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田中一君 めんどうなんてないですよ。また官房長が耳打ちをする−…。
自分たちの都合の悪いことはすぐに耳打ちをして、
大臣の目をおおうということはよくないことですよ。現在の
法律では自由にできます。しかし、それをやったんでは、やっぱり秩序が保てなくなりますから、指名入札
制度もこれはいいと思いますけれども……。
そこで、あなたが、一つ一つ、みな全国の地建から出るものとかあるいは国の
補助工事、これはやっぱり国の
予算が入っておりますからね、十もランクされたランキングというものに目を通してやる時間的な余裕はないですわね。結局、これは
計画局なり、官房長なりあるいは地建の、それぞれの指名するための審議会を持っております。みな審議会を持っておる。何人かの、どの場合にもあるのです、審議会が。この業者はどうか、今までどうしてたか、だめかいいかということを五人なり八人なりでもって、その審議会でもって、
検討をして、じゃこの業者にきめよう、こういうことで原案ができ上がる。そうすると、それをまあ出納責任者ですね。その責任者がいますから——
法律上何と言いましたか、忘れましたけれども、出納責任者ですね。その人が、けっこうでございましょう、それにきめましょうということできまるのです。これも入れたらいいでしょう、はいと言ってきめるのですよ。おのおのが相当権威があり、かつまた、だれが見てもさしっかえがないような——まあおそらく一つの団体には派閥があるでしょうから、その派閥の代表的な者が皆集まってきめるのですから、大体、今まではそういう間違いがなかっただろうと私は思っておりますけれども、今
建設業者はふるえ上がっているのです、ほんとに。ついきのうかきょうの漫画に、官僚と
建築業者が穴倉にもぐって、一年待て、一年待てと言っている漫画が出ておりましたが、これは何も、そういうことの実態を知らない人たちはかっさいをするでしょうけれども一事実二流と一流、二流と三流の間の格差というものは、こんなにあるんです。こんなにあるということは、なかなか納得いかないでしょうけれども、たとえば資本金にいたしましても、一流が少なくとも四十億以上の資本です。そうして含み資産は、おそらく三百億ぐらいは持っているでしょう、大体において。ここにもそのくらいの人が、実力者が参議院議員としておられますけれども、力を持っておりますよ。それと今度は、二流、三流となったら格差が激しいんです。どういう形で
大臣が、一流に二流を加え、二流に三流を加え、三流に四流を加えると言って指名者をふやすという
考え方に立つか知らないけれども、これはやはりかえって不安定なる競争をしいるということになって、仕事のほうに、
完成がおくれたり、あるいは不正
建築をしたりというおそれが多分にある。これは、徐々に育成しなければならぬ、何といっても、百年、百五十年という伝統があって、そうして利潤も株価も高い、そういうところに優秀な技術家が集まるものなんです、どうしても。特に地方の業者と称する方々は、大体において
災害待ちの業者なんです。
災害があればしめたものなんです。またあなたが
早期完成なんということを言っておりますけれども、
災害の
早期完成、また次の
災害まで、いつ来るかわからぬけれども、とにかくくるだろうけれども、それまでにやればいいのだということになって、繰り延ばしでもってやるのが多いんです、実際は。これはやむを得ぬと思うのです。今のこういう日本の政府並びに地方公共団体の機構から言えば。私はむろんあなたが、だれ一人として業者を知らないのですから、だからだれに知恵を使われて、どうする、こうするということはしないと思いますが、あなたの結局側近にいる下の人たちがやるわけですから、あなたがそれをうのみにするわけです。まあ今まで特別に、何か大きな問題があったのかと思って私は伺ったわけです。ただ抽象的な、どうも大手五社と言ってけしからぬ……これは資本主義社会では、大手五社を信用するんです。資本主義社会では、強力な利潤を上げているやつは、間違いなさそうだということになるんですよ。このことはひとつ、十分
大臣は間違いを起こさないように
措置していただきたいと思うのです。
それから機械等を払い下げる、あるいは貸そうということは、現在でもやっております。やっておりますが、これは歴史的に見て、終戦後たしか機械を買おうという
制度ができたのは、あれは二十六、七年ごろだったか——たしか今より十年ぐらい前だったと思う。それが民間でもみんな機械を持たない、公共
事業は伸びてくるというものだから買った。また電源の開発等では、二流、三流の会社でも、
自分の資本金の何倍というような機械等を買い込んだものなんです。機械がなければ仕事をやらないぞと言うものだから、どうしても機械を買わなければならない、無理をしたのです。そのために
建設機械貸与、
資金融通法なんという
法律を作って、そうして機械を
整備する
資金源を
考えたものなんです。
そこで申し上げたいのは、そういう形で国が持っているところの、約二百億程度のものを持っていると思う、その機械をこれを全部なくしちゃうとなりますと、またあなたの末端における職員が失業するおそれが多分にある、そういう点も十分考慮されて、業者自身が持っている機械とうものは、たいへんなものなんです。しかしこれは全部の業者が、全部
整備する期間を除いてフルに使っていないんです。遊ばして置かなければ仕事はもらえぬというんですよ、いつ遊ぶからといって仕事はとれない、だから業者の持っている機械、政府の持っている機械を、合理的にこれを生かして使う、活用するということが一番必要だと思うのです。私はそう思うのです。業者自身が遊ばしておるのです。こういう点は、ただ単に業者を白眼視しないで、業者の持っている機械力、人間の力——優秀なものですよ。役人なんかにはなりませんよ、優秀な技術家は。みんな請負人なり施工者側に行ってしまうものなんですよ。そういう人たちの実態をほんとうに掘り下げて、有効にそれを活用するという方法をとっていただきたい。ただ、あいつは大手五社だからけしからんとか、大手何社だからけしからんというのじゃなくて、ほんとうのそれらの持っている能力というものを活用するというようにしていただきたいのです。それで漫画も今度は穴ぐらから首を出すような方向に、ひとつあたたかい気持で、そうして、だいぶ設備投資抑制から業者はお手あげになっております。むちゃくちゃな競争をさせて
予算を余すことは
建設大臣の、何というか、栄誉じゃないのです。
建設大臣は
予算一ぱい一ぱいで十二分の仕事をしてもらうのが、
建設大臣の一番いいことなんです。
国民にこたえることなんです。やたらに二流、三流を入れて競争さして、三重県の県庁みたいに九億三千万円の
予算のものが六億三千万円で落札されて、三億もうけたと言う、もうけたのじゃないですよ、これは、一番辛い
予算を組む技術者が九億三千万で予定価格を作った。落札さしたのが六億三千万だ、九億の仕事が三億円の損をしてもできるということは
考えられないのですよ。そういうことの傾向は、現にせんだってあなたが出席されない
委員会でも、ここで
調査をしたのですが、そういうことは、九億のものを六億でもできるのだから、業者は三億の不当なるもうけをしているというようなことは、これは間違いであります。そういう点はひとつ十分に、だれかいい——大手五社でも八社でもかまいませんが、相談相手をお作りになって、一人も知らないのじゃいけませんよ、一人ぐらい友達にしたってかまいませんから、そして健全な
建設能力というものを確保するようにひとつお願いしたい。
そしてやたらに現在あるところの政府の機械を、これを払い下げるなんといったのじゃ、いわゆる
建設の、地建
関係の機械の
整備工場というものには、やはり何千人の人間がおるのです。その一言が出るために何千人が、
自分が首になるのだという印象を持つと、これまた末端において、いろいろの問題が起こりますから、これもまた十分に御考慮なさっていただきたい、お願いします。