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1962-10-01 第41回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十月一日(月曜日)    午前十時十九分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     櫻井 志郎君    理事            青田源太郎君            安田 敏雄君            北條 雋八君            森 八三一君    委員            井川 伊平君            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            梶原 茂嘉君            木島 義夫君            重政 庸徳君            温水 三郎君            藤野 繁雄君            山崎  斉君            北村  暢君            戸叶  武君            野上  元君            矢山 有作君            渡辺 勘吉君            天田 勝正君   国務大臣    農 林 大 臣 重政 誠之君   説明員    農林政務次官  大谷 贇雄君    農林省農林経済    局長      松岡  亮君    食糧庁長官   大沢  融君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査  (農林水産物貿易自由化対策に関  する件)  (ビール麦系統共販麦購連の競  合に関する件)  (澱粉価格に関する件)  (菜種の基準価格に関する件)  (米の集荷手数料に関する件)     —————————————
  2. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) ただいまから委員会を開会いたします。  農林水産物貿易自由化対策に関する件を議題といたします。まず、当局からの説明を求めます。
  3. 松岡亮

    説明員松岡亮君) それでは私からこの十月から自由化されるものにつきまして概要を申し上げます。  昨年九月閣僚会議におきまして自由化促進計画が定められたのでございますが、それにつきましてこの十月に自由化することを目途としておりました物につきまして、その後の情勢を加えまして再検討いたしました結果、今回自由化いたします物は、農林関係といたしましては三十一品目でございます。そのうちいわゆる農林水産物に属するものが二十二ございます。それから農林水産業用専用物品肥料とかそういったものでございますが、それが九品目でございます。で、そのうちおもな品目を申し上げますと、農林水産物に属するものとして、羊、これは生きている羊でございます。それから鯨肉、それから鳥卵及び卵黄、クルミ、寒天、魚油、落花生油粕、これは一品目でございます。それから繭及び生糸、真珠、これが農林水産物のおもなものでございます。専用物資におきましては、燐酸肥料、ただしこれは重過燐酸石灰を除いております。それから免疫の血清及びワクチン、動物用のものでございます。それから馬蹄釘食品関係機械、トラクター、こういったものが専用物資のおもなものでございます。  次に、これらを自由化いたします結果としまして自由化率がどうなるかという点を申し上げますと、昨年の促進計画に上りますと、米麦を除きまして農林関係物資月日化率が本年の四月の実績の全体のうちの一六・七九%がこの十月には一七・一一%になる見込みであったのでございますが、今回の再検討しました結果によりまして自由化率は一六・三%ということに相なったのでございます。したがいまして自由化率は〇・〇四%増加した、こういうことになるのでございます。  次に、自由化促進計画に一応例示したものではありまするが、特掲いたしました品目でこの際自由化を見合わした、延期することにいたしましたおもなものを申し上げますと、牛、バナナハチみつレモンライム等の柑橘類、それから大豆油、綿実油、マカロニ、ビスケット、トマト加工品、薄荷脳及び薄荷油、飼料用コウリャン、これが今回延ばすことにいたしましたもののおもなものでございます。  大体延期しました事情を申し上げますと、すでに当初の自由化促進計画の際に、自由化をやるための前提要件として考えておりましたものが満たされなかったもの、たとえばレモン等につきましては、アメリカ交渉の上でアメリカ側日本のなまミカンの輸入を解禁するという条件が満たされた場合に、レモン輸入自由化するという予定でございましたが、アメリカ側がそのような措置をとっておりませんので、やっていない、そういったものがございます。また、関税交渉をやりまして、国内関税を引き上げた上で自由化するという予定のものが、関税交渉がまだ成立しておりませんために延期した、そういうようなものがございます。それからその後の情勢が変化いたしまして、国際価格が急落したというような関係事情もありまして延ばしたというような種類のものもございます。  大体概要を申し上げますと以上のとおりでございます。
  4. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御質疑のある方は、御発言を願います。
  5. 戸叶武

    ○戸叶武君 貿易自由化の問題で各国とも一番大きな悩みは、農作物関係の問題だと思います。特に日本におきましてもこの貿易自由化によって日本の立ちおくれておるところの農業面においていろいろな打撃を受けるものがあるので、政府もきわめて慎重な態度をとっておるのだと思うのでありますが、そこで今回自由化された品目の中で、国際的な価格競争によって相当打撃を受けるであろうというものは、この品目の中からどういうものがその打撃を受けるかを明らかにし、またそれに対していかような処置政府においてとられるかを具体的に明確化してもらいたいと思います。
  6. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 今回自由化いたしましたものの中には、非常にそれがために打撃を受けるというようなものはないつもりでおります。非常に打撃を受けるとか、非常に心配であるとかいうような物につきましては、ただいま局長から御説明いたしましたように、関税引き上げその他の処置をとった後でないとやらない、こういう態度で臨んだわけであります。
  7. 戸叶武

    ○戸叶武君 たとえば羊のような問題を一つの例にいたしますと、過去数年来山間部等における中小零細農等におきましては、これを相当飼育したものでありますが、国際競争に耐えられないということから、すなわち飼っても得にならないというのでどんどん減らしてきておるのでありますが、豚肉の暴落においても見られるのでありますが、日本米麦本位から畜産果樹へと日本農業転換の速度を早めておる一つ原因というものは、日本人食生活の嗜好というものがずいぶん変わってきたと思うのです。特に学校給食等におきましては、その食生活の革命を促した原動力にもなっておると思うのでありますが、福島県の山岳部関係においてはこの羊の肉を安く手に入れられるので、それを学校給食に回すというようなことで、その寄与に努めている面がありますが、そういう地域というものはごくまれであります。しかし羊のように安く手に入れられる肉のようなものでも、イギリスその他においても一般の需要というものは多いと思うのですが、日本人の牛肉なり豚肉なりに対する親しみのような工合には、まだ羊はなっていないと思うのですけれども、このままでいくならば、およそこの山岳地方においても貧しい農民人たちが羊を飼うというようなことは、ほとんど私は絶滅していくのじゃないかと思いますが、政府が現在握っている統計によると、羊を飼うのが一時伸びたときにはどのくらいの頭数になったか、また、現在はどのような状態で減少しつつあるか、それからまたその価格の問題における数年来の変動はどうか、そういうものを大まかでも示してもらいたいと思います。
  8. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 今回自由化いたしましたのは羊の生体であります。羊の肉はすでにもう今日従前からAAになっているわけであります。ただいま統計の問題は事務当局から説明をいたさせます。
  9. 松岡亮

    説明員松岡亮君) ただいま大臣からお話のありましたとおり、すでに羊肉従前からAAになっておるのでございます。そこでことしの初めでございましたか、ニュージーランドから羊肉が一時急激に輸入が増加したことがございますが、そのためちょうど豚肉の下落ということと競合いたしまして、ニュージーランド当局に対しまして自主的に輸出調整するように要望いたしました。その後、羊肉輸入はきわめて安定的になっておるのでございます。具体的に羊肉値段がどうなり、豚肉がどうなりということは、ただいま数字がございませんが、その後、羊肉輸入状態は安定しつつあるはずでございます。  ただいまの羊の飼育頭数でございますが、これは後刻畜産局長が見えまして、説明があると存じます。屠殺頭数で申し上げますと、三十四年が三十七万五千頭でございますが、三十五年は三十六万六千頭でございます。それから飼育頭数もやや古いのでございますが、三十四年が八十六万四千頭、三十五年が七十八万八千頭、やや減小いたしております。
  10. 戸叶武

    ○戸叶武君 この羊の問題ですが、羊にはにおいがあるとかなんとか、日本人はこれを食べる習慣がまだ一般的に普及しておりませんが、西欧諸国においては大衆的な一つの食物だと思います。私は動物性蛋白質国民がとらなければならないという全体的な理解が深まっているときに、たとえば学校給食のようなものでも、ただ牛乳を与えるという程度でなくて、この動物性蛋白質をとることが少ない日本の学童に対して、こういう羊の肉というようなものを安く供給していくということが必要だと思うのでありまして、ただ心配なのは、こういうふうにしておると、山間部における一番収入というものが今日においては非常に減退しているので、どこの山間地方に行きましても、農閑期においては相当遠距離のところへ出かせぎに集団的に行かなければならぬという状態がかもし出されているのでありまして、そういう困窮しておる農家に対して多角的な一つ施策をしなければならない。それには、この中農以上のところにおいては、同じ酪農においても乳牛を飼うことが一番利益と思いますけれども、それだけの資本も持たない、またそれだけの飼料なり労働力が提供されないところにおいては、簡単に飼育できるようなそういうものを、やはりあるところまで私は政府でめんどうを見なけりゃならないと思いますので、こういう点も十分配慮してもらいたいと思うんです。  それから次にバナナの問題でありますが、バナナ問題の輸入というのは、今までにも、どうも台湾からでも、沖繩からでもいろいろ政治的な、いろいろなこれをめぐる不明朗な一つの話というものがつきまとっておるのでありまして、しかしながら、この中南米、特に中米諸国のようなこれから伸びていかなけりゃならないという新興国家においては、こういうものを輸出しなければ、その国の経済が成り立たないというような国々もあるのでありまして、そういう中南米国との今後における日本経済技術提携、あるいは漁業の問題、あるいはこの機械輸出や産業的な一つ開発地域を、工場地帯を作るというような場合においても、そういう結びつきというものが相当なされなければならないと思いますが、バナナ輸入のようなものは、今後どういうような計画性と見通しをもって政府はやろうとしているか、その点を承っておきたいと思います。
  11. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) バナナは、御承知のとおりに、すでに差額調整法律も撤廃になり、関税定率のほうも暫定料率五〇%にさき通常国会において御決定になっておるわけでありますので、バナナ自由化というのはもう半分以上進んでおるわけでありますが、今回、これを延期をいたしましたのは、関税定率の五〇%は足らない、もう少し関税を引き上げなければ国内の他の果樹に影響を及ぼすことが若干心配になるという考えを持ちまして、次の通常国会関税定率法改正をいたしまして、しかる後にこれは自由化しよう、こういう考えになっておるわけであります。
  12. 戸叶武

    ○戸叶武君 たとえば、私のところは栃木県ですが、農村地帯においていわゆる日光イチゴというようなイチゴ裁培によって農家相当収入をかち得ているのですが、いつでも農家心配するのは、やっと値がよくなってこれならば農家所得も安定するというような段階に、いろいろな突拍手もない形において台湾その他からバナナが入ってくるとこのイチゴのほうには大きな打撃を受けるのでありまして、政府がこのいろいろな農作物転換を進めていながら、政府のやり方というものに一貫性がない。投機に対して、価格変動に対して対処するだけの準備を持たない農民というものは、いつでもばかな目にあわなければならないので、こういうバナナのようなものを絶対輸入しちゃいけないと言うのじゃないのですけれども、今、大臣日本のほかのくだものとの関係その他で十分注意するということでありますが、この輸入計画というようなものは、もっと私は明るみへ出て一背後においていろいろなボス的な手において黒い手が動いているという印象を与えないような一つ輸入方式をとってもらいたいと思うんです。それに中南米からは、たとえばエクアドルのような国において世界の六割以上のバナナ生産されているといいますが、アメリカ市場においても相当コントロールを受けておりますが、ああいう後進地域において日本がほんとうに一つ後進地域開発というものに手をつけ、そうして日本機械その他の製品なり何なりを売り出すというような場合においては、そういうものでも買わなければ、実際上において日本との貿易の均衡というものは保ち得ないのだと思うのでありますし、国内の、そういうふうにこれから伸びていく果樹裁培農民打撃を与えないように、また後進地域におけるところの貿易関係とどういうふうに調整するか、そういうものを非常に具体的に配慮して私はバナナ問題に対するコントロールというものは、世の中で一番奇怪な問題としてバナナというとおそれられているほど不明朗になっているが、これをもっと私は公明な形において政府関係で操作してもういたいと思いますが、それに対してはどういうふうな方式によって、今後における輸入計画や何かというものをコントロールするつもりか、あらためて承りたいと思います。
  13. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) これはただいま申しましたとおりに、次の通常国会において関税定率法改正をいたしますれば、自由化をするつもりでおりますから、おそらくこの値段の問題から申しましても、また品質の問題から申しましても、台湾バナナ日本に入ってくるものは一番多いだろうと思うのであります。したがって、特に後進地域のことを考えバナナコントロールなどというようなことは、だから考えられないわけであります。
  14. 戸叶武

    ○戸叶武君 そうすると、バナナの問題は、大体台湾オンリーというわけですか。台湾フィリピンやいろいろな地域一つの問題があると思いますが、そういうことになると、ほかの諸地域大臣発言によって受ける打撃というものは相当大きいと思うのですが、台湾と、そういうふうに大体区切っているのですか、政府方針は。
  15. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 自由化いたしますれば、もう自由です、これは。自由ですから私が今申しましたのは、おそらくその距離も近いし、品質もいいし、台湾バナナ値段が安くて物がいいということになるのではないかと申し上げたわけでありまして、これはもうエクアドルから入れようと、フィリピンからこようと、それはもう自由勝手であります。
  16. 安田敏雄

    安田敏雄君 関連。今大臣は来年、関税定率五〇%を来国会で高めていくのだ、こういうことですか。そうしますというと、現在のところ大臣としてはどの程度に高めていくのか、具体的にひとつ説明願いたいと思います。
  17. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) これは御承知のとおり、従来は関税が二〇%、それから差額徴収が八〇%、合計一〇〇%徴収をしておったのです。それをさき通常国会において暫定料率五〇%をとることにしたわけでありますから、結局差引五〇%、というものが安くなるわけなんです。そこで、まあそれでもそろばんを事務的にいろいろやってみますというと、それでもいけるということでありますけれども、私といたしましては、さらに大事をとって従来徴収をいたしておりました差額並びにこの合計額関税でとるように一応しておきたい。それでどうも値段が高くなるということであれば、関税を低めればいいのでありますから、そういうふうな方針を私はとりたい、こういうので、まあ私の今の考えといたしましては、関税の五〇%を一〇〇%に上げたいと、こういう私のまあ希望を持っておるわけであります。
  18. 安田敏雄

    安田敏雄君 その際、まあ新聞等で私ども承ったのでありますが、そういう大臣の目標を置いて来年の四月からバナナ自由化するというような方針ですけれども、その際問題になるのは、国内のいわば貯蔵リンゴであるとか、あるいは白桃であるとか、イチゴであるとか、その時期を、最盛期を同じくして出るような、そういうものに対する国内価格との調整の問題が必然的に出てくるだろうと思うのです。たとえばバナナだってそう今までのように高いものだったら国民大衆には手が届かないわけです。しかし、自由化前提とするならば、今までよりか値を下げていかなければならぬだろう、店頭において。その際に一体国民大衆バナナを食べたり、その他の国内くだものを食べたりというような、はたしてふところ工合余裕があるかということが非常に問題になってくると思うのです。しかし、従前より、輸入されたバナナが多少下がるというとそれに飛びついていくということになる。ところが国民大衆ふところというものは、それにプラスして国内果実を食べたいが、それだけの余裕がないという問題が出てくる。そこに国内果実生産者に非常な打撃を与えるという、こういう問題が出てきはしないかということを憂えるわけなんです。そういう場合のいわば国内産の果実競合の場をどういうように考えておるかということを、ひとつ方針としてお聞きしたいと思います。
  19. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) これは御心配をなさればきりのない話でありますが、私が今安田委員の御心配のようなことはあまりいたしておりません。リンゴを食わずにバナナを食うということは、なかなかそういうわけに実際はいかない。それから果実需要というものは、これは年々非常に伸びておるわけであります。そういう御心配はないのじゃないかと思うのです。ただ農産物の価格安定の政策というものは、このバナナ問題は別といたしましてもこれはやらなければならない。先ほど戸叶委員から述べられましたように、果樹とかあるいは畜産というのは成長部門でありますが、これに対して価格安定政策というものをできるだけ強化して参らなければならぬ、こういうように考えて、リンゴにつきましても、今どういうふうにしてその価格安定の制度を作っていくかということについて今検討をしておるところであります。
  20. 戸叶武

    ○戸叶武君 繭とか生糸の問題ですが、日本では化学繊維の出現したときに非常に恐怖感を持って、政府はこの生産を抑制しようとしたが、その後国際市場における安定によって政府心配は杞憂に終わったというのが今日の状態でありますが、今中国のごときは、飢謹その他の打撃を受けて農業生産が不振の向きもありますが、立ち直ってきたときに、私はやはり繭と生糸生産というものは、イタリア以上に中国生産の伸びというものは実におそるべきものがあると思うのですが、まだ中国との貿易関係というものは正常化しておりませんけれども、この貿易自由化の場合においては当然三角貿易、いろいろな形においてそういうこの国際市場における競争において、今のような消極的な対策日本養蚕関係政府が指導しておる限りにおいては、国際競争にたえられないような危険もやがて生まれてくるのじゃないかと思いますが、これに対して政府は具体的に何か保護政策なり対策を持っておりますか。
  21. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 生糸は、ただいま御意見のとおり、化学繊維との分野がやや明らかになりまして、現在のところでは、生糸生糸として安定をいたしておると私もそう考えております。中国及び韓国の生糸養蚕についてその競争を将来、まあ数年か、あるいは十年の後かわかりませんが、とにかく競争の立場に立つ場合もあり得る、そういう場合を考えて今から用意をしておく必要があるという御意見のように思うのでありますが、これは何としても生糸品質改良が第一、それからコストを下げる、こういうことが第二のねらいであり、同時に日本生糸輸出市場における優位性というものを保つのにどうするかという問題だろうと思うのであります。品質改良につきましては、御承知のとおり絶えざる努力をいたしております。それからコストを低下せしめるためには、御承知のように今日のごとく労力が非常に不足をいたしておるというような状態に刺激をされまして、この養蚕の、蚕の飼育という問題につきましても、相当合理化が進んでおると思うのであります。これらの新しい飼育の方法を推進をして参りたい、こう考えておるわけであります。
  22. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 政府によって貿易自由化が積極的に進められておるのでありますが、ここで伺いたいのは、将来自由化が予想されるうちで、選択的拡大の主柱とされているところの畜産物についてでありますが、特に脱脂粉乳に例をとりますと、これはアメリカでは現在一ポンド当たり六十五円、国内での脱脂粉乳価格は百四十円ないし百六十円で取引されておるという実態であります。これに関税を考慮いたしましても、日本へはアメリカ脱脂粉乳は半分の値段で入ってくるわけであります。これが無制限に入ってくるとなれば、これはもはや選択的拡大というその発展の方向を閉ざすことになるわけであります。ところがこの脱脂粉乳原料であるなま乳の一リットル当たりアメリカにおける取引を見ますと、三十一円七十九銭、国内ではこれが平均して二十五円七十八銭、二割も安い原料を供給しておりながら、その製品である脱脂粉乳が二倍以上に高い。こういうのは一体どういう原因に基づいておるのか、また将来この乳製品自由化の対象になるとなりますと、これがまた必至であると承るのでありますが、こういう原価が安くて製品が倍以上高い、こういう脱脂粉乳と、なま乳の原料との大きな価格の開きという矛盾、こういうことに対して、一体政府はどういう貿易対策をあわせて講じた上でこれを自由化されようとするか、その具体的な所見を承りたいと思います。
  23. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 乳製品につきましては、現在のところ、ただいまお述べになりましたような値段の違いがございますので、これを自由化する考えはございません。しかしながら、これは未来永劫にわたって乳製品について鎖国主義をとるというわけには参らないことは当然であります。したがって、世界商品としてやはり競争のできるようにコストを下げるということに努力をいたさなければならぬ、こういうふうに考えております。
  24. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 未来永劫はやらないが、国内のそれに耐え得る態勢を整備した上でというふうに理解してよろしゅうございますか。
  25. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) そういうことです。
  26. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 その場合にはコストは、また生産者コストばかりではなくて、今指摘したように、生産者の販売するなま乳の値段が、アメリカのそれよりも二割も安い、しかもその製品が、関税等考慮しても二倍以上の価格を構成している、日本のほうが非常に低い、製品が。そこにやはり製造過程におけるきわめて重大な合理化を促さなければならない要件があると思いますが、こういう点を十分やはり総合的な施策として実施した上で、これは自由化をするかどうかを判断していただきたいと強く要請をいたします。
  27. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 次に、ビール麦系統共販麦耕運競合に関する件を議題といたします。
  28. 戸叶武

    ○戸叶武君 農林大臣及び協同組合部長に、農業協同組合法法律の目的、すなわち第一条の、「この法律は、農民協同組織の発達を促進し、以て農業生産力の増進と農民経済的社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展を期することを目的とする。」という趣旨と、並びに農協法の第四十二条の二に規定されている「組合の行う事業と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事する者は、当該組合理事、監事、参事又は会計主任になってはならない。」との事項についての御見解を承りたいのであります。
  29. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 前回も戸叶委員からいろいろ法律解釈についての御質疑もあったわけでありますが、どうもその点は戸叶さんの御説のようにも思えるし、またそうでないようにも思えまして、なかなかその解釈を、見解をはっきりといたすわけにもいかないのであります。しかしこの機会に私からひとつ申し上げたいことは、前回にいろいろ御質疑があり一御意見のあれがございましたので、係官をして十分に調査をせしめました。そうしてまた検討もいたしまして、戸叶さんの御意見を十分に取り入れて善処をすると、こういうことにいたしました。なお、詳細は経済局長から御報告をせしめます。
  30. 松岡亮

    説明員松岡亮君) 前回に技術関係につきましていろいろ御指摘があったのでございますが、その点につきましては、三回にわたりまして係官を二人現地は派遣いたしまして実態を調査いたしました。その詳細な点につきましては、必要に応じ農協部長から御報告申し上げますが、今農林大臣から申し上げました点につきまして、従来問題になっておりました点は、大体二つになるかと思うのであります。それは具体的に申しますと、第一点としまして経済連と麦耕運との間の事業の競合関係と申しますか、それがどういたすべきかという点と、第二点は、ただいま御質問にありました農協法の第四十二条の二の役員の競業禁止の規定、これにつきまして麦耕連の役員と経済連の役員とを兼ねることの適法であるかどうであるかという点でございます。これにつきましては実は私自身当事者の坪山経済連会長から聞きましたところによりますると、第一の点につきましては、今後、先般できました協定の線によりまして対策協議会を設置して、それに経済連、それから麦耕連はもちろん、中央会、農業会議、県等を加えまして協議会を作り、それによって分野の調整をはかるように努力したい、こういう考えの表明があったのでございます。第二の点につきましては、これはとにかく紛糾の種になっております状態をすみやかに解消するようにできるだけ早く善処したい、こういう意図の表明がございました。それらの線に沿いまして私どもとしては処理して参りたい、かように考えております。
  31. 戸叶武

    ○戸叶武君 農協法違反の問題については、私は昭和三十五年の段階から農林当局に対してこの委員会を通じて警告を発しておるのであります。当時は県麦耕運の会長坪山氏がまだ県の農協中央会の会長を兼ね、また県の経済連の監事を兼ねているのにすぎなかった段階でございます。その当時における農林省側におけるところの酒折農協部長の答弁というものは、農協法第四十二条の二の競業禁止の規定は、組合の役員の規定で中央会は農協法の役員でない、しかし経済連の監事については問題があるというふうに答えたのでしたが、私はこの農協法の趣旨からして農協中央会の役員の問題にはこれは触るれことができないというのもおかしいと思いまして、当時の坂村農林経済局長に聞きただしたところが、同局長は、酒折農協部長の答弁はまだ統一された意見ではない、私は農協中央会長の県麦耕連会長兼務にも疑義を持っているという答えでありました。こういう答えを、若干良心的な答えがあったので、私はこの線に沿うて当然農林省の監督のもとにおいて、この農協陣営の中における混濁した状態というものは調整されるものと思って参ったのでありますが、いかに歳月が過ぎても、この調整というものができないのであります。まだ農林大臣重政さんは、就任日なお浅いのでありまして、重政さんを責めるわけにはいきませんが、農林官僚の怠慢というか、その場限りの答弁だけやって責任を重んじないことはかくのごときものであります。しかも、この経済連と麦耕連との競業の問題でありますが、栃木県におきましてはビール耕作組合連合会の会長は長い間坪山さんがやっております。そうしてこの人は農協中央会の県の会長もやり、今日においては県経済連の会長の横尾氏が病死しましたのを機会に、坪山氏は今度はその競業関係にあるところの県経済連の会長をも独占し、そうして麦耕連の副会長である小林氏が県経済連の専務理事に就任しておるのであります。このほかに坪山氏は農協の、農協天皇といわれるほどの大ボスでございますして、農業委員会の会長をも兼ね、会長と名のつくものならば何でも坪山のところへ集中しなけりゃならないというので、このごろは県知事選挙を前にして、知事の後援会連合会長も坪山氏がやっておるのであります。こういう形において、今この栃木県においては、昭和三十四年以来ビール麦の取り扱いについては経済連と県麦耕連の間には、事実上の競業関係にあるのです。この競業関係にある事態というものを無視して、しかも幾たびか警告し、農林監督当局というものは、それに対して責任ある答弁をしながら、ひとつも善処することができない。農林省の役人なんていうのは、あってなきがごときものである、生きているか死んでいるか、ふぬけのように、わからない。こんなところに政治的なボスというものがこの農協というものに巣をくって、自分たちの勢力を張っていったときにおいては、何の力でもこれを押えることができなくなってしまっては、私は日本の農協運動というものは実に将来が暗たんたるものになると思うのです。そういう点におきまして、このような事実、私が列挙したような事実、もっと必要ならば具体的に、私は全部ここに資料に持ってきておりますから、事実を並べて問いただしますけれども、一体農林省は今までこの農協法というものを何ら考えず、また農業協同組合の発展というものに対して積極的な協力態勢というものを示してきていないようだが、その理由はどこにあるのか。私はあらためて、協同組合部長まだ就任間もないのでお気の毒ですが、農林大臣並びに協同組合部長から農林省のほうの、私は、態度を承りたいと思います。
  32. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 前国の戸叶さんの御質義、御意見を体しまして、先ほど御報告いたしましたように、現地について十分調査をいたしました。戸叶さんの御意見のように処理いたしたいと考えて善処をするつもりでおるわけであります。さようひとつ御了承をいただきたいと思います。
  33. 戸叶武

    ○戸叶武君 現地調査の報告はあとで承ることにいたしますが、たとえば坪山氏の先ほど答弁と称するものに、農協全国段階における農協中央会の会長荷見氏とビール会社側の代表の山本為三郎氏との昭和三十七年六月七日におけるところのビール麦取り扱いについての協定の線に沿うて協議会を作って善処するということになっておりますが、それに私たちはまかせることができないのは、坪山さんは大ダヌキでして、事実はまっかなうそです。彼の原案というものは、示したものも、この荷見・山本協定の根本精神というものは除いて、そうして、麦耕連に有利のようなひとつの原案というものを作り上げているので、系統共販に踏み切った模範農協というものは、最初は芳賀の水橋農協ただ一つでありますが、それが三つになり、十一になり、今日においてはもはや二十二、三になり、ことし中に三十をこえるでありましょうが、こういうボスの横暴に対抗して生産農民の自覚と模範農協の前進というものが、これと対抗してきておるのでありまして、そのような荷見・山本ゆるふん協定、そのゆるふん協定をさらにゆがめたような過渡的処置としての協定にしても、それによって生産農民の利益を阻害するような私は協議会というものは事実上栃木県においてできないと思っております。事実上今日できていないのです。できていないで、しかも経済行為は行なわれているのです。この事実というものは、事実において農協法違反のこの競業関係というものは明確化されているのです。農協法を明らかに侵犯しておるのです。侵犯している事実というものが明確であっても、これを押えることはできないというのですが、私の言うとおり、大臣はその趣旨に立って問題を解決するという以上は、麦耕連の会長は、即時坪山氏は辞職すべし、しからずんばこの県の経済連の会長坪山、小林辞職すべし。それから日本のこの貿易自由化の嵐の中に対処して、協同組合というもが良心的に前進するためには、麦耕連の今までの若干の功績というものは無視できない。それに対しては相当ねぎらうべきものはあったとしても、こういう旧時代的な独占資本のビール会社の下請機関的な、ピンはね機関的なボス組織はすみやかに解消すべし、そういうことを明確にしないで、何か中央における政治勢力に依存するならば、簡単に言うと、河野さんのほうへ頼んだり、県知事の後援会の連合会長を務めたり、農協のあらゆる諸団体の会長を兼務していれば、どんな悪いことでもそれをやることができるというような悪例が、今日栃木県において存在する限りは、私は栃木県のこの問題というものを国会においても明確化することができなければ、直ちに大臣並びにこの坪山会長を告発して、法廷闘争を通じて、日本の政治というものがいかに腐敗し、堕落し、ゆがんでいるか、法律が無視されているか、これを明確にして戦う以外にないというところまで思いつめてきておるのでありますが、ただ先般行った農林省の二人の調査の人が非常に良心的で、そしてあるがままの事態を見てこられたというので、今までにないような良心的な調査が行なわれている以上は、きっと重政大臣も率直にこの事態というのを認めて、勇気をもって善処せられるであろうというこの農民からの期待もありますので、それに期待しておりますが、ひとつ農林大臣の答弁並びに調査によって、どういうところに問題点があるかということを、私は簡単にでも承らないと、はたして農民が、正しい調査をされたのかどうか、まただまされたのか、幾度もだまされておりますから、三、四年。やはり信頼感が薄らいでおりますから、その調査内容の報告も、簡単でいいのですが、問題点をあとで承りたいと思います。
  34. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 兼任の問題については、先ほども申し上げましたとおりに、できる限りすみやかに戸叶さんの御意見のように処理いたしたい、こういうふうに考えております。  なお、調査の内容につきましては、いかがでございますか、別途御報告をさしていただいたらどういうものかと思いますが。
  35. 戸叶武

    ○戸叶武君 大臣が先を急ぐようですから、また別の機会に、大臣がいなくなってからの報告でもけっこうと思いますが、ただ一つだけとどめを刺しておきたいのは、とにかく坪山というものは、相当なしれ者でございまして、この間も農業会議の会長といいますか、議長も兼ねておりますが、栃木県の農業会議は農業会議という関係もあるのでしょうが、大坪君の選挙違反のために、最高幹部はみな選挙違反で豚箱にたたき込まれている。私は今日の農業会議のあり方というものは、あたかも政府与党の院外団的な役割をして、その不明朗さというものを私は非常にいたく心配しておったのですが、こういうふうに歴然として、もはや自民党の、政府与党の院外団的な、選挙買収行為の機関と化しているような農業会議というものは、場合によったら解散をさせなければだめだと思う。解散させないにしても、そのこと一事だけでもって、部下の有力なる幹部二人だけを豚箱にたたき込んでおいて、自分は知らぬ顔というのでなくて、共同責任を私はとるべきだと思う。こういうふうに、悪いことが始まると際限なくて、毒を食らえばさらまでもというずうずうしさが出てくるのですから、この機会に、私はほんとうに農協のボス組織の粛正というものをやらないと、政府は、せっかく育成しようとする農業団体というものが、全部この農民の信頼を失って麻痺状態に陥ると思いますから、この点は十分監督官庁としての農林大臣の良心によって、きびしく私は監督していただかれんことを要望いたします。     —————————————
  36. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 次に、澱粉価格に関する件を議題にいたします。
  37. 森八三一

    ○森八三一君 重要農産物価格安定法に基づきまして、カンショ、バレイショの基準価格の決定と、それからそれに基づきまして政府の買い入れをすべき本年産の澱粉の買い入れ価格というものは、十月末までに決定をして告示をするということに法律は命じております。がしかし、そういうことでは時期が非常におくれまして、せっかくの農安法の趣旨が農民に及ばないというような危険を感じますために、教年前から、法律はさようでありましても、実質の行政措置として、九月末までにその措置をされたいという衆参両院のこの委員会意見が一致いたしまして、政府に申し入れをして、政府もその趣旨を了とせられまして、ここ数年はそういう推移できておりますことは、大臣も御承知と思います。そこで、前臨時国会の最終でありましたか、あるいは国会閉会後の最初の委員会でありましたかで、本年につきましても同様の措置が行なわれるものというように私は期待をし、政府にその善処を求めてきておったのであります。で、関係局長からもそういう趣旨に基づきまして、それぞれの手続の取り運びをいたしたいという誠意のあるお答えをちょうだいいたしておると思う。ところが、もうすでにきょうは一日ではありますけれども、十月一日という日を迎えてしまったのです。九月末までにということが実行されておらぬ。これは一体どういうことなのか、今後これをどういうふうに大臣として処置をなさろうとするのか。そうしてまた、非常に事がむずかしい問題でもあると思われますので、まあ見ようによっては簡単ともいえますが、そこでいろいろな作業をしていらっしゃる。その作業が、農林省だけの考えでは結論を導き出すというわけには参りかねるという節もあるわけでございますので、関係の各省との打ち合わせ、協議ということに手間取っておるということもいえるかと思うのであります。その辺の見通し、そうしてまたどの辺まで作業が進んでおるのか、ちっとも作業が進んでおらぬというなら怠慢というふうに言われても、どうもいたし方ないと思うのです。ですから、九月末までにきめましようということについて、誠意をもって御尽力を願ってきておりまするのが、今もってその結論を出されておらぬということは、どの辺にいきさつがございますのか。そうしてまた具体的に作業はどの程度まで進行して、現状どうなっておるのかということを、最初にひとつ御説明をいただきたいと思います。
  38. 大沢融

    説明員(大沢融君) 作業の進み工合ですが、この前のこの席で申し上げました際は、できるだけひとつ九月中にということで努力をしていくというお話を申し上げたわけでございます。そのようなことでいろいろ作業を進めておりますが、最終的に基準価格をこういうふうにしたらどうかというような決意をいたしますまでの十分な資料というようなものが、今日までまだそろいませんで、九月中にそろいませんで、作業がおくれております。たとえばことしは北海道のバレイショというようなものについては、だいぶいろいろ、九月の何日ですか発表が、統計調査部のほうがお調べになりまして、八月十五日現在のものが九月一日に予想収穫高が発表になっておりますが、その後なお九月、あるいは九号、十号、あるいは長雨というようなものについて疫病が出るとかというようなことで、だいぶ減収というようなことも予想されます。そういうような数量もどのぐらいになるかというようなことがありませんと、イモの出回り量がどのくらいになるか。イモの出回り量が大いに価格にも、御承知の例の政令の算式にございます価格の算定にも響いて参ります。そういうようなことがございましたので多少おくれておりましたが、私どもとしては、ひとつ極力早くきめて参りたいということでやっております。
  39. 森八三一

    ○森八三一君 極力早くという話ですが、すでに九月末までに決定いたしましょうということにつきましては、非常に親切な御答弁をちょうだいいたしておるわけでありますので、その極力早くやろうという趣旨に沿って作業が進行いたしまするといたしますれば、八月十五日現在の札幌のほうの御統計は私も承知いたしておりますが、その後北海道におきましては、いろいろな災害がございましたので、そういう災害を勘案いたしませんければ、適正な基準価格というものは出てこないこともよくわかります。わかりますが、すでにその災害から月余をへているわけですから、大体の推移というものはわかるはずなんです。実際に一貫目も違わないような教字を押えるということは、これは全部出荷しなければわからないんですけれども、大体の推移というものはこれはわかるはずなんです。そういう推移を勘案いたしますれば、もうすでに大体の見通しというものはついて、具体的なそろばんをはじく段階にきておらなければならぬと思うのです。もしそれが今もできておらないならおかしいとこれは申し上げていいと思います。ですから、その推移を勘案いたしますれば、おおむねこういうような数字になると思いますと、そうすればこういうような計算が成り立ちますというぐらいのことは、もう作業が進んでおると思うのです。そういうことについての内容を承りたいと、こう思います。
  40. 大沢融

    説明員(大沢融君) 今資料についての一つを申し上げたんですが、たとえば歩どまりをどのぐらいに見るかというようなことも、私ども今いろいろ試験をしてもらいまして調査をしているところです。そういうような教字が確定いたしませんと、私ども自信を持ってこうだというような最終的な結論は申し上げられないと思います。もちろん相当大胆な推定を下してそういう考え方をすれば、算式からいえばこのくらいになるのだという試算はもちろんいたしておりますが、むしろこの段階でそういうのを申し上げますことは誤解を招くということにもなろうと思いますので、確実な計算をいたしまして、政府部内でも相談をいたしまして、こういうことがいいのだという数字を固めて後に申し上げたいと思います。今の段階で不確定な大胆な推定をやって出た数字を申し上げるということは、かえって誤解を招くと、こういうふうに思います。
  41. 森八三一

    ○森八三一君 まあお話を聞いていると、もっともらしく聞こえるのですけれども、実際九月末までにきめましょうということについて、誠意をもって善処をなさろうといたしますれば、北海道のことをおっしゃいますが、北海道のバレイショなどもとっくに生産は終わって加工の段階はほとんど九〇%以上進行しているのです。その歩どまりがこれから試験をしなければわからぬとかという筋合いのものではないと私は思うのです。とっくに実績は出ておる。もう現実に出荷が始まっておるのですから、取引の段階に入っているのですから、これから試験をしなければわからぬということでは、これは九月末までにきめましょうという趣旨と非常に違ってくる。まあ非常に残念に思うのです。そこでそういうことで言葉を左右していらっしゃいますのは、何とはなしに低いところにきめるためには、どういうような理論づけをするかということで苦労していらっしゃる、こういうようにも邪推して思われるのであります。もしそうでないとすれば、歩どまりのことなんか、はっきりわかっていると思うのです。今までも実績があるのですから、ことしの生産量というものから勘案いたしますれば、おおむね一六%になるか一五%になるかということは、これは私どもしろうとでも、およそ現地の事情を承ると出てくるのです。  それから北海道だけの問題ではなくて、カンショにつきましては、九州、四国、本州全体に及ぶ問題で、これについては災害ということもなかったわけではありませんけれども、おおむね順調に推移しておるということを考えますれば、カンショについてはもう出ているはずです。そういうことをどの程度作業をしていらっしゃるのか、もう少し詳細に言ってもらいませんと、九月末までにやりましょうというお約束が全く踏みにじられている。それで迷惑しているのは農家なり、これを加工しておる農協その他の加工業者が迷惑しておるということなのですから、その迷惑を一日も早く排除するためには、この際すみやかにやらなければならぬと思うのです。で、すみやかにやらなければならぬということは、今の御説明では私は了解しかねる。もう歩どまりなんか、わかっているはずです。この席にも北海道の先生方いらっしゃいますが、そのことがわかっておらぬということでは、これはおかしいと思うのですよ。わかっているはずなんです。今から試験してなんということでは手おくれです。とっくにイモは出ているのですからね。その辺どうなんですか。
  42. 大沢融

    説明員(大沢融君) 九月末を努力目標にしてやりまして、今日まで不幸にしてきめられなかった。農民の方にもし御迷惑をおかけしているとすれば、非常に残念なことでございますが、作業の進み工合としては、先ほど来申し上げておるようなことでございまして、もちろん私ども推定を下していろいろ試算はしております。しかしその試算はこの段階で申し上げることは、かえって誤解を招くのではないかということを申し上げておるので、作業のことでこまかなことを申し上げませんでもひとつ御了解願いたいと、こう思います。
  43. 森八三一

    ○森八三一君 それでは歩どまりのことは私はわかっておると思うが、それは省きまして、本年の原料イモの基準価格が幾らになるかということは別にいたしまして、本年の澱粉生産に要する加工費というものは、一体前年と比べてどういうことになるのか、この辺はもう計算はついておると思うのです。上がるのか下がるのか、上がるならおおむね何%は上がる情勢にあるかということは、これは試算は済んでおるはずです。その辺はどうなんですか、それもまたこれからやるのですか。
  44. 大沢融

    説明員(大沢融君) もちろん、それも私ども試算をしております。たとえば物質によれば、労賃は上がるというような、むしろ加工費が上がるという要素もございます。しかしながら一方、日銀の卸売物価指教を見ますれば、昨年以来の景気の調整過程で相当下がっております。生産財についても、あるいは資本財についても下がっております。これはまた加工賃を引き下げる要因かとも思うのですが、そういうようなことも検討していろいろ計算をしております。計算はイモの価格のほうと相関連して最終的な結論が出るというまでは、ひとつ差し控えさせていただきたいと思います。
  45. 森八三一

    ○森八三一君 イモのほうの結論が出るまでは差し控えさしていただきたいと。今御説明の労働賃金なんかは一般的な情勢として相当の上昇を認める。がしかし日銀の物価調査に基づく卸売物価につきましては、横ばいか、物によっては上がったものも下がったものもある、そういうことも勘案しなければならぬ。これはどの程度にそのことを取り入れられまするのかは、政府の見解によって御採用になろうと思いますけれども、そういうことを勘案いたしまして、大まかなところで一体加工費というものは、総合いたしましてどういうような趨勢にあるとお考えになっておるのか、何百何十何ということを今ここで私求めておるのじゃなしに、大体どういうような趨勢にあるかということを伺いたい。ということは、イモのほうの基準価格がきまらないというとそのことが出てきませんとおっしゃることが、私不可解なんです。イモの基準価格の問題と加工費の問題は別なんです、全然別個のものなんです。イモのほうが高くなるから、加工費を差し引いて、結論の数字を適当なところに押えよう、こんなことがあっちゃいかんので、全然別個のものなんですから、別個のものである限りは、もう試算はできて、趨勢としてはどういう趨勢にあるということが言えなければならぬと思うのです。それからもう労働賃金にいたしましても、どういう数字ではじこうとしていらっしゃるかというくらいのことは、お話し願ってもしかるべきだと思う。ただ、農村の一般の日雇い労務賃金なんかを当てはめてやるということは、現在の澱粉加工の実態を無視したものだというふうに私は申し上げていいと思う。これは一つの技術を要することですから、ただ農村の日雇い労働者の賃金を当てはめるということでは、問題になりません。そういうことで、生産ができるとおっしゃるなら、それは形式論をおっしゃておるので、農安法を作った国会の趣旨というものに沿わないと申し上げても私は過言でないと思う。そういうことを勘案しながらお考えになれば、おおむね見当は出てくるはずです、どうなんでしょうか。
  46. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 九月末までにきめられないで、十月に持ち越しましたことは、まことに相済まないのですが、実はまだ私のところで省議を開いておりませんので、これはもうできるだけすみやかにひとつ事務的の結論が出ましたら、私のところで相談をして、決定をいたしたいと考えております。そこで、今この価格の決定をいたします前に、価格決定の要素である一つ一つについていろいろ御答弁を申し上げるということは、私はどういうものかと思うのですが、森さんのほうで、いろいろ御意見がありますれば、ひとつ十分に御意見を拝聴さしていただきまして、それらを十分に参考にし、尊重もしてきめるということにいたしたいと思いますが、森さんいかがなものでございますか。
  47. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大臣にお願いをいたします。ここで今まではカンショとバ レイショと両方やっておったのでございますが、四、五年、三年ばかり前までは、カンショのほうが安くてバレイショが高かった。ところが幸いにしてカンショのほうは非常に暴騰しまして、今度はバレイショを上げなければならぬのですが、バレイショのほうは競合ができまして、どうしてもそれができない。現に今みんながいろいろ心配しておりますが、私の見たところでは、とてもバレイショの澱粉には打つ手はないのですが、そこで方法がつかぬから、大臣にお考え願って、農業基本法の十三条を適用してもらうという腹をきめている。基本法にははっきり書いてある、やり方はおまかせしますから、農業基本法の十三条をよく翫味していただいて、それによらなければ、輸入品との競合なのですから、方法はあると思います。そこをひとつお考え願いたいと思う。
  48. 森八三一

    ○森八三一君 大臣から非常に御親切な相談がございましたので、そういうような大臣から非常に親切な御発言がありますことは、私はありがたいのです。おそらく私が申し上げまする希望というものについては、根拠のないことを私申し上げておるのじゃございませんので、最大の御採用がいただけるという前提に私は立ってものを申し上げたいと思うのです。聞いてはやるがという態度、こんなものは空念仏で、聞いているだけだということでは、申し上げてもむだですから、御発言の趣旨は非常に親切に御発言を願っている、御相談を持ちかけられてきておる、こういうように了解いたしますので、そういう趣旨で申し上げますが、今、岡村委員からもおっしゃいましたように、必ずしも農業基本法を農安法にすぐ結びつまて議論するということは、立法の時期も違いますし、多少趣旨も違いますので、かれこれ申し上げることは当たらぬと思いますけれども、しかし農業基本法は農業全体の方向というものを決定いたしました最大のこれは基本的なものだと思うのです。ですからその趣旨というものは、やはり農安法実施の場合においても忘れておってはならぬということは言えると思うのです。といたしますと、イモ作農家というものは、九州なり北海道におきましては、農業生産の過程においてははずすことのできない存在であるということからいたしまして、そういうような地域における農民諸君の所得なんというものも、他産業並みにある程度の確保をしてやるということを前提考えながら、同時にまた作った澱粉が売れぬようなことばかりきめたってこれもなりませんから、その辺を、一般経済事情というものを勘案してどの辺に落ちつけるかということは、これは常識的な判断になると思います。そとで原料イモにつきまして私の承知しておりまする政府の発表された生産統計なんというものから計算いたしますると、少なくとも昨年の基準価格二十六円というものに比べまして、三十円以上の数字が出てくるのです。ですから、そういう数字が出てくるとすれば、これは必ず確保するという措置をしていただきたいということなんです。これはちっともごまかしではありません。農安法の付表に示されております算式でやりますれば、三十円以上という数値が求められるということでありますので、ただ生産数量をいじくってみたり、あるいは現に政府はバレイショ澱粉を十二万トンほどお持ちになっております。これは考えようによれば供給力とみるということも付表の精神からして言えるかと思います。そういう滞貨しているものを、今年の生産原料に換算して供給力に見てしまうと、これは話も変わって参ります。そういう点を加えますことは、私が前段に申し上げました農業基本法の趣旨に沿わなくなってくるということでありますから、この時点におきましては、政府の手持ち澱粉というものは一応たな上げをして、それを供給力に見ないということぐらいの措置はやっていただけるように思うのですが、ね、その辺どうでしょうか。これは別に数字ではありません、一つ方針ですわ。基準価格をはじき出すときに、サツマイモで申し上げますと、サツマイモだけを馬車馬的にみて、政府の発表数字から試算いたしますと、原料基準価格は昨年の二十六円に対比して三十円以上が出てくるのです。それはひとつ確保いただきたい。といたしますと、ここに十二万トンのバレイショ澱粉を持っているから、これは澱粉全体の供給力に見ていくのだということですりかえてしまいますと、数字はまた違ってくる、そういう作業をやるべきではないという考えを持っているということですが、大臣の、省議前ですけれども、御方針はどうでしょう、私の申し上げたことはわかりませんか。
  49. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 二十六円を三十円にするがいいか悪いかは、これはちょっと数字にわたって現実に検討してみなければ、私がまだここでどうだということを申し上げかねます。それから十二万五千トンのバレイショ澱粉を持っていることは、これは現実の問題でありまして、私は澱粉の値段が二千円以上上がるというようなばかげた話があるものではないということは、常々考えていることです。したがってこの十二万五千トンは澱粉の供給力として見なければいかぬということを、私は事務当局に言っております。そうでなければ、澱粉の輸入をしなければならぬと私は思っておる。計算上それはどういうことになりますか。それは私はよく存じませんが、とにかく十二万五千トンの澱粉というものを持っておって、これを全然たな上げにして輸入をするというわけには私は参らぬと思うのです。そういうふうに考えます。
  50. 森八三一

    ○森八三一君 私は十二万トンをしまっておけというのじゃないのです。実質の流通過程においては放出をいただきまして取引の段階に供せられるということは、大臣のお考えと同じなんです。けれども、農安法に基づきまするイモの基準価格というものをはじき出しまする場合に、付表によって必要の基準といいますか、算式が与えられておるのです。それでそろばんをいたしますと、カンショの場合は三十円以上の結論が出て参りました。それはそのままに忠実に実行していただきたい。その場合に現物は市場に放出いたしますけれども、ただ机上のそろばんとして十二万トンというものを換算をした原料の何百万貫というものを置きかえて、それがことしの生産数量に匹敵するのだ、だから実際の生産は一〇〇であっても、手持ちの澱粉があると、それをイモに換算して幾らになるから、ことしの生産数量一一五である、こういうふうに見ていくといたしますると、基準価格というものに狂いを生じてくる、そういう作業があってはならないということを申し上げているのです。現物を出すのはいいのですよ。私も二千円以上のべらぼうな澱粉価格がつくこと、そんなものは歓迎するものではありません。そんなことは決して要求いたしませんが、そういう作業はいけない、こう申し上げているのです。これをおわかりでしょうか。
  51. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) よくひとつそれは森さんの御意見として承りまして、われわれのほうでもよく農安法の精神にのっとってどういう計算をするのがいいかということは、十分検討いたします。
  52. 森八三一

    ○森八三一君 どうも私は最初に九月末までという約束があったので、相当の作業は進行しておられるという前提に立ちましたけれども、どうもお尋ねをしておりますると、さっぱりまだそろばん勘定をやっていらっしゃらないこういうようにも見えるのですね。そいつがそうでないというと、最近の澱粉事情からいたしまして、何とかこいつを押えていくことのために理論づけをする道を非常に苦労して求めていらっしゃる。だからここではなかなかものが申されないということにも誤解されると思うのです。そうじゃないと思いますが、どうも端的に承っておるというと、さっぱり仕事をやっておらぬということになってしまうのですね。
  53. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 冒頭に私申しましたように、私のところでまだ相談をいたしておりません。食糧庁のほうでは、先ほど長官が申しましたとおりに、いろいろ試算をいたしておるようでありますが、私のところでまだ相談をしておりません。したがって私が存じないわけなんです。二十六円がいいかあるいは三十円がいいのか、その基礎もどういう計算になっておるかということも承知しておらないわけなんです。率直に私は申し上げておるのです。ですから、私が十分に現在のところ存じておらないということから、事務当局がほうっておるということを即断せられては、これは困るわけであります。事務当局のほうではいろいろ試算を今申しましたとおりしておるようでありますから、どうぞいましばらくもうちょっと時間をかしていただきますと、できるだけすみやかにひとつ結論を得たいと考えておりますから、御了承いただきたいと思います。
  54. 森八三一

    ○森八三一君 大臣の答弁はまだ案が回ってきておらぬということで、御承知のないことを大臣にお伺いするのは失礼ですから、私差し控えます。差し控えますが、結局これから作業を願って大臣のところでおきめ願うというときがすみやかにという、こういう前提があるわけですね。そういたしますると、きょうこの委員会は一日で終わりまして、大多数の諸先生はみんな現地の調査にお出まし願うということになりますると、委員会を開くのは来月になってしまうと思うのですね。その間には当然すみやかにですか。きまってしまう。きまっちゃったときに、それが実態と非常に離れたものをきめられてしまって、文句言うにも言いようがなくなってしまうということでは、これまた非常に困った問題が起きると思うのです。その辺をどういうふうに運んだらいいかということが私は非常に心配なんです。それが国会中でございますれば、作業の進行状況をお伺いいたしまして、これは行政上の問題ですから、私は決してこれに介入しようとは思いませんけれども、農村の実態なり、生産農家の実情というものを、私どもは詳細に知っておところでございますから、そういうことを間違いなく行政の上にも反映せしめたいということで申し上げるという前提であって、決して行政に関与してわがままを申し上げようというような考えは持っておりません。間違いなく政府の措置をしていただきたいということについて助言を申し上げるとか希望を申し上げる、その申し上げる時期がなくなってしまうのですがね。そこで私申し上げましたように、少なくとも大臣は今白紙の状態ですから、ひとつ頭に入れておいていただきたいのは、私の持っております資料で計算をいたしますれば、サツマイモの場合については基準価格は三十円以上という数字を出さなければいけない。これは出てくるのだ。作為をもってやれば別の数字が出てきます。ですが、純粋に考えて参りますれば、そういう数字が出て参るはずでありますので、そのことはしっかり事務当局の案をごらん願う場合には心しておいていただきたいと思いますけれども、それからバレイショの場合には昨年二十一円という数字であったのですが、ことしも農林省の八月十五日にお示しになっておりまする生産統計というものからやりますと、その辺に落ちつくと思うのです。しかし、その後の状況は、ただいまも大沢長官お話しのように、台風その他の被害が頻発をいたしまして、ほとんど全土にわたり災害救助法が発動せられたというような、ほんとうに気の毒なことでございますが、ということからだんだん生産数量も当初の見込みが非常に狂ってきておるということでございまして私の承知いたしておりますところでは、八月十五日に対比いたしますれば二〇%近く生産数量というものが減退をしておるというように承っております。しかし、現地を見たわけではありませんので、これは私聞いただけですから責任を持つわけにはいきませんが、そういう相当信頼の持てる方面からのお話も聞いております。北海道庁は北海道庁なりに現地において生産統計もとっております。そういう数量を見ますと、やはりそれに近い減産というものが見込まれてきております。  それから今大沢長官は歩どまりが、そういうような減収の年には澱粉の含有率というものがおそらく低下しておるであろうということが、試験ずり等をやって歩どまりを検査中であるということでございますが、すでに澱粉は生産が終わる時期にきておりますが実際に工場における歩どまり率というものが出ております。これは試験ずりではなしに、実際出ておるのですね、業者の工場において。そういうものからいたしますと、遺憾ながら澱粉の歩どまり率というものは、そんなに上がってはきておりません。非常に残念なことです。私はどこまでも澱粉加工工程における技術の改善あるいは合理化工場の進出等によりまして、外国の地上澱粉まで対抗し得るまで生産コストを引き下げていくという努力を、農民なり農民団体はやらなければならぬ。そのためには設備改善資金を惜しみなく出すべきであるという主張を持っております。そういう方向で北海道も非常な努力を願っておりますが、本年の減収ということに関連いたしまして、イモそのものの質が悪いということでありましょうか、澱粉の含有率は必ずしもよくありません。でありますために、合理化工場等は相当できましても、結果的には澱粉の歩どまり率は本年は上昇しておらないという結果でございます。前年程度あるいはそれ以下であるという状況に見ておるということから計算をして参りますると、バレイショにつきましても一貫目の基準価格は二十五円程度に上げなければ、これは非常な北海道農民としては難儀をするということになると思うのです。北海道からイモをはずすということが可能でございますれば、これはまた別の問題で、現在の北海道においてはローテーションの関係においてイモをはずすということはこれはナンセンスなんです。そういうことを考えますと、特に開拓農民中心のバ澱施策というものをある程度めんどうを見てやるという感覚に立てば、二十五円以上の基準価格というものは当然のものと私は考えます。といたしますと、それを現状で計算いたしますと、さらにカンショのほうにつきましてはたいした問題はないと思うのです。が、バレイショについては非常に問題が残りまして、十二万五千トンという手持ちの上、また政府が買わなければならないという事態に逢着するという事態を私は心配いたします。そこでそういうことを心配いたしますことが、政府事務当局の頭にも同様に浮かんでこようと思うのです。といたしますと、そこで何とか理屈をくっつけて、なるべく買い入れ数最というものが政府のほうに肩がわりされぬような方向を導き出そうということで、そこで今度は逆に下げていく。そうすれば市価程度澱粉価格というものが出てくるソロバンが持てますので、それで政府は頭が軽くなるというような作業が行なわれるというような心配をするのです。そういう作為があってはいけないということについて、十分ひとつお考えをいただきたいと思うのです。そこでそういう感覚から具体的に試算をいたしますと、カンショ澱粉については今年の基準価格は幾ばくにするがよろしいか、あるいはバレイショについてはどの程度がよろしいかということは、私なりの試算は持っております。そしてまたそのことを、これはそういう比較をとりませんとわかりませんのでございますが、一般常識論としましては、本年産の米が前年の政府買い入れ価格との間に上昇いたしました比率というものは、わかっておりますといたしますと、同じような立場における澱粉質の食糧という立場で、米の値上がり率が幾らであれば、サツマイモやジャガイモの値上がり率もこの辺にしてもらえるのじゃないかという淡い希望を持っておると思います。これを比較するということは、必ずしも妥当性があるとは思いませんが、一応素朴な農民の感情としてはそういうことを考えやすいということは、これはお認め願えると思うのです。とすると米の値上がり率よりは今申し上げた基準で計算をいたしましても、はるかに低いところで結論は導き出されると思うのです。それでもバ澱の場合はいかがかと申し上げると、逆のソロバンを持たれる危険は十分にあると思う。その点は大臣は十分最後の決をお下しになります場合には考慮を願いまして、御善処を願いたいと思うのでございます。私詳細な資料を持っておりますので、この大切な委員会に速記録をつけてこんな議論をいたしますことは、かえって迷惑でもございますし、十分にのみ込んでいただけないという危険もないわけではないと思いますので、また別の機会に詳細にひとつ直接申し上げてみたいと思うのですが、一応そういうことのあることだけを申し上げておきます。
  55. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大臣はまだ十分に研究しておらぬという話ですが、森君は専門家ですから、私は今までいろいろ聞いて心配いたしております点は、どうも事務屋にやらせてやってはなかなか困難であろう。そこで北海道は逆に非常な不作に見舞われておりますようなわけで、十二万トンの手持ち澱粉、それに対してはそうやらなければうんと違うのです。それで取り出していうわけですが、だから何もコンスターチはやめるのじゃない。それと相待ってバレイショ澱粉の価格が出てくるようにお骨折り願いたいと思うのです。     —————————————
  56. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 次に、菜種の基準価格に関する件を議題といたします。  御質疑のある方は、御発言を願います。
  57. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 この菜種の基準価格については、この委員会で二回も食糧長官に質問をしたのですが、きょうはせっかく大臣がお見えですから、大臣にいろいろお伺いいたしたいと思います。  第一は油資源としての菜種を一体国内の菜種としてどういうふうにお認めになっておられるか、その点をまず伺いたいと思います。
  58. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) これは菜種は、今もお話しのとおり油資源として考えておられる、同時にかすは、これは肥料として使われる。そこで菜種油は、大豆油との競合といいますか、そのバランスといいますか、そういうものがあると考えておるわけであります。
  59. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そういう大豆との関連を考える前に、菜種自体の国内生産に対して、どういうふうに菜種を位置づけてお考えになっているか、その点をお伺いしておるわけです。
  60. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 菜種は、これは現在の農業の経営のあり方と申しますか、そういう面から考えますというと、菜種というのは、非常に重要な作物であります。したがって、菜種の裁培に適して地方では、ひとつ菜種を作ってもらいたい、こういう考えを持っております。
  61. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そういう意味で、菜種の適地は菜種の生産にやはり重点を置くという意味では、いわゆる成長作物の一つと理解していい御答弁であります。しかし実際の最近の菜種の裁培の傾向というものを見ますと、過般調査部から発表された資料によりましても、ことしの作付面積は、去年に比べて一一%も作付面積が減少しております。二万二千町歩の減反をしておる。しかも、そのうちで一万二千三百町歩に達する、これはことしの作付面積の十七万五千町歩に対しては、約一割に近い一万二千三百町歩というものは、作付を放棄しておることが、調査部の資料によって明らかにされております。こういう現実の事態というものは、調査部がその減反の理由にあげておる点から見ましても、その一つの理由には、菜種価格の低下、菜種価格が安いからだということを調査部で減反の理由の一つにあげております。一方では三十四年を起点とした十二年後の四十六年の長期見通しでは、作付面積もやはり増反を見込み、生産量の増加も見込んでおる。そういうふうな客観的には、やはり成長作物として農産物の需給見通しの中にも、将来の生産の伸びを見ておりながら、現実はそれとは逆に減反し、作付放棄をしておる。その理由の一つは、繰り返すようでありますが、菜種の価格の低下をあげております。これは大臣所管の統計調査部の理由としてあげておる点であります。  そこで第二点にお伺いいたしたいのは、この菜種の基準価格が六月三十日に前の大臣によって告示されたわけでありますが、これが六十キロで三千百八十円というものが出されている。その点を前の二回の委員会で繰り返し長官にただしたのでありますが、去年と同じ三千百八十円に据え置いて、しかも基準価格には、その基準となるべき大事な、大きな要素であるはずの建て方が明示されておらない。私たちはこの点は当然菜種の三等建てで基準価格の内容の要素として、これは密接不離の要素であると思う。そういう二つの問題について第一に価格のきめ方であります。この価格のきめ方は、大豆なたね交付金暫定措置法第二条及びこれに基づく措置の施行令等を繰り返し見ましても、「基準価格は、各年産の大豆又はなたねにつき、同号の政令で定める一定期間の大豆又はなたねの生産者の販売価格農林大臣の定めるところにより算出される平均値に相当する金額に農業パリティ指数を乗じて得た金額」、これが基準価格の号の第一の要素であります。それと「及び大豆又はなたねの生産費等の生産事情その他の経済事情を参酌し、大豆又はなたねの再生産を確保することを旨として定めるものとする。」、こういう基準価格のうたい方が明らかにあるわけであります。特にこの三つ目の要素の「大豆又はなたねの再生産を確保する」ということは、当時第三十八臨時国会政府原案の中にはなかったものであります。それを衆議院の農林水産委員会でこの「再生産を確保すること」を挿入した経過があります。また原案には需給事情云々を削除した経過もあります。特に大豆の貿易自由化に備えてのこの法律の趣旨からいえば、需給事情等を政府原案にうたったことはきわめて不適当である、そういうことから需給事情を削除した意見としては、「経済事情を参酌し」も削除する意見があったように速記録には出ておりますが、それは一応残って、大豆または菜種の再生産を確保するということがはっきり国会の意思としてこの法律の中にうたわれておるわけであります。そういたしますと、一体ここにうたっておる基準年における価格にパリティを乗じた額が第一の要素、第二の要素はこの大豆の、または菜種の生産費等の生産事情、これを第二の要素として政令でもうたっております。しかるに三千百八十円というものの価格の要素をこの場で伺いますと、生産費というものは全然といっていいほどこれは軽視されております。そうして「等」といわれる要素として反収の変化を係数として採用されておられます。確かに生産性の向上は反収の増加をもたらしておることは、これは言うまでもないことでありますが、工業の場合と違って、工業の場合は生産性の向上はそれが資本なり労働にこれが伴うものでありますけれども、農業の場合は生産性の向上はそのまま農家の所得にこれが直接結びつかずに、かえって逆に一般的にはその農産物の価格の低下をもたらして消費者に利益が回るというような農業の特殊性にこれはあることを考えますと、この際生産性の向上を考慮しても、十分農業基本法でうたっておる前文なり各条に示されておる農業の経済事情あるいは生産事情、あるいは社会事情の不利益を補正するということを、この際やはり価格として十分考慮すべきものであると考えます。しかるに、そうしたような価格には非常に低下するような反収のみを要素としてあげて、生産費という明らかにうたっておる大きな要素を非常にこれは係数的にも無視したような形で算出されておる。これが一体この基準価格をきめる場合にあたって非常に遺憾な取り上げ方であるということを、二回にわたって私は長官に申し上げておったわけであります。  それから第三点として、政府原案にはなかったのでありますが国会において修正した再生産を確保するということが、どういうふうに要素として盛り込まれておるか、明らかに再生産を確保するということは、少なくとも平均値で出た生産費を、これは保証するものでなければならない。米のようにさらに投下された労働力を所得の保証というところまで持っていくことは、にわかにこれはできないことでございましょう。しかしながら、少なくともその投下した生産費は、要素の第二点からいいましても、また国会で取り上げた再生産を確保するという点からいっても、この要素こそは十分に基準価格告示の要素として算定してもらわなければならないと思うのでございますが、その生産費も、長官の答弁では必ずしもこの生産費は十分これを使用する資料でもないというような御答弁でありましたが、私からいろいろそれらを申し上げた場合には、少なくともその法律なり法律に基づく施行令でうたっておる生産費、それがかりに三百戸程度であっても、それで不十分であれば施行令にうたった生産費というもののつかまえ方に対して、政府は重大な怠慢を犯しておると言わざるを得ない。したがって私たちは、すなおに現在政府が調査をしておられる生産費を十分施行令にうたっておる趣旨に基づいてやはり基準価格の構成要素として取り上げていただかなければならないということを申し上げて参ったわけであります。こういう三点の基準価格の算定の要素に対して、十分ひとつこの法律なり施行令の趣旨を尊重して、この価格を考慮をしていただきたいということが、大臣に対する質問でございますが、その点に対する大臣のお考えを伺いたいと思います。
  62. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) これは今御質問中にお述べになりましたように、すでに六月何日かに決定をせられておるものでございますので、ちょっと今私がこれを考慮するといっても、ちょっとよくそこのところは慎重に考えなければいかんところではないかと思うのですが、それからいろいろお述べになりました点につきましては、率直に申しまして私は実は十分承知いたしておりません。ただいまお聞きをしたわけでありますから、それらの点につきましては食糧庁長官から御答弁をさしたいと思います。
  63. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それは二回も食糧庁長官から答弁を伺いまして、それでは納得ができないので大臣に希望を含めて意見を申し上げたわけでございます。伺いますと、まだこれは聞いていない、一たん告示をしたのだからこれを訂正することはきわめて慎重にはからなければならないという御答弁でございますが、慎重にこれを検討していただいて、少なくとも冒頭に大臣が申されたように、菜種の生産適地の農民の立場に立ってこれが必ずしも適当ではないというふうに判断をされた場合には、慎重なる検討をせられた結果、大臣の裁量によってこれを訂正をしていただきたいということを繰り返しこれは申し上げたい点であります。これはやがてまたの機会に畜産物その他についても具体的に申し上げるものに関連する、やはり成長部門に対する政府価格政策はどう現実には実施されているかということのやはり大きな問題点の一つでございます。なお四日には衆議院でも農林水産委員会が開かれるそうでありますから、これもいつまでも慎重に検討いただきましては時間の経過も許しませんので、できれば四日の衆議院の農林水産委員会までには、大臣の客観的な判断によって善処されることを強く要請いたしておきます。四日までに間に合いませんか。
  64. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) どうも日を切ってそういう重要な御意見のある問題を、私ここでお約束するわけにはちょっと参らぬと思いますが、ひとつせっかくの御意見でございますから、一応検討いたします。
  65. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 もう一つは、この建値の建て方でございます。昨年までは三等建てということであったのであります。ことしは三等建てというものもなくなって、何となく基準価格三千百八十円ということでは、農家生産検査を受けた場合に、一体政府で保証的にどれだけ確保されるかということが検査を受ける際でも農家は非常にはっきりしないままで推移をするわけであります。したがって商取引の常識からいいましても、三等建ての和種で幾ら幾らというこの建て方についても、これは挿入していただけばきまることでございますから、これもひとつ大臣によって善処方を要請を申し上げておきます。
  66. 森八三一

    ○森八三一君 今大臣ね、渡辺委員の質問、前段のほうは、これは一ぺん告示になったのですから、再検討といってもむずかしい問題は私は現実にあると思うんです。あとのほうの三千百八十円というものが、どのものを表示しておるかということですね、これは長官の御説明では総和平均とおっしゃるのです。総和平均ということもわからぬわけじゃありませんがね、総和平均といたしますれば、一等、二等、三等、四等、こうあって、その出荷数量を想定して加重平均でこうばっと出すと、総和平均が出てくるのですよ。何もなしに総和平均出てこないと思うのですよ。だから三千百八十円というものが総和平均だという御答弁だとすれば、その結論が導き出された根拠をお示し願うと非常にありがたいのです。それをどうしてもお示しにならぬのですね。お示しにならぬということは、結局予算との関連において、大豆の貿易自由化のしわ寄せが農民のほうに来ないようにするといってもくる場合があるという結果になっちゃうのですね。実際問題としてその辺がどうも割り切れぬことなんですよ。ですから農林省発行の公報かなんかでも三千百八十円というものは三等和種ということが一ぺんは出たのです。それを重大なミスプリントであって、あれは総和平均と修正をいたしますということで修正なすったらしいのですがね。この際修正をやめて、三千百八十円は三等和種の基準価格である、こういうふうにきっぱり割り切ってもらうと、額そのものに問題はまだ残っておりますけれども、取引流通過程においては非常に円満にいくということに思うのです。そうしてこのことの法律を作るときに、当時の食糧庁長官相当しつこく議論しましたときに、それはそういう趣旨だと、だからそれから上の方で売れたやつはこれはもうけ得だ、下の方は売れただけ補給するのだという話まであったくらいなんでございますので、これは一つ告示の三千百八十円というものはどの地位のものを表示しておるのだ、総和平均というぼやかしなしにはっきりしていただきたい。これだけはやっていただけるように思うのですがね、どんなものでしょうか。
  67. 重政誠之

    国務大臣重政誠之君) 先ほど申しましたとおりでありますから、一つよく検討をいたします。
  68. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 午前中の委員会は、これをもって休憩といたします。    午後零時十四分休憩      —————・—————   午後一時五十分開会
  69. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。  米の集荷手数料に関する件を議題にいたします。  質疑のある方は御発言願います。
  70. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 この前及び八月の委員会で引き続いて手数料の問題について御質問申し上げたのでありますが、二回ともそれらの問題点を十分勘案して資料の提出を求め、この前の委員会では、長官からできるだけ近い機会に、日ならずしてその検討した資料が出せると思う、という御答弁をいただいております。このことはやはり観念的な問題ではありませんで、やはり計数をもととした問題点があるわけでございますので、やはり正式な資料がお出し願えませんと、さらに突っ込んで意見の、究明がまあ展開されないわけであります。きょうはその期待した資料の御提出を願えたものかどうか、その点からお伺いいたします。
  71. 大沢融

    説明員(大沢融君) お話でございますけれども、その後各方面の意見なども聞いておりますしいたしますので、調製中でございますので、いましばらくお待ち願いたいと思います。
  72. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そうしますと、いろいろ調製中であるという御答弁でありますから、調製中というのは、告示をしたデータ自体に調整を要するという前提で再検討を願っておるものというふうにこれは解釈をいたさざるを得ないわけでありますが、そういうふうに理解をして、さてそれでは、次に出るという時期も、この委員会が次に開かれます日程等がかなり、予想されることは、今月はまあできないのではないかということになりますと、来月あたりにはそういうことで十分もっと突っ込んだ説明をいただける、そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか、どうでしょうか。
  73. 大沢融

    説明員(大沢融君) 今後の問題といたしまして御承知のように、農業団体からもいろいろ資料を拝見あるいはこまかく御意見を拝聴さしていただいたりしておりますので、今後の取り扱いとしてはもっと詳しい御説明が、今言われたような時期にはできるようになるのじゃないかというふうに思っております。
  74. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そうしますと、やはり従来この委員会で御指摘を申し上げました、いろいろこまかい点についてそれぞれの項目にわたってかなり意見を申し上げた経過がございます。それについては、それぞれについて十分検討をしたいという答弁がなされておりますから、従来の計算をされたものにはやはりさらに合理的に内容を整備する、不当な点はこれを合理化するということで十分そういう内容を踏まえた上で出してもらえるという、内容的にはそう理解してよろしいのでありましょうか。
  75. 大沢融

    説明員(大沢融君) おっしゃる意味が——そうだと思うのでありますが、検討を深めてより合理的なものに近づくというようなことを考えたいと思います。
  76. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 すでに新米の出回りもあるわけでございます。したがって、それが、慎重に検討し、より合理的な内容に整備をするということも当然これは不可欠な要点でございますが、すでにもう出回っておる、そういう時点におきましては慎重も、やはりあまり時期を失せぬように、この問題について非常に大きな期待をもって注目をしておる、そういう感じの中で、かなりこれはやはり時期的にもさらに詰めて、この前の答弁にもありましたように、団体のほうからもいろいろと調査があると、そういうもの等と突き合わせるというような作業も必要であるという答弁で、一応先月の十日の委員会は資料の出ないということを了解いたしたのでありますが、その後そういうような突き合わせ、検討というものはなされておるのでありますか、どうですか。
  77. 大沢融

    説明員(大沢融君) いろいろの御意見も拝聴して、従来の算定方式とどう違うのか、どこがより合理的なのか、あるいは従来の考え方からいったらば、そういうのとはちょっと相反するのじゃないかというような点がいろいろございます。そういう点を検討さしていただいております。
  78. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 どうも長官の答弁は、九月に出された答弁と内容的には少しも変わっておらぬと承知せざるを得ないわけであります。そういう調査なり詰め方は、かなりのやはり御苦心を願っておるということは、それだけやはり十分なる良心的な、合理的な資料として整備をするというふうに、質問する私の立場からは好意的に、内容を期待して、その今日に至ったこともわかる気はいたすのでありますが、繰り返すようでありますが、何しろ新米はもう出回っておるさなかに、それらの扱いがきわめて不合理な、暫定的にもせよ、形に置かれているということは、きわめてこれは遺憾な事態であります。したがって、次の委員会には、それらの十分な納得のできるあらゆる措置が資料の上で講ぜられて、そうして、委員会でそれを確認を得た上でというような別段規制をする何物もないわけでありますが、これだけ従来時間をかけて委員会で審議をいたした経過もありますから、それらの経過を踏まえて、委員会では次の機会にはそれらの資料で、十分納得のできるような討議検討ということをお持ちになる覚悟でございますか、お考えでございますか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
  79. 大沢融

    説明員(大沢融君) こうした重要な問題についていついかなる機会にもいろいろ検討をしていただいて私どもの蒙を開いていただくことは当然のことだと思っております。
  80. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 きょうは具体的な資料がございませんから、その内容の逐一について繰り返すことは適当ではありませんから、何ともいたし方がないことに置かれておるわけでございます。ただこの集荷業者の手数料というものは、この前もるる述べましたような、いろいろな供出割当制当時と、予約制に切りかえた当時と、さらに最近における事態と、それぞれいろいろな計数においての変動があるわけでございます。そういう点をやはり十分考慮に入れて、よほどこれは政府としては腹をすえてかかって、この資料の作成を願わないと、これは大きなやはり不満と——責任をもってこれらの事業に従事するという、そういう態勢にはなりかねる事態でありますので、十分従来この場で申し上げた点を考慮に入れて、積極的なこの意見を受け入れるという大きな腹がまえでひとつこれに当たってほしいと思います。何としても具体的な検討の資料がない今日は、こういうことでひとつ十分従来主張した点をその計数の中に織り込んで、どこから見ても客観的にこういう内容で料率が検討されて再決定をするという内容のもので、ひとつできるだけすみやかな機会にこの委員会等で十分納得のできる経過を経て御実施を願いたいと思います。
  81. 北村暢

    ○北村暢君 今の渡辺委員の質問に関連してお伺いいたしますが、今、渡辺委員の質問で、この次の委員会においてはこの資料が間に合って、論議ができるようになるかどうか、こういう質問でございますが、私は資料というのもはう一カ月かかっているんですから、今調製中という言葉もあるんですが、いつごろその結論が出るのかどうなのか。それによって委員会は来月とか何とか言わずに、これは招集できるわけですから、一応のめどが立てば、そのめどに合わせて委員会を開いていいんじゃないか、こう思うんです。したがって、その結論が出て、なおかつ来月の委員会、こういうことでなくてもいいんじゃないか。したがって、政府当局で、一体その作業がいつごろまでかかる見通しなのか、今全然見通しがないのか、この点をひとつはっきりしていただきたいと思うんです。で、大体その資料が整ったならば意見を聞きたいというのですから、おそらく出てきた数字について論議せられるのだろう、検討せられるのだろうと思う。そういう中で、委員会意見等も聞いた後に手数料の決定をする、告示のやり直しをする、こういうことになるだろうと思うんですが、一体どのような予定でおられるのか、いつごろその結論が出される見込みなのか、これをお伺いいたしたいと思うんです。
  82. 大沢融

    説明員(大沢融君) 団体の御意見をお聞きしたり、また今後どういうふうに持っていくかというふうなことは、私どもの手元だけじゃなくて、もっと政府の内部で広く相談をいたさなきゃなりませんし、そういうことで、実質的にも、あるいは形式的にもいろんな手続もございまするので、今いつということはちょっと申しかねると思うんです。そういうことは一刻もそれは早くやりたいという気持は持っておりますけれども、いつまでということはちょっとここでは申し上げかねると思います。
  83. 北村暢

    ○北村暢君 いつまでということをはっきりは言えないかもしれませんけれども、大体いつごろまでにできるというぐらいのことは想像つくのではないかと思う。それともその作業ができても、集荷作業ができても、ほかの因子と関連して、たとえば消費者米価値上げなんていう話が実はあるわけです。したがって、そういう重大問題と関連してということになるというと、これは、これの結論が出ても、そっちのほうの大きな結論が出ないというと、これもしたがってきめられない、こういうようなことにでもなってくる可能性がないとはいえない。今の長官の答弁でも、広く政府の中で検討するということになるというと、その広くというのはどういう意味なのか知らないけれども、私どもは広く集荷手数料について意見を聞くということになるというと、これはやはり消費者米価にも影響してくるのではないか、そういうようなことも関連してくるのではないかというようなことが考えられるのですね。ですから、そういうものまで関連をして、なかなかこれはこれだけで、この手数料は手数料だけできめられないのだ、こういうことになれば、また問題は大きくなってくると思う。集荷手数料については、あくまでも集荷手数料についてのいろいろの要素というものが克明に検討せられて、農業団体からも出されて、その検討の結果がこうであればこのままひとつ出したいということになれば、ほかの要素に左右されないのですから、それだけで出てくるのではないか。そうすれば、今の作業の過程において一月もかかっているのですから、これはもう今直ちに新しく言って、すぐやれというのでなくて、一月以上ももう検討がされるべくやられているわけです。したがって、あと一週間とか、あるいは十日とかという大よその見当がついて結論が出るというのは、私はあたりまえのことだと思うのです。今ちょっとその時期は言えないということはどうもおかしいので、大体の、大よその、十日とか二十日とかいうことは、行政に携わっていて見通しがないということはあり得ないと思うのですが、どうなんですか。それに合わせて私は委員会も緊急にやはり開かれるべきだと思うのですが、どうなんですか。
  84. 大沢融

    説明員(大沢融君) 今消費者米価の問題がいろいろ御議論のあるところで、この問題が直接にそれと結びつくというようなことにはならないと思いますけれども、食糧管理特別会計負担の問題等の問題ももちろん関連する問題ですが、卸、小売の販売マージンというような点における議論もしなければなりませんし、それやこれや当然財務当局とも相談をしなければなりませんし、そういうことを考えますと、ここ何日、大体この辺にというようなことをちょっと申し上げかねる、そういう単純な意味でそういうことを申し上げているので、御了承願いたいと思います。
  85. 北村暢

    ○北村暢君 だから、単純な意味じゃなくて、そうなってくるというと非常に複雑なんですよ。今現に配給マージンの値上げの運動なんかも起こっているわけでしょう。そうして財政当局ということになるというと、これは食管の赤字全体の問題とも関連してくる問題ですから、したがって、そういうもの全体について考えるということになってくると、食管の赤字の問題を考えるというと、消費者米価の問題を離れては私は結論が出てこないと思うのです。したがって、関係がないと言われるけれども、やはり関係が出てくるのではないか。そうではなしに、これはまあ在来の、従来の何回かの論議の過程においてすでに告示として出されておる。その告示として出されているもののいろいろな因子というものを検討して、意見も出されて、非常に詳しい森委員からの質疑過程における論議もあって、もう大体上げなければならないだろうということは、私は作業をやれば必ずそういうような結果になって出てくるだろう、その出たものが今度財政的とか、あるいは配給マージンの問題であるとか、こういうものとの関連においてこれはこれなりに出ても直ちに決定しかねる、こういうことになってくるというと、せっかくこの問題に集中して意見も出し合って、早くきめたいということが早くきまらないことになってしまうのじゃないか。今意見も出ているように、すでに新米が出回っておる、ですから、なるべく早くきめたいというのは、これはもう携わる者としてあたりまえのことなんです。ですから、ほかの要素と切り離していつごろまでにひとつ結論を出したい、こういうことでなければならないと思うのです。したがって、今の意見ではあちこちの振り合いを見て関連をして考えるということになれば、早く出したいとは口で言っておるけれども、なかなかきまらない、こういうことになるような気がするのです。したがって、今まで委員会においても資料がない、資料がないで逃げてきたのだが、何かしらもうずるずると引き延ばしていってしまう、こういう感じにしか受け取れないのです。私はまあ、従来の政府のとった態度からして信用できないのです。大体その目標をいつごろに置くのか、これをはっきり聞いておきたい。どうなんですか、期日は、何月何日といわなくても、やや十日とか、二週間とかいうことは、そういうことはできるのじゃないですか。どうなんですか。
  86. 大沢融

    説明員(大沢融君) 決してこのままずるずる延ばそうなんていうつもりは一つもございませんし、またこれはきっちり解決をつけなければならないというような重要な問題だと思っております。そういう意味でいろいろ検討を深めさしていただきたいという意味で先ほどから申し上げたようなことを申し上げておるわけです。決してずるずるにしてしまおうというようなことじゃございませんので、それは私の言うことで御了承願いたい思います。
  87. 北村暢

    ○北村暢君 それじゃ今の答弁からいくと、先ほど言った配給マージンとか、財政的なものもあるのでしょうけれども、それはそれとして、それを早く結論を出してですよ、どうなんですか、先ほど質問をしている十日とか二週間とか大体のめどはないのですか。そこのところひとつもう少しはっきり答弁をしていただきたい。
  88. 大沢融

    説明員(大沢融君) できるだけ早くやりたいと思いますけれども、日をいつごろというようなめどは、この際まだ申し上げられないとこう思います。
  89. 北村暢

    ○北村暢君 大体もう今十月ですよ。大体十一月になれば消費者米価を上げるとか新聞報道があるのです。で、これを取り組んでおるのはもう一カ月以上たっておるのです。それでまだめどは申し上げられないということは、私はちょっと理解できないのですがね。緊急なものであるから、ほかの問題もあるけれども、なるべく早くそれを処理してやりたいということだから、私も食糧庁長官の早く解決したいという意欲はわかるのです、わかるのですけれども、もうそろそろ結論の出ていい時期だと思うから私はしつこく質問をしておるのですよ、一カ月も検討しておるのですから。それが今からやるのならいつだかということはちょっとわからないのでしょうけれども、もうそろそろ結論の出る時期だと、こういうふうに私どもは見ておるのですよ。それで作業の終了段階だろうから、十日か二週間かということを言っておるのです。ですから、その一カ月前の答弁としてなら長官の答弁はわかるけれども、この段階になって、もう資料は出て、きょうの委員会では検討していなければならないわけでしょう。怠慢というか何というか知らぬけれども、それがまだ出ていないわけですから。そういう段階なんですからね。どうもぼうっとした形式的な国会の答弁というふうにしか私ども受け取れないのです。きょうあたりは少なくとも資料は未完であっても資料として出されて論議するくらいの熱意があってしかるべきだと思うのだね。そういう時期なんですよ。それをきょうの委員会でも形式的に時期がわからないようなことで過ぎてしまう、これでは私はどうも信用したくても信用できない、そういうことなんです。ですから時期は、時期については申し上げられない、申し上げられないということですが、なかなか告示もしたあとの処理としては非常にむずかしい問題だということはわかるけれどもね。もう従来の二回の委員会の経過からいって、私はきょうあたり資料を出して大いに論議をしてやる、当然間に合わせるべく努力するのがあたりまえです。それにもかかわらず一枚の紙きれも何らの資料もなしにこの委員会へ出てくるというのはそもそも心臓が強過ぎるよ。けしからぬよ、これは。だから、もう時期としははっきり明示していい時期だと、こう思うのですがね、政務次官にひとつ政治的に答弁を願います。
  90. 大谷贇雄

    説明員(大谷贇雄君) 北村先生の仰せごもっともだと思いますので、事務当局としましては一生懸命に今いろいろと検討をしておる最中でございまして、極力早く出させたいと、かように私ども思いますので、しばらくひとつ御了承をお願いいたしたいと思います。
  91. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 政務次官、御用でお立ちなそうですから、このことは政務次官として極力事務当局に督励して急がせるということと、もう一つは過去にわたってその問題点をかなり具体的に申し上げておるわけですから、それを十分ひとつ内容に入れて合理的な結論になるように、これはやはりかなり腹を据えて、政府当局としては踏まえてもらわぬと実現もむずかしい問題でありますので、急がせるとともに、より合理的な完全な資料の内容でひとつ要請の線を十分入れたものとして、これを資料として整備をして、次の機会には十分その審議の資料として役立つばかりでなく、内容的にも納得のいくものとして提出できることを政務次官としてひとつ大きくこれを取り上げて推進を願いたいと思います。
  92. 大谷贇雄

    説明員(大谷贇雄君) ただいまの仰せ十分に了承いたしたものでございますから、事務当局にすみやかにかつ合理的に検討いたすようにさせるようにいたしますので、御了承をお願いいたしたいと思います。
  93. 森八三一

    ○森八三一君 米の手数料の問題は先般の委員会相当具体的にお尋ねをし、大沢長官から私の申し上げておることをよく理解の上に立って合理的な検討を加えようというお話でありますので、その気持に最大の信頼を寄せてお待ちをいたすわけでありますが、そこで少し話は、関連はありますが、多少横道にそれますけれども、改定せられますという結果、それを私が期待するということは、現在の五十円というものでは問題にならぬ、これは上げるという方向にあるという前提に立って申し上げているんです。改定せられるという結論が出たときに、これは現在の通達されておる五十円というものが不合理であったということを裏書きするわけですね。そういたしますると、昭和三十七年産米の集荷のところまで遡及をしてこれを適用しなければ、また不合理がそのままに過ごされちまうと、こういう結果になると思うんです。ですから、幾らにするかということは、今ここでは私は論議をいたしません。期待をしておる。その結論が出たとき、適用するときはいつから適用されるのか。当然これは遡及されるべきだと私は思いますが、いかがでしょう。
  94. 大沢融

    説明員(大沢融君) 改定いたしますとしても、改定の時期をいつからするかということは、今後の検討の結果と関連してきめていくべきものじゃないかというふうに思っております。
  95. 森八三一

    ○森八三一君 私が申し上げておりますのは、改定の時期がいつになるかまだ未定なんです。未定ですが、前二回の質疑にかんがみまして、また、あなたも誠意のあるお答えを願っておるというような状況にかんがみまして、当然これは改定しなければならぬということの結論に私はなると思うんです。そうならぬというなら別ですが、ならざるを得ないと思うのです。その場合に、かりに一月一日にやろうが、十二月一日にやろうが、十二月の十五日にやろうが、いつにこれを実施に移そうとも、昭和三十七年産米の集荷に要する経費に妥当ならざるものがあったということになるわけでありますので、その時期まで遡及をするということが当然の措置である、こう思いますがね。そういう措置は——これは質問する価値もないくらいあたりまえと思いますが、いかがでしょうか。
  96. 大沢融

    説明員(大沢融君) これは、実施の時期をいつからやるかということは、これから検討して結論を相関連をして出さなければならぬ問題で、ここでいつ実施する、そのときはさかのぼる、それ以後にするというようなことをここで言えというのはちょっと無理かと思います。
  97. 森八三一

    ○森八三一君 私の申し上げていることをよくお理解願えていないと思うんですがね。今六月に通達せられたものが、御検討の結果妥当であったというなら問題はありません。もし、それが高過ぎる、もっと低いものでしかるべきであったという結論が出るでしょうし、あるいは間違っておったからもう少し上げなければならぬという結論も出るでしょう。もし、いずれの場合でも、改定を必要とするという結果が検討の結果出たとすれば、その実施時期は三十七年産米ということにならなければ筋道が狂ってくるんでないかということなんですよ。だから、実施の時期を一月になさろうと、二月になさろうと、十二月の十五日になさろうと、それを聞いておるんではないんです。きまったときに、そのきまった額を当てはめるのはいつからのものに当てはめるか。普通の場合でございますれば、鉄道運賃の改定があると、これは改定した日から実施されるのであって、その前に切符を買っとけば安い運賃で乗れる。買う日からですね。けれども、この場合には、昭和三十七年産米のことを論じておるんですから、三十七年産米の集荷から当然遡及されるものとしなければ改定することの趣旨は失われると、私はこう申し上げておるんです。これは別にお尋ねするほどのこともなく当然と思うんですが、そうなんじゃないですか。
  98. 大沢融

    説明員(大沢融君) 検討の結果、そういう結論が出ればそのように取り扱うのはこれは当然だと思います。検討の結果どういう結論を出すかということは将来の問題だと、こう思います。
  99. 森八三一

    ○森八三一君 わかりました。今の検討の結果、現状でよろしいという結論になるか、マイナスにするという結論になるか、プラスにするという結論が出るか、その結論の出たときに考える、そのお考えになるときには、もしプラスにすべしという結論が出たときには、出た日がかりに十一月一日であっても、その結論を適用する相手は昭和三十七年産米である、こういうお答えと私は理解いたしますが、それでよろしゅうございますか。
  100. 大沢融

    説明員(大沢融君) いつから当てはめるか、いつから上げるかということを決定するのは将来の問題であって、おっしゃるような結論が出ればおっしゃるようになるのは当然だと思います。
  101. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 今度の問題を提起しておりますのは、五十円という告示をしたものの内容に合理性がないのではないかということで、今、森委員が質問したことは当然の常識として私は少なくとも遠慮して三十七年産米の集荷手数料合理化することで問題を出してきております。なお、それがこの前資料要求したように、割当供出制の二十九年までの四十円と、予約売り渡し制に切りかえた三十年から三十五年まで四十八円、三十六年とことしの告示が五十円になったこととの、それぞれやはり不合理性が、これは傾向性として出てくると思います。そうなれば、これは過去に遡及してもこれはやらなければならぬ、議論から言えばそういうことも言えると思うのですが、そこまで立ち至ったことを申し上げずに、少なくとも三十七年産の取り扱いについて合理的な内容としてこれの再検討を要請して参ったわけであります。でありますから、今、森委員が取り上げられたことは、当然前提として出てくる問題であり、非常に困難であるから、政務次官に重ねて要請したのも、一たん告示をしたものをやはり合理的な検討の結果、これは訂正を願うという非常に政府としてもやりにくい事態に置かれている問題だから、特に大所高所から政務次官に善処を要請したはずであります。でありますから、今長官は検討した結果云々ということは、少なくともスタートにおいては理解の食い違いがあると思いますので、食い違いがある限りは、これはやはり納得ができません。やはりそれをいつ告示するかどうかは別としても、少なくとも三十七年産米からこれを合理的なものに切りかえるということだけは、ぜひ内容として実施をしてもらわぬとこれは納得ができぬ問題であります。その点はひとつ重ねて私からも長官にその点についての見解をただしておきます。
  102. 大沢融

    説明員(大沢融君) 私どもはこの問題は今後の問題として検討していかなければならない、今後の問題として検討した場合にどういう結論になるかということは今から予測し得ないと思います。あくまでも将来の問題として私ども検討していくということでございます。
  103. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  104. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 速記を始めて。
  105. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 今後といえば、それならばやはりすみやかにこの問題を明確に資料で提示してもらわなければならぬ、いつまでも時日を遷延して、今後という時点を将来に引き延ばすことは、これは承知できません。今後というならば、八月に問題が出たときにすみやかに整備して九月に出すべきです。十月一日も今後というならば、これはあなたの意図は、明らかに推測されることは、将来のやはり方向に向かって改定をしようということであれば、これは最初から出したことは、三十七年のこの五十円というものはきわめて不合理だ、あらゆる点から言って不合理だ、合理的な点はほとんどない。それは私は資料によって、ひとつ納得ができる資料が出れは承知はいたしますが、そういうことで三十七年産米の集荷手数料を問題にして従来長官に質問してきておるわけです。それがきょうも資料が出ない。将来にわたってと、そういう時点が十二月か一月にそれが資料によって明らかにされた場合は、あなたの理解からいけば三十七年はすでに集荷の業務が終了しておる、したがって、三十八年産米からであるということにこれを長官が従来答弁されておったのだとすれば、これは承知いたしかねるわけです。経過としては三十七年産米の手数料が不合理だから問題を出して、その不合理な内容の解明をしたいということであったわけです。ですから、少なくともここで問題を出しているのは、三十六年産米の手数料から合理化をしてもらいたい。合理的な要請に基づいて整理をしてもらいたい。三十六年以前もこれは不合理であったでしょう、資料によってこれは理解できるかどうかを判断するよりほかありませんが、少なくともそういう過去にさかのぼるようなことはいたしませんでも、今新米が出回る前に合理的な改定を要請してきたはずである、その点は将来にわたってということを、やはり三十七年産米からというふうにこれを置きかえてひとつ実施をしてもらわないと、これは出発の時点の理解が違うのでは、これはとんでもないことであります。
  106. 森八三一

    ○森八三一君 大沢さん、この問題は私御苦労願っていることはわかりますよ。相手のあることで、食糧庁だけでずばり結論を出すわけにいかぬと思います。ですから、農林省としましては、あるいは主管の長官としては、三十七年産米から適用するように努力をいたしたいと思います、というくらいの答弁をなすったほうがいいと思いますが、これは答弁を教えているようで申しわけありませんが、その辺はどうでしょうか。
  107. 大沢融

    説明員(大沢融君) そういうことも軽々しく私ここで申し上げるのはどうかと思います。これから将来の問題と申しますが、もちろん今までの算定方式について将来どういうふうに持っていったらいいのかということの検討でございますから、そういう結論が出れば、またそのときに一体それがいつから実施をしたらいいのかという議論、検討をしなければなりませんでしょうし、それを私は三十七年産米から改めるのだということで、私はやっているのだというふうなことまでも、私がここでもし申し上げるとすれば、非常に軽はずみじゃないかと思います。今後の検討を待ってそういうことをきめていかなければならない、こういうふうに私は思います。
  108. 森八三一

    ○森八三一君 その辺が受け取り方の違いですけれども、私の申し上げているのは、御検討の結果どういう結論が出るかということは、今ここで未定の問題なんです。いずれの結論が出ようとも、出た結果というものは現行のものにあやまちがあったということなのですから、そのあやまちが計数的に明確にされた限りにおいてはそのあやまちを是正する、是正する時期は将来ということでは常識論として納得もできませんし、その辺は今ここで私はお立場はわかりますから、ずばりそうしますということをお答え願わなくとも、よくわかりましたから、そういう趣旨に向かって努力をいたしたいと思いますくらいのことは言われましても、食言にもならぬし、何も追及されるものではないと思うのですよ。これは常識論としてあたりまえじゃないですか。そのことをどうでしょう。
  109. 大沢融

    説明員(大沢融君) 常識論としては私今申し上げているようなことだと思いますので、どうぞひとつ。
  110. 森八三一

    ○森八三一君 この問題は幾らやっても平行線ですから、これもこの前の質問と同じで、大体目つきで私は了解しましたが、そこで話題を変えますが、ことしは九月三十日がたまたま日曜なんですね。九月三十日という日は米価に非常な関係を持つ日なんです。この日に検査が行なわれるか、行なわれぬかということは、これは生産農民にとっては重大な経済関係が起きるわけで、一日まで何か延ばしてやって、一日のものは三十日に受け渡しができるというようにみなすという通達か、何か通知が出ている。このことはまことに親心のあることであってよろしいと思うのですよ。検査のほうですら、受け渡しのほうですらちょっと一日遡及するということが現に同じあなたのもとで行なわれているでしょう。三十日に受け渡しが済まぬものをたまたま日曜日だから、十月一日にやった、これは認めた。これはいいことですよ。善政ですよ。それと同じ意味でちょっと適用時期は三十七年産と、こうやることは、ものは違うけれども、精神は同じゃないですか。それからもう一つは、九月三十日に、これは検査員の諸君はまことに御苦労なことですけれども、なぜできぬのかという疑問を私は持つのです。ということは、一日に行なったものは三十日にしますよといっても、人間の能力には限界がありますから、一日にばっと殺到してくるとその日にできない。そうすると二日になってしまう。そうすると、今の経済的に非常な手違いを生じますというのですから、検査員の皆さんにはほんとうに御苦労ですけれども、一年に一ぺんのことだし、何年に一ぺんのことだかわかりませんからね、どうせ日曜出勤手当もお出しになると思いますので、三十日の日に検査をやるようにしていただくと同時に、それでも残った分は一日のやつを三十日と、こういうふうにやってもらいたいと、こう思うのですが、その辺どうでしょう。
  111. 大沢融

    説明員(大沢融君) 例年問題になることですが、私どものほうでは早手回しに手回しをいたしまして、土曜もやっておりますし、夕刻までやっております。それから日曜日もやっております。
  112. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますと、私の承知しておるところでは、日曜日は休む、一日の日に二日分やるのだ、それで迷惑はかけない、こういうように何かなすっておる地域もあるやに聞くのですが、私の風のたよりに聞いているところは間違っているので、ことしは三十日が日曜日だから日曜日も一つやれよという通達が出ているのですね。
  113. 大沢融

    説明員(大沢融君) もちろん時期別格差は最終日が日曜ですから一日まで延ばしいく、これはございます。
  114. 森八三一

    ○森八三一君 検査はどうです。検査は、受け渡しは三十日でも日曜日といえどもやってやりなさいという通達が出ておると、こう了解していいのですか。
  115. 大沢融

    説明員(大沢融君) 形式的な通達はどうだったかと思いますけれども、そういうふうにやるように食糧事務所長会議その他の会議を通じて指導をしております。御承知のように、これは従来労働組合との関係もあって、時間外勤務を拒否されるというようなこともございまして、しかし、そういうことがないように、土曜も場合によっては朝早く出勤するというようなこともやるようにということで指示をしておりますので、もちろん組合との関係はございましょうし、ですから、それができなかったところもあるいはあるかと思いますけれども、そういうような方向で指導はしております。農民の方に御迷惑のかからぬようにということでやっております。
  116. 森八三一

    ○森八三一君 まさにそういうことだと思いますが、今伺っていきますと、三十日に検査を終わって三十日に受け渡しが済みませんと、保管料を一期分出さなければならぬのですよ。その辺をちょっと一日にすると一期分違ってくるので、時期別格差のほうは一日ずれても差し上げますよ、たまたま日曜日だから、その日はお休み、一日に二日分検査をするというと、保管料は一期分は違ってくる、こんなことを考えてみたくなってしまうような邪推が起きるのですね。そうではないのですね。三十日も、労働協約の関係で一方的に命令はできませんけれども、努めてやりなさいということについての指導をしている、こう了解していいですね。
  117. 大沢融

    説明員(大沢融君) 指導しておりますのは、現地で食糧事務所長がそういうような措置をとるようにということで指示をしておるわけでございます。
  118. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後二時四十分散会