○横川正市君 私も長い経験なものですから、十何年、
人事院発足以来、発足前からつき合っているわけですから、内部においてのいろいろなことがおぼろげながらわかるのです。わかるから、今言ったような問題で、なお心配するわけです。ことに給与
関係でも、いろいろなことを言われて今日きておるのであって、ことに公平
関係については、私は、私
どもが見ているようなことが
人事院の中にいささかもあってはならぬと思う。少なくともフーバー
公務員課長、これができてから、あれはある程度の権威のあることを期待しておったけれ
ども、だんだんだんだんやはり時の
政府権力というものが近づいてくる。また、公平局の担当される
公務員それ自身が、
各省の権力機構と、
出先機関と何らかの格好で接触を持つ、これは実際あり得ることです。ところが、全然接触のないものが実は苦情を持ってくる。そうすると、機構の中からいえば、私はこれは
人事院が公平審理をするということは、実際にはやめて、もう別個の
機関を作って、全く裁判官と同じような身分保障までして、というふうに
考える向きが出てこないとも限らぬと思うのです。そうなれば、
人事院の公平局は自殺行為ですから、そうならないようにするための努力というものは、私
どもは見ていて、今までのそういう人を養っていく機構がな
いから、一般にやられておって、苦情を持ったものに有利に判決をするよりは、権力を持ったものに有利に判決したほうがよい、そういう
考え方で公平審理をされるというようなことになると、これは問題だと思います。そうなって、それをやったことが今度次の人事の発令のときには栄転をするといえば、下の者だって見習ってくるというようなことで、実際上の公平局の機能というものはそれで終わってしまうことになる。そうさせないためにはどうするかといえば、やはり人間のすることですから、その身分保障といいますかについてははっきりとしたものを持っておくということが私は必要だと思うし、給与面でも、誘惑に負けないだけのものはやはり持っておかなければいけないのではな
いか。単なる
人事交流だけで、その人間の行なったことが結果的にはひんしゅくを買うということにならないように私は配意すべきだと思う。これは私たまたま一人の審理官が権力に屈しなかった、一人の審理官は権力に属して、同じ
一つの事案を取り扱うのに、人間が変わったら、全然別の取り扱いが始まったなどということを私はちょっと耳にして、非常に心配をして、実はこれについて
質問をしたいと思っておったわけですが、まだ具体的なその事案について調べがついておらぬものですから、きょうは非常に抽象的ですが、公平
委員会の、公平局の運用そのものについてぜひひとつ総裁にこれは注意してもらいたい。私の言うようなことがなければ、これはそれでたいへんけっこうなことですが、あれば、これは配慮してもらいたいし、さらにまた、現在ある機構の中で保障できるかどうかという問題についてひとつ
検討していただきたい。お答えをまずいただいて、さらに次の問題で
質問をしたいと思う。