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奥むめお君 この
改正案に対しまして、私、家庭の主婦を代表して
反対いたします。
環境衛生関係の
法律が初めてできましたときには、これは衛生立法であると、
厚生省は明らかにし、熱心にこれを説明したものでございます。ところが、このやっていることは、年々経済立法に近い
内容のものを現わしておりました。今度はっきり経済立法であると擬装を解いたわけで、はっきりした。これは、こういう
法律を
厚生省の管轄に置いていいのかどうか。私は、むしろそれを案じます。で、今、中小企業の求人難とか、賃金が上がって困るとか、経営難とかという話をずいぶん聞きますけれども、これは床屋やクリーニング屋
一つの問題でなしに、企業全体の、中小企業の運命的な産業構造の変革による問題だと思う。これとの対決なくして、ただ料金さえ上げればよくなるという指導をしているということに、すでに誤りがあると思う。私どもはきょうは時間もございませんので残念でございますけれども、とにかく
厚生省が環営法による衛生指導をなさる以上は、中小企業の経営の面まで手を出そうということは、すでにたいへんな間違いです。間違いだからこそ、求人難の問題は賃金を上げさえすれば人が来るように思っていなさる。間違いなんです。日本の床屋は、私からいえば、非常に高くして、それだけに過剰サービスをしている。三百円、五百円の床屋もございます。そこなんかへ行くと、驚くべき過剰サービスです。
国民はこんなことを求めていますか。大衆は安くて早くて、そうして衛生的なものを求めています。こういう指導をだれがするのだと私は厚生当局に質問したいと思う。で、今度の
改正法案について、各党の私の友人である議員さんや皆さんに聞きましたが、私の友人である皆さんは
反対していらっしゃる。上のほうできめちゃったから仕方がないのだ。三党の申し合わせがあって、面子が立たないようなことがあっては困るからしょうがないのだ、こういう泣きごとを言い言いこの
法案には
賛成していなさる人が多いと私は見ました。こういう妙ちきりんな
立場に、しかも、三日もこの
法案について何かかけ引きがあったらしく、私どもは何もそれはあずかり知らない。早くこの
法案について十分な
審議時間を取って下さいということは、
委員長に私が一番先に申し入れていたはずです。ところが、
委員長は時間がないからとおっしゃる。こんな
国民生活に
関係の深いことを短い時間に、そこでやめないか、早くやめろと私に何べんかお言いになった。私、たいへん残念だと思います。だから、こういう問題につきまして、
環境衛生関係というものを、こんな小手先のことをやっていたんじゃ、床屋もクリーニング屋も風呂屋も浮かばれません。クリーニング屋だって、大きな機械を入れて、一度に千枚もワイシャツを仕上げできるような機械を持ってやり出したら、みんな注文だけ集めてやっていくよりほか仕方がないでしょう、これがクリーニング商売というものになるのです。床屋もそうですね。外国の床屋なんかは、日本のように時間をかけておりません。時間をあれだけかけているところを見ると、人があると私は言えると思う。こういう問題を、どうしたらこの合理化時代に対処さして経営を成り立たせ、衛生面をよくしていくという、この指導はもっと真剣に
厚生省が
考えるべきだと思います。いや、
厚生省は衛生面をよくしていけばよいので、別に
考える問題です。これでやめますが、私は
反対いたします。この
附帯決議案は、この限りにおいては、私、たいへんけっこうだと思う。けれども、同様に私
反対を表明いたします。