運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-08-23 第41回国会 参議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年八月二十三日(木曜日)    午後一時五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     伊藤 顕道君    理事            鈴木 恭一君            寺尾  豊君            松平 勇雄君            光村 甚助君    委員            植竹 春彦君            郡  祐一君            迫水 久常君            白井  勇君            新谷寅三郎君            野田 俊作君            谷村 貞治君            久保  等君            鈴木  強君            永岡 光治君            白木義一郎君    発議者     鈴木  強君   国務大臣    郵 政 大 臣 手島  栄君   政府委員    郵政省電波監理    局長      西崎 太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       倉澤 岩雄君   説明員    郵政省電気通信    監理官     淺野 賢澄君    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君    日本電信電話公    社総務理事   米澤  滋君    日本電信電話公    社営業局長   大泉 周藏君    日本電信電話公    社施設局長   平山  温君   —————————————   本日の会議に付した案件公衆電気通信法の一部を改正する法  律の一部を改正する法律案鈴木強  君外七名発議) ○郵政事業及び電気通信事業運営並  びに電波に関する調査  (郵政省所管事項に関する件)  (日本電信電話公社事業概況に関す  る件)   —————————————
  2. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) これより逓信委員会開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ協議事項を御報告いたします。  当委員会定例日は、今国会は週一回、火曜日の午前十時に開会建前とし、必要があれば木曜日にも開会することを申し合わせましたが、今週は都合により本日開会し、公衆電気通信法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案提案理由聴取郵政大臣所管事項説明聴取電電公社事業概況説明聴取等を行なうことを打ち合わせましたので、御了承願います。   —————————————
  3. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) これより議事に入ります。  公衆電気通信法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案議題とし、発議者から提案理由説明聴取します。鈴木強君。
  4. 鈴木強

    鈴木強君 ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を簡単に御説明申し上げます。  昨年春の通常国会における公衆電気通信法改正により採用されることになりました新しい電話料金体系は、料金課金方式の大幅な変更を伴うものであるにもかかわらず、その内容に関する周知が徹底されておりません。  さらに、新電話料金実施にあたりましては、次のような問題が存しますので、準備に相当の時間をおくべきであります。  第一に、市外通話料金請求にあたっては、請求書通話内訳の記載をしなくてはなりません。特に長距離にわたる自動即時化にあたっては、このことが前提でなければならないのであります。  第二に、公社は、市内外料金登算を同一の機器で自動登算しようと意図していますが、これは秒単位の短時間による料金計算でありまして、登算装置の技能に完全な保証がなければならないのであります。  第三に、DSA(ダイヤル・サービス・アシスタント)台扱い通話料地域団体加入電話使用料など法定外郵政省認可料金は、十分な検討期間を置かなければなりません。  第四に、単位料金区域設定については、地方自治体の意見を取り入れるべきでその機会を設けるべきであります。  以上にかんがみまして、改正法施行を一年間延期する必要があるのであります。  以上が、この法律案提案する理由でありますが、次に、本法律案内容を御説明申し上げます。  公衆電気通信法の一部を改正する法律は、その附則第一項で昭和三十七度九月一日から同年十一月三十日までの範囲内において政令で定める日から施行することとなっておりますが、これを一年間延期して昭和三十八年九月一日から同年十一月三十日までに改めるものであります。  以上がこの法律案提案理由及び内容でございます。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。
  5. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 本案につきましては、本日は提案理由説明聴取のみにとどめておきます。   —————————————
  6. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 次に、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査議題といたします。  まず、郵政大臣より所管事項の概要について説明聴取します。  この際お諮りいたします。政府当局より手島郵政大臣病気中につき、着席のまま発言することをお許し願いたいとの申し出がありました。これを許すことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) では、さよう取り計らうことにいたします。
  8. 手島栄

    国務大臣手島栄君) 私は、このたびはからずも郵政大臣を拝命いたしたのでありますが、戦前、逓信省に勤めた経験はございますけれども、当時とは時勢も異なり、仕事の内容も大きく変っておりますので、今後は大いに勉強して参りたいと考えております。  幸い逓信委員各位は、郵政省所管行政に精通しておられる方々が多いのでありますので、皆様がたの御指導、御協力をいただきまして、この重責を果たしたいと思っております。  何とぞよろしくお願い申し上げます。  この機会郵政省所管行政現況等につきまして概略説明申し上げまして御参考に供したいと存じます。  まず、今国会において御審議をお願いいたします法律案について申し上げます。  郵政省設置法の一部を改正する法律案につきましては、第四十回国会において審議未了となりましたが、今国会におきましても第四十回国会の案をそのまま提出いたしております。  次に労働問題について申し上げます。  郵政事業は人力に依存する度合いが大きいのでありまして、業務を円滑に運行するためには、労使関係の安定をはかることが最も大切であると考えます。今後はより一そう正常な労使関係の確立に努める所存でありますので、各位の御支援を切にお願い申し上げる次第であります。  次に事故犯罪についてでありますが、従来とも事故犯罪の防止につきましては、正規の取り扱いを励行させるとともに、管理体制の強化、防犯意識の高揚などを強力に指導いたして参ったのでありますが、最近大きな犯罪が発生いたしましたことはまことに遺憾に存ずるところでありまして、今後ともさらに適切な施策を講じまして、事故犯罪の絶滅をはかって参りたいと考えております。  次に郵便業務について申し上げます。  郵便業務正常化につきましては、昨年以来要員の増強を初め、局舎施設改善業務取り扱い簡素化等逐次対策を講じまして、現在業務はおおむね順調に運行しております。  なお、今後も大都市を中心といたしまして局舎施設改善を進めるほか、事業近代化に資する諸施策の促進をはかって参りたいと存じております。  次に郵便貯金について申し上げます。  郵便貯金におきましては、ただいままでのところ順調に増加いたしておりまして、七月末日における現在高は、一兆三千八百三十二億円に達し、また、年度初頭以来七月末日までの増加額は、九百三億円で本年度目標額一千五百五十億円に対し五八%に達しておりますが、今後も関係職員協力を得まして目標額の完遂を期する所存であります。  次に郵便貯金利率につきましては、さる五月経済閣僚懇談会及び閣議におきまして、景気調整策に関する政府統一見解決定されたのでありますが、その中で金融上の措置一つとして、「金利調整機能を高める地ならしとして郵便貯金金利改定政令で行ないうるよう所要の法律改正措置を講ずること」があげられておりますので、郵便貯金利率政令で定める場合の方式利害得失などについて目下検討中であります。  次に簡易保険郵便年金について申し上げます。  簡易保険郵便年金の両事業につきましては、現在順調な伸張を見せておりまして、その契約高は二兆四千四百億円に達し、その資金総額は九千億円をこえております。  さきに第四十回国会において御可決をいただきました簡易保険郵便年金福祉事業団法によりまして、同事業団はさる四月二十七日設立の運びとなりました。皆様方の御協力に対し、厚くお礼申し上げます。今後は、事業団に対し適切な指導監督を行なって健全な発展をはかり、設立の目的を達成するよう努力する所存であります。  次に電波関係について申し上げます。  去る五月三十一日をもちまして免許有効期限が満了いたしました放送局の全部に対しまして六月一日付で再免許いたしました。このうち、標準放送局の再免許にあたりましては、外国電波による混信妨害に対処し、また、難聴地域の解消をはかるため、ラジオチャンネルプランを修正いたしました。このチャンネルプランの修正によりまして周波数変更されるものは、日本放送協会放送局が八十八局、一般放送事業者放送局が二十一局、計百九局であります。また、空中線電力が増力されるものは、日本放送協会放送局が十七局、一般放送事業者放送局が二十六局計四十三局であります。なお、これらの放送局は、十月一日を期し一斉に新周波数に切りかえることになっております。  次にFM放送について申し上げます。  七月二十五日現在のFM放送局免許申請数は、百七十六社三百六十八局に達しております。FM放送免許につきましては、その特質、あるいはこれがラジオ放送としては最後の媒体であると考えられますことなどにかんがみ、実施上の問題点等につきまして、なお検討を進めており、その結果を待って慎重に対処して参りたいと存じます。  次に宇宙通信について申し上げます。  去る七月十日米国においては、通信衛星テルスターを打ち上げ、テレビジョン放送中継実験に成功いたしましたことはご承知のとおりであります。  また、この中継実験には英国、フランスが参加しておりますが、さらに西ドイツ、ブラジル等の国々におきましても実験参加準備を着々進めている状況であります。わが国といたしましては、一日も早く通信衛星による大陸間通信実験に関する米国との取りきめを行ない、通信実験に参加することが必要と考えられますので、目下関係各省庁と連絡の上、外務省を通じて交渉を開始するよう取り運んでおります。  次に電気通信行政について申し上げます。  懸案でありました太平洋海底ケーブルにつきましては、さる二月、本ケーブル建設及び保守に関する協定認可を行ない、その後日米関係者間においてこの協定正式調印を終えましたので、一九六四年春完成目途として建設に着手したところであります。なお、その建設資金につきましては、外債等により調達することとし、目下国際電信電話株式会社において相手方と交渉中でありますが、ほぼその見通しを得た模様であります。  一方東南アジアケーブルにつきましては、関係諸国政府と、その実現可能性検討するため、去る四月東京におきまして関係国際会議を開催いたしましたところ、各国ともその必要性を認め、その実現のために必要な本計画検討をさらに進めることとし、また、近い将来に第二回会議を開催しようということで意見の一致を見たのであります。わが国といたしましても、これら各国の動きを見ながらケーブル実現についてさらに一そう努力いたしたいと考えております。  以上をもちまして、概略のご説明を終わります。
  9. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 次に、日本電信電話公社総裁より事業概況について説明聴取します。大橋総裁
  10. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 電信電話事業につきましては、平素格別の御配意と御支援を賜わっておりまして、まことにありがたく厚くお礼を申し上げます。  ただいまから公社の最近の事業概況につき御報告いたしたいと存じます。  まず、本年度経営状況でありますが、三十七年度予算におきましては、事業収入を三千二百四十四億円と見込んでおりますが、六月末現在におきます実績は七百七十二億円でありまして、二三・八%(前年度は二五・五%)の達成率にとどまっております。これは最近における一般経済界の情勢を反映して電報・電話につきましても、若干利用減少傾向が現われてきたためと考えられますが、公社としましては、予算に予定した収入額を確保するため努力を重ねて参る所存であります。  建設勘定につきましては、成立予算額は二千百二億円でありますが、これに前年度からの繰越額百三十五億円を加え、建設工事総額は二千二百三十七億円になっておりますが、六月末におきます支出額は六百三十二億円でありまして、二八・三%の進捗率となっております。これは前年度同期の二二・四%に比しきわめて順調に進捗いたしておるわけであります。  また、加入電話増設数は十三万四千、公衆電話は六千でありまして、年間予定のそれぞれ二二・三%及び二三・〇%を消化しており、その結果、六月末における加入電話の総数は約四百二十八万六千加入公衆電話の数は十四万八千となりました。  次に、第三十八国会において御審議を賜わり成立を見ました公衆電気通信法の一部を改正する法律による料金改定でありますが、その実施時期は機械設備改造等準備が必要でありますので、法律附則で本年九月一日から十一月三十日までの間において政令で定める日となっております。  公社としましてはその実施にそごのないようにするため、法律附則に基づき昨年七月三十日から距離別時間差法による自動市外通話について、八王子局等十局において、また、三分・一分制による手動即時通話について、岐阜局等八局において試験実施を行なって参るとともに、本実施のため機械設備改造等の諸準備につきましても、法律成立以来鋭意努力を続け実施に遺漏なきを期しております。  以上簡単でございますが最近の公社事業概況説明を終わります。
  11. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) これより本件に関する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  12. 鈴木強

    鈴木強君 手島郵政大臣は、御就任後健康を害されておるようでありまして、本来ならばきょうも私は、大臣に対する質問は御遠慮するつもりでおったのでございますが、どうしてもお聞きしなければならない点がありますので、一つ二つお尋ねしたいと思いますが、その一つは、先ほど私が提案理由説明に出しました公衆電気通信法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、この件についてであります。ただいま大橋総裁からも御説明がございましたように、本年の九月一日から十一月三十日までの間に、政令によって施行をきめる、こういうことになっております。私たちは前国会におきましても、いろいろと御意見は申し上げました。しかしその後、新料金体系移行への諸準備変更を見ますときに、公社諸君の非常な努力は私たち率直に認めますが、なお、それにもかかわらず、われわれの心配が残ってるわけであります。したがって、万全な御配意をいただいて、その上で完全に実施をするということが、特に距離別時間差法という異例な画期的な料金体系に移行するというのでありますから、対国民への周知という点を考えまして一年間延期をなさったほうがよろしいという判断をもちまして、今国会に八月十八日に提案をいたしたのでありますが、その後承るところによりますと、二十日の次官会議政令を発することがおきまりになり、さらにまた、二十一日の閣議で御決定になったそうでありますが、一体大臣は、日本社会党がこの法律案提案をしていることを御存じの上でやられましたかどうですか。ひとつこれをお尋ねしたいと思います。
  13. 手島栄

    国務大臣手島栄君) 法律に基づきまして施行日を大体九月三十日にしたいということは、電電公社ともよく相談をいたしまして、前から大体きめておったのでありますが、その後社会党のほうでやや違った御意見があるようなうわさを聞いておりましたが、実は私としましては、閣議決定の日まで、正式に法律提案されたということは知らなかったのでありまして、社会党法律案が出たのを知って故意にやったというようなことはございません。
  14. 鈴木強

    鈴木強君 本来ですと、ここらあたりで少し意見を言うべきですが、まだ御病気大臣ですから私も遠慮をしますが、しかし大臣として、やはり大事な法律改正等につきまして、国会状況等も十分に把握される必要が私はあろうかと思います。なお、補佐をされておる官僚諸君もあるわけですから、絶えず大臣との御接触を保っておるならば、大臣が知らない間に、こういう法律案が出ておるのを知らなくてやったのだ、こういうことはなかったと私は思うのでございますが、非常に参議院として、私は一つの汚点を残したように思います。これは与党であろうと野党であろうと、法律改正は自由でありましょうし、また一面、法律建前から申しますと、郵政当局がどういうふうな御決定をしても、現行法律がある限りにおいて、私たちはそのことについては責めません。ただ九月三十日を目途実施しよう、そういうお考えがあるときに、野党であるわれわれが、少し慎重になさったらどうですかと、その法律案内容についてどうとかこうとかと言うならまた別でございますけれども、念には念を入れて慎重な御配慮の上でやったがよろしいということで出したわけですから、せめてこの法律案が出てきた以上は、私はその政令公布というか、政令として出す御決定は、法律案件審議経過等を十分見きわめての上でやったほうがよかったのじゃないかと私は思うのですが、きょう私はここで深く考え大臣に申し上げようと思いませんが、そういうふうに知らなくてやられたとすれば、残された道はやはりあると思います。ですからそういう点について十分ひとつ御配慮をいただいて、少なくとも国会にこういう、野党であっても法律を改めようという意思が出ておる限りにおいては、政府法律でできるからといってそれをやるというようなことは、やはり政治道義としても、国会審議権の問題からしても、私は慎重に扱っていただきたいと思いますので、最善の御努力、善処をひとつ大臣に要望しておきます。
  15. 久保等

    久保等君 ただいまの政令の問題でお尋ねしたいと思いますが、閣議決定といっても、これはいろいろきめ方があると思います。たとえばいつから実施するか、いつの日付にするかという問題なんですが、このことについては、別に閣議として特別に日をきっちりきめてしまったということじゃ私はないと思うのですが、大よそのめどはこれはきめておられるにしても、きちっと日付をおきめになったのじゃないと思うのですが、その点はどうですか。
  16. 手島栄

    国務大臣手島栄君) 大体のことは見当をつけておりましたが、公布の日をいつにするかということは、絶対に動かせないという問題ではないと思います。
  17. 久保等

    久保等君 だから、閣議を持たれることは政府の自由ですし、また、いろいろ御相談を願うことも勝手だと思います。ただ現在の段階で御考慮を願わなければならぬことは、やはりスムーズに円滑な事業運営の問題は一番これは、特に監督官庁である郵政大臣として、重大な関心を持っておられることだと思うのです。当初から一応の見通し計画を立てて準備はしてこられたでしょうが、しかし、何月何日から実施するという最終的な日取りの判断の問題については、やはり最後まで私は十分に四囲の状況等判断して御決定になるべき筋合いのものだと思います。したがってわれわれは、先ほどちょっと鈴木委員のほうからもお話がありましたが、いろいろ準備にも相当手間取る内容があったので、事実一年有半にわたって準備を進めて参っているのですが、私はこれらのこともこの国会を通じてぜひいろいろ進捗状況をお聞きいたしたいと実は思っておるのです。これは直接郵政省にお尋ねするよりはあるいは電電公社に聞いたほうが適当かもしれませんが、いずれにしても一年余の日月を費やして準備をしなければならぬというほどの公社自体についても、機械的な問題についても問題なんです。ところが、また一般利用者立場からすれば、なおさら、料金内容そのものについても変更のある内容を含んでおりますだけに、十分国民理解協力を得なければならぬという問題だと思います。したがって、おふれのような形で天下り式にやってしまえばいいんだという性格のものじゃさらさらない。したがって、一般国民十分周知徹底をはかる、同時に、理解をしてもらうということが、これは公社並びに郵政当局立場からいっても当然のことだと思う。そういう準備あるいは一般国民理解という問題の点から考えてみても、私は相当、今日の時点から考えると、やはり相当問題があるのじゃないかというふうに判断をしておるのです。最後のキー・ポイントを押す立場にある郵政大臣としては、そこらの判断は十分御考慮を願いたいと思っておりますし、それから先ほど鈴木委員が私どもの党を代表した形で提案趣旨説明を申し上げたのですが、これらの問題もそういう準備を万端にして、国会においても、われわれ自体も十分にひとつ内容の点について理解をしておきたいし、また利用者立場からいえば当然のことですから、そういった点について十分の私は時間的余裕を、かりに内容そのものについて問題がないのだとしても、そういう準備が必要であると思うのですが、事ここに及ぶと、そういう点でも一日二日あるいは四、五日を争ってどうこうという問題よりも、やはりいかにこれが円満に各方面の理解協力を得るかという判断についての最後の私は権限が与えられておるのは郵政大臣だと思う。そういう点からひとつとくとその点の政治的御判断——いい意味においての政治的な御判断をお願いしたいと思います。その点郵政大臣から承っておきたいと思います。
  18. 手島栄

    国務大臣手島栄君) この問題につきましては、法律案社会党から出されましたので、その取り扱いをどうするかということは、内閣とも全部相談をいたしております。それから国会対策のほうもこの問題について協議をいたしております。これらの関係のところの意見が一致しましたところで、それに従って善処したいと、こういうふうに考えております。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 これは大臣にあとでちょっとあなたのお考えを伺っておけばけっこうですけれども、実はオリンピック東京大会のために政府はいろいろと……。
  20. 永岡光治

    永岡光治君 ちょっとその前に、これは郵政大臣よりもむしろ事務当局のほうに大臣からひとつ御注意いただきたいと思うのですけれども、ただいま政令実施期日についての問題について鈴木久保両氏から質問されておりますが、どの党であれ、法律改正案国民を代表する国会議員意思として国会に出されている以上、その意思について結論が出されるまで先ばしってやるということは、理論は別として私は道義上の問題としては慎重な態度をとるべきじゃないだろうか、このように考えておる次第です。そこで昨日鈴木委員より、衆議院で予備審査ではありますけれども、提案理由説明があったわけでありますが、郵政当局は、すでに法律案提案されているということは、最悪の事態といえども、その時点において承知しておるはずだと私は思います。したがって、そういう事態を承知するというのであれば、公布の手続が進められておったにしても、しばらくその点について慎重な考慮を払う何らかの相談大臣にあってしかるべきではなかったか、私はこう思うわけであります。しかも、これは真偽のことは私はここでは追及しようとは考えておりませんけれども、事務当局のほうから、参議院当局法制局であるか委員部であるか私は承知いたしませんが、郵政当局のほうに、十八日にこれは提案されてから直ちに提案されたという事実をどなたか知りませんけれども、郵政当局のほうに通知をしたと、こう承っておるわけであります。そうであるならば、なおさらのこと、そう私はあわててやるべきものではないのじゃないか、もしやるとしても、事前に間に合わなければ間に合わないように、一応私はこれは御相談があってしかるべきではないか、しかも、会期は九月二日で切れるわけでありますから、この法案についての結論を出そうとすれば、二日までに結論が出るわけでありますから、私はそうあわててやるべき筋合いのものではないのじゃないか、このように考えているわけでありますから、どうぞ今後とも、こういうことは二度と繰り返されてはならない性質のものでありますので、十分ひとつその点を御勘案をいただくように特に私は要望しておきたいと思うのです。
  21. 手島栄

    国務大臣手島栄君) 永岡委員のおっしゃることはごもっともでございます。今後は十分注意をいたします。
  22. 鈴木強

    鈴木強君 大臣オリンピック東京大会に対処するために、政府のほうに閣僚で懇談会を持っておられますね、私はこの閣僚の中を見たときに、郵政大臣が構成員になっておらない、オリンピックの特別委員を私はたまたまやっております。川島担当大臣に、それはおかしいじゃないか、とにかくあなたの報告を見れば通信ということについては一つもこの報告書に書いてないけれども、東京オリンピック大会の開催については、この模様をいかに全世界に報道するか、約千名近い記者諸君が来られるそうですから、それに対しては、今かりに太平洋海底同軸ケーブルが一九六四年ですか、完成したとしても、これはテレビ中継できない、だから、テルスター等も当然使わなければならないでしょう、キャンプ村に対する通信の施設、いろいろと出すべき通信のウエートは重いと思うのですね、ところが、それの担当の主管大臣が構成員に入ってないのはおかしいじゃないかと言ったのですが、そういう通信についてはどうも関心がないように私は見受けるのです。この閣僚懇談会は六月一日に作っておりますので、あなたが大臣になる前だと思うのです。前の大臣も選挙で忙しかったんでしょうからうっかりしたのかもしれぬが、こういうところに入って、通信に対する発言権というものを十分つかんでおく必要があると思うので、これは川島さんにも言っておきましたけれども、それをあなたひとつ閣議で発言して下さい。まだあなたにお話がなかったんですか。僕はあなたと相談してさっそくやってくれと言ったら、御要望に沿うという話がありましたけれども、話はなかったんですか。
  23. 手島栄

    国務大臣手島栄君) この問題についてはまだ話を聞いておりません。
  24. 鈴木強

    鈴木強君 それじゃひとつ、これはいろんな問題がありますので、ぜひ発言して下さい。  それからついでに伺いますけれども、今テルスターのことで、これは大臣でなくていい、電波監理局長来ていますね。
  25. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 来ております。
  26. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと説明の中に入っておりますけれども、すでにアメリカでは七月の十七日に上院で衛星通信法案というものが通りまして、その内容を見ると、日本もそれに地上局として参加してほしいということが五ページに書いてある。したがって、着々準備を進められておると思いますけれども、東京オリンピック大会までに具体的にどういうふうにしようとするのか、結論だけひとつ聞かして下さい。
  27. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) この問題は、結局はアメリカの通信衛星利用するということになると思います。そういう意味でアメリカの航空宇宙局と覚書を結んで国際実験計画である地上委員会というものに参加するということが前提になる、そういう点は今これから折衝を始めようという段階でございます。  それから国内の態勢はどうかと申しますと、この衛星通信というものは非常に大がかりなものでございまして、政府としましては、郵政省電波研究所がある、それから当然将来衛星通信が実用化しました暁は、国際電電がこの地上局を運営するということになると思いますので、国際通信の実用化という面からこれに協力する、こういう関係で、さしあたっては通信衛星につきましては、現在飛んでおりますのはテルスターというものでございますが、近いうちにそれと別個のリレー計画によるリレー衛星というのが打ち上げられる予定になっております。このテルスターは国際電電が担当する、それからリレー衛星は電波研が担当する、こういう分担関係で、できるだけオリンピックまでに準備が完成するようにもっていきたいということで今準備を急いでおるわけであります。
  28. 鈴木強

    鈴木強君 この衛星通信法案というのはお手元にありますか。
  29. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 政府提出の衛星通信法案というものはございますけれども、今回通過いたしました衛星通信コードというのが、この原案から修正されているかという点は実ははっきりしておりませんが、至急調べまして提出いたしたいと思います。
  30. 鈴木強

    鈴木強君 何か聞くところによると、今月か来月国際宇宙技術研究会議とかいうのが東京で開かれるという話も聞いているのでございますけれども、名前はちょっと違うかもしれませんが、そういう趣旨のものが。その際、日本に実情調査という意味で向こうから見えるという話を聞いたのでございますが、可及的すみやかに通過した法律を取り寄せてわれわれにもくれませんか。
  31. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) その法案は御提出いたしたいと思いますが、ただ、先ほど御指摘の今回の実験計画のものと、それから衛星通信法案とは直接は関係ないわけでございます。それでちょっと念のために申し上げますと、実はこの八月の二十七日から約一週間、東京で日本ロケット協会というのがございまして、そこの主催で国際的なシンポジュームが開かれます。その名前は宇宙科学及び技術に関するシンポジュームということで、これはアメリカだけでなくして世界各国の宇宙関係の学者が集まってそこで討論をするということになっておりまして、たまたまその機会にアメリカの航空宇宙局の幹部の方が来られる、そういうわけでそういう機会利用して今の覚書交換に必要な技術的討議をやりたい、こういうわけでございます。
  32. 鈴木強

    鈴木強君 法律案を見ないとよくわかりませんけれども、宇宙衛星通信法というものに基づいて何か会社が設立されるようなんですね。これは営利会社ですけれども、政府の監督のもとにやられるということを聞いているのですが、そういう会社等と技術提携その他地上局にも日本が参加するかどうかという問題をやるのか、あるいはNASAのほうとやっているのか、その点はどういうふうに考えておられますか。
  33. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 今の衛星通信法案によって考えられております通信衛星会社というものと、それから今のもう一つの実験計画とは直接的な関連はないわけでありまして、衛星通信会社法のほうは、これは通信衛星が実用になった暁に衛星通信の運営機構ということで考えられておるわけでありまして、もう一つの今さしあたって問題にいたしておりまするテルスター、あるいはリレーを使う通信衛星の実験計画へ参加の分は、これはアメリカの航空宇宙局と実験に必要な覚書を結ぶ、こういうわけでございまして、両方直接的な関係はございません。
  34. 鈴木強

    鈴木強君 議事進行にも関係しますけれども、ほかにもし大臣に御質問があれば、私はもう大臣にはきょうは差し控えておきますのでやっていただいて、なければ事務当局からもう少し聞きたいと思っておりますが、大臣にもし……。
  35. 久保等

    久保等君 昨年の公衆電気通信法の一部改正、すなわち料金体系改正内容とするものですが、これに関連する郵政省として省令をすでに出されたものもあるでしょうし、それからまた、これから出されるものもあると思いますが、全部で幾つになりますか。
  36. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) まだ出しておりません。ただいま研究中であります。
  37. 久保等

    久保等君 出したのもあるんじゃないですか。試験的にやるものについては、すでに省令で実施をしておるのじゃないですか。
  38. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) 訂正いたします。試験的実施に関する省令というものを一つ出しております。
  39. 久保等

    久保等君 これから出すもの……。
  40. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) これから出します分につきましては、省令におきましては一つ、あとは認可事項、こういったものであります。
  41. 久保等

    久保等君 すでに省令を出したものは省令、それからこれから出す予定のもの——省令案、これをひとつできるだけ早い機会に当委員会に御提出を願いたいと思います。委員長のほうからひとつ要求を願います。
  42. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) ただいまいろいろ準備いたしておりますが、大体準備できました場合にはすみやかに出します。
  43. 久保等

    久保等君 誤解のないようにちょっと念を押しておきますが、施行期日のことについては、もちろん政令でやることになりますが、それを除いた省令の関係の案、ないしは出した省令、これをお出し願いたいと思うのですが、そうなると、省令案なるものが、今監理官の言われる、あるいは目下作りつつあるというのがあるのかもしれませんが、結論というか、案ができ上がっておらなければこれは仕方がないのですが、でき上がっておる案なるものがあれば、ひとつお出しを願いたいと思います。
  44. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) 省令の案、省令自体というものになりますと、これは私どもなお慎重に考えなければいけないと思いますが、大体のどう運んでいくかということにつきまして、でき次第御提出させていただきます。
  45. 久保等

    久保等君 それはやはり相当日数がかかるのですか。だから、念のために申し上げますと、別に内容の機密にわたる問題を事前に知らせてもらいたいとかなんとか言っているのじゃなしに、法律の中にきめてありますものは、大体基準みたいなものは省令で定め、それに基づいて電電公社がさらにその基準に基づいて具体的に措置をとってこれを公示する、こういうような内容だと思うのです。したがって、基準的なものは省令として出す。もちろん日付公社で公示する日と同じ日になるのだろうと思いますが、案そのものについては、相当前から時間をかけて検討しておる問題だと思う。したがって、あまりしかつめらしく案なるものを国会に出すのはどうかとも思うし、あるいは常識的でないかもしれませんが、私は特別支障はないことだと思う。したがって、案とはいいながら、ほとんど固まってしまったものであるはずなんですから、そういった省令として出す基準、そういったものについての郵政当局考え方、これがわれわれとしては知りたいところなんですが、形式的な問題にあまりとらわれないで率直にひとつ資料をお出し願いたいと思います。
  46. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) 大体の趣旨を了承してそのように取り計らいます。
  47. 久保等

    久保等君 郵政大臣に対しては、先ほどの所信表明に対しても逐一いろいろお尋ねしたいことがあります。しかし、私はきょうのところは、大臣も就任ごあいさつをせられた初日でもあるし、御健康も必ずしもすぐれないようでもありますので遠慮いたしますが、しかし、いろいろ問題が非常に多いわけです。特に予算編成を控えて、郵政当局としてもいろいろ基本的な方針等を目下作成しつつあるのじゃないか、そういう基本的な方針等についても、お尋ねを各事業部門ごとにいたしたいのですが、きょうのところはその点差し控えておきたいと思います。  それで繰り返して申し上げますが、一番劈頭に申し上げた料金改定以降の問題についての郵政当局の御判断については、大臣立場から賢明な、しかも、慎重な御判断を繰り返して要請を申し上げて、きょうの私の大臣に対する質問は遠慮いたしたい。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 今の淺野監理官、省令の内容についてちょっと知らしてくれといったことに関連して、あなたのほうでは、この新料金の問題についても、三十六年七月十七日、郵政省令第二十三号によって、特に市外通話料金の試験的実施に関する省令というものを出されておりますね。これは確かに東京対名古屋間における非常に電話の輻湊する加入者を相手にやっておるわけですね。これは新料金体系を一部すでにやっておるわけです。さらにまた大阪に向かってやろうとするというので、それがあなたのほうに行っておるでしょう。そういうものを見せてくれというのです。それは出せないのですか。
  49. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) 内容は提出いたします。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 それから、電波関係について二つ質問しますけれども、簡単に結論だけでけっこうです。問題になっております十二チャンネルの米軍からの返還は、ことしの暮れまでには可能だと聞いておりますが、そうすると、このチャンネルをどう使うかということは関心があるのですが、ちょっと仄聞しますと、電波監理審議会のほうで結論を出されたように聞いておるのですが、そうすると、その結論は、科学技術の教育的な放送をやるのがいいだろうという結論に聞いておりますけれども、郵政省はその結論どおりに今やるつもりでございますか。
  51. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 先般テレビ局の免許の前提になりまする第一次テレビ・チャンネルプラン変更をいたしまして、東京には、御承知のように従来NHKが二局、それから民間放送四局、これだけチャンネルの割当があるわけです。さらにこの十二チャンネルの返還ということを予想いたしまして、これが返還された暁は、そのチャンネルは科学技術教育を主とする一般放送事業者の教育専門局に割り当てる、こういうふうにチャンネルプランを修正をいたしたわけでありまして、したがいまして、一応チャンネルプランといたしましては、そういう用途に十二チャンネルは充当するのだということを、これは電波監理審議会の答申もその政府原案を妥当と認めるということでありますので、そういうふうに確定をいたしたのでありまして、あとは、そういうワクの中でどこを免許するかという点が残されておるわけであります。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 確定したということですが、それならちょっと伺いますがね。今、NET教育テレビがありますね、第十ですか。ところが、経営を見ますと教育的な放送はなかなか困難なようなのですね。したがって、何か私も不安だけれども、はっきりしたことは覚えておりませんが、アメリカあたりは多少、補助金的なものを政府が出して、そういう教育放送に対してもめんどうを見ておるように聞いているのですけれども、今の十チャンネルの教育放送なんかも、われわれは新聞等だけで、内容はよくわかりませんがね、多少軌道に乗り始めたようですけれども、さらに困難に聞いておりますが、はたして科学技術方面の、そういう専門的の放送局としてスタートした場合に、その辺を政府は何かお考えの上でやらせようとしたのですか。そうでなくて、認可だけして、自主的にやらせようとする従来の態度とちっとも変わってないのか。当然これは、十二チャンネルをそういうような方向に持っていくとすれば、今の十チャンネルの関連がくると思いますけれども、それらに対する配意というものは、全然やらずにきめたわけですか。
  53. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 十二チャンネルの用途は、そういうふうに決定したわけでございます。これをどこに免許するかという免許処分を決定する場合に、先生のおっしゃいました経営形態、そういう点を十分配慮すると、そういう考え方でございます。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 この件については、申請者が四つですか、五つですかになったと聞いておりますが、したがって、いろいろ、それぞれの立場で争奪戦が行なわれたようですけれども、これは、政治的な立場は離れて、正しい方向を打ち出してやることがいいのでありますから、審議会の結論が、政府のお考えになっているようなものと一致したということはけっこうですけれども、今後は、これの実施については、今言ったような問題もありますので、かなり私は、科学技術方面に対する教育宣伝というものも大事だと思いますから、政府としても、行き当たりばったりでなしに、かなり慎重な態度で配意せられるようにお願いしておきます。  それからもう一つは、FMの問題ですが、今、東海とNHKと日本電波放送と、三つに実験放送をさしておると思いますが、それで、今もお話を聞きますと、百七十六件、三百六十八局の申請があると、迫水さんは、前に何かだいぶ、免許申請に対して、早く許可するようなことをおっしゃったのだが、今度の手島さんになってみると、非常に慎重論を唱えていると、すでに実験放送はかなりの年月がたっておりますし、電波塔を追加する場合にも私申し上げましたけれども、東海とNHKの実験放送によって、日本のFMを将来どうするかということは、十分に測定できるだけの資料がつかめるという判断で二局免許したと、ところが、途中から、日本電波放送が入ってきて、しかも、これを独占しようとするような形のものですから、私は反対しました。これは、途中から合体してやってもらったのですが、そういうような経過もありますので、もう私は、そろそろ日本のFMはどうしたらいいかという、実験放送等の結果に基づく問題と、それから政治的な判断を含めて、踏み切る時期に来ているのじゃないかと思うのです。一体これはどうなっているのですか。われわれにも、そういう結果がどういうふうになっているかということも、具体的な資料は示してくれませんから、わかりません。非常にこれは私は不満なんです。もう少しこの実情というものをわれわれにも説明してもらいたいし、それからこれだけ山積している免許を、どういうふうに持っていこうとするのか、そういう方針すらまだ遅々として進んでいない。一体、これはどうしようと考えているのか、大臣は。大臣がいればいいのだけれども、からだが弱いものだから、あなたに聞くのだけれども、ひとつお答え願いたい。
  55. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 先生の今おっしゃいましたように、この問題はやはり大臣からお答えいただくのがしかるべきではないか。ただ、私から経過的なものをちょっと申し上げさしていただきます。  第一点としまして、電波塔の実験でございますが、これは、一応その実験は完了しまして、現在はもう開始されているわけであります。東京はNHK一局とそれから東海大学、この二局が実験放送をやっている。それからもう一つFM放送の扱い方の経緯でございますが、実は省内に、昨年九月から、FM放送調査会——これは次官が会長でございますが、できまして、日本におけるFM放送のあり方という、そういう課題に取っ組んでおったわけであります。昨年の末に一応その問題点の所在を整理しました中間報告を出しました。それから本年になりまして、この四月に、その調査会のこういった問題についての、大体考え方というものを、当時の郵政大臣が、当面の見解という格好で発表されたわけでございます。それで、これにつきまして、その後いろいろと意見が出て参りまして、それと同時に、郵政省としましても、FM放送に対する海外事情を調査するために、調査団を派遣いたしまして、そういうわけで、もう一度、この問題はFM放送調査会に差し戻して、そこでこの原案についての各方面の意見あるいは海外調査団の意見というものをよく把握しまして、再検討するという、こういう段階にあるわけでございます。
  56. 鈴木強

    鈴木強君 FMも一つの画期的なものですからね。それをどういうふうにするかということは、拙速であってはいかぬと思います。ですから、十分に配意した上できめておきませんと、あとあとまで、悪い点がありますと、弊害を残しますので、そういう点における慎重論はいいのですけれども、どうも政府の方針が右へ行ったり左へ行ったりして、非常にそのときどきによって変わっている。やろうとすれば今度また違った要素が出てきて、また今度海外に視察団を出して、浜田さん以下お帰りになったようですから、そういう点をまたお聞きになってきめるでしょうけれども、一方、これは、国民立場から見ると、できそうだと思っていると、また延ばされてしまっている。郵政省は一体何をやっているのだという憤懣もあると思いますので、すみやかに、できるだけ早い機会に、御結論をお出しになったほうがいいと思いますけれども、そういう点について、ひとつ局長としても御配意いただいていると思いますけれども、なおひとつ一そうの御協力をいただいて、御推進していただくようにお願いしておきます。  これで、私は郵政関係のほうは質問を終わりまして、公社のほうに一つ二つ伺います。  最初にお伺いしたいのは、昭和三十七年度予算と実績について、大橋総裁から御説明いただきましたが、六月末現在において、七百七十二億円の実績を上げて、二三・八%になっております。前年から比べるとちょっと落ちているようですけれども、これは一般経済界の推移を反映して、量が減ったというように書いてありますけれども、私は、あの三十七年度予算編成の過程における大蔵省と郵政省との電電公社予算の折衝段階で、実は、この前も私が指摘したように、たしか百十三億ぐらいの収入増を、強引にこれは内部資金の調達のために水増しされた経過があるのです。そういう点から見て非常にむずかしかろうというわれわれは判断をしておったのですけれども、やはりここに出ていると思いますね。さらに、今皆さんがやろうとする新料金体系に移行すると、三十億の減収になるというように言われているのですから、はたして目標三千二百四十四円億というものは、完全に消化できる見通しの御確信があるのかどうか。これは建設財源との関係もありますから、あえて聞いておくのですけれども、もしできるならば、私は、今ここでの御答弁はけっこうですから、後ほど各通信局別の、各県別の予定収入と実績の何か表みたいなものがありましたら、ぜひいただきたいと思いますけれども、ここでは、一つのこういうふうな方針、態勢ではたして予定どおりの建設財源というものが自己資金として捻出できるのかどうか、ちょっと心配がありますから、その点をひとつ伺っておきたいと思います。
  57. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) ただいま御指摘の減収の問題でありますが、これは先ほども御説明を申し上げましたとおり、予算に予定したものに比べて多少減収の傾向にあることは、そのとおりであります。今後経済界の状況その他いかんによりまして、本年度としてはどの程度になりますか、今から予断はできないので、私どもとしては、できるだけ増収につとめて参りたい、かように考えておるわけであります。  これはもう、鈴木先生すでに御承知のことでありますが、公社ができまして、ちょうど十年になるわけであります。その間に経済界の不況と言いますか、その状況によって減収が現われたのは今度で三回かと思います。二十九年度においても当時相当の減収が現われました。このときは閣議決定及び公社としての考え方によって、相当建設計画も多少実は影響したのであります。それから三十二年度においても第二回の減収の年がきたわけであります。この年も最初だいぶ建設を手控えるようにということで私ども警戒しておったわけであります。そのときは、幸い年度半ばからだいぶ状況が好転いたしまして、大した減収を見ずに済んだと思います。したがって、多少の繰越額が増加したという程度で済んでおります。したがって、今回の減収が三十二年度状況で済むか、また二十九年のときの状況のようなことになるかということは、今後の推移に待たなければならないと考えております。私は十分注意をいたしておる次第でございます。
  58. 鈴木強

    鈴木強君 それから東京中央電報局の中継機械化の実施につきましては、この前の国会で、久保委員のほうからたしか質問があったと思いますが、その後私たちの知るところによりますと、八月十八日に約六万通の切りかえが実施できたようでありまして、われわれもどうなるかと思って心配しておりましたものの一人としてはよかったという気持もあります。それでこれは非常に大事な問題でありますので、この説明書の中に私はあると思ってみたのですがないので聞くのですが、一体この切りかえというのは、今後全面的な実施の問題とどういうふうな影響があるのか、この切りかえによって、すべて終ったというふうに判断していいのか、これをちょっと伺っておきたいと思います。
  59. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) ただいまのお尋ねに対してお答えいたしますが、この問題は、前国会のときに久保委員より質問がありまして、当時その時点における状況だけを御報告申し上げたのでありますが、今度いよいよ実行いたしましたので、あらためて御説明概略申し上げたいと思います。詳しく御説明申し上げると、やはり技術の問題が主になりますので、私からはごく概略のことを申し上げまして、技術に関すること等は、技師長からさらに申し上げて補足していただきたいと思います。  電報の中継機械化の改式につきましては、電信事業近代化の一環としまして昭和二十八年三月に水戸電報局を移行しましたのを皮切りといたしまして、すでに全国二十二局が改式を終っておるのであります。このたびの東京中央電報局の中継機械化は本年の三月三日を目途として、もろもろの準備を進めておったのでありますが、最終の総合試験の段階において、中継交換設備の疎通能力について一部不安定の要素のあることが発見いたされたので、電報取り扱い上の安全を期しますために、計画の一部の変更を行ないまして、これに伴って必要な器具工具等のために改式を延期するのやむなきに至ったわけでございます。その後交換式の設備能力並びに機器の改定、回路の安定等につきまして万全の対策を講じて参ったのでありますが、疎通能力の点につきましては、当初予定しておりました東京中央電報局の取り扱い約十二万四千通の電報通数は東京中電のTX5型の中継交換設備によりまして約六万通を疎通し、他局の既設中継交換設備による迂回中継で約一万九千通を疎通いたしました。その他百十五番によって受け付ける三万六千通を含めまして残りの約四万五千通を手中継で疎通せしめることによって疎通が十分可能であることが確認されたのであります。また機器の改造、回路の安定度の点につきましては、各機器の負荷の均衡をはかりまして、マーカーの起こり得る通数を軽減いたしまして、これに関連する回路の改造を行ないまして、なお各機器の清掃なり、点検並びに調整を実施いたしました結果安定度等についても確信が持てる程度に確認されたのでありまして、そこで去る八月十八日の午後十時中継機械化の開始を行なった次第でございます。  それによりまして電報の送達時間も国内経過時分が従来平均三十分から十分程度に短縮されました。また誤謬率も相当減少いたす見込みであります。なお全面実施につきましては今回実施されましたTX5型中継設備及びTX6型の中継設備を新たに併用いたしまして、昭和四十一年度目途実施いたすべく目下準備検討中であります。  これに関連いたしまして技術的専門のことは技師長から補足をさしていただきます。
  60. 米澤滋

    説明員(米澤滋君) ただいま総裁から御説明申し上げましたが、なおこれを補足いたしまして、ただいま改式をいたしました状況並びに今後の全面実施の問題につきまして御説明申し上げます。  従来のTX4型といいまして、これは東京以前に使っておりました全国の二十二局で採用して参りました中継方式、これは一段式、いわゆる制御するほうが一段式でありましたが、東京のものは疎通数が非常に多いために、これを三段式の共通制御に直した、ということは前回申し上げたわけです。この三月の三日の改式を一応予定しておりましたけれども、二月の中旬に最終的な総合試験で特に疎通能力が十分でないということが実験の結果判明いたした。これはマーカー群の動作時間が当初約二・五秒でいくというふうに考えておりましたところが、実際にそれが五秒程度であって、量的に不足であるということがわかりました。それからマーカーの再呼率は、予定の三〇%というふうに考えておりましたが、実際はそれが五〇%であるというようなこと、したがって、これを何とか改造いたしたいと思いまして、いろいろ検討したのでありますけれども、結局のところ、この疎通能力というものを十分補う方法がありませんでしたので、三月三日を延ばしまして、その後一番力を入れましたのは、先ほど総裁が申し上げました点に触れるのでありますが、まず第一に負荷のバランスをとりまして、マーカーが全部で九つありますから、そのマーカーの負荷のバランスをとったということであります。それから第二は、接続等におきまするまあ誤動作等が絶対に起こらないように、いろいろな回路の改造を行ないました。それから機械を清掃、点検をいたしまして、これが保守に移った場合に問題がないように、まあこういう点注意いたしました。それからまた、容量の不足する点につきましては、いわゆる全部の十二万四千通のうちで、TX5型によりまして行なった、それから既設の交換中継設備を使いました迂回中継で一万九千通、それから一一五五の電報の受付で三万六千通、それから手動中継のために工事を起こしまして、工事命令を出しまして、そこで九千通をはかせるということにいたしました。  こういうふうにいたしまして、また別途、これは非常に専門的にむずかしい点を含んでおりましたので、公社の中で専門的な委員会を設けまして、専門の技術者を集めていろいろそのつど検討を進めまして、そうしていろいろやりました結果、まあ工事も進行して参りますし、機器の安定度に対しましても確信を持ちましたので、八月の十八日に改式した次第であります。で、これが今後全面実施に対してどうなるかと申しますと、これは現在のものはTX5型と言っておりますが、今度はいわゆるこのTX5型というのは、たとえばスイッチあたりにいたしましても、ロータリー・スイッチと言いまして、回転するスイッチを使っておるわけであります。最近は技術が進歩して参りまして、クロスバー・スイッチなりあるいはワイヤー・スプリング・リレーなりを使った。またそのマーカーの働かし方もいろいろ新しいアイデアを入れましたTX6型というものを研究所を中心にいたしまして検討を今いろいろ進めておりまして、ある程度見通しがつきつつあるわけであります。したがいまして、このTX5型とTX6型を併用いたしまして、そうしてやることにいたしまして、それに要する研究とか設計、あるいは製作、工事期間等を、いろいろ期間的に検討いたしました結果、昭和四十一年を目標にして実施するならばやれるんではないかということで、目下細部につきまして検討中でございます。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 私はこの問題については、これ以上質問はいたしませんが、私の考え方を多少この際申し上げて御参考にひとつ願いたいと思いますが、結局、私はまあこういう結果を招来したということは、だれの責任という、そういうことではなしに、電電公社自体が少し反省をしてみる必要があるのではないか。なるほど電信電話事業というものが、同じ体系の中で運営されておりますけれども、最近は電話のほうが非常に進んでおります。これは設備拡充その他たいへんな仕事をしていただいておるので、勢い電信というものに対して手が抜けていくという結果になるのが、私はものの必然と思いますけれども、しかし今百三十億ないし百四十億の赤字をかかえている電信に対しまして、できるだけ経費の節約をして、できるだけ合理化を進めていくというその必要は私は認めます。しかし、そのことが行き過ぎによって、かえって事業を圧縮するような結果になりはしないか。だから電信に対する負担の、予算の問題にしても、あるいは研究費の問題にしても、あるいはその技術の練磨と申しますか、そういうふうな総体的な問題に対して、多少取っ組み方が足りなかったのではないかというような気が私はするのであります。ですから、まあ大阪の改式等もまだ残されておりますし、再びあのようなことのないようにするためにも、私はもう少し——よく委員会で私が電信電信というのですけれども、大橋総裁も、いつかはお認めになったように、あまり電信のことについてやらなかったということをあなたは認めましたね、正直に。そういうふうに、やはり電信に対する公社、総裁全体としての反省が私は欠けているのではないか、こういうふうに思います。だから、責任というようなことよりも、なおこういうような面について、一そう努力をされることが私は大事であって、そういう方向に、ひとつ皆さんが最高の幹部を含めて取っ組んでもらいたい。  それから電信事業改善会議ですか、こういうものも持たれて、大橋総裁みずからその会長になって御研究いただいているわけでありますけれども、私は、この委員会がどういう結論を出されるか、非常に関心をもっている一人でございますが、幸いそういう委員会も持たれているさ中でありますから、なお一そうひとつ電信問題について、なお残りの大阪、岡山、熊本、静岡、下関、大分、こういうふうな問題を完了し、さらにまた加入電信等についても、二万三千ですか、これは昭和四十一年までに予定されておりますようですが、こういった一連の電信施策に対して、なお積極的な御研究のひとつ態勢を作っていただくように、私は特にお願いしておきます。  それから最後に伺いたいのは、第三次五カ年計画が来年からスタートします。で、特に今せっかく予算の編成途中だと思いますが、いろいろ問題はあります。しかし私一つだけ、きょう伺っておきたいのは、公社の第三次五カ年計画を拝見しますと、第一次、第二次と違いまして、要員の面について、かなり困難な問題が出てくるようであります。公社の資料によりましても、約六千名の要員が、第二次五カ年計画中に余る。こういうことになっているようであります。それから特に第三次以降は、郵政局に委託をしております電話業務のほうに、かなり影響を与えてくるのは、これは当然だと思いますが、皆さんのほうの資料によりますると、たしか三万三千名の、公社直轄局と郵政委託局を含めて三万三千人の、いずれにしても配転、職転というような措置をしなければならないような計算になるようであります。したがって私は、過去第一次、第二次十年間の、公社発足以来の設備近代化に伴う合理化政策、拡充政策というものについては、いろいろな困難もありました。しかしそれを乗り越えて、よくまあここまでやって来たものと思うわけであります。この際特に郵政委託等の関係もありますので、できるならば、私はこれらの問題も含めて、計画の事前における協議とか、あるいはその長期の要員計画とか、またその余剰人員を、どういうふうに配転、職転していくかというような、そういう問題につきましても、できるならばこれは委託業務がありますので、郵政当局、それから全逓、それと電電公社の当局と全電通ですね、そういう労使間の四者が英知を集めて、真剣にこの問題に取っ組む態勢を作ることが、だいじだと思います。特に第三次以降の合理化については、もしかりに労使間の協力というものがないとするならば、私は完全なる計画の遂行は不可能だと思いますが、そういう見地に立っていくならば、できるだけの努力をすることが当然でありましょう。そういう点からいって、私は具体的なことは別として、そのような気持をもって今後電電公社はいかれようとする気持があるかどうか。ひとつとの点を、大臣がいないので監理官ひとつ、結論でなくていいですから、考え方だけで……。
  62. 淺野賢澄

    説明員(淺野賢澄君) ただいま鈴木先生から第三次五カ年計画につきまして、非常に私どもの対処していく点につきまして御注意を承ったわけであります。おっしゃいますように、この第三次五カ年計画は、第一次、第二次を通じまして三百万ばかりふえたのでありますが、第三次で五百万を目標にただいま公社において計画を樹立しておる段階であります。私どものほうもその案を受けまして、ただいまおっしゃいました線に従いまして、内容につきましては資金の面におきましても、また要員、配転の問題、いろいろあるわけで、十分に四者——四者というよりも郵政省が間に入りまして、公社その他関係の向きとよく調和がとれるように、そして計画が円満にいくように考えて参りたいと、かように考えております。
  63. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) ただいま御指摘になりました要員問題、これは今後の第三次五カ年計画で最も重要な点と承知いたしております。今まででも要員問題が最もむずかしい問題であることははっきりわかっておるわけです。ただ、まだ改式等がそんなに多くなかったわけで、割合にひどい困難なしに今までやってきたという状況でありますが、今度の第三次五カ年計画になりますと、相当その困難さが大きいというわけであります。まあいろいろ第三次五カ年計画につきましては、資金の面においても、また資材その他の問題についても、あるいは建設能力等についても、それぞれなかなかむずかしい問題があると思いますけれども、まあいろいろな問題のうちで、この要員問題が私一番困難な問題だと考えております。  したがいまして、今後の遂行については十分注意をして参りたいと、かように考えております。
  64. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと総裁。思想的にわかりますけれども、具体的な質問は、要員がそのようですから、ひとつ公社と全電通はもちろん話し合いするでしょう、そういうことについて。しかし、郵政の付帯業務になってくると、郵政省のほうと全逓もあるわけですから、できるならば、そういう人たちが集まって、それに対していろいろと頭をしぼっていくという、そういう、形式なんか別として、そういう考え方はやっぱりとるべきじゃないかと私は思うのですが、そういう思想的な問題ですけれども、そういうふうなプリンシプルについてはどうですか。
  65. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私ども決して組合に秘密にして、こちらで勝手なことをやろうとはちっとも考えておりません。できるだけ事前にも示すべきものは示していきたいと、かように考えております。
  66. 久保等

    久保等君 一、二公社のほうにお尋ねしたいと思いますが、まあ料金改定の問題について、きょう郵政大臣に質問を一、二した程度の関連についてだけ、ちょっとお尋ねしておきたいと思いますが、去年私がちょっと質問した中で、課金装置の問題で、従来のZZZ式のものを改造してやりたいという御説明が昨年あったのですが、やはりすべて改造で機械のほうは間に合わすという大体方針でやってこられておるのですか、その点のとりあえず説明をお伺いしたいと思います。
  67. 平山温

    説明員(平山温君) お答えいたします。市外通話の自動即時につきましての課金方式についてのお尋ねだと思いますが、先生のお話にもありましたように、現在の料金制度におきましては、ZZZという方式、あるいはZZという方式を使っております。これが、新料金実施されます場合には、改造する必要があるわけでございます。もちろんこの現在のZZZ、並びにZZは、わずかな改造を加えることによりまして、新料金距離別時間差法における課金にも使えますので、技術的にも問題はございませんし、経済的にも施設の活用をはかるという意味におきまして、これは改造して極力使うことになっております。ただし新しく今後新料金実施以後に使われますものにつきましては、ZZZの改造でありませんで、私どもZKという言葉で呼んでおりますが、距離別時間差法による課金をやる目的で最初から作られたZKという機器を設置して、これによって課金して参るわけであります。したがいまして切りかえ時におきましては、そのZZZ並びにZZを改造いたしましたものと、新しく距離別時間差法の目的のために作られたものが、切りかえ時におきましては混在して使われるわけでありますが、切りかえ後におきましては、すべて新しく買うものは、距離別時間差法の目的のために作られた機械を使うということにいたしております。  なお、今私が申し上げましたところで、ちょっと訂正さしていただきますが、新しい目的のために使いますのはZKではございませんで、Kでございます。それから従来のZZZを適当な時期にKに切りかえる目的で作ります機械、ちょっと専門的になって恐縮なんですけれども、ZZZの改造もできますが、あらかじめ改造に容易なように作ったZZZの機械、これをZKと申しております。  したがって昨年の料金法律国会で御審議願いまして、それが通過いたしました後に購入いたしましたものは、ZK機器を買っているわけでございます。これは新料金に切りかえるまではZZZとして働き、新料金の切りかえ後におきましては、Kとして働く目的のために作られた機械、これを買っております。それから新料金実施された後はK機械を買う。それからもちろん従来の目的のために作られましたZZZも、改造しまして距離別時間差法の課金として使うと、こういうことになっております。
  68. 久保等

    久保等君 それから法律附則に基づいて試行的に行なっている距離別時間差法による八王子などの十局、それから三分一分制の岐阜外七局なんですが、これらの局は、どこどこですか。
  69. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) お答え申し上げます。自動通話関係の試行局は八王子、青梅、岐阜、伊丹、それから広島、それからこの関連の局でございますが、これが中心になる局でございまして、その付近の小さな自動局が入っております。八王子の近所では青梅と、それから相模原でございます。それから岐阜の近所では笠松と田島でございます。それから広島の近所では海田でございます。それからその後手動が機械式に変わった局もございます。それから手動のほうは岐阜周辺の局でございまして、これは田島、笠松、先ほど申し上げました。  そのほかに岐阜に市外集中されている局でございますが、黒野、穂積、芥見、高冨、でございます。
  70. 久保等

    久保等君 ここらの試験的にやっているところについて、あまり正確にはわからぬかもしれぬですが、何か経営的な比較を従来のものと——これは実施してからすでに一年以上になると思いますが、去年の七月三十一日からすべて実施しているのですが、そうすると一年あまりになるのですけれども、それによる経営比較みたいなことをやってみましたか、やってみないか、あまり正確には出ないかもしれませんが。
  71. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) 実は試験実施でございますので、試験の結果、通話量がどのように変動するかということを中心にして昨年十月まで非常にこまかい数字をとってみたのであります。その結果に基づきまして、今後の実施のための設備計画を立てたわけであります。  その結果を概略申し上げますと、通話度数においては、ほとんどこれは横ばいである、ほとんどふえていない。通話時間についても、ほとんど変動がない。ただ、実は岐阜と名古屋間というのが今度新料金になりまして距離が短かくなることになりますので、その分が、実は減収になるわけでございますけれども、通話数のほうにおきまして、それによって特別ふえることはないわけでございます。結局通話度数、通話時間というものにおきましては、当初予定しましたのと、現像しましたのと大差ない結果である。ただ私たちが、非常に便利さが浸透するに従って、将来三年なり五年なり、うまくいけば一年の間にふえるのではないかということを、この前の国会で申し上げたのでありますが、そのような状況はまだ現われるに至っていない。結局これを経営的に見ますと、距離が短かくなったのを修正しまして、一般に引き直して考えてみますと、おおむね当初の予想したとおりの経営的な結果になるんじゃないか、こういう工合に予想したのであります。
  72. 久保等

    久保等君 これを実施するについてはどういう周知方法をやったのですか。
  73. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) 実はこれにつきましては、先ほどもちょっとお話がありましたが、郵政省の省令が出まして認可をいただいて、最終の手続が済みましたのは七月の十七日だったのであります。その前にも法律の制定に伴いまする一般的な宣伝はやっておったのでありますが、具体的には局から加入者に対するあいさつ状、それから新聞等のおり込み等あるいはラジオあたり、あるいは地元の市なり、商工組合等の懇談会、大口需要者、赤電話受託者の懇談会等を開いたわけでありますが、そのような場合のお客様に対する周知方法が、どれが一番徹底したかということを実験の過程において検討したわけでありますが、結局局からの通知が大多数を占めて七、八〇、ほかのものは補助手段ということがわかったのであります。  そこで局としては今後も局からの周知に最大重点を置いて、ほかのものは補足的に考えたい、こういうふうに考えております。ほかのものにつきましても短かい時間でございましたが、非常に順調にいきまして徹底できたわけであります。
  74. 久保等

    久保等君 それに対して何か特別に利用者から意見なり、批判なり、そういったようなことはありませんか。
  75. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) この施行後特に資料をとっておりまして、非常に念入りに通信局等にも調べさしまして、聞いたのでありますが、ほとんどすべてが新料金制度はよろしいという意見が大半で、圧倒的でございました。この点につきまして料金は一体下がったと思うか上がったと思うか同じと思うか、こういうような点について聞いたのでありますが、その点につきましても、上がったと思うというのは、ほとんどございません。大部分が下がったというかあるいは横ばいである。それから便利であると思うかどうか、便利だと思うという意見がございました。相手のほうが一般料金制度で自分のほうが短く切ろうと思っても、相手が無理解である、その点についての周知の方法を講じてもらえないかというような意見がございました。
  76. 久保等

    久保等君 その世論というものは、何か組織的に系統立ててアンケートなんかとってやられたのですか。そうでなく漫然と窓口なり、若干の訪問などを行なって確かめたか、どういう方法でやられたか。
  77. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) これは各通信局にまたがっておりまして、各通信局にやらしたのでありますが、今お話し申し上げましたのは、通信局においてアンケートをとってやった結果でございます。
  78. 久保等

    久保等君 それは何か様式をちゃんときめて、しかもどういう方法でやられたか知りませんが、何かそういうことの調査方法についても、相当研究してやられたのですか。
  79. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) その点につきましては、通信局からの報告でございますので、こまかい内容は存じませんが、従来いろいろな場合において、電電公社としては世論を聞いておりますので、一般的に今までの方法でやったと承知しております。
  80. 久保等

    久保等君 何か、われわれの手元のほうへでも出してもらえるような様式なり方法なりでとられたのですか。
  81. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) 結局御質問の趣旨が私のみ込みかねるのでございますが、実は、これは資料等も十分私たち持っておりますが、今手元にございませんので、いろいろ調査して、まとまった報告で受けたものを思い出して申し上げたわけでございます。
  82. 久保等

    久保等君 だから、その対象をどの程度に、どういう形でピックアップしたかということも問題になると思うのですが、われわれの手元のほうへ、世論調査というか、一般の利用者のある程度実態をつかむ意味で、権威のある形で調査をやったという確信がお持ちになれるなら、われわれのこの委員会にお出しを願えますか。
  83. 大泉周藏

    説明員(大泉周藏君) さっそく帰りまして検討しまして、できるだけ御趣旨に沿うようにしたいと思います。
  84. 久保等

    久保等君 それじゃその点は、お出しを願うように委員長のほうからひとつ御指示を願いたいと思います。私の問質は、きょうは以上で終わります。
  85. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 他に御発言もなければ、本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後二時五十分散会    ————・————