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説明員(
大橋八郎君)
国民の
電話に対する
需要が非常に熾烈でありまして、
公社としての
増設が伴わないということは、もう御
指摘のとおりであります。私
ども、そのために日夜苦慮いたしているのであります。何分にも戦前においては一般会計のもとにあったということも、一つの欠陥であったかもしれません。その後特別会計になって、もう少し積極的にやれるかまえになったときに、またちょうど戦時状態になりまして、思うように伸びなかった。その上に戦争によって
電話電信の設備が非常に悪くなった、また壊滅の状態に近くなったということもありまして、戦後になって、これの復興に努力したにもかかわらず、思うように伸びない。そこで、御
承知のとおり、
昭和二十七年から初めて
公社の体形に移って、新しい発足をしたわけでございます。そこで、
公社になりましてから、第一次の五カ年
計画をまず設定いたしまして、これによって、従来に比べますと非常に、当時としては画期的だと思われるような
工事の拡張をみたのであります。五カ年間に百八万の新規の
増設を行ないました。この百八万の
増設ということは、
電話事業が始まりました明治二十三年から
昭和十八年
——昭和十八年がちょうど終戦までの間に日本として一番たくさんの
電話がついておった時代であります
——これがほぼ百七万か八万でありました。約五十年かかってつけておったものを、
公社になって、五カ年
計画において、五カ年間につけたというような、当時としては相当大規模なものであったのであります。
ところが、一般の
需要はそれをさらに上回る
状況でありましたので、それだけつけましても、申し込んでなおつかない
電話のほうが、かえって積滞数がだんだん
増加した、こういうことであります。したがって、第一次
計画が過ぎまして、第二次
計画というもの、五カ年間の
計画ができ上がったと思うのであります。そのときは、第一次においては、平均一年に二十万ずつ新規の
加入をつけたのであります。第二次
計画においては、大体新規の
需要がまず年々平均二十四万あるものと想定いたしまして、それに対して二十七万ずつつけたい。きわめて少数でありますが、まあ年々三万ずつ従来の積滞を滅していく、こういう
計画で第二次
計画が始められたわけであります。
ところが、いよいよこれを実行してみますと、当時想定いたしました年々の新規
需要の二十四万というものは、とても見込み違いでありまして、三十万、三十七、八万という年々の申し込みが
増加して参りましたので、当時第二次拡充
計画の途中でありましたけれ
ども、このままこれを遂行することは申しわけないということで、
あとの三カ年間の拡充
計画の
改定をいたしまして、その
あとの三カ年間において年々平均四十三万ずつ新規のものをつけるという
計画を立てました。
改定の初
年度は四十万、第二
年度は四十三万、第三
年度は四十六万というふうに、だんだん漸を追うて年々増していくという、よけいつけていくという
計画のもとに始めたのであります。実行上においては実はさらにそれ以上の
数字をつけたのでありまして、
改定初
年度は四十一万、
改定第二
年度は五十万、第三
年度は六十万というふうな
計画で今日まで参っておるわけであります。しかしながら、その相当拡大したものに対しても、一般
国民の
需要はさらにそれを上回っておりまして、それらの数をつけたにもかかわらず、いわゆる積滞数はだんだんふえていったようでございます。現在においては、約百万に近い申し込みの積滞のある状態でございます。そういうことでありますので、三十七
年度、すなわち本
年度が第二次拡充
計画の最終の年でありまして、来
年度以降さらに新しい
計画を立てなければならない、こういう段階に現在参っております。
したがいまして、私
どもは、来
年度以降の
計画に対しまして、大体
電話の拡充について三つの目標を実は抱いておるわけであります。
第一の目標は、現在百万になんなんとする積滞をできるだけ早く解消し、申し込めばすぐつく
電話にしなければならないということが一つであります。
第二は、市外通話が現在でも、いわゆる待時通話といいますか、なかなか即時通話にはできないのでありまして、申し込んで相当何時間かたたなければつながらないという場合が非常に多いのでありますから、
電話の使命を達するためには、どうしてもこれは即時につながる、
電話をかければすぐ相手方を呼び出す
電話にしなければならないというのが、これが第二の目標であります。
第三は、現在はまだ、自動交換でなく、交換手を一々呼び出してつないでおるという状態が非常に多いのであります。これをできるだけ早く、自宅からダイヤルを回せばすぐ交換手の手を通さないで
電話がつながるというふうにしなければならない。
この三つの目標をできるだけ早く実現しなければならないというのが私
どもの目標であります。
しかしながら、これは一躍してすぐ右から左へやるということはなかなか困難でございますので、ただいまの
ところでは、来
年度以降十年間にこれを大体達成したい、かような考えのもとに、第三次の五カ年
計画におきましては、この五カ年間に新規
増設五百万、これを一年に平均いたしますと百万ずつの
加入電話を
増設したい、こういう目標のもとに、現在第三次拡充
計画を策定いたしておる、かような状態でございます。