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下村定君 ただいま長官の御所見を伺いまして、私は深く敬意を表し、また、非常に心強く感じた次第でございます。したがって、何らこれにつけ加えることはございませんけれ
ども、先ほど来
事務当局からいろいろな点で伺いますと、今回の
事件そのものについて見ますれば、これは
本人の悪かったことはもちろんでありますが、
本人がああいうことをやる
すきがあったということは、これは言えるのじゃないかと思います。これは
整備員の
勤務状態につきましても、また、
飛行機の警戒、保管の
状態、平素の心がけというような点、これは今後ともひとつ長官の格段の御配慮をお願いいたしたいと思います。
それからつけ加えまして、この
松島事件に限らず、航空
事故は不幸にして最近かなり多く出ております。そういうことのために
自衛隊そのものの士気が沈滞しませんように、また一方から言えば、こういうことの
事故におびえて
自衛隊員として当然なすべき訓練をちゅうちょするというようなことにつきましても御配慮をいただきたいと思っております。
続いて長官がお見えになりましたので、これを全く
関係ないことでございますが、先ほど阿
具根委員からの
自衛隊の綱紀粛正、士気の問題について御質問がございましたので、それに関連いたしまして若干お伺いしたいと思います。規律の維持とか、それから周到な訓練、この必要は申すまでもありませんが、それと並行して現在置かれております
自衛隊員の士気を刷新するということは、これはぜひとも前に申しましたことと並行して行なわなければならぬと
考える次第でございます。長官は御着任以来、この点につきましてもきわめて親切にまた周到な御配慮になり、それに着々措置をせられていることもよく承知しておりまして、これに対しては深く敬意を表します。また、
隊員そのものもいろいろその待遇、それから環境の不自由、不便を克服しながら鋭意
職務に邁進しておるということを私は方々で実見いたしまして、まことに心強く感じております。ことに最近災害救援、それから公共事業に対する
自衛隊の出動の際に、単に
自衛隊が実力があるということを
一般の方に認識していただいたばかりでなしに、
隊員自体のきわめて旺盟な
責任感、敢闘精神、ことに厳正な規律のもとにおけるチーム・ワーク、こういう点について非常にいい感じを与え、これによって
自衛隊に対する信頼も私はますます高まってくるものと、これまた非常に喜びにたえないところであります。しかしながら、
隊員には今のように、一方におきましては貴重な
使命に対する自覚と誇りを持ちながら、他の二曲におきましては、まだ心なき一部の人たちから日陰者と見られることもありますので、いまだに肩身の狭い思いをしておる点も、これも私は現在の
段階においてはまだまだ見のがしがたい事実であろうと思います。理屈を言うようでありますが、いやしくも国の法律で作られた国の組織の中にあるものが、そういういわば卑屈なような気持でおるということであってはこれは相ならぬので、そういう原因は一日も早く払いのけなければならぬと
考える次第であります。もうその手段につきましては、私
どもが申すまでもなく、長官が十分御配慮になっております。私は、その中のほんの小さな一つございますけれ
ども、本年の予算
委員会におきまして、総理大臣、それから前
防衛庁長官に対して次の質問をしたのであります。その第一は、天皇陛下は目下至る所、国の津々浦々、小さな施設にまで臨御になっておるが、
自衛隊にはまだ一度もおいでになっておりません。それはどういう
理由であるか。第二点は、
自衛隊が天皇に対して栄誉礼をやっておらない。その
理由。たとえば、外国の大統領あたりを羽田に陛下がお迎えに出ますときに、外国の元首には栄誉礼をやるが、陛下にはやらないという点がどうもわからないのでございまして、そういう質問をしたわけでございますが、
場所柄もありまして、総理大臣も前長官も私が十分満足できるような御答弁がございませんでした。私もまた
場所柄を
考えまして、それ以上追及することを差し控えたわけでございます。
その二つの中で第一の点、すなわち天皇が
自衛隊においでにならないということは、これは
防衛庁限りの問題ではなくて、私
どもの知らない、
考えの及ばないいろんな
理由からきているのだろうと思います。が、この第二の点、敬礼をしないということは、事は小さいようでありますけれ
ども、これはもう私だけじゃないと思います。だれしも不思議に思うところではないかと思う。天皇に部隊の敬礼をする機会は、今後も私はたびたび生ずると思う。先ほど申しました外国の元首を羽田にお迎えになる場合、また、二年後には名誉総裁としてオリンピック大会に臨御せられるのであります。そういう際に、もし今のような
状態でありましたら、これは外国人が見て非常に不思議に思うんじゃないかという感じすらいたすのであります。申すまでもありませんが、私
どもは、天皇と
自衛隊との
関係を
一般国民以上の深いものにしようとか、あるいは憲法に
規定してありますところの天皇の地位をどうこうしようとかいうような
考えは、毛頭持っておりません。また、この議題を本
委員会の席上で持ち出すことはおだやかでないと思われる向きもありまするが、私は十分
考えました結果、すでに本年三月にこの問題について予算
委員会の席上で引き金を引いております。その私のねらいが正しかったか、あるいはどうかということを確かめたいと思う。ことにその中の第二の点、栄誉礼の点、これは現在の
法令の上から見ましても、これは長官独自の御所見を伺って差しつかえないかと思いますので、まことに恐縮でございますが、何分の御答弁をお願いをいたします。また、ぶしつけの点は幾重にもおわび申し上げます。