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1962-09-10 第41回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年九月十日(月曜日)    午後一時三十分開会   —————————————   委員の異動  九月十日   辞任      補欠選任    村上 春藏君  岡村文四郎君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     辻  武寿君    理事            藤野 繁雄君            米田 正文君            田中  一君            村尾 重雄君    委員            井川 伊平君            岡村文四郎君            森部 隆輔君            鍋島 直紹君            杉山善太郎君            林  虎雄君            渡辺 勘吉君   事務局側    常任委員会専門    員       増本 甲吉君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    消防庁教養課長 上川  澄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (水防団員等の処遇に関する件)   —————————————
  2. 辻武寿

    委員長辻武寿君) ただいまから、災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告いたします。  本日、村上春藏君が辞任され、岡村文四郎君が選任されました。
  3. 辻武寿

    委員長辻武寿君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  質疑の通告がございますので、これを許します。藤野繁雄君。  なお、政府側からは内閣審議室島村審議官消防庁上川教養課長が見えております。
  4. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 警察庁から提出された資料によってみまするというと、三十七年の一月から八月までの災害状況は、十六回の多数に上っておって、ほとんど日本全国被害を及ぼして、その被害も非常に甚大であるのであります。私は常に災害を未然に防止し、また、不幸にして災害をこうむった場合には、被害最小限度に食いとめるように措置すべきであると考えるのであります。災害対策はいろいろありましょうが、消防団水防団活動に期待するところが多いのであります。消防法によってみまするというと、「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民生命身体及び財産火災から保護するとともに、火災又は地震等災害に因る被害を軽減し、もって安寧秩序を保持し、社会公共福祉増進に資する」ものとする、こうなっておるのであります。また、水防法によってみまするというと、「洪水又は高潮に際し、火災を警戒し、防ぎよし、及びこれに因る被害を軽減し、もって公共の安全を保持する」と、こういうふうにあるのであります。そこで、消防団員または水防団員が、いついかなる事件が突発しましても一進んでこれに当たることが肝要であるのであります。また安心してそれに当たることができるようにすることが必要であるのであります。すなわち、身分保障をしておくことが必要であるのであります。このために、消防団員等公務災害補償責任共済基金法というものが昭和三十一年に制定されたのでありますが、消防庁資料によってみまするというと、団員及び協力者昭和三十三年度以降の死亡者の数は、三十三年度は、団員が五十九、協力者が八、三十四年は、団員が百二十三、協力者が三十、三十五年は、団員が四十七、協力者が三、三十六年度は、団員が二十一、協力者が三十二人、三十七年度は、団員が二人、協力者が三人、こういうふうになっておるのであります。次に、団員及び協力者に対する支給額を調べてみまするというと、最高支給額は、団員が七十三万八千八百二十円、その補償基準額が六百九十七円、協力者は三十六万九千七百六十円、基準額が六百九十二円、最低支給額は、団員金額が三十九万四千三百二十円、協力者が十九万六千百円、その基準額は、団員が三百七十二円、協力者が三百七十円、平均しますというと、団員が四十九万五千六百円、協力者が二十三万二千六百円、こういうふうになっておるのであります。  そこで、これを土台にしてお尋ねをするのでありますが、補償基準額は何を基準として定められたのであるか、まず、これをお尋ねしたいと思うのであります。全国知事会議要望によってみまするというと、公務災害補償基準額をさらに大幅に引き上げてもらいたい、こういうふうな要求があるのであります。また、協力者とはどんな者であるか、また、支給額算定方法はどういうふうにして算定するのであるか、まず、これらの点についてお尋ねしたいと思うのであります。
  5. 上川澄

    説明員上川澄君) お答えをいたします。まず第一点は、消防団員もしくは水防団員にかかわる公務災害補償基礎額の問題でございます。基礎額の数値につきましては、基金法ができまする昭和三十一年度警察官初任給日額をとっているのであります。当時の警察官の三級一号というのは、たしか一万円程度と記憶いたしておりますので、それの三十分の一、扶養家族を加えた数、すなわち、日額に計算いたしますというと三百七十八円になるわけであります。純粋に消防団員階級状況に応じまして、団員最低三百七十八円でありますけれども、次の分団長部長、班長、これはおおむね巡査部長相当階級といたしまして、それの月俸日額に引き直したもの、さらに副団長は警部補、それから団長は警部もしくは警視程度の、当時の六級一号の月俸を本俸といたしましてこれを日額に換算し、先ほど申しました団員同様に扶養家族二・五人と見て数字を出したのでございます。  第二点の問題でございますが、この協力者現場における活動につきましては、消防法の第二十八条第二項に「消防吏員又は消防団員火災現場にいないとき又は消防吏員又は消防団員要求があったときは、警察官は、前項に規定する消防吏員又は消防団員の職権を行うことができる。」——間違いました、訂正いたします。第三十六条の二でございます。「第二十五条第二項又は第二十九条第五項」と申しますのは、火災活動のことを規定いたしておりまして、この「第二十五条第二項又は第二十九条第五項の規定により、消火若しくは延焼防止又は人命救助その他の消防作業に従事した者が、そのため死亡し、」——これは一般の人をさしているわけであります——「負傷し、若しくは疾病にかかり及は廃疾となった場合においては、市町村は、政令が定める基準に従い条例の定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。」、こういう規定がございまして、現場付近にある者は、火災延焼防止、あるいは消防吏員または団員の要請によりまして、消防活動協力しなければならない、こういうことになっておるわけでございます。これがすなわち先生お尋ねになる協力者でございます。以上でございます。
  6. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 いやまだ二つ足らぬ。質問したのは、支給額算定方法、それから全国知事会議要望した、公務災害補償基準額をさらに大幅に引き上げること、という要望をしているが、これに対する意見はどうか。
  7. 上川澄

    説明員上川澄君) お答えが足りませんので申しわけございません。算定基準につきましては、先ほど申し上げました警察官の当時の号俸を日額に直してこれを基準といたしておるわけであります。知事会がこの基準額、すなわち消防組織法の十五条の四に定める消防団員、もしくは水防団員補償基礎額の表について大幅に引き上げてくれという御要望があるようでありますが、これらにつきましては、私どもといたしましても十分検討いたしまして、この要望に沿うように改正を検討中でございます。以上でございます。
  8. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今支給額算定方法基準はそうであろうけれども、その補償額基準日額にかえたものであるとか、あるいは葬祭費というのはどういうふうにして算定するという基準があるのでしょう。
  9. 上川澄

    説明員上川澄君) ちょっとお答えが足りませんのであらためて追加をいたします。今申し上げました日額算定基準額、それに死亡した場合には千日分と六十日の葬祭料が加わって、例を申し上げますというと、消防団員公務によって死亡した場合、この場合には三百七十八円に千日分を掛けます。すなわち三十七万八千円、それに六十日分の葬祭費が加わりまして、これが遺族支給される、こういうことになっておるわけであります。以下休業補償あるいは葬祭医療補償その他というような補償支給になっておるわけであります。
  10. 井川伊平

    井川伊平君 関連して。今の質問お答えの間には相当開きがあると好じますが、お答えになっておるのは火災の場合の消防補償基準に関するお答えのようであるけれども質問災害と広くいって、消防団及び水防団それから協力者と、こう区別しておりますね。それでただいまのお答えによりまして、消防法三十六条の二によって、消防並びに火災の場合のその場所の近い所で消防行為等に参加した者に対するところの補償の問題は承りましたが、水防団の場合はどうか、それから火災以外のいろいろの災害があるが、それらのいろいろの災害についての補償をなすべきところの基準規定は何によるのか、それから協力者のうちには、その場所の近所の者だけということについてのお話があったが、遠方の者でも通りがかって、これはうっちゃっておけないというので参加して協力する者があろうが、そういうものは協力者と認めないのであるか、それから今日では自衛隊等も大きな災害のために非帯な協力をしておるが、こういうものは全然対象にならないのか、そういう点について親切にお答えを願いたい。
  11. 上川澄

    説明員上川澄君) 水防団員の場合、これは水防法によりまして、やはり公務災害補償がなされるようになっております。したがいまして、水防団員もしくは水害予防組合員もまた当然に公務災害補償対象になるわけでございます。それからその他の災害、これも消防法もしくは消防組織法の第一条の任務を遂行した場合におきましては、これは当然にその任務範囲に属する仕事でございますので、協力者といえども団員もしくは水防団員と同様に補償対象になるわけでございます。それから自衛隊の今お話がございましたが、自衛隊の場合に、これが公務災害が発生いたしました際には、やはりこれは公務員でございますので、公務員公務災害補償が適用されるわけでございます。
  12. 井川伊平

    井川伊平君 もう一点だけ伺います。火山爆発によりまして、人命等が非帯に害されるおそれがある場合に、非帯にたくさんの人が危険を昌して救助に当たる、そういう場合には、消防団の人も当たるだろうし、その他の関係の者も当たるだろうと好じますが、そういう場合に対しましての補償基準は、何か法律の根拠があるか、お伺いします。
  13. 上川澄

    説明員上川澄君) 今火山爆発の場合というお話でございますが、やはりこれに伴って地震が発生いたします場合は、あるいは爆発だけにとどまる場合、しかし、それによって人命財産に危害を生ずるというような場合になりますれば、当然に消防団員活動することになろうかと存じます。そういう際には、当然これによって負傷を受け、あるいは死亡した場合には、公務災害対象になるわけであります。  それから今私、ちょっと先生の御質問に対して遠方協力者の点についてもお答えしなかったのでつけ加えさせていただきますが、遠方の場合の協力者に対する補償というのは、現在の建前から申しますというと、これはやはり対象外といたしております。なぜかと申しますというと、やはり遠方から来る場合には、いろいろ事情がございましょうし、また、そのときの状況によって一がいには申し上げかねると存じますけれども地元近くの消防吏員あるいは消防団員活動に期待し、そうして一応警戒区域を設定をいたしますので、その警戒区域から中へ入る場合は、親戚等がございますればそういう場合も起こり得るかと存じますけれども、やはり延焼防止あるかは人命救助をしなければならないという法律規定された義務を課された者、これに対しては法でやはり救ってやる必要があるということで、現場付近にある者というものの任務範囲をある程度法で規定をいたしておりますので、そういう関係から公務災害補償による救済措置を講じておるわけであります。遠方から来た場合には、今申しましたような義務がございませんので、一応現行法令の上におきましては公務災害補償対象外としているという状況でございます。
  14. 井川伊平

    井川伊平君 最後に、すべて消防法に関します何か法規がありまして、それから割り出して全部のものを律しようというようなお考えにできているようですけれども、今日では災害範囲は非帯に広いのであるから、その災害の広い範囲協力者に対することまで全部消防法規定の解釈の延長によって解釈するということは、必ずしも適正でないのではないか、むしろ災害の非帯に広いことを考えてみれば、そういうような協力者の認定とか、協力者に対するいろいろの補償の問題とかについて、独立の法律をこしらえるのが相当ではないかと思うが、この点についてのお考えは、どう平素お考えになっておるか、承っておきます。
  15. 上川澄

    説明員上川澄君) 災害全般の広い範囲において協力者あるいは国民全体に対する災害補償といいますか、そういう問題については、かねがね私ども検討をいたしております。今度できました災害対策基本法におきましても、そういう範囲内容について、公務災害補償、いわゆる補償制度を確立する時期に来ておるのではないかと  いうふうに感じておりまするので、内部での検討を進めておる状況でございます。
  16. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 昭和三十七年度一般会計予算消防庁予算によって見まするというと、消防団員等公務災害補償責任共済基金法に基づいて、同基金事務に要する経費の一部を補助するための必要な経費として五千六百二十三万四千円が計上されておるのであります。これは前年度に比較しますというと約二倍半の増額であると思いますが、これはどういうふうな理由によるのであるかということが一つ。  次には、右基金市町村の負担するところの率は、どういうふうなあんばいになっておるか、また、こういうふうな重要な消防団員であるのでありますから、全国の全市町村が参加し、消防団員は全部これに加入するような方法をとらなくちゃできないと、こう考えるのでありますが、消防庁の提出された資料によって見まするというと、参加市町村は七八%、団員は七〇%というようなあんばいであるのであります。なぜこういうふうなものが全部加入するようになっていないのであるか。加入しないところの理由はどこにあるか。加入しないところのものに対する政府の方針は、どういうふうな対策をとって消防の万全を期したいとお考えであるか。これを伺いたいと思うのであります。
  17. 上川澄

    説明員上川澄君) 第一点の昭和三十七年度基金に対しまする国庫補助の額でございますが、これは今御指摘ございましたように五千六百二十三万四千円でございます。前年度の三十六年は二千二百五十五万一千二十二円となっておりますが、この倍近い補助金が出た理由につきましては、三十六年度末に、おおむね四千万円税度の当時赤字が見込まれておりましたので、この赤字解消のために四千万円、事務費が約千六百万円でございますが、四千万円の業務に要する経費、こういう意味合いから補助がなされたわけでございます。  それから市町村掛金の額でございますが、掛金の額は消防団員一人に対しまして六十五円、これは消防団員もしくは水防団員個人の支出でなく、市町村予算の中から、この掛金が支払われておるわけであります。そのほかに協力者の分といたしまして人口割、すなわち当該市町村人口一人について十八銭の掛金をかけることになっておるわけでございます。  それから、現在、御指摘いただきました団員加入状況でございますが、現在までの状況は、今御指摘のとおりでございます。なぜこういう基金契約をしないのかというわけでございますけれども、これは基金契約については法律で強制をいたしておりません。そういうような関係で、勢い災害のあまり少ないところは基金契約をしない、こういうような一応の状況もあるわけでありますが、われわれといたしましては、共済制度である以上、全市町村基金契約を結びまして、災害補償の的確なる実施をしてもらいたいということで、現在未加入府県市町村に対しましては、積極的に私どもから勧奨をいたしておりまして、近い将来には全員、全市町村加入するのではないかという見通しがあるわけでございます。
  18. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 市町村で滞納しておるものがありますか。
  19. 上川澄

    説明員上川澄君) 滞納はございません。
  20. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今基金に対する市町村の負担は、団員が一人当たり六十五円、それから協力者の分として人口一人当たり十八銭、これでいけば、赤字が出ないようなそろばんになるのであるか、現在においては。
  21. 上川澄

    説明員上川澄君) 現在の掛金で、現在の基金額で参りますれば赤字は生じないという見通しを立てまして掛金の引き上げを行なったわけでございます。しかしこの基準額を引き上げますというと、今の現行掛金ではまかなえないようなことになるのではないかというふうな感じをいたしております。
  22. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それで、ここで希望をしておくことは、消防団員が最初に申し上げたように、いざという場合には人命を賭して働かなくちゃならない。そのためには身分保障が必要であるのにもかかわらず、現在基金加入していないところの市町村があり、また加入していないところの団員があるというようなことであれば、その人方身分に対して、いざという場合に非常に支障があると考えるのでありますから、今お話のあったように、極力昭和三十七年度内には加入するように勧奨を希望いたしておきます。  次に、消防吏員及び消防団員で、身の危険を顧みずその職務を遂行したことによって死亡または不具、廃疾となった者で特別の功労のあった者等に対して賞恤金を授与するようになっておるのであります。このために新たに消防表彰規程が設けられて一千万円の予算を計上せられておるのでありますが、これはまことに時宜に適した処置であると思って、政府の施策に対して敬意を表するのであります。表彰方法及び賞恤金内容は、どうであるかということをお伺いしたいのであります。  次に、部内の個人及び団体に対するものはどうであるか、あわせてお伺いしたいと思うのであります。
  23. 上川澄

    説明員上川澄君) まず御質問の第一点の表彰方法及び内容でございますが、賞恤金につきましては、本年の四月一日から、これを施行することになったわけであります。この賞恤金抜群功労があって、そして死んだ場合、殉職した場合、この者に対しましては百万円を限度といたしまして、百万円を本人の父母もしくはその順位に従って支給をいたすことにいたしております。それから特に顕著な功労があった場合には七十五万円の範囲で、同じような賞恤金支給するようにいたしております。この場合家族があった場合には、扶養家族一人について五万円を加給するようにいたしております。それから第三点は、多大な功労がある、この場合には五十万円、扶養家族の加給は同様でございます。この内容でございますが、第一点の抜群功労、すなわち相当多数の人命救助をいたされて、しこうして不幸殉職をしたというような方は、第一点の抜群功労に該当するかと存じます。第二点の顕著な功労の場合は、これはまあ多数とは言いませんが、相当数人命救助を行ない、そして殉職をした場合。第三番目の多大の功労の場合には、まあ学校へ延焼するであろうかもしれないようなときに、その大きな建物を身をもって延焼防止したというような、こういう現場活動における功労が該当するかと存じます。それからさらに、公務によって障害者となった場合、これもやはり今申しました功労の度合いに応じまして、抜群、顕著、多大の三段階に分けまして、傷疾の等級は一級から八級の八通りといたしまして、それぞれ最高百万円から、以下順次下がって参りまして、最低は二十万円の範囲賞恤金支給するということにいたしておるわけであります。  それから個人及び団体表彰でございますが、特に消防、あるいは水防というようなことに対しまして個人及び団体が平素、そういうことについての功労があった場合あるいは、防災等について、消防職員及び団員等に準ずるような行為をいたしたというような者に対しまして、消防庁長官がこれに表彰をいたす、この場合賞状に若干の副賞を付けまして表彰をいたすようにいたしておるわけであります。
  24. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は、消防団員の多くは国民生命身体及び財産を保護して社会公益福祉増進のために家業をなげうって活動しているのであります。これらの犠牲的精神で多年勤続した者が退職する場合においては、その労をねぎらうべきであるのでありますが、本年度予算を見てみますというと、わずかではあるか、前年度より減少しているところの理由はどこにあるかお尋ねしたいと思うのであります。
  25. 上川澄

    説明員上川澄君) 消防団員退職報償でございますが、本年度と昨年度予算は今御指摘のとおりでございます。本年度予算査定の際、本年度予算、すなわち昨年度予算は七千万円ということでございましたが、私ども実績が出ておりません状況でございましたので、まあ大体同額というようなことで七千万円を割ったような状況でございます。しかし来年度予算におきましては、大体実績がつかまえてございますので、本年度よりもしくは昨年の予算よりはふえることになろうと存じております。
  26. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この報償金算定基準はどこにおいているのですか。
  27. 上川澄

    説明員上川澄君) 算定基礎は、消防団員でおおむね十五年以上動続した者が一身上の都合で退職する場合には、おおむね二寸程度銀盃を贈ることにいたしております。さらに二十五年以上勤続をして退職した者には三寸の銀盃を差し上げることにいたしております。
  28. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それでは、今ので大体現在の法律による話はわかったのでありますが、今度は見体的に例をあげてひとつお尋ねしたいのであります。  これは本年の七月一日から七月八日までの梅雨前線の場合の二十八府県——佐賀、福岡、熊本、長崎、広島等であるのであります。今、政府提出資料によって見ますというと、出動警察官は一万七千七百二十一人、自衛隊出動は二万八千八百六十七人、消防団員出動は十万一千三百八十二人、こういうふうに消防団員は十万一千三百八十二人も出動しているのです。そのうちで一番被害の大きかったのは、佐賀県の例であるのであります。そこで藤津郡太良町の消防団の第四分団第二十二部長宮川辰志氏、これは山津波危険地域において部落民避難誘導中に、突如山津波を受けて十四名の部落民とともに殉職したのであります。また同町の消防団第四分団第十八部長内田啓司氏は部落民及び家族待避誘導中に、突如土砂崩れがあって殉職したのであります。これについては政府資料によって見れば、それぞれ特別功労章の授与について具申している、目下その審議中である。こういうふうなことでありますが、これはいつごろ決定せられる予定であるかどうか、また消防団員等公務災害補償責任共済基金法で、どのくらいの支給がこの二人にはなされるのであるか、消防表彰規程では、どういうふうになるのであるか、退職消防団員報償規程では、どのくらいの金額になるのであるか、これを具体的にお伺いしてみたいと思うのであります。
  29. 上川澄

    説明員上川澄君) 今御指摘でございました佐賀県の消防団員と団の部長、この二人が特別功労章に該当するかどうかということでございますが、いつごろ決定せられるかというようなことでございますが、目下地元佐賀県から、書類がまだ不備でございまして、私ども要求いたしまする書類が参っておりませんので、これが来てから、さらに大蔵省の主計局とも相談をいたしまして決定をいたしたい。おおむね今月末か来月中には確定するのではないだろうかというふうに考えております。  次の公務災害補償の場合に、どのぐらいの額がこの両名に支払われるかということでございますが、団員の宮川辰志氏の場合は、団員拝命まだ五年三カ月というような状況でございますので、大体五十五万円程度ではなかろうかというふうに推定をいたします。内田部長の場合には、勤続年数が十六年以上でございまするので、七十万円になるのではないかというふうに推定されます。  それから、表彰規程による表彰につきましては、宮川辰志氏の場合は、きわめて身の危険をかえりみず、適切なる措置によって十四名の人命救助いたしておりまするし、みずからは殉職を遂げておりまするので、この分は、特別功労章に該当するのではないか。内田部長の場合は、若干人命救助はいたしておりまするが、最後の死体確認検案書によりますというと、自宅において死んでおるような状況でございますので、私どもといたしましては、なろうことなら有利に解釈をいたしまして、両方とも同じような扱いをしたいと思っておりますが、大蔵省の主計局との相談もございまするので、この際どういうことになるか、ちょっと見当がつかないのでございのでございます。極力そういうことにいたしたいと存じます。もちろん表彰規程によりましては、特別功労章が出されます。もし特別功労章が出されない場合には、多少ランクが、たとえば抜群、あるいは顕著になるか、多大の功労になるか、というところになろうかと存じます。  退職報償の問題につきましては、いずれも一号銀盃、すなわち二寸の銀盃が出されることになる、こういうふうに考えております。  以上でございます。
  30. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 最後に、全国知事会議では、「防災体制の充実と消防財源の確保について」という要望書が出ているのであります。それによってみまするというと、「災害対策基本法に基づき、防災体制の整備充実をはかること。特に、著しく劣弱な市町村消防力を、消防庁告示による「消防力の基準」に照応するため、現行の補助制度を更に強化し、消防財源の充実をはかること。」と、こういうふうに要望しているのでありますが、ぜひ私は、こういうふうなことが実現するように昭和三十八年夏予算には政府のほうで特別の配慮をお願いしたいと思うのであります。  ただ、この際一口、つけ加えておきたいのはだんだんだんだんと農村方面においても労力が不足し、かつ道路その他の整備ができたのであるから、消防器具の改善ということには大いに力を入れなくちゃできないのであります。こういうふうなことについては、貧弱な町村については、自分の力ではできない、こうふうなことでありますから、特に貧弱な町村に対しては消防設備が充実するように、そして消防の効果を発揮するようにしなくちゃできないと思うんですが、この点についてのお考えをお伺いしまして、私の質問を終わります。
  31. 上川澄

    説明員上川澄君) 災害対策基本法によるところの防災体制の整備につきましては、自治省あげて、これの強化に指導をいたしております。  さらに次の市町村消防力の問題でございますが、私どもは昨年の八月一日に消防力の基準、すなわち市町村がどの程度消防施設を持てばいいかということにつきまして告示をいたしまして、この告示の線に沿って、市町村消防施設の整備をいたすように努力をいたしておるわけでありますが、市町村の財政事情その他によりまして、必ずしも告示どおりの整備ができていないというような状況でございまするので、昭和二十八年度からございまする市町村消防施設整備に要する国庫補助金額がございまするので、これを来年度はぜひとも二分の一補助といたしまして、本年度七億のものを約二十一億要求をいたしておるわけであります。この数字が確保できまするというと、市町村消防施設は急速に強化されるものというふうに期待をいたしております。来年度予算の概算要求に対する予算の説明は一昨日済んだわけでありますが、二分の一、二十一億というこの数字というこの数字をぜひとも確保したいというふうに考えております。  それから貧弱町村に対する消防器具の改善につきましては、私ども消防研究所がございまして、ここにおきまして、いろいろな角度から消防機械器具の改善あるいは改良について研究を進めております。特に顕著なものといたしましては、もうだいぶ前になりまするけれども、貧弱な町村の小型の可搬式動力ポンプ、あるいは大型でございましても、従来三本使ったものを一本で済むような吸水管を普及させるというようなことを当研究所でも実施いたし、研究をさらに続けておるというようなことでございます。
  32. 井川伊平

    井川伊平君 関連して一点だけ。  従来、三十七年は七億のものを三十八年には二十一億の補助にする、そうすることによりまして、基準にかなった市町村消防が全部でき上がるというお見通しか。もしそうだとすれば、すでに各市町村に交渉をして、そういう内諾を取っておるものかどうか、単なる見通しに過ぎないかお伺いいたし、ます。
  33. 上川澄

    説明員上川澄君) 第一点の御質問でございますが、従来三分の一であったために地元市町村の負担が非常に多いので、かねがね私どもは負担の額を少なくしたいというので、この基準ができましてから大体十カ年で市町村消防施設は整備完了という目標で、大蔵省に対しまして予算要求をして参ったわけです。しかしながら、大蔵省といたしましては、私どもの計画そのものを全部のむというわけには参りませんのでありましょう、要求する額の何分の幾つというような数字でございますので、私どもが所期する計画どおりの充足というものが十分にできてないというようなわけでございます。したがいまして、現在十年計画を実施いたしまして二年目でございます。あと何年かかかるわけであります。二十一億取りましても、一気にこれが充足ができるというようなものではございません。したがって、あと八年ほどの期間が必要とされるわけであります。同時にこの補助金内容につきましては、あらかじめ市町村等に内意を伝えてあるかということにつきましては、私どもは、そのようなことはいたしておりません。
  34. 辻武寿

    委員長辻武寿君) ほかに御発言もございませんようですから、本件につきましては、この程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時二十一分散会