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1962-09-06 第41回国会 参議院 決算委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年九月六日(木曜日)    午前十時二十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木  壽君    理事            佐藤 芳男君            仲原 善一君            横山 フク君            大森 創造君    委員            上林 忠次君            二木 謙吾君            山本  杉君            北村  暢君            大和 与一君            横川 正市君            和泉  覚君            中尾 辰義君            高山 恒雄君            奥 むめお君   国務大臣    通商産業大臣  福田  一君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    法務省人権擁護    局総務課長   小泉 初男君    林野庁林政部調    査課長     斎藤 誠三君    通商産業省軽工    業局長     倉八  正君    通商産業省鉱山    局鉱政課長   吉光  久君    会計検査院事務    総局第四局長  宇ノ沢智雄君    会計検査院事務    総局第五局長  白木 康進君   参考人    日本開発銀行総    裁       太田利三郎君    中小企業金融公    庫総裁     森永貞一郎君    電源開発株式会    社総裁     藤井 崇治君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十五年度一般会計歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度特別会計歳入歳出決  算(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度国税収納金整理資金  受払計算書(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度政府関係機関決算書  (第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度物品増減及び現在額  総計算書(第四十回国会内閣提出) ○昭和三十五年度国有財産増減及び現  在額総計算書(第四十回国会内閣提  出) ○昭和三十五年度国有財産無償貸付状  況総計算書(第四十回国会内閣提出)   —————————————
  2. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ただいまから、決算委員会を開会いたします。  それでは、昭和三十五年度決算外三件、並びに国家財政経理及び国有財産の管理に関する調査議題とし、審査を進めます。本日は通商産業省の部でございます。  なお、本日は、通商産業省審査とあわせて、中小企業金融公庫日本開発銀行及び電源開発株式会社に対する審査をも行なうことになっておりますので、各総裁参考人として出席いたしておりますから、お含みおき願います。  それでは、まず、通商産業省決算につき説明を求めます。福田通商産業大臣
  3. 福田一

    国務大臣福田一君) ただいま議題となっております通商産業省所管昭和三十五年度経費決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計歳出決算につきまして御説明いたします。  昭和三十五年度歳出予算現額は百八十九億二千九百万円でありまして、これを歳出予算額百七十九億四千万円と比較いたしますと、九億八千八百万円の増加となっておりますが、これは総理府所管よりの移管額二億五千九百万円、予備費使用額一千七百万円、前年度より繰越額七億一千百万円による増加であります。  歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額は百七十六億五千三百万円でありまして、翌年度へ繰り越しました金額は八億四千万円、不用となりました金額は四億三千四百万円となっております。  三十五年度におけるこの経費の執行につきまして、そのおもな事項の大要を御説明いたします。  第一に、貿易振興及び経済協力費でありますが、三十五年度予算現額は二十八億六千四百万円でありまして、その支出済額は二十五億八千八百万円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたしますと、  まず、日本貿易振興会事業運営費でありますが、支出済額は十三億九千五百万円でありまして、前年度に引き続きまして、海外市場調査貿易のあっせん、海外宣伝国際見本市等一般事業のほか、農水産物医薬品等特定のものについて市場調査海外宣伝等事業実施いたしました。  次に、亜機械類輸出振興事業費であります。この経費は、プラント等輸出振興をはかるため、日本プラント協会及び海外建設協力会に対する補助金等でありまして、三十五年度における支出済額は一億五千万円でありますが、プラント協会におきましては、前年度に引き続き八カ所の海外事務所維持運営を行なうほか、十六班六十四名に及ぶコンサルタント派遣、モデル・プラント設計等実施いたしました。また、海外建設協力会におきましても、二カ所の海外事務所を維持運営するほか、調査団派遣等による調査を行なって参りました。  次に、日本輸出雑貨センターに対する補助金でありますが、三十五年度におきましては、一億一千五百万円を支出いたしまして、雑貨輸出振興をはかるため、前年度に引き続き、デザインの登録認証及び生産技術指導を行なうほか、集合検査場及び保管場増設し、輸出検査能率化をはかることといたしました。また、新たに常設展示場を設置いたしまして、来訪するバイヤー等に対し適切な紹介宣伝を行なうことといたしました。  次に、アジア経済研究所関係費であります。本研所究は、アジア地域等の基礎的な経済事情調査研究するため設立せられたものでありまして、三十五年度におきましては、これを強化するため、特殊法人に改組して、新たに一億円の政府出資を行なうとともに、助政費一億六千七百万円を支出いたしまして、研究員増加とともに、資料の収集、海外現地調査広報等事業を拡大することといたしました。  このほか、巡航見本船補助一億二千八百万円、インド西ベンガルに設置する技術センター事業費一億三千二百万円、輸出品品質及び意匠向上事業費一億三千五百万円等の支出があります。  第二に、中小企業対策費でありますが、三十五年度予算現額は二十四億三千百万円でありまして、その支出済額は二十二億五千九百万円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたしますと、  まず、中小企業設備近代化等補助金であります。支出額は十四億四千三百万円となっておりますが、これによりまして、中小企業設備近代化のために、三十三億九千万円の貸付が四千四百六十三企業に対して行なわれましたほか、中小企業等協同組合共同施設につきましても、四億六千四百万円が三百六十四組合に対して貸し付けられまして、中小企業近代化合理化に大きく効果をあげたのであります。  次に、小規模事業対策費であります。この経費は、小規模事業者特殊性にかんがみ、これに対する指導体制強化して経営改善をはかるため、三十五年度において新たに支出されたものでありまして、商工会及び商工会議所経営改善普及員を二千三百二十八人設置し、小規模事業者経営改善に資することといたしました。その支出済額は、二億九千百万円であります。  次に、中小企業指導事業強化費でありますが、これは地方公共団体の行なう中小企業診断事業及び技術指導に対する補助金並びに三十五年度に新たに実施することになりました業種別振興対策支出したものでありまして、その支出済額は二億四千六百万円であり、診断指導事業におきまして約二万三千件、技術指導事業におきまして約六万件に及ぶ診断指導技術相談等を行なって参りました。  このほか、不足鉱物資源合理的開発をはかるための新鉱床探査費補助九千九百万円、中小企業団体中央会補助六千四百万円、昭和三十四年及び同三十五年に発生いたしました風水害等により被害を受けました中小企業者に対する災害復旧資金利子補給金五千七百万円、煙火関係災害事故防止のための施設補助二千二百万円等の支出をいたしております。  第三に、科学技術振興費関係でありますが、三十五年度予算現額は四十六億四百万円でありまして、その支出済額は四十四億二千五百万円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたしますと、  まず、鉱工業技術研究費補助金であります。その支出額は四億六千五百万円でありまして、わが国鉱工業技術向上に寄与すると認められる民間等試験研究を助成するため、電子機器等の試作、新金属、合成高分子産業廃水処理等に関する試験研究に対し、重点的に補助を行ないました。その交付件数は、百二十三件であります。  次に、通商産業省傘下試験研究所特別研究費等でありますが、電子技術を初め、生産加工技術、エネルギー関係技術等重要な試験研究を推進するための特別研究費として十億一千三百万円、試験研究設備等を更新、近代化するための整備費として四億三百万円、原子力関係試験研究費として二億七千七百万円を支出いたしております。  第四に、公共事業費であります。三十五年度予算現額は十六億七百万円でありまして、その支出済額は十一億九千六百万円であります。この支出につきまして御説明いたしますと、  まず、工業用水道事業費であります。この経費は、工業地帯における地下水くみ上げによる地盤沈下防止工業立地条件整備とを目的として布設される工業用水道事業費の一部を補助するために必要な経費であります。三十五年度支出済額は十億二千五百万円でありまして、仙塩愛知県営大阪府営等十一カ所の継続事業実施するとともに、新たに東京江東地区大阪臨海地区、北九州及び加古川の四カ所の事業に着手いたしました。  次に、鉱害復旧事業費でありますが、三十五年度支出済額は一億七千百万円であり、これにより一千三百十八戸の家屋と十三件の公用公共用建物を復旧いたしました。  第五に、石炭鉱業対策関係費であります。三十五年度予算現額は二十六億四千万円でありまして、その支出済額は二十四億五千三百万円であります。この経費は、石炭鉱業の実情に対処いたしまして、合理化の推進と離職者援護等の施策を強化するために支出いたしたものでありまして、そのおもなるものにつきまして御説明いたしますと、  まず、石炭鉱業合理化事業団出資金であります。これは、石炭鉱業合理化を推進するため、新たに高能率炭鉱の造成及び中小炭鉱機械化に必要な資金貸付石炭鉱業合理化事業団に行なわせることとし、二十一億四千万円の政府出資を行なったものでありまして、三十五年度におきましては、大型近代化工事に対し十五億二千七百万円、中小炭鉱機械化に対し八千七百万円、計十六億一千四百万円の貸付を行ないました。  次に、非能率炭鉱整理費補助金でありますが、これは、従来石炭鉱業整備事業団が、炭鉱からの納付金によりまして、非能率炭鉱買収を行なって参りましたものを、今回石炭鉱業合理化を一そう強化するため、事業補助を行なうことにいたしましたものであります。三十五年度支出額は二億一千四百万円でありまして、買収炭鉱十二炭鉱出炭ベースで五十四万一千トンの買収を行ないました。  このほか、財団法人石炭技術研究所が行なう試験研究に対する補助金五千六百万円、未開発炭田開発を合理的に行なうための炭田総合開発調査費約四千万円等の支出がございます。  以上をもちまして、通商産業省所管一般会計歳出決算に関する御説明を終わりまして、次に当省所管の各特別会計決算について御説明申し上げます。  第一に、アルコール専売事業特別会計でございます。この会計は、アルコール専売法に基づいて、アルコールの製造、収納販売等事業を運営するために設けられたものでありまして、三十五年度収納済歳入額は三十九億円、支出済歳出額は二十九億三千八百万円であります。この会計損益計算下利益は十億九千八百万円でありますが、このうち、期末資産増加に一億一千二百万円、運転資金増加に五億円を充てることといたしまして、残余の四億八千六百万円を一般会計に納付いたしました。  第二に、輸出保険特別会計でございますが、この会計は、輸出保険法に基づいて、政府の行ないます輸出保険事業経理を明らかにするために設置されたものでありまして、三十五年度の前年度剰余金を含めた収納済歳入額は八十四億七百万円、支出済歳出額は四億九百万円であります。三十五年度における保険引受件数は二十四万九千件で、その保険金額は三千百三億円でありまして、前年度に対し七九%の増加となっております。  第三に、特定物資納付金処理特別会計でございますが、この会計は、特定物資輸入臨時措置法に基づいて、国庫に納入されます特別輸入利益金受け入れ等に関する経理を明らかにするため設けられたものでありまして、三十五年度収納歳入額は三十六億七百万円、支出済歳出額は三十億七千万円でありまして、この支出額のうちから産業投資特別会計へ三十億六千六百万円の繰り入れを行なっております。  最後に、三十五年度通商産業省所管決算につきまして、会計検査院より不当事項として指摘を受けましたものは一件もございません。  以上をもちまして、通商産業省所管一般会計及び特別会計決算に関する御説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして、詳細に御説明申し上げたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
  4. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、会計検査院当局から検査報告を求めます。
  5. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 検査の結果の概略を申し上げます。  通商産業省所管一般会計及び特別会計決算につきましては、その送付金額につきまして、計算書及び証拠書類につきまして書面検査を行ないますと同時に、通商産業省、各通商産業局並びに外局、それに主要な試験研究機関等会計六十一カ所に対しまして実地検査施行いたしました。実地検査施行率は、個所におきまして約三九・四%となっております。  通商産業省所管一般会計経費につきましは、年々補助金委託費出資金等予算増加傾向にございまして、三十五年度決算におきましても、これが経費決算総額に占めます割合は約五一%余に達しているような状況でございますので、特に検査施行にあたりましても、補助事業実施並びに経理重点を置いて検査実施いたしました。  おもな補助金実地検査施行状況を簡単に申し上げますと、貿易振興及び経済協力関係補助金につきましては、その支出済額の約八一%、工業用水道関係補助金では七八%、石炭対策事業関係では約二〇%、鉱工業技術関係経費八四%、中小企業対策関係補助金につきましては四七%余となっております。  その検査の結果、前年及び前々年に比べまして、事業実施経理とも改善の跡が見られまして、毎年検査報告で取り上げて参りました中小企業設備近代化補助金経理につきましても、当局が従来に増して積極的に実地指導等措置をとられたことによりまして、特に三十五年度検査報告で指摘しなければならないような不当な事態はございません。  その他の一般経費につきましては、検査の結果、特に不当として指摘する事項はございません。  以上、簡単でございますが、概要を申し上げます。
  6. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、日本開発銀行決算報告を求めます。太田利三郎君。
  7. 太田利三郎

    参考人太田利三郎君) 昭和三十五年度におきまする業務概要につきまして、簡単に御説明申し上げます。  昭和三十五年度わが国経済は、新内閣高度成長意欲を織り込んだ新政策の発表、国民所得倍増計画の策定などにより、いわば成長ムードに包まれながら、前年度に引き続き概して順調な拡大過程をたどりました。この高度成長を支えたものは、設備投資の著しい増大と消費の着実な伸びで、二十億ドルに達する外貨保有、物価の安定基調、弾力的な金融政策の運用などがその背景をなしていたものと言えましょう。  三十五年度設備投資は、前年度に比べ約三八%の増加で、この旺盛な投資意欲は、技術革新本格化貿易自由化対策としての合理化投資に加え、企業収益向上現有設備稼動率の上昇、長期の経済成長に対する期待などが原因となったものと思われます。  このような経済情勢背景とし、昭和三十五年度政府の方針は、財政面から景気に刺戟を与えることを避けつつ、わが国経済を一そう安定した成長発展に導くことを基本とし、したがって、財政投融資は、その質において真にやむを得ないおくれた部門充実重点を指向するとともに、量的にも一般経済に中立的な立場を保持し、適正な規模による民間資金活用をはかることとされました。  このため、財政投融資計画総額五千九百四十一億円となり、前年度に比べ七百四十三億円増加と、比較的穏やかなものとなったのであります。  本行の貸付規模についても、民間資金活用をはかり、財政資金の負担を軽減していく見地から、六百六十億円と、前年度より二十億円の減少となりました。その内訳は、電力二百五億円、海運百四十五億円、その他三百十億円であります。  なお、検査報告にございます三十五年度中の貸付実行額八百六十九億八千二百万円は、国際復興開発銀行からの借入資金による外貨貸付二百十八億一千百万円を含むものであります。次に、三十五年度貸付運営の特徴をあげますと、第一に、三十四年度に比べ電力海運向け資金が減額され、基礎産業部門からその他部門貸付重点が移行する傾向を示したことが一つでございます。  第二に、ことに産業間及び地域間の均衡ある発展開発促進法の成立した九州四国地方に対し、地方開発融資を積極的に推進したことでございます。  第三に新造船について原則として企業の償却前利益の範囲内で行なうことになり、また新たに外航船主機換装を取り上げたことでございます。  第四に、港湾等産業関連施設充実強化都市交通整備など産業基盤強化をはかる部門対象といたしました。  第五に、石炭鉱業について、競合エネルギーに対抗し、深部開発及び合理化工事重点とし貸付を行なったことなどがあげられます。  三十五年度における既往貸付金回収は、開発資金百九十二億四百万円、復金承継債権二十四億一百万円、見返承継債権五十一億九千三百万円、合計二百六十七億九千八百万円のほか、外貨資金貸付回収十九億五千二百万円を含めまして、検査報告のとおり二百八十七億五千百万余円となったのであります。  次に、決算概要について申し述べますと、検査報告にございますように、三十五年度は百七十五億八千八百万円の純益金を計上し、法令の定めるところに従いまして、期末貸付金残高六千四百十五億三千六百万余円の千分の七相当額法定準備金として積み立て、残額百三十億九千七百万円を国庫に納付いたしたのであります。  また、年度末における貸付残高は、外貨貨付も含め六千四百十五億三千六百万余円となりましたが、このうち七十三億四千百万円が延滞となっており、前年度に比較して六億九千七百万円の増加をいたしました。これを業種別に見ますと、石炭海運を除き、いずれも減少を見ており、海運では最終期限到来のため内入猶予措置を行わず延滞に入ったこと、また石炭では企業整備の難行した企業新規延滞を発生したことが延滞増加原因となったものであります。  最後に、御参考までに、三十六年度以降の業務につきまして簡単に申し述べます。  三十六年度貸付規模は、総額八百二十五億円で、その内訳電力二百五億円、海運百五十億円、地方開発百七十億円、その他三百億円でございます。  その特色といたしましては、第一に、地方開発向け資金を大幅に増加し、九州四国に次いで、新たに中国、北陸の二地域対象といたしたのでございます。第二に、海運向け融資として、新造船について企業財務を悪化させないことを原則とし、国際競争力強化海運企業経営基盤強化に資するため、船腹拡充をはかること及び外航船主機換装並びに戦標船代替建造向け融資を行なうことでございます。第三に、産業関連施設整備とともに、国際観光都市交通などを積極的にとりあげること。などが上げられます。  三十六年度末の貸付残高は、外貨貸付千四十五億九千五百万円を含めて、七千五十九億六千一百万円となっております。  なお、三十七年度貸付規模は、総額九百八十五億円で、その内訳は、電力二百三十億円、海運二百億円、地方開発二百億円、その他三百五十五億円でございます。  以上、簡単でございますが、本行業務説明を終わります。
  8. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、会計検査院より検査報告を求めます。
  9. 白木康進

    説明員白木康進君) 昭和三十五年度日本開発銀行業務につきましては、本支店実地検査を含む検査実施しておりますが、検査の結果不当と認めて検査報告に掲記したものはございません。
  10. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、中小企業金融庫決算について説明を求めます。森永貞一郎君。
  11. 森永貞一郎

    参考人森永貞一郎君) 中小企業金融公庫昭和三十五年度業務実施概要は、会計検査院決算報告、百二十九ページでございますが、報告のとおりでございますが、御参考までに、若干補足御説明申し上げたいと存じます。  三十五年度におきましては、経済の大幅な拡大発展に伴いまして、中小企業も総じて堅調に推移し、その設備投資生産の増強並びに企業合理化近代化の必要から活発に行なわれたのでございまして、これに伴いまして、当公庫に対する資金需要もきわめて旺盛でございましたが、当公庫といたしましては、当初貸付規模を七百十五億円と定めて発足いたしましたが、ただいま申し上げましたような、中小企業生活活動活発化並びに貿易自由化を控えての合理化資金需要に加えまして、五月のチリ地震津波災害復旧資金需要もございましたので、これらに対処いたしまするため、年末金融資金として四十五億円の追加借り入れが認められたのでございます。このうち、年度内返済短期資金五億円及び回収減五億円がございまして、合計十億円を控除いたしました結果、年間の貸付資金は七百五十億円と相なったわけでございまして、これによりまして、二万六千三十八件、七百六十五億円の貸付を実行いたしましたのでございます。このうち設備資金は、総貸付の八九%、六百八十一億円、運転資金は一一%八十四億円でございます。年度末の貸付残高——これには開銀からの承継貸付も含んでおりますが——は千四百九十三億円でございまして、前年度末に比べまして百七十三億円、一三・一%の増加と相なったのでございます。  なお、三十六年度は九百六十九億円の資金を貸し付けておりまして、さらに、三十七年度は九百八十五億円の資金を貸し付ける計画と相なっております。  次に、三十五年度貸付を直接貸付及び代理貸付の別に見ますと、直接貸付につきましては、特に定員の直接貸付部門への重点的配置と、支店出張所増設静岡支店京都出張所神戸出張所増設いたしましたが、これらの増設によりまして、前年度に比較いたしまして六十一億円の増の、千七百六十八件、百八十二億円、総貸付のうちの割合に二三・八%と相なります。これだけの貸付を実行いたしました。なお、三十六年度は、二千三百二十四件、二百八十二億円、総貸付の中の割合は二八・五%でございます。これだけの貸付を実行いたしておりまして、三十七年度は三百億円、三割の資金を直接貸付として貸し付ける計画でございます。  代理貸付につきましては、二万四千二百七十件、五百八十三億円の資金を三十五年度中に貸付をいたしました。これは前年度に比べまして十八億円の約三%の減少となっておりますが、前年度伊勢湾台風による災害復旧資金代理貸付において七十億円余追加貸付をいたしておりますので、その結果、代理貸付が三十四年度は異常に膨張いたしたために、それに比較すれば三十五年度は若干の減少と相なっております。なお、三十六年度は二万五千九百十一件、七百八億円の貸付を実行いたしております。さらに、三十七年度は六百八十五億円の資金を貸し付ける計画でございます。  次に、当公庫日本開発銀行から承継いたしました復金承継債権等につきましては、鋭意回収促進に努力いたしました結果、三十五年度回収二億一千四百万円、償却二千百万円でございまして、年度末の残高は四億九千万円と相なりました。三十六年度におきましても引き続き回収整理をはかりました結果、三十七年三月末現在におきましては、四百六十五件、三億二千五百万円の残高と相なっております。開発銀行から承継いたしました額、七千五百五十九件、百十九億八千二百万円の九七・五%の整理を終わったということに相なっております。  最後に、三十五年度の損益計算におきまして一応十九億四百万円の利益金を上げたのでございますが、固定資産減価償却引当金繰り入れ額九百万円を差し引きました残額十八億九千五百万円は、三十五年度末における貸付金残高の約千分の十二・六九に相当する金額でございまして、大蔵大臣から滞貸償却引当金への繰入額として承認されております千分の十五以内でございます。またこれを繰り入れた場合の残高は七十八億一千万円余でございまして、これは積立金として承認されました限度額が承継貸付残高については百分の五十でございますが、その他につきましては百分の六になっておりますが、その合計額以内でございまするために、その全額を滞貸償却引当金に繰り入れました結果、国庫に納付すべき利益金はなかったような次第でございます。  以上、きわめて簡単でございますが、補足説明を終わります。
  12. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、会計検査院当局から検査報告を求めます。
  13. 白木康進

    説明員白木康進君) 昭和三十五年度中小企業金融公庫業務につきましては、融資及び資金回収状況等を中心にいたしまして、書面審査のほか、本支店実地検査実施いたしましたが、検査の結果特に不当と認めた事項はございません。
  14. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、電源開発株式会社決算報告を求めます。藤井崇治君。
  15. 藤井崇治

    参考人(藤井崇治君) 私は電源開発株式会社の藤井でございます。  このたび、昭和三十五年度決算報告に関する御審議をいただくこと相なりましたが、これに先立ちまして、当社の概況を一言申し述べたいと存じます。  当社は、戦後急速に成長を続けつつありましたわが国経済電力需要の要請に応じ、すみやかに電源の開発をなし、同時にこれにつながる送変電設備の整備を行ない、電気の供給を増加することを目的として設立された特殊会社でございます。  当社は、電源開発促進法により、昭和二十七年九月十六日に設立され、近く十周年を迎えることとなります。この間、政府及び国会の深い御理解と絶大なる御支援のもとに、鋭意目的達成のため努力いたしました結果、現在までに、佐久間、御母衣、奥只見、田子倉等の大貯水池式発電所を初め二十五カ所、総出力二百四万三百キロワットの発電設備と、二九に関連する送変電設備を完成し、引き続いて仕かかり中の工事並びに新規開発工事として、八十四万七千八百キロワットの建設に邁進いたしておる次第でございます。  このほか、さきに電源開発促進法の一部改正をいただきまして海外における技術援助にも積極的に手がけることができるようになったのでありますが、そのさきがけといたしまして、ペルー国タクナ総合開発の技術援助の契約を締結いたしまして目下実施中でございます。  さて、このたび当社決算について審議にあずかります昭和三十五年度の概略について申し上げますれば、年度初めにおける総投下資本二千五百五十九億円、また保有発電設備十五カ所、出力九十四万八千百キロワットでありまして、当年度は、前年度より継続中の奥只見、十津川第一、長山、御母衣の四発電所、及び前年度より一部運転中の田子倉発電所が二十八万五千キロワットの運転に入る年度でございましたので、これが完成に全力を注ぎ、おおむね予定の工期内に完成することができましたのでございます。  このほか、継続工事として、滝、十津川第二、屋鷲第一、尾鷲第二の地点がございます。また、新規着工地点といたしましては、本別、二又、魚染瀬の三地点のほか、田子倉第四号機増設工事を施行いたしました。この結果年度末における貸借対照表は、お手元に差し上げてありますとおりでありまして、当社資産の総合計は二千九百九十一億六千三百万円となっております。  なお、当期中の資金の源泉は、大蔵省資金運用部より四百三十六億円、世銀資金として十六億七千四百万円を、それぞれ借り入れ、これに前期よりの繰越金、営業収入その他百六十四億二千六百万円を合わせまして総額六百十六億円であります。  次に、当期の損益でありますが、これもお手元にごらんのとおりでありまして当期中の発生電力量三十六億四千七百七十八万七千キロワットアワー、電力料収入百五十三億七千万円その他他収入を合わせまして総収入百六十二億六千百万円となっております。  また、これに見合います費用といたしましては、電気事業営業費用七十四億一千万円支払い利息八十七億六千万円、その他費用を加えまして費用合計は百六十一億八千三百万円となります。  したがいまして、当期総利益金は七千八百万円となり、これより当期中支払うべさ法人税六千七百万円を差引き、当期純利益金は一千百万円となりました。  なお、電気料金には定額法による償却額が織り込まれておりますのでこれにより償却を行ないますと、当期の利益金は十億余円となったのでありますが資本充実の見地からその大部分を償却に引さ当て決算をいたした次第であります。当期において処分すべさ利益金は、前期よりの繰越利益剰余金五千七百四十三万二千五百三十円と当期純利益金一千百二十一万五千二百二十八円とを合わせまして六千八百六十四万七千七百五十八円でありますが、この処分につきましては、昭和三十六年五月二十九日第九回定時株主総会の議を経て、利益準備金に六十万円を繰り入れ、残余六千八百四万七千七百五十八円を次期に繰り越すことといたしました。  以上さわめて簡単でございまするが、ごあいさつかたがた概況を御報告申し上げます。
  16. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 次に、会計検査院当局より検査報告を求めます。
  17. 白木康進

    説明員白木康進君) 昭和三十五営業年度の日本電源開発株式会社業務につきましては、書面審査のほか、特に当年度におきまして、工事の完成あるいは工事最盛期にかかっております発電所工事等につきまして、主として工事の施工状況、工事に伴います補償契約の内容、工事費の精算状況等につきまして実地検査施行いたしましたのでありますが、検査の結果、特に不当と認めた事項はございません。  なお、検査の結果、今後の建設工事等につきまして特に留意を要すると認められる工事契約のやり方の問題あるいは補償の基準等につきまして、その概要検査報告の百四十四ページ以下に記述しております。
  18. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) それでは、これより直ちに質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言願います。
  19. 北村暢

    ○北村暢君 私は今問題になっておりますこの肥料問題について若干質問いたしたいと思いますが、肥料審議会で、肥料の基本対策についての計画、基本対策について政府がこれを決定するように、しばしば要請せられておるわけでございます。で、今回も十日から肥料審議会が開かれるわけでございますが、これについて私は、通産当局において、この問題について今度の肥料審議会に基本対策を出される準備があるのかないのか、この点についてまずお伺いいたしたいと思います。
  20. 福田一

    国務大臣福田一君) お答えをいたします。先般の肥料審議会におきまして、いわゆる赤字問題についての何か基本的な対策を考えよというような附帯決議がなされたのでございます、そこで政府といたしましては、八月の三十一日と、実は四日でございます、おとといの二回にわたりまして、大蔵大臣それから経済企画庁長官、農林大臣、通産大臣、この四相の間におきまして、いろいろ現行法のもとにおいて、直ちにこの問題を解決し得る根本的な案ができ得るかどうかということで研究をいたしてみたのでございますが、どうも現在の法律のもとにおきましては、また従来の法律運営の経緯というところから考えてみまして、どうしてもここに根本的にこの問題を解決する名案はなかなか浮びがたいということでございまして、なおひとつ十分に今後も研究をいたしたいということであるのでありまして、大体十日に審議会が予定されておりますが、それまでにいわゆる附帯決議に沿った案ができるかどうかということについては、まああまり楽観的と申しますか、そういうような案ができる見通しは、今のところ私としては持っておらないという段階でございます。
  21. 北村暢

    ○北村暢君 十日の肥料審議会に今案がなければ、これはもう出ないことははっきりしているわけでございますが、これでは、この肥料問題の問題点について若干質問をいたしまして、明らかにして、今後の方針等についてもお尋ねしたいと思いますが、この第二次の計画改定に基づく実施状況、これは一体どのようになっているでしょうか。生産面と価格面について、説明をお聞きいたしたいと思います。
  22. 福田一

    国務大臣福田一君) 軽工業局長から数字を説明させます。
  23. 倉八正

    説明員(倉八正君) 第二次改定の目標は、例の利潤抜きの大体四十二ドル五十ということでございまして、普通の利潤は、常識的な利潤を入れれば四十六ドル五十でございますが、この達成目標につきましては、現状におきましては三十八肥料年度にそのままの姿でいくかどうかということは、はっきり申し上げれば、非常にわれわれ自身も疑問を持っております。それで、この内容としまして、アンモニアガス源の転換、あるいは合理化ということで、開銀の資金も、先生御存じのように、八十億つけましてやっておりますが、ちよっとテンポがおくれるのではないかというふうにわれわれは考えております。
  24. 北村暢

    ○北村暢君 ただいまの局長説明では、計画は達成がちょっとむずかしいと、こうゆうことのようですが、これは価格の面における目標達成が困難だという説明のようでございましたが、この第二次計画における内需、外需について、生産量において、どのような見通しに立つか、そういう生産の問題とも関連しなければ、価格の問題も、やはり出てこないと、それ以外に、価格問題では、当初予定した以外の、いろいろな価格引下げに向かうだろうと思ったものに対して、これに対する、何といいますか、賃金の値上げとかなんとか、そういうような支障が出てきて、価格が目標どおりいかない、こういうようなことを、しばしば説明をされておる。わけなんですか、第二次の改定をいたしました計画が、価格だけでなしに、今後の内需、外需の見通しと、こういうものの上において説明を願いたい。  それから今のままでいくというと、日本硫安輸出株式会社の赤字は、一体どういうふうになっていくか。今のところ、基本対策が立たないということになれば、本肥料年度も、また従来と同じような傾向でいくのじゃないか。三十九年度で終るわけですから、一体、この赤字の傾向というのはどのようになるのか、この点を御説明願いたいと思います。
  25. 倉八正

    説明員(倉八正君) まず最初の、数量の問題でございますが、数量の確保という点から見れば、何ら御心配は要らないのでありまして、アンモニア・ベースについて見ますと、すでに六百万トンをこしているアンモニアの生産設備を持っておりまして、この点から、国内あるいは輸出の供給の確保という点につきましては、毛頭心配はないのでありませが、ただ、御承知のように、最近の内需というのが、毎年々々ある場合は七%、ある場合は四・八%というふうに減っておりまして、輸出は、それに応じた減り方をしてないのでありまして、毎年々々伸びておりますが、この輸出と内需とのいわゆるトータルというのが、最近、下がっておりますから、この面から価格が動かされるということはあり得ると思いますが、数量の確保については、何ら御心配はないと答えることができると思います。  それから、第二の御質問の赤字の見通しでありますが、今年度、いわゆる売掛代金が二百二億ありまして、今肥料年度に、われわれは、四十億円ぐらい出るだろう、それから未肥料年度にさらに四、五十億出るだろうと、こう思っておりますが、その前提というのは、輸出価格の趨勢と、それから国内需要による日本の総生産量に関連する問題でありまして、輸出の価格につきましては、世界の傾向が、御知のように、毎年々々下がっておりますし、それから国内の需要は、今肥料年度のように、減産を要するか要しないかが、来年あるいは再来年の価格決定の場合の一番大きな問題じゃなかろうかと、こう考えております。
  26. 北村暢

    ○北村暢君 私は、この第二次合理化計画の進度において、現在その生産を確保することは大丈夫なんだ、こういう御答弁ですが、それはわかり切っているんですよ。計画に基づく合理化が進んでいく。そうして生産量は伸びていく。その伸び方も、現在のフル運転をするというと、第二次計画よりもより以上に生産が伸びるのじゃないか。そのために、操短という問題が今出てきつつあるわけでありますから、その第二計画の目標の生産と、現状における設備投資をやりまして合理化をやった、フル運転をした場合の生産能力、これとの関係が、一体どうなっているかということをお尋ねしているわけです。  それからこの赤字は、今度で二百二億ですが、おそらく三十九年までいくと、三百億近い赤字が出てくるわけでございます。そうしますというと、これは実際問題として硫安会社がこれだけの売掛金——全部売掛金ではないでしょうが、これは利益を含んでの赤字でありますから、利益分を除いた実質的な硫安会社の赤字それにしてもこれは百億を突破することは間違いないと思う。百億からの赤字をもって、売掛金をもって、一体、今後一年でも二年でも、硫安会社が経営を継続することができるのか、その場合には、計画はまだ二年間合理化をやっていくのでありますから、その場合に、開発銀行は、一体金を貸すのか貸さないのか。ここら辺の問題が、私は、基本対策とも関連をして、非常に重要な問題だと思うのです。  そこで、従来からも減税措置その他の租税の措置等を講じたようでございますけれども、しかしこれは抜本的な赤字対策にはさっぱり役立ちませんので、赤字は依然としてふえている、こういう傾向をたどっているわけであります。したがって、この赤字対策について、肥料二法の建前からいえば、当然赤字はふえてしまうわけですから、しかも、これは法律に基づいて出てくる赤字なんですから、この累増していく赤字に対して、基本対策は、昨年も立たない、ことしも立たない、来年の見通しもどうだかわからないということでは、これは全く投げやり的で、将来における硫安工業の発展という上において、たいへんなことになってしまう。これをほうっておくというと、第二の石炭問題みたいな形で、企業自体の存廃の問題にまで関連してくるのじゃないかという感じがいたします。二百億できても、三百億できても、政府はそのときみてやるのだからいいのだ、あるいは長期資金としてたな上げしてしまって、政府がそういう資金を貸す措置をとるということができる自信があればいいのですけれども、どうも、通産大臣の意見を聞いておっても、何らの方針なしに、ずるずるあとへあとへと持っていく、こういうふうにしか受け取れない。したがって、これはたいへんな問題でありまするので、そこら辺の事情をどのように持っていこうかとしているのか。まあこの各大臣との意見の調整等もあるでしょうけれども、さしあたりこの主管大臣としての通産大臣は、一体どのようにこれを持っていこうとしているのか、これは農林省なり、大蔵省なり、企画庁と違いまして、硫安工業の直接の監督に当っている通産大臣でありますから、ひとつこの問題について、はっきりした御答弁をいただきたい、このように思うのです。
  27. 福田一

    国務大臣福田一君) お説のとおり、この問題はなかなか複雑な問題を含んでいると思います。そこでこの法律、実をいいますとこの法律ができた当時の経緯、または法律運営にあたってとりましたいわゆるバルク・ライン方式というようなもの等から、今日いろいろの問題が出てきているのでありまして、現在では企業が、硫安産業合理化をいたしましたメリットも、なかなかバルク・ライン方式というものというと、結局そのメリットを認めてもらえない形になっていることは、もう北村さんもおわかりのことだと思うのでございます。こういうことからいえば、この法律をここでやめて、改廃するといいますか、やめてしまうあるいはやめないまでも、法律、バルク・ライン方式というものを変えて、そのメリットを認ゆてやる、会社の合理化をしたメリットを認めてやるというような工夫をしていくということも一つの考え方になろうかと存ずるのでありますが、すでに肥料二法が実施されてここ数年来、このバルク・ライン方式でやってきておりますのを、ここで急にその方式を変える、法律を改めないで方式を変えるということも、どうもむづかしいということになろうかと思うのでございます。  また一方におきまして、今日、こういうような赤字が累増して参ります大きな原因は、世界の各国が硫安につきましては、いわゆるダンピングをやりまして、そうしてみんなどこでも生産費を割ってこれを売っているというのが近年の傾向でありますが、その傾向はますます強まりつつあると、こういうことに相なっております。たとえばこれも私が申し上げるまでもなく北村さんおわかりだと思いますが、ドイツなどにおきましては、国内では六十ドル前後の硫安を農民が買っているのに、外へ対して売るときには、三十五ドルあるいは八ドル、五ドルというような、最近は五ドルまで切ってきているくらいの非常なダンピングをやっているというようなことでございまして、一方この硫安を農民に、日本の農家に豊富低廉に供給するという建前からいえば、減産をすれば、これはコストが上がって参りますから、どうしてもある程度は、これは増産といいますか、生産をふやしていく、そうして合理化をしていくということによって肥料の値段を下げていくということは、どうもこれはやらないわけに参りません。したがって、そういう方向でやっていってみますと、農家が要る以上やはりここに肥料ができる肥料をさいて海外へ売ろうとなると、今言ったようなダンピング、競争をする、こういうことになりますから、どうしてもこれが原価を割っていくということになるわけでありまして、それが一つの赤字となって個々の硫安会社にたまっていっているというのが今日の実情かと考えるのであります。したがって、法律の、いわゆるバルク・ライン方式というのは、もうここで取り払ってしまうということは先ほど申し上げましたようにできないということになり、一方において海外の市況が回復いたしまして、大体原価と同じような程度で、まあ、五十ドルそこそこで売れるということになれば、もう赤字というものも、大体それほどふえることにはならないのでありますので、先ほど申し上げたような関係で、この赤字というものを予測することができない。まあ傾向的には、もう今後四十ドルを割った値でなければ売れないだろうという感じます。がしかし、とにかく非常に各国がダンピングをやっているという状況でございまして、ここらに今日のような硫安会社の非常に苦しい立場、経営の困難さが出ているかと思うのであります。といって、しからば、硫安会社は、そういうようものならば、もう硫安会社はつぶれたらどうなるということになりますと、かって、日本が一ぺん味わったことでありますが、日本の硫安会社がなかったときには、外国からえらい高い硫安を買わされ、自分のところにないのでありますから、幾らといわれても買わないわけにいかないのです、これは。そこで大へんな高い硫安を買わされた例があることは北村さんも御承知のとおりでございまして、どうしても豊富低廉な硫安を一応供給しようということになれば、ある程度赤字が出てくることがあっても、やはり日本に硫安工業というものがちゃんと存在しているということは、どうしてもこれは農村のためにも必要にあってくる、農家のためにも必要であり、また日本経済のためにしたがって必要になってぐる、こういうことになりますので、ここら辺のことをいろいろ研究してみますけれどもが、今ここで、それでは法案を改正するといいましても、すでに肥料会計年度が始まっている、八月一日から三十七肥料会計年度が始まっております。  そこでどうしてもここに生産計画も立て、また肥料の価額の決定もしなければならないという要請に迫られておりますので、さしあたりとしては、どうも今言ったような名案が浮かんでこない、もし考えることがありとするならば、その赤字を国家財政資金で補てんするというようなことも場合によってはというより、考えられるのでありますが、しかし、これは予算との関連がございます。そうして予算が決定するのは、来年の三月末日ということになります。たとえこれが案が出て、大蔵省との話し合いがついたとしても三月三十一日、今のさしあたりには間に合わない等々考えてみますと、今ここでこの赤字問題を解消すると、今までの分も解消するということもなかなか困難があるし、それから今後の赤字の対策についても、今言ったような事情でございますので、急にこれをいい工夫をしていくという、どうも考え方が浮かんでこない。要は、今後の赤字を解消するという方法がありとすれば、まあ、肥料会社に合理化をさせておりますが、その合理化によって浮かんだ利益を一応認めてやる、こういうような形をとればいいでありましょうが、それは先ほど言ったような今までのバルク・ライン方式というものを変えていくことになりますから、これは従来数年にわたってやってきた慣行をやり直すということになり、これはまたできないという、実はいろいろの事情もございまして、いろいろ各面から検討してみましたけれども、今日、ただいま肥料審議会に臨む態度といたしましては、どうもいわゆる抜本的な赤字を解消する、今までの赤字を解消し、将来の赤字が出ない方策というものがなかなか調査ができませんような段階にあるということを先ほど申しましたような次第でございます。
  28. 北村暢

    ○北村暢君 赤の出ない方策というのは、なかなかむずかしいことはわかりますけれども、実際問題として、累年五十億近いような赤字が出てくる、これでは幾ら肥料工業が、今言ったように、大臣がおっしゃるようにつぶしたくないと、こういってみても、ひとりでにつぶれてしまうのじゃないかと思います。こういう膨大な赤字をかかえて、おそらく硫安の専門メーカーですと、これはもう、にっちもさっちも動きがとれないということにおそらくなってしまうのじゃないかと思うのです。  それで私どもも、今大臣のおっしゃるように、硫安工業というものをつぶすということを考えているのではもちろんない。何とかしてこれが立っていくような方策を考えなければならない、こう思うのですが、その場合に、どうしても国際競争に太刀打ちしていくということになれば、発足の当初はそれほど輸出のために赤字は出ておらぬわけです。あのときの見通しでは、何とかやっていけるのじゃないかと、量産さえすれば、国際競争に太刀打ちできる。こういう見通しで発足したものが、その後における各国のダンピングその他が起こって、四十ドルを割るような国際価格のために、国内価格が五十ドルちょっと出るぐらいである。そうしたら、もう当然赤字というものは出てくるわけですね。これと競争しながら輸出をする、輸出をすることによって、この硫安の工業の合理化をやる、量産によって内容的にも合理化する、こういう計画なんですから、輸出がなければ、それじゃ合理化せぬかというと、簡単にそうはいかないわけです。そこで非常にむずかしい問題になってしまったわけなんですが、その場合、今おっしゃるように、各国とも、西ドイツにおいてもイタリーにおいても、ほとんど全部これは政府の援助がなされているわけですね。そういうことで、各国の硫安工業というものは成り立っている。しかしこれも国際競争が激しいのですから、政府の援助している内容というものは、各国においてはっきりしない。幾ら調査してもわからない、こういう状態です。したがってどの程度やっているのだかちょっとわからないわけですが、援助していることはもう大体間違いない。これは各国が、そういう立場をとっているわけです。そうすると日本の硫安工業が歌州の各国と比較して、それほど合理化が進んでいないわけじゃない、相当合理化は進んできている、ある程度いけば国際競争に太刀打ちできるというところまでいっても、なおかつ今いったような形で必然的な赤字が出てくるという状況なんですね。そうすれば私はやはりここでもう問題の所在というものははっきりしておるのですから、今の硫安工業だけにまかして、合理化メリットを国に転嫁してもなおかっこの赤字解消というものは簡単にいかない、農民に高い肥料、合理化メリットを負わしても、なおかつこれは解消しない問題だ、赤字は残ってくる、これはまあ残り方が多いか少ないかの問題だと思うのです。現在の国内の合理化した中における生産費が五十ドル近くになりますから、そうして国際価格が四十ドル割るということですから、合理化メリットを全部国内価格にかぶせても私は赤字はやはり出る、こう思うのですよ。  ですからそういう点になりますと、それでもなおかつ、政府政策として硫安工業というものを、このように生産を続けていくということになれば、どうしてもここで政府の特別な処置というものが絶対に必要になってくるわけなんですよ。したがって、これを毎回の肥料審議会で、政府にその処置をしろという、基本対策を出せという要求なんです。まあ大臣は、ことしの肥料年度はもうすでに始まって、予算ももう実行して、来年度予算でなければどうにもならないというのですが、これはもう昨年からこの問題は出ているので、ことし始まった問題じゃないわけなんです。ですから今の福田大臣は、最近大臣になって、これはどうにもしようがない、前のことだと言われれば、それまでのことなんですけれども、それでは許されない問題に実はなっているわけですね。しかもぼやぼやしているうちに、これは今の法律は終わってしまうですよ、来肥料年度で終わってしまうのですから。何となく終わってしまえば何とかなるだろうと、こういうことでは、私どもも非常に了承できないのでありまして、この法律が時限立法で、来肥料年度で終わるのですから、終わるときに、一体新しい今度の肥料年度に、今の肥料二法はどういう形になっていくか、これは非常に関心のあるところなんです。これがまあ、普通の基本対策として私は出てくるべきだ、スムーズな形で新しい法律に切りかえられていくべきだ、こういうふうに思うのです。そのためにこの基本対策というものをきめて、——もう時限立法として終わろうとしているこの肥料二法をスムーズに、混乱なしに切りかえていく、こういうことが必要なために基本対策というものが要請せられている、こう思うのですね。  でありますから、その場合私は、もうこの赤字問題というものについては、政府が長期資金として特別な融資の措置を講ずるか、そうでなければ補助、助成をやるか、もうこれ以外に手はないのじゃないかと思うのですよ、そこまできているのですから。ところがほかの石炭産業その他のいろいろな産業との関係で、肥料工業にだけべらぼうに、輸出というような形でこういうことができないということで、大蔵当局は全般の関係からいって、そういう財政支出することはまかりならぬと、これはまあ肥料工業自体でやるべきだと、こういう非常に強硬な意見があることもわかりますけれども、しかし私はもうその段階ではないと思うのです。何としてもやはり政府は決断をもって、この赤字処理をする抜本的な基本対策というものを立てるべき時期にきている。このように思うのです。  したがって、今聞くところによりますというと、肥料審議会以外に、肥料問題の懇談会を設置して、そして検討しているのだ、こういうことのようでございますけれども、肥料問題懇談会というのは一体どんな性格のものか。肥料審議会があって、なおかつ肥料懇談会でやっていかなければならないということではない。まことに有能な役人、通産省ではあれだけの機構を持って、手足を持っているのでありますから、何も懇談会を設けて意見を聞かなくたって、あれくらいは作れるはずですし、その案を肥料審議会にかけて基本対策を練るということは当然のことだと思うのです。そういうことで、悪く解釈すれば、この肥料審議会がありながら肥料懇談会を設けるというのは逃げの一手だ、そこへ逃げてしまうのじゃないか、こういうふうにすら考えられるのです。したがって、今の大臣の説明からいけば、どうもこの十日の肥料審議会には、基本対策は間に合わないようで、懇談会でのんびりかかろうと、こういう腹のようでございますけれども、これは簡単に私ども了承するわけにいかぬですよ。したがって、この懇談会というのは、一体どんなものなのか、いつごろ結論を出して肥料審議会にその案を諮れるようになるのか。その見通しをひとつお伺いしたいと思います。
  29. 福田一

    国務大臣福田一君) 非常に深い理解を持っておられての御質問でありますから、御説明になったこと、また御質問になったお気持はよく私としてもわかるわけであります。しかしながら先ほど申し上げましたように、もうすでに日も迫っておりますので、実は今さしあたりとして、この赤字を解消する根本対策というものも案ができないというような感じがいたしておるのでありますが、しからばこのままで放っておいていいかということになると、お説のとおりこれはもう放っておける段階ではないと思います。また現に時限立法であって、もう二年の後に切れるということであれば、しからば今後どうするかというこの根本策も、もちろん考えなければなりません。同時に、赤字問題をどう解決していくかというこの二つの問題を研究いたさなねばならないのでありますが、実を言いますと、石炭産業等において見ますれば、相当石炭産業というものの今日こういうふうになってくる姿ということについては、国民の間でも理解が相当できてきておると思うのであります。したがって、政府が何らかの施策をいたしましても、また、それに対して国家資金を出すというようなことがあっても、それは無理からぬことである、こういうことに今の空気はなってきております。ところが従来の姿で見ますというと、そもそもこの肥料二法ができたときには、肥料会社は大いに金をもうけておった、非常に株価も高くて非常にもうけておった、そういうような金がもうかるところに、国が何で援助をするのか、国家財政資金を何で出すのか、こういうような疑問というものが国民に従来は非常に強かったと思うのです。今日われわれは今通産——一応、政府を作らしていただいておりますが、実を言うと野党であられる社会党のあなたから、こんなことじゃだめじゃないかというようなお声が出ることになって、初めてわれわれとしても、ここに勇断をもってこの問題の処理ができる、私はそこに民主主義のよさがあると思うのであります。初めてこれで、われわれも気負い立って仕事をやっていけることに相なろうかと思っております。  今まではどうも、私たちがそういうことを言いますというと、まるで肥料会社の手先になって肥料会社に金もうけさせると、実を言いますと私は肥料合理化促進法を作ったときの商工委員でございまして、その当時私がこの案を出しましたところが、野党のお方からたいへんおこられた。お前らはこういう法律を作って、そして肥料会社に金もうけをさせ、そして農民には高い肥料を買わせてけしからぬという、これはもうその当時の速記録を見ていただけば十分このことが出ておると思います。私はしかし、これでなければだめだと言って、実は主張した一人でございます。しかしそのときのことは別といたしましても、すべて私は、そこに野党のお方の、まあそういうことを言っては申しわけない、われわれがあるいは野党になるかもしれませんが、われわれが野党になったら、そういう立場でひとつ皆さんのお助けをしたいと思いますが、実は野党の皆さんからでさえも、これは肥料会社がかわいそうだ、これじゃだめじゃないかというお声があることによって、よほど問題は進んできておる。しかしそれにしてもまだ私は日本全国で、肥料会社がなぜこれほど、こういうふうにして困っているかという理解はまだ足りないのではないか、このようにしておいおいこれがわかっていくのではないか、私が今度懇談会を作るという意味も、どちらかといえば、そういう意味で国民みんながわかるようにするというところに大きな一つのねらいがあるのであります。実を言うと、案自体を作るということになれば、これは、あるいは仰せのとおり通産省だけ、あるいは関係当局だけでやってもできない。まして有能な委員、あなたも審議会の委員でおられますが、そういう審議会があれば、それで十分じゃないかということは私どももよくわかるのでございますが、しかしみんなにだんだん関係のない人にも、なるほど肥料問題というものは、そういうものか、今言いましたようなバルク・ラインの問題、あるいはまた国際的ダンピングの問題、そしてまた肥料会社がなくなったときの農村がどういう苦難をなめるかというような問題がだんだんわかってもらうことが必要である、こう考えております。  私は実は御承知のようにまだ就任いたしまして日は浅いのでございますけれども、実を言いますと肥料問題については、ほんとうに頭を悩ましているのであります。実を言えば、あなたの御意見とほとんど同じだと申し上げてもいいかと思うのでありますけれども、しかしこれは、いろいろの経緯等もございまして、私がここで、そういうようなことを申し上げることはいたしかねると思いますが、非常に貴重な御意見を承ったことを感謝して私の答弁にかえさせていただきたいと思います。
  30. 仲原善一

    ○仲原善一君 今の問題に関連して、ただいまの硫安の問題は非常に重要な問題でございますから、関連で一言だけお伺いしたいと思います。  非常に御理解のある大臣の御答弁でもあり、北村委員の御発言もよく拝聴いたした次第でありますが、農業と申しますか、農民のほうの側から申しますと、趣旨が非常によく徹底していなくて、誤解している向きがたくさんございます。と申しますのは、外国には非常に安い硫安を売って、赤字になったところを全部日本の農民におっかぶせておる、これは日本の政府が硫安の資本家と手を携えて、そういうことをやるという、そういう悪宣伝をする向きもございます。そういう点は大臣におかれましても、よく御理解をいただいていると思いますが、ただいまのお話のとおりに、肥料二法のある現在でありますので、バルク・ライン方式のやり方でこのメリットを硫安の会社のほうに均霑させるというようなことは、お考えになっていないようでございますので、その点は安心しているわけでございますが、農村でそういうふうな空気のある際に、このメリットを硫安会社のほうへ持っていくというような考え方でないということをよく説明していただきたいということと、それから厳然として現在肥料二法がある期間におきましては、その期間中は、少なくともその趣旨によって運営してもらいたい、したがって、そのメリットはすべて農民のほうに均霑する、生産費が合理化されて下がった分については、毎年これは農家のほうの利益になるように、硫安の価格が安くなっているわけでございますから、この趣旨を貫いていっていただきたい。  結局、問題になっている赤字の問題については、大臣も先ほど来お話になりましたので、大体想像はついておりますけれども、これは国の責任において、政府の責任において何とか措置するという、そういう大きな方針で進んでもらいたいという希望を実は申し上げたいと思います。  それから、先ほどの質問を通じてのお話の中にもありましたが、税の問題で赤字を有利にするということのようでありましたが、これは現実に行なわれているのかどうか、税の問題で、赤字の点について考慮を払われて現在おるのかどうか、融資の問題についても、ときどき話に出ますが、これも現実の問題として行なわれておるかどうか、この点について経緯があれば、お話願いたいと思います。  最後のお願いといたしては、北村委員もおっしゃったような立場で国の責任において、この赤字の処理というものをやるという方向にお考えを願いたいということでございます。これは日本だけでなしに、先ほど大臣からお話がありましたとおり、西独にしても、イタリアにしても、国のほうで、ダンピングの場合には、何らから措置で、国内の生産者を保護しているというふうにも受け取られますので、諸外国の例もございますし、今後の問題として、やはり国の財政の立場で赤字の問題はカバーしてもらいたいということを希望を申し上げておきます。
  31. 福田一

    国務大臣福田一君) さしあたりの問題といたしまして、いわゆるバルクーライン方式を変える意図を持っておりませんのでお説のとおりになるかと存ずるのでありますけれども、しかし、今まで仲原さんが言われたように、農民のお方が誤解をされておる向きもありますけれども、こういう誤解はあらゆる機会にひとつみんなで解くようにお願いいたしたいと思うのでありまして、大きくみれば、やっぱり硫安工業が参ってしまえば農村が損をすることは明瞭でありますから、農村はとんでもない高い硫安を持ってこられても買わないわけにはいかない、必需品でありますから買わないわけにはいかないということになりますと、そこにまた大きな問題が提起されることに相なるかと思うのであります。しかし、いずれにしても、肥料二法をどういう形に残しておくか、それから赤字問題をどうして処理していくかということについては、私もいろいろ苦労をしておるといいますか、考えておる段階でございまして、まあ今後ともひとつそういう意味合いで、皆さん方からも御協力お願いいたしたいと思っておる次第であります。  なお、税制の面におきましていろいろと措置しておりますが、これにつきましては軽工業局長から説明いたさせます。
  32. 倉八正

    説明員(倉八正君) 今、税と開銀融資の問題、二つの御質問がありましたのでございますが、税の問題については、昨年四月一日から特別措置法によりまして、これはその当時より実施されております。それから開銀の十年間の低利融資ということで、例の八十億円につきましては、昨会計年度が十二億円、ことしが四十億円ということで、そのまま実施されておりますし、そのほかに北海道東北開発公庫からも十三、四億円の合理化資金が出ております。
  33. 大森創造

    ○大森創造君 茨城県の石岡市の村上という所に龍神山という山がありまして、それを何年か前に林野庁のほうで石岡市当局に払い下げをした、その経緯をひとつ簡単にお伺いしたい、そのときの条件などはどういうことになっておるのか。
  34. 吉光久

    説明員(吉光久君) ただいまの日本砕石株式会社の件でございますけれども、詳細につきましてまだ監督の通産局のほうから報告が出ておりませんので、現在のところ私のほうでは詳細な点につきましては承知いたしておりません。
  35. 大森創造

    ○大森創造君 林野庁の方にお伺いしますが、払い下げをしたのは、どのくらいの面積を、どういう条件で、どなたに払い下げをいたしましたか。
  36. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) 龍神山の山林の問題につきましては、当時林野整備法が——現在は失効しておりますが、林野整備法がございまして、その一条の一号に該当するもの、つまり国有林といたしまして管理経営する必要のない、いわゆる孤立小団地という条項に該当いたしましたものを二十八年十一月十八日に六町四反四畝を時価四百四十九万円で石岡町に払い下げております。払い下げの条件としては、林野として使用することを旨として法律で売り払うことになっております。契約条項といたしましては、十年間の転売制限、それから林業の経営計画でございますが、これを設定すること、そういう計画に従って森林を経営するというような条項がございまして、そういう条項に違反したような場合には契約解除をもなし得る、こういうような特約条項をつけて売り払ったわけでございます。
  37. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、そういう契約条項に違反した事実があれば、林野庁はどう処置をとるべきですか。
  38. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) そういう目的に沿わないようなことがされないように、われわれといたしましても、再三下部のほうへ通達もいたして、そういう事態がありましたら、たとえばそれを是正させるとか、その指導はとっておりますが、そういう指導が聞かれない場合には、不当な利用がなされるという場合には、最終的には契約解除する場合もあるわけでございます。
  39. 大森創造

    ○大森創造君 私は林野庁がその市当局に払い下げをしたといういきさつを今聞きましたけれども、その当該部落のほうでも、ひとつ払い下げしてほしいという競合の形が当時あった。昭和二十八年十一月、まあ、しかし部落のほうではものわかりがいいから、市のほうが大勢の人に土地を与えることになるだろうということで、市のほうに払い下げをした。ところがこれは今のあなたの説明のように、その契約条項は履行されていませんね。これはどうなんですか、僕ははっきり聞いたのだけれども、市当局のほうに具体的に私は説明を求めますが、その契約条項の履行ということを、こうしてほしいと、これに違反する場合にはこうだということを、契約書以外にあると指示されたということがあるように今お聞きしましたが、事実あったのですか。市当局にあなたのほうから文書でも出したことあったのですか。
  40. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) 市のほうに直接ではございませんで、一般論といたしまして、営林署のほうへそういう指導監督をいたしておるわけでございます。石岡市に対して具体的にそういう指示は契約条項以外はいたしておりません。当然契約を結ぶ際にそういう条項の運用につきましては、いろいろ話をしているはずでございます。
  41. 大森創造

    ○大森創造君 そうしますと、水戸の営林署のほうから署長名をもって市当局のほうへその違反した、契約条項違反だという事実がわかっているに違いないのだから、それは再三注意をしたはずですね。
  42. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) 現在その利用状況が、たとえば一部砕石場に使っておるというようなこともちょっと聞きまして、詳細に、今電話で照会中でございまして、どの程度貸しておるのか、その辺のいきさつが不明でありますので、至急調べたいと思っております。
  43. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、これは、その契約条項に明らかに違反して、そして、日本砕石という株式会社に貸した。貸して、その日本砕石のほうは砕石を始めた。もうすでにこれは契約条項、りっぱに違反している。その砕石会社が非常に地元の住民に迷惑をかけた。これは地元の市会議員の人や部落の人は百回ぐらいあっちへ行ったり、こっちへ行ったりしている、そのことのために。市のほうはあなたのほうとの契約をまるっきりほごにして、多少営林署あたりは注意をしたことがあったかもしれない。そのことを無視して、そして、日本砕石というところに払い下げをした。売ってしまった。こういう事実が、これは私、二、三日前に見てきたのだけれども、その事実をはっきりすれば、あなたのほうでどういう処置をしますか、今度は部落のほうに払い下げしていただけますか、これは林野庁の契約というものは守っても守らなくてもいいじゃないかというふうに考えたのですがね、ごたごた借用証を作って、五万円なんていうけれども、借用しても払わなくてもいいじゃないか、相手が林野庁ならば、そう思ったのだけれども、そうじゃないですか。
  44. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) ただいまお聞きしますと、市のほうから会社のほうへ払い下げ——払い下げといいますか、売り渡したというお話ですが、そういう事実はわれわれのほうはまだ聞いておりませんで、三十五年に一ペン市のほうが売り渡すというような話はありまして、林野庁としては、そういう目的に沿わないので、このことはまかりならぬ、そういうことで一時売り渡しを断念した。そういうことはちょっと聞いておりますが、現在売り渡しということは、まだ耳にいたしておりません。それから万一売り渡した場合にも、契約条項に従いまして当然重要な契約違反でございますから、そういう事情を十分に調査いたしまして、不当な売り渡し、そういう場合には契約の解除も最終的にはあり得るものと考えます。
  45. 大森創造

    ○大森創造君 これは林野庁の財産は国の財産だから、国の財産はおれの財産ではないという考え方に起因していると思う。だから個人の場合には、こういうふうに安い価格で市に払い下げたということになれば、そういう契約条項を履行しないと、相手方はその履行を迫り、それをはっきりした違約をした場合は、じゃんじゃん手を打ちますよ。ところが国有財産のほうはのんびりしている。目が届かないはずはないと思う。売っていいですか、売っていいですかと言ったって、これは初めから売って悪いことになっている。それをあなたのほうに報告しろと言ったって報告しませんよ。向こうは、市の方は商売だから、もうけるつもりで売っておる。そうすると、あなたのほうの出先は何をしています。これは茨木県の山奥なんかを見て、ことにそういう問題の土地について長期の貸付か、あるいは売り渡したのだろうと思うが、そして林野庁のほうと契約した契約の条項に明らかに違反したということを、あなたのほうの現地の営林署のほうは、全然そういうことに関して関心ないのか。これはでくの坊ばっかりそろっているからわからぬのか。そこのところをはっきり聞かしてもらいたい。
  46. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) 現地の笠間の営林署でございますが、三十五年当時も売り渡しの問題がありましたし、営林署といたしましても再三、われわれも一般的な指導監督をいたしますので、その状況は十分につかんでおるものと思います。それから六町歩でございますが、その下に花山岡岩が突出しているようなところもありますし、必ずしも六町歩全部を林業経営に使わなければいかぬということではございませんで、ケース・ケースに応じまして、営林署等の承認の中で利用し得る余地もあるわけでございます。それが不当な場合と、あるいはどうしても客観的にそのほうがいいという場合と、ケース・ケースがございますので、そういう点で現在われわれのほうも状況を知悉しておりませんので、せっかく調査いたしておる次第でございます。
  47. 大森創造

    ○大森創造君 通産省鉱山局の方がお出でですからお伺いをしますが、日本砕石という会社が、そこで機械を据えて砕石を始めておる。これは営利主義ですから、砕石会社は政府事業でありませんから、地元の人に非常に迷惑をかけておりますね。一カ月に平均一回くらいこういう大きな石がばんばん落ちてくるんですよ。百メートルぐらい向こうのほうの屋根を貫く。私は必ず事故が起きると思います。子供の頃をばっさりと打ち割って即死するなんていう事件が起きなきゃいいと思うんです。一番ひどかったのは、六月四日、一日置いてまた六日にこういう石が屋根を貫いている。そこで地元の市会議員の人や、部落の人が、もうすでに何十回となく東京に来、それから県庁の商工課のほうにもまかり出て、そのことをるる訴えている。どういうことか。そういう私企業は、市のほうから、ただいまあなたがお聞きのように、契約条項に違反して、そういう民間の利益を追求する、そういう会社に払い下げて、そこで朝から晩まで石が飛んでくる。それから石の粉が散乱する。それから騒音防止云々と言われておりますが、めちゃくちゃな騒音が朝から晩まで、わんわんする。それから震動はもちろんでございます。こういう場合に、あなたのほうの立場としてはこれは黙っていていいのでしょうか。私は、はっきり言うと、法務省のほうにも二年前に調査を依頼した。ところが動かない。それからあなたのほうにも関係があるだろうけれども、県の商工課のほうもらちがあかない、林野庁のほうもらちがあかない。こんなことは、地元の何百人という人が非常に迷惑をしている。これは容易じゃありませんよ。あっちへ行ったりこっちへ行ったりしている。地元の新聞が何回も取り上げている。こういうことが出てくるとすれば、あなたのほうでどういう処置をとるべきですか。
  48. 吉光久

    説明員(吉光久君) ただいまの採石業者に対する監督の問題でございますけれども、まさに御指摘のとおり採石業者に対する事業監督は通商産業省で所管いたしております。したがいまして、と同時にその事業監督の態様でございますけれども、現在の採石法によります監督規定と申しますのが実は非常に限定されておりまして、採石それ自身によりまして公共施設が損壊される場合、あるいはまた他の産業に重大な損害を与える場合、そういう場合に採石業者に対しましての適当な措置をとることを命ずることができるというふうな規定がございまして、一応採石法によりますところの監督規定というのは、その限度にとどまっているわけでございます。しかしながら、これは法律上の監督規定の問題を離れまして、ただいま御指摘のとおりそれが住民に迷惑をかけておるというふうな事実、これは今先ほど御指摘がございましたように、県の商工課のほうには何回もお話になったというお話でございますけれども、私のほう、東京通産局でこれを所轄いたしておりますけれども、通産局のほうに照会いたしましたところ、実は県のほうからそういう意味での話の内容は全然伝わっておらないわけでございます。したがって、先ほどお話のございました住民に迷惑をかけるというふうなことを現にいたしておるかどうかということは、事実だと思いますので、至急現地のほうにも通産省の担当者を派遣いたしまして、現地に対応した意味での適当な処置をいたしたいというふうに考えております。
  49. 大森創造

    ○大森創造君 そういうふうに話がわかればいいのです。パイプが詰まっているのですね。どこへ行っても、県の商工課のほうは、東京通産局のほうへいかない。農民が非常に迷惑をして何回も行ってもお茶を濁して、そうしてその場で聞きおく程度にしておいて、あとは進まないのですね。これは非常に私は行政の欠陥だと思う。そこで採石法によると、他の産業に迷惑を及ぼさない、現に他の産業に……、りっぱな産業ですよ、農業基本法によって守られている農民の営農に非常に差しつかえる。もう夜中までやっているし、それで石がときどき落ちるし、子供などうっかり遊べない。市長が中へ入って、それで市当局は先ほど申し上げたとおり契約違反をしている。これはくやしいことですよ、地元の部落として。部落のほうへ払い下げてもらいたいといったのだけれども、一歩譲って、市のほうが市民全体の立場に、あるいは国全体の福祉のためになるだろうということで、部落のほうは市のほうに払い下げてよろしいのだということで、当時妥協をした。ところが市長のほうが、これは自民党の幹部の市長なんだけれども、これはその部落とそれからわれわれのほうの関係の人が、再三こいつは困ると言ったにもかかわらず、それを無視して、そうして今度は林野庁をだまして砕石会社に市は払い下げをして、そうして砕石会社は、おれのほうに払い下げろという部落に朝から晩まで迷惑をかける、石を吹っ飛ばしている、これをだれも監督していない。県のほうへ出向くと、それは東京通産局のほうにパイプがつながっていない。それから法務省のほうの出先へ行くというと、土浦の法務局、それから今度は水戸の人権擁護局へ回ってくる、それから今度は半年か八カ月おくれてこっちへくるかと思いきや、二年たってもこないのだな。こういうことをやっては、これは済まされないと思う。池田総理大臣がこの砕石会社に行ったらすぐわかる、行かないからわからない。しかも行かなければ人間わからないから、政府の責任で直ちにばちんと解決して下さいよ。月給もらっていて話を聞いているけれども、パイプがさっぱり上へ上がらない。こういう部落へ行ったら怒りますよ、ぶんなぐりますよ。こんなこと、何をやっているかわからない。これは通産大臣とか何とかいったって、あそこに親戚があって、あそこに一カ月もいて、そうしてそこから国会へ通うなんといったら、日本の行政はだめだということがわかるけれども、そういうのがないから、適当にやっているというと、適当に石が流れてくるということの繰り返しなんですよ、何度言ってもらちがあかないから、ひとつこれはびしゃっと解決してくれないと困るのです。  そこで、法務省のほうにお尋ねしますが、そういうことであなたのほうにも、おそらく今は土浦の出張所から水戸のほうに回ったのじゃないか、三年たったらあなたのほうにきて、そうしてそのうち赤ん坊が三人ぐらい死ぬことになる。あなたのほうは事情はわからぬと思うけれども、どうですか、人権擁護局、法務省のほうは。
  50. 小泉初男

    説明員(小泉初男君) ただいまお尋ねの龍神山の砕石場の点につきましては、私どものほうに報告は参ってきております。昨年の一月の末ごろ、水戸の地方法務局に対しまして、地元の部落民の方から訴えがございまして、なお、当時直接法務省のほうにも地元の方が見えられまして、同じような趣旨の陳情を受けておるわけでございます。内容は要するにダイナマイトによる爆破作業に際しまして、付近の部落に石が飛んできて、きわめて危い、それから作業の過程におきまして非常に大きな音が出る。それから石を砕いた際の石の粉が部落のほうに飛んできて、はなはだ弊害がある。こういうような非常な広い意味におきまして、いわゆる公害問題であるというふうな訴えでございます。現地の法務局におきまして、前後五回にわたりまして現地の調査を行ないました。昨年の九月の調査の際に、会社の責任者のほうでは石が飛ぶというこの危険を防止するための設備を必ずいたしますと確約をしておるそうでありますけれども、それがまだ実行されておらないように聞いております。法務局の調査も、結果の所見に徴しますと、この落石による人畜の危険というのは確かにあると認定する。作業の騒音につきましては、関係機関の機械による測定によりますと、大体六十フォーンないし七十フォーンだそうでございますが、少なくともさしあたり罰則による危険というのはかなり大きいという認定でございます。そこでさしあたり、落石防止装置を厳重に行なうという約束を会社のほうにとりつけたというような報告を受けておるのでございますが、この結果が、いまだ十分に履行されておらぬように聞いております。さらに現地の調査を通じまして、これを履行させるように努力したいと、こう考えております。
  51. 大森創造

    ○大森創造君 これは、あの部落の人にしてみたら、何か金もうけのために、があがあ朝から晩までやっていて、そうしてときどきこういう石がふっ飛んできて屋根がわらを貫いてみたり、子供を遊ばせることもできない、そういう迷惑を受ける理由ないですよ。個人にとっては迷惑な話だと思うのですよ。そこで私は、人権擁護局、法務省、それから通産省にすれば、これは何というか、その一業者を勝手きままに放任さしておくという理由はないと思いますが、これはひとつがっちり茨城県の石岡の問題でございますけれども、しかしこれは全国的な問題でもあるのだから、この問題をテストケースにして、一定の期間を限って、がっちりした措置をしていただきたいと思うのです。その措置のとり方を当委員会のほうにひとつ御回答をお願いしたいと思うのです。  そこで、林野庁のほうに話を移しますが、そういういきさつであってみれば、あなたのほうはどういう措置をとりますか。
  52. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) 先ほども申し上げましたように、知悉いたしておりませんので、現在のところ会社に売り渡したようにも聞いておりませんし、その辺は十分調査いたしまして、契約の条項に従いまして、われわれとしては正当な措置をとりたいと考えております。
  53. 大森創造

    ○大森創造君 私は決算委員会というものは、きょうは通産省ということなんだけれども、決算委員会は何ぼ会議やったって同じだと思うんです。えらいことを言ったって、超党的に……。野党の言うことを聞かない、多数で押し切るということを繰り返したら、いいことはない。言うことは聞いてもらいたい。これは政府は自民党なんだから、選挙運動とは別なんだから、林野庁は。このことは、無駄話はしたくありませんから、決算委員会で大体あなたの答弁からすれば、契約条項に違反されていたって、それを知らない、そういう話はないですよ。砕石会社に払い下げたのはとっくの話なんだ、これは相当時間が経過している。そういう報告があなたの出先のほうからないということは怠慢なんだ、パイプがつまっている、行政機構が。あなた方の上のほうではそういうことは知らぬ存ぜぬで文書処理していればいいのです。ただ地元の人は五十回も六十回も東京に足を運んでいる、農繁期のまつ最中に、もっと愛情のある、実情に即した手を機敏に打つのがほんとうだと思う。当決算委員会で私がこうして問題にしたからには、がっちりした具体的な措置を求めますからね。そういうことで、あなたの御答弁は何だか、払い下げたか、貸しつけたか、何だかわからないで、契約条項に違反し、そういうことかはっきりわかったら措置しますというのは、三日前に人が死んで今初めてわかった、今から医者を頼むというような話と同じだ。それは非能率的な日本の官僚の最たるものですよ。そんなものはびっびっとやらにゃあいかぬですよ。これはきょうお三人がおそろいですから、お三人で相談してやっていただきたいと思います。これは具体的な解決をしていただけますな。お一人ずつひとつ答弁をしていただきたい。
  54. 吉光久

    説明員(吉光久君) ただいまの砕石株式会社に対する件でございますけれども、至急現地調査をさせまして、今の人権擁護局のほうでおっしゃいました落石に対する網等を張られていないようでございますれば、至急に張らせるようにいたします。さらに、作業それ自身で近隣に相当の迷惑をかけているということでございますれば、会社の自重も促したいというように考えます。
  55. 小泉初男

    説明員(小泉初男君) われわれの立場は、そういう人命の危険防止という立場から、さらに管理者に対しまして、厳重に警告を発するようにいたしたいと思います。
  56. 斎藤誠三

    説明員(斎藤誠三君) 林野整備法及び契約条項に従いまして、十分調査の上、はっきりした措置をとりたいと考えます。
  57. 大森創造

    ○大森創造君 市長側が、地元のほうに突き上げられて、市長と会社側と懇談会をやって、金網も一応張った。その金網が職員の——自分の会社のところの職員の住宅をカバーするだけの金網を張った。それで私はきのう県に行ったのです。そうしたら、あれは問題ありません。金網張りました。見てみたら、部落の人のほうをカバーしないで、どこまでも営利主義なんだ。自分の職員の住宅のほうをカバーした、金網を張って、同じなんですよ、部落のほうは。だからね、大体業者はずるいですよ。それで人権擁護局は飛び石の危険がございますという結論を出した。それから通産省のほうは監督の責任がある、こういう結論を出した。林野庁のほうは契約条項に違反した、三人合わしたって何にも具体的な措置を会社に対してなされておりませんから、会社のほうは横着きわまりない。おれは何とか参議院議員、何とか林野庁長官の選挙運動をやっているから差しつかえないだろうということで、あぐらをかいておりますからね。これは業者と片や何百という部落民の対比を考えてそれから今のやり方を考えてみた場合はだめですよ、即刻にそのことを実行させなければ。中型内閣だからできないなんということはない。こういうことはびしっとやって下さい。私、見ていますから。そして具体的な措置を私のほうにひとつ回答をお寄せいただくということをお約束願って、私の質問を終わります。
  58. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  59. 鈴木壽

    委員長鈴木壽君) 速記を起こして。  残余の審査は後日に譲り、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会