○岩間正男君 これは、
亀田委員から今言われましたように、基本的人権に関する重大な問題ですから、きょうだけで終わる——時間の
関係もありまして、やれるとは思いませんけれども、今応答されましたその中で、関連した二、三の問題についてお伺いしたいと思います。
第一に、今の
移住局長のお話を聞いておりますと、義務教育だからこのような
措置をとったんだ、こういうことを言われましたね。そうしてそれは教育基
本法にあるということを言われましたが、教育基
本法のどこにあるのです。教育基
本法の精神を見て下さい。教育基
本法の前文には、「個人の
尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」、こういうことを言っております。それから第二条を見て下さい。「教育の
目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。」あなたは、おそらく第八条の問題をこれは言っているのでしょうが、これは、政治教育その他政活活動をしたり、特定の政党を支持する。これが第八条第二項にはそういう
規定があります。しかし、この問題とこれはまるきり違うじゃないですか。第一、あなたの言われたのは、義務教育であるからそのような統制を加えなければならぬ。これは、国家統制の教育の精神です。これは全く教育基
本法の、精神に反します。今のような
説明をされて、それがまかり通るということは、これは教育基
本法違反になります。重大問題です。
第二の問題は、これはソビエトのピオネールではなくて、国際親善の少年少女の交流のそういう営みに対して、あなた自身は、ピオネールの何か創設時代のこれは方針を持ってきて
説明されておる。ここが根本的なこれは間違いですから、この点はさっき私も指摘したように、二つを混同してはいけませんよ。混同してやっておるところにすでに曲解があるんだと思う。そうするというと、この教育基
本法の第八条の「特定の政党」云々という、そういうものにこれは適用されないんです。現に子供
たちは何と言っておると思いますか。これに参加した子供
たちはこう言っておる。代表に選ばれた少年少女の声を聞いて下さい。ソ連については、よく言う人も悪く言う人もいるので、自分
たちでありのままの姿を見てきて、みんなに伝えたい。これが願いです。十人の子供
たちの。これをあなた聞きましたか。お聞きになったんですか。こういう観点に立っておる。これは最も正しいじゃないですか、良識として、そうしてまた、この少年はこう言っておりますよ、あなた
たちに拒否されたとき、こういうことを言っております。パスポートを出さない
理由の中に、私
たちが直接に国の
利益を害するとありますが、私も
日本人です。私
たちの国に害になるようなことはしません。
大臣は、もっと自分の仕事に
責任を持ってもらいたいと思います。こう言っておる。この子供の批判をあなたはどう考える。今の
政府、今の政治に対する、この偏向教育に対する痛烈な批判じゃないですか。そうしてこういうような良識が生まれてきていることについて、このような子供
たちをあなた
たちが規制するなんていうことができますか。できないでしょう。どういう法的根拠もない。それから現実について、あなた自身がすでにそういう形では、私はたいへんな立ちおくれじゃないかと思う。大体戦前の教育に国家統制を通じて今戻りつつあるのが、今のこれは文教政策だというふうに私は考えておりますけれども、これはたいへんなことです。戦前の教育は、反ソ反共の見ざる聞かざるの
外交政策ですね。そうして偏見にあくまで自分をしばりつけてきた。これが
日本を太平洋戦争に追い落としたところの根源です。こういうものをしないために、あらゆる知識を吸収して、あらゆるものを消化して、そうしてほんとうに良識のある公平妥当な、そういう国民を作っていくのが戦後の教育の方針です。ところが、すでにもう国家統制が出てきておる。この国家統制の手によって、権力の手によって、この子供
たちの願いというものはむざむざとじゅうりんされておる。私は今、教育基
本法をあげ、そうしてこの
日本の教育の現状の一端をあげて、あなた
たち自身のこれは大きな偏向のやり方について言っているんですが、これに対してどういうあなた答弁ができますか。