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鈴木強君 これは特に労働問題の面からも考える必要があると思いますけれ
ども、私は、組合側といたしまして、無理やりにやたらに反対しようなんということは思っていないのですね。あなたも御承知のとおり、
公社発足十年、いろいろな不備
欠陥もありますけれ
ども、とにかく今日四百万以上の加入
電話の創設をやり遂げてきた。しかも、その間にはずっと問題がありましたけれ
ども、賃金問題をとらえても、やみ賃金などといって、団交してきまった賃金を難くせつけてみたり、定員
措置にしてみたって、設備導入に伴う定員増をやってみたって、大蔵省あたりでばさばさ削られて、
公社の
要求する定員すら充足されないで仕事をしてきた。ここで、第三次五カ年計画に向けて、その一番重要な骨格になるこの新
料金体系の施行に対して、しからば労働
条件の問題に対しても、一体どういうようなことを
公社は考えているのか、その大綱はあなたもごらんになったでしょう。
電電公社からのこの第三次五カ年計画という
資料の中にも、二、三行書いてあります。生産性が向上すれば待遇をよくする、定員の問題についても多少書かれておりますが、そういう
程度のものしか出ていない。それはまた一面、
公社のほうからすれば、今の制約された
予算措置の中ではまだやれないと思うんですよ。したがって、こういう抽象的なものしか出せないことは私はわかる。一面、
公社経営者諸君に私は難くせをつけるということよりも、むしろそういう点の大筋について、歴代
大臣に、何回も私はここで言ったのですが、あなたも御承知のとおり、ところが理論的には、私の言うことに納得しておっても、やってみるとできなかったという、そういう遺憾な報告しか聞けなかった。そして第三次計画の中に入っているというのですが、
制度そのものについて、もっと抜本的に解決した上で、第三次がスタートせぬと問題がある。そういうふうなことですから、労働組合のほうにしてみても、もう少し合理化の進展に伴う労働
条件の向上というものが具体的にどうなるかという、せめて目安ですね、それからこの
料金体系は、市外の自動即時化の方向へいくのですから、そのために三万三千名の郵政を含めて要員
措置をしなければならぬ、六千名は、いずれにしても女子はやめなければならぬという、そういう
内容でございますから、ですから、そういうものに対して、今首は切らぬという確かな確証があると思うのです、私は労使間に。しかしそのことも、第三次以降になると、なかなかそう簡単にいかない事態がくると思いますから、ですから労働の事態というものは、どうなるか、それに対して、大体どういくのかという、そういう大綱すら労使間で話し合っていないでしょう、私はそれを伺っているのですが、ですから、組合のほうとしても非常に心配していることでして、そういうふうな問題を整理して、そしてそれはだれだって、組合員がこれを快くやれるかということは、
条件次第だと思いますが、問題があっても、組合員が喜々として新
料金体系を、みずからの手によって切りかえをやっていくという、そういう姿が出てこそ、国民も安心して
電電公社に仕事をまかすことができる、こういうことになると思う。そういうふうに案外、労働問題としてのとり方というものが、私は薄いように思うのですよ。しかし
事業は人であり、人がどう動くかということが経営のこつだと私は思いますので、そういう
意味から、労働者がどう考えているかということを、ほんとうに正しく把握していくことが必要じゃないか、私はそう思います。
ですから
大臣は何が何でもやるのだ、こうおっしゃる。しかし私はそれに対してはかなりの困難な情勢がありますよということをあらかじめ私は、ここで申し上げておきますよ。そういった起きる事態に対して、一体だれが責任を負うかということになると思う。あなたはまあ
政令を直接にきめる立場にある監督の
大臣ですから、それをきめたからには、最終的の責任はあるでしょう。おやりになるのはけっこうです。しかしそういう無用な混乱というものが発生しないとも限らぬという
——また今の状態だったら起きるだろうと私は思う。そういうこともありますから、せめて一カ月ぐらいの繰り延べをやって、この間にやったらどうでございましょうか。まあ役人さんというのは、大体きめたことは、そのとおりやらぬと、どうもまずいので、昔から何とか理屈つけても、きめたからにはやろうという気持が断るのだけれ
ども、これは
公社に私は言うつもりはないのですけれ
ども、
大臣は、そんなことはないと思うのだけれ
ども、だから、まあそうかなと思ったら謙虚にもう一回、そんなことは恥でも何でもないですよ。それは間違いだってあるし、いいほうに直すことは、まことにけっこうなんだから、それは
手島さんそういうふうにしたらどうですか。もう一回私は聞きたいのですよ。