われわれの承知いたしておるところでは、学校の教師、それから協会の通信教育、番組の担当者とは別人で関係がない、こういうふうに承知いたしておりますので、両者は別個のものである。従って、建前としましては、NHK通信教育番組というのは、今度のNHK学園というものだけにその利用が開放されているのではない、こういう考え方でございます。
  66. 松前重義

    松前委員 いろいろおっしゃることは、詭弁のような感じがするのです。NHK学園という学園ができたというのは、別個のものと言うても、別個のものじゃありませんよ。それは名前からそうだ。NHKと別個のものじゃないのです。けれども、たといそれがかりに別個のものだとしたところが、それを中心にして一切のものをやるというがごときは、通信教育を実行するというようなことが許されるかどうかという基本的な問題は、私はもう少し明確にしてかからなくちゃいかぬ、こう思うのです。だからこそ私は、もしそういうものをつくられるならばNHK学園ができるのはいい、しかしそれは普通の通信教育のほかに、日本じゅうにたくさんある高等学校でなくて、そのもう一つ上に立って、その通信教育をいかにしてもっと伸ばしてやるか。先生方の研修だとかそういう機関にNHKがされて、そうしてNHKの責任において放送されたその放送番組をどこの高等学校も使ってもらって、そしてスクーリングをやって、どんどん学生を卒業させるという機関にお使いになるならわかる。けれども、これがNHKの高等学校であって、ここでもって免状を出すのだ、同じレベルのところに下がったもので、特定のものとの関連性が出てくるのだ。ここは、私は説明を聞けば、どうもあなた方の牽強付会な説明でもがまんしなければならぬようにも聞こえるけれども、しかしこれは、はっきりしておかないと、ほかの問題に対していろいろな問題が今後起こってくる可能性がある。NHK学園がここにできておる。NHK何とか協会というものができて、これとまた同じことをやる。またNHK何とか、そうすると国民はそれ以外のものはみんなそっぽを向かざるを得ない。公平さを全く失ってしまう。私はそう思うのだ。だから、何も教育の普及、いわゆる教育の機会均等の実現のためにやるという理想に対しては、ほんとうに私は賛成だ。けれども、そこを明白にしておかないと、NHKの将来のために非常に濁りを残し、そしてNHKの存在の意義というものは危うくなってくるような感じがする。
  67. 森本靖

    森本委員 今聞いておるのは、五十二条の三に関連して、五十二条の三は一応民間放送を建前としておるけれども、NHKにも一応実行上としてはあてはまるというように電波監理局長は言われたわけでしょう。だから結局NHKそのものが、実際NHKとして放送するということであるならば、また別個になってきますけれども、NHKと別個の学園ができて、その学園のものをすべてNHK放送するわけです。そうすると、今言っているように、特定のものとの契約になるのではないか、その間の解釈をどうするのだ、そういうことを松前さんがさっきから言っているわけですから、その点に対する解釈を一応——内容のよしあしは別として、解釈をはっきりしておいてもらいたい、こういうことですよ。
  68. 西崎太郎

    西崎政府委員 答弁が十分でありませんで申しわけないのですが、先ほど来申し上げましたように、教育番組自体はこれはNHKが編集する、学校とは無関係に編集する、こういう建前でございます。
  69. 松前重義

    松前委員 それはそうでしょうね。そうなると学校は成り立ちませんな。学校教育法によって成り立たない。
  70. 西崎太郎

    西崎政府委員 学校は当然スクーリングをやるわけですし、たまたま学校は、NHKがやっている教育番組を利用するというわけであります。
  71. 松前重義

    松前委員 どうもいよいよ混迷な域になっているのだが、要するに名前がNHK学園でしょう。それが何かほかの豊島学園というようなものでやっているならまだ話がわかるけれども、NHK学園でしょう。別個のものと幾らおっしゃっても、それはやっぱり別個のものではありません。NHK学園が皆さん方のスクーリングをやりますよと言ったら、結局そこに問題が起こる。だから問題は、NHK学園という名前をつけられたことが一つ。それがほかの高等学校と競合するような高等学校をつくられた、これが一つ。だからそういう非常に密接な関連性の中に番組が編成されたという事実だけは、現実問題として認めざるを符ないと思う。何となれば、NHK学園はNHKと相談して文部省がつくったのでしょう。それは今の文部次官が初中局長のときに言っておった。そのときにそういうふうにしてできたものが、結局今のような特殊関係を結んでNHK学園というのだから、特殊関係ではないとは言えぬですね。全然私ら知りませんとおっしゃるのですか、NHKの方々は。そうじゃないでしょう。これとこうやるから、一つこれを許してくれというようなことを、電波監理局にある程度交渉があったのだと思うのだ。それは私は詭弁だと実は思うのだ。しかし、この点はこれ以上追及しませんが、はっきりして下さい。今すぐどうこう言うことはなかなか困難かもしれないけれども、よくこれは相談してはっきりした答弁をして下さい。それによってはまたこちらも——一応納得するような答弁であれば納得しますし、納得できなければ、この混濁を清掃しなくてはならぬ、こういう感じを私は持っておる。
  72. 春日由造

    春日参考人 ただいまの森本先生、松前先生のお話、具体的に中身を御説明申し上げたいと思いますが、NHK昭和十年以来、小学校、中学校に対する学校放送というものをやりますし、戦後は高等学校放送もやっているわけであります。文部省の法律によりまして、NHK通信教育を聞いた人たちは、レポートを出すとか適当な方法で聞いたということがわかれば、現実通信教育をやっているうちのスクーリングの時間を何%減らすという法律があるわけであります。ですから従来とも小学校、中学校、高等学校に対する通信教育は、NHK自体は番組を編集してすでにやっておるわけであります。問題は今度広域通信高等学校の法律ができましたことによって、広域的にやり得るようになったという事態に立ち至りましたので、全国の勤労青年で普通高等学校教育を受けられない人たちの何割かを、そういうふうな高等学校卒業の資格を取り得るように、せっかくラジオ、テレビジョンを通じて通信教育をやっており、それ自体がすでに法律でスクーリングの何%かを免除になるということになってやっているわけでございます。しかもこの際、高等学校の数は足りずに、なかなか高等学校卒業という資格を得られない勤労青年が非常に多いわけです。その人たちに幾分かでもお役に立つために、今度は免除された何%のスクーリングの最小限度を学校でやることによって、その人たちの卒業ということを、つまり高等学校卒業の資格をとる道を開きたい。そのことは、同時にNHKの従来すでに十数年やっております通信教育という放送番組を積極的に計画的に利用し、それの実効を上げることになるのだというふうな判断に立っているわけであります。  従いまして、若干誤解がございますように感じられますのは、NHK通信教育の全番組をつくるのは、NHK自体の編集権によってつくるわけであります。それは何もNHK通信高等学園のいわゆる生徒でなくとも、どなたでも現在すでに利用されておる。それは現実にスクーリングの何%の免除ということになっておるわけでございますから、これは全聴視者に開放されている番組であります。たまたまその番組を組織的に聞いて、しかもどこにもよりどころのない人たちが、NHKの高等学校というものによって、その最小限度のスクーリングをやれば卒業免状を得られるということが、今度の広域通信高等学校の法律によって可能になったから、よりNHKの番組の積極的な有効的な利用、具体的にそれの実行ができるようにということで、郵政省放送法に基づいてお願いして認可を得、同時に諸般の手続をしてそういう高等学校をつくることになった。ですからそのNHK通信高等学校の全科目あるいは全先生がNHKの番組をつくるのではなくて、NHKのつくった番組をほかの高等学校と同じように利用する。利用した結果、最小限度スクーリングを受ける場所というものをそこに提供されているわけで、決して外部の団体の番組が全面的にNHKのある時間を独占してやっているというふうな形ではないというのが、私どもの考え方であります。
  73. 松前重義

    松前委員 あなた方のとられた手段には私は初めから敬意を表しておる。だから非常にけっこうなことです。ただ問題は、先ほど来お話をしておるように、そういう大局的な趣旨というものは、私はもともと主張者なんです。そしてある程度実行しておった。こういうふうな方向に向かって教育が進んでいかなくてはならぬということはよくわかります。同時に、またそうしなければならない。非常にけっこうなことです。ただ私は、やり方がまずいじゃないかということを言っておる。NHK学園という高等学校を、NHKという名前を冠しておつくりになって放送をなさるならば、これは特定の連係があるということになるのは当然なことです。しかもスクーリングに対してNHKは相当経済的のバックもあるでしょうから、従ってNHK学園というものでスクーリングを受ける人たちは授業料も安い。安いということもよいでしょが、しかしそれらのものは、うしろに非常に力強いベースを持っておられるから、そうするのもあたりまえかもしれませんが、日本に現存する多数の通信教育高等学校なるものがある。これもまたNHKのものを使っても差しつかえないということはわかりますよ。わかりますけれども、NHK学園がある以上は、やはりNHK学園に吸収されることはだれもが感ずるところです。またそういう現象を必ず呈することは明らかです。だからそういう意味において特殊の関係がその中に結ばれた放送であると現実問題として認めざるを得ない。だから一々を、契約があるとかないとか形式論を言うよりも、NHK学園というもので、しかもほかの高等学校と競合する高等学校をつくるのだ、そうしてそれとの関連性があるというところに私は法律解釈の混濁が非常にあると見ております。だから法律解釈の問題です。だから何割かのスクーリングを軽減することが法律によって認められておるとするならば、何ゆえにNHK学園というものの放送NHKがやるのか。それと特殊な関係で行くのだということでいいかげんなNHK学園という名前を冠して——豊島学園とされるならばまだ話はわかるけれども、NHK学園ではありませんか。これは言いのがれの道がありませんよ。それは特殊の関係があることは当然のことです。なぜ日本全国にある高等学校の上に立ってそれらの高等学校の先生方を研修してやる、それらのスクーリングのやり方、知識の程度その他を何らか上げてやる作用をなさらないのか。全国にある高等学校その他をあなた方ができるだけ利用するようになぜやらないのかということが私の言い分です。それならばちっとも抵触しません。とにかく混濁しておることだけは御承知おき願いたいと思います。だからそれだけの法律を出すならばなぜ堂々とやらないのか。何かわけのわからないようなNHK学園をつくって、混濁だらけで、あいまいもことして、おっしゃることは大体へ理屈のような感じがする。その辺のところを一つ明白な結論を出してもらいたいと思います。この次にまたやります。  次に、電電公社にお尋ねいたしますが、先ほどの有線放送の問題はあれでよろしゅうございますね。
  74. 大橋八郎

    ○大橋説明員 私の方は異論はございません。
  75. 松前重義

    松前委員 そこで政務次官、一つよく覚えておいてもらいたい。あなたの県にもおそらくそういう事態があると思います。  それからもう一つは、最近非常に電電公社の収益が減ったという話を聞くのでありますが、その模様は一体どの程度であるか、ちょっとお伺いいたします。
  76. 大橋八郎

    ○大橋説明員 今日まで概算で集まりましたものは十月分まででありますが、それによりますと、予算の計算に比べて約三十三億という状態であります。
  77. 松前重義

    松前委員 今後の見通しはいかがでありますか。それからその原因はどういう原因でありますか。
  78. 大橋八郎

    ○大橋説明員 その原因は、推測になるわけでありますが、要するに、一般の不景気の影響だと考えております。もし同様の状態で年度を越すものといたしますれば、年内には六十億程度の減収がある、かように推定されるわけであります。ただ、そのほかに、御承知の九月末に料金改定がありました。この料金改定によりまして、私どもは、多少の減収がさらに加わるのじゃないか、かような推定を持っておりますので、もうしばらくたたないとまだ状態はわかりませんけれども、大体の推定はそのように考えております。
  79. 松前重義

    松前委員 大体原因もわかりましたが、いろいろ第三次五カ年計画等を御設定になりつつあるようでありますが、これらも、経済の将来の立ち直りがいつくるかによって相当そごを来たすのじゃないかと思います。これらとの関連性はどういうふうにお考えでございますか。
  80. 大橋八郎

    ○大橋説明員 今後の経済界の立ち直りいかんにかかっておるものでありまして、来年度以降にもし景気がもう少し深刻になるなら、むろん多少悪くなるかもしれません。私どもはこの不景気の状態がそう長く続くものでもなかろうと思っております。適当な計画が立つものと思っております。
  81. 松前重義

    松前委員 そう長く不景気が続かないという前提の上に立ちますれば、従来の計画はあまり変更しないというお話だと思うのです。そこで、最近聞くところによりますと、いわゆる製造工業等に対して、従来計画的に注文しておられたのを非常に減らしておられるというようなことで、いわゆる製造業者の方々は、将来の生産のためにも、現在の生産をあまり低下させたのでは、第三次五カ年計画の遂行もできない、すなわち現在の生産力というものを維持するわけには参らぬ、同時にまた、相当労働者に犠牲をしょわせなければいかぬ、こういうふうな見解を持っておられるようであります。このいわゆる発注が非常に減ったというような問題があるようでありますが、その点について大体の模様をお聞かせ願いたいと思います。
  82. 大橋八郎

    ○大橋説明員 メーカーに対して発注が非常に減ったということは、現在のところまではございません。従いまして、今後、来年以後の計画も、従来私どもが考えているような規模において計画が進行することになりますれば、むしろ将来も注文がふえるのじゃないか、かように考えております。ただ問題は、従来は多くの場合相当のメーカーに対する前払いをやっておったことは御承知の通りであります。その前払いの状態が、減収のためにずいぶん規制される、こういうことのために、メーカーとしては一時困難を感じたという事実はあるようでございますが、注文の数量が減ったという問題ではないと思います。
  83. 松前重義

    松前委員 これは一ぺんお調べ願いたいと思うのですけれども、減ったということなんですがね。そこで、これは一応減ったという前提の上に立って私の質問を進めてみたいと思います。  そこで、こういうことを言ってきておる向きがあるのです。鉄道におきましては、どんどん発注もし、そしてまた受け入れる。しかし、どうしても減収のために支払いができない、こういう現象があるらしい。けれども、発注して受け入れた品物はしばらく借りておくというわけです。そうしてそれに対して、電電公社という大きな母体ですから、銀行の信用もあるから、その点は多少の融資その他もつくのだから、とにかく生産力を減らさないでもらいたい、こういうふうなことを言ってくる向きがあるのです。これは私は当然のことだろうと実は思うのです。こういうふうなことに対しましては、今後第三次五カ年計画を円滑に進められる上からも、今製造業界において職工の首を切ったり、あるいはまたいろいろ整理をしたりして、生産力を減退させるような政策をとられるとすれば、将来の第三次五カ年計画は、景気が回復したと仮定いたしまするならば、これは遂行できないのじゃないか、そうむらのある発注、あるいはまた生産者に対する指導体制では、将来に備える生産力というものが間に合わないのじゃないか、こういう感じを持つのでありますが、この点について、鉄道が行なっておる通りにしなくてもいいとは思いますけれども、とにもかくにも生産力を維持せしめていくところの具体的な何らかの配慮があるかどうか、これを伺いたい。
  84. 大橋八郎

    ○大橋説明員 ただいまの御趣旨は私も同感であります。ただし、現在の状態で申しますと、先ほど申したように注文は減らしておりません。今後も減らす考えはございません。ただ、先ほども申しました通り、前払いをやっておったのが、前払いがとまったということでございまして、支払いは決して延ばしておりません。払うべきものは正式の時期に払っております。ただ、今まで前払いをやっておったのがとまっておるという状態でありますので、従いまして、業者のある者は、将来に対する希望としては、前払いは必ずしもそう私どもはお願いをいたさなくてよろしいが、注文量は今のお話の通りにできるだけ減らさぬようにしてくれということは申し述べてきておりますが、これに対して私どもは注文を減らす考えはないのであります。ただし、今後もし非常に悪くなりますれば、あるいは非常手段としてただいま御指摘のような鉄道のような延べ払いという事態になるかもしれませんけれども、できるだけそういうことは避けたいと思っております。
  85. 松前重義

    松前委員 これで質問を終わりますが、注文が減っておるか減っておらぬか、私もそう詳しい数字を調べたわけでもありませんからわかりません。総裁の言葉を信ずるほかはないけれども、いずれにいたしましても、第三次五カ年計画の遂行については、工事をやる人も、品物をつくる人も、一体となって今日まで電電公社に協力もしてきておるし、また、それにいろいろなしわ寄せが出て労働者を首切るようなことになると、大きな問題をここにかもしてくるのですから、その点につきまして、十分の御配慮は今までなさっておられることとは信じますけれども、この上とも生産力の維持と今後における建設計画の円滑なる遂行という方向に向かって、特に二、三方々の民間からの声を聞いたものですから、一つこの点善処をお願い申し上げたいと思います。
  86. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員長代理 次会は来たる十九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十八分散会