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1962-12-17 第42回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月十七日(月曜日)    午後十時五十四分開議  出席委員    委員長 上林山榮吉君    理事 有田 喜一君 理事 岡本  茂君    理事 神田  博君 理事 始関 伊平君    理事 岡田 利春君 理事 多賀谷真稔君    理事 中村 重光君       有馬 英治君    大高  康君       金子 岩三君    木村 守江君       倉成  正君    藏内 修治君       齋藤 邦吉君    濱田 正信君       吉田 重延君    井手 以誠君       田中 武夫君    滝井 義高君       松井 政吉君    渡辺 惣蔵君       伊藤卯四郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  福田  一君         運 輸 大 臣 綾部健太郎君         労 働 大 臣 大橋 武夫君         自 治 大 臣 篠田 弘作君  出席政府委員         通商産業政務次         官       廣瀬 正雄君         通商産業事務官         (石炭局長)  中野 正一君         通商産業鉱務監         督官         (鉱山保安局長)八谷 芳裕君         運輸事務官         (鉄道監督局長岡本  悟君         労働政務次官  田村  元君         労働事務官         (労政局長)  堀  秀夫君         労働事務官         (職業安定局長)三治 重信君         労働事務官         (職業訓練局長)村上 茂利君         自治事務官         (財務局長)  奥野 誠亮君     ――――――――――――― 十二月十七日  委員澁谷直藏君、白浜仁吉君及び周東英雄君辞  任につき、その補欠として金子岩三君、大高康  君及び吉田重延君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ――――――――――――― 十二月十三日  石炭鉱業政策並びに産炭地振興に関する請願(  緒方孝男紹介)(第一六号)  同(河野正紹介)(第一七号)  同(田原春次紹介)(第一八号)  同(多賀谷真稔紹介)(第一九号)  同(滝井義高紹介)(第二〇号)  同(楢崎弥之助紹介)(第二一号)  石炭産業安定化に関する請願外一件(勝澤芳  雄君紹介)(第二二号)  産炭地域関連産業の年末融資に関する請願(木  村守江紹介)(第一二一号)  産炭地域振興に関する請願木村守江紹介)  (第一二二号) 同月十四日  石炭鉱業合理化に関する請願井手以誠君紹  介)(第三〇三号)  石炭政策確立に関する請願外七件(岡田利春君  紹介)(第三七二号)  同外五十八件(多賀谷真稔紹介)(第三七三  号)  石炭政策転換に関する請願外七件(岡田利春君  紹介)(第三七四号)  同外三件(多賀谷真稔紹介)(第三七五号) 同月十五日  石炭鉱業政策並びに産炭地振興に関する請願外  五件(多賀谷真稔紹介)(第六七一号)  同(伊藤卯四郎紹介)(第七三五号)  同外三件(稲富稜人君紹介)(第七三六号)  石炭政策転換に関する請願外四件(井手以誠君  紹介)(第七六八号)  同外十一件(岡田利春紹介)(第七六九号)  同外十二件(岡田春夫紹介)(第七七〇号)  同外五件(勝間田清一紹介)(第七七一号)  同外十五件(多賀谷真稔紹介)(第七七二  号)  同外四件(田中武夫紹介)(第七七三号)  同外五件(滝井義高紹介)(第七七四号)  同外四件(中村重光紹介)(第七七五号)  同外六件(松井政吉紹介)(第七七六号)  同外四件(渡辺惣藏紹介)(第七七七号) 同月十六日  石炭政策転換に関する請願外四件(岡田利春君  紹介)(第九一三号)  同外三件(勝間田清一紹介)(第九一四号)  同外四件(多賀谷真稔紹介)(第九一五号)  同外四件(松井政吉紹介)(第九一六号)  同外一件(川上貫一紹介)(第一一五二号)  同外一件(志賀義雄紹介)(第一一五三号)  同外一件(谷口善太郎紹介)(第一一五四  号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十二月十四日  石炭合理化対策改善に関する陳情書  (第一三七号)  産炭地振興対策に関する陳情書  (第一三八号)  同(第一三九号)  同(第一四〇号)  同(第一四一号)  同(第一四二号)  買上げ炭坑の社宅を地元市町村無償払下げに  関する陳情書(第  一四三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第七号)  石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第八号)  産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案  (内閣提出第九号)  炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一〇号)      ――――◇―――――
  2. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 これより会議を開きます。  内閣提出石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の四法案議題として質疑に入ります。  質疑通告がありますので、これを許します。始関伊平君。
  3. 始関伊平

    始関委員 ただいま議題となっております四つの石炭関係法案につきましては、私どもといたしましては、党における審議段階等を通じまして、その内容につきましては相当検討を加えて参ったものでございまして、内容はおおむね適正であると考えております。しかしながら、この際この法案関連をいたしまして、この法案背景となっておりますような事柄等につきまして、若干のお尋ね通産労働大臣にいたしたいと存じます。  まず第一点は、石炭政策をきめる前提といたしまして、最も基礎的な事実になるのは、石炭生産規模をどうするかということであると思います。この前提となりますのは、申し上げるまでもなく、石炭需要がどの程度確保できるかという問題であると思うのでございますが、石炭鉱業調査団が大体五千五百万トン程度をもって、日本の今後における石炭生産規模として適当であると認めました。また政府の方もおおむねこれを受けたのでございますが、一方世間と申しますか、ある方面ではこれをもう少しふやす余地があるのではなかろうかというような考え方もあるのでありますが、政府石炭生産規模、従ってその前提としての石炭需要というものを大体五千五百万トン程度と押えた理由と、それから、それ以上ふやすということについてはどんなふうにお考えになっておられるか、この点を最初に通産大臣お尋ねいたします。
  4. 福田一

    福田国務大臣 お答えを申し上げます。ただいまのお話は、石炭需要をどのくらい確保できるかというお話だと思うのでございます。もとより政府といたしましては、有沢調査団報告の趣旨に基づいてやっておるわけでございますが、私たちの試算によりますというと、大体昭和三十八年から電力鉄鋼等の長期の取引の契約の数量をできるだけ増大する方針でございまして、精炭五千五百万トンの需要確保を目途としておるのでありますが、三十八年度においては、現状における見通しでは、鉄鋼業の不況を反映いたしまして原料炭は若干伸び悩みを見込まざるを得ないので、率直に言って、三十八年度の需要精炭五千五百万トンを割るおそれもあるわけであります。しかしその場合にも五千五百万トンの出炭は維持できるように、過剰炭対策等を講ずるなどの措置を行なっていく、こういうことにいたしまして、そういう場合においては業界の混乱を避ける、こういう考え方でおるわけでございます。なお、四十二年度の需要につきましては、精炭で五千七百万トン程度の目標を立てておるわけでございます。これはカロリー計算をいたしておりますから、五千五百万トンが五千七百万トン程度精炭になるわけでございます。  以上の見通しをいたしておるのでありますが、セメント用炭、それから暖厨房用炭等については、なお需要確保対策を十分今後ともやっていく必要があるわけでありまして、今後重油ボイラー規制法を延長するかどうか、あるいはこの原油に対する輸入関税または重油消費税の新設についても検討いたす覚悟でおるわけでございます。
  5. 始関伊平

    始関委員 大体五千五百万トンと押えた事情と、それからその範囲内で需要確保するということについての方策につきましては、ただいまの御答弁で了承いたしましたが、これをさらにふやしてくれというような考え方についてはどのようにお考えか、その点を一つ明らかにしていただきたい。
  6. 福田一

    福田国務大臣 御承知のように、先ほど申し上げた数字についてもおわかり願えると思いますが、われわれとしては電力鉄鋼セメント等々については、いろいろ対策を講じ、原料炭の分、特に電力の分につきましては、大体この措置をとり得ると思うのでありますが、いわゆる一般炭ということになりますと、これは個人が自分のところで消費したり、あるいはまた、法人といいますか、会社暖房用に使います石炭等を合計して、大体このくらいであろう、過去の事情から見てこのくらいであろうという数字を、有沢調査団あたりも出しておられるわけであります。そうしてそれをもとにして、大体五千五百万トンということにしておるのであります。ところが、御承知のように、今は個人消費等につきましても、どうしても電気とかあるいはまた石油とかいうような暖房用のものがだんだんふえていって、そうして一般人たち石炭を使うということは、家庭におきましてもだんだん減るような傾向にあることは事実であります。このようなことを考えてみますと、五千五百万トンを確保することは非常にむずかしい段階でございまして、これ以上にふやし得るかということになりますと、かなり困難であるということを申し上げざるを得ないと思うのであります。
  7. 始関伊平

    始関委員 有沢調査団報告によりますと、電力鉄鋼などのいわゆる大口消費につきましては、この確保についてのいろいろな工夫と申しますか、方法があるようでございますが、いわゆる一般需要については、現在三千万トン程度のものが千万トン程度に減る、つまり二千万トンの需要の減少がある。ですから五千五百万トン程度に押えるということは、その減った分だけを補うという意味になるわけでございますから、ただいまのお話の、五千五百万トンを維持するのに相当に骨が折れるのであるという説明は、私は了承できると思います。  そこでお尋ねをいたしますが、ただいまお触れになったのでありますけれども、大口消費電力鉄鋼等の問題は別といたしまして、いわゆる小口消費セメントその他を含めまして、あるいは暖厨房用炭等を含めまして、これらの小口のものにつきましては、実はこれを確保するいい方法がなかなかない。そこでボイラー規制法の延長につきましては、ただいまかなりはっきりした意思表示があったと思いますが、この点、なおその他の方法といたしまして、これはやはり重油との価格の違いというものがあまり大きくては非常に困難だと思います。ただいま、石炭対策に要する財源の問題ともからみ合わせまして、政府部内で、重油消費税でいくべきか、あるいは原油関税の増徴でいくべきか、この二つ意見が対立しておるように承知をいたしますが、その点についての通産大臣の御所見を承っておきたいと思います。
  8. 福田一

    福田国務大臣 仰せの通り、この重油消費税をとるか、あるいはまた原油関税を採用するかという問題につきましては、政府部内におきましては、来年度予算の編成とからみ合わせまして今検討をいたしておる段階でありますが、私に対してもし意見を述べよというお話でございますならば、これはもとより政府の何といいますか、閣議の決定を経たとかいうような問題ではありませんが、感じを申せということでございますならば、重油消費税を上げて——上げる率は、二千円程度上がればかなり石炭消費をふやすことができるでありましょうけれども、まあ五百円とか六百円程度あるいは千円程度上げても、そう伸びるようにはなかなか見えないと考えておるわけであります。そこでもしそういうことであれば、あるいは関税の方がいいのじゃないかという意見も成り立つのではないかと思いますが、これらのことはすべて、ただいまいろいろ研究をいたしておる段階であります。  ただし、重油ボイラー規制措置につきましては、今なお法律がございまして、来年の十月まではずっと続いておるのでありますから、今すぐこれをきめなくても、通常国会できめてもいいわけですが、感触を言えというお話であれば、こういうように石炭の問題について非常にみなが心配している段階でありますから、あるいはこれは将来にわたって続けた方がいいのではないかというような感触を私は持っております。しかし、まだこれは政府として決定しておるのでございませんから、私は責任をもってここで申し上げるわけにはいかない段階でございます。
  9. 始関伊平

    始関委員 ただいまのお話の中で、かりに五百円あるいは六百円の重油消費税をかけても、二千円も違いがあるのだから、あまり石炭需要確保の上からは役に立たないのではないかというお話でございますが、これは産炭地、揚地で非常に事情が違うと思います。なお産炭地からの距離のいかんによりまして、消費地がどの辺であるかということで、需要確保の上にどの程度効果があるかということが違ってくると思いますので、その辺も一つ御勘案の上で御考究をいただきたいと思います。  それから、その次にお伺いいたしますが、ただいま石炭鉱業合理化臨時措置法という法律に基づきまして、いわゆる炭鉱合理化整備あるいは閉山というものが行なわれておるわけでございますが、この場合に私は、政府計画に基づいて、いわば政府意思に基づいて炭鉱整備合理化が行なわれる、あるいは閉山が行なわれるというふうな考え方世間一般になされておるのでありますけれども、これは厳格に法律的な意味においては正しくない。政府政策で、その結果として閉山が行なわれるということではございませんので、いわゆるエネルギー革命背景といたしました客観的な情勢が、好むと好まざるとを問わず、こういったような事態を招来いたしておるのであって、政府計画をつくるというのは、閉山の希望があった場合にはこれを受け入れる、また、炭鉱離職者が出ました場合には、これに対していろんな離職者対策を講ずる、こういったようなことが政府計画になるのであって、政府計画というものは、いわば民間企業責任であるいろんなそういう合理化整備に関する措置の裏づけになるものであって、政府計画なり意思に基づいて、その結果、意思効果として、国家意思によって閉山なりあるいは合理化あるいは失業者が出る、いわゆる首切りというものが行なわれるのではない、このように理解するのが正しい。これは私はいろんな事態を議論する、あるいは理解する上におきまして、きわめて根本的な問題だと思いますので、この機会にあらためて通産大臣の御所見を伺います。
  10. 福田一

    福田国務大臣 お説の通りでございまして、自由主義経済もとにおきまして、石炭自由主義経済の形においてただいま経営されておる段階において、まだ石炭国管も何もされておるわけではございませんから、そういう場合において、今エネルギー事情が、重油その他の関係から石炭需要が非常に減りつつある、あるいはまたいわゆる経済性を欠いておるというようなことから、各企業といいますか、山々において、どうしてもこれがやっていけないというような事情がありますために、それで閉山になるのでございます。ただし、そういうことではあるけれども、これが相当社会問題的なこともございますので、こういうことの面も考えて、一応今回のような、四月六日の閣議に基づく有沢調査団答申を尊重して、何らかの措置をしなければならないこともございまして——本来ならば、今始関君がおっしゃった通り、いわゆるエネルギー革命の所産としてこういう事態が起きてきておる、こう了解をしておるわけであります。
  11. 始関伊平

    始関委員 これは前の佐藤通産大臣の時分の問題でございますが、大正炭鉱という炭鉱が、経営失敗と申しますか、炭鉱経済性はまだ相当にすぐれておるにかかわらず、経営失敗のために、事業閉鎖の直前のような状態になった。もし金融がつけば生き返る可能性があったんだが、当時政府当局は非常な心配をされましたけれども、あまり思わしくなかったというような事態もございますので、炭鉱自体経済性が高いというにかかわらず、つなぎ的な金融がつかないためにやっていけないというような場合の例がほかにもある。しかも重要な炭鉱にあると思いますので、こういった問題につきましては、何か適当な措置を講ぜられるべきではなかろうかと思いますが、この点の大臣の御所見を伺っておきます。
  12. 福田一

    福田国務大臣 そういうような大正炭鉱の例もございますが、今後の問題といたしまして、いわゆる経済性があるけれども、経営をやっていくのにそういうような意味において非常な困難があるというようなものにつきましては、石炭鉱業審議会等審議を経まして、われわれとしては何らか適当な措置をとるように努力をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
  13. 始関伊平

    始関委員 既往の債務のたな上げとかなんとかいうほかに、もっと何か制度的なものを御考究いただきたいと思います。  次に労働大臣お尋ねをいたしますが、今度の石炭対策はいろいろ画期的なものであるというふうにいわれておるのでございますが、政府はそう申しておるのでございますが、労働省関係いわゆる離職者対策関係におきまして、従前と大きく違って、いわば画期的であるというべき点はどの点か、お示しいただきたいと思います。
  14. 大橋武夫

    大橋国務大臣 従来の雇用対策に比べまして、今回の石炭対策におきましては、まず石炭鉱業審議会におきまして合理化計画を立てる際に、あわせて雇用計画審議していただくことにいたしました。これは合理化計画がこれと見合う雇用対策に裏づけされるということによりまして、雇用対策が常に合理化の基礎になり、雇用面における不当なる混乱をでき得る限り防止しようという考えに基づいたものでございます。しこうして離職者対策といたしましては、まず、従来と同じように職業訓練に重点を置くことにいたしておりますが、この職業訓練につきましては、従来以上に生活上の保障の措置を講ずるとともに、訓練期間を延長する等、職業訓練に十分に力を入れることにいたした次第でございます。さらに広域職業紹介につきましては特にこれを重点的に行なうことにいたしましたが、従来のごとく、一般職業紹介と同じように扱うのでなく、炭鉱離職者のために特別なる職業紹介指導官を置きまして、個人々々につきましてケース・ワーク的に職業訓練指導、また紹介を行なおうということにいたしておるのでございます。  さらに、広域職業紹介につきましては、従来の経験に徴しまして、住宅払底、すなわち新たなる転換職場における住宅払底ということが隘路となっておった実情にかんがみまして、今回は特に離職者のための住宅を十分に設置をいたしたい、かように存じまして、今年度におきましてさしあたり五千戸の住宅を取り急ぎ建設いたすことにいたした次第でございます。  訓練手当あるいは離職者就職のためのいろいろな手当等につきまして、若干の増額をいたしておるのでございますけれども、さらに就職に至るまでの期間、本人の就職活動を容易ならしめ、兼ねてその家族の生活を安定いたさせるために、今回新しく就職促進手当を設けた、この点は従来になかった点であろうかと存じます。  簡単ながら、以上お答えを申し上げます。
  15. 始関伊平

    始関委員 合理化整備計画というものと表裏しまして雇用計画を立てる、これは有沢調査団答申がそうなっておりますし、政府も今後そうやられるようでございますが、この雇用計画というものはどの程度内容のものを想定しておられるのか。極端なことを言えば、たとえばこの人はどこへ行くのだということまできめなければいかぬのだというような議論もあり得ると思うのですね。しかし、そこまでの具体性を持った雇用計画がなければいかぬということでは、私は動きがつかぬと思うのでございますが、労働省でお立てになる雇用計画というものの内容等は、大体どの程度のものを想定しておられるのかということをお尋ねしたいと思います。  なお、この点に関連いたしまして、政府での雇用については特に詳細にこれを明らかにせよというような要求もあるのでございますが、この点についてはどうされるおつもりであるか、これをお尋ねいたします。
  16. 大橋武夫

    大橋国務大臣 合理化整備計画に伴います雇用計画におきましては、問題になります合理化整備計画に伴って生ずる離職者の数をまず予定いたすわけでございます。これらの離職者に対しまして、政府あるいは政府関係機関においてどの程度の数の雇用が見込まれるか、さらに、経営者すなわち会社関係努力によってどの程度雇用数が見込まれるか、また、職業安定機関においてどの程度離職者雇用についての引き受けをしなければならぬか、その見込み数、さらに職業安定機関において引き受ける離職者の数につきましては、一応就職を予想されまする産業別数字見込みをつけるということにいたしまして、これらの離職者に対しまするいろいろな援護措置をもあわせて数によって示すということで、この計画をつくっていきたいと思うのでございます。この合理化整備計画そのものが、もともと地域別炭田別に計算されるものでございまして、個々山別に具体的な数をきめるものではございません。従いまして、個々離職者個人を予想いたしまして、その一人々々につきまして一々見込みをつけるということは、この雇用計画においては考え得られないところでございまして、全体の数につきまして、あらゆる機関を動員しての受け入れ数見込み、ないしこれに対する援護上のいろいろな措置、かような数の見込みを盛ったもの、これが雇用計画内容でございます。
  17. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 始関君にちょっと御相談がありますが、質疑通告者が多数ありますので、できるだけ簡潔に結論の方に願えれば幸いだと思います。御協力願います。
  18. 始関伊平

    始関委員 ただいまの御答弁でけっこうでございますが、そのうちで特に政府関係雇用対策については特別に具体的に示してもらいたい、こういうような考え方もあるわけでございます。その点をあわせて、あらためてもう一ぺん御答弁をいただきたいと思います。  それからもう一つ、ただいま委員長から御注意がございますのでこれでよしておきたいと思いますが、いわゆる求職手帳の制度とそれから就職促進手当、この二つがやはり今までになかった画期的な労働対策ということになるかと思います。就職促進手当失業保険期間と合わせて三年ということになっているようでございますが、失業保険給付額等とのつり合いから申しますと、四百五十円という額は多少考慮の余地があるのではなかろうかと思いますが、その点を一お答えいただきたい。
  19. 大橋武夫

    大橋国務大臣 まず雇用計画についてでございますが、雇用計画を策定するに際しましては、ただいまお述べになりました御意向の通り政府機関につきましては特に、就職先について具体的な調査に基づいて数をきめて参りたいと思います。でき得れば、政府機関ばかりでなく、民間就職先につきましても、事前に求人者相手先調査いたしまして、できるだけ詳細な計画をつけるように努力をいたしたいと存じます。  なお、促進手当の金額についてでございますが、就職促進手当につきましては、失業保険の切れました後におきまして、また職業訓練期間が経過した後におきまして、現実に就職いたしますまでの間、その者の就職の活動並びに生活の安定を維持しようというのがこの目的でございます。従って、ある意味におきましては、これは失業保険の補完的な意味も持つということが言えると思うのでございます。ただ厳格に考えますと、失業保険と異なっておる面も若干あるわけでございまして、第一に、失業保険と違いまして、この手当は全額国庫負担の制度によります特別の給付であるという一点でございます。第二に、生活保障の面におきまして、この手当と同様の性質を持っております職業訓練手当という制度が現にございます。これは昭和三十八年度の予算要求日額五百五十円のうち、生活維持費相当額四百五十円を見積もっておるのでございます。これとの均衡を得る必要がありはしないかというのが、第二の点でございます。第三点といたしまして、求職期間中の生活の安定をはかる意味におきまして、この手当とある意味で同様の意義を持っております緊急就労対策事業その他失業対策的な諸事業の賃金日額と、やはりある程度均衡を得る必要がありはしなかろうか。これは御承知通り、全国平均日額四百二十五円というのが、今年の実績に相なっておるのでございます。これらの点を考慮いたしまして、政府といたしましては、四百五十円の日額をもってまず大体適当であろう、かように考えまして提案いたした次第でございます。
  20. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 結論を願います。
  21. 始関伊平

    始関委員 これでおしまいにいたしますが、産炭地域に対する対策のうちで、中小企業並びに農民に対する対策が非常におくれておる、あるいは軽視されておるということでございまして、その点につきましては、党の方でも政府の方でもいろいろ御調査になっておると思います。内容等はわかりませんが、通常国会に間に合うように何らか適切な対策がなされるのかどうかという点だけを、通産大臣に簡単にお答え願いたいと存じます。これで終わります。
  22. 福田一

    福田国務大臣 中小企業並びに農業関係の、いわゆる非常な影響を受けておるということについては、皆様方の御要望もあり、また政府部内においても非常に重要視いたしておるのでございまして、さしあたりこの中小企業者に対する分につきましては、昨日大蔵大臣と私が相談をいたしまして、詳しいことは新聞にもすでに発表しておるところでございますけれども、売掛金等の問題について特に考慮をいたしまして、そうして一定金額を産炭地において、あるいはまたその関係において、売掛金を持っておる人で、実際にそれが取れないような事情にあるというようなことが明らかになった場合においては、市町村長の証明を得ることによって、個人においては百万円、あるいはまた法人については三百万円の限度まで金を貸し付けることにいたしました。しかも、その金も低利で貸し付けるような措置を講ずることにいたしておるわけであります。詳しいことは、もし必要でございますれば資料を提出してもよろしゅうございますし、あるいは政府委員から答弁をさしてもけっこうでございますが、そういう意味合いにおきまして特に重視をいたしております。農業関係についてもまた、これに準じ別途十分な考え方をしていきたい、こういうふうに思って今検討をいたしておる段階でございます。
  23. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 次会は明十八日午前零時五分より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後十一時三十一分散会