運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1962-08-23 第41回国会 参議院 商工委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十七年八月二十三日(木曜日) 午前十時三十六分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
理事
剱木
亨弘
君 武藤 常介君 中田 吉雄君 向井 長年君
委員
上原 正吉君 亀井 光君 川上 為治君 岸田 幸雄君 小林 英三君 豊田
雅孝
君 阿部 竹松君 近藤 信一君
吉田
法晴
君 椿 繁夫君 二宮
文造
君 奥 むめお君
国務大臣
通商産業大臣
福田
一君 国 務 大 臣
宮澤
喜一
君
政府委員
通商産業政務次
官
上林
忠次君
通商産業省通商
局長
松村
敬一
君
説明員
通商産業省
軽工
業局長
倉八 正君
通商産業省鉱山
局長
川出
千速君
通商産業省鉱山
局鉱業課長
大木 恒君
事務局側
常任委員会専門
員
小田橋貞壽
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
産業貿易
及び
経済計画等
に関する調 査(
通商産業大臣
及び
経済企画庁長
官の
施策
に関する件)
—————————————
〔
理事剱木亨弘
君
委員長席
に着く〕
剱木亨弘
1
○
理事
(
剱木亨弘
君) これより
商工委員会
を開会いたします。 まず、
委員長
及び
理事打合会
の
協議事項
について御報告いたします。 本日の
委員会
の
議事
について申し上げます。まず、
福田通商産業大臣
及び
宮澤経済企画庁長官
から
施策
に関する
所信
を聴取いたしまして、それから
所信表明
に対し主として
貿易
に関する件、
自由化
の問題、金属鉱業問題、農産物の
自由化
、陶磁器対
米輸出問題等
につきまして御
質疑
を行ないます。 次に、次回の
委員会
の日時は、八月三十日木曜日午前十時とすることにお話し合いをいたしました。 以上であります。
—————————————
剱木亨弘
2
○
理事
(
剱木亨弘
君) それではこれより
議事
に入ります。
産業貿易
及び
経済計画等
に関する
調査
を議題とし、まず、
福田通商産業大臣
及び
宮澤経済企画庁長官
から、それぞれ
施策
に関する
所信
を聴取いたします。
福田通商産業大臣
。
福田一
3
○
国務大臣
(
福田一
君)
わが国経済
の最近の
情勢
は、昨秋以来
政府
のとって参りました一連の
景気調整策
の
効果
がようやく浸透する
段階
に入っております。すなわち、
鉱工業生産
は四月以来一進一退を続けながらも
下降傾向
をたどるなど
国内経済
は全般的に落ちつきを見せ、
経済
は本格的な
調整期
を迎えることとなりました。また、
国際収支
も、
輸入
の沈静と
アメリカ向け
を
中心
とする
輸出
の好調から、当初見込みの赤字一億ドルからかなりの
改善
をみ、
特別借款
の
受け払い
を除外して、おおむね上期、下期とも
均衡ベース
を維持できるものと予想されます。 このような
段階
に当面して、私は、
景気調整策
を弾力的に運用しつつ、同時に
経済外交
の
推進
、
輸出金融
、
輸出保険
の
充実強化
、
輸出体制
の
整備等
の
輸出振興措置
の強力な
実施
をはかり、
国際収支
の
均衡
を確固たる
基盤
の上に置くこととしたいと
考え
る次第であります。 さらに、かかる
国際収支均衡
の
基盤
の上に、
経済
の
長期発展路線
を
整備
するため、技術の
振興
、
産業立地
の
適正化
および
用地
、
用水
の
確保等産業基盤
の
拡充
に強力な
措置
を講じ、
経済成長
の
基礎固め
を行なうことが肝要であると
考え
るものであります。 ひるがえって
海外経済
の
動向
に眼を転じますと、
欧州経済共同体
の進展に即応して、英国の
欧州経済共同体
に対する加盟が当面の問題となり、
米国
が
通商拡大法案
を通じてこれと協調する姿勢を進めるに至るなど
世界経済
の再
編成
の
過程
が進行しております。このような
国際経済環境
のもとにおいて
わが国
が
国際経済社会
の一員として正当な地位を占めるためには、
貿易
の
自由化
はぜひとも達成しなければならない
課題
と
考え
るものであります。したがって、今年十月の九〇%
自由化
につきましても、各業種の
実情
に即した慎重な
考慮
を払いつつ、これを進めて参りたいと
考え
るものであります。 このような
自由化
の
推進
に即応して、これが
対策
の
整備
をはかるため、当面、
関税対策等
の
充実
をはかるとともに、さらに
長期
的には、一面において
自由化
に即応し得るように
わが国産業体制
の
整備
をはかる等その
国際競争力
の
強化
に努め、
中小企業
の
近代化
の
推進
をはかるとともに、他方、
海外諸国
の
わが国
に対する
差別待遇
の
是正
に努める
所存
であります。
貿易自由化
に
関連
して申し述べたいことは、
資源産業対策
であります。
わが国
の
資源産業
特に
石炭
につきましては、昨年来、
石炭対策関係閣僚会議
を設置し、その
決定
に従い、炭鉱の
合理化
、
近代化対策
、
離職者対策
、
産炭地域振興対策等
を逐次
実施
に移して参ったのでありますが、当面、最近の
貯炭増加
の
傾向
、極度の
資金不足等
に対処するため、このたび
石炭対策関係閣僚会議
において
資金対策
を
中心
とする
石炭緊急対策
を
決定
、
実施
することといたしました。 しかし、最近の重油の
値下り傾向
、労賃、
資材費等
の
値上り等
を克服して
石炭鉱業
の
合理化
を達成するためには、さらに抜本的な
対策
の
実施
が必要とされますので
石炭調査団
の
現地調査
に基づく答申をまって、
所要
の
施策
を講ずる
所存
であります。
非鉄金属鉱業
につきましては、その多くが
国際競争力
に乏しく、
自由化
に対処するためには、適切な
対策
の確立が必要とされるのであります。このため、
政府
は、従来から
関税率
の引き上げ、
関税割当制度
の
採用等所要
の
関税改正
を行なうとともに、
探鉱補助金
の増額、
合理化資金
の
確保等
に努めて参りましたが、さらにこの際、先般の
通常国会
における決議の
趣旨
にかんがみ、
施策
の一そうの
充実
をはかりたいと
考え
、本年度新設いたしました
鉱業審議会
の
検討
をまって
所要
の
施策
を講ずることにいたしております。 さらに、この際特に強調したいことは、
中小企業
の
振興
であります。
政府
は、
わが国経済
に占める
中小企業
の
重要性
にかんがみ、
設備
の
近代化
、
組織化
の
推進
、
金融
の
円滑化等
の
措置
を
強化
し、その
施策
に遺憾なきを期している次第でありますが、さらに
経済成長
を安定した
基盤
にのせるためには、
経済
の各
分野
における
均衡
の
確保
、なかんずく、
所得格差
の
是正
に努めることが肝要であります。したがいまして、今回画期的な
中小企業振興策
を打ち出すため、
次期通常国会
に
中小企業基本法案
を
関連法規
とともに提出することといたしまして、目下、
中小企業振興審議会等
において鋭意
検討
を進めております。いずれ成案を得て、提案の
運び
といたしたいと存じますので、その際は
十分審議
を尽くしていただきますようお願い申し上げます。 以上によりまして、
通商産業施策
の当面の
課題
につきまして
所信
の一端を申し述べたのでありますが、私といたしましては、今後
施策
の
充実
に努め、
わが国経済発展
のため全力を傾注する覚悟でございますので、今後とも一そうの御
協力
をお願いいたす次第でございます。
剱木亨弘
4
○
理事
(
剱木亨弘
君) 次に、
宮澤経済企画庁長官
。
宮澤喜一
5
○
国務大臣
(
宮澤喜一
君) この機会に、
所掌事務
につきまして
考え
ておりますことを申し上げまして、御批判を仰ぎたいと存じます。多少長くなりますので、どうぞお許しをいただきたいと思います。 まず、最近の
経済情勢
と
国際収支
の要旨について申し上げます。 昨年の秋でございますが、総合的な
景気調整策
が
実施
されましてから、十カ月を経過いたしましたが、その間、
卸売物価
の下落、
製品在庫
の
増大
、
設備投資意欲
の鎮静など、その
効果
は
経済
の各
分野
に浸透いたしまして、その結続
果上昇
をけて参りました
鉱工業生産
にも昨今やや頭打ちの
傾向
が見られるようになりました。
輸入
は落ちついておりますし、
輸出
も対
米向け
を
中心
に
増大
をいたして、
貿易収支
は本年六月には一年
半ぶり
に黒字を記録いたすことになりました。
国際収支
の
先行き
を示します
輸出入信用状収支
の
動向
から判断いたしますと、
国際収支
の本年度下期における
均衡
の目標は、ほぼ達成できるものとただいま
考え
ております。しかしながら、
米国
の
景気
の見通しに
関連
をいたしまして、今後の対
米輸出
の
動向
には必ずしも楽観を許さないものがございますし、また
輸入
につきましても、
鉱工業生産
が弱
含み傾向
にございますので、それに見合って現在料の
輸入
が落ちつくだろうということは予想されますけれども、最近見られる
製品輸入
の
増加
というような
傾向
もございますので、
国際収支
の
先行き
については、今後もなお慎重に見守る必要があると存じます。また、それとともに
わが国経済
の直面しております
課題
は、
国際収支
の当面の
均衡達成
だけですべて解決されるわけではございませんので、
わが国経済
が
長期
にわたって
成長発展
を遂げ
雇用
の
改善
と
国民生活水準
の
向上
をはかって参りますためには、
長期
にわたっての
国際収支
の
均衡
を維持して行く必要があることは申すまでもございません。したがいまして、従来
政府
のとって参った政策なり態度なりはなお当分堅持して行くことが必要であると
考え
ております。
経済企画庁
としましては、
わが国経済
の
安定成長
の道程を見きわめつつ、
関係各省
の
調整
に努め、諸
施策
の円滑な
実施
を極力
推進
して参りたいと
考え
ております。 次に、
貿易自由化
の
促進
について申し上げます。
貿易自由化
の
促進
は、国際的にみて必要であるばかりでなく、これによって
わが国
の
経済
の体質を
改善
をいたし、
国民生活
の
向上
に寄与いたしまして、
国民経済
全体の利益を増進することができるのでございますから、今後
わが国
の
経済
が
発展
して参りますためには、一度は通らなければならない関門であると
考え
ます。
わが国
の
経済
は、この
貿易自由化
を円滑に進めるとともに、
世界経済
の再
編成
という新しい
事態
にも即応して行かなければならないわけであります。これらの
課題
を解決いたしますためには、国内的には、
わが国産業
の
生産性
を高めることにより
国際競争力
を一そう
強化
する、これが
根本
でございますが、また同時に、
国民経済
全体としても、
国際的視野
のもとに
産業秩序
を確立するとともに、
輸出振興
に一そうの
努力
を傾注をいたし、また、外に対しては、
海外経済協力
の
促進
と
わが国
に対する
差別待遇
の撤廃に努めることが肝要であると
考え
ます。
政府
は、本年九月末までに
わが国
の
貿易自由化率
を九〇%
程度
に引き上げる
方針
を
決定
し、これに必要な
対策
を織り込んで
貿易
・
為替自由化促進計画
を今日まで
推進
して参りました。
経済企画庁
といたしましては、今後ともこの
基本方針
にのっとまして、
関係各省
と緊密な連絡をとりながら、
自由化
に対して必要な各般の
対策
を具体化して参りたいと
考え
ております。 次に、
物価
の安定につきまして申し上げます。
景気調整策
が浸透いたしました結果、
卸売物価
は今日まで軟調に
推移
をいたしておりますけれども、
消費者物価
はむしろ騰勢を続けております。
上がりぎみ
であります。このような
消費者物価
の
上昇
の原因は、単純に
経済成長
の行き過ぎとか、あるいは自然的な条件だけに帰することは必ずしもできないと
考え
るのであります。
経済
の
高度成長
は
国民所得
の大幅な
増加
をもたらしましたが、その結果、
消費水準
が大幅に
上昇
をいたしたのみならず、
消費構造そのもの
が大きく変化いたしつつあると
考え
ます。このような
消費需要
の量的及び質的な変化に即応する
供給側
の態勢の
整備
がこれに追いつかない。それが、
価格
の
上昇
を来たしている
一つ
の
理由
であると
考え
るのであります。また、
雇用
が
増大
いたしました結果、比較的若い
労働力
に逼迫を生じまして、そこを通じて
賃金水準
が一般的に
上昇
いたしましたばかりでなく、従来相対的に低廉な若い
労働力
に頼っておりました
サービス業
、
中小企業
、
農林水産業
の
賃金
が大幅な
上昇
をいたしました。これらの
産業分野
はもともと
生産性
の
向上
によって、このような
人件費
の
上弁
を急速に吸収することが困離なものが多かったために、その料金なり、
価格
なりの値上がりを生じている、こういう面が少なくないと
考え
られるのであります。さらには、
経済成長
に即応いたしまして公益的な諸施設についてもその
整備拡充
をはからなければなりませんが、このためには、新たな
資本投下
が必要であり、これに伴って
資本費
が
上昇
し、その結果として料金・
価格
が
上昇
した場合もあるのであります。
長期
的に
考え
ますと、
経済
の
高度成長
は
国民全般
の
福祉向上
の見地からぜひ必要なことであり、これに伴う
経済構造
の
近代化
、
物価体系
の
先進国
型への移行ということは当然
わが国
の
経済
で経過すべき当然の
過程
であります。最近の
消費者物価上昇
の中には、このような
合理的理由
に基づくある
程度
やむをえないものもあると
考え
られますが、他面、
経済成長
の
過程
においては、
生産性
の
向上
によって
製品価格
を引き下げ得る場合も多々あるのでありますから、これら両面を総合して全体としての
物価水準
を安定させるよう努めなければならないと
考え
ております。
政府
は、著しい
消費者物価
の
上昇
は
国民生活
を直接に脅かすばかりでなく、
経済
の安定した
成長
のためにも害がございますので、先般
物価安定総合対策
を
決定
したのでありますが、
経済企画庁
としましては、今後ともこの
総合対策
にのっとりまして、その一そうの
推進
に
努力
したいと
考え
ております。 次に、
全国総合開発計画
でございますが、近年の
わが国経済
の
高度成長
の
過程
において、既成大
工業地帯
においては、
用地
、
用水
、
交通等
の隘路が一段と激化し、
過大都市
という問題を引き起こしておりますとともに、その他の
地域
との
格差
がますます広がっておる
傾向
でございます。これらの問題の解決には、全国的な観点に立って総合的に
施策
を
推進
する必要がありますので、
経済企画庁
としては、
国土総合開発法
に基づく
全国総合開発計画
の策定に鋭意
努力
して参ったのでありますが、この
計画
はすでに
国土総合開発審議会
の
審議
を終わり、間もなく
政府
として正式に
計画
を
決定
したいと
考え
ております。今後は、
さき
に
国会
の議決をいただいた新
産業都市建設促進法
、低
開発地域工業開発促進法等
を活用して、この
計画
を
推進
し、
都市
の
過大化防止
それから
地域格差
の縮少に配慮しながら、
資源
の有効な
利用
とその適切な
地域配分
を通じまして、
地域
間の
均衡
ある
発展
をはかって参りたいと
考え
ております。 なお、
離島振興
および各
地方開発
の
促進
などについても、引き続き
努力
を傾注いたす
考え
であります。 最後に、
水資源
の行政でございます。最近顕著になって参りました
社会資本
の立ち遅れを
是正
をし、
わが国
の
経済
が
長期
にわたって
均衡
のある
発展
をいたしますために、
基盤
を
整備
いたしますひとつの
施策
として、
水資源
の総合的な
開発
とその合理的な
利用
をはかることが必要でございます。
さき
に
水資源開発促進法
および
水資源開発公団法
が制定され、
経済企画庁
としてはその
実施
に遺憾のないよう努めて参ったのでありますが、すでに
水資源開発公団
は発足し、
水資源開発基本計画
も
決定
の
運び
となり、この仕事がようやく軌道に乗りつつある
段階
でありますので、今後ともその成果を収めますよう一そう
努力
して参りたいと
考え
ております。 以上申し上げましたように、
わが国
の
経済
は、
国際収支
の
改善
、
物価
の安定、
貿易自由化
の
促進
、
長期
的な
経済発展
の
基盤
の
整備
、あるいは
地域格差
の
是正
など、幾多の困離な問題を持っておるのでありますが、このような
事態
に対処いたしまして、私といたしましても、与えられました責務を全ういたしたいと
考え
ておりますので、何とぞ今後ともよろしく御教示とお力ぞえを賜わりますようにお願いをいたす次第でございます。
剱木亨弘
6
○
理事
(
剱木亨弘
君) 以上で
所信表明
は終了いたしました。 これより本件に対する
質疑
を行ないます。本日は、特に
貿易
に関する件について御
質疑
願います。なお、
政府側
から
出席
の方は、
福田通商産業大臣
、
上林通商産業政務次官
、倉八
軽工業局長
、
川出鉱山局長
でございます。御
質疑
のおわりの方は、順次御発言を願います。
吉田法晴
7
○
吉田法晴
君
所信表明
について、あるいはその中で特に
貿易関係
についてということですが、
貿易
・
為替
の
自由化
に
関連
をして、きょうは
お尋ね
をいたしたいと思います。 十月一日から九〇%の
自由化
ということが言われております。
所信表明
の中にもそう出ておったようです。その
自由化
のスケジュール、九〇%
自由化
するという話ですが、その具体的な
内容
、重要なる
品目名
、あるいは延期をするもの、あるいは
ウエーバー条項
ですか、
自由化免除
の修正を予定するもの等、
品目
と
関連
をして
大綱
を御説明いただきたい。
福田一
8
○
国務大臣
(
福田一
君)
自由化
の
計画
につきまして、その時期、
内容等
について
大綱
を説明せよという御
質問
と存ずるのでありますが、
自由化
の問題につきましては、実はただいま
名品日別
に、たとえば
非鉄金属等
にいたしますならば、
鉱山
の数とかあるいは会社の数、もしくはその
内容
、それから
従業員
の数等々、具体的にこれを調べまして、それから一方国際的な
価格
がどういうふうな
推移
をたどっているかというようなことも研究をいたしますと同時に、御存じのように、
関税
その他の
措置
によって、いろいろ
自由化
に踏み切ろうとして手当をいたしたこと、それが今どの
程度
に
効果
をあげておるかというような
面等
も
考慮
をいたしまして、実は今
品目別
に詳細に
検討
をいたしておる
段階
でございます。そこでせっかくの御
質問
でございましてまことに恐縮でございますが、どの
品目
をどういうふうにするかということはまだきめておりませんので、これをきめる時期は大体九月の半ば前後という
建前
で、ただいま、目下その作業を進めておるというのが
実情
でございますので、御了承を願いたいと思います。
吉田法晴
9
○
吉田法晴
君 各
品目別
に
調査
をしておる、具体的にはまだ言えるところまできていない
——対策
が立たないで、
自由化
とともに大きな
影響
がそれぞれの
産業
にあると
考え
られるのに、ただ
自由化
だけはする、こういうことでは、これは少なくとも
日本
の
国民
に関する政治ではないと
考え
られるのですが、それは各
品目
あるいは
産業別
にあとで伺うこととして、そうすると、あらためて伺いたいことになるのですが、
貿易自由化
に関する
根本理念
というものはどいうところに置いておられるのですか。
考え
られることは、戦後独特の
経済発展
を遂げた
アメリカ
で、
資本
の高度な蓄積によって
企業規模
が巨大化し、そこで、それに対応して保持できるような大きなマーケットを獲得する必要から、
アメリカ
が、イギリスやあるいは
西欧等
の
協力
を得て、IMFやガットを軸にして各国に対する
貿易
の
自由化
を強制をしておる、こう解釈し得るわけでありますが、
通産省側
としては、
一体貿易
の
自由化
が不可欠とするそもそもの
理由
を
日本
の
経済
からどのように
考え
ておられるか、
お尋ね
する次第であります。
福田一
10
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のとおり、
アメリカ
の提唱によりまして
自由化
が提唱されておることは事実でございますが、
日本
としましては、やはりまあ戦前の
労働力
の
ダンピング等
もあり、戦後の
事情等
もございまして、
日本
に対しては非常に
差別
的な
貿易
上の
措置
をとられておる
実情
でございます。で、こういうような
差別化
をされておりましては、
日本
の
貿易
を今後伸ばしていくというわけにはいきませんので、できるだけこちらのほうも自由にするが、あなたのほうもひとつ門戸を開放して
日本
の品物を買うようにしてもらいたい、こういうことによって、初めてこの
日本
の
産業
を伸ばし、それによってまた
日本
の
国民生活
の安定がはかれるものである、こういう
建前
から、
自由化
という問題に踏み切った次第でございまして、これは私が申し上げないでも、すでにおわかりと思いますが、あらためて一応
考え方
を申し述べた次第でございます。
吉田法晴
11
○
吉田法晴
君 この
差別
といいますか、あるいは
アメリカ等
での
輸入
の制限その他については別に論議がなされるので、その点は後日に譲ります。 従来、現在で七三%の
貿易自由化
を実現
実施
されておる、こういうことになっておりますが、すでに相当の
影響
も出ております。で、この十月一日に九〇%に移るために残りの一七%の
自由化
を
推進
しようというわけでありますが、この残されておる一七%の
自由化
については、非常な大きな
影響
があり、あるいは
産業
によっては、
非鉄金属等
もその
一つ
でありますけれども、壊滅的な
打撃
を与えるのではないか、こういう
心配
をされている。で、今までの
段階
で
国内産業
にとってどのような
影響
なり摩擦が生じておるのか。先般配付された
通産白書
によっても、その点一向どうもはっきりいたしませんから、特に
お尋ね
をいたしたいと思います。
福田一
12
○
国務大臣
(
福田一
君) 従来やりました七三%の
自由化
によって
日本
の
経済
がどの
程度影響
を受けておるかという御
質問
かと存ずるのでありますが、これについては、今までのところそれほどの大きな
影響
がないというふうに了承いたしておるのであります。詳しい点については、
局長
から御説明いたさせます。
松村敬一
13
○
政府委員
(
松村敬一
君) ただいまの
お尋ね
でございますが、従来まで、七三%に至りますまでに、いろいろの
段階
で、何回かに分けて、その都度
自由化
すべき
品目
に対する
考え
られる
影響
というものを慎重に研究いたしまして、
自由化品目
をきめて参りましたわけでございますが、ただいま
大臣
からお答え申し上げましたように、従来までのところ、
自由化
しました
品目
につきましては、特に特別の問題を生じておる、あるいは業界のほうから特別問題として取り上げて、いろいろ要求があるというような
品目
はございません。
吉田法晴
14
○
吉田法晴
君 これから
自由化
していくという
産業
について、
非鉄金属
にしても、あるいは
化粧品
にしても、あるいは重
機械工業
にしても、あるいは
自動車等
についても、これは
影響
がすでに現われているわけですけれども、今まで
自由化
された中で、これは個々の例でありますけれども、
ジュース
とか、すでに
自由化
されて、なお、今後の
自由化
と
関連
をして
心配
される面がございますが、そういう点についても、ほとんど
影響
がないということですか。
心配
はないということですか。
松村敬一
15
○
政府委員
(
松村敬一
君)
今吉田先生
の
お尋ね
になったのは
ジュース
でございますか。
清涼飲料
でございますか。
吉田法晴
16
○
吉田法晴
君 今まで
自由化
したものでは、そうです。
松村敬一
17
○
政府委員
(
松村敬一
君) もちろん全然
影響
がないというわけではございませんけれども、もともと
自由化
の
趣旨自身
が、若干の
影響
はございましても、それによって
国内産業
がより健全に発達する、あるいは先ほど
大臣
の言われましたほかの国の
自由化
、それとの見合い、あるいは国際的な
関係
、そういうような点から申しまして、若干の
影響
のあるものは順々に踏み切っていく、そういうような
考え方
で進んでいるわけでございまして、御指摘のようなものにつきまして、全然
影響
がないということは申し上げられませんけれども、ある
程度
予想されて、まあまあやむを得ず耐えなければならないのではないかというような
程度
の
影響
にとどまっているのではないかと
考え
るわけであります。
福田一
18
○
国務大臣
(
福田一
君) 十月にやるものについて、たとえば
非鉄金属
とか、あるいはまた
化粧品
などというようなことでございますが、もちろんそれによって壊滅的な
打撃
を受けるということが明らかになっておるにかかわらず、
自由化
に踏み切るということは、これは私はいかがかと
考え
ておるのでありまして、その
影響
の度合いというものは十分
検討
いたさなければなりません。そういう意味合いで、ただいま各
品目別
にどの
程度
の
影響
があるかということを
検討
いたしまして、そうしてこれに対する
対策
を
考え
、さしあたり
対策等
ができないという場合には、ものによっては、やはり十月に大体予定をしておっても、これを延期せざるを得ないものも出てくるのではないかと、こういうような
考え
で、今
検討
を進めておるのである、こう申し上げた次第であります。
吉田法晴
19
○
吉田法晴
君 今
お尋ね
をしたのは、これからのものについての
影響
、それから
対策
ではなしに、今まで
自由化
したものが、各
産業
についてどういう
影響
があるかという点について、十分の
調査
がなされているかということを
お尋ね
をしたのでありますが、
局長
。
松村敬一
20
○
政府委員
(
松村敬一
君) 今の
お尋ね
の、すでに
自由化
した
品目
に対します
影響
につきまして、個々別々の業種につきましては、もちろん従来の
自由化
の
影響
を十分監視、あるいは
調査
をしているのでございますが、その全体をまとめました資料というものは現在は用患いたしておりません。また、業界のほうから特別非常に大きく問題として要求があるというふうなものは、現在までのところは、私たちの知っております範囲では参っておりません。
吉田法晴
21
○
吉田法晴
君 今までの
影響
の
調査
云々という点は、発表されておらん。あるいは業界からのあれはないけれども、通産省としては、
調査
をしておられる。私のほうから提出を願いたいということになれば、提出されるものはあるわけですか。
松村敬一
22
○
政府委員
(
松村敬一
君) 業種を御指定いただきまして、御明示いただきますればそのお答えを……。
吉田法晴
23
○
吉田法晴
君 あとでお願いすることにして。 問題になってくるのは、あと一カ月ちょっとで、
自由化
していこうという
品目
に関して、
産業別
に
対策
は今
検討
中だということで確立されておらん。確立されている
産業
はないと私どもは
考え
るわけですが、その中でエネルギー
関係
、あるいは金属鉱業、農産物、農産物資などはその尤なるものだと思うのでありますが、金属鉱業の問題については、
非鉄金属等
の問題については、あとで
お尋ね
をすることにして、
中小企業
一般に対しては、
自由化
の波を防ぎとめる方策として、どういうことが具体的に
考え
られておるか。
福田一
24
○
国務大臣
(
福田一
君) もとより
中小企業
といいましても、いろいろの御承知のように種類がございますが、これを一般的に言いますれば、何といっても
中小企業
自体の体質
改善
ということになりますから、あるいは
合理化
をはかるあるいはまた同業種との間においてそれぞれいろいろの何といいますか、共同的な問題の処理をはかっていくというような意味で、
関係
のある面については、そういうような
施策
を十分に
考慮
しながらやっているという
段階
でございまして、特にこの業種についてどうするかということになりますと、これは
一つ
一つ
の業種についてやはり
検討
をして参るのでありませんと、ちょっとお答えをいたしかねるかと思います。
吉田法晴
25
○
吉田法晴
君 インスタント・コーヒーや、あるいは冷凍エビなどは、一挙に大量の
輸入
があって、しばらく過剰になったということを言われております。それからまたこれは常識みたいなことですけれども、
化粧品
などは高価でも外国品をという、舶来物をという従来の風潮もございまして、その種のぜいたく品が
自由化
で流れ込んでくるという懸念もある。あるいはこのまま放置すれば、せっかくかせいだ外貨も一部逃げ出すという政策的な矛盾も生ずるおそれがありますが、どういう
対策
を御用意しようとされるのか。あるいは国産優先しろということ。これは業界自身の中でもそういう宣伝がなされておりますが、こういう点について、どういう構想をお持ちなのか、承りたい。 それからこれに
関連
をいたしますが、壊滅的な
打撃
を受けるとするならば、これは
自由化
は十月一日から困難ではないか。こういうお話でありますが、これは常識的に
考え
られておるところでありますけれども、劣悪な
資源
条件で競争力のないものとして、農産物あるいは酪農品、
石炭
、
非鉄金属
、紙パルプ、油脂、ソーダ灰、あるいは過燐酸石灰、それは
決定
的な
産業
、あるいは競争力が未熟で深刻な
影響
を受けると
考え
られるのは乗用車、あるいは大型工作機械、あるいは大型重電機、特殊鋼、あるいは国産飛行機。新しい
産業
で、競争力が全く欠けているものとして石油化学、あるいはアクリル繊維、電子工業等があげられているわけでありますが、こういうものが相当重大な
影響
を受けるあるいは壊滅的な
影響
を受ける
産業
だと言われております際だけに、
大臣
の所見を特に承っておきたいと思います。
福田一
26
○
国務大臣
(
福田一
君) まず第一点の消費財についての御
質問
のように承ったのでありますが、これはお説のとおり、国産品愛用というようなことは、もちろんこれはやらなければいけないわけです。どうも残念なことに国産品の愛用運動をやると、逆に舶来品のほうを好んで使うというような逆作用等もあり得るのでありまして、そういうようなことを勘案いたしますと、なかなか国産品愛用という意味で、そういう
施策
をやったからというだけで、もう問題が解決したということにはならない場合もあると思うのであります。したがって、そういうようなことも
考慮
いたしまして、ただいま
化粧品
の問題等についても個別的に研究をいたしておりまして、これは全部が全部十月から
自由化
をする。あるいはそのうちの一部をこれをとめるかというようなことについては、先ほど来申し上げておるように今
検討
しておるということで御了承願いたいと思うのであります。 次に、今申されました非常にいろいろの
品目
についてでありますが、申されましたうちで、たとえば
自動車等
につきましては、すでにこれは相当二年くらいの余裕を見て
自由化
をしようというようなことになっております。銅、鉛、亜鉛というようなものは御承知のように一応来年の三月ということにきめておりまして、その他の
非鉄金属
については十月一日というふうにきめておりますが、しかしこれをどういうふうに処置するかということは、ただいま先刻から申し上げておるように
検討
をいたしておる
段階
でございます。 いろいろの
品目
等、相当多種多様にわたっておりますが、いずれにいたしましても、これが
日本
の特に
中小企業
がやっておるような仕事に大きな
打撃
を与えるようなものにつきましては、これは慎重に
検討
し、そうしてその
対策
が立てられないのに、その
産業
が致命的
打撃
を受けるということがわかっておるのに、九〇%
自由化
ということをきめたからといって、それを全部実現していくと、こういう
考え方
で私たちはやっておるものではないのでありまして、そういうような場合には万やむを得ない場合には一時これを延ばすというようなこともあり得る。またその間においてなんらかの
施策
をとって、そこでまだ一定の時期に
自由化
に踏み切るというものも出てくるでしょう。いろいろそういうような長短のといいますか、深浅の度合いを
考え
まして、そうして処理をいたして参りたい。かように
考え
ておる次第でございます。
阿部竹松
27
○阿部竹松君
大臣
、ちょっと今
吉田
、
委員
の
質問
に御答弁があったわけですが、はっきり聞き取れなかったんですが、銅、鉛、亜鉛、これは十月から
自由化
やるというのですか、やらんというのですか。はっきりひとつ。
福田一
28
○
国務大臣
(
福田一
君) 銅、鉛、亜鉛につきましては、大体来年三月を目途として
自由化
をしよう。こういう
考え
でございまして、十月ではございません。
阿部竹松
29
○阿部竹松君 目途ということがはっきりわかりませんが、
非鉄金属
の中で十月からやるというのは何と何ですか。
福田一
30
○
国務大臣
(
福田一
君) それは先ほどから申し上げた次第でありますが、その
影響
その他を
考え
ましてただいま
検討
をいたしております。こういうわけでございます。
阿部竹松
31
○阿部竹松君 まあ
関連
質問
ですから私あとで
お尋ね
しますがね、十月から
貿易
の
自由化
をやるやらないということは、今から
対策
を立てておかなければ、あと九月一カ月しかございませんよ。今
検討
中などというのはちょっと通産
大臣
無責任な御答弁じゃないですか。また私あとで
お尋ね
しますがね。
関連
質問
ですから、これでやめますが、十月から
貿易
の
自由化
をやるということになれば、半年、一年前から
対策
を立ててもまだ不可能な問題がたくさんある。それがあと一カ月後に迫った
自由化
に
検討
中なぞということは了承できませんが、あとで……。
福田一
32
○
国務大臣
(
福田一
君) それは
対策
を何も
検討
するとか何とかというのじゃないのであります。十月一日に
自由化
に踏み切るかどうかということを
検討
している、こういう意味でございます。しかし、そのうちでも、一カ月の間にでも
対策
が立ち得るのがあればやりますが、
対策
が立たないために、
自由化
に踏み切るというと壊滅的な
打撃
でも受けるというようなものについては、まだその態度をきめてない。すなわち慎重に
検討
している。やるかやらないかを慎重に
検討
している、こういう意味でございます。
吉田法晴
33
○
吉田法晴
君 そうすると、
関連
をして阿部
委員
から
質問
がございましたが、鉛、亜鉛等について、十月からでなくて、三月を目途にしておる云々ということですが、壊滅的な
影響
があるということは、これはお認めになっている。それまでに
対策
が立つか立たぬか。全
産業
について壊滅的な
打撃
を予想されるものについては、その
影響
を
考え
対策
を立てつつある。
対策
が立つか立たぬかということは、一カ月そこそこしかない。そうすると、十月なり、あるいは鉛、亜鉛等についても三月まで立つか立たぬかもわからぬ。あるいは
影響
が壊滅的にあるということになれば、
自由化
をやるかやらぬかということを慎重に
検討
しているということは、壊滅的な
影響
がある
産業
については、十月一日から九〇%
自由化
をやるということは、これは延期をすることもあると、こういう
趣旨
で聞いていいんですか。
福田一
34
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のとおりと私は
考え
るのでありまして、九〇%という数字にこだわらない。もちろん九〇%を達成するというためにはでききるだけ
努力
をするけれども、どうしてもいかぬというものを、国内の
産業
がどうなってもかまわぬというような気持で、この問題を処理するのではございません。こう申し上げるわけであります。
吉田法晴
35
○
吉田法晴
君 これは
貿易自由化
全般について壊滅的な
影響
があると
考え
られる
品目
、
産業
について、
自由化
の延期の決議も社会党は用意しつつありますが、概括的でありますけれども、
自由化
を延期する
品目
、
産業
もあるということで、一応了承いたします。 それから、これは外務省の意見と通産省、大蔵省の間で意見の相違として報ぜられておるところに
関連
をするわけですが、EEC
対策
について、外務省から文書が出た。あるいはこれに
関連
して閣内意見が違っているんではないかという問題ですが、外務省あほうは、最初から対日
輸入
制限
品目
表や、あるいは対日緊急
輸入
制限権を認め、その代償として三十五条援用の撤回を受けると、こういうものであるのに対して、
通産省側
は
日本
商品に対するそのような
輸入
制限
品目
表などを簡単に認めなくても、先方の
差別待遇
を現実的にどうして少なくするかという態度であるように聞いておりますが、そこでこの対EECの交渉の
方針
は、現在どういうようにまとまりつつあるのか。私どもは、当然対米
貿易
についての
輸入
制限についても、
国会
の決議等にしても、制限撤廃に
日本
として
努力
すべきだと
考え
ておるんですが、どういう
政府
部内の意向にまとまりつつあるか。
福田一
36
○
国務大臣
(
福田一
君) その問題につきましては、実は私が就任前のことでもあるし、あとで経緯その他は通商
局長
から説明をさせるようにいたしますが、私といたしましては、外務省と通産省の間で格別そういう差異があるというふうには
考え
てはおらないのであります。要するに、できるだけこちらもよろいかぶとを脱いでいくが、あなたのほうもEECにしろ
アメリカ
にしろ、よろいかぶとを脱いで、いわゆる平等の立場で
貿易
をするようにしていこう、それを進めるやり方として、どういうふうに
考え
たらよいかということではなかろうかと私は
考え
ておるのでありまして、
根本
的な意見の差異はないと
考え
ておる次第でありますが、この点についても通商
局長
から説明をいたさせたいと思います。
松村敬一
37
○
政府委員
(
松村敬一
君) ただいまの外務省と通産省と意見の相違があるのではないかということに対しまして、私からお答えいたします。 よく打ち合わせをいたしまして、そういう
考え方
を持っておりますが、今日英交渉をやっておりまして、今後続きましてフランス、イタリヤとも
貿易
交渉を九月中にやることになっております。それで、そのやり方あるいはその進め方によるわけでございますけれども、
日本
の態度といたしまして、あらかじめ特に現在イギリス、フランス、イタリヤと申しますような
日本
に非常に制限を設けております国に対しまして、その交渉をいたします際に、あらかじめこちらでそういう国に対して
自由化
を均霑させないというような、そういう
差別
的な
措置
をとらないということをあらかじめ言う、というようなことが一時外務省の見解というようなことで新聞に出ておりましたが、この点につきしては、そういうことをあらかじめ言うべきことではないわけでございまして、場合によりましては、やむを得ない場合には
自由化
を留保するということもいたし方がないのではないか、ただ、そういうことを実際に踏み切りましてやるかどうかということにつきましては、今後の交渉の進展の工合、先方の態度、あるいはその国との国交上全般の問題、そういう点を十分
考慮
いたしまして
決定
するというような、そういう
方針
でおるわけでございまして、そういう意味におきましても、先ほど
大臣
からおっしゃっいましたように、
自由化品目
というものの
決定
というのは、もう少しそういう国との交渉状況等を加味いたしませんと、はっきりあらかじめきめて発表するというようなことは、かえって不得策であるというような点もあるわけでございまして、そんな点から申しましても九月中旬、そのころになりませんとはっきり確定いたしかねると、こう いう次第であります。
吉田法晴
38
○
吉田法晴
君 これは
自由化
全体が
日本
の
実情
あるいは要求からというよりも、いわば押しつけられた
自由化
という印象が強い。もう
一つ
は、外務省の態度、これは外務省がおられんで言うのはどうかと思いますが、外交全体について言うべきことも言わぬという感じがする。この問題についても
輸入
制限
品目
あるいは対日緊急
輸入
制限権を認める云々というような、今通商
局長
も言われましたが、こちらはとにかく向こうの制限の権限を認めなければ、そこで三十五条の援用の撤回を求めるというようなきわめて安易な方法をとるということは、私は
国民生活
に重大な
影響
がありますだけに、少し弱くなることもあるけれども、
日本
の
産業
を保護する立場から、
自由化
問題についても、あるいはEEC
対策等
についても、
日本
の
国民
の利益を主張するということで臨んでいただくことを希望をしておきます。まだ多少お話もございましたが、対英
関係
その他にいたしましても、問題はやはり残っております。
大臣
あるいは通商
局長
の答弁がございましたが、通産省の従来の立場をさらに貫いていただくように要望をいたしておきます。 もう
一つ
の一般的な問題として、十月一日を
自由化
の目標にすると、あと一カ月そこそこしかない。いわば九〇%
自由化
の最終的な
段階
に近づきつつあるわけですが、それに対して各
産業
に対する
影響
あるいは
対策
といいますか、あるいは保護
措置
がろくろく講ぜられておらぬ。少なくともまだ立っておらぬ、こういう
段階
。それからもう
一つ
は、
国際収支
の悪化による
金融
引き締めや、いわゆる
調整
政策といいますか、
成長
政策に基づく生産過剰で苦悩しつつある業界にとって、その上に、
自由化
——自由な
輸入
が一挙にはかられるということは、これは現実無視、
日本
の
経済
の現状に対して、これはいわば大きな外からの圧迫ということになるわけでありますが、その
自由化
の、これは
大臣
は強行するわけではないと慎重論を述べられましたけれども、
政府
あるいは総理
大臣
としては
自由化
はやるのだと、こういう強い態度だったわけでありますが、それと
景気調整策
とははなはだしく矛盾する政策のように
考え
られるのでありますが、
国内産業
を育成すべき立場にある通産省として、この
自由化
と
景気調整策
との矛盾をどういう工合に処理していこうとされるのか、この点を
大臣
にお伺いします。
福田一
39
○
国務大臣
(
福田一
君) ただいままでに通産省としての
考え方
を実は申し上げておったのでありますが、やや誤解を招くおそれがありますので、もう一度お話をさせていただきますと、
自由化
をすることに予定をしておるものは、大部分はやはり踏み切って
自由化
をするのでございまして、それについては、これはやると、しかし中で四分の一ないしは五分の一のものの
品目
については、やっぱり十分
検討
をしておかないと、
影響
が非常にきついものがあると、そういうものについては今慎重にこれを
検討
して、そうしてどうしてもこれは
国内産業
に非常な
影響
があるというか、その
産業
自体がとても持っていけないというような場合になりますならば、これは道を
考え
にゃいかぬ。じゃ、それはいつきめるのか、まだきまってないじゃだめじゃないかと言われますけれども、そういうことを全部詰めて、そうして全体として今度は九月の半ばごろを期して、そうしてそれでは十月一日に予定している
品目
は大体これくらいだが、そのうちで、これだけはすぐやる、この分については
対策
を講じてやるというふうに分けて、大体きめていくようになるだろうと思うのでありまして、
自由化
というものの
対策
ができてないからこれは延期するのだとか、あるいはそれ自体を研究しておるというのではございませんので、この点はもうおわかりかと思いますが、ひとつ御理解を賜わりたいと思うのであります。 そこで後段の問題でございますが、
自由化
をやった場合に、
日本
のいわゆる
産業
の不況
対策
というものを
考え
て見た場合、通産省というのは
産業
育成の立場に立っておりますから、それを
考え
なければいかぬ、こういうお話でございますが、そういうような、
自由化
とは直接
関係
なくして非常に不況である
産業
もございます。また、
自由化
に
関連
して不況に一そうなり得る
産業
もあるのでありまして、そういう意味からいって、
自由化
をやる場合に特に
影響
のあるというようなものについては、先ほど申し上げましたように研究をしておる、こういう立場でございますから御理解をしていただきたいと思うのであります。
吉田法晴
40
○
吉田法晴
君
自由化
政策と、それから
景気調整策
とは全般として矛盾するのではないかという
お尋ね
をしたのですが、個々の
産業
について
自由化
の
検討
もするし、それから
自由化
と
景気調整策
とは矛盾するものじゃないというようなお話ですが、論議をしておると長くなりますから、この点はこれでやめておきます。 それからもう
一つ
、
貿易
の問題、これは
自由化
なり、あるいは
景気調整策
と、
貿易
規模、特に
輸出
規模の問題等は、
貿易
構造を変えなければだめじゃないか、こういう私どもの意見もあって、
貿易
全般、あるいは特に
政府
の言われる共産圏
貿易
という問題については別の機会に
お尋ね
いたします。先ほど来問題にしました中で、
大臣
も、冒頭に陳情もございましたし、
非鉄金属
の問題について、特に
考慮
しながら一般的な問題に論議をしていくわけですが、金属工業、
非鉄金属
の問題でありますが、十月に予定しておるものもあり、あるいは十月でなくて、三月を目途に云々ということでございますが、先ほど来論議をいたしましたように、十月あるいは三月までに十分の
対策
が立つかどうか。
鉱業審議会
等でも
審議
されておりますけれども、まだ
政府
の
方針
は
審議
会待ち。その中で買い取り機関の問題等もあるわけですが、本
会議
でも
質問
申し上げました、あるいは阿部
委員
等から御
質問
があるかもしらぬと思うのでありますけれども、壊滅的な
打撃
を受けるという点は間違いがない、
非鉄金属
においては。現にすでに先ほども陳情がございましたけれども、十数
鉱山
の閉山、あるいは縮小があり、一万名近い労働者の失業という
事態
を現に出しておるわけです。
自由化
すればこの壊滅的な
打撃
を受けるということは、これは何人の目にも明らかになっておる。そこで、はっきり
自由化
延期の
方針
を打ち出すべきじゃないか。先ほど、壊滅的な
打撃
を受ける
産業
については
自由化
の延期を、これは
考え
ざるを得ないのじゃなかろうかという御答弁もございました。その
一つ
の例でございます。 それからもう
一つ
、
対策
として
関税
だけではどうにもならぬのだ、これはすでに今までの
検討
でも明らかにされておりますから、それに対して国内交渉等もあったわけでありますが、
鉱業審議会
の経過を見ても、外国から入ります、あるいは国で
開発
いたしましたものも含めて買い取り機関の問題云々という点については、ほぼ方向ができつつあるものと
考え
られるのでありますが、その点について通産
大臣
としてどういう工合に
考え
られますか、固まっておらぬと思いますが、方向をひとつお示し願いたい。
福田一
41
○
国務大臣
(
福田一
君) 言葉の表現の問題でありますが、実は
一つ
の業種業種について調べて参りまして、これはたとえばでありますけれども、AならAの
品目
について、
従業員
が三千人おられる会社がたとえば十ある、こういうふうに
考え
てみた場合に、こういうものにいわゆる
中小企業
が非常に多いかどうかということなども、
一つ
の
考慮
の要素になるものだろうと思います。たとえばそれがどの企業にも
関係
があるものでありますならば、その転業とかあるいは転職というような場合も、割合にできる場合があります。そういう場合もあるというか、こういうことも
一つ
の
考慮
すべき要素になるであろうと思うのでありますが——等々いろいろ
考え
てみて、三千人の中で三十人に関する分だけは、これは非常に貧弱
鉱山
でどうしてもむずかしい、そんなときでもやらないのかやるのかということになりますと、これは決断の問題になるだろうと思う。たとい一人離職しようともそれはやっちゃいけないのだという
考え方
では、私は政治のやり方にはならないと思いますので、そこはすなわち
政府
として慎重に
検討
した上で裁断をする、こういうことに相なろうと思うのでありますが——ということになりますと、そういうデータを今研究いたしておる
段階
でございまして、最終的にきめるのは来月の半ばに相なろうかと存ずるのでありまして、ここではなはだ繰り返してこういうふうなお答えをするのは恐縮でありますが、延ばすとも延ばさぬともここでお答えするわけには参らないのでありますので、ひとつ御了承願いたいと思います。
吉田法晴
42
○
吉田法晴
君 もう
一つ
、では
お尋ね
いたしたいのですが、
石炭
の場合についてもそうであります。それから
自由化
なりあるいは
産業
政策を
考え
る場合に、
国民
の利益、これが民主政治の基礎でもありましょうし、特に最近、これは
日本
の場合完全
雇用
が行なわれておらぬ。あなたは今三千人の中に幾ら云々ということで例を引かれて言われました。実際問題として
日本
の場合には、転業といいますと他のほんとうの
雇用
に吸収されるものがない。それはますます最近深刻になりつつあります。特に中高年令層の
雇用
の問題については、職業訓練で
努力
をするというのだけれども、実際には生活と
雇用
の安定が、なかなか他に転じては無理だということに、その状況はさらに深刻になる。したがって、政治の
根本
が
国民
の福祉ということにあるとするならば、
産業
政策というものも、
国民
の福祉、この問題に
関連
していうならば、生活と
雇用
の安定という点から
考え
なければならぬ。こういう意味で今までの答弁には、これは最近の、あるいはその問題に
関連
をしあるいは
産業
政策に
関連
をして、閣議
決定
なりあるいは
国会
で決議をされました
趣旨
とはいささか違うのではないか。
雇用
、生活の安定を保障する中で
産業
政策を
考え
ていく、こういうことになれば、
貿易
・
為替
の
自由化
ということもあるけれども、鉱業政策について重大な決意あるいは見解を伺わなければならぬ
事態
と
考え
ておるのですが、その点について
通商産業大臣
の決意を伺いたいと思います。
福田一
43
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のとおり、全部の
国民
に仕事を与えるという
考え方
に立って
産業
政策をやっていかなければならないことはお説のとおりでございます。しかし、ただいまのような問題が起きました場合に、転業をはかるとかあるいはほかの仕事を教える、そしてそっちのほうへまたかわってもらう。あるいはまた職業安定所を通じて、何かほかの仕事をみつけてもらうというようなことも、やはり一種の安定
対策
だと思うのであります。それを忘れてやるというわけではございません——ございませんけれども、そこに一人の人もほかの職業にかわるのはいけない、その職場を持った以上は、もうその職場を離れないような政策をするのが、それがいわゆる完全
雇用
のものの
考え方
であるということになりますと、これはなかなかむずかしかろうかと思う。こういうふうな意味で私はお答えを申し上げておる次第であります。
吉田法晴
44
○
吉田法晴
君 重ねて恐縮ですけれども、一般的な問題もそうですが、主権者の一人といえども、その生活を安定させる、保障するというのは民主政治のこれは責任です。そういう意味で、一人の転業者があっても云々というておるのは、基本的な精神においても私は違うんじゃないか。特に金属
鉱山
の場合に山の中、そうしてほとんど何代にわたってそこで仕事をしてきた。その
鉱山
がほとんどあげて
自由化
をされるならば、壊滅をするだろうという予想がなされる今日、その職場でもあり、あるいは金属鉱業というものを安定をさせるために、鉱業政策を確立しなければならぬ、こういう私は立場に追い込まれていると思うんです。鉱業政策の問題として、それに対して
政府
として、これは通産
大臣
がひとつきておられるから、通産
大臣
に生活、
雇用
の問題も含めて
お尋ね
をいたしておるわけです。それには今のようなありきたりの答弁でなしに、もう少し金属鉱業の安定のために、抜本的な
対策
を立てたいという決意がなければなるまいと思うんですが、いかがですか。
福田一
45
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のとおり、
自由化
に踏み切るというと大部分のものが、その山自体もやっていけない、したがって、そこにいる大部分の人が職を失うという
事態
である、そして
対策
もないんだ、今
対策
が立っておらぬということであれば、それは私はこの際踏み切ってやるということにはならないだろうと思います。しかしその判断というものは、個々の企業についてたとえば石綿なら石綿と、あるいはマンガンというものでは事情も違います。たとえばの例でありますが、そういうふうにすべて
一つ
一つ
の
産業
についてこまかく
検討
をしていくという形で
考え
ていきますならば、その最後の断を下すのはやはり九月の半ばころに総合的に断を下す。それではそういうような非常に今困っておって何とかせにゃならぬ
産業
があるとして、それに対して何ら
対策
を講じないかということであれば、これはもう私が申し上げるまでもなく、
鉱業審議会
というので
検討
もいたしてもらっております。また通産省自体としても、こういう問題は重要な問題でございますから研究をいたしておりまして、そういうことはどうでもいい、ほっておいてそうして
自由化
だけに踏み切っていこうという
考え
ではございませんで、ひとつその点を御理解をしていただきたい、かように申し上げておるわけであります。
阿部竹松
46
○阿部竹松君 時間がございませんから簡単に
お尋ね
いたします。 さいぜん
大臣
の
所信表明
の中にございました、
貿易
の
自由化
と
石炭
、
非鉄金属
ですね、この
非鉄金属
のほうで探鉱補助の増額、
合理化資金
の
確保
、こういう項目でございますが、法の定めるところによりますと、予算を八月一ぱいに大蔵省に各省から提出しなければならないというようにきまっておるわけですね。ですから、おそらく
通商産業省
としては、明年度の予算の最終
決定
はもちろんことし一ぱいかかるでしょうけれども、予算の骨組みというものは、
通商産業省
としてはできておるわけです。ですからここに
探鉱補助金
の増額、
合理化資金
の
確保
というように明示してございますが、その三十八年度の予算に対する構想をひとつ承りたい。
福田一
47
○
国務大臣
(
福田一
君) 構想といって——これはまあ御説明をすれば、費目別についてみんな足りないものばかりでありますから、大いにひとつ、二倍も三倍にも増額をしてもらわにゃいけませんし、ものによっては十倍にしてもらっても足りないというものもあるでしょう。したがいまして、今月の末までにはこれは出さなければいけませんので、ただいま各局別のものをまとめまして、そして今総合しておる
段階
でございます。そしてそのうちには、もちろん今御指摘がございました
探鉱補助金
の問題についても、
合理化資金
の問題についても十分
考慮
を払っておるということでございます。
阿部竹松
48
○阿部竹松君 ただいま申し上げましたとおり、その最終
決定
は例年のとおりですとことしの十二月の末になるでしょうから、ですから私は、今要求される額が多くて、最終
決定
が少ないから、これはいい悪いということで、あとで
大臣
と問答しようとは思いません。ただ、すでにもう今月も四、五日しかございませんから、そうしますると、当然省としてまとまっているはずだと思うわけです。ですから、どういう点に重点的に予算を要求して、どういう
施策
を講じたいということは、おそらく
大臣
の心の中できまっているんじゃないかと思うんです。これからやるなどということじゃないんでしょう、あと幾らもないんですから。そして八月三十一日までに大蔵省に出さなきゃならないんですから、まだ
検討
中というのは、どうも
大臣
、おかしいと思うんですがね。ここにはりっぱにこう書いてあるんです、ここにはね。ですから、もう少し具体性があってもいいはず。たとえば、探鉱費、ことしが三億円、しかし三億円では足りませんから今度は十三億にいたしますと、こういうことでもけっこうなわけです。そういうことは全然
考慮
ないんですか。
福田一
49
○
国務大臣
(
福田一
君) まだ事実省議をやっておりません。これは一応私たちが出す場合には、各局おのおの、それぞれの局で、これだけはほしい、これだけはほしいといって出てきまして、それをみな総合しますというと——今度の予算のやり方は閣議では前年度経費の五〇%増というふうなことを一応きめておりますが、いずれにいたしましても、そのワクの中に入るか入らぬかは別としても、また各局がやはり要望をいたしておるそれを総合して、それではここはどうする、探鉱費はそれじゃこういうふうに原局は言うておるけれどもどうしよう、こういうことはこれから省議できめるわけでございまして、したがって私自身、まことにどうも申しわけないんですが、そのこまかい数字をまだ了承いたしておりません。しかし各原局においてもうできている——もう日ならず、これが
決定
される
段階
になると思いますので、そうなればもちろんお答えをさしていただきたいと思いますが、今この
段階
において何億だと、こうおっしゃいましても、まだきまっておりませんのでお答えするわけにいかない。しかし、できるだけこういうものはふやすようにいたしたいということは、
方針
として申し上げておいていいと思います。
阿部竹松
50
○阿部竹松君 額がきまっておらぬとおっしゃるのであればそれ以上
お尋ね
しませんけれども、今月一ぱいにとにかく出さなければならぬはずになっている、それがまだ今日きまっておらぬということになれば、きわめて私は不安を感ずるわけですが、新聞を読ましていただくと、近藤鶴代さんという科学技術庁の長官は予算を取る名人だということで盛んに宣伝をしておるから、近藤鶴代さんに負けぬようにひとつ要望しておきます。 そこで
お尋ね
しますが、十月から
実施
する
非鉄金属
と三月からやろうとなされる
非鉄金属
の差をつけた
理由
をひとつ
お尋ね
いたします。
福田一
51
○
国務大臣
(
福田一
君) 一応十月からやろうと思いました種類のものについては、
関税
措置
その他をやりまして、大体まあ何とかやっていけるんじゃないか、こういう
考え方
に立って、一応十月一日でやろうと、こうしたのでありますが、その後外国商品の値下がり等を
考え
てみますというと、はたしてやれるかどうかということについて研究しなけりゃいかぬという意味で、ただいま
検討
をいたしておるということであります。一方、銅、鉛、亜鉛の問題につきましては、そういうような
措置
をとってみても、
関税
等の
措置
だけではまだ処理できるかどうかわからぬ。また、名
鉱山
の
合理化
あるいはその他の
施策
をやってやれば、大体来年の三月までには
自由化
に踏み切れるだろう、こういう
考え方
に立って分けたわけでございます。その種類を分けたのはそういう点にあるわけであります。
阿部竹松
52
○阿部竹松君 最前、
吉田
委員
の
質問
に対する御答弁ですがね、まあマンガンとか、水銀、モリブデン、黒鉛、こういうものを十月からやるやにここで拝聴しておったのですが、たとえば、私よくわかりませんけれども、水銀の例を取ってみますと、外国製品と六、七十万円の差がありますね。はっきり精細に何千何百万円までは私にわかりませんけれども、六、七十万円のトン当たりのコストの差がある。それは一体どういうふうな処置を
対策
として講じてやられるかという——まあこれは水銀の例ですが、具体的に
お尋ね
をしたい。
福田一
53
○
国務大臣
(
福田一
君) その問題については今までやった
対策
については、あとで
鉱山
局長
から説明をさせますが、これからどうするかということは、これは今
検討
しておる
段階
でございますから、そのように御了承願います。
川出千速
54
○
説明員
(
川出
千速君) 十月から予定しております
品目
が十幾つございますが、これはいずれもタリフ・クォーター制度を採用することを前提にしておるわけでございます。で、タリフ・クォーター制度は、これは申すまでもなく割当制度でございまして、割当を受けたものは
関税
ゼロで入ります。これは割当を受けるのは、需用想定から見て、要
輸入
量と認めたやつの範囲内で割当をするわけでございます。その割当をはみ出したものは、これは二次
関税
を取って高い税率の適用を受ける。原則として国内
鉱山
関係
等を保護する
建前
でできておりますから、その高い
関税
を乗り越えて入ってはこないであろう。まあ一種の
自由化
とは言いますけれども、半
自由化
、割当は残る制度でございます。これを十月から
実施
する予定にしております。この中で、先ほど
大臣
が申し上げましたが、昨年の見通しから
考え
ますと、海外の相場が相当に下がっておるものが出てきておるわけでございます。たとえばタングステン等は、当初の予想よりも相当に海外相場が下がっております。したがって、これの十月からそれに対する
対策
をどういうことにするかということを現在
考え
ておるわけでございます。 銅、鉛、亜鉛につきましては、これは十月から三月までの間というのが
政府
の
方針
でございまして、これは
関税
引き上げ、しかもそれは一本
関税
でございます。タリフ・クォーター制度ではない。一本
関税
で、
関税
を暫定的に引き上げて
自由化
をするという
方針
で参っておりますが、銅につきましては、海外相場は昨年よりはむしろ強含みでございますけれども、鉛、亜鉛については非常に下がってきておるわけでございます。これらの
対策
につきましては、現在
鉱業審議会
を数回開きまして、先ほど御
質問
の探鉱の問題をどういう制度でやるか、どういう形でやるか、探鉱の必要なことは何人も認めておるわけでございます。 これを今練っております。 それから、
価格
あるいは需給の安定の問題を、
関税
制度のみに頼ってやれるかどうか、その辺についての
対策
を現在
検討
しております。以上でございます。
阿部竹松
55
○阿部竹松君 そのタリフ・クォーター制度にして、割当と、割当外と——割当外は
関税
をかけるとおっしゃったが、相当外国商品とのコストの差があるから、はたしてそのコストの差だけ
関税
をかけることができるかどうか、パーセントを元にしてね。したがって、そういう額の
関税
をかければ——今
局長
御答弁のように、相当外国と問題が起きている。あるいは裏をくぐって入りやせんかという
心配
がある。 それからもう
一つ
、タリフ・クォーター制にして、一応国内の
経済
力とにらみ合わせて、大体どのくらい必要だということで、おそらく通産省で御
計画
になるか、あるいは
経済企画庁
で御
計画
になるかわかりませんが、見通しが誤らなかった場合にはいいでしょう。しかし
経済
の
動向
というものは効くものですから、なかなか池田さんの話のとおりにいかない。御承知のとおり、そういう場合には、このタリフ・クォーター制というものが混乱を生じてくるのではなかろうかという懸念がありますが、こういう懸念は私の危惧で終わるでしょうか。
川出千速
56
○
説明員
(
川出
千速君) これは通産省といたしまして、
鉱山
局だけできめるわけではございません。業界の意見も当然
考え
なければならないと思いますが、総合的に判断いたしまして最も実際に近いように、支障のないようにきめるつもりでございます。
川上為治
57
○川上為治君 私はあまりこまかい
質問
は申し上げませんが、ただ
非鉄金属
なり鉱物
資源
の問題については、非常に関心を持ち、これはほんとうに真剣に
対策
を講じていただきたい、こう思うのです。というのは、転換という問題になりますと、普通の工場とは非常に違った状態にあると思います。普通の工場の、今まで何か作っておりまして、そして今度はほかのほうに転換するというのと違って、山がいよいよほかのほうに転換するということになりますと、
従業員
の問題だけではなくて、山そのものをほかに転換するということはできませんから、非常にむずかしい問題が私はあると思うのです。でありますから、
石炭
についてはいろいろ今日までやっておりますが、
非鉄金属
については、どちらかといいますと、今までほとんどやっていない、こう言いましても差しつかえないと思います。そこで
自由化
というのが出てきまして、急激にこの問題については処理しなければならぬというような状態になったのですが、先ほどから
大臣
の話を聞いておりますと、この
対策
を十分に講じた上でなければ
自由化
をしない。もちろんこれは個々の物資について十分
検討
した上でやるのですが、原則的にはそういう
対策
を十分講じた上でなければ
自由化
はさせない、こういうようなふうに私は受け取ったのですが、その
対策
の問題について、先ほどいろいろ話がありましたように、
関税
の問題とか、あるいはタリフ・クォーターの問題とか、あるいは探鉱助成金の問題とか、いろいろな方法が
考え
られると思いますが、今度の問題については、これはよほど特殊な手を打ちませんというと、なかなかこれは簡単にやれるものではない、そう思います。特殊の手というのは、たとえば需給
調整
機関の問題であるとか、あるいは
価格
調整
機関の問題でありますとか、そういう今まで特に大蔵省あたりが非常に反対しておりましたものを、この際は思い切ってこれを実行するというふうに持っていきませんというと、なかなか
関税
とかあるいはタリフ・クォーター制とか、それだけで、あるいは探鉱の助成金という
程度
だけではこの問題は片づかぬ、こう思いますが、そういう従来からいろいろ
考え
ていてやろうとしておった問題について、大蔵省その他のほうから反対もあってなかなか話がつかない問題についても、今度は思い切ってそういうことを実行するように、
大臣
が決意をしてやるというような
考え
を持っておりますかどうか。その辺の覚悟を聞いて、もし
大臣
が少し弱いお
考え
であるならば、私はこの問題については今度は思い切ってひとつ強力に進めてもらいたいということを御要望を申し上げておきたいと思います。
福田一
58
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のとおりでございまして、私が今までの御
質問
で、
自由化
についての
内容
をここで述べろということになりますと、これはちょっとまだきめておらないから述べられないわけでありますけれども、その種の非常に
影響
のあるものについていかなる
施策
をとっていくかということについては、これはほんとうに重大な決意をもって研究をしなければならない、こう
考え
ているわけであります。特にあなたなどは一番専門家であられるので、いい知恵がございましたならば、遠慮なく私のほうへお教えいただきたいと思います。
川上為治
59
○川上為治君 知恵はありましても、知恵をお貸しいたしましても、なかなか今まで実行されていないというのが私は現実の姿じゃないか、そう思うのです。特にたとえば国産の石油についての
調整
問題とか、あるいは外国の油との
調整
問題等についても、いろいろ言われておるけれども、ほうぼうから話が出たり、いろいろあって、なかなかこれまた実行できない、こういうような状態に現在やはりあるのじゃないか、そう
考え
るものです。でありますから、私は
大臣
に特に要望を申し上げたいのは、そういう
情勢
であるけれども、この問題については、非常に重要な問題だから、ほんとうに十分な
対策
を講ぜられ、かつ今申し上げましたように、従来なかなかできなかったことを思い切って今度はやるという決意で臨んでいただきたいことを、特に私は要望申し上げておきたいと思うのです。
阿部竹松
60
○阿部竹松君 川上
委員
の要望に対して、
大臣
の、お知恵を拝借したいなんということは、自民党の議員総会かあなた方の派閥の中でやればいいのであって、あなたはもう少し自信を持ってやってもらわなければ困る。そこで今
鉱山
局長
の答弁ございました各界と相談しておやりになるという、これはけっこうなことです。ただ、私は今まで、最前
吉田
委員
の御
質問
の言葉の中にもございましたが、炭鉱の問題、
石炭
政策はこれでいいのだということで押し切って、これはいけませんと言っても、われわれの力む微力なんですが、押し切って今日になった。筑豊のあるいは長崎あるいは北海道とかいう炭鉱労働者が、家族を抱えて路頭に迷っているのが現状なんです。ですからあなたのお話もよくわかるのだが、そういうことでいいのかという
心配
がある。水銀の例をとっても、私はこれは外国から入るのもけっこうです。
日本
で絶対量が足らぬから、入るのもいいです。仕方がない。しかし一手買い取り機関でも作って、国内商品と外国商品とミックスしてやらなければ、おそらくそのどこからか一角から崩れてしまって、そのとき私どもいかにここでけしからぬと、三年前こうだったと言っても、これはだめなんです。ですから、そのあたり私は
心配
しておるのです。ですからこれは
心配
ないように御明示を願いたい。
川出千速
61
○
説明員
(
川出
千速君) 深く
努力
いたしたいと思っております。衆議院で
非鉄金属
鉱山
に関する決議がございまして、その際にいろいろな項目がございましたが、中に
価格
調整
、需給
調整
の機関として買い取り機関の問題もあったかと思います。あるいはプール計算方式を
検討
せよという問題も、衆議院の決議でございますが、ございました。そういう問題も含めまして、現在
鉱業審議会
で
検討
をしております。まだ結論は出ておりませんが、いろいろな案を通産省からも出しまして研究をしてもらっておるようなわけでございます。いずれも何らかの結論が出てくることを期待しております。
阿部竹松
62
○阿部竹松君 何らかの結論といっても、もうあと一カ月後に
自由化
しようという該当
品目
があるのですから、そういうことでいいのか、こういうことを申し上げておるのです。 それからもう
一つ
あわせて
お尋ね
したいのは、この前の
国会
でいろいろ論議されましたとき、例を銅にとって申し上げますと、二カ年半は三万円の
関税
でいき、あと二万七千円の
関税
で、国内のコストとバランスをとるという
方針
でいきますというお話がございました。しかし今日では外国商品がその当時より
価格
が下がっておるので、また再考しなければならぬというようなお話も承っておるのですが、これはどういうふうな方向で来年の三月まで
貿易
の
自由化
に備えての見通しを立てるか。
川出千速
63
○
説明員
(
川出
千速君) 銅の地金につきましては、御指摘のように、前期二年半がトン当たり三万円の
関税
、後期二年が二万七千円、三千円下げるわけでございまして、現状よりも上げて、だんだん下げていくということで、急激なショックを避けつつ
自由化
に踏み切っていくというのが、現在
政府
できまっておる
方針
でございます。ところが
鉱業審議会
では、既定のことも含め、そのほかにもっといい知恵はないであろうかという最も
根本
的なところから
検討
を現在いたしておりますものですから、まだ結論は出ておりませんが、必ずしもその前提に拘泥はしないで
審議
を進めていくということでございます。
阿部竹松
64
○阿部竹松君 そうしますと、依然として三万、二万七千円でいくと、こういうことですか。
川出千速
65
○
説明員
(
川出
千速君) 現在
政府
の
方針
はそうなっておりますが、必ずしもそれに拘泥をしないで
検討
を
審議
会は進めておりますので、あるいは別な
考え方
が出てくれば、それを
政府
としてはさらに
検討
してみなければならないかと思っております。
阿部竹松
66
○阿部竹松君 しかし、当時のですね、まあ世界相場が
アメリカ
によってなされるかどうか私よくわかりませんけれども、やはりその世界相場の銅の建値に大体標準を作る
アメリカ
の相場が変動してくると、依然として三万だ二万七千円だということでいくわけにはいかぬでしょう。そういうことになりませんか。
川出千速
67
○
説明員
(
川出
千速君)
鉱業審議会
でも、銅が論議の
一つ
の大きな
中心
になっておりまして、一本
関税
三万円、二万七千円という一本
関税
で
自由化
に踏み切る、あと探鉱
関係
の資金は相当に
確保
するということにした場合に、はたしてそれだけで十分であろうか。先生の御指摘のように、一本
関税
と探鉱資金の
確保
、これはまあ資金の量にもよりますけれども、それだけで十分であろうか。つまりは需給の安定という面が、さらにある特定の、少なくともある特定の期間必要ではないかという御意見が非常に強く出ておりまして、今それを
中心
にして分科会を設けて研究をしておるところでございます。
阿部竹松
68
○阿部竹松君 そうしますと、まあかりにですね、百歩譲って、まだ
関税
は入ってきませんけれども、来年の四月から
関税
が入ってくる。そうすると、
関税
そのものは直接
非鉄金属
の山に使うことはできませんけれども、やりようによっては使うことができますね、直接ルートでは、款項を別にして使うことができる。そうすると三方、最初の二年六カ月ですね、その
関税
をもってして、この
近代化
資金あるいは探鉱費等に使うのですか。外国商品を
関税
をかけて、何十何億になるかわかりません、しかしその金を大蔵省の金庫に入れぬで、結局国内の同じ種の
非鉄金属
産業
の山に使うのですか。
川出千速
69
○
説明員
(
川出
千速君) まだ結論が出ておりませんものですから具体的に申し上げられないのがはなはだ遺憾でございますが、需要業界とそれから
鉱山
業界との協調ということを基本にいたしまして、この
関税
をうまく使う方法はないものかどうかということが最近議論の
中心
になっておるわけでございます。
阿部竹松
70
○阿部竹松君
鉱山
局長
さんは、業界業界と非常に
心配
なさっておるようですがね。なるほどその業界の意向というのも全然無視してやりなさいということは申し上げませんけれども、省のこの種の行政の一環として、やはりいろいろな第三者の意見や何かが入るでしょうけれども、そういうのを切って、明確に筋を通してやる方法はないのですか。それをやらなければ、そちらのあれですね
鉱山
持っている者、あるいは製練所を持っている者、銅製品を使う者、それはもういろいろ各種各様の意見があって、おそらく通産省は何らせぬうちに、また
大臣
がおかわりになって、またこういう話をしなければならぬということになるのですよ。そこの一本化した
方針
がないですか。
川出千速
71
○
説明員
(
川出
千速君) 業界の意見は、やはり十分尊重しなければいけないと思います。そうして、業界の意見と申し上げましたけれども、これは
鉱業審議会
が学識経験者として委嘱した
委員
でございまして、必ずしも自分の業界の立場からだけの意見ではないわけでございます。中立の
委員
の方も中に入っておられるわけでございます。十分その意見を聞いた上で、最後に
大臣
がおきめになることであろうかと思っております。
阿部竹松
72
○阿部竹松君 話が振り出しに戻るようですが、私の仄聞するところによると、どうも
審議
会の意見が多種多様で遅々として進まぬというように承っておる。そういう御意見を
大臣
なり
局長
なりに
お尋ね
するのもどうかと思いますが、まあ省からも、いろいろな資料の提出を求められたり、あるいは参考意見として意見を述べるために
審議
会に私は
出席
されておると思う。ですからここで
お尋ね
したいことは、予算
編成
前に、
審議
会のあらゆる答申が出るかどうかという見通し。これを聞くのはちょっとどうかと思いますが、もしわかっておれば、
お尋ね
しておきたいと思います。来年の予算がきまってから
審議
会の結論が出ても、これはどうも翌々年度になりますので、その点を
お尋ね
します。
川出千速
73
○
説明員
(
川出
千速君) 現在までに数回開いておりまして、本
会議
のほかに分科会も何回も開いております。あしたもまた
鉱業審議会
がございます。できるだけ急いでおりますが、問題が
鉱山
の場合には、鉱種の数もいろいろございます、鉱種によって、その事情も違いますが、いろいろの議論が行なわれておりまして、本月中に結論を持つのを目途としておりましたのですが、これはフリー・ディスカッションの機会も必要となっておりますので、今のところ、いつまでということは申し上げかねますのですが、なるべく早く中間的でもよろしいですから、全部きまらなくても、きまったものからでも、何らかの形の答申を期待を私は実はしておるわけでございます。いつ何日にそれを出すというようなことは、ちょっとまだ申し上げにくいと思います。
阿部竹松
74
○阿部竹松君 次に、硫化鉱のようなものですね。これは
貿易
の
自由化
の対象にいたしませんという
方針
だというふうに承っておりますが、これに
関連
して国鉄運賃、これは値上げ当時ですね。——
大臣
わからぬでしょうから
局長
さん。——硫化は
貿易
の
自由化
いたしませんという
方針
のようですが、それに
関連
して、昨年
国会
できまったのは、本年の四月からですか、前の
国会
に運賃値上げが出まして、あの当時硫化の値上げ問題について、肥料
審議
会で、肥料代に含めるということで最終的締めくくりを持ち越されておったはずですが、これは解決いたしましたか。
川出千速
75
○
説明員
(
川出
千速君) 昨年の運賃割引の、営業割引の制度でやっておりますが、改定時期にきておるようでございまして、今せっかく運輸省のほうと継続方を交渉いたしております。 なお硫化鉱の問題につきましては、これは鉱業課長に……。
大木恒
76
○
説明員
(大木恒君) 硫化鉱の運賃割引に際しまして、消費者側の硫酸メーカー、特に肥料メーカーでございますが、そのほうに対しまして運賃の値上げのうちの一部をコストの中に入れてもらうようにということで、昨年の運賃値上げの際に、業界に対しまして通産省内部で、軽工業局を通じましてお願いをいたしました。これについてはちょっとパーセンテージは忘れましたが、一部原価の中に織り込んでいただいたわけでございます。それでなお不足の分につきましては、国鉄の運賃割引のほうにお願いをいたしまして、鉱産物全体といたしまして、たしか六千万円
程度
の営業割引として運賃割引が実現したわけでございまして、それが今事業年度まで継続しておるわけでございます。 さらに今後の継続につきましては、先ほど
局長
がお話ございましたように、現在国鉄と折衝をしておりまして、国鉄内部におきましても、金属鉱業の実態をよく認識していただきまして、
関係
の鉄道管理局と現在営業割引の線で継続するかどうか
検討
中というふうに聞いております。
阿部竹松
77
○阿部竹松君 私の
お尋ね
しているのは、硫化が国鉄運賃の値上げすることによって、相当の量ですから、それでことしの春の
国会
で問題になった。したがって、四月一日から
実施
して、五月の十八日まで値上げ運賃で換算して計算をして、十九日から逆に二三%の割引をして、七月三十日までは国鉄運賃の値上がっておらぬ以前の姿で計算したわけです。ところが、八月一日からどうするかということになって、その上がった分だけ肥料
審議
会の答申と相待ってコストの中に含みます、こういうことになっているから、端的に
お尋ね
すれば、国鉄運賃上がらぬ以前と同じ姿で硫化が運ばれますか、こういうことを
お尋ね
している。
川出千速
78
○
説明員
(
川出
千速君) 昨年の八月の新肥料年度でございますが、国鉄運賃全体の値上げを全部コストの中に織り込んでおりません。そのうちの一部をたしか織り込んでいると聞いております。その不足分につきまして、硫化鉱の国鉄運賃割引のほうにお願いをしまして、その分だけの割引をしております。でありますから、結果からいいますと、肥料業界と
鉱山
業界、国鉄、三者でもって、均等ではございませんが、それぞれ負担しまして、山の運賃の軽減をはかっているということになっていると思います。
阿部竹松
79
○阿部竹松君 そういうことではないのです。当時の速記録を読んでみればわかるのですが、当時の通産
大臣
佐藤さんと
経済企画庁
の迫水さん——迫水さんが企画庁長官をやっておられて、そこで木暮さんと話してきめてある。しかし担当している課長のあなたがわからぬということになれば、まだすっきりしないので、まだあいまいもことした形で、やはりやられているのじゃないかと思いますが、あなたも帰ってお調べを願いたい。 その次に
お尋ね
をしたいのですが、八幡とか、
日本
鋼管、富士鉄、鉄鋼業界が操短をやっておりますね、一八%か、二三%。あれは相当
影響
いたしますね。あれはどういうことになるわけですか。ずっと操短をやるわけてすから——通産
大臣
の勧告によって操短をやっているわけですから。
福田一
80
○
国務大臣
(
福田一
君) それは
実情
がどういうふうに変化して参りますか、ただいまのところでは、まだむしろ滞貨がふえておるような
段階
でございますので、操短を緩和するということはございませんが、しかし今後どうするかということは、
事態
の
推移
を見て善処していくと、こういうこと以外にお答え申し上げられないかと思います。
阿部竹松
81
○阿部竹松君 操短をやってから、三カ月も四カ月も操短をやって、北九州とか北海道の室蘭地区とかでは大問題。しかし
大臣
は、今後の
推移
を見てというから、きわめてのんびりしておるのですが、それに
関連
して、
貿易
の
自由化
によって
非鉄金属
、こういうものが非常に
影響
をこうむるのだが、金本位制の国であるから、金とか鉄ですね、鉄鉱、これを掘っている山は
影響
なかろうというふうに私は
考え
ておったのですが、今申し上げましたその二〇何%操短ということで、大会社が全部やっておるので、今度鉄を掘る山も、
貿易
の
自由化
じゃないのだけれども、
影響
をこうむるという
事態
が現われているのですが、こういう
事態
は通産当局では御承知ですか。
福田一
82
○
国務大臣
(
福田一
君) もちろん操短をやった場合においては、相当の
影響
はあると思いますが、これはもちろん通産省として
調査
をしておることは事実でございます。
阿部竹松
83
○阿部竹松君 時間がだいぶんたちましたから、私もう簡単で終りますが、十月から
貿易
の
自由化
やるのと、三月からやられるのと、いろいろあるようですが、今
対策
をお聞きしたわけですが、その
対策
をもってして今、
日本
にある金属
鉱山
がこのまま現行維持ということでいけますかどうですか。ということは、端的にお伺いすると、十月からと、来年の四月一日からと、二つに分けて
貿易
の
自由化
をするのですが、
日本
の金属
鉱山
が
一つ
もつぶれませんか。こういうことを
お尋ね
したいわけです。
川出千速
84
○
説明員
(
川出
千速君)
一つ
もつぶれないかという御
質問
ですと、これはやはり
自由化
をしないときでも、
鉱山
は脈が尽きたりあるいは市況のために絶えず閉山というものはあるわけでございます。たとえば昨年だけでも、相当数の
鉱山
が閉山になっております。今年になりまして、市況の
影響
もございますけれども、相当の数が現に出てきておるわけでございます。いろいろな
対策
を立てまして、
自由化
に踏み切った場合に、それではどれくらいの
影響
があるかということは、ちょっと私からはっきり、私もよく、それじゃどのくらいの
鉱山
がどうなるということは、
対策
のいかんにもよりますが、
一つ
も
鉱山
がつぶれないような
対策
ということは、これは
自由化
をしない場合でも
鉱山
は絶えず新陳代謝いたしておるわけでございまして、その辺は、そういうことはないのではないかと思っております。
阿部竹松
85
○阿部竹松君
一つ
もつぶれないか、といってと
局長
答弁するのですが、地下
資源
を採掘しておるのですから、石油にしても
石炭
にしても、この種の
非鉄金属
にしても、鉱石がなくなったあとは、当然これはもう休廃山、閉山になるのはあたりまえですよ。ただしかし現行のままであればやっていけるものを、外国商品が安い、怒濤のように入ってくるために
日本
の市場をさらわれてつぶれる。これがありませんかという
お尋ね
なんです。私は今まで長い間経験して、いつでも労働省と話し合いをするのですが、通産省では
計画
に基づいて、ぼちぼち企業をつぶしたりするわけです。これは自由主義
経済
だからやむを得ないかもしれない、弱いのがつぶれるのは。しかし労働省のほうにいってみると、通産省は通産省の通産行政に失敗して、私のほうに失業者をたくさん回してもらっては困るというのが労働省の言い分ですよ。したがって
貿易
の
自由化
によって、幾つかの山が
自由化
の波にやられてしまう。そうすると幾つの山がつぶれて、何人の
従業員
がその山を去らなければならないかということは事前にわかっておって、そして労働省のほうとも連絡をとって、しからばどうするかという
対策
が、やっぱり労働省と通産省とで話し合いがなされるべきだと思う。こういうことですから、大体
貿易
の
自由化
、ことしの十月と来年の四月からやれば、どれくらいの山が維持困難になるであろうか、どのくらいの人間が余るであろうか、その人間をどうするかという話し合いが、労働省の責任ではあるけれども、あなたのほうで労働省のほうに、やはり示して
対策
を立ててもらわなければならない。特に本年度の予算に要求してもらわなければならぬと思うのです。 ですから、そういう山の数とか、あるいは
従業員
の数は御承知だと思うのです。御承知でなかったら、これは怠慢ですよ。それは全然御承知じゃないのですか。
川出千速
86
○
説明員
(
川出
千速君)
鉱山
の場合は、
石炭
の場合とその点若干異なる点がございまして、もちろん私ども相当の
調査
をして
鉱山
の実態の把握に努めておりますが、
鉱山
の場合には、もう絶対にだめなコストの高い山も中にはあるかと思いますけれども、探鉱次第によっては生き返る山も相当にございます。小さいから必ずしも競争力がないわけではない。大きいところも、コストの高いところはございます。小さい
鉱山
がまた大
鉱山
になる可能性も多分にあるわけでありまして、いわゆる
石炭
のようにスクラップ・エンド・ビルドの政策をそのまま適用しがたい性格を持っているもの、それは若干は、そういうものがあると思いますが、したがって
自由化
になりました場合、これから
対策
を立てるわけでございますが、われわれとしてはなるべくショックを与えないような、急激なショックを与えないような、まあ
関税
引き上げも、その
一つ
の手段ではあるわけでございます。ショックを与えないような
対策
を立てつつ、だんだん
合理化
が進んでいくということをやるべきではないかということで、現在研究いたしておるわけでありまして、もちろん労働省ともいろいろ相談はいたしております。 それでは、現在何
鉱山
がどうなって、人がどうなるという数字は、的確にはまだ把握していないわけでございます。目下
検討
をしておるわけでございます。
阿部竹松
87
○阿部竹松君 炭鉱と違うという御答弁ですが、炭鉱の場合にも数年前、今
鉱山
局長
から承ったような話を承った。結論的には同じになる。特に探鉱費、
近代化
資金といっても、探鉱費は昨年三億円。
一つ
の山でも三億円ぐらい探鉱しなければならないのに、
政府
のやる補助金が微々たるものですから、大手は自分の力でやる山もあるわけですが、
中小企業
等は、もう
貿易
の
自由化
にやられてしまうから、わかっているだけ掘ってしまう。あとは炭鉱やめだというけしからぬ経営者かたくさんおる。ですから、これは三億円が三十億ででもあれば別問題ですが、しかし今まで遅々として進まない予算拡大について、ことし望外な予算がふえるとは
考え
られない。最前、
局長
にお話した外国の
関税
ですね、外国からの
関税
を全部これに使うということになれば別問題ですが、しかもなかなか、今後の交渉に待たなければなりませんけれども、容易でないということになると、幾つかの山が
貿易
の
自由化
によってやられるわけです。その
対策
をスロー・ダウンでやって、あるいは急ピッチでやって、いずれにしても
対策
を立てておかなければならないと思いますが、そういう
対策
については、全然御
心配
要りませんか。
川出千速
88
○
説明員
(
川出
千速君)
雇用
の問題ないしは
離職者対策
の問題につながる御
質問
かと思います。現在すでに
日本
鉱業では相当の人員整理の数を発表しております。三千名以上だったと思いますが、そのほかにも閉山をした山もあるわけでございまして、こういう問題の処理につきましては、労働省とも相談を現在いたしておるわけでございますが、とりあえずは広域職業紹介の指定
地域
にいたしまして、これは一般的な
対策
でございますが、手を打っておるわけでございます。なお
石炭
のようなあるいはそれに準ずるような
対策
がとれるかどうかということにつきましては、いろいろな議論がございます。われわれとしましては、地下
産業
である、それから労働
関係
の方は勤続年数が一般
産業
に比べれば相当長い、それから平均年令も相当高いこと等、特殊な事情もございますので、何らかの
対策
を立てなければいけないということで、労働省とも合打ち合わせをしておるところであります。
阿部竹松
89
○阿部竹松君 私も、
石炭
のようにならぬことが望ましいことであって、
局長
さんの御答弁のようにいけばいいけれども、
石炭
というもので、えらい今までの長い間に悲惨な状態を知っているがゆえに、金属
鉱山
もそのようになるのではないかということで、今のうちに手当をしなければ、このままの姿でいけば、三年後には
石炭
の姿と同じようになってしまうということで、いろいろと御要望や
お尋ね
をしているのですが、とにかく格段の
努力
をお願いしたいと思うわけです。 次に、
石炭
のことで
一つ
二つ聞きたいのですが、担当の方お見えになっていますか。
剱木亨弘
90
○
理事
(
剱木亨弘
君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
剱木亨弘
91
○
理事
(
剱木亨弘
君) 速記を始めて。
近藤信一
92
○近藤信一君 時間もあまりございませんから、私も二、三の点について御
質問
をいたしますが、それは
アメリカ
の
輸入
陶磁器の
関税
引き上げの問題についてでございますが、その前に、対
米輸出
の
先行き
不安ということについて、
大臣
から一点御答弁を願いたいと思います。 そこで、
わが国
の対
米輸出
は、ことしの一月から六月までの累計を見ますと、昨年の同期に比べまして約一億九千万ドルほど
増加
している。一応これは好調のようにも
考え
られるのでありますが、これは三十六年度の
日本
の対米
貿易
が十億二千万ドルに及んでおりまして、
輸入
超過であること、このことを
考慮
いたしますると、一向にこれは楽観できる問題じゃないと思うのです。そこで、あとでこれはまた
質問
いたしますけれども、最近の
輸出
状態全体として、
アメリカ
の
景気
の雲行きとこれは
関連
して、対
米輸出
の
先行き
が非常に不安じゃないか、こういうふうに
考え
られるわけでございますけれども、見通しからいきますと、
わが国
の
産業
にとって、きわめてこれは重要な問題だろうと思うのです。それは別といたしましても、対
米輸出
の内訳を見ますると、陶磁器などの雑貨類、それから繊維製品、それから怪機械類及び鉄鋼など、特にこれは消費財が多いのが特質であります。 そこでまず
お尋ね
いたしたいのは、対
米輸出
の自主規制について、現在
日本
側では、
政府
及び民間を通じまして、どのような形式や
段階
によって、
輸出
の自主的な規制を行なっているかどうか、こういうような政策が
考え
られていると思うのですが、この点について
大臣
から御答弁を願います。
福田一
93
○
国務大臣
(
福田一
君) 対
米輸出
の問題につきましては、御承知のように現在の
段階
では、昨年に比べてまあ非常に、三〇%とか四〇%の伸びを示して順調でございます。しかし、
アメリカ
の
景気
の
動向
というものから見ますと、
アメリカ
の
景気
が大体頭打ちをしているように見られますので、必ずしもこれは楽観ができないというのが現実の状態でございますが、お説のとおり、繊維の問題にしても陶磁器の問題にしても、いろいろのいわゆる向こうの業者からの、何といいますか、こちらからいえば
輸出
をはばむような策がとられておりまして、これはなかなか問題になっておりますが、一応われわれとしては、いわゆる自主規制の形において、
アメリカ
と仲よく話をするといいますか、話し合いの上で、できるだけ商売を伸ばしていく、こういう
方針
をとっている次第であります。
近藤信一
94
○近藤信一君 そこで、今
関税
引き上げで問題になっておりまする陶磁器の件でございますが、
日本
製の陶磁器の対
米輸出
は、これは八十余年——百年近く
輸出
をやっておるわけですが、こういう歴史を持っておるわけです。いわばこれは普通でいけば、安定
輸出
品であるということが言われておるわけなんです。で、陶磁器の製造業者も市場開拓には相当
努力
をして、今日の地位というものをかちとったわけなんです。したがってこれは過去において、こうした問題に、七回くらいいろいろと
関税
等の問題があったわけです。こういう過去の何回か
関税
引き上げ問題に、こういう難題にぶつかりながら、今日まだ対
米輸出
については、熱意を持って毎年々々
努力
をしてきている。先方の
輸入
業者、メーカーの理解もあったことも当然でしようけれども、しかし、これは今わがほうの製造業者が、この
関税
引き上げということで非常に苦慮していることも
大臣
御承知のとおりだと思うのです。 それで、
アメリカ
側といたしましても、これは非常に国内の業者からのつき上げもあるだろう、こういうことも
考え
られる。特に厚手の高級食器、これは
日本
の
輸出
がほとんど大きな地位を占めておると思うのですが、これも過去七回にわたる
関税
の問題があって、
日本
の業者といたしましては、今日まで自主的にいろいろと
調整
をはかりながら、対
米輸出
をやってきたわけです。現在陶磁器の対
米輸出
の地位というものは、したがって特に高級品については、これは
日本
の
輸出
業者が非常な
努力
をしてきたことも
大臣
認められると思うのです。 そこで
政府
として、今後一体これらの
日本
の
輸出
関係
について——
アメリカ
といろいろ折衝はしておられますが、一体どんなような
方針
を持っておられるかどうか、この点
お尋ね
いたします。
福田一
95
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のように、陶磁器につきましては、長い間
日本
が対
米輸出
をいたしておりました。その間いろいろの問題もございましたが、そのつど業者のお方も、また
政府
としても
努力
をいたしまして、今日の地位を築いて参っておるのでありますが、最近に至って、また
輸入
業者の訴えによって、ただいまはいわゆる
委員会
を開いて、どういうふうにするかという処置が
検討
されておることは、近藤さんが御指摘のとおりであります。
政府
といたしましては、こういうような
日本
の雑貨類のうちでも、特に対米
関係
において陶磁器が占める地位等も
考え
まして、そういうようなことになっては非常に業者に対しても
打撃
を与えることになるので、弁護のためには、十分弁護士等も活用してもらわなければいかぬ、これを全部業者に負担させるのもどうかというので、特に補助金を出してまで、弁護料の補助金まで出して、一生懸命これを防衛といいますか、そういうような
輸入
制限が行なわれないように
努力
をいたしておるという
段階
でありますが、通産省といたしましても、外務省と連絡をとりまして、お説のように、この
日本
の陶磁器業界が非常に今まで紳士的にやってきた、特に高級品については、今までそういう地位を持っておるんですから、これが一挙にして、そういう自由
関税
をかけられるというようなことで
輸入
を防遏されるということは、まことに遺憾にたえませんので、
政府
関係
を通じましても、何とかそういうようなことがないように今後十分
努力
をいたして参りたい、かように
考え
る次第であります。
豊田雅孝
96
○豊田
雅孝
君
関連
して御
質問
いたしますが、
アメリカ
の
輸入
制限、それから
関税
の引き上げ問題、今陶磁器問題が起きておるわけでありますけれども、通産
大臣
も御承知かと思いますが、昨年日米の
経済
合同
委員会
が
日本
の箱根で開かれた際に、
日本
側から
アメリカ
に対して、
輸入
制限ないしは
関税
引き上げ問題について、当時十分に
日本
に対して好意ある
考慮
を求めるというような発言があったようでありますが、その際に、
アメリカ
側のほうでは
日本
の低
賃金
問題を出して、当時ドルで
アメリカ
は言ったようでありますが、円に換算すると、あらゆる
産業
——男女を通じてでありますが、一日平均約二千円、ところが
日本
は大体において四百円前後、いいところをとっても五百円前後、総平均でありますが、なる。と、まあ四分の一。こういう状態では、
アメリカ
の
国内産業
自体が、
日本
の低
賃金
による
輸入
品によって極端に言えば崩壊していくという話があって、これはまあむしろやぶへびだというので、
アメリカ
の
輸入
制限、
関税
引き上げ問題についての
日本
の攻撃というのですか、これがストップしたというようなことを当時聞いておるのですが、自来私は、この問題は
アメリカ
でいろいろな姿で出てくるのではないかと非常に憂慮をしておったのでありますが、はたせるかな、陶磁器の
関税
引き上げ問題というものが出てきたわけであります。今後を
考え
ますると、陶磁器
関税
問題はもちろんでありますけれども、いろんな商品について出てくるのではないか、これに対して
日本
側はどういう態度をとるのか。 これについて
考え
られますることは、国際的には、そういう問題がありますが、国内においては、ことに
中小企業
製品について、さような問題が起きまする際に、一面において
賃金
をだんだん上げるということになると、
中小企業
自身、経営自身がはたして耐えられるのかどうか、国際的に国内的に二律背反的な、そこに宿命的な問題があるのではないか。これを
考え
ましたる際に、
日本
の
政府
としては、よほどしっかりした
対策
を、国際的に国内的に講じていかなければならぬのではないかということを痛感いたしておるわけですが、今の問題に
関連
いたしまして、今後の基本的な
日本
の
方針
と言いますか、そういう問題について
大臣
の御所見をお伺いしたいと思います。
福田一
97
○
国務大臣
(
福田一
君) 前段の趣は、私も仄聞したことはございますが、そのことを今つまびらかにいたしておりません。が、お説のとおり、今後繊維の問題にいたしましても、陶磁器の問題にいたしましてもあると思いますが、そういうような対
米輸出
ということについて、今後も、いわゆる
アメリカ
の業者から反対があって、そうして問題が起こり得ることは予想されないわけではございません。しかし、これは
アメリカ
だけじゃなくて、どこの国からも起きる問題でございまして、私は、世界の国々が、お互いが商売をしておるという
段階
から見ますと、これはどうしても避けられないことだと思うのであります。 そういうときに、先ほど
自由化
の問題でいろいろお話がございましたが、私たちは商売
関係
の人からも、いろいろ話を聞いておるのでございますが、やっぱり
日本
の立場をいじめようというような場合に、お前のところは、こういうことをして悪いことをしているじゃないか、お前のほうは、たとえば
自由化
をしないで
差別
をしておるじゃないか、それで勝手に
貿易
を伸ばそうと
考え
ているのはいかぬというような意見もあって、これはやっぱり、うちのほうも自由にする、お前のほうも自由にしてくれ、こういうわけでやり合わにゃいかぬ。そうして突っ張っていかなければ、商売というものは成り立たないと思います。 ただ、まあ御承知のように
アメリカ
につきましては、何といっても、こっちのほうが
輸出
いたしておるものよりは
輸入
しておるものが多いのでありますから、そこいら辺のところをもっと強調したいとも思うのでありますけれども、ここがまた、なかなかむずかしい問題でありまして、御承知のように、
輸入
しているものについては、向こうが非常に安いとか、便宜をはかってくれるというようなことがあって、そこから買ったほうが得だということになるものだから、どうも急にはやめるわけにいかないというような、いろいろな
事情等
もございまして、こっちがこれだけやってやるんだから、もっとお前さんのほうも買ってくれたらいいじゃないかとよう言えない場合もあります。 しかしいずれにいたしましても、
日本
の国としては、どこの国とも友好な立場において、友好
関係
において、やはり商売をしていくということでございますので、まあひとつこの際、十分な決意をもってやらにゃいかぬというお言葉は、もうよくわかるのでありますが、その国、その時、またその品物に応じて、ひとつ弾力的な
考え方
で、商売は商売だという
考え
でもってできるだけ進めて、そして
日本
の
国内産業
を助成するといいますか、育てていくというためにお骨折りをしたいと、かように
考え
ておる次第でございます。
豊田雅孝
98
○豊田
雅孝
君 ただいまのお答えに
関連
するわけでありますが、一面
貿易自由化
で
日本
の
産業
は、先ほど来、まあいろいろ
質疑
応答のあるがごとく、非常な危険を侵してまで
貿易自由化
をやろうとしておる。一方
アメリカ
その他については、
輸入
制限、
関税
引き上げがある。私はこの今こそ
日本
からの
輸出
製品に対する制限、あるいは
関税
引き上げ問題を好転させるのには、ギブ・アンド・テイクで、絶好の機会じゃないか。これを外交的に
経済外交
として大きく持ち出すということは、私はもう当然であり、また絶対に必要なことじゃないか。それだけにこの際真剣な、国をあげての
対策
をお
考え
願ってしかるべきじゃないかということが
一つ
であります。 それともう
一つ
は、チープ・レーバーを言われますが、それ以上にやはり
価格
の問題で国際的に問題なのは、乱売、過当競争といった問題であります。これについては国内別係もありましょうが、要するに外国商社の買いたたき、これがまあ非常な大きな原因をなしておるのであります。これについて国内それから外国商社に対する両面から、徹底した過当競争の防止、乱売競争の防止、これをこの際おやりになることが絶対に必要じゃないか。今の大きく
貿易自由化
に
関連
する
経済外交
を打ち出すということと相並んで、この二点を徹底的におやりになり、早急に
対策
を立てていただく、しかも徹底的におやりになることが必要だというふうに思っていますが、御所見を承りたい。
福田一
99
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のごとく、
自由化
を実現して、今度まあさらに踏み切って九〇%を目途に今やるわけでありますから、これを機会にわれわれのほうも、これを武器として、われわれもこれだけ踏み切っておるのだから、ひとつあなたのほうでも十分
日本
の誠意を認めて、そして
日本
のものを買うように、そうして
日本
の品物が入らぬようなことはできるだけせぬようにしてもらいたいということを、いわゆる
経済外交
の
方針
といたしまして、お説のごとく大いにやらしていただきたいと
考え
ておる次第でございます。 なおまた後段の過当競争等につきましては、いろいろの問題がございます。これは場合によっては、よく言われることでありますけれども、何といいますか、いろいろの法制上の制約等もあるわけでありますけれども、しかしそれを乗り越えて、そうしてできるだけそういう面についても、ひとつ研究をさしていただく、またある場合においては指導をするというようなことも
考え
さしていただきたいと思っております。
近藤信一
100
○近藤信一君 これは
局長
にちょっと
お尋ね
するのですが、今般
アメリカ
の陶磁器業者が、
関税
委員会
へ提訴したその
関税
引上率は、それぞれ一挙に約一〇〇%前後に及ぶと、こういうように聞いているわけですが、一〇〇%近いということになると、これは私は暴挙にひとしいと申してもいいものだと思うのですけれども、この大幅な引上率に関する簡単な
内容
、それからもしこの
関税
引き上げが
実施
された場合におけるわが方の
輸出
に対する
打撃
、それから次に
関連
産業
を含めた約四千五百ほどの
中小企業
並びに十二万人にも及ぶところの
従業員
への
影響
というものは、非常に私は大きいと思う。 そこでついででございますが、この
関税
委員会
へわがほうからも
出席
して、当方の立場を証言しているように聞いておるのですが、どのような説明をされたのか、ごく簡単でよろしいのですが、ひとつお聞かせ願いたい。
倉八正
101
○
説明員
(倉八正君) 最初の
関税率
の引き上げの問題でありますが、このことは商品の
内容
あるいは大きさによって非常に違いますが、たとえば磁器をとっていいますと、現在のものよりもさらに四五%高くなって、さらに付加税が一〇%高くなる。それから色づきのものについては、現在のものよりも五〇%高くなって、さらに付加税一〇%届くなる、こういうふうな
関税
の引き上げを今要求しているわけであります。で、われわれとしましては、現在すでに
アメリカ
に出ております外国の用品及びこれに
関連
する商品が、これによってどのくらい
影響
を受けるかということは、はっきりつかめないのでありますが、非常に
影響
があるだろうということを予想しまして、先般来から今近藤先生の御指摘になりましたように、業界から二名、補助金を出しまして業界からさらにあと二名、合計四名を向うの
関税
委員会
の公聴会に出したわけであります。ちょうど七月の二十四日から八月の二日まで公聴会がありまして、
日本
のほうもこれに弁護士を通じまして、大いに抗弁したわけでありますが、その
内容
につきましては、簡単に申し上げますと、磁器につきましては、
日本
の磁器は
米国
の磁器よりも
価格
が安いのであって、
米国
の国内製品と競合はしないというのが
一つ
であります。それからまた販売方法が違いまして、
日本
の商品は中級なところで売っているが、
米国
の国産品は高級な場所で売っている。売り方と申しますが、販売場所が違うというような言い方、それから一九五三年、
関税
委員会
が、いわゆる業者の引き上げ要求に対しまして、引き上げを却下したわけでありますが、その当時と現在というのは需要が変らない。これを磁器について向こうへ陳述したわけであります。 それから陶器につきましては、一応
日本
としては硬質の陶器を出しているので、これは
価格
が高くて
米国
品とは競合しないということが
一つ
であります。それから
米国
品は、最近ガラスやプラスチック品が非常に出回って、それが
国内産業
同士を食い合っているじゃないか。
日本
の陶器が出たからといって、
米国
の陶器を決して侵食しているのじゃない、こういう陳弁をしまして、七月の五日に帰ってきたわけでありまして、現在
関税
委員会
みずからが
調査
に乗り出して、各方面の意見を総合
調査
しているような状態であります。
剱木亨弘
102
○
理事
(
剱木亨弘
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
剱木亨弘
103
○
理事
(
剱木亨弘
君) 速記を始めて下さい。
近藤信一
104
○近藤信一君 これは私が申し上げるまでもなく、目下ケネディ大統領は通商拡大法を裁定して、それから諸外国に対しては
関税
の引き下げを実行して自由
貿易
を大きく
推進
しようとしておるのであります。その実どうやら国内の一部の業者に突き上げを食って、部分的には逆に保護
貿易
主義に転換し、現にまだ引き続いて問題になっているのは、綿製品の賦加金の問題もございます。今度の陶磁器にしてもケネディ大統領の選挙
対策
の
一つ
だと私は思っておる。それと通商拡大法の通過の重大な
関係
があるので、問題がますます複雑になっているように私は思うのです。特に陶磁器の場合は、今のチャンス、通商拡大法がパスしない前にこれを強行しよう、こういう気がまえがございまして、今回は、容易に、この問題は楽観を許さないと私は思うのですが、従来もこの陶磁器の
関税
の問題ではしばしばございましたが、そのつど大統領のあれによって緩和されておりまするが、やはり今度の場合は、大統領選挙も近づいておる
関係
で、なかなか
アメリカ
としても、これは強行策をとっておるんじゃないか、こういうふうにも
考え
られるわけですが、通産省としては、こういう点について、どういう見解を持っておられるのか、この点
大臣
から伺っておきたいわけです。
福田一
105
○
国務大臣
(
福田一
君) お話のとおり今までもしばしば問題がありまして、結局
関係
閣僚
会議
の
決定
によって、今まではそういうような
関税
の膨張をするというようなことはやめになってきておったものであります。今度の場合は、大統領選挙といいますか、選挙にも
関係
があるから、どうなんだろうかというお説でございますが、これはわれわれといたしましても、どの
程度
にこの問題をケネディ大統領が
利用
しようとされておるか。あるいはまた通商拡大法との
関連
は、どの
程度
に
考え
ておるかということは、私から申し上げることはちょっとむずかしかろうと思うのでありますが、いずれにいたしましても、
日本
が持っておった権益を侵されるというような形に相なるわけでありますので、
政府
としては極力ひとつ、そういうことのないように
政府
に対しても働きかけをいたしたい、かように
考え
ておるわけでございます。
近藤信一
106
○近藤信一君 先ほど
大臣
も言っておられたように、
日本
と
アメリカ
との
関係
は、
日本
のほうは
輸入
超になって、
輸出
のほうは、買うほうよりうんと少ないわけです。もう少し
日本
としては強く
アメリカ
側に僕は要求できる素地というものがあると思うのです。いつも
アメリカ
側の言うことで、こちらがごもっともでございますでは、
日本
の業者としても、これは今後
考え
なきゃならぬのじゃないかと私は思うのですが、そういう点はどうですか。
福田一
107
○
国務大臣
(
福田一
君) お説のとおり、そういうふうにやれるといいのでありまして、PR等でも
輸入
業者が、向こうの業者がそんなに
日本
の
輸入
を押さえるというと、おれのほうにも
影響
があるからひとつやめてくれ、こういうふうに言わせるように宣伝をし向けていくということにすれば、これは一番いいわけであります。おっしゃるとおりでありまして、それも
考え
ておるのでありますが、ただ、これは残念なと言うとおかしいけれども、何しろ向こうから買う品物が安い、よそで買うより安いのであります。それからまた、あらゆる意味において、
金融
その他についても便利をはかってくれる、支払い方法その他についても、便利をはかってくれるというふうになっているものですから、どっちにしたって、
アメリカ
から買わねば損だという品物が今多いというところに、今あなたがおっしゃった、こんなにおれたちが物を買ってやるのだから、だから君たちのほうももう少し物を買ったらいいじゃないか、われわれが買うのだから、ということが端的に言えない面もあるわけであります。しかしながらおっしゃるお気持は十分わかるのでありまして、何と言ったってよけい買っているのですから、その点を強調して、そうして向こうさんにも、いわゆる
アメリカ
にも、なるべくよけい物を買ってもらえるように、ひとつ大いに骨を折らなければいかんということにつきましては、おっしゃるとおり
考え
ておる次第でございます。
近藤信一
108
○近藤信一君 いつも対米
貿易
になりますと問題になる点は、
日本
は低
賃金
で労働者を使っているから製品が安いということが、いつも問題になるのです。今度の参議院選挙のときには、池田総理や自民党のほうでは、いや今の
物価
高は労働者の
賃金
値上げに原因しているのだというように宣伝されたようですけれども、いつも外国と
貿易
問題でずっとひっかかるところは、
日本
の低
賃金
という問題が常に問題になっているので、そうするとこれは、池田さんや自民党の皆さんが言っておられる大幅な
賃金
値上げをするから、こういうことになってきたのだということ、
物価
が上がってきたのだとか何とかいうこととは、私は全く違うのじゃないかと思うのですが、どうですかこれは。
福田一
109
○
国務大臣
(
福田一
君)
賃金
を上げますというと、やはり
物価
にはね返ってくることは、これは事実だと思うのでありまして、
物価
にはね返ってきて値が上がれば、
輸出
がむずかしくなるということになろうかと思うのであります。
賃金
が安ければ、
物価
はそれほど高くならない、そうなれば
輸出
はできる、こういうことになります。そうすると外国のほうから、お前のほうは、いわゆる
労働力
のダンピングをしているじゃないかと言われるのでありますけれども、しかしそれは、おのおのその国その国における
経済
の状態、また
経済
の
発展
の状態、またその
国民生活
の
向上
の姿というものは、どこの国も違っているので、それを一々言っていたのでは、お互いに交際というものもできないし、商売というものもむずかしかろうかと思うのでありまして、こういう点は相互がやはり理解をし合うことによって、初めて世界の平和というものが保てるのだ、こう思うのであります。一ぺんに
アメリカ
並みのことを
日本
にせいと言ってもできませんし、あるいはまたタイの人たちに、
日本
と同じことをせいと言ってもできないのは、これはもう同様だと思うのでありまして、こういうふうに
先進国
からいわゆる後進国に至るまでの間には、いろいろの
経済
段階
があると思うのでありますが、しかしながらお互いがその立場を慰めつつも、できるだけ
貿易
なり何なりの、物を売ったり買ったりするようなことをできるだけ自由にしていく、こういう
考え方
でやってもらわなければ、私は
先進国
としての威信は保てない、こういうふうに
考え
ているわけであります。
近藤信一
110
○近藤信一君 最近
アメリカ
の
景気
は、ドル不安やコスト・インフレ、失業の累増などによって現われているように、次第に先き行きの雲行きが悪化の
傾向
を示しておると思うのです。そこで来年の早々か、来年の夏ごろには、これははっきりと
アメリカ
の不況ということが問題になってくるのではないかと、こういうふうに一般的には観測されているのであります。 もしもそのようなことになると、量的に
増加
したかのように見える対
米輸出
というものが、ますます減退していくのではないか、こういうことが予想されるわけでありますが、これについて何か
対策
を
考え
ておられますか。
福田一
111
○
国務大臣
(
福田一
君)
貿易
の
関係
におきましては、できるだけ
貿易
を伸ばすというのは筋合いでございますが、たとえば対米
関係
において、そういうことが起きるかどうか、今からそれは、予想というものはありますけれどもが、そうなればなったで、また
アメリカ
のほうは
アメリカ
、またよそはよそというふうに、できるだけとにかく伸ばしていく、そうして
事態
が起きたに従って先見できる
段階
までわかってきたときに処置をしていくというよりほかに、いわゆる
経済
は生き物だという立場から
考え
てみますというと、われわれとしてもこうするのだ、ああするのだということは申しかねると思うのであります。しかし、できるだけ伸ばすということについては、もうたとえそれが
アメリカ
であろうと、どこの
地域
であろうと、ひとつ大いにがんばっていかなければならぬ、かように
考え
ておるわけでございます。
近藤信一
112
○近藤信一君
大臣
は何か一時に用件があるそうで急いでおられるので、最後に一点、これは陶磁器の問題と別ですけれども、お聞きしておきたいのですが、先ほど来
貿易自由化
の問題で、いろいろ同僚議員から
質問
をされておりますように、この
貿易自由化
に対する反対の今機運というものが、各業界に現われておることは事実なんです。これは機械金属
関係
もそうでございますし、さらに
非鉄金属
、それから化学
関係
、それから農産物等々、たくさん今業者は
貿易自由化
を反対、または大幅な延長をしてもらいたいといういろいろな陳情もして、受けておるわけなんです。過日、これは八月十八日の新聞に出ておったのですが、重政農林
大臣
はバナナの
自由化
の問題については、これはコレラの問題もあるし、日台
関係
もあるから、これは延期するのだ、こういうことを閣僚
会議
のあとで語られたと、こういうことが新聞に出ておるのですが、台湾のバナナの問題の
自由化
については、今
大臣
はどういうふうに
考え
ておられるのかどうか。これは農林
大臣
は延期したいと、こういうことを言っておられるし、
貿易関係
のほうは通産
大臣
の
関係
でありますから、これは通産
大臣
として、先ほど
吉田
委員
の御
質問
に対して、業種別にこれはいろいろと
考え
て、九月の中旬に、はっきりときめたい、こういうふうなことを答弁しておられたのですが、今どういうふうに
考え
ておられますか。
福田一
113
○
国務大臣
(
福田一
君) その問題につきましては、まだ正式に農林省のほうから私どものほうに話がございません。今新聞その他を通じて承っている
段階
でございまして、いずれにいたしましても、そういういろいろの
影響
その他も
考え
まして、九月の半ばごろには結論をこういう問題についてもつけたい。実を言いますと、
一つ
一つ
、これはそれじゃやめておこうとかというように
一つ
一つ
を
決定
しているのではなくて、一応
検討
して、全部まとめた上で、それじゃこの
品目
はどうするか、この
品目
はどうするかということで一括してきめると、こういう
段階
になっておりますので、御了承をいただきたいと思います。
近藤信一
114
○近藤信一君 この陶磁器の
関税
引き上げ問題については、今、
日本
の陶磁器業者、また
輸出
業者は非常に
心配
しておるわけなんです。それで過般、衆議院の
商工委員会
でも、それに対するところの決議をやったわけです。本
委員会
でも時間があれば、きょう皆さんと御相談申し上げて決議をしていただきたいと思うのですけれども、まあきょうはお昼で終わろうということでございますから、次回の本
委員会
で決議できるように、ひとつ案文を各党派で御
検討
願っておきたいと思いまして、このこともあわせて提案を申し上げる次第であります。
剱木亨弘
115
○
理事
(
剱木亨弘
君) ただいまのことでお答えいたします。 午前中の
理事
会でその話がございまして、案を一応作りまして、各党派に持ち帰りまして、御相談の上で、この次の
委員会
で善処したい、こういうことでございますので御了承願います。 他に御発言もなければ、本件に対する
質疑
はこの
程度
にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十六分散会 ————・————