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1962-08-21 第41回国会 参議院 法務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年八月二十一日(火曜日)    午前十時三十分開会   —————————————   委員異動 八月十四日  辞任       補欠選任   高橋  衛君   宮澤 喜一君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鳥畠徳次郎君    理事            後藤 義隆君            松野 孝一君            亀田 得治君            和泉  覚君    委員            鈴木 万平君            吉武 恵市君            大河原一次君            千葉  信君            辻  武壽君            岩間 正男君   国務大臣    法 務 大 臣 中垣 國男君   政府委員    法務政務次官  野本 品吉君    法務省刑事局長 竹内 壽平君   最高裁判所長官代理者    最高裁判所事務    総局事務次長  岸上 康夫君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君   —————————————   本日の会議に付した案件検察及び裁判運営等に関する調査  (被疑事件処理状況等に関する  件)   —————————————
  2. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  この際、委員異動がありましたので、御報告いたします。  去る八月十四日、高橋衛君が辞任いたしまして、その補欠といたしまして宮澤喜一君が選任されました。   —————————————
  3. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) 次に、中垣法務大臣並びに野本政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許可いたします。
  4. 中垣國男

    国務大臣中垣國男君) お許しをいただきまして、一言あいさつを申し述べます。  このたびの内閣改造によりまして、新しく法務大臣に就任いたしました中垣國男でございます。  まことに不なれでございまして、何かと御迷惑をおかけするかと存するのでありますが、皆様の御協力並びに御指導をいただきまして職責を果たして参りたいと存じます。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
  5. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) それでは次に、野本法務政務次官
  6. 野本品吉

    政府委員野本品吉君) 先般法務政務次官を拝命就任いたしまし九。  皆さん御承知のとおりのきわめて非才微力なものでございますので、今後とも委員長初め委員各位の格別な御指導と御協力のほどをお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
  7. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) なお、このたび新たに最高裁判所事務総局事務次長に就任されました岸上康夫君からも発言を求められておりますので、これを許可いたします。
  8. 岸上康夫

    最高裁判所長官代理者岸上康夫君) 私、去る七月十六日付で最高裁判所事務次長を命ぜられました岸上康夫でございます。  御承知のとおり、裁判所は、終戦後新憲法に伴いまして制度等大きな改革がありましたのでございますが、その後十数年の実施状況から見まして、さらに改善充実をしなければならない問題もたくさんございます。これらの問題は、いずれも立法措置あるいは予算措置を伴うものが少なくありませんので、国会特に当委員会の深い御理解と御支援によりまして、それらの点を逐次改善実施していきたいというふうに念願しております。何分不敏でございますが、事務総長を補佐いたしまして、その方面にできるだけ力を尽くしたいと存じておりますので、どうかよろしくお願いいたします。   —————————————
  9. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) 本日は、検察及び裁判運営等に関する調査を議題といたします。  亀田委員より発言を求められておりますので、これを許可いたします。
  10. 亀田得治

    亀田得治君 私は、前国会から継続審議になっております四国放送並び徳島新聞社不正事件に関する問題につきまして、若干お尋ねをいたしたいと思います。
  11. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) 亀田君にちょっと申し上げます。  法務大臣予算委員会にすぐ出席する予定になっておるそうでございますから、大臣に御質問がありましたら、先にお願いしたいと思います。さもなければ次回に、大臣の御質問は……。
  12. 亀田得治

    亀田得治君 次回にしましょう。
  13. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) それでは、大臣のほうは次回にいたしまして、これより質疑をいたしたいと思います。
  14. 亀田得治

    亀田得治君 本件は、こういう公共的な事業における不正問題として、徳島地方では、一体この成り行きはどうなるだろうということで、非常に関心を持っておるわけであります。前回お尋ねをしたときには、捜査の途中であるという刑事局長お話等もありまして、私もあまり突っ込んだことは適当に控えていたわけでありまするが、私も、その後徳島にさらに行って見たわけでありまするが、大体調べは終了しており、もう最終的な判断を出す時期に来ておる、こういうふうに直接聞いておるわけでありまして、したがいまして、当然この問題は、地方検察庁だけじゃなしに、最高検自身が最終的な判断をする案件ではないかというふうなことも考えられるわけでして、最終的にそういう意味では非常に重要な時期に来ておると思います。そういう意味で、本日は、前回お答え願えなかったような点等を含めて、できるだけ詳細にこの問題に対するひとつ考え方を承りたいと思うわけです。そこで最初に、一体その後どうなって、現段階はもう判断の時期に来ておるというふうに私申し上げたわけですが、そこら辺のところはどうなっておるか、そういう点をまず総括的にお答えを願いたいと思います。
  15. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 去る六月一日の当委員会におきまして、徳島新聞四国放送、両法人関係事件の概要につきまして御報告を申し上げたのでございますが、その後鋭意捜査を続けて参りまして、仰せのように、大体最終段階に入っておるように聞いております。ただし、まだ結論を得ておるのではないようでございまして、この委員会に備えまして、私自身直接現地とも打ち合わせて見たのでございますが、まだ高検のほうにも相談をしようとしておる段階のようでございまして、結論的なことがまだ得られないわけでございます。したがいまして、捜査はそういうふうに進捗しておりますが、全体的に見ますと、まあ捜査中ということを申し上げるほかないのでございまして、もう少し結論を得ました後におきましては、ある程度ここで詳細に御答弁申し上げて差しつかえないと思いますが、現段階におきましては、まだ十分お答え申し上げることができないように思う次第でございます。  亀田委員はすでに十分内容を熟知しておられることと存ずるのでございますけれども、ごくあらましを、その後の状況を加味しまして申し上げてみたいと思いますが、本件は、去る三月二日、徳高地検四国放送株式会社社長戒谷利平氏から、同会社社長社団法人徳島新聞社会長である前川静夫外二名に対する業務横領等告発を受理いたしました。地検においては、本件社会の公器である新聞放送事業を経営する法人に関するものであり、その経営に疑惑が存しますことは、社会一般に及ぼす影響も大でありますから、まず第一に不正事実の存否を明らかにする必要があるという見地から、告発を契機といたしまして、告発のありました事実にとらわれることなく、検察庁独自の立場で事態を糾明するように、鋭意捜査を行なった次第であります。  その結果といたしまして、まず徳島新聞社については、同社専務理事である武市仁一郎氏が、同社業務に関して、同社法人税を免れる目的で、新聞販売収入及び広告料収入を除外するなどの不正の方法によって所得を隠匿して、昭和三十三年四月一日から三十四年三月三十一日までの事業年度におきまして、所轄徳島税務署長に対して、真実の法人税額より過小の法人税額の申告をして、その差額二百八十万千九百四十円を脱税した事実が判明いたしましたので、五月二十四日、右徳島新聞社及び右申し述べました武市仁一郎氏を法人税法違反という罪によって、穂島地方裁判所公訴を提起いたしたのでございます。なお同社は、三十一年八月ごろから右のような脱税を続けていたものでありますが、右年度以前の脱税事実につきましては、すでに公訴時効が完成しておりまして、また、四国放送株式会社におきましても同様の脱税が行なわれていた疑いがありましたが、昭和三十三年四月一日から三十四年三月三十一日までの事業年度につきまして捜査したところ、脱税額僅少でありまして、脱税所得は約九十万円程度にとどまる見通しとなりましたので、事案処理司法処分ということでなく、徴税手続に譲ることにいたしまして、捜査を打ち切ったのでございます。それより以前の年度の分につきましては、同じく公訴時効が完成しておるわけであります。  次に、この両会社脱税のために設けた秘密積立金使途につきまして、さらに追及を行ないました結果、告発事実とは若干異なるのでありますが、徳島新聞社関係については、右武市及び同社経理部長米沢新三郎氏らにかかる総額約六百八十万円の業務横領容疑、さらに、四国放送株式会社関係につきましては、同社社長前川静夫及び被告発人である同社専務取締役森田茂氏らにかかる総額五百十七万円の業務横領、また、右森田茂らにかかる総額約百二十六万円の業務横領、また、右前川及び森田両氏にかかる外国為替及び外国貿易管理法違反及び自社株約二千株を会社計算によって不正に取得したとの商法違反等の各容疑が生じまして、自来鋭意捜査中でございます。ところが、捜査過程において、かなりすみやかに着手したのでありましたけれども経理関係書類等で焼却されているような事実もだんだんわかって参りまして、捜査は困難をきわめているようであります。いずれにいたしましても、検察として、できる限りすみやかに捜査を完了いたしまして、これが処分について、証拠関係情状等諸般の事情を考慮して、処分をきめることになるのでございますが、事案の性質上、高松高等検察庁に協議をされ、さらに結論を得るということになって終息するものと思うのでございますが、冒頭に申し上げましたように、まだ高松高検に協議するというところまで参っておらない状況でございますので、詳しいことをさらに突っ込んで説明を申し上げることは差し控えたいと存ずるのでございます。  大体、経過といたしましては、あまり六月一日に御報告申し上げたのと変わっていないのでございますけれども裁判に付するに足るだけの証拠があるかどうかという非常に専門的な面になるのでございますけれども、相当苦心いたしまして捜査を続けておるということを御了解願いたいと思います。
  16. 亀田得治

    亀田得治君 それじゃ、今御報告ありましたことに関連いたしまして若干お尋ねするわけですが、ちょっと確かめたいわけですが、ただいまの報告の中で、徳島新聞関係横領容疑というのは、金額並びに使途、人間ですね、前川は入っていないのですか。
  17. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 徳島新聞関係につきましては、法人税法違反で起訴されております武市及び新聞社経理部長米沢新三郎氏らにかかる六百八十万田の業務横領
  18. 亀田得治

    亀田得治君 それから四国放送のほうは、もう一度ちょっと結論的な数字を……。
  19. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 四国放送関係につきましては、同社社長前川静夫氏及び同じく被告発人であります同社専務取締役森田茂氏らにかかるもので、総額正百十七万円の業務横領、それと、森田氏らにかかる総額約百二十六万円の業務横領、それから右社長前川氏及び森田氏にかかる外為法違反及び自社株約二千株を会社計算によって不正に取得したという商法違反等容疑でございます。
  20. 亀田得治

    亀田得治君 そこで、まず四国放送関係でありますが、五百十七万の前川並び森田に関する横領容疑、この点は、私への報告では、被疑者もすでにこれを認めて、そして四国放送への返済の手続をとったということを聞いておるのですが、そういうことは、あなたのほうで御存じでしょうか。
  21. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) そういう詳しいことは、私のほうは存じておりません。おそらく弁償をしたかどうかというようなことは、処分の際に考慮される事項だと思いますが、まだ処分意見というようなものも私のほうへは報告されてきておらないわけでございまして、弁償有無等につきましては存じておりません。
  22. 亀田得治

    亀田得治君 さらに四国放送の分で、告発人等が問題にしておる点は、簿外積立金秘密積立金から出しました機械器具類、これが被疑者側から出しました書類によりましても、一千百六十一万円に上っておるわけなんです。本来ならば、放送会社に備え付ける機械器具でありますから、表の経理からちゃんと出していいわけなんですね。普通はそうでしょう。それを、なぜ一千百六十一万円というものを秘密積立金から出したのか。これは、関係者が非常に疑惑の日をもって見ておるわけなんです。で、これに対する正式の領収書のあるのは、東芝の二百五十万と芝浦電機の十三万円しかないわけなんです、今日に至っても。初めは何もなかったのだが、これがついてきたわけですね、そろえろということで。ほかの大部分につきましては、領収証明書というようなものを発行して、全額を合わせておるわけですね。しかし、この取引先が、ほかの点というのも、東之、芝浦電機ソニー商事等なんでして、一体こういう一流メーカーが、そういうややこしい経理などを普通するわけがないではないかというふうに私たちは感じておるわけなんです。だから、もっと突っ込んで、ざっくばらんに申し上げますならば、一千百六十二万円で機械器具を買ったとはなっておるけれども、実際は、五百十七万の人件費をごまかしたのと同じように、機械器具の中に、そういう私的に使ったものが入っておるのではないかということを私たち疑惑の目をもって見ておるわけなんです、入っていないのであれば、こういう一流メーカーからきちんとした取引ができないはずはない。ほんとうに、個人的にごまかした金がそこに入っておらないということであれば、芝浦電機なり東芝あるいはソニー商事自身が、四国放送結託をして、両方ともやみの取引をしておるという問題に発展するわけですね、実際に金が出ているとすれば、表に載っていないわけなんですから。だから、そうなれば、四国放送不当経理についての疑惑も当然でありますが、芝浦電機なり東芝なりソニー商事経理にもごまかしがあるのではないか、一つの問題について疑惑が発展した場合には、当然、検察庁としては、これは追及すべきものなんです。選挙違反でも何でも、ほかの場合にそういうふうにやられているわけですね。一体、この点をどういうふうに取り扱っておられるのか、お聞きをしたいところなんです。
  23. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 業務横領内容につきましては、先ほど申しましたように、処分をしようとしておる段階でございますが、まだ処分前でございますので、私どもから軽々に申し上げかねるわけでございますが、ただ、お尋ねのような点につきましては、検察庁容疑としておりますものの中には、今のような点については、私どもへの報告が非常に簡単でありますためか存じませんが、報告の中には、そういう容疑の点は触れておらないのでございます。あるいは調べ過程において調べておるかもしれませんけれども、私どものほうでは、その点についてだけは存じておらないので、お答えができない次第でございます。
  24. 亀田得治

    亀田得治君 そういうことに触れないといたしますと、はなはだ取り調べというものが、何といいますか、上っつらをなでているという感じを受けるわけです、つまり裏金から一千百六十一万円を出して機械器具を買ったということは、この前川のほうから検察庁に出しました書類の中に書いてあるわけですね。五百十七万の人件費横領ということがあったということも同じ書類の中に書いてあるので、検察庁がそこを追及して、結局、それはやはり横領だというふうな結論がついているわけなんです。だから、この書類検察庁が受け取っておりながら、裏金でこういう固定資産的なものを一体買う必要があるのかどうか、なせそういう疑惑を持たないのかということに私は疑問を持つわけです。疑惑を持ちながら、今お話しのように、どうも突っ込んだ調べがないとすれば、はなはだ私は不熱心だと思う。調べた結果、どういうふうになるかはわかりません。ただ、私たちの聞くところによりますれば、この一千百六十一万という金については、取締役会も承認しなかったわけですね、何も裏がないのですから。実際に幾ら会社に払ったのかわからぬ。取締役会も承認しない。したがって、監査役監査をこばんだわけなんです。そのままになっているのです。そこで、前川たちのほうは、その後、できるだけそれに合うような領収書を作りたいということで、勢力をしたわけでしょうが、結局、二百五十万と十二万の二口、つまり二百六十二万しか、きちっとした領収書がそろっておらない。そのほかのものは領収証明書、こういうようなものをそろえているようなんです。しかも、相手は一流メーカーです。そんなことができ得るかどうかということに私は非常に疑惑を持つわけなんです。一流メーカーが正式の取引をやれば、取引をやったときに、きちっとした領収書は発行しているはずなんです。だから、それはうそ領収書だということになれば、これは結局、機械器具購入費だというけれども横領金なんです。ところが、うそでないということになれば、一流メーカー自身が、四国放送結託をして裏取引をやっている、そういうことになる。一流メーカー自身経理内容というものを追及すべきでしょう。おそらくそこでも脱税は当然出てくるでしょう、帳簿から落として裏でそういうことをやっているということになれば。いずれにいたしましても、常識的に、だれが見ても疑惑を持つべきものを、たいして突っ込みもしないことはふにおちない。竹内局長は、この決算書というのをごらんになっているでしょうか。
  25. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 私は、それは見ておりません。
  26. 亀田得治

    亀田得治君 私、その決算書に基づいて今数字を申し上げているわけでして、向こうが出してきたこれは決算証明書なんです。しかし、それには裏づけがなかった。ないというから、こちらが疑惑を持っているわけです。だから私は、検察庁はなぜ、たとえば東芝なり芝浦電機なりソニー商事からこれこれこれこれの物を買ったと、被疑者が弁解するのであれば、その書類を持ってこいとか、そんなことを言うておらずに、なぜ東芝芝浦電機ソニー商事に直接当たって調べてみないか。当然なことでしょう。それはどう思いますか。
  27. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) それはもう当然なことだと思いますし、現地ではやっておるのではないかというふうに私は思うのでございますが、ただ、私どものほうへ報告になっておる事項の中にそういう記載がないもんですから、それをどう思うかとおっしゃられても、私のほうはお答えのしようがないという状況でございます。
  28. 亀田得治

    亀田得治君 つまり、まあ一千百六十一万の機械器具類購入という問題について、あなたのほうに報告がないということは、ほんとう被疑事実の対象一つとしてこれを取り上げておらぬという公算が強いわけなんです。あなたの報告を聞くまでは、少なくとも当然これははっきりとした一つ対象にはなっておるというふうに私としては感じていたわけです。これは、この前もそう思っていたわけなんですが、あまりにも捜査が途中の段階でありますから、そこまで触れることは実は遠慮しておったわけでありますが、この最終段階に来て、もう高松高検意見交換をするという段階になって、こういうものが対象になっておらぬということでは、非常に私はふに落ちないわけでございます。だから、前に、熊木の地検の問題でも、あとからあとからいろいろなことを申し上げて、はなはだ迷惑をかけた点もありますが、こういうものを落とされるから、私たちはふに落ちないわけなんです。ところが、こういう問題は、検察庁以外の者から指摘されますと、それは検察庁調べてみましょうというふうに、一応調べる。ところが、そんな程度のことでは、それはきちっとした核心を突くことはとてもできないわけてなんでして、そこの姿勢です。いや、それはもうわかっておる、それはもう徹底的にやる格好になっておる、この一言があれば、私はそんな、今申し上げたようなこまかいととまで言う必要はないわけです。それはもうおまかせしておいたらいい。これは、はなはだ本日実は意外な指摘の点であったわけでして、これはひとつ、そういう報告事項に載っておらぬということであれば、あなたのほうで、この点についての徳高地検に対する御注意なり、そういう点はしていただきたいと思うのですが、それはどうでしょう。
  29. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 亀田先生お話にありますその検察姿勢というような観点から、私も全く同感でございまして、そういう意味の注意をうながすということはやぶさかでございませんが、この具体的事件処理の中で、私のほうには報告しておりませんけれども、その積立金を分析して検討して、証拠と合わして検討していく過程において、それが考慮されていないというふうには私必ずしも言えないと思うのでございまして、これは、考慮されておりますとかされておりませんとかということは、捜査中でございますので、なかなか申し上げにくいのでございますが、十分私は徹底した捜査をしておるものと思っておりますので、その点があるいは不当経理というような、犯罪にはならないが、不当経理というような形になるものも中にはあると思います。それを犯罪という検察庁で取り扱います分野で整理をしていきますと、先ほど申したような容疑が浮かんでいるということで私のほうへ報告があるわけであります。容疑が浮かんでいる背景の事実分析の中に、今御指摘のような点までも検討がされているのじゃないかというふうに思いますが、もしそういう点を失念しているというようなことがあるならば、今先生の御指摘のような点が速記録に明らかになることでございますから、現地に連絡をいたしまして、遺憾なきを期していただくというふうにしたいと思います。
  30. 亀田得治

    亀田得治君 それじゃこの点に関しまして、一点だけひとつ要請しておきますが、この千百六十一万という機械器具類購入先につきまして、直接検察庁調べたかどうか、今日までの段階において、直接ですよ。そんな、被疑者から書類を持ってこい、被疑者からそれに合うような書類を持ってこい、そういったような調べ方じゃなしに、直接メーカーについて調べたかどうか、今日までの段階で……。それによって私たち姿勢についての判断をしたいと思います。だから、それはひとつ、別に内容に触れるわけじゃないのですから、お調べの上次回にお答え願いたいと思うのです。いいですね。
  31. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 承知いたしました。
  32. 亀田得治

    亀田得治君 それでは、四国放送の分につきましては、一応この程度にして、次に、新聞社関係のほうについて、若干お尋ねをしたいと思いますが、新聞社関係で、まあ一番問題になっている点は、例の前川社長の宅地の問題であるわけですが、その前に、前提として、この事件が勃発したときに、隠し金が一億一千万余徳島新聞社にあることが押収書類等によってわかったわけですね。この一億二千万余り隠し金というものは、これは押収当時の現在高なんです。現在高であって、それ以前に、もっと多くの隠し金がどれだけ作られ、そうしてそれらの押収当時にはない隠し金がどういうふうに処理されたのかといったような点は、一億二千万とはまた別ですわね。そういうふうに私たちは、はっきりこう、しているわけですが、この隠し金の一億二千万というものについて、一体刑事局長はどういうふうな理解を持っているか。前提の問題として、ひとつお答え願いたいと思います。
  33. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) ただいまの御質問は、捜査官として当然考える問題でございまして、一億余りの金が現在樹としてあったのであれば、その前にもあったはずだ、それが合計幾らになるのか、その使い道が究明されなければ、本件捜査が徹底したことにならぬわけでありまして、そのとおりでございますが、これは、法人税の逋脱ということから来ているわけでございまして、この法人税逋脱のために、専門の会計の明かるい者が、国税庁の方々も参加しまして、鋭意徹底的にこれは捜査したわけでございますから、法人税も、金額が何円まで出ているわけでございまして、したがって、その脱税されたもの、そうしてそれが積み立てられているわけで、その脱税と積み立ての間に横領があったとか何とかということになりますと、金額は確定して参らないのでございますが、そういうものもないとは言えない、書類がかなり焼却されておりますので、ないとは言えないのでございますけれども、一応そうやって捜査をいたしました結果出てきた金額で、これは、私どものほうの報告によりますと、現在高じゃなくて、総合計が一億二千万というふうに承知しておるわけでございます。したがって、この一億二千万の使途について究明をしていくというのが、本件捜査の核心になるわけでございます。さて、その究明の過程におきまして、先ほど申しましたように、書類の焼却等がありますために、数字の上でどんぴしゃりと、はっきりしていくということはなかなかむづかしいのでございますけれども亀田先生のおっしゃるように、一億二千万が現在高で、その前に使っていったやつがあるはずじゃないかと、それを合計すると何億になるかわからぬじゃないかという想定のもとの議論ではなくて、みんな脱税して横へ出しておいたものを年度別にずっと横へ出して、それを計算していきましたのが、今申しました一億二千万というふうに承知しておるのでございます。
  34. 亀田得治

    亀田得治君 そうしますと、書類を三月でしたか二月でしたかに押収した当時には、現金は幾らあったんですか。秘密積立金の現金の現金は……。
  35. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) この内容は、現金としましては一万二千百二十円、その他、預金、株式になっておりますもの、不動産になっておりますもの等で一億二千……。
  36. 亀田得治

    亀田得治君 いや、現金と申し上げたのは、預金なども含めてですよ。
  37. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 預金もいろいろな形で入っておりますが、現金が一万二千のほかに、定期預金、普通預金、その他で合計しまして約七千七百万円ございました。
  38. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、一億二千万をあなたのほうでは秘密積立金総額と見て、そうして現在預金等で残っている七千七百万のその差額、それがどういうふうに使われたかの追及をやっているわけですか。
  39. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 捜査の仕方を全部御説明しないと、御納得いただきにくいのかもしれませんけれども、そこに残っている、七千万を差し引いた残りのものははっきりしているわけなんです。株式に幾ら、土地に幾ら、不動産に幾ら、預金が幾らと、こうなっておりますが、これらの預金といえども動いているわけですし、そういう点をずっと見ながら、これが会社のために使ったということになりますと、取締役会の承認を経てないとか、いろいろな手続上の違反があるために不当経理になる場合がありますけれども、それをもってすぐ横領にはならないことは、先生も御承知のとおりでございます。そこで、全く個人の用途に着服したとか、あるいは費消したとかいうような観点から、これら預金、不動産になっておりますもの、株式になっておりますもの、そういうものを過去数年にわたりまして検討して、そうして容疑を浮かび出しておるわけでございます。それに照応する証拠があるかないかという点が捜査の重点でございますので、そういう点で捜査をしておる、こういうことでございます。
  40. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、この一億二千万の隠し金の内訳ですね。これは一応現金幾ら、頭金幾ら、あるいは株式なり不動産に化けたものが幾らといったような内訳が、一応のものははっきり出ているわけですか。それが正確であるかどうかは別として……。
  41. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) はっきり出ております。
  42. 亀田得治

    亀田得治君 そのはっきり出ておる中で、どの点に疑惑があるわけですか。たとえば、この社長前川の土地が一つは問題になっておるわけですが、これは一体どういう性格のものと、この捜査の中では見られておるわけですか。私がこの前川社長の土地の問題を聞きますのは、結局ほかの点につきましては、書類等が焼けたりして、なかなか検察庁も追及しにくいということは聞いておるわけですが、ただ、前川の土地になっておる、この土地だけは、これは消すことができないわけですね。土地だから、これは消すことができぬわけです。だから、これの扱い方というものが、一億二千万円の隠し金について関係者が非常に重視しておる一点なんです。おそらくこの点に集中されていると言っていいでしょう。そこで、この前川の宅地の問題ですね。これはどういうことになっておるわけですか。これはもうお調べが全部完了したようですが、昭和三十年十月七日に杉本という人から買い取っておるわけですね。一体だれが杉本から買い取ったんですか。そして幾らで買い取ったのか。そういう点等を明確にしてほしいわけです。
  43. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 御質問がだんだんこまかくなって参りまして、捜査内容を説明しなければならぬことに相なると思いますが、もう少し時期を待っていただきまして、私どものほうで結論を得ましたならば——私の答弁の中にも間違いもあるかもしれぬというような気もいたすのでございまして、とにかく私どものほうは間接に報告を聞いておりますものでお答えを申し上げて、それ以上の知識を持っておらない状況のもとでお答えをしておるわけでございますが、結論を得るということになりますれば、私どもも、その結論に対して疑問があれば問いただし、そうしてお答えもできる次第でございますが、今はまだそういうこまかい報告を受けておらない段階で、あれはどうだ、これはどうだという御質問に対しましては、お答えしにくいのでございまして、先ほど私申しました、抽象的でございまして、御納得いきにくいと思いますが、要するに、脱税をして、秘密の積立金を持っておって、その秘密の積立金をいろいろに使っておるようでございますが、その使い道の中で不当経理になるものは犯罪ではございませんので、これは除外して、犯罪と思われます容疑につきましては、先ほど、抽象的でございますけれどもお答えしましたような業務横領容疑、そういうものについて調べておると、こういうことの程度でひとつお許しを願いたいと思う次第でございます。
  44. 亀田得治

    亀田得治君 宅地の問題についてお聞きしますのは、宅地が約三百坪でありますが、うち二百五十八坪というのが、昭和三十年十月七日に杉本から新聞社のほうに買い取っておるわけですね。それから三十二年の八月九日に、新聞社から前川のほうに名義が移されておるわけなんです。で、この三十二年の八月九日に新聞社から前川に名義を移すときに、はたして前川が自分の金を払っておるのかどうか。関係者は、これは払っておらぬと、こう言うている。これも、秘密積立金の中からこの杉本から新聞社が言うているんだ。それを勝手に自分の名前にしているんだ。こういういきさつになっているわけでして、これは初めから、本件のいろんな告発事実がたくさんあるわけですが、具体的にはちゃんとそういう登記の上に証拠が載っておるわけですから、これがまあ中心であったわけなんですね。担当の検察官なども、この点は、少なくとも横領は成立するだろうというふうに告発関係者にはしゃべっていたくらいなんです。ところが、どうもこの点がいつまでたってもはっきりしないわけなんです。だから私は、もう捜査が終わっているわけですから、あなたのほうでわかっている程度のことがあれば聞かしてもらいたい。それに対して、それはおかしいじゃないかという点があれば、これは当然われわれ、公正な捜査という立場から見て、要請もするのは、これはあたりまえのことなんです。そういう意味で聞いているわけでして、一体この杉本から幾らでお買いになったのか。新聞社が幾らでお買いになったのか。それをまず聞かしてもらいたい。
  45. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) できるだけお答えを申し上げたいと思って、先ほど来お答えをしておるわけですが、非常にこまかい点に御質問が入ってきておりまして、それは全く、捜査としましては、前川がどう言っておるか、相手方がどう言っておるかという意見の食い違いもあるようでございまして、その辺を調査の上で、どういうふうに事実がまとまるかということを検討しておるわけでございますから、だれがどう言った、これがこう言ったというようなことは、ひとつこの段階ではお許しを願いたいと思うのでございます。捜査は、現地では一応終わったというようなつもりでおるようでございますけれども高松高検では、まだ捜査が終わったというふうに見るかどうかもわかりませんし、また、最高検でこの事件をどういうふうに判断し、また足らぬところを捜査せよというふうに言うかもしれませんので、いまだ捜査が終わったから何でも言えるという段階ではないのは、先ほど来申し上げておるとおりでございます。
  46. 亀田得治

    亀田得治君 それじゃまたひとつ、捜査協力する意味で、私の見解も参考に申し上げるから、聞いておいてもらいたいと思うのです。それは、この宅地につきまして、前川検察庁で言っておることは、あれは自分の金を出しておる。その金の出し方は、外遊するときに、その間給料をもらわなかった、それと、それにプラス約六、七十万の金を置いていった。そういうもので買われたものだというようなことをある時期では申したようです。ところが、私たちこの外遊の時期を調べてみますると、昭和三十年の五月十四日に徳島を出発して、三十年の十月一日に徳島に帰っておるわけなんです。約五カ月弱なんです。当時の前川四国放送並び徳島新聞社の給料等を計算いたしましても、十一、二万円程度なんです、一カ月。数字がとても合わないわけなんです、時価等に比較いたしまして。だから、そんないいかげんなことでこの問題を処理されたのでは、これはもう世間が納得しない。時価というものは基礎があるわけですから、何も、杉本が、みすみす坪幾らで売れるものを、その半分に売るとか、そんなことは必要ないわけですから、それで私は、杉本から一体幾らでお買いになったのか、これがこの事件の大きなきめ手だと申し上げるのはその点なんです。そこからたぐってくれば、うそはすぐばれるわけなんです。それから、もう一つの問題点は、なるほど昭和三十年の十月当時には、前川は金を出さないで、それは秘密積立金から出したのだ、現実に自分の綱紀にした、三十二年八月九日ごろに出したのだ、あるいはそんなことを登記簿に合わせばそうなるわけですね。そうなるかもしれません。しかし、その金額が幾らになるのだ、金額が前に説明されたような程度のことであれば、これは背任罪という問題も起こるわけでしょう。昭和三十三年の二月ごろは、まだ前川社長をやっているわけです。社長でありながら、自分の新聞社の不動産を自分勝手に双方代理をやって安く買い取る、そんなことは、これは民法上の有効無効の問題すら起きてくる。それは別といたしましても、少なくとも背任という問題が起こる。この問題はいろいろ弁解しているようですが、こういう点がどうも刑事局長のほうではっきりお答え願えないというふうなことですと、はなはだ実は残念なわけで、四国放送の先ほどの五百幾らの横領等は、これはきちっとはっきり現段階ではしているし、あなたもおっしゃっておる。それに比較すると、一番重要視されている宅地の問題が、まあ先方のいろいろな言い分にかき回されているといいますか、そういう印象をはなはだ受けるわけです。だから、今なかなかそこまでの説明はしにくいとおっしゃるわけですが、どういう工合に説明しましても、私はこの説明がつかないと思うのです、おそらく。私が御指摘申し上げたような点、いろいろな角度からはっきり調べてほしいと思うわけですが、今私が申し上げたような点は、刑事局長も大体知っているのじゃないですか。
  47. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 私は存じておりません。まあ事件報告は、そういうこまかい関係人の供述まで、調書のようなものを送ってくるわけじゃございませんので、要領書きでございますために、今お述べになりましたようなこまかい点については、関係者がどう言っているかというようなことは、高等検察庁のほうですと承知していると思いますが、私のほうには、そういうこまかいことはわかっておりませんので、私も存じませんが、ただいまの件は、速記録にも明らかになっているわけでございますし、地元のほうへ転送いたしまして、御意見のあるところは、お伝えいたしたいと思います。
  48. 亀田得治

    亀田得治君 それでは、この土地の問題はこの程度にしておきましょう。  それからなお、例の四国放送の株を徳島新聞社が四万株持っているわけですね。これは、秘密積立金の内訳の中にもあるだろうと思いますが、それ以外に、前川が、前川その他の人も入っておりますが、個人名義で、四国放送の株を約二万五千株持っているわけなんです。この二万五千株というものは、一体この取り調べ対象になっているのかどうか。
  49. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) なっているようでございます。
  50. 亀田得治

    亀田得治君 それから、新聞社と別個の、株式会社新聞販売所というのがありますが、ここの株式の二千八百株あるうち、約半分の千四百株を前川個人の名義で持っている。これも、関係者は、秘密の積立金から出したものと、こういうふうに言っているわけですが、これも一つ対象になっているかどうか、明確にしてもらいたい。
  51. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) その点は、報告書の中に載っておりません。なっているかどうかは不明でございます。
  52. 亀田得治

    亀田得治君 それで、当然、おそらく、四国放送の株についてのほうは対象になっているようですから、新聞販売所のほうも対象になっていると思いますが、その場合の配当等が一体どういうふうに処理されているか。こういう点が、その株についての問題の扱いのきめ手の一つになると思うのですね。だから、そこら辺のところの追及は、さあこれも調べ中ということになるかもしれませんが、きちっとやられているのかどうか。ただ相手方の言い分だけを聞いているという程度では、なかなかうまくないわけでして、もし隠し金でそういうものを興っているという、その事実がはっきりして、ただし配当は自分で勝手に使っているということになれば、当然そこに問題があるわけですね。隠し金のそういう配当金の収入といったようなものは載っているんですかね。その程度のことは言えるでしょう、金額まで聞くわけじゃないですから。
  53. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) それは当然載っているわけでございまして、それがどこに入ったかということは、被疑者の弁解を裏づける——うそを言っているか真実を述べているかということの心証をとる有力なきめ手になるわけでございます。これは当然捜査いたしておると私は思います。
  54. 亀田得治

    亀田得治君 書類そのものとしては、配当収入というものは載っておるわけですか。
  55. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 載っております。
  56. 亀田得治

    亀田得治君 まあ大体以上、私たちが疑問点に思っておる点について一とおりお聞きしたわけですが、これは前回にも申し上げたことですが、ともかく本件について一部不正行為があった。告発は決してそんなでたらめなものじゃないのだということは、これははっきりしておるわけなんですね。犯罪行為があった、それにもかかわらず、この張本人と目されるものを野放しの状態にして、こうお調べを進めておるわけです。むやみに逮捕勾留といったようなことは、私たち別に好むわけじゃありませんが、これでは、なかなか核心に触れられぬわけですね。検察庁が、たとえば前の編集局長の滝本という人ですが、現在大宮市に住んでおります。こういう人なども参考人として呼んだりしております。しかし、こういう人を呼びましても、これはもう徳島へ来れば、ちゃんと旅館は新聞社のほうで世話をする。ちゃんと接待して、そうして打ち合わせをして検察庁へ出ているわけです。そんなことは、もう関係者はみんな知っているわけです。狭い所ですから、すぐわかります。だから、そんな調子のことをやっていては、とうていきちっとした調べにはこれはならぬわけです。だから、そういう意味で、本件は、最初は、なるほどいち早く井数等の押収があって、これはなかなかやるんじゃないかというふうな印象を一般に与えたわけですが、だんだん離間がたちますと、やはり検察庁も、どうもでっかいやつにはやりにくいらしい、こういう印象を与えているわけでして、まあ脱税犯等の関係でこれは起訴はされておりますが、それはむしろ、告発者なり公正な事業をやってほしいという立場の人から言うならば、これは派生的なことなんです、それこそ。莫大な秘密積立金を作って、そうして不明朗な運用をやっておるということ自体の追及をお願いしておるわけでして、その点が最終的にしぼられてきておるのは、土地なりあるいは先ほどから二、三指摘した問題点がそういうところにあるわけでしてね。少なくともそういう点はやっぱりのがさぬように、きちっとしたことができなければ、これはちょっと検察庁は甘く見られはせぬかと、私たちまあ心配するわけなんです。それは実際私たち、ある意味ではこれは捜査中の事件でありまして、そうむやみに委員会で取り上げて中身を追及するということも問題があるわけですが、しかし、一般の市民から見ますると、手がないわけですね。普通の役所へ行ったって、何も第三者が来たって、それに対して検事が答える義務もないわけですから、結局、国会等でもっと捜査のやり方についてきちっとしたことを要望してくれ、そういう要求になってくるのは、これは当然だと思う。それを何か、大体事件中のものはあまりさわらぬようにというふうなことがよくあります。しかし、それは公正に行なわれておるときにはさわりたくないのです、こちらも法律のことはよくわかっているわけですから。だけれども、いやしくも最初検事が、この土地だけは何とか、これはもう横領がはっきりしているようなことを言ったりしながら、だんだんそういうことが薄れてくるといったようなことでは、これはよくないと思うのです。そんなことなら、初めからそんなことを言わぬほうがいいわけでして、やはり事件を受けた当時には、それは確信を持ったのだと思う。私たちは、今までともかく土地の問題については非常な疑惑を持っているわけなんです。そういうわけですから、次回に結論が出て報告願う場合には、ただ結論だけじゃなしに、土地の問題等については、十分なやはり理論的な説明をひとつお願いしたいと思うのですね、きちっとした。それはもちろん、それが事件になれば、そんなに詳しい説明は要らぬでしょうが、ならぬという場合には、これはとても納得いかぬわけですよ。それは、被疑者の弁解というものは、そのときどきによって若干検察庁においても変わるかもしれんですけれどもね。私は、変わること自体を認めていいかどうかがまず問題だと思うのですよ。でたらめ言うから、でたらめに対して、お前外遊と言うけれども、外遊は五カ月しかないじゃないかということになってくると、金額が不足するから、またほかのことを言う。言えば、これは任意捜査だから、その言ったことをみんな黙って聞いておると、そんなことを、ほかの、あなた、労働組合や選挙違反等でやっていますか。やっていやせんのですよ、こんなのんきなやり方は。で、ぜひみんなが注目しておる事件ですから、結局そんな大きいやつには、検察庁もやはり遠慮があるんだろうというような印象を与えないようなことをぜひ考えてほしい。その点はいかがですか。
  57. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) あくまで厳正公平に、徹底した捜査をしていただくように、現地にも連絡をいたしたいと思います。  それからなお、御報告ができる段階になりました場合には、御趣旨のように、できるだけ詳細に御説明をするように、私のほうでも準備してこの国会に臨みたいというふうに考えております。
  58. 亀田得治

    亀田得治君 最後に一点。あと国会の期間もあまりないわけですが、現地と直接局長は電話でお話をされたようですが、結論の見通しというのは、いつごろの見通しなんですか。
  59. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) まあこれは公式のものといえば公式でございますが、検察庁としての公式なものではないわけでございますが、現地のほうは、一応捜査を終了した段階になったと、しかし地検でございます、これは。さらに高松高検意見も聞かなければなりませんし、おそらくは最高検にも指示を仰ぐだろうと思いますが、そういう過程の中にまた新しい指示もあろうかと思いますので、ちょっとここ数日のうちに片がつくというふうには考えられないわけでございます。現地地検の現段階状況はそういうふうに聞いたわけで、しかし、地検そのものも、高松高検意見等も、さらに捜査をすべきものがあればしなければならぬと、こういう考えであります。
  60. 亀田得治

    亀田得治君 最終的な決定は最高検でおやりになる——職務権限は別として、実質的な決定ですね、そういうふうな感じのするようなことも、高検に行ったときですか、ちょっとお聞きしたわけですが、そういうことになっておるわけですか、本件は。
  61. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 取り扱い上は、そういうふうになっておらないわけでございます。おらないのでございますけれども、検事長の判断で、自分でこれでいいと思っても、国会等で議論もあった事件だから、さらに最高検意見も聞いた上できめたい、こういうふうに検事長が判断されれば、検事長のほうから最高検に持ち込まれると思いますし、あるいは最高検も独自の立場で、自分のほうもこまかく内容を聞いた上で考えたいから、これは決定をする前に私のほうに報告してほしいということになりますと、最高検が関与する。最高検関与の方法としては、二つ方法がありますが、そのどちらになりますかは、まだ私どものほうも承知しておりませんが、現地地検の考えとしましては、地検だけで、検事正だけの判断できめようという考えは持っておりませんで、高検判断を仰いで最終的な処分をしたい、こういう考えなんでございます。
  62. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、高検と最高検の間のことが残っておるようですが、これも大体最高検判断を通してやるという方針にきまっておるわけじゃないのですか。まあ通してという意味が、参考に聞くということになるのか、あるいは実質的にここできめてもらうという意味なのか、それはよく私も、別にそんな突き詰めて聞く問題ではないのですから何ですが、そこら辺の扱いはまだはっきりしておらぬのが真相なんですか。実際はそういうふうにするということになっているのじゃないですか。
  63. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) その点はまだはっきりしておらないと思いますが、私の聞いております範囲では、最高検が引き取って最終的にきめるという方針にきまったということは聞いておりません。
  64. 亀田得治

    亀田得治君 それじゃ一応これで。
  65. 鳥畠徳次郎

    委員長鳥畠徳次郎君) 他に御発言がないようでありますから、本件に関する調査は、本日はこの程度にとどめます。次回の委員会は、八月二十八日午前十時より開会することにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会    ————・————