○森八三一君
大臣の答弁はまだ案が回ってきておらぬということで、御
承知のないことを
大臣にお伺いするのは失礼ですから、私差し控えます。差し控えますが、結局これから作業を願って
大臣のところでおきめ願うというときがすみやかにという、こういう
前提があるわけですね。そういたしますると、きょうこの
委員会は一日で終わりまして、大多数の諸先生はみんな現地の調査にお出まし願うということになりますると、
委員会を開くのは来月になってしまうと思うのですね。その間には当然すみやかにですか。きまってしまう。きまっちゃったときに、それが実態と非常に離れたものをきめられてしまって、文句言うにも言いようがなくなってしまうということでは、これまた非常に困った問題が起きると思うのです。その辺をどういうふうに運んだらいいかということが私は非常に
心配なんです。それが
国会中でございますれば、作業の進行状況をお伺いいたしまして、これは行政上の問題ですから、私は決してこれに介入しようとは思いませんけれども、農村の実態なり、
生産農家の実情というものを、私どもは詳細に知っておところでございますから、そういうことを間違いなく行政の上にも反映せしめたいということで申し上げるという
前提であって、決して行政に関与してわがままを申し上げようというような
考えは持っておりません。間違いなく
政府の措置をしていただきたいということについて助言を申し上げるとか希望を申し上げる、その申し上げる時期がなくなってしまうのですがね。そこで私申し上げましたように、少なくとも
大臣は今白紙の
状態ですから、ひとつ頭に入れておいていただきたいのは、私の持っております資料で計算をいたしますれば、サツマイモの場合については
基準価格は三十円以上という数字を出さなければいけない。これは出てくるのだ。作為をもってやれば別の数字が出てきます。ですが、純粋に
考えて参りますれば、そういう数字が出て参るはずでありますので、そのことはしっかり
事務当局の案をごらん願う場合には心しておいていただきたいと思いますけれども、それからバレイショの場合には昨年二十一円という数字であったのですが、ことしも農林省の八月十五日にお示しになっておりまする
生産統計というものからやりますと、その辺に落ちつくと思うのです。しかし、その後の状況は、ただいまも大沢長官お話しのように、台風その他の被害が頻発をいたしまして、ほとんど全土にわたり災害救助法が発動せられたというような、ほんとうに気の毒なことでございますが、ということからだんだん
生産数量も当初の見込みが非常に狂ってきておるということでございまして私の
承知いたしておりますところでは、八月十五日に対比いたしますれば二〇%近く
生産数量というものが減退をしておるというように承っております。しかし、現地を見たわけではありませんので、これは私聞いただけですから責任を持つわけにはいきませんが、そういう
相当信頼の持てる方面からのお話も聞いております。北海道庁は北海道庁なりに現地において
生産統計もとっております。そういう数量を見ますと、やはりそれに近い減産というものが見込まれてきております。
それから今大沢長官は歩どまりが、そういうような減収の年には澱粉の含有率というものがおそらく低下しておるであろうということが、試験ずり等をやって歩どまりを検査中であるということでございますが、すでに澱粉は
生産が終わる時期にきておりますが実際に工場における歩どまり率というものが出ております。これは試験ずりではなしに、実際出ておるのですね、業者の工場において。そういうものからいたしますと、遺憾ながら澱粉の歩どまり率というものは、そんなに上がってはきておりません。非常に残念なことです。私はどこまでも澱粉加工工程における技術の改善あるいは
合理化工場の進出等によりまして、外国の地上澱粉まで対抗し得るまで
生産コストを引き下げていくという
努力を、
農民なり
農民団体はやらなければならぬ。そのためには設備改善資金を惜しみなく出すべきであるという主張を持っております。そういう方向で北海道も非常な
努力を願っておりますが、本年の減収ということに関連いたしまして、イモそのものの質が悪いということでありましょうか、澱粉の含有率は必ずしもよくありません。でありますために、
合理化工場等は
相当できましても、結果的には澱粉の歩どまり率は本年は上昇しておらないという結果でございます。前年
程度あるいはそれ以下であるという状況に見ておるということから計算をして参りますると、バレイショにつきましても一貫目の
基準価格は二十五円
程度に上げなければ、これは非常な北海道
農民としては難儀をするということになると思うのです。北海道からイモをはずすということが可能でございますれば、これはまた別の問題で、現在の北海道においてはローテーションの
関係においてイモをはずすということはこれはナンセンスなんです。そういうことを
考えますと、特に開拓
農民中心のバ澱
施策というものをある
程度めんどうを見てやるという感覚に立てば、二十五円以上の
基準価格というものは当然のものと私は
考えます。といたしますと、それを現状で計算いたしますと、さらにカンショのほうにつきましてはたいした問題はないと思うのです。が、バレイショについては非常に問題が残りまして、十二万五千トンという手持ちの上、また
政府が買わなければならないという事態に逢着するという事態を私は
心配いたします。そこでそういうことを
心配いたしますことが、
政府の
事務当局の頭にも同様に浮かんでこようと思うのです。といたしますと、そこで何とか理屈をくっつけて、なるべく買い入れ数最というものが
政府のほうに肩がわりされぬような方向を導き出そうということで、そこで今度は逆に下げていく。そうすれば市価
程度の
澱粉価格というものが出てくるソロバンが持てますので、それで
政府は頭が軽くなるというような作業が行なわれるというような
心配をするのです。そういう作為があってはいけないということについて、十分ひとつお
考えをいただきたいと思うのです。そこでそういう感覚から具体的に試算をいたしますと、カンショ澱粉については今年の
基準価格は幾ばくにするがよろしいか、あるいはバレイショについてはどの
程度がよろしいかということは、私なりの試算は持っております。そしてまたそのことを、これはそういう比較をとりませんとわかりませんのでございますが、一般常識論としましては、本年産の米が前年の
政府買い入れ
価格との間に上昇いたしました比率というものは、わかっておりますといたしますと、同じような立場における澱粉質の食糧という立場で、米の値上がり率が幾らであれば、サツマイモやジャガイモの値上がり率もこの辺にしてもらえるのじゃないかという淡い希望を持っておると思います。これを比較するということは、必ずしも妥当性があるとは思いませんが、一応素朴な
農民の感情としてはそういうことを
考えやすいということは、これはお認め願えると思うのです。とすると米の値上がり率よりは今申し上げた基準で計算をいたしましても、はるかに低いところで結論は導き出されると思うのです。それでもバ澱の場合はいかがかと申し上げると、逆のソロバンを持たれる危険は十分にあると思う。その点は
大臣は十分最後の決をお下しになります場合には考慮を願いまして、御善処を願いたいと思うのでございます。私詳細な資料を持っておりますので、この大切な
委員会に速記録をつけてこんな議論をいたしますことは、かえって迷惑でもございますし、十分にのみ込んでいただけないという危険もないわけではないと思いますので、また別の機会に詳細にひとつ直接申し上げてみたいと思うのですが、一応そういうことのあることだけを申し上げておきます。