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吉田忠三郎君 きょうの
特例法の扱いについては、
委員長から伺っておるとおり、
連合審査であらためて御
質問をしたい、こう考えますけれども、私はこの際、さきの
委員会で
関係各省よりそれぞれ
災害全般にわたって
概要が
説明されたので、そこで、その中で特にこの際私は九
号台風と十
号台風に限定をいたしまして、二、三の
問題点をそれぞれの
関係の省に伺ってみたいというふうに思うわけです。
御
承知のとおり、
報告にもございましたように、去る八月の四日に
北海道を襲いました九
号台風及び八月九日に来襲の十
号台風は、
北海道内一円に甚大な
被害をもたらしたのでございます。その
被害地域は、
北海道庁の
調査に基づきますと、二十七市、百九十二
町村の広
範囲に及んでおります。しかも、その
被害総額も実に四百二十億円に達する
惨状を呈したわけでございまして、今次
台風は、
北海道の場合におきましては、静かな
台風、いわゆる
雨台風で、
暴風雨を伴っていなかったのでありますけれども、なおかつ、かような
惨状を呈し、とりわけ人的な
被害は、不幸にして
死者、行方不明合わせて三十七人、さらに
家屋の
被害等におきましても、従来かつてないほどの
被害を見ております。その数は八万七百六十九戸に達しております。田畑の
被害につきましても、二十四万三千五十ヘクタール、
土木被害、これが四千六百九カ所という、これまた例を見ないほどの
被害を及ぼしております。このほかに林業、
水産、衛生、文教の各
施設におきましても甚大な
被害を与えておるわけでございまして、重ねて申し上げますけれども、
北海道の有史以来の
最大の
災害であったといわれておるわけであります。それだけに、
被災者に及ぼす
影響はまことに憂慮するものがございます。私も
災害発生と同時に、直ちに
北海道に参りまして、一週間
程度現地を
調査いたし、お見舞を申し上げておったところでありますけれども、ほんとうに私どもの能力では表現のでき得ないほどの
惨状を呈しておるのであります。幸い
北海道庁におきましては、この
災害を何とか早く
復旧したい、こういう願いから、直ちに
被害激甚の九市二十四
町村に
災害救助法を適用するとともに、
関係市町村及び
政府機関等と協力をいたしまして応急並びに
復旧対策に
全力をあげておるわけであります。このことについては、私は心から敬意を表したいと思いますけれども、さらに今後本
委員会として、あるいは
政府として考えてもらわなければならない問題が、こうした中では二、三私はあると思うのであります。その
一つは、ただいま申し上げましたように、
被害額があまりにも巨大である
関係上、しかも、去年やはり
災害を受けておりまするから
連年災害になっておるわけであります。それだけに、道並びに
市町村の、さなきだに逼迫をいたしました
地方財政事情下におきましては、とうてい今度のような膨大な
災害復旧をすみやかに
復旧いたす、その万全を期するということは、私はきわめて困難な
事情ではないか、かように現状を見て参ったのであります。したがって、私はこれらの
問題点を端的に本
委員会で申し上げて、さいぜん申し上げたように、それぞれの
関係機関の私は善処を要望いたすと同時に、その見解をこの
機会に明らかにいたしていただきたい、かように思うわけであります。
その第一に、
北海道における
河川は今日二千三百有余ございまするけれども、御
承知のように、そのほとんどはいまだ
原始河川でございます。今次
災害は、おおむねいずれも
中小河川の再決壊に起因をいたしておるのであります。そこで私は、これらの
中小河川対策を今後、ただいま申し上げたように、各
関係の省におきましては再検討を加えて、道民ないしは
被災者が望む方向の
復旧に
全力を尽くして参らなければならないのではないか、そういう意味からも、たとえば
現行法の治水十カ年計画というのがございまするけれども、こういう計画等におきましても、繰り上げて施行をはかったり、あるいは計画のワクについても飛躍的に拡大強化、さらには工事の一元化等を必要として参るのではないかというように思うのであります。幸いきのうの新聞で、
建設省はこの問題について重大関心を持っておるようでございまして、十カ年計画改定等についての構想を重点的に明らかにいたして参りました。ですけれども、今申し上げたように、その
内容は
大綱的なものだけでございまするので、私はこの際もう少しより具体的に、細部
内容をこの
機会に明らかにいたしていただきたい、かように考えまして
質問をいたしておるわけであります。
関係各省の御所見をこの
機会にお伺いをいたしておきたいと思います。
第二の問題は、再
災害を受け、あるいはまた再
災害のおそれのある
河川、堤防、
農地及び
農業用施設の
災害復旧は、
現行法では原形
復旧を
原則といたしております。こういう建前でありますから、昨年の
災害を受けた場合における現地をながめてみましても、ほとんどこの原形
復旧が今度また再決壊、再
災害を受けておるというような
事情であります。したがいまして、膨大な経費をいかにこれらに投入いたしてみましても、ただいまの
報告にもありましたように、すでに第十四号の
台風もまた
北海道に来襲しておる、こういう
事情であるとするならば、まさに私はさいの河原の何とかいうたぐいではないかというように思うわけであります。したがって、これらについても、私は今次
災害の実態、実情からながめてみまして、抜本的に私はこの方向を変える必要があるのではないかと考えるのであります。その意味は、原形
復旧じゃなくして改良
復旧工事を
原則とすることが最も今日の時限では適切ではないのか、こういうふうに思うわけであります。そしてまた小
災害についてもその
補助金を
引き上げ、あるいは
復旧年限を短縮をするなど、具体的な
措置をとらなければならないのではないか、こう実は私は思っておるわけであります。そういう立場から申し上げまして、この際早期
復旧を強く国民要望として各方面から、先ほども長野県から陳情がございましたように、求められているわけです。こういう
事情にかんがみまして、今日の
現行法、たとえば
公共土木施設災害復旧事業費国庫
負担法の第二条の定義などについては、この際、改正をいたすべきではないか、このことが今申し上げた国民全体の負託にこたえるすなおな道ではないか、こう考えておりますので、この点についても、
関係の所管の人々から御所見を伺ってみたいと思うわけです。まだそのあとあと具体的の二、三の問題を
質問をいたしてみたいと思いますけれども、今申し上げたこの二つの点について御見解をいただきたいと思います。