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説明員(
川村博太郎君)
物品税の
課税対象、
物品の
課税、
非課税の判定でございますが、非常にむずかしい問題と思います。
現実にどういうものが今後新製品として出てくるか、それも今後を待ちませんと、判明いたさない。したがって、
成瀬先生のおっしゃるような御
質問が当然出てくるわけでございますが、問題は現在の
物品税法上
製造というものをどう考えておるかというところにあると思います。
製造につきましては法律上
定義を設けておりませんので、現在
国税庁長官の
解釈通達によっております。で、種々設例を設けてはおりますが、何と申しましても、やはり
製造につきましては
一般社会通念上の
製造の
概念によるという
原則でおります。したがいまして、ある一定の原料、素材に物理的ないし化学的な操作を加えまして
一つの
物品を作り出すといったような
概念で割り切っておるわけでございますが、そういう
観点から見ますと、今度の
事件の場合のような
ストッパーを取りはずすといったような非常に簡単な消極的な
行為を
製造と見ることはできないだろうと思います。だた、今の
乗用車の
定義から申しますと、
ストッパーがない
状態でありますと
課税品になる、
ストッパーがあるそのままの形でいくと
非課税品になる。そこで、そうした
非課税品から
課税品に至る
行為が非常に簡単に行なえるものについては、何か
製造として見ないことには
バランスがとれないのではないかという
考え方も、一方には成り立つと思います。しかしながら、その間の
加工行為と申しますか、
行為の難易あるいは
程度、それをどの
程度まで一体取り込むべきかということにつきましては、
現実の問題としては非常にニュアンスのむずかしい問題がございまして、取り込むにしても相当今後
検討しないと、かえって実際の
税務行政上もんちゃくを起こすとか、あるいは
取り締まりの強さ弱さによりましてかえってアン
バランスを生ずるというような問題が起こると思います。
もう
一つの
考え方といたしましては、そういった簡単な
行為によりまして
非課税品から
課税品に変えることができるというような場合であれば、いきなりこれを
課税品として、要するにそういった機構を内蔵している場合には
課税品として取り扱う。あるいは
乗用車、今度の場合でございますと、
ストッパーがあるからたまたまリクライニングできない。しかしながら
ストッパーを簡単に取りはずすことができて、取りはずせば、今の最大限の
乗用前面横が五〇%をこえると、こういうような場合は、これを
乗用車としていきなり見てはどうかという
考え方もあると思います。しかしながら、これにつきましても、現在税務署が実際の
検査取り締まりをいたします
関係から見ますと、たまたまそれが発見された場合と発見されずに終わった場合という両方の場合の
バランスを失するようなおそれもないとは言えませんし、非常にその点むずかしい点がございますので、現在
移出時の客観的な形によって判定するという
取り扱いにしておりますが、これもやむを得ないのではないかというふうに考えております。