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1962-08-22 第41回国会 参議院 決算委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十七年八月二十二日(水曜日) 午前十時二十七分
開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
鈴木
壽君
理事
岡村文四郎
君 佐藤 芳男君 仲原 善一君 横山 フク君 相澤 重明君 大森 創造君
委員
鈴木
恭一君 田中 清一君
野知
浩之君 二木 謙吾君 前田 久吉君 谷村 貞治君 山本 杉君 佐野 芳雄君 武内 五郎君 横川 正市君 和泉 覚君 中尾 辰義君 高山 恒雄君 林 塩君
鈴木
市藏
君
国務大臣
国 務 大 臣
志賀健次郎
君
政府委員
調達庁長官
林 一夫君
調達庁労務部長
小里 玲君
郵政政務次官
保岡 武久君
郵政省電波監理
局長
西崎 太郎君
建設省河川局長
山内 一郎君
自治政務次官
藤田
義光君
事務局側
常任委員会専門
員 池田 修蔵君
説明員
防衛庁教育局長
小幡 久男君
防衛庁経理局長
上田 克郎君
防衛庁装備局船
舶課課長
藤田
新君
防衛庁装備局航
空機課長
岡太
直君
防衛庁建設副本
部長
志賀
清二君
防衛庁調達実施
本部長
三原 桂君
調達庁不動産部
長 沼尻 元一君
会計検査院事務
総局第二
局長
樺山
糾夫君
—————————————
本日の会議に付した
案件
○
参考人
の
出席要求
に関する件 ○
昭和
三十五
年度
一般会計歳入歳出決
算(第四十回
国会内閣提出
) ○
昭和
三十五
年度
特別会計歳入歳出決
算(第四十回
国会内閣提出
) ○
昭和
三十五
年度
国税収納金整理資金
受払計算書
(第四十回
国会内閣提
出) ○
昭和
三十五
年度
政府関係機関決算書
(第四十回
国会内閣提出
)
—————————————
鈴木壽
1
○
委員長
(
鈴木壽
君) ただいまより
決算委員会
を
開会
いたします。 この際、
昭和
三十五
年度
決算
の
審査日程
につき御報告いたします。 今
国会開会
以来、第四十回
国会決算委員会
におきまして決議いたしました新しい
決算
の
審査方針
に基づきまして、
昭和
三十五
年度
決算
の
審査
をいかに進めて参るかにつきまして、
理事会等
におきまして慎重に協議を重ね、また、
事務当局
においても、その
基礎的資料
の検討を命じて参ったのでございます。その結果、
理事会
といたしまして、ただいま
委員各位
のお手元に配付いたしました
日程案
を作成いたしたわけでございます。なお、本
日程
は、今後情勢の
変化等
によりましては、一部
変更
という場合もあろうかと存じますか、大筋といたしましては、この
日程
に従いまして自後の
審査
を進めて参る
所存
でありますので、御
了承
いただきたいと存じます。 次に、
昭和
三十五
年度
決算審査
の今日までの経過につきまして、簡単に御報告申し上げます。本
決算
につきましては、前
国会
におきましてすでに最初の
総括質問
はおおむね終了いたしております。従来の慣例に従いますれば、改選後の
国会
におきましても、すでに
審査
の終了いたしておりまする点につきましては、再びこれを繰り返さないことになっておりますので、先例に従いまして、本日はこれより直ちに
各省別審査
に入りたいと存じます。この点をひとつ御
了承
を得たいと存じます。
—————————————
鈴木壽
2
○
委員長
(
鈴木壽
君) 次に、この際
参考人
の
出席要求
につきましてお諮りいたします。
昭和
三十五
年度
決算審査
に資するため、今後
政府出資団体
の
役職員
を必要に応じ
随時参考人
として出席いただき、御意見を聴取いたすことといたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
鈴木壽
3
○
委員長
(
鈴木壽
君) 御
異議
ないと認めます。 なお、
参考人出席
の
日時
、
人選等
、諸般の
手続
につきましては、これをあらかじめ
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
鈴木壽
4
○
委員長
(
鈴木壽
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
いたしました。
—————————————
鈴木壽
5
○
委員長
(
鈴木壽
君) それでは、
昭和
三十五
年度
決算
を議題とし、
審査
を進めます。本日は
防衛庁
の部でございます。 まず、
防衛庁長官
から、
昭和
三十五
年度
防衛庁関係決算
について御
説明
を願います。
志賀健次郎
6
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 一言であいさつを申し上げます。 このたびはからずも
防衛庁長官
の職責を汚すことに相なったのであります。もとより、微力、非才でありますが、誠意をもって事に当たる所存でございますので、
委員各位
におかれましては、格別の御指導、御協力を賜わりますように、お願いを申し上げる次第であります。 なお、
就任早々
でございまして、広範な
防衛庁
の
所管事項
について十分な勉強を遂げておらないのでございまして、この際、
政府委員
から多くは御答弁申し上げまして、その適正を期したいと思うのでありまして、あらかじめ御了承をお願い申し上げる次第でございます。
昭和
三十五
年度
防衛本庁経費決算報告
に関する説明を申し上げます。
昭和
三十五
年度
防衛本庁経費
の当初の
歳出予算額
は千四百八十五億五千二百万円でありまして、これに
昭和
三十五年十月以降の
政府職員
の給与を改善するための
予算補正追加額
三十億八千五百三十八万円、前
年度
からの
繰越額
、
一般会計
において繰り越したもの七十億二千八百二万円、
臨時受託調達特別会計法
を廃止する
法律附則
第四項の規定に基づくもの八百十六万円、計七十億三千六百十九万円、成層圏における
放射能塵調査
のための科学技術庁から移しかえを受けた額三百八万円、
総理府所管
の
調達庁
へ移しかえる額について
大蔵省所管
の
大蔵本省
へ移用した額千二百十四万円を増減いたしますと、
歳出予算
現額は、千五百八十六億六千四百五十二万円となるのであります。 この
歳出予算
現額のうち、
支出済歳出額
は、千五百二十八億三千二百六十九万円でありまして、これを
歳出予算
現額に比較いたしますと五十八億三千百八十三万円の減少となっております。 右の
減少額
のうち、翌
年度
へ繰り越した金額は、
財政法
第十四条の三の規定による
明許繰越
のもの二十六億四千八百十四万円、
財政法
第四十二条ただし書きの規定による
事故繰越
のもの二億五千六百二十七万円、
財政法
第四十三条の二第一項の規定による
逓次繰越
のもの三億四千百九十五万円、計三十二億四千六百三十七万円でありまして、不用となった金額は二十五億八千五百四十六万円であります。 これを
昭和
三十四
年度
の
決算
と比較いたしますと、
昭和
三十四
年度
は、翌
年度
へ繰り越した金額が七十億二千八百二万円、不用となった金額が三億千五百四十二万円でございましたので、
繰越額
において三十七億八千百六十五万円の減少となっており、
不用額
において二十二億七千四万円の増加となっております。
昭和
三十五
年度
の
予算
につきましては、三十四
年度
末
保有勢力
を維持するための
経費
を計上したほか、
陸上自衛隊
につきましては、三十四
年度
に引き続き、
装備品
の
改善等既存部隊
の
質的向上
をはかるとともに、
地区施設隊
五、
建設大隊一等
の新設を行ない、
災害派遣等民生協力面
の強化を行なうことといたしました。
海上自衛隊
につきましては、第一次
防衛力整備計画
に従い、艦艇を新たに七隻(約八千四百六十トン)建造し、
航空機
(
ヘリコプター
)六機の購入を計画するほか、米国からの艦艇十七隻(約四百トン)及び
航空機
(U・
F飛行艇
)六機の供与を予定するとともに、大型対
潜哨戒機
(P2V−七)の
国産化
第三
年度
として十機の生産を見込んだ次第であります。
航空自衛隊
につきましては、
航空警戒官制機能
の
自主的運営等任務量
の増大に対処するため、
教育訓練
の
充実強化
、
補給支援機構
の
整備拡充等既存部隊
の
質的向上
をはかるとともに、新たに補給本処等の
改編強化
、
西部航空方面隊司令部
の新編、
航空団
一の増設を行なうことといたしました。
航空機
につきましては、
ジェット中間練習機
二十機及び
ヘリコプター
六機の取得を予定したほか、新たにF−一〇四J(ロッキード)
戦斗機
百八十機、同
複座練習機
二十機の国産に必要な
経費
を
全額国庫債務負担行為
として計上いしました。 なお、
自衛隊
の装備を近代化するためのミサイル、
航空機
、
水中兵器
、
電子兵器関係
を中心とした
試作研究
を続けるほか、
研究開発体制
の充実をはかるための
経費
を計上いたしました。 従来、
防衛本庁予算
の執行における
繰越額
及び
不用額
が多額であったことにつきまして、本
委員会
において警告を受けた次第でありますが、
昭和
三十五
年度
予算
につきましては、
防衛力整備計画
に基づく
自衛隊
の
任務遂行
のために必要な
予算
であり、これが適正な執行をはかるために、極力
年度
内消化可能なもののみ
歳出予算
に計上いたしました。その執行にあたって、
年度
当初よりできるだけ
予算
の計画的、
合理的執行
に努めるようその運営をはかった結果、前
年度
に引き続き大幅に
繰越額
を圧縮することができたものであります。 右に申し述べました
繰越額
三十二億四千六百三十七万円のうちおもなるものは、
器材費等
二十二億七千百二万円、
艦艇建造費
四億三百四十一万円、
施設整備費
五億四百八十四万円などでありますが、この繰り越しを生じました理由の概要を申し上げますと、
器材費等
につきましては、
装備品
の大部分が、
一般市販品
と異なり、特殊の規格、性能が要求されており、調達に際しては、規格の決定、
仕様書
の調整に慎重を期したこと、また
輸入品
については、その
手続等
にやむを得ない日時を要したために、契約または納入が遅延したこと等に基づくものであります。
艦艇建造費
につきましては、
要求性能
の決定及び
基本設計
の作成に長期の日数を要したこと、建造に不測の日時を要したことと、
艦艇装備品
の米国からの供与が遅延したこと等に基づくものであります。
施設整備費
につきましては、用地の取得に際し、
所有者等
の納得を得ることが困難な場合が多く、また
補償
の折衝に意外の日時を要したこと等により
工事
が遅延したことに基づくものであります。 また、
不用額
の内訳は、
器材費等
四億三百四十五万円、その他二十一億八千二百万円で、総額において前
年度
に比し二十二億七千四万円の増加となっておりますが、これは、主として、第三十七回国会で
防衛庁設置法
及び
自衛法
の一部を改正する
法律案
が
審議未了
となったため、
自衛官等
の増員が行なわれなかったので、これに伴う
人件費
、
装備品費
、
糧食費
及び
居住施設
の新設をしなかったためであります。その他の
経費
につきましては、
契約価格
が
予定価格
より少なかったことと、
経費
の
節減等
に伴うものであります。 次に、
会計検査院
の
昭和
三十五
年度
決算検査報告
におきまして、御指摘を受けましたものは、(2)から(4)までと、(7)から(9)までの計六件あり、まことに遺憾であります。その内訳は、
工事関係
三件、
不正行為
一件、
航空機等
の
修理請負契約
に関する事項二件となっておりますが、これらの案件につきましては、それぞれ
政府委員
及び
説明員
から十分御説明申し上げる予定でございます。 当庁における
会計経理
や
予算
の執行につきましては、
国民一般
から重大な関心を寄せられておりますので、特にこれが執行にあたっては、諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また綱紀の粛正にも特に留意し、もって国民の信頼にこたえるよう努力をいたしているところでありますが、今回、
会計検査院
の御指摘の次第もありましたので、今後さらに反省を加え、この趣旨をよく部内に徹底させ、将来再びこのような過誤を繰り返さないよう万全の措置を講ずる考えであります。 なお、
会計検査院
御指摘の各事項につきましては、十分事実を究明し、相応の処分をいたした次第であります。 以上をもちまして御説明を終ります。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 引き続き、
昭和
三十五
年度
調達庁関係歳出決算
につきまして、その概要を御説明申し上げます。
調達庁関係
の
歳出予算
現額は八十五億三百四十九万七千余円であり、
支出済歳出額
は、七十九億五千一百九十七万八千余円、翌
年度
への
繰越額
は、三億八千九百三十六万四千余円、
不用額
は、一億六千二百十五万四千余円であります。
支出済歳出額
は、
調達労務管理事務費
、
国際連合軍等関係補償費
、
防衛支出金
、その他当時の
調達庁
の
所管事務
の執行に
使用
したものであります。 まず、
調達労務管理事務費
でありますが、
支出済歳出額
は、六億六千七百八十八万二千余円で、この
経費
は、
当該年度
における
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条の規定に基づく
地位協定
第十二条の規定により、
駐留米軍
の
使用
する
従業員
の
労務管理事務等
に必要な
経費
でありまして、そのおもなものは、
労務管理事務
を都道府県に委託し
経費
及び
離職者対策
としての
職業訓練
に要した
経費
で六億一千九百五十九万二千円、
駐留米軍従業員
の宿舎の
維持運営等
に要した
経費
として一千十二万二千余円、及び
駐留軍関係離職者等臨時措置法
第十四条の規定に基づき、
駐留軍関係離職従業員
に支給する
特別給付金
に三千八百十六万八千円を支出いたしました。 なお、
特別給付金
につきましては、
駐留軍従業員
の
離職者
を当初四千人程度と推定したところ、実績は約六千人と上回ったため、一千三百九十四万七千円の
予備費使用
となったものであります。
不用額
を生じましたのは、主として
調達労務管理事務地方公共団体委託費
において、
地位協定
により直接
雇用従業員
を間接雇用化することとなりましたが、
就労条件等
につき
駐留米軍
との合意が
年度
中成立しなかったため等の理由によるものであります。 次に、
国際連合軍等関係補償費
でありますが、
歳出予算
現額は、一億四千八百五十八万二千円、
支出済歳出額
は八千一百十万八千余円、翌
年度繰越額
は五千六百二十九万八千余円、
不用額
は一千一百十七万四千余円でありまして、この
経費
は、
国際連合軍
及び旧
連合軍
の行為による国民の
損失
を
補償
するため必要な
経費
であります。
支出済歳出額
の内訳は、
国際連合軍
の
使用
により荒廃した広島県
原村演習場
の
防災工事
に要する
経費
を広島県に補助するため四千六百十七万九千余円、呉市の
市道清水宮原線
の返還に伴う
原状回復工事
に要する
経費
を呉市に補助するため四百三十二万七千余円、及び
占領軍事故
による
人身被害者
に対する見舞五百八十七件に対し二千三百四十八万六千円、
占領期間
中における
土地
、建物、
動産等
に対する
占領軍
の
不法使用等
による
未払い債務
に対する
補償
として、六百五十三万四千余円並びにこれらの処理に要する
関連経費
として五十八万二千余円を支出いたしました。 翌
年度繰越額
が生じましたのは、
事故見舞金
におきまして、
被害対象者
よりの
支給申請
に対する被害事実、
内容等
についての
調査確認等
に著しい困難と相当の日時を要しました結果、五千六百二十九万八千余円の
明許繰越
となったものであります。
不用額
を生じましたのは、主として、
呉市道清水宮原線
の
復旧工事
に際し、当初の計画を下回る
工事費
で当初の目的を達成する
設計変更
がなし得た結果等によるものであります。 次に、
防衛支出金
でありますが、
歳出予算
現額は六十一億三千四百六十九万五千余円、
支出済歳出額
は五十七億五千六百六万六千余円、翌
年度繰越額
は三億三千三百六万五千余円、
不用額
は四千五百五十六万三千余円であります。
支出済歳出額
のうち、
借料買収関係
といたしまして、
駐留米車
に提供した
民公有
の
土地
、建物、動産及び
工作物
の借上等に要する
経費
として九億六千六百八十八万円を支出し、
駐留米軍
に提供しました
民公有土地等
の買収に要する
経費
として、
成増住宅地区外
各
施設対象者
約七百名に対し、十一億五百四十八万六千余円を支出いたしました。 次に、
新規提供補償関係
といたしまして、
施設区域等
を提供するために関連して、国が
土地等
を賃借または買収する場合、その
所有者等
に対し、
当該土地等
に所在する
建物等
の移転、移築、
除去等
または
立毛等
の
損失補償等
に要する
経費
として、立川、
厚木等
各
飛行場周辺等
の建物、
立木等
の
移転補償
に六千三百三十二万六千余円を支出するとともに、
航空機
の騒音、震動または
危険等
のため
飛行場
の周辺に所在する
建物等
を行なう場合の
補償
に要する
経費
として一千九百六十八万五千余円を支出いたしました。 なお、
施設区域
の提供に伴う
工作物等
の設置、
補修工事等
に要する
経費
を
地方公共団体
に補助するため、横浜市所在の
X住宅地区排水路工事費補助金外
七件に対し、計三千二百三十六万一千余円を支出いたしました。 また、
提供施設
の移設に伴う
工事
として、
八戸貯油施設
の
移設工事外
十件に対し一億八千五百四十万余円、及び同
施設
の
浚渫工事
を青森県に委託して行なわせるに要した費用に七百七十万三千余円を支出いたしました。
提供施設中間補償関係
といたしまして、
駐留米軍
に提供しました
土地等
について、その
使用
中に生じました
当該土地等
に所在する
工作物
、立木または
立毛等
の
損失補償
に要する
経費
として、
東富士演習場関係等
四百二十九件の立木、立毛、
工作物等
の
補償
に三億九百二万一千余円を支出いたしました。
返還財産補償関係
といたしまして、
駐留米軍
に提供しました
民公有地等
の返還に伴う
当該土地等
の
原状回復
の償補等に要する
経費
として、
土地
、建物、
動産等
の
補償
につき九百件、二億二千四百八十八七千余円を支出し、また
提供施設
の返還に伴う
民公有地所在
の引継不
適当財産等
の撤去に要する
経費
として、
京都植物園
の
建物基礎
の
撤去作業外
十八件の
撤去作業
に六百七十七万八千余円を支出いたしました。 また、
提供施設
の返還に伴う
民公有地
の
原状回復
を国が
直轄工事
で実施するに要する
経費
として、
十文字演習場溜池堤塘現状回復工事外
七件に対し二千一百三十七万余円を支出し、
返還道路
の
復旧工事
に要する
経費
を
地方公共団体
に補助するため、横浜市のノース・
ドック付近地区
にある
市道外
四十五件に対し、九千四百六万六千余円を支出いたしました。
漁業補償関係
といたしましては、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保償条約
に基づき、
日本国
にある
アメリカ合衆国
の軍隊の水面の
使用
に伴う漁船の
操業制限等
に関する法律第一条の規定に基づき、
駐留米軍
の
使用
に供する水面を提供するために生ずる漁船の
操業制限
または禁止に伴う
損失
を
補償
する
経費
として、
制限区域
三十二に対する
漁業組合
二百余組に対し、二億七千五百四十二万八千余円を支出いたしました。
特別損失補償関係
といたしましては、
日本国
に駐留する
アメリカ合衆国軍隊等
の行為による
特別損失
の
補償
に関する法律第一条の規定に基づき、
駐留米軍
の行為により
損失
をこうむった農業、林業、
漁業等
を営んでいた者に対する
補償
として、
王城寺原周辺農業被害外農林業関係
で一億八千三百三十九万六千余円、佐世保港
口外水中工作物設置維持
に伴う
漁業被害外漁業関係
で一千六百九十一万九千余円を、それぞれ支出いたすと共に、
特別損失見舞金
をもって、
筑城防風林外
三件に対し、二千九十八万余円を支出いたしました。 また、同軍隊の行為により
損失
をこうむった
土地等
の
改修工事
に要する
経費
を
地方公共団体等
に補助するため、
島松演習場周辺防災工事外
四十一件に対し、十一億七千八百二十九万六千余円を支出いたしました。 また、
基地周辺
の
教育施設
及び
医療施設
に対するジェット機の
騒音防止
のための
工事
に要する
経費
を
地方公共団体
に補助するため、
立川飛行場周辺
の立川第一
中学校等
十一基地の六十六
施設
の
工事
に対し、七億七千二百八十七万四千余円を支出いたしました。 その他、福岡市
塵芥焼却場
の移設に対する
補償費
として一億六千四百二十二万七千円を支出するとともに、
天ケ森爆撃場
の
農業被害等
の
施設提供
に伴う
各種被害
に対する
防止対策
のための調査に要する
経費
として八百七万余円を支出いたしました。
道路等使用関係
につきましては、
駐留米軍
が
有料道路
あるいは
港湾施設等
を
使用
する場合の
使用料相当額
の
補償
に要する
経費
としまして、
京浜急行株式会社
、横浜港等に対し、一千五百八十七万三千余円を支出いたしました。
事故補償関係
としましては、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
相互協力
及び
安全保障条約
第六条に基づく
施設
及び区域並びに
日本国
における
合衆国軍隊
の地位に関する協定の実施に伴う
民事特別法
に基づく
損害賠償等
に要する
経費
として、
駐留米軍
の
公務執行
中の
違法行為
による国民の損害に対する
補償
として、約九百件の事案に対し、二千六百八十七万一千余円を支出いたしました。 また、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
安全保障条約
に基づき駐留する
アメリカ合衆国軍隊
により損害を受けた者に対する
補償金並び
に
見舞金
の支給に関する件(昭、二七、五、一六、
閣議決定
)に基づき、
駐留米軍
の
公務外
における
違法行為
により損害を受けた者に対する
見舞金
として、二十一件に対し、一百五十五万八千余円を支出いたしました。
特別補償費関係
といたしましては、
駐留軍従業員
が解雇され、同
従業員
が解雇を不当なものとして提訴し、その判決結果勝訴となったとき
給与相当額
を支払うことに要する
経費
でありまして、
該当事案
四十八件に対し、一千三百五十五万一千余円を支出いたしました。 以上のほか、
駐留米軍
に対する
施設
及び区域の
提供等
に関連して必要とする
経費
として、旅費、
庁費等
四千一百四万九千余円を支出いたしました。 翌
年度繰越額
が生じましたのは、買収及び
中間補償等
で
所有者
との
契約締結
に予想以上の日数を要したこと、また
補助金工事等
につきましては、
工期等
の関係上、翌
年度
にわたる
債務負担
の承認を得て、繰り越す等の措置によるものであります。
不用額
を生じましたのは、主として、
提供施設
の買収、
返還等
により借料を要することが少なかったこと、及び
各種工事費
の精算の結果等によるものであります。 次に、
調達庁
におきましては一千八十九万八千円の
予備費
を
使用
いたしましたが、これは、
昭和
二十一年当時、アメリカ第八軍の要求により、国の
委任機関
としての
栃木県知事
が、同
県鬼怒川温泉
の
山水閣ホテル
を
進駐軍レストラン
・
ホテル
として接収するとともに、これが
改造工事
を
日産建設株式会社
に請け負わせ、同年十二月三十日にその竣工をみたところ、翌二十二年一月四日
従業員宿舎
より火災が発生し、同
ホテル
及び
付近住宅
十余戸を類焼した事件に対し、
被災者たち
が、国及び
工事施行会社
たる
日産建設KK
を
共同被告
として、
不法行為
による
損害賠償請求訴訟
を
昭和
二十四年七月三日に提起し、以下係争中のところ、
昭和
三十五年七月十九日
東京地裁
において、火災の原因を
改造工事
の設計及びその施行並びに
施行監督
上の重大な瑕疵にあったものとして、国及び
日産建設KK
は、各自原告に対し、合計二千七十一万三千四百三円及び
昭和
二十四年七月三日以降完済に至るまで年五分の
利息相当分
を含む金員を支払うべしとの判決を受け、
昭和
三十五年九月三十日判決が確定しましたので、これに要する
経費
に不足を来たし、
予備費使用
となったものであります。 以上、
昭和
三十五
年度
のおもな事業の概要について御説明申し上げましたが、これら事業の執行につきましては、いやしくも不当な支出や、批難されるべきことのないよう、常に経理の適正な運営低ついて極力意を用いて参りましたが、
昭和
三十五
年度
決算検査報告
におきまして二点につき御指摘を受けておりますことは、なお努力の足らざる結果によるものでありまして、今後とも
指導監督
を徹底して、
事業実施
の
適正化
に努力いたす所存であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
鈴木壽
7
○
委員長
(
鈴木壽
君) 次に、
会計検査院
より
検査報告
を聴取いたします。
樺山糾夫
8
○
説明員
(
樺山
糾夫君) ただいま御
説明
ありました
昭和
三十五
年度
歳出
決算
額のうち、百三十四億五千三百三十四万五千九百六十九円につきましては、前金払い等の精算が済んでいないために、未確認といたしましたが、その他の
決算
額につきましては、検査を了して、確認いたしております。検査院といたしましては一書面検査のほかに、検査を要する個所四百三十三カ所のうち、百三十五カ所について実地検査を
施行
いたしました。
施行
率は約三一%でありますが、
支出
官の
所在
する個所など重要な個所について見ますと、約五〇%となっております。 次に、
検査報告
の
概要
を御
説明
いたしますと、まず
工事
の
関係
が四件ございます。
検査報告
十八ページの二号、これは
自衛隊
の芝浦分とん地で、今まで隣の東京水産大学のタンクから給水を受けていたものを、都の水道から直接供給に切りかえる
工事
を行なったのでありますが、この分とん地と東京水産大学の
施設
は、ともに大蔵省の普通財産を一時
使用
しているものでございまして、給水
施設
は、大蔵省の承認があれば、共同で
使用
できるもので、またその能力も十分あるものでありますから、両者の連絡調整が十分であったならば、この
工事
は必要でなかったと認められるものであります。 次の三号は、滑走路の
新設
工事
の
予定価格
の積算におきまして、赤土の運搬費について、トラック一車当たりの積載量を過小に計算したことなどのために、
工事費
が高価となったものであります。 四号は、送油
施設
の
工事
におきまして、監督や検収が十分でなかったために、送油管が
設計
より浅く埋設されていたり、ドレンピットが地上に七十センチも露出している個所があったのに、これを
設計
どおりのものとして受領したものでございます。 次の七号は、
自衛隊
員の
不正行為
でございますが、最近
自衛隊
における職員の犯罪は従来に比べまして
減少
してきてはおりますが、なお
金額
は少額でございますが、このような事例があったことは、将来注意を要するものと思われます。 次の八号でございますが、これは
航空機
部品の修理
契約
におきまして、交換用の部品の在庫があって、これを業者に
支給
したとしても、別に安い価格でこれを補充することができたのに、内部の連絡などが不十分で、この方法をとらなかったために不経済となったものでございます。 九号は、ジェット、エンジンの修理
契約
についての
経費
率の問題であります。
経費
率につきましては、一般には受注会社の各
決算
期ごとの実績または見積もりの直接工数と加工費によりて加工費率を出します。そうして、
契約
ごとにその
契約
期間に応じてその加工費率を
防衛庁
関係
の発生工数によって加重平均して
経費
率を算出することとしておるのでございますが、ひとり本件
契約
におきましては、
契約
期間とは
関係
のない
決算
期の分まで計算に入れて
経費
率を定めるという、筋の通らない方法をとっております。受注会社との価格の折衝が難航したということがたとえありましても、国の
契約
におきましてこのような方法をとることは、妥当でないと認めるものでございます。 次に
調達庁
の
関係
を申し上げます。
検査報告
二十一ページの五号は、
ヘリコプター
基地
の
移設
工事
におきまして、
契約
をしてすでに
工事
が
相当
進んだ後におきまして、もとの
設計
のアスファルト・コンクリートの間詰量を
増加
する
設計変更
を行なったのでありますが、この工業は、入札の際、現場
説明
を行なっていて、入札者は測点と測点との間の地盤に多少の凸凹があるということは承知の上で入札したものでありまして、しかも着工後にもとの地盤の状況が明らかでなくなった時期に
設計変更
して
契約
金額
を増額することは妥当でないとするものでございます。 次の六号は、
特別損失
の
防止対策
工事
補助金の問題でございます。これにつきましては、前
国会
におきまして、いろいろ御批判があってのでございます。
会計検査院
といたしましては、今後、この種の
事案
につきましては、地元の事情等については一そう十分の
調査
を行なって無理のない検査をしていきたいか、かように考えておる次第でございます。 以上をもって御
説明
を終わります。
鈴木壽
9
○
委員長
(
鈴木壽
君) それでは、これより直ちに質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
大森創造
10
○大森創造君
調達庁関係
について
会計検査院
のほうにお伺いをいたします。
検査報告
の二十二ページ、ただいま御
説明
のあった分でございますが、「(6)
特別損失
防止対策
工事
補助金の交付にあたり処置当を得ないもの」、この問題については、前の
国会
で、私と自民党の田中議員と現地の
調査
を遂げて、そうしてこの
委員会
に報告をして、
調達庁
のほうからただいま
説明
がありましたように、特損
工事
として当然地元にやってやるべき筋合いのものであるという結論を超党派的にこの
委員会
では出して、そうして
会計検査院
の見解を求めて、できるならばこの
検査報告
をキャンセルするなりあるいは適当な処置をしてほしいということをお願いして、当時出席した
会計検査院
のほうは
了承
したように覚えているのだけれども、この問題についてどう考えますか。
樺山糾夫
11
○
説明員
(
樺山
糾夫君) 先ほど申し上げましたように、
国会
におきましていろいろ御批判を受けましたことは、まことに申しわけない次第でございます。と申しますのは、会計実地検査の際にわれわれとしましては、
調達庁
あるいは現地につきまして、そのような慣行について十分な御
説明
がなかったのでございます。したがってそういう点につきましては、われわれとしまして、われわれの不備でございましたので、今後注意をいたしたい、かように考えている次第でございます。 ただ、
会計検査院
といたしまして、現在におきまして、この
検査報告
は、桶門の開閉という点と、もう一つは桂川の下流における
改修工事
、そういうような二つの
関係
から立論をいたしておるわけでございまして、このような慣行があるということと
関係
がなく、
改修工事
がやられている際にもう悪水が来ても下流についてそれほどの
被害
はないのではなかろうかという観点も考えられますので、この問題についていろいろの批判は、ごもっともでございまして、将来十分注意をいたしたいと思いますが、現在のところにおいてはそのように考えておる次第でございます。
大森創造
12
○大森創造君
調達庁
にお伺いしますけれども、前回の見解どおりでございますか。
林一夫
13
○
政府委員
(林一夫君) 前回この
委員会
において申し上げたとおりでございます。
調達庁
といたしましては、この
工事
は、地元の利水慣行を尊重いたしまして、この補助金を出したのでございます。その結果、所期の効果も上がり、地元民もたいへん喜んでおるわけでございます。ただ、利水慣行が以前から確立しておったということにつきまして、
会計検査院
に対して十分の御
説明
をいたさなかった点は、いささか手落ちがあるのです。その点は
会計検査院
については、十分その後
説明
をいたしておるのであります。この
工事
の適否については、いろいろの批判があろうと思うのでありますが、
調達庁
といたしましては、そのような利水慣行の点から申しまして、この
工事
方法がその時点においては最も適当な方法であったということで
工事
いたしたのでございます。
大森創造
14
○大森創造君 両者の見解をただしますというと、これはすべて仕事をする場合には若干マイナスの面も出てくるだろうと思います。百パーセント正しい仕事というものはそうあり得ないのであって、ことにこういう北富士演習場のような特殊な
土地
における
工事
というものは、そういう点が間々あると思います。結論するところ、私は、そういう治水慣行だとか、利水慣行だとか、あるいは地元の特殊な事情があるにせよ、日本の今置かれておる立場からいうて、これに当然一つの施策として
調達庁
はやらなければならぬ問題だと思います。こういう施策そのものに対して、
会計検査院
のほうがこういう
指摘
をする、
検査報告
を書くということは、私はどうかと思います。しかし、私の考えを申し上げますというと、
会計検査院
のほうでも今後注意をするということでございますから、これはどうなんですか、形式として、こいつをキャンセルするわけには参りませんか。こういう
検査報告
の内容を、なかったことにしたらどうですか。
樺山糾夫
15
○
説明員
(
樺山
糾夫君) 一つの問題についていろいろな見方があるわけでございまして、私どもといたしましては、先ほど申し上げたような見解に立って立論したわけでございますが、
国会
の御批判がありますれば、将来においていろいろ考えていきたいと、かように申し上げているわけでございます。現在、私として、ここでこの問題をどうするということは、申し上げる立場に立っておりません。また、両者の意見も、大体そのように承知いたしておるわけでございます。
大森創造
16
○大森創造君 これを問題にするのは、こういった種類の仕事が私は
調達庁
所管には全国に
相当
あるだろうと思うのです、こういう問題について、
会計検査院
が従来の
検査報告
を作成するやり方でばちばちやりますというと、これは大問題になるだろうと思います。だから、御答弁ありましたように、
調達庁
においても、反省を加えて以後注意するということを実行においてひとつ期していただきたい。ひとつ
会計検査院
の見解をおまとめになって、そしてこういう問題についてどうだという結論を一私のほうに、あるいは
委員会
でもけっこうですから、文書で出していただきたいと思います。よろしゅうございますか……。 それでは、その次に移ります、
防衛庁長官
にお尋ねしますが、これは防衛の基本的な問題でございますから、就任後まだ日も浅いというお話でございまするけれども、なるべく直敵にお答え願いたいと思います。おわかりにならない点は、その他の方でけっこうです。 第二次防衛整備
計画
というものができ上がりますと、どういう形になりますか。ひとつ、大ざっぱなところでけっこうですが、しろうとにもわかりやすく、第二次防衛
計画
が完成すればどういう形になるか、それが完成するというと、
自衛隊
は西側アジア陣営の中でトップ・クラスになりませんか、なりますか、そこらのところをお尋ねいたしたい。
志賀健次郎
17
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) ただいまのお尋ねは、第二次防衛整備
計画
が完了するころ、
昭和
四十一
年度
どういう内容になるかというお尋ねでございますか。
大森創造
18
○大森創造君 さようでございます。
志賀健次郎
19
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 数字をもって示しますというと、まず第一に、
陸上自衛隊
でございますが、自衛官が十八万人——八千五百人の増でございます。それから予備自衛官が三万人——一万三千の増でございます。それから基幹部隊、方面隊十三個師団に相成ります。 第二番目に
海上自衛隊
のほうは、
艦艇
が約十四万三千七百トン——約二万一千七百トン増になるのであります。
昭和
四十一
年度
末の就航トン数は十二万百トンと相なります。さらに、
海上自衛隊
の中に、
艦艇
のほかに
航空機
がございますが、
海上自衛隊
の
航空機
でございますが、約二百三十六機に相なるのであります。 第三番目に
航空自衛隊
でございますが、飛行部隊の数が二十四隊ございまして、
航空機
の機数は約千三十六機と相なるのであります。 これが第二次防衛整備
計画
の完了いたしまする
昭和
四十一
年度
の大体目標でございます。 なお、お尋ねのありましたトップ・クラスになるかどうかということは、まだ先もございますから、ちょっと判断がつきかねる次第でございます。
大森創造
20
○大森創造君
予定
どおりに第二次防衛
計画
が完成しますというと、
相当
な戦力になると思うのです、ただいま御
説明
のように。私の調べでは、104戦闘機、ナイキ・アジャックス大量購入、それから
海上自衛隊
は自衛艦を現在の二倍・それから潜水艦隊の
新設
対潜水艦哨戒機、対潜
ヘリコプター
の大量購入、
陸上自衛隊
では師団の編成がえ、ただいまのお話のとおり、
国産
戦車、
ヘリコプター
輸送用車両の大量購入、こういうことになりますが、
防衛庁長官
に御就任になって、
昭和
四十一
年度
に当然こういうものが
予定
どおりに完成されるように、そのことを推進さるべく、池田内閣の
防衛庁長官
に御就任でございますから、こういう戦力ができるということは、今の憲法下どういう御感想を持ちますか。憲法との関連においてどうですか、どういう御感想を持ちますか。一分間でけっこうですから、お聞かせ願います。
志賀健次郎
21
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 第二次防衛整備
計画
を立てまする前提は、わが国の国力に応じた最小限度自衛力ということが建前になってこの
計画
が策定せられておるのでございまするから、これは自衛の最小限度の自衛力、かように私は心得ておるのであります。
大森創造
22
○大森創造君 これは西側陣営のアジアの国の中で一番の戦力でありませんか、どうですか。
志賀健次郎
23
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) この点の問題は私
就任早々
でございまして、東南アジアの各国の戦力でございますが、わがほうは自衛力でございますが、その比較検討はまだ行なっておりません。
大森創造
24
○大森創造君 その問答は、のらくら問答になりますから——従来の
国会
の問答を見ますと、のらくら問答になる可能性がありますから、そこらにしておきますが、そういうふうに
計画
を進めていく上において、一番の隘路、泣きどころというのは、一体何だと思いますか。
志賀健次郎
25
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) やはり、この
計画
を
実施
して参りますためには、いろいろな困難があると思います。まあ、さしずめ
予算
の問題が第一の大きな問題となろうと思います。いろいろ資材の面もござますし、その点に関連しまして、
予算
の
関係
からまず第一に私は困難があると思いますが、この困難を克服して、この
計画
を最も効果的に進めて参りたいと考えておる次第であります。
大森創造
26
○大森創造君 これは、私は、
予算
の困難もありましょうが、実際やっていったならば、それ以外の困難が出てくるだろうと思う。というのは、人手不足じゃないか。お尋ねしますけれども、
自衛隊
の欠員は今何名くらいございます。
志賀健次郎
27
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) これは
政府委員
から
説明
いたします。
小幡久男
28
○
説明員
(小幡久男君)
陸上自衛隊
の欠員は現在約三万人でございます。
大森創造
29
○大森創造君 海軍、空軍は。
小幡久男
30
○
説明員
(小幡久男君)
海上自衛隊
は約千三百万名でございます。
航空自衛隊
は三千四百六十九名の欠員でございます。
大森創造
31
○大森創造君 そうすると、締めて何ぼになりますか、合計。
小幡久男
32
○
説明員
(小幡久男君) 先ほど
陸上自衛隊
約三万名と申しましたが、正確には二万七千六百名でございまして、全部合わせますと三万二千三百七十八名、これが合計でございます。
大森創造
33
○大森創造君 そうすると、欠員の中で最もひどいのはどういう職種ですか。
小幡久男
34
○
説明員
(小幡久男君) 職種と申しますよりも、
陸上自衛隊
の一番すそ——一士、二士ということでございます。
大森創造
35
○大森創造君
航空機
の機乗員はどうですか。それから技術者などはどうですか、医者はどうですか。
小幡久男
36
○
説明員
(小幡久男君)
航空機
の機乗員は、当初におきましては
相当
困難を感じたのでございますが、最近では、これは順調に進みまして、ほぼ充足しております。なお、整備員につきましては、
相当
養成に年月がかかりまして、技術のランクはいろいろございまして、その最高のランクに至るまでには六、七年かかるというような事情もございまして、技術別に申しますところは不足しております。しかしながら、全体といたしましては大体充足しております。上のほうがやや現在まだ不足であります。
大森創造
37
○大森創造君 これは、大体充足しているとおっしゃいますけれども、事実かどうか。最近は民間の引き抜きが非常に多いということを聞いておりますが、どの程度なんですか。 それから、担当の方に伺いますが、医者はどうですか。
小幡久男
38
○
説明員
(小幡久男君) 御
指摘
のように、医者は最も不足しておりまして、現在充員率は四四%でございます。
大森創造
39
○大森創造君 その問題で、私の計算では、それほどないようでございます。二百九十九人しかいない。定員の三九%、私の計算では。隊員何人に一人の割合になりますか。
小幡久男
40
○
説明員
(小幡久男君) 現在、定員千二百十九名に対しまして、現在員が五百三十六名ございますので、陸海空、合わせまして。それで割りますと、約四、五百名に一名かと思います。
大森創造
41
○大森創造君 そうしますというと、旧陸軍に比べても半分以下ですね、そうですね。そうすると、北海道とか僻地の無医村のところよりもひどい、こ覆そういう勘定になりますね。
小幡久男
42
○
説明員
(小幡久男君) 充員率としては非常に低いのでございまますが、幸い地元の病院等と特別
契約
いたしまして、いろいろ地元のシビリアンのお医者さんのほうの世話になったりしておりますが、大体において、非常に不都合ながら、現地においては何とかいたしておるということでございます。
大森創造
43
○大森創造君 そのことはお認めになる。ひとつこれはよく覚えておいて下さいよ。 それからもう一つ、優秀な人が集まらぬでしょう。やっと集めても、まことに質の悪い者という評判でございますから……。 去る二月二十三日、東京上野署保安係に連行された一自衛官が、浮浪者の身なりで浮浪者を相手に募集活動をしておったのは、一つの現われだろうと思います。この事実を御記憶の方もあろうかと思いますが、人員不足——極端な人員不足と、加えて質の悪化の傾向。そこで、こういう事実の上に立って、新
防衛庁長官
にお尋ねいたしますが、ここが肝心のところだから、ひとつあなたのお考えをお聞かせ願いたいのですが、第一次防衛
計画
でも、第二次防衛
計画
でも、言っていることは、ただいまもお答えなった、総理もお答えになった、国力に応じて自衛力を漸増させるという政府の基本的態度、これはいかに現実にそぐわないかと——先ほど長官の御答弁によれば、
予算
を獲得することが非常に隘路であるということをおっしゃいますが、事実われわれがわきから眺めていると、
予算
にあらず、人の問題だと思う。これは国力に応じて自衛力を増漸させるということとそぐわないと思う。政府の言う、いわゆる高度経済成長のもとでは、
予算
をとって人員をふやすことはできても、人が集まらないというのが現状でございます。その論理を進めていきますというと、高度経済成長という国力に応じて自衛力を漸増させるということは、徴兵制ということに私は必然的なるだろうと思うのですが、これはどうですか。
志賀健次郎
44
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 徴兵制の問題は全く考えておりません。 また、定員の充足につきましては、最近若干好転しつつありますけれども、目下具体的な新しい
計画
を検討しておる最中でございます。
大森創造
45
○大森創造君 徴兵制そのものは、核
装備
と同じように、やらないということで、今の政府の態度は一貢しておりますが、今のように極端な人員の不足、一方この第二次防衛
計画
を
予定
どおり進めるというと、ワクができますから——
相当
膨大なワクが
昭和
四十一年までに完成する。ところが、よけい人が足りなくなるだろうと思います。一方高度経済成長
計画
ですから、これは人がますます足りなくなる。農村においても、都会においても、足りなくなる。現在の段階でも浮浪者の中から
自衛隊
を募集するような状況でございますから、
昭和
四十一年の完成
年度
までの年次の
計画
に対応する人はますます不足してくるだろうと思われる。そうではございませんか。
志賀健次郎
46
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 私は隊員の充足については絶望的な考えは持っておりません。今日までの歴代の長官がいろいろ研究をされて、
努力
をされて参ったのでありますが、私は新しい構想をもちまして、この問題を解決すべく目下研究中であります。非常に困難の伴うことは、大森先生の御
指摘
のとおりでございますが、困難であるからといって、これを私は放棄するわけには参りません。最善の
努力
をいたせば、また新しい構想を持って参りますれば、必ずしも私は絶望だとは思いませんし、定員の充足については、むしろ私は希望を持っておるのでございます。
大森創造
47
○大森創造君 そういうお心組みで当たられることはけっこうだと思うんですが、現実に極端な人手不足であって、医者のごときは無医村にひとしいような状況でございますのに、一方
計画
だけは着々進めるということになると、人手不足は、高度経済成長政策の進み方に応じてますます不足になるだろうと私は想像いたします。そこで、
国民
所得というか、国力に応じてというやつを、現実的に解釈しますというと、これは、兵器ばかりが、
施設
ばかりか、ちゃんとでき上がってしまって、人員がおらないんですから、国力に応じたという解釈を文字どおりしますというと、
計画
のほうを縮小したほうが私は現実的だと思います。
計画
のほうの大なたをふるったほうがいいだろうと思うんです。血税を遊ばせておくのはもったいない。飛行機を作っても乗り手がないということ、いい技術者が不足しておるということならば、やはり意味がございませんから、そっちのほうを加減したほうがいいだろうと思います。そういう勇ましい第二次防衛
計画
を推進することをやめて、方向の転換をして、そうして人手に応ずるような
計画
に練り直したらどうですか、構想としてはそれが正しいでしょう、いかがですか。
志賀健次郎
48
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 大森先生の御意見として、十分に拝聴いたす次第であります。
大森創造
49
○大森創造君 御意見として拝聴するということだけでなくして、一足す一は二、二足す二は四というふうに、これは正確に出てくるだろうと思うんです。だから、国力に応じて防衛力を漸増するといって、国力というのは一体何だといったら、国力の大きな部分を占めるものは私は人だろうと思うんです。 そこで、高度経済成長をやっているのが同じ池田内閣でございますから、その中で調和あらしめる防衛
計画
というものがあるはずです。その調和あらしめる防衛
計画
というものは、第二次防衛
計画
の改定以外にない。これはひとつまじめにお考え願いたいわけです。何も
防衛庁長官
になったからといって、勇ましく進軍ラッパ吹いて、飛行機作れ、軍艦作れというのが、私は能ではないと思う。これは、第二次防衛
計画
の練り直しというようなことを、ひとつまじめにお考え願いたいと思うんです。——うなずいておられるようですから、この次の通常
国会
のときあたりまでに、私の質問に応じたような
予算
がなされることを期待しまして、そのことは終わりとします。 その次に、三十五
年度
の大型警備艦の継続費の問題でございますが、これは三十五
年度
から三十八年産まで四カ年の継続費として、二十九億六千十二万七千円という
予算
を出しております。そこで、三十七
年度
においてこれを改定しました。この軍備における継続費の重大性というものは、私は、
予算
委員会
、それから本
決算委員会
で何回も取り上げました。また総理にもお尋ねしました。今もって納得していない。それで、三十五
年度
から三十八
年度
までの四カ年の継続費ということでやったのでございますが、御承知のように、三十七
年度
に改定をした。今度は一年延ばして五カ年の継続費にした。ざらに加えて、二十九億六千万円のものを約十億追加した。四十億円と、十億円追加した、この
理由
は一体どういうことでございますか。
志賀健次郎
50
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) この点に関しましては、詳細に私はまだ勉強いたしておりませんので、
政府委員
から御
説明
をさせます。
藤田新
51
○
説明員
(
藤田
新君) お答えいたします。本艦は、自衛その他をいたしますために、誘導弾タータ装置を搭載いたしました強力な、対空兵器を大型化した甲型警備艦でありまして、完成後は自衛艦隊に編入されることになっております。本艦の
建造
に関しましては、
予算
成立後、各種の
調査
並びに
設計
作業等を鋭意進めておりましたところ、タータ装置の形式等の
変更
のために一船体を従来の
計画
よりも大型化する必要が生じたわけでございます。これは当初の
計画
ではトン数二千六百トンでございましたが、改定トン数は三千六十トン、これに伴いまして、成立
予算
額では不足が見込まれることになりましたので、
昭和
三十七
年度
予算
におきまして、当該継続費の総額改定と年限延長をお願いいたしまして、十億五千三百十六万円の追加が認められたのでございます。
大森創造
52
○大森創造君 その十億円の財源は、どういうふうにしてまかないましたか。
藤田新
53
○
説明員
(
藤田
新君) 今の御質問でございますけれども、十億の使い道と解釈してよろしゅうございましょうか。十億の内容でございますか。
大森創造
54
○大森創造君 十億円というものを、
予算
のやりくりをしたわけでしょう。どういうやりくりをしたわけでしょうか。歳出に見合うその追加財源というのはどういうところから出したのでしょうか。
藤田新
55
○
説明員
(
藤田
新君) お答えいたします。これは新たに
要求
いたしまして、取ったものでございます。
大森創造
56
○大森創造君 これは、三十四
年度
当初において、二十八
年度
艦のレーダー換装費、それから三十一
年度
艦の主砲——大砲ですよ、主砲の換装費として
計画
した金を振りかえて、そして三十五
年度
艦のタータ関連機材費に充当したわけだ、そういうことでございますね。
藤田新
57
○
説明員
(
藤田
新君) お答えいたします。タータ弾並びに関連装置の入手につきましては、アメリカ側からの無償援助並びに有償援助によることになっておりまして、有償援助の分につきましては、アメリカ側とわが方との大体半分々々の負担額になっておるわけでございます。この費用につきましては、三十一
年度
の甲型警備艦主砲換装費用として三十四
年度
に計上されておりました十六億八百万円、同じく二十八
年度
甲型警備艇のレーダー換装用として三十四
年度
に計上されておりました六億二千九百万円、合計いたしまして二十二億三千七百万でございますが、この財源の中から
使用
したものでございまして、差引二億三千一百万は
不用
といたしました。
大森創造
58
○大森創造君 これは金の振りかえということになりますが、なぜこういうことをしましたか。十六億八百万円と、レーダーのほうが六億、これは不要なんですか。
藤田新
59
○
説明員
(
藤田
新君) お答えいたします。三十四
年度
に計上しましたこれらの費用は、
防衛庁
の持っております
艦艇
の旧式の主砲及びレーダーの換装に必要な
経費
として
要求
いたしましたものでございますが、
装備
改善の見地から、
海上自衛隊
における防衛力の整備の全般的な緊急性を重視いたしまして、より強力な装置の購入
経費
に充当することにしたものでございます。
大森創造
60
○大森創造君 これは、二十八
年度
、それから三十一
年度
の、それぞれ、レーダーの換装費と、それから主砲の換装費というもので、ただいまお話しになりましたように、
相当
な
金額
を計上しているんでございますが、こういうものは、必要があったからこういう
予算
をつけたに違いないので、十億もばさりと移しかえるという
措置
は、私は非常に不適当だと思う。そこでお尋ねしますが、三十一
年度
と二十八
年度
の、それぞれ、レーダー換装費、それから主砲換装費というものは、今後
予算
要求
するつもりでございますか。
藤田新
61
○
説明員
(
藤田
新君)
装備
の近代化をはかるためには、将来当然
要求
することになると思います。
大森創造
62
○大森創造君 この問題については、私は
相当
反省をしてもらわなければいかぬと思うんです、
防衛庁
に。で、そのことは深追いしませんけれども、私はこの点を問題にします。これは
財政法
上許されますか、どなたかお答え願いたい。そういう
措置
は
財政法
上許されますか。
上田克郎
63
○
説明員
(上田克郎君)
財政法
上、
法律
上の問題としては、支障ないように承知しております。
大森創造
64
○大森創造君 支障はないことばかりなんです。今の政府のやっていることは、選挙でも何でもそうでしょう。支障はないことになっておる、全
予算
の
執行
は。それだけれども、私は、事実上、改むべきは改め、やるべきことはやるという意味で
決算委員会
が存在するのでございますから、何もやっておることは全部差しつかえないということであるならば、差しつかえないんであって、
委員会
の必要もないし、私が質疑する必要もない。あなたはこれは適当な
措置
だと思っておりますか。
上田克郎
65
○
説明員
(上田克郎君) 私まだ着任して日が浅いものですから、具体的なこの問題の妥当性につきましては、まだ研究が不十分でございます。たいへん申しわけございませんが、後日研究いたしまして、妥当性のことについてはお答えいたしたいと思います。お許し願います。
大森創造
66
○大森創造君 その妥当性については、お答え願えない。あなたは着々早々。
防衛庁長官
も着任早々。だから、あまり人の入れかえをごたごたするということも、私はどうかと思うんだけれども、だれか自信を持ってお答え願える方からお答え願いたいと思う。十億をばっと横すべりさせるようなことが
財政法
上許される——それはわかりましたけれども、これは公職選挙法と同じなんで、一体これは適当かどうか、適当だとお思いになっておる方々ばかりなのかどうか、
防衛庁
のほうで。
藤田新
67
○
説明員
(
藤田
新君) この点につきましては、先ほども申し上げましたように、一応主砲並びにレーダーの換装費用として計上してあった
経費
でございますが、より緊急性のある
装備品
を
調達
する必要があるということで、流用したものでございます。
大森創造
68
○大森創造君 これは大蔵大臣の承認は要しませんか。
上田克郎
69
○
説明員
(上田克郎君) 大蔵省によく連絡いたして
変更
したように承知しておりますが、法規上承認を要するという
事項
ではないように承知しております。
大森創造
70
○大森創造君 しかし、これは制度上は大蔵大臣の承認を要する必要はないし、それから
国会
とは全く無
関係
にこういう
予算
の移しかえというのが可能なんですね。
上田克郎
71
○
説明員
(上田克郎君) 同一科目でございますので、大蔵省と事実上相談いたしまして、組みかえたように承知いたしております。
大森創造
72
○大森創造君 これは、
防衛庁長官
、それからただいまお答えの方にお願いしておきますが、この
防衛庁
関係
の
予算
において、議決科目であるところの款項目の項、防衛本庁の
金額
があまりに大き過ぎるということは、しばしば
国会
のほうからも
指摘
された。このように項が過大であることの当然の結果として、重要項目がすべて目以下の行政科目となっておりまして、したがって、
予算
の
執行
面で
国会
の関知しない重大なる
変更
が、大蔵大臣の承認すら必要としないで、
防衛庁長官
独自で自由に行なわれる。そのことは現に行なわれておりますから、これは
予算
編成上非常に重大だと思います。これはひとつ、防衛当局は、通常
国会
を前にして一こういう
予算
の移しかえというものは不適当でございますから、これを大蔵大臣の承認を得るとか、正式にですよ、あるいは
国会
の議決を要するというふうにしていただきたいと思うのです。それは不可能ではないはずです。ことに、軍備
関係
の継続費については、ずっと古くから、第十二回
国会
あたりから、それぞれの方に強く
指摘
されております。これも、総理とも御相談の上に、こういうやりくりは今後やめていただきたいと思います。継続費でとっておいて、四年間の継続費が、今度五年にしてみたり、八年にしてみたり、そうして今度は、三十億で出発して、途中から四十億になってみたり、こういうことを大蔵大臣や
国会
の方の正式の承認を得ることなしに
防衛庁
独自でできるということならば、私はえらい問題になると思う。何でもできますよ。核
装備
でも何でもできると思う。
予算
をちょこっと出しておいて、三年間の継続費を途中で八年間にしたり、二十億追加するということになると思う。財政以上あるいは憲法違反じゃないかもしれないけれども、これは慎重にする必要があると思います。今までの問答を聞かれて、
志賀
防衛庁長官
はどうですか、どうお考えになりますか。
志賀健次郎
73
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) よく
調査
をいたしまして、対処して参りたいと思います。
大森創造
74
○大森創造君 これは、
調査
をすることもけっこうですが、私は
調査
をしたのですが、そうして私の言う論理のほうが正しいと思うので、あなたは頭がいいから
防衛庁長官
におなりになったのだから、そこで即決で、大森君の言うことは適当であるからそのとおりにいたしますということをお答え願いたい。そのお答えと同時に、このことをお尋ねいたします。タータというのは、核弾頭はつきませんか。
志賀健次郎
75
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 核兵器は絶対持ち込まないということは、内閣の基本的な方針でございますから、全然考えておりません。
大森創造
76
○大森創造君 それでは、次に茨城県の百里原航空
基地
のことについてひとつお伺いします。この間事故が三つばかりございましたが、そのことを御存じですか。
小幡久男
77
○
説明員
(小幡久男君) 私たちの聞きましたきましたところによりますと、グライダーの訓練をしておりました学生が、索を引ぎずりまして、近くの電線を切りまして、民家六軒ほど停電をさしたという事故がございました。部隊側では、すぐ応急
工事
をいたしまして、翌日総務班長が陳謝をして了解を得におたずねをしたという事実を聞いております。
大森創造
78
○大森創造君 電線を切ってスパークして停電したということは、そのとおりなんですが、それからロープで引っぱり上、けるとき、ロープから落ちる、何ですか、あの物体。聞くところによるというと、こういう物体を畠の中に落とす。それがあいにくとあすこで農作業をしていた
基地
反対の
委員長
の川崎信戸氏のほうへ落ちた。これは、よほどまずいやつでないと、そういうところに落とさぬそうですね、技術的に。注意すれば、こういう事故は起こさぬで済むでしょう。
小幡久男
79
○
説明員
(小幡久男君) 御承知のように、グライダーは風向きで一定の高度を保つまで下から索で引っぱっておりまして、高度を保てばその索を切って上るということになっておりますが、その索を切る際に、飛行機との
関係
が切れずに、下ほうが切れまして、その索を引きずっていったという異例の事故であったように聞いております。作業は非常に単純な作業でありまして、十分事故対策を講ずれば、そのような事故は防げるものと考えております。
大森創造
80
○大森創造君 それからもう一つお尋ねしますが、群馬県の米軍の太田
飛行場
、こいつを移すという
計画
があるのですか。
林一夫
81
○
政府委員
(林一夫君) 現在、太田小泉には、米軍のパラシュートの訓練所があるわけであります。ところが、この太田小泉は、首都圏整備法によりまして、数年前に工場地域に指定されたのであります。そこで、この早期
返還
を米軍に求めておったのでありますが、代替地の
提供
があれば
返還
に応ずるということを米側は主張したわけであります。というわけで、代替地の選定に
努力
いたしておる次第でございます。代替候補地が大体見つかったのでありますが、まだこの候補地については、地元側の一御了解を得て
提供
するというような、今後のいろいろの
手続
きの問題が残っておる次第でございます。そういうような現況であります。
大森創造
82
○大森創造君 その代替地が問題でございますので、その見つかったというのは、どこですか。
林一夫
83
○
政府委員
(林一夫君) まだ最終的には
決定
いたしておりませんが、あすこの、先生御承知の、遊水池というところでございます。あの
周辺
が適当であろうかと、こういうふうに考えております。もちろん、まだこれは最終的に
決定
しておるわけではございませんので、今後
関係
各省とも十分協議して最終的に
決定
をしまして、それから地元
関係
者の御了解を得て
手続
きを進めていくという順序になる次第でございます。
大森創造
84
○大森創造君 あなたのほうでは適当な
土地
かもしれないけれども、こっちは不適当だ。そこで、地元の交渉、まだ未
決定
でございますということが、ずっと一カ月でも二カ月でもやっていて、ここに見込みがつきましたならば、地元が反対したって追っつかないのです、その段階では。ことに、池田低姿勢内閣が高姿勢に転ずる瞬間には、もうすべて終わりになりますから、今のうちによほどだめ押しをしておかぬというと、これは取り返しがつかないことになってしまう。すっかりきまってからものを言っても、何もなりませんから。いわゆる渡良瀬川のあの遊水池のいわゆる赤麻沼と違いますか。
林一夫
85
○
政府委員
(林一夫君) まだ遊水池のどこにするかというようなことは、最終的にきまっていないのでございます。あの付近一帯は、現在
調査
した結果においては、比較的適当なところであろう、こういうように考えておるような次第でございます。
大森創造
86
○大森創造君 その問題のところは、茨城県の古河市は、自民党系の市長初め、市議会議員一同、そういうことがあれば——ないかもしらぬけれども、あるかないかわからないときにぴったり押えておかないと、これは
調達庁関係
、ことに米軍
関係
は、取り返しがつかないということを再三経験しておりますから、今から私申し上げておきますが、百里原同様、それ以上に絶対反対でございます。これは、私でない——祉会党の大森創造でございませんので、自民党系の市会議員、それから市長——これはちゃきちゃきの自民党系 の人です。これは満場一致反対。それから、栃木県藤岡町反対、間々田町反対、野木村反対、埼玉県の北川辺反対、群馬県の板倉町反対、これは全部反対の決議をされておりますので、念のために申し上げておきます。それから、きょうそこにおみえならば、建設省の
関係
の方にお答え願いますが、その
土地
に建設省で治水
計画
があるはずでございますが、どうでございますか。
山内一郎
87
○
政府委員
(山内一郎君) 渡良瀬遊水池は、現在でも、利根川水系全般の治水
計画
の一環で、洪水調節をやっておりますが、さらにその洪水調節の効果をよくするために、
事業
計画
がございます。
大森創造
88
○大森創造君 そういう建設省の
計画
と、それから
調達庁
並びに米軍のほうの
関係
は、真正面から衝突しますし、これは建設省に
予定
どおりやってもらいたいと、地元は熱願しております。あとの問答ございますけれども、一応、十二時になりましたから、これで打ち切っておきます。
鈴木壽
89
○
委員長
(
鈴木壽
君) 午前の
審査
はこの程度にとどめ、午後は一時三十分から
委員会
を再開いたすことにします。暫時休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————・———— 午後一時四十五分
開会
鈴木壽
90
○
委員長
(
鈴木壽
君) ただいまから
決算委員会
を再開いたします。 午前中に引き続き
昭和
三十五
年度
決算
を議題とし、
防衛庁
関係
の
審査
を進めます。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
大森創造
91
○大森創造君 午前中に引き続いて御質問申し上げますが、この赤麻沼の建設省の治水
計画
は、どういうことになっておりますか。建設省、おりますか。
鈴木壽
92
○
委員長
(
鈴木壽
君) 建設省は今おりませんようです。河川
局長
も帰ったようですが、それでは呼びましょうか。もし何だったら、その問題はあとにしていただいて……。
大森創造
93
○大森創造君 では、そうしましょう。建設省がおられないようですから留保して、
調達庁
にお伺いしますが、これは、どの程度の具体性がございますか。
沼尻元一
94
○
説明員
(沼尻元一君) この問題は、群馬県にございます太田小泉工場の
返還
のための条件ということで問題になっておるわけでありまして、したがいまして、太田小泉工場を米側から
返還
させるためには、ぜひとも他にこれにかわる
施設
を
提供
できなければ、太田小泉
飛行場
のほうの
返還
そのものが実現できないという、そういうような相関
関係
にあるわけでございます。
大森創造
95
○大森創造君 こういう問題は、不
動産
部長
がよく御承知のように慎重を期して、そして全国見渡して適当な場所にするということが必要だと思うのですが、この問題の赤麻沼というものは、どの程度にお見込みを立てておられますか。これと
相当
するような、何カ所か
調達庁
のほうでは、あるいは米軍のほうでは心づもりがあるのでございますか。そのうちの一つという意味でございますか。
沼尻元一
96
○
説明員
(沼尻元一君) 太田小泉
飛行場
にかわる
施設
として他に数カ所
調査
を続けてきたわけでございますが、なかなか米軍の要請に適合するようなものがございません。現在問題になっております遊水池が
提供
していただければ、最も米軍としては望ましいということになっておるわけでございます。
大森創造
97
○大森創造君 あとからお答え願うはずになっておりますが、建設省のほうの
関係
もございます利根川の治水
計画
の重要な幹をなしている場所でございますから、政府部内として建設省
関係
とも調整を要すると思うのです。それからさらに地元が問題でございますから、建設省や地元のほうとは具体的な折衝をされましたか。
沼尻元一
98
○
説明員
(沼尻元一君) まず、建設省のほうの
計画
がございますので、それらの
計画
とそごしないような方法でなければ実現できないということで、これは広い地域でございますので、その遊水池の中にそういう
計画
とそごしないで
提供
できるような所があるかどうか、そういう点を現在建設省の御意見を聞いておるわけでございます。したがいまして、正式にそういう建設省と十分話し合いまして、ここというふうに場所が確定して、地元との正式の交渉に入るということになるわけでございます。
大森創造
99
○大森創造君 肝心なところは建設省の方がおられませんというと、これ以上の質問はできませんから後ほどに留保いたします。 さらに
基地
関係
でお尋ねいたしますが、八丈島のロラン
基地
、これは一体てんまつはどういうことになりましたか。
沼尻元一
100
○
説明員
(沼尻元一君) 昨年来ロランC——ロランCと申しますのは、わかりやすい言葉で申しますと、電波燈台というようなことになりますが、電波燈台の
施設
として八丈島並びに十勝太の二カ所を
提供
してほしいというような要請がございました。
調達庁
といたしましては、そういう米側の要請に基づきまして、地元側と折衝を続けて参ったわけでございますが、北海道の十勝太のほうは、地元のほうの御了解を得られましたが、八丈島については、いろいろの点から問題がございまして、最近では、
所有者
の大多数の者は同意するという段階まで来たわけでございますが、米側といたしましては、このロランCの建設を非常に急いでおる
関係
から、大体日本政府として、いつごろまでに八丈島について同意が得られるか、日本政府から
提供
してもらえるかというようなことについて、はっきりした見通しを教えてもらいたいというようなことで、私たちとしても、この八丈島島民
関係
者の同意を早急に得たいということで、これまでやってきたわけでございますが、いつまでにそういう話し合いがつくかというような見通しも、現在のところはっきり立っていなかったわけでございます。米側としては、この
工事
を非常に急ぐという
関係
がございまして、見通しのないままに待つということもできない。最近米側といたしましては、この八丈島がどうしても早急に間に合わないならば、硫黄島のほうでも間に合うというようなことがはっきりいたしまして、米側としては、そういう日本側の事情を勘案して、八丈島の
要求
を撤回するということに相なったわけでござます。
大森創造
101
○大森創造君 そうしますというと、八丈島に今までロランCを作るべくいろいろ交渉をされたり、いろんな問題もあったと思いますが、それによって起きた現地の
損害
については、
調達庁
のほうで
補償
するとかいうようなことをちらっと聞きましたが、そういうことはどうなっているのですか。
沼尻元一
102
○
説明員
(沼尻元一君) 八丈島の島民の方々にもいろいろこの問題で御迷惑をおかけしておりますので、これを撤回するに際しまして、地元のほうからいろいろの要望が出たわけでございます。一つは、アメリカ側に対するもの、一つは、日本側に対するものということになるわけでございますが、米側、日本側とも地元民の要望に対しまして、われわれとしてはできるだけのことをいたしたい。たとえば米軍の
施設
となるという
予定
のもとに植えつけをしなかったとか、そういう問題もございます。そういうことによって与えた
損害
というものは、十分
補償
しなければならないというふうに考えております。
大森創造
103
○大森創造君 そうすると、
補償
をしていただけるわけですね、念を押しておきますが。
沼尻元一
104
○
説明員
(沼尻元一君) そういう与えた
損害
についての
補償
ということは、現在われわれの手元で検討しております。
大森創造
105
○大森創造君 それから八丈島のロランCというものについては、もうこれは放棄されたことになりますね。
沼尻元一
106
○
説明員
(沼尻元一君) さようでございます。
大森創造
107
○大森創造君 もう一カ所お尋ねいたしますが、大分県の日出生台の米軍
自衛隊
の
基地
、五月十九日に木下知事が米軍側に
了承
を与えたというふうなことを聞いておりますが、そこの経過を簡単に述べていだたきます。
沼尻元一
108
○
説明員
(沼尻元一君) 日出生台につきましては、前々から米軍のほうから、現在
自衛隊
の演習場になっているわけでございますが、これを米軍のために時おり
使用
させてもらいたいというような話が非公式にあったわけでございますが、ことしに入りましてから、
施設
委員会
、これは合同
委員会
の下部機構でございますが、それを通じまして、正式に年間二回、一回の
使用
度約三週間という、そういう程度で日出生台演習場を使わしてもらいたいといういう
要求
がございました。そういう米軍の
要求
を、現在地元側と
関係
知事、市町村長、そういう
関係
者の方々との御意見等を聞いている段階でございます。
大森創造
109
○大森創造君 それでは、鳥取の美保ですが、白浜さんが前に
調査
に行かれた。これはかちんと反対を食らった。ここはどういう経過になっておりますか。ここはどうしてもできぬというふうにあきらめておられるのか、美保ですよ。
上田克郎
110
○
説明員
(上田克郎君) 美保の
基地
のことにつきましては、現地の測量の依頼を
関係
の県当局にお願いをしてございますが、いろいろの都合でなかなか進展いたしませんので、現在のところ、まだ依頼したままになっております。
大森創造
111
○大森創造君 そうすると、大分県の日出生台と、それから美保については、まあ
調査
をしておる、どういうことに美保の場合はなっているのか。いろいろ政治工作をやり、町村長など集めて、一ばい飲んだり食ったり……。
上田克郎
112
○
説明員
(上田克郎君) 日出生台の演習場の問題——美保ば、御承知のとおり
飛行場
の問題でございますが、美保につきましては、一々そういう特別なことをやっていないように承知をしておりますが……。
大森創造
113
○大森創造君 私のほうの
調査
では、やっているのですが、これは一回調べ直していただけませんか。表通りのほうの
調査
でなくて、裏通りのほうの
調査
をやっておらないので、いわゆる、あなた方のほうの政治工作をおやりになっているようですが、これはあとでお伺いしますから、お調べ願いたい。 最後に一点、
決算
報告の四号、中ごろを読みますというと、「監督および検収が適切を欠いたため、送油管等の埋設が
設計
と相違して浅く
施行
されているものをそのまま受領しており、これが保全のための手直し等の処置が必要と認められるのになんらの処置を講じておらず、送油管等の安全度も低下したままとなっている。」これは、ひとつ
防衛庁
施設
関係
にお伺いしますが、
会計検査院
の
指摘
どおりでございますか。
志賀清二
114
○
説明員
(
志賀
清二君) 検査院が検査をされました当時のことといたしましては、御
指摘
のとおりでありまして、
手続
的にも非常に遺憾であったわけでありますが、弁解がましくなるかもしれませんが、当時の事情を概略御
説明
しておきたいと思います。この油送管
工事
と申しますのは、ちょうど発注の時期が十月でございまして、それから大体三月の十五日までには、竣工して
使用
を開始するという
予定
になっておったものであります。そこで、ちょうどその年は雪が非常に深こうございまして、なかなか
工事
のほうも思うようにいかないということになって参ったわけでありますが、それと同時に、湧水が予想以上になりまして非常に
工事
が難航をきわめる、こういうことになったわけであります。そこで、工期の
関係
もございますし、予想とは非常に違った湧水の心配、
工事
の
施行
困難という状態にぶつかったものでありますので、一応その現場といたしましては、応急の
措置
として、これをある程度溝の中をずっと通すというのは非常に難作業でありますので、
予定
よりも高めて施工するように現場で監督官が
指導
をしたということでございます。本来から言いますと、そういうふうな、
設計変更
も
手続
的にやらないで、そういうことをやるということはまことに遺憾なことでございまして、その点はまことに申しわけないというふうに思っておりますが、当時の実情といたしましては、これに従事する職員が非常に少のうございまして、非常に過重な負担をいたしておったというふうなこともありまして、書類上の
手続
、あるいは上司のほうへの連絡報告というようなふうなことにあとで結果的にはなってしまった、実際に検査を受けましたのは、ちょうど竣工した直後でございまして、まだそのときはいろいろ整理もいたしておらなかったということも、検査院の御
指摘
のとおりでありまして、その後私どもといたしましては、できるだけ施工の不合理な部分につきましては直させまして、また、それから
設計
上、技術上の
変更
に伴う
損失
といいますか、そういうものについては、計算をいたしまして精算のときに減額をさせた、こういうふうな格好になったわけでございます。
大森創造
115
○大森創造君 これは、おそらく今御
説明
のような内部事情があったのだろうと思います。それがなければ、こういう仕事をするはずはないと思うのです、日本の官庁で。それで、これは保安上、現在差しつかえございませんか。
志賀清二
116
○
説明員
(
志賀
清二君) 保安の問題につきましては、この油送管の敷地が、当時旧軍の側線軌道敷上の用地を使う、こういうことにいたしたわけでありますが、その用地が、小松市のほうでは道路として使いたい、こういうことで当時あったわけであります。財産そのものはまだ大蔵省の所管でございまして、それで私どもとしましては話し合いをいたしまして、財務局にも油送管
設置
の了解を得、また小松市のほうにも、油送管をそこへ
設置
するということに御了解を得る
努力
をいたしまして、了解はつきました。それについては、将来道路敷にするつもりだから、できるだけ一メートル二〇〇ぐらいの深さにしてくれということを言われたわけであります。で、実際に保安の問題から言いますと、それほど深くなくとも実際は差しつかえないということで、たびたび折衝をいたしたわけでありますが、市のほうの希望もありましたので、当初におきましては、一応一メートル二〇〇というふうなことで
設計
をせざるを得なかったということでございます。しかし、実際の保安の問題からいいますと、それほど深くする必要はなかったわけでありまして、私ども、その後において補正をいたしましたのは、まず第一には、道路敷の
予定
のうち、ここにもちょっとありますが、お太子橋という所から部隊までの部分につきましては、小松市とも了解を得まして、われわれのほうの油送管敷地に大蔵省から所管がえを受けるということに
了承
を得まして
手続
をいたしております。それまでのところにおきましては、まだ道路敷になっておらないわけであります。それで現在、実際には農道やなんかと交錯している面がございます。で、そういう部分だけはコンクリート巻きにいたしまして、保安上の心配のないように、手直しは事後においていたしております。
大森創造
117
○大森創造君 その問題はそれで了解いたします。 それではもう一つお伺いします。この不当
事項
の(2)として、これは
金額
はたいしたことはございませんが、十六万円及び七十四万四千円、ほかに官給材料五十九万八千六十六円、ここに
検査報告
に書いてありますように、「在来の
施設
を活用すればいずれも
施行
の要がなかったものである。」というふうにはっきり書いてあります。これの
検査報告
の十八ページに、「在来の
施設
を活用すればいずれも
施行
の要がなかったものである。」、こういうふうに断言されております。それで、先ほどの
防衛庁長官
の
説明
でも、同給水
施設
は、旧軍
施設
を大蔵省が普通財産として管理しているものであるから、
防衛庁
が同省の承認を得れば共同で
使用
することができるもので——水産大学ですね——「本件
工事
はいずれも
施行
の要がなかったものである。」、また、もう一回同じことが書いてある。こんな不経済なことはない。それでお伺いいたしますが、これはこのとおりですか。
検査報告
のとおりですか。何か弁解のところがございますか。
上田克郎
118
○
説明員
(上田克郎君) 検査院の御
指摘
のとおりでございます。この問題につきましては、水産大学のほうで水はもうやれないと言われて、部隊の責任者として、給水の
措置
をとったということは、責任者としては、ある意味からいえば、いたし方なかったというふうな点も感じられないでもないのでありますが、二回ほど
工事
をやっておりまして、その間に内局としても何かもう少し検査院の御
指摘
のように注意をすれば、もっと共用にするとかいう
措置
がとられたのじゃないかというような感じはいたしております。今後は十分注意いたしたい、そういうふうに考えております。
大森創造
119
○大森創造君 これは、水産大学当局や大蔵省のほうと初め
計画
のときに相談をなされたことがございますか。
上田克郎
120
○
説明員
(上田克郎君) 水産大学と現地の部隊とは交渉をしたようでございますが、上に上げて大蔵省に頼むとかということは残念ながらやっておりません。
大森創造
121
○大森創造君 やればできたのですな。
上田克郎
122
○
説明員
(上田克郎君) やればできたろうと思います。
大森創造
123
○大森創造君 そうすると、これは全く不経済な話で、
金額
は大したことがなようでも、民間の私の家などではこういうことは絶対にやらない。これ甘い官庁仕事だからこういう大ざっぱなことをやるのですね。不必要なものはやらないほうがいいです。幾らでも金はあったほうがいいのですから。オリンピックを迎えるといっても、あっちもこっちもぼろだから。だから、こういうことをちょっと大蔵省に話をしたならば、こういう
施設
をする必要はなかった。これは官庁仕事の弊ですね。念を押しますが、くどいようですが、そうですね。
上田克郎
124
○
説明員
(上田克郎君) もう少し注意をすればよかったんだろうと思っておりますので、遺憾だと思います。
大森創造
125
○大森創造君 大蔵省の所管で普通財産として管理しているものだから、これに
会計検査院
の
指摘
のとおりだということでありますが、こういうことは、
金額
はわずかですが、御注意いただきたいと思うのです。これは
防衛庁
ばかりでない。
調達庁
ばかりでない。国政全般にわたって見聞してみたらたくさんあるだろうと思う。これは個人の家庭ではこういうことはやりません。いろいろ思案します。金はもったいないですから、一銭一厘もむだにしてはいけないということを言っておりますから、
決算委員会
でも。これはひとつ厳重に警戒をしてやっていただきたいと思うのです。 それから、以上で終わりますが、
志賀
防衛庁長官
に念を押しておきますが、先ほど申し上げましたように、国力に応じた漸増
計画
ということ、これは、第二次防衛
計画
は四十一
年度
までに
防衛庁
当局としては推し進めたい、内閣当局もそうであるということはわかりますけれども、どうも人手不足で困る。人手不足がさらに深刻になって参りますから、これはなおさらにこの際練り直すということをお考え願いたいということを申し上げて私の質問は終わります。
相澤重明
126
○相澤重明君 大森
委員
から
防衛庁
関係
の問題でだいぶ御質問があったようですから、私のは少し整理をされたところでひとつお尋ねをしておきたいと思うのですが、まず第一に、全国的に
基地
問題で非常にたくさんの問題が出ておるのですが、
基地
問題の解決について、政府は抜本的にどう考えておるのか、これを少し明らかにしてもらいたいと思う。安保条約三条に基づいて政府としても非常に苦慮されておると思うのですが、やはり地域住民としては、
基地
問題について政府がどうもスローモーのそしりを免れないわけですね。そういう点でひとつ基本的な政府の態度というものをこの際私は明らかにしてもらいたい。
志賀健次郎
127
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 御承知のとおり、
基地
問題対策
関係
閣僚懇談会が内閣に
設置
されておりますので、私が就任いたしたのを機会に、本格的にこの懇談会を活用いたしまして、従来からも方針はきまっておるのでありますが、ひとつ思い切った対策を考えてみたいと、私はいろいろ
防衛庁長官
官として構想を練っておるような次第でございます。
相澤重明
128
○相澤重明君 そこで長官にお尋ねしたいのですが、構想を練るのはけっこうだけれども、それは
区域
協定
をした場合に、その
区域
協定
の中に入った
日本国
民の財産権というものについては、一体政府はどういう態度でおるのか、
補償
するのか、それともいわゆる政府のものとして買い上げていくという方針なのか、その点についてはどういうふうにお考えですか。
志賀健次郎
129
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) ただいま御
指摘
になりました問題は、私が就任してから一番胸を痛めておる問題でございます。この問題につきましても、昨年の十二月に閣議で一応の方針が
決定
せられておるのでありまして、その線に沿って目下
関係
各省と最後的な案を煮詰めておる最中でございまして、ただいまお話のとおり、
補償
すべきものは
補償
しなければならぬ、あるいはまた買い上げなければならぬものも、これは考慮しなければならぬと思っております。いずれにいたしましても、地元の
関係
者とよく話し合いをしまして、よくむしろ相談を申し上げて納得の上でそのような
措置
を講じて参りたいと考えておるわけであります。
相澤重明
130
○相澤重明君 それではひとつ長官に具体的な問題でお答えをいただきたいと思うのですが、
横浜
市で上瀬谷という所に米軍の通信隊
基地
があるわけです。これに対して、米軍としては非常な広範な地域を
区域
協定
の中に入れたい、こうするというと、そこ住民は、いわゆる
所有者
というものは、実際に自分の所有権というものが不当に抑制をされることになる。これはどういうふうにそれを政府は打開をはかるのか、これはもう今始まったことではなくて、もう私が当
委員会
においても何回もこの問題については、爆音の問題と電波障害の問題については、政府に善処方を要望しておったわけです。昨年の十二月閣議で御討議されたといっても、現実にこれはもう半年以上もたっているわけですね。そうでしょう。一体
防衛庁
なり
調達庁
が考えておることがどうして実現ができないのか、どこに隘路があるのか、つまり
防衛庁
なり
調達庁
が対大蔵省との
予算
折衝で、それが大蔵
関係
が理解が少ないのか、それともまた、外部的にはアメリカ軍との交渉の中においても、そういう点日本の側の意見というものが十分認められないのか、こういう相関
関係
というものはあると思います。こういう点をあなたのほうでは一体どういうふうにやったのか、いま少し、きょうは大蔵省の担当者も来ておると思うから、最初に
防衛庁
のほう、あるいは
調達庁
のほうから話を出してもらって、それに対するところの基本的な考え方を出してもらわぬことには、この
基地
問題については、おそらく
国民
の中で
関係
者の政府に対する不信の念は免れないと私は思う。そういう点について、あなたの一つの見解を披瀝してもらいたいと思う。
林一夫
131
○
政府委員
(林一夫君) 御
指摘
の上瀬谷の通信
施設
に伴う電波障害の問題、これに伴う地域権の設定の問題でございまするが、これにつきましては、ただいまお話がありましたように、昨年の十二月十五日の閣議懇談会におきまして、政府の処理方針が
決定
されたのでございます。この処理方針に基づきまして、二月の三日、
関係
各省の代表者、神奈川県知事、
横浜
の市長、その他地元の代表者を構成員としまするところの上瀬谷電波障害問題協議会というものを開きまして、まず、いろいろの点について意見の交換をしました。さらに四月五日のこの協議会を通じまして、政府の考え方を地元に提示しまして協議して参ってきておるのであります。地元としましては、この政府の提案につきまして、
補償
額をさらに増額してもらいたい、あるいは建築が不許可となった場合には、
事案
によっては
土地
を買い上げてもらいたいというようないろいろな
要求
がございますので、こういうような問題を中心としまして、今
関係
各省が協議を開いて、早くこの問題について解決の線を出そうということで
努力
をいたしておるような次第でございます。
相澤重明
132
○相澤重明君 大蔵省の担当者はまだ来ておらぬようですね、交付金の
関係
のほうは来ておるようですが。まあ、ともかくこの問題として、政府が、今、長官の言うように、鋭意
努力
をするといったところで、もう一年や二年の話ではない。一年や二年の話でないものを、その鋭意
努力
、
努力
でもって毎年小田原評定を重ねておったら、その間の地域住民の生活は一体どうするか、財産権は一体どうするか。これはやはり私はそんなことを言っておるから、いつまでたっても直らないと思う。そこで、具体的に、
調達庁長官
は、一体これに対してどういうふうにあなたは解決するつもりで、対大蔵省なり、
予算
関係
ならば大蔵省、あるいは、
米国
にこれだけ
区域
を設定されるのは困るから、こういうふうにこの
区域
を縮めろ、こういうようなことをしたのか、そのことをひとつここで答弁してもらいたい。
林一夫
133
○
政府委員
(林一夫君) ただいま申しましたように、この問題は、時間的には
相当
長い問題でございますが、昨年の十二月の閣議懇談会において、政府のこれに対する方針がはっきりきまったわけであります。その方針の線に従いまして、地元において協議会を開き、協議会は、先ほど申しましたように、
関係
各省の代表者、あるいは神奈川県知事、横沢の市長、その他地元の代表者も入っておるのでありますが、こういう
関係
者の協議会を持ちまして、現在その
補償
金額
というような問題について話し合いを進めておるのであります。今、問題点は、この
補償
金額
の問題——地元としましては、
調達庁
が示した考え方、案についてさらに
補償
額の増額、あるいはその他建築の許可にならなかった地域についての
買収
というような
要求
を新しく出しまして、そのような問題についてさらに協議を進めておるのであります。すでにこの話の進み方は軌道に乗っておる。ただ問題は、その
補償
金額
とか、あるいはその他
買収
というような新しい
要求
について、どういうふうに扱ったらいいかというような点について、
関係
各省と協議を進めておるのであります。長い問題でございますので、早くひとつ解決したいということで、馬力をかけておるような状態でございます。
相澤重明
134
○相澤重明君 林君は、今のような答弁をされても、ちっとも中身がないのだよ、君の言うことは。だから、僕は、具体的にこの安保条約に基づく
区域
協定
ならこの
区域
協定
の第三条で、政府がこれを適用した場合には、一体幾らになるのか、どのくらい政府の出費が必要なのか、これじゃいけないから、それじゃ
区域
協定
をこういうふうに合衆国と話をして少なくしていったらいい、あるいはもっとそれだけどうしても広げなければいけないならば、どういう
予算
が作られなければいけないか、こういうことが具体的にならなければ、そんなことを幾ら言ったって何にもならないじゃないか。だから、僕は、具体的にあなたはどういうような交渉をしたか、まず第一に、
区域
協定
の問題について、どういうふうに
区域
協定
を設定をしたか、それをひとつ答弁をして下さい。
林一夫
135
○
政府委員
(林一夫君) この協議会の内容としましては、おっしゃるとおり、
区域
をはっきりさせるという点と、
補償
金額
の問題、その他電波障害を起こさないような公共
施設
をここへ持ってくるというようなことについて、いろいろ協議を進めておるわけなんであります。その中で今の
補償
の問題につきましては、
金額
等大体を示しまして案を示して地元と折衝しておるわけです。地域の問題は、これは第一ゾーンについて——第一ゾーンと申しましょうか、もっとも
施設
に接近しておる
区域
の地域につきましては、大体確定に近いものが出たのでありますが、その他の地域の
関係
のことにつきましては、さらに現在はっきりさせるように協議会において
努力
をしておるのであります。そういうようことで、具体的な問題というものを拾い上げて、具体的な案を示して現在協議を進めておるということでございます。
相澤重明
136
○相澤重明君 それでは、その第一ゾーンについて確定をしたなら、それでは何坪ですか、答えて下さい。
林一夫
137
○
政府委員
(林一夫君) 現在大よそはっきりした坪数は、第一ゾーンにつきましては七十万坪ということになります。第二ゾーンは、これも約五十八万坪、第三ゾーンは六十一万坪、第四ゾーンは九十七万坪、大よそこのような坪数になっております。さらに、これを詳細に
調査
いたしまして、はっきり区画線を引いていきたいと考えております。
相澤重明
138
○相澤重明君 そこで政府は、まず第一ゾーンについては一体幾らの、これを買い上げるいうことで対大蔵省と折衝したのですか。
林一夫
139
○
政府委員
(林一夫君) その点について、直接折衝に当たっております不
動産
部長
から
説明
いたさせます。
沼尻元一
140
○
説明員
(沼尻元一君) この第一ゾーンにつきましては、制限がきびしいわけでございまして、
補償
もここは一番出すべきであるということで、
調達庁
が四月二日に地元に示しました案では、山林・農地につきまして、これは相手がお百姓さんでございますので、坪数当りや何かじゃわからないので、一反歩当たり大体どのくらいかというようなお話でございました。大体一反歩一万円程度の
補償
ということで、第一ゾーンは提案いたしております。さらにその他の第二、第三、第四ゾーンになりますというと、どの程度の制限があるかというような点が不明な点がございますので、そういう第二、第三、第四ゾーンにつきましては、これは
補償
金という形でじゃなくて、
建物
を実際建てようとする場合には、届出をしてもらう、その届出の謝金ということで坪十円ということを政府側から提案しております。
相澤重明
141
○相澤重明君 これは
決算
委員
の皆さんもお聞きのとおりなんですね。今、幾ら農民が勘定ができるとかできないとかいう……、坪単価ではいけないから、一反で幾らだということで話をされておるのですが、たとえば電力会社の電線下の
補償
問題等を考えても、一反一万円くらいの
補償
をしたからといって、そういうことでもって、農民がこのあとほとんど大幅に制限をされておる中で、これで
土地
を喜んで
提供
するなんという頭のものはおりますか。これはおそらく
調達庁
の諸君は農民の実態を知らないと思う。いかに今日の生活実態の中で苦しんでおるかということは、あなた方がもっと端的に農民の声を聞かなければいけないと思う。しかも
横浜
市ですよ、
横浜
市で一反一万円で
補償
しますなんという、そんなことで
土地
を
提供
するわけがないじゃないか。こういうところに私は役人の全く実態を無視したことがあると思う。そんなことでまとまるわけがない。いかに農民がおとなしいからといったって、これはやはり怒るのはあたりまえなんです。あんただって選挙やって出てきた身だったら、おそらく一反一万円
補償
しますから、これは米軍のもとですから絶対にやっちゃいけません、家を作っちゃいけません、テレビ、ラジオも見ちゃいけない、聞いちゃいけないと言われたらどうします。選挙民はあなたをボイコットしますよ。そういうことをのめのめとやっているから、三年たっても四年たっても、この問題解決しない。自治省にあとで聞きますけれども、
調達庁
には神奈川県知事なり対策
委員会
の人が何と言ってきています。九月十五日の期限つきでもって、あなた方の態度がきまらなければ、言うことをきかぬ、これは
横浜
市長も、神奈川県知事も、それから地元の農民もそう言っておる。近くあなた方のところに行くでしょう。この間行ったんじゃいなですか。一反一万円なんという単価を示して問題が解決するなんというふぬけた考えを持つから、これは解決できない。どこにそういう算定の基礎があるか。算定の基礎を示しなさい。一反一万円
補償
すれば、日本の農民は言うことききますという算定の基準を示して下さい。どういうことで、そういうことになったか。これは不
動産
部長
でけっこうです。今の農民が、反にしてそれほどの安い金でもって生活ができるという基準を示して下さい。これは実にりっぱなものができ上がるでしょうね。ひとつお答え願います。
沼尻元一
142
○
説明員
(沼尻元一君) ただいま反あたり一万円と申しましたのは、今度どういう制限を受けるかと申しますと、将来家を、建築等を建てる場合には、無断で建てられないで、米側と協議して下さい。協議の結果、建てていい場合には建てられるわけですが、困るという場合には建てられない。そういうことが結果として起こりますので、そういう制限
契約
をする。しかしながら、
契約
をしましても、農地、たとえばお百姓さんは、従来どおり百姓は続けていけるわけでございます。また山林も従来どおりそのままにして山林は伸びていくというようなことになるわけでございますが、そういう家が自由に建てられないというような
契約
になりますので、一年間農地一反歩について一万円と申しますのは、坪三十円ということに大体なるわけでございますが、これを、この農地山林の
借料
が、大体坪当たり収入の面から見て全国的に一万八千円程度が反当たり収入、坪当たりに直しますと大体六十円程度というようなことに統計上なっておるわけでございますが、そういう点から見て、これはこちらで借りてしまう場合には、向こうさんは百姓も何もできないので
使用
権はこちらにくるわけでありますが、
土地
はそのまま向こうさんが従来どおりお百姓も何もできるという建前でありますので、そういう
借料
の半額程度というようなことを基礎にしておるわけでございますが、これに対しまして神奈川県、
横浜
市地元等は、もう少しこれを上げてくれという増額の
要求
をしておりますが、これを、さればもっと、一応地元といたしましてこれを
土地
を売れば、このような
金額
になる。それを銀行に預ければこういう利子がつく。そういう点から一応地元からは五万円程度の
補償
金というようなことを公式には言ってきておりますが、しかし、そういう
金額
には別にここだわるわけではない。ただ、一万円は低きに過ぎるので、もう少し増額方を考えてほしいというのが地元の要望でございます。
相澤重明
143
○相澤重明君 農民が農耕ができる、こういう点については、できるところもある、いいですか、農民が農耕機を使っても、農耕機さえ使ってもいけないというのです。現に米軍が言ってきているじゃないですか。そういうことまでお前たちは知らないのだよ。あそこで、いわゆるこのゾーンの中に指定されたところについては、農耕機さえ使われては困る、特別の装置をつけなさいというのです。ところが行政
協定
の道路、いわゆる国道がありますが、国道を自動車が通るのはしょうがない。しかし農民が農耕機を使ってはいけない、こう言っている。これほど米軍は無理解なのです。だからあなた方のほうで、反一万円の
補償
をすれば、それは安いかもしれぬ、幾らか上げればまだいいかもしれぬと言っている。それだけの問題じゃない。もっと根本的の問題がある。ほんとうに農耕ができるのか、あるいは話し合って家を建てることができる、制限がいわゆる解除できるのか。私はなかなかそういかない、現実に、今までいわゆる家を建てていいかという申請をしても、現実に建築許可をされないのがたくさんあるわけですね。それから今度は、建築をしておった者には、ラジオ、テレビは取りつけられては困る、こう言っている。ラジオ、テレビを取りつけられては困るという、これがいわゆる電波障害となっている。電波障害という言葉は、そこから出てきているのです。これは私はひとつ郵政省の
関係
者に電波監理法の百二十条の解釈をしてもらいたいと思っているのだけれども、まず不
動産
部長
に、反一万円でもって、あなたが全国的に見て、これは妥当な線だというような考え方が、事、
横浜
市のこの上瀬谷の電波障害の問題は、そんななまぬるいことで解決するはずがないじゃないか、こう言っているのです。 私はだから、もっと政府が誠意を示したら、この問題は私は解決するだろうと思う。それが二年も三年もかかって、まだ小田原談議をやっているようじゃ、これはやっぱり政府の信用の問題になるじゃないですか。だからそこに私は、政府がほんとうにやる気があるのかないのか、この点を私は大蔵省との折衝の問題にも触れて言っているわけです。大蔵省は、それでなければ出さないというのか、それとも
調達庁
は、もっと出したいのだけれども大蔵省が出さないから一万円ということで出しているのか、その点はどうなんですか、一体。
調達庁
の意見を聞かせて下さい。
林一夫
144
○
政府委員
(林一夫君) 先ほどから
説明
申し上げましたとおり、結局
補償
金額
等の問題でございます。
補償
金額
をもう少しふやしてもらいたい。また一部、
土地
を
買収
してもらいたいというような地元の希望意見があるわけであります。地元と再三協議を繰り返しましたが、そういうような地元の意見を聞きつつ、現在合理的な案をまとめつつ、もちろんこの案をまとめるにつきましては、
関係
各省、その中にはもちろん大蔵省も入っております。大蔵省や
関係
各省と十分協議を進めて妥当な線を出したい、こういうふうに考えております。
相澤重明
145
○相澤重明君 それでは、長官にひとつ聞いておきたいのですが、あなたは神奈川県知事なり
横浜
市長なり、この地主の諸君、所有権者の諸君が、あなたに申し入れに来ると思うのですが、そのときに大体神奈川県のほうは打ち合わせをしたのは九月十五日期限付、それをもって、もしやらなければ、もう、いわゆる実力行使をする、こういうことになるわけです。あなたは、そういうことでもって、誠意をもって、今の林君の言うように、
努力
をして解決をする考えですか、それともやはり
努力
ということで、この際もう逃げていくつもりですか。あなたのひとつ見解を聞かして下さい。
志賀健次郎
146
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 私先ほど冒頭に申し上げたとおり、
基地
問題はたくさんございまするが、その中でも前長官から引き継いだ
基地
問題の、上瀬谷の
補償
問題でありますが、非常に私も胸を痛めておるのであります。私はもちろんヒューマニズムの立場に立って、この問題をすみやかに解決しなければならぬという決意を固めております。したがって九月十五日云々は問題にしません。私は誠意の限りを尽くして、すみやかにただいま
関係
各省と協議中の最後的な案をまとめて、地元の代表を含めた協議会の諸君と、事の次第では私はひざ詰め談判をして、あるいはまた頭を下げて、この問題の早期解決に当たりたい決意でございます。
相澤重明
147
○相澤重明君 それでは、それは長官の
努力
を私は、まあいずれ一カ月あとのことですから、見たいと思うのです。ぜひこういう問題で長く紛争が残らぬように、ひとつ
努力
していただきたいと思うのです。 そこで次に、たとえばそういうゾーンが、それぞれ選定をされましても、先ほどもお話いたしましたように、農耕機についても制限を出す米軍側であります。そこで建策等についても制限が出るのでありますが、特に電波障害という問題が大きなことになるわけですが、郵政
関係
にひとつ御答弁いただきたいのですが、この電波法の百二条の「郵政大臣の
施設
した無線方位測定装置の
設置
場所から一キロメートル以内の地域に、電波を乱すおそれのある
建造
物又は
工作物
であって」、こうなっておるのでありますが、これとの
関係
については、どう考えておりますか。百二条
関係
をどう考えますか。
西崎太郎
148
○
政府委員
(西崎太郎君) 今御
指摘
の百二条、これは御承知のように、郵政省が電波の交通整理という
関係
で、全国に十カ所の方向探知所を持っております。この機能をできるだけ保護したいというのがこの趣旨でございまして、できれば今、上瀬谷のような条件が課せられればいいんでありますが、この電波法を制定しました当時は、そういう必要も必ずしも認められない場所に作るんだ、すなわち非常にへんぴなところに方向探知所を作るんだということで、最小限の
規定
として、こういう
規定
を設けたわけでありまして、われわれとしましても、必ずしもこれだけの条件で満足しておるわけではございません。
相澤重明
149
○相澤重明君 次に、百一条の「無線設備以外の設備が副次的に発する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的且つ重大な障害を与える」、これと米軍の
施設
とはどういう
関係
ですか。
西崎太郎
150
○
政府委員
(西崎太郎君) 百一条と申しますのは、いろいろ家庭電化に伴いまして、副次的に電波を出すような電気機械というものがだんだんふえております。そういったものを対象にいたした
規定
でございまして、現在問題になっております上瀬谷というのは、これには該当しないわけでございます。
相澤重明
151
○相澤重明君 さらに百十一条の「第七十三条第一項若しくは第二項又は第八十二条第二項の
規定
による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」、こういう罰則
規定
、これとの
関係
は、どうなのですか。
西崎太郎
152
○
政府委員
(西崎太郎君) これは御承知のように無線局を免許いたしますと、それについて定期的な検査であるとか、あるいは
変更
の際の検査がございます。その場合には、検査官が定期的あるいは随時検査できることになっております。そういう検査官の出入を拒んだ場合には、この罰則が適用されるということで、やはり今の上瀬谷の場合は、この法は適用になりません。相澤重明君 この電波監理の問題について、百一条、百二条、百十一条の関連を、今の答辯で聞きますと、これは純国内法的な解釈ですね。そうしますと、実質的にいわゆる
区域
協定
が明確になっておらないところに対して、当然
日本国
民の権利というものがあるのに、それが押えられる、こういうことに関連してくる重大な私は問題だと思う。 これはその点からいくと、私が先ほど申し上げた日米安保条約からくる
区域
協定
というものがいまだに明確になっていない。こういうことについて、政府の怠慢のそしりを免れない、しかも電波監理との関連からいけば、これは農民が、やはり所有権者としての立場で主張されるのは、私は当然だと思う。こういう点について、長官はどうお考えですか、今の電波監理法の
関係
を政府の答辯を聞いてみても、一体このような事態をどうお考えになりますか。いかがです。
志賀健次郎
153
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) なかなか技術的の問題でありまして、直ちに私の判断が出て来ないのでありますが、ただ、さいぜんから何度も申し上げておりますとおり、非常に私は苦悩いたしております問題であります。その点で御
了承
賜わりたいと思うのであります。
相澤重明
154
○相澤重明君 とにかく大臣はまだなったばかりで、こまかいことはよく聞いておらぬようだから、ひとつこれはぜひ……、国内法との関連、それから日米安保条約との
関係
、これに基づいて、そういうまだまだ日本人が
損害
を受けている問題がたくさんあるわけです。こういう点は、ぜひきちんとやはり問題を整理してもらいたい。そして少なくとも上瀬谷の電波障害の問題については、あなたの誠意ある答辯によって、九月二十五日という期限付で神奈川県は来るようでありますが、その十五日を待たずに、あなたのおっしゃるように解決されることを私は望んでおきます。この点は、それで後日あなたの政治的
努力
をひとつ評価したいと思う。 その次にお尋ねしたいと思います。これは全国の
基地
みなそうですが、特に厚木
基地
等においては、爆音が激しくてテレビも見られない、それから電話もよく聞き取れない、ラジオも聞えない、こういうことでNHKに対する料金不払いというものが起きてきておるわけです。これはあたりまえだと思うのですこの前、私が当
委員会
で政府に要請をしたのは、
国民
の多くは、やはりテレビをつけたり、あるいは電話をつけておるのは、それを利用したいからつけるので、何も聞えなかったり見えないものを望んでおるものではない。したがって見えるようにしなさい、聞えるように設備をしなさいこれが基本である。そういうことで、もしそれがどうしてもできない場合には、残念ながら減免の
措置
があるのではないか、こういう点をお話したわけです。 ところがその点について、政府がその後善処されたと思うのだけれども、どういうふうになっておるか、これを
関係
者から御答弁いただきたい。これは私は、何回も当
委員会
で質問しておるのであるから、たとえばNHKの問題については、どうなったか、あるいはこの電話については、どうしたかというようなことを、この際郵政省もおいでですから、
関係
者みんなひとつ、それぞれ勉強されたと思うのでお答えいただきたい。
保岡武久
155
○
政府委員
(保岡武久君) ただいまの問題は、私どもも
国民
の側といたしまして非常に気の毒に思う次第でございますが、郵政省といたしましては、そういう全国の
基地
の問題、特に厚木の問題につきまして
調査
員を作りまして、いろいろと各方面、各角度から
調査
をいたしてみたのでございますが、
調査
の結果からいたしますと、
調査
の結果によりまする受信障害ということでは、まだ聴視
契約
と申しますか、それをやらないというところまで至っていない、かように今一応考えておるところでございます。しからばあまり不完全な聞え方についても、何か方法がないかということにつきましては、その対策として真剣に検討いたしておりまするが、特に内閣にありまする
基地
等
周辺
問題対策協議会におきましても、一緒になって、今それについて真剣に検討をいたしております。
相澤重明
156
○相澤重明君 郵政省が現地で爆音の
調査
をされた、一体百ホーンあったらどうなのか、百三十ホーンの場合どうなのか、いろいろその地域によって出るわけです。ところがあなたのほうの
調査
の仕方が問題なんです。そういう障害はまだ今のところない、だから
補償
するとか、あるいは減免するところまでいっていない、これが郵政省の今まで従来変わらざる答弁なんです。そこで私は、ひとつあなたに、これから相談をしてもらってやってもらいたいと思うのは、どうですか、率直に言って郵政省の本省とNHK 、それから現地の市長なんかを含めて、現地の人と三者構成で一緒にやったらどうですか、あなたのほうだけ特別に抜き出していって、おれのほうでわかったやつは、こういう資料だ——実は私のほうでも調べた資料を持っておりますけれども、
調査
の仕方自体について問題がある。なぜこそっと行って調べてきて、そうして公表もできないようなことをやるんですか、私はそういうことを過去のことを問わないから、この際、あなたひとつ紳士的に、帰って本省とNHKと、そうして地元の市長を含んで地元の人と一緒になって、この現地の爆音
調査
をやる、そうして資料を出す、これに基づいて、なるほどこれでは見えないというのがほんとうであるか、あるいは見えないというのは、まあかなり大きな上回ったことを言っているのか、こういうことが出るじゃありませんか。実際に現地では、私はこの前も言ったように、爆音のひどいときは、小学生は天気のいいときはうらめしい、天気のいいときは困る、雨の降るときがいい。なぜか、雨の降るときは、あまり飛行機が飛ばない、爆音が少ない、こう言っている。だからお産をすようるな、ちょっと御婦人にまずいのですが、お産をする身持ちの人なんか、とても爆音下ではできないというんです。そういう
被害
がこういうところまでほんとうに出ている。厚木
基地
の爆音下にさらされている人の悩み、人権問題です、これは。そういう実情にあるのに、しかもテレビなんか、波がこう出て映らぬのです。映像にならないのですよ。そういうことが激しく飛ぶときにあるので、これでは地域住民はしょうがないから、何とかしてもらいたい、映るようにしてもらいたい、映るようにするには
施設
をしなければいけないでしょう、これは、それをまず政府としてはやる気があるのかどうか。それができないというなら、当然、せっかく見たい、聞きたいというものを見えないのだから、それはもう当然減免を、NHKの
決算
の中にも出ているように、やむを得ざる場合は、これは減免が何かできるわけですね。そうでしょう、NHKの
決算
書を私が調べてみればあるわけですね。だから、そういう問題について、政府はどう考えるか、この三つの点をひとつお答えいただきたい。 まず最初に、そういう政府なりNHKなり地元の人たちと一緒に、この爆音の
調査
をされるお考えがあるかどうか。それから二つ目には、そういう地域の中で、いわゆるテレビやラジオや電話が十分利用できるような
施設
をあなた方のほうでするお考えがあるのかどうか。それがどうしても技術的に、今日の技術の上では困難だと、こういうことになれば、多少見えるときがあっても、ほとんど見えないことが多いならば、それは減免の
措置
を当然とるべきであると思うが、一体それはどうですか。この三つの点についてお答え下さい。
保岡武久
157
○
政府委員
(保岡武久君) 第一点は、これはやってみたいと思います。第二点は技術的な問題でございますが、できるだけ見えるように
努力
をしたい問題だと考えております。しかし技術的な問題でございますから、私がここで見えるということを保証するわけにいかぬと思います。 第三点の問題は、実は
基地周辺
の問題が今クローズ・アップされているわけでございますが、都市の雑音もありますし、全国至るところ、そういう障害問題が出て参りますと、NHKの聴視料を取る制度の問題にまでやっぱり考えが及んでこなければならない問題にもなりますので、非常に重大な問題だとわれわれ考えておりますけれども、それに対して何とか
基地周辺
の問題の解決といたしまして、政府としてはやっぱり解決をする住民のそういう気の毒な状態に対して慰めると申しますが、何かそういうことをやることは絶対必要じゃないかというように考えておりますので、その面で、さらに
努力
をいたして参りたいと考えております。
相澤重明
158
○相澤重明君 次に、
基地
交付金の問題ですが、これは
関係
政府の人たちは、それぞれ時間の
関係
で退席されるかもしれませんが、ひとつお答えいただきたいのですが、三十五
年度
には十億だ、したがって三十六
年度
に非常に各自治団体から強い要請があって、そうして二億ふやして十二億になった、ところが、この十二億では、現在政府の策定した方針によると、たとえば横須賀の
基地
の場合は、港
関係
の
予算
というものは減っていく。実際問題としてこれでは政府が増額したことにならぬわけですね。そこでこの
基地
交付金を三十八
年度
においては増額するお考えがあるのかどうか。それが一つ。 それから二つ目の問題は、
基地
の中における米軍が
建造
した
建物
、米軍が建った
建物
については、固定資産税の対象にしておらない。これはまことに不当だと思うんです。米軍が建てようと英国が建てようと一まあ英国の
基地
はないけれども、今、日本は貸していないけれども、とにかく外国がここに一つの
基地
を持っておれば、当然この
基地
がなければ、
日本国
民が何らかの対象になっているわけですね、固定資産税が取れるわけです。ところが外国の
基地
内にあるがゆえに、そこに勝手なものを建てても、それは固定資産税の対象にならぬ。これは明らかに私は日本の
国民
を無視したものだ。したがって日米合同
委員会
の中で、これは早急に解決をすべきであると、こういうことを私は前回も申し上げておいた。
基地
の中における米軍の
建造
物について固定資産税の対象にする考えがあるのかないのか、この二つの点について、最初お答えをいただきたい。
藤田義光
159
○
政府委員
(
藤田
義光君) お答えいたします第一点の問題に関しましては、相澤
委員
の御
指摘
のとおりでありまして、ぜひ増額したい。非常に不足を来たしております。 第二点の米軍の
基地
内の資産、米ドル資産と俗称しておりますが、これに対する課税の問題、われわれも純理論からは、ぜひ課税したいと考えておりますが、御存じのとおり行政
協定
の制約がありまして課税できない。しかし、われわれとしましては、将来何とか
協定
の改正によって、あるいは日米合同
委員会
の申し合わせによって、順次改正できるような体制に持っていきたい。事務的に真剣に考究中であることを御報告申し上げておきます。
相澤重明
160
○相澤重明君 第二番目の固定資産税の対象にしたいという
努力
について、私はその点を買っておきます。これはぜひ米軍側に率直にひとつ話をしてもらって、やってもらいたいと思うのです。 それから第一の交付金の増額の問題ですが、全国の
基地
対策の人たちの意見にも出ておりますが、私は早急にこれはひとつ案を立ててもらわぬと、実はせっかく二億昨年ふやしたのに、各自治団体に渡した場合に減ってきておるのが多いのですよ、新しいところへ出した
関係
もありますが。こういうことで、従来は非常に不満が多いわけです。でありますから、たとえば旧軍港のような場合、横須賀にしろ佐世保にしても呉にしても、そういうところに ついても、この重要港湾という問題を、私はやはりいま一応再検討をして交付をすべきでる、こう思うのです。そういうことと同時に、全国の
基地
に対する交付金の増額というものをやらないと、私は昨年池田総理に言ったのは、あなたはどれくらい考えておるのか。私は少なくとも今の地域住民の各自治体が要望するもので言えば五十億以上である。それを実はどんぶり勘定をして、今までは十億ということで三十五
年度
まではやってきたわけですね。昨年はそれがようやく四億を自治省がふやそうと思ったところが、大蔵省との折衝で二億に減ってしまったわけです。こういうことで、私はやはり積極的にひとつ自治省は地方自治団体のために
努力
をしてもらいたい。それをひとつ……。どうですか、十二月のいわゆる通常
国会
に提案する時期でなければ言えないということになると思うのですが、それまでに、ある程度の骨格をコンクリートしなければならぬのですから、いつごろまでに、大体目鼻お つけていただけますか。
藤田義光
161
○
政府委員
(
藤田
義光君) 御
指摘
のとおり
昭和
三十二年は五億であったものが
昭和
三十三年から十億になりました。本
年度
ようやく十二億を確保したわけでございますが、実質的に地元配分の場合に減っておる。こういうことも御
指摘
のとおりであります。実は自治省としましては、
予算
作業をすでに開始いたしております。われわれが
説明
を聞く段階まできております。が、御
指摘
の
基地
交付金等の増額等に関しまして、われわれの最後の腹をきめるのは、どうしても十月になろうかと存じております。その前に十分詳細なデータを収集いたしまして御期待に沿うようにいたしたいと思います。 それから先ほど答弁の中で漏れておりましたが、十二億の
基地
交付金の配分に当たりましては、そのうちの二〇%——これを米ドル資産等の
所在
する地区に対しましては二〇%の範囲内で
相当
優先的に処理しておるつもりであありますが、その点で行政
措置
に多少御不満の点があれば、御
指摘
願いたい、かように考えております。
相澤重明
162
○相澤重明君 次に、
防衛庁長官
にひとつお尋ねしたいのですが、先ほど大森
委員
からも質問がたくさん出たと思うのでありますが、その中で、特に兵器生産について私はお尋ねしておきたいと思うのです。 それで一体、第一次防衛
計画
が終わって第二次に入ったのでありますが、具体的に
米国
の対日軍事援助というものは、どのくらい見込まれておるのか、どういうふうになっておるのか、こういう点を有償と無償とに分けて、今の政府が考えておるのを種類別に、件数、
金額
をひとつ教えてもらいたい。
志賀健次郎
163
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 具体的な数字の問題でありますから、これは
政府委員
から答弁さすことをお許し願いたいと思います。
上田克郎
164
○
説明員
(上田克郎君) お答え申し上げます。向こうから無償で援助されたものでございますが、これは去年の九月三十日現在でしか手元に資料がございませんのでお許しをいただきます。総計にいたしまして四千九百九十三億三千五百万円、そういうことになっております。それから有償援助でございますが、これは三十一年以降三十五年までの統計が出ておりまして、
調査
は昨年の十二月末現在でございます。合計いたしまして九十三億八千万円、さようになっております。
相澤重明
165
○相澤重明君 それでは今の
金額
は総計はわかりました。そこで種類別にひとつ計数をあげてあとで資料を出してくれませんか、そのほうが早いと思います、各
委員
がわかると思いますから、どうですか。
上田克郎
166
○
説明員
(上田克郎君) 承知いたしました。
相澤重明
167
○相澤重明君 次に、国内の防衛生産についてお尋ねをしておきたいと思うのですが、だいぶ政府も拍車をかけておるようでありますが、現実に新しい会社を設立をして防衛生産に拍車をかけていく、こういうような考え方に立っておるんですか。それとも現在までの既存会社を重点的にいくのか、この点はどちらですか。
志賀健次郎
168
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) ただいまのお尋ねでございますが、新会社を作って防衛生産をやるという
計画
は今日ございません。やはり既存の会社を活用して、さらにまたこの会社につながる中小企業を育成するということに重点を置いて参りたいと考えておるのであります。
相澤重明
169
○相澤重明君 そうしますと、現在政府に新会社の申請が出ておると思うのですね。
米国
のGE社との提携会社、東芝エレクトロニクス・システム社が合同して設立申請をする、それで電気
関係
の問題について従来のヒューズ社、あるいはプレシジョン社と競争していくというようなことが伝えられておるのですが、そういう点は認めないということなんですか。
志賀健次郎
170
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) どうもその辺まで私不勉強で、まだ勉強が届いておりませんから、的確な答弁を
政府委員
をしていたさせます。
岡太直
171
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。ただいまおっしゃいましたGEと新しい合弁会社ができるというお話は、これはF140
関係
の照準器
関係
のものを作るという会社が、今その設立が進行しておるのじゃないかと思います。
相澤重明
172
○相澤重明君 それはどういうことなんですか。今
防衛庁長官
、こまかいことまでまだ聞いておらぬようですが、つまり既設の会社に、いいんですか、長官、私の言っているのは、この第二次防衛
計画
に基づいて防衛生産を進めなければならぬが、既設の会社に主として、そういうものを進めていくのか、それとも、それだけでは間に合わないから、新しい会社をどんどん作って、そうしてそういうものも一緒に進めていくのか、こういうことをお尋ねをしたわけなんです。その中で、
米国
の資本と合弁会社のGEが今申請をしておるが、それについてあなたのほうでもそういうことを知っておりますから、あるいはそういう考えですかと、こう聞いておるのですよ。だから今答弁したのは、何ですか、知っておるということなんですか、政府はそういう会社が申請をされたならば、それにやらせるというお考えなんですか、どうなんですか。
志賀健次郎
173
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 御承知のとおり、この兵器の生産は通産省所管でございまして、先ほどお答え申し上げたとおり、
防衛庁
としましては、既存の会社を活用して防衛生産を進めて参りたいという方針でございます。したがって、
防衛庁
がイニシヤを取って新しい会社を作らせるというような意図は全然ないのでございます。ただ、民間におきまして、それは自由でございますから通産省にどういう申請が出ておるか、ただいま御
指摘
のようなことは、私どもの担当課長が承知しておるようでございますが、これはもっぱら通産省との
関係
でございまして、
防衛庁
はこれにあずかっておらないのでございます。さように御
了承
を願いたいと思います。
相澤重明
174
○相澤重明君 長官、それはちょっと話がおかしいのじゃないですか。あなたは
防衛庁
の直接の担当だけで、そういう生産問題については、いわゆる通産省の所管であるから、どうもわからぬから御
了承
願いたいと言うのだが・現実に、この政府の
計画
に基づけば、少なくとも四十一
年度
までのあなたのほうの考え方というものは明らかに出ておるでしょう。そうするというと、現在のいわゆる新三菱重工なり、それぞれの会社があって、それぞれの会社だけでもって今の防衛生産というものが可能なのかどうか、こういうことはあなた、今度は
計画
なんですから、これはあなたのほうは知らないということはおかしいじゃないですか。そうすると、これはできないならば、たとえば
米国
資本を持ってきて、ここで合弁会社を作るという一つの報道もあるのだけれども、それは考えていない、こういうことになると、それでは
予算
だけはとったけれども、実際には生産ができないということになるのではないか、あるいはそれとも、そうでなくて、私はむしねらいが、中少企業が今非常に困っておるが、そういうものをあなたは救済をする考えに立っておるのか、こういうことまで進みたいのだけれども、基本の問題が明らかにならないから、そこまでいかないのです。根本は、既設会社だけでいくのか、それとももっと、非常に増額をされておるのだから、会社を作ってどんどん進めていくのか、こういう点については、あなたは知らないということでは、一体
予算
はどうする、
計画
はどうするということになりますよ。 そこで、あなたにお尋ねしておるのですが、どうです、長官。
志賀健次郎
175
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) どうも不勉強で御満足いく答弁ができませんで、はなはだ恐縮でございます。先ほどから申し上げたとおり、現在の
防衛庁
の
計画
としましては、既存の会社を活用していけるという建前をとっております。しかしながら、だんだんに二
年度
、三
年度
四
年度
、五
年度
と
計画
が進むにつれまして、防衛生産の新しい会社が出てくることもあり得るかもしれませんけれども、現在のところ、現在の
予算
で、第二次防衛
計画
を進めていくには、既存の会社を活用して十分であると考えておるのであります。
相澤重明
176
○相澤重明君 これは大臣に、そこまで質問はちょっと無理だったと思いますが、これは
事務当局
に聞きたいのだが、あなたのほうで継続費の改定をしているわけですね、たとえば三十五
年度
の小型警備艦を
建造
するために三十八
年度
まで四カ年間にわたって継続費として総額二十九億六千十二万七千円につき
国会
の議決を経ているのです。それで
建造
に着手したけれども、三十七
年度
になって
計画
を
変更
したのではないですか、そうして
建造
年限を繰り延べたばかりではなく、さらに
建造
費というものを十億五千三百十六万も追加をしてやろうとしているのではないですか、そういうことから考えてくると、これは一つの小型警備艦の問題だけを取り上げても、これは今のお話を聞いておるとちょっと、
予算
はたくさんとったけれども、一体どうするかということになる、これは私は重大な問題だと思うのです。まず
事務当局
から、なぜ継続費をこういうふうに改定をしたか、しかも繰り延べなければならなかったか、こういう点をひとつ答弁して下さい。
藤田新
177
○
説明員
(
藤田
新君) 三十五
年度
の小型警備艦につきまして、総額改定並びに年限延長をいたしましたのは、次のような事情でございます。本艦はタータ誘導弾の装置を備えた小型の警備艦でございまして、対空兵器を強力に持った艦でございますが、三十五
年度
に
予算
獲得以来諸
調査
を進め、また
設計
上のいろんな検討をいたしておりました結果、これに
装備
いたしますタータ装置の型式が
変更
になりまして従来
計画
いたしておりました艦の大きさでは、これを搭載できないということになりましたので、艦を大型化する必要が出てきたわけでございます。当初の
計画
は二千六百トンでございましたが、大型化によりまして三千六十トンの艦を作らざるを得なくなったのです。このために総
建造
費の差額十億三千……約十億を三十七
年度
に増額
要求
いたしましてとったのでございます。
相澤重明
178
○相澤重明君 これは長官、聞いておいて下さい。これは私はタータの設備の問題もありますが全く
防衛庁
の
事務当局
の
計画
ずさんだと思うのです。継続費の乱用ですよ、これは、こういう継続費制度というものがあるから、まあとにかく最初は、こういうふうに少さいものでもつけておいても、新しい兵器ができると、それにだんだん付加して、そして増額して、しかも
建造
年限を繰り延べればいいんだ、
国会
さえ通してしまえば、
国会
で
理由
をつけてしまえば、これはおれたちが自由にできるのだ、こういう継続費制度の乱用と
計画
の乱雑ですね、私は賛成できないのだ。十億という、口じゃ簡単に言うけれども、十億という金は大へんな金ですよ。こういう点を私は率直に
指摘
をしたいのだけれども、長官どう考えますか。今の答弁を聞いてみても、十億、タータをつけるためにふやしました、こういうことです。こんなずさんな
計画
は私はないと思う。しかも継続費制度の乱用だと思います。いかがですか。
志賀健次郎
179
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) この問題については、先ほど大森先生にもお答えいたしておったところでありますが、
経理
局長
から
財政法
上の
法律
的な意見をひとつ述べさして参考にしたいと思います。
上田克郎
180
○
説明員
(上田克郎君) 先ほど大森先生から御質問がありました際にお答えいたしました趣旨は、
財政法
上は支障はないことにはなっておりますが、しかし、そうした方法をとることが望ましいかどうか。いわゆる妥当性という言葉をさっき使いましたが、私まだ新任早々でそこまでの研究をしていないのが大へん残念でございますということを申し上げた次第でございます。
相澤重明
181
○相澤重明君 私はぜひ長官に、
防衛庁
の防衛生産というものが非常に加速度的に増額をされておるわけですから、こういう点についての
計画
というものは、緻密を要すると思います。そうでなければ、国の財政の中で非常な大きなウエートを持っておるこの
防衛庁
の
経費
というものが、実際にただ
予算
だけ取っておけばいいという考え方になる、こういうことになるおそれがたぶんにあると思います。こういうことはぜひ庁内でそういうそごのないようにひとつ
計画
立案をしてもらいたいと思いますが、それをあなたはどういうふうに、どういう機構をもってやろうとするのか、あなたの所見を伺っておきましょう。
志賀健次郎
182
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 具体的にその方策はただいま申し上げかねますけれども、慎重に対処して参りたいと思います。
相澤重明
183
○相澤重明君 先ほど申し上げた中で、新しい会社は作らない、そういう考えはないというお話だったのですが、おそらく私は
米国
のGE会社との提携については通産省等を通じて出てくると思うのです。しかし、大会社を作って民族資本だけでなく外国資本を入れて、そして日本の防衛生産をやるということは、私どもはあまり実は賛成できない。それよりは今の日本の中小企業というものがどんなに苦労をしておるのか、こういう点をいま少し率直に政府に考えてもらいたいと思うのです。そういう点をあなた方のほうでやる意思がありますか、どうですか。
志賀健次郎
184
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 先ほど申し上げた既存の国内の会社を使う場合においては、これは当然でございますが、あくまで中小企業育成という立場に大きなウエートをかけて今後処理をして参りたいと思います。
相澤重明
185
○相澤重明君 その次にお尋ねをしたいのは、これは前回私が
指摘
をしておると思うのでありますが、イタリアのスタッキーニ会社に発注をしたロケット弾の処理の問題ですが、現在どうなっておりますか。
三原桂
186
○
説明員
(三原桂君) 本年の四月十八日のイタリアの裁判で、従来の破産
手続
による問題を一応
判決
いたしまして、優先債権は半年以内、一般債権は、その優先権が済んだ半年以後、十月一日以後と考えておりますが、十月一日以後四年間の間に四分の一を払えという
判決
が出ております。私どもがこれと関連してオルトリポー保険会社に対して訴訟しておるわけでございますが、そのほうの問題につきましては、依然継続してやるというように考えて
手続
をとっております。
相澤重明
187
○相澤重明君 あれですか、今の御
説明
で
防衛庁
はローマ地方裁判所に対して、スタッキーニ社に対して破産宣告が行なわれた。したがって、
防衛庁
としては、このスタッキーニ社の債権に関して、イタリア国の
法律
上、優先権者としての取り扱いは受けられない、こういうことですね。いま一回それを確認して下さい。
三原桂
188
○
説明員
(三原桂君) 優先債権としては取り扱われない、一般債権として取り扱われるということになっています。
相澤重明
189
○相澤重明君 一般債権として取り扱うということで、このオルトリポー社を相手どって保険金の支払請求をしておるということですね。そうすると、政府がいわゆる国家財政上の問題として、なぜこの前渡金を軽々に渡してそうして発注をしたかという根本に戻ってくるのが一つと、いま一つは、訴訟提起をしておるが、それがはたしていつまでにあなた方のほうでは解決する見通しなのか。このオルトリポ一社に対して保険金の支払請求を行なっても、いつごろまでに政府としてはこの問題を解決するつもりなのか。 それから訴訟提起の場合は、保険
契約
書を登一記する必要があるわけですから、その場合の保険金のいわゆる納入義務を政府はやっておるのかどうか。こういう点について、御答辯をいただきたいと思うのです。
三原桂
190
○
説明員
(三原桂君) まず第一に、スタッキー二会社に対して前渡金を交付いたしましたのは、スタッキー二会社が七十年の歴史を有する兵器会社であって、非常に優秀であるというふうに判断を当時したからでございまして、その後米軍の発注がなくなったり、日本の朝鮮動乱後の兵器会社の状況と同じように発注が急激に域り、ストライキが発生したということによってついに手をあげたようであります。私どもといたしましても、当時スタッキーニ会社がこのようになるというようなことは考えていなかったのでございますが、急激に経営が悪化したという結果、こういうことになったと考えております。 その次の問題として、訴訟がいつ終わるかという御質問でございますが、私ども日本の民事訴訟も
相当
長引くようでございますが、イタリアの訴訟が
相当
、これは三十三年くらいにたしか提起したと思っておりますが、少しあきれておるような次第でございますが、これがいつごろ解決するかということは、私どもちょっと見通し困難でございまして、イタリア大使館の顧問辯護士であるダンテ辯護土にお願いをして促進をしている次第でございまして、いつごろ終わるかという見通しは、ちょっと申し上げかねる状況でございます。
相澤重明
191
○相澤重明君 いや、いま一つ答えが落ちているのは、だからダンテ氏に頼んで訴訟を提起したけれども、その保険金の支払請求をするのに、イタリアの国内法に基づいて保険金に対するところの納入をしなければならぬでしょう、裁判をするのに。それは払ったのか払わないのかと聞いておるのです。どうなんです。
三原桂
192
○
説明員
(三原桂君) ダンテ辯護士の請求によりまして、登記に伴う費用も払っておりますので、保険
契約
その他登記しておるはずでございます。
相澤重明
193
○相澤重明君 その
金額
は幾らですか、いつ支払われましたか。
三原桂
194
○
説明員
(三原桂君) 登記料は九十八万五千二百七十一円、三十五年二月二十日に支払っております。
相澤重明
195
○相澤重明君 あれですか、三十五年二月二十日に九十八万五千円払ったのですか。これはおととし私が当
委員会
で話し、さらに昨年言ったときには、・今裁判を進めるということについては言っておったけれども、そういう点については明らかにされておらなかった、当
委員会
で。三十五年ならばおととしじゃないですか。なぜそういうこと報告できない。当
決算委員会
で何回もそういうことを
指摘
しておったのに対して、そういう点については、一つも事務的な問題について答辯ができなかったじゃないですか。それで、それはイタリアの金に換算すると幾らなんです。
三原桂
196
○
説明員
(三原桂君) リラに換算いたしまして、百七十一万五百四十リラということになります。
相澤重明
197
○相澤重明君 どこからそれを計算してきた。それは
日本国
に対して、当時の藤山外務大臣に対して、太田大使がローマから報告をしておることにそうなっていないじゃないですか。どこからその計算が出てきたのか。藤山外務大臣に対して、太田大使が報告をしておる、スタッキーニ兵器会社に対する件として、二百八号で、至急報できておる、それについては、保険金の二%、八十万リラとなっておる。これは違うじゃないか。どこからこの算定を出したのか。
三原桂
198
○
説明員
(三原桂君) 今資料によりましてお答えしておるわけでございますがただいまの御質問の点のそこがはっきりいたしませんので、後ほどよく
調査
いたしましてお答えしたいと思います。
相澤重明
199
○相澤重明君 質問の点がはっきりしないのじゃない。お前のほうの頭がはっきりしていないのだよ。のこちら言っているのは、ダンテ氏に裁判を依頼して、そこで、この保険金の支払請求をするのに、イタリアの国の取り扱いとして、この訴訟をするのには納入をしなければならぬ、こうなって、藤山外務大臣からちゃんときているのですよ。僕のほうには、全部資料がそろっているのだ。それを政府が、三十五年に私が当
決算委員会
で質問したのにろくすっぽ答弁できないくらいだから、今になってやっとそういう報告をしているのだ、その報告すら違っているじゃないですか。これはいつでも長官にそういうことは知らせないのですよ。この前、一番最初に、私がこの問題の発端のときに長官に聞いたわけです。長官知らない、教えないのだ、こういうことで少なくとも国際的な——
金額
の多寡の問題でなくて、国際的に
契約
をするとか、
協定
をするとかいうようなときには、やっぱり長官は知らなければいかぬですよ。長官の判なんですから、そういうことが事務的に進められておってしかももうスタッキーニ会社が、これはもうだめですよというのがわかっておって、追い打ちをかけて金を払っておる。一銭もとれないのです。それがとれないから、今度とりましょうといって、そこでまた金をよけい払っておる。そういうことになっておるのですよ。もし私の言うことが間違っておったら、この訓令を見てみなさいよ。 それから一つ、あなたに、事務局に聞きますが、スタッキーニ会社はどんな会社ですか。どんなことを
調査
されたのですか。アメリカ側から
調査
をしたのや、イタリア側から
調査
したのは全部報告が私のほうに来ています。そういうだらしのないことをやるから、結局はまる損になってしまうのだ。きょうそれ以上言ったところで、資料がないのだから……。こういう資料がないから事務的にわからないのだ。長官、今後の問題として、こういう問題はあなたどうします。
志賀健次郎
200
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) この問題につきましては、担当者から
説明
は一応受けたのでありますが、その第一印象は、まことにこれは遺憾な問題であると痛感いたしたわけであります。もとより今後は国際的な取りきめの問題でございますから一きわめて慎重に、注意深く処理いたしたいと考えておる次第であります。
相澤重明
201
○相澤重明君 新大臣に御答弁を願ったのですから、それはその程度にしましょう。それではそいつは今後十分気をつけていただくように、
事務当局
にもひとつ
努力
願いたいと思うのです。 その次に、例のロッキードの製作の問題ですがね。これは新しく国内生産ができたと思うのです。F104Jについて、一体現在の状況、それから製造するについての
予算
、
金額
、
計画
量、そういうものについていま一度、きょうひとつ御答弁願っておきたいと思うのです。それはなぜかというと、私どもは岸総理大臣のときに、何回も、これはグラマンかロッキードかということで非常に騒がれた問題を、とにかくロッキードにきまった。きまったが、一体そのときの製造単価というものはどれくらいか。こういうような点については、いや非常に安くあがりますよというようなことで、大体そうかというような点でいったわけだ。ところがだんだん聞いてみると、どうも値段が上がるというような趨勢が見られるというので——当
決算委員会
の
委員
の人はほとんど古い人ばかりです。ここにおる、私のずっと前の
委員長
の佐藤先生もそうですが、当
委員会
では、ずっと何回もやってきたわけです。そこで現実に今の
契約
条項は具体的にどうなるか。それから製造単価はどうなる。製造の
計画
性はどうなる。この三つをひとつ御
説明
いただきたい。
志賀健次郎
202
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) ただいまお尋ねのF104の生産の問題は、きわめて大事な問題として私も勉強いたしておるのでありますが、きわめて飛行機自体が精密なものでありますから、答弁も精密であることは、これは必要でございます。したがって
政府委員
担当者から詳細に
説明
いたせますから、あしからず御
了承
いただきたいと思います。
岡太直
203
○
説明員
(
岡太
直君) 御
説明
申し上げます。 F104生産のための日本側
予算
総額は、六百九十八億五百八十二万二千円でございます。
年度
別の歳出額を申し上げますと、三十六
年度
、五十七億七千二百三十八万一千円、三十七
年度
、百七十億六千九百八十一万八千円、三十八
年度
二百十九億七千三百六万九千円、三十九
年度
、二百四十九億九千五十五万四千円、以下合計いたしまして六百九十八億五百八十二万二千円でございます。 生産の現状といたしましては、F104Jの一号機が本年三月納入、続きまして、F104DJ二機、これが七月に納入されております。合計、現在のところ三機納入されております。単価といたしましては、二百機平均いたしまして百十二万六百八十一ドル、円に換算いたしまして四億三百四十四万五千円、こういうふうになっております。
相澤重明
204
○相澤重明君 それから、先ほど言ったように毎年何台ずつ作る
計画
なのか。
岡太直
205
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。現在における
年度
別生産
計画
といたしましては、三十六
年度
一機、三十七
年度
四十七機、三十八
年度
八十二機、三十九
年度
七十機、合計いたしまして二百機と、こういうふうになっております。
相澤重明
206
○相澤重明君 今の
計画
、わかりました。そこで、これらの
計画
に基づいて生産をするわけでありますが、
関係
の商社は、いわゆる会社はどこですか。
岡太直
207
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。
関係
の会社といたしましては、まず機体
関係
新三菱重工業株式会社、それからエンジン
関係
石川島播磨重工業株式会社、それから機上無線機
関係
三菱電気株式会社、TACAN、これは航法機器でございますが、これは日本電気株式会社、それからAPX35、これは敵味方識別機と申しますが、東洋通信機でございます。それからガン・カメラ、これは大沢商会を通じて輸入と、そういうふうになっております。 以上でございます。
相澤重明
208
○相澤重明君 次に、先ほどあなたがお話しになった一機の平均価格が百十二万六百八十一ドル、日本円で四億三百四十四万五千円と言われたんですが、そうしますと、その
内訳
、日本の分担金、アメリカの分担金、これは幾らですか。
岡太直
209
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。先ほど申し上げました百十二万六百八十一ドル、これの
内訳
を日米に分けますと、日本側が八十万八千四百四十七ドル、米側が三十一万二千二百三十四ドル、以上合計いたしまして百十二万六百八十一ドル、こういうふうになっております。
相澤重明
210
○相澤重明君 そうすると、これは
米国
の負担というものは全く少ないということ、まあ三分の一でもないけれども、かなりそれに近い数字だということですね、
米国
の負担分は。
岡太直
211
○
説明員
(
岡太
直君) これを計算いたしますと、初度部品も含めまして、米側が二七・九%、日本側が七二・一%、こういうふうになっております。
相澤重明
212
○相澤重明君 それから製作内容なんでありますが、二百機の
内訳
はどうなんですか。
岡太直
213
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。二百機の内容といたしましては、二十機が複座機、F104DJと申します。残りの百八十機が単座機でございまして、F104Jと、こういうふうに呼んでおります。
相澤重明
214
○相澤重明君 このF104の二十機複座の問題ですが、これは日本で全部作るんですか。それからまた先ほどの御
説明
をいただきましたそれぞれの国内の会社で作るわけでありますが、日本の製品をたくさん使うんですか、それとも、アメリカの製品を受けるんですか。その点はいかがですか。
岡太直
215
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。複座機二十機につきましては、機数が少数でございますから、
米国
において完成したものを分解いたしまして日本に運んで参ります。したがいまして、日本では再組み立て及び試験飛行、そういう程度の仕事をやることになります。したがいまして、先ほど申し上げましたエンジンその他のものは二十機に組み込まれるわけではございません。
相澤重明
216
○相澤重明君 あれですか、複座機の二十機は、全部
米国
製品であって、
米国
で完成したものを解体したものを日本へ持ってきて組み立てると、こういうことですか。私はそういうふうに受け取っておらなかったのですが、そういうことですか。
岡太直
217
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。向こうで完成したものを再び日本で組み立てると、そういうことでございます。
相澤重明
218
○相澤重明君 間違いありませんね。私どもが前に聞いておったのは、
米国
で完成したものの三機は解体をして日本へ持ってきて組み立てる、あとのものについてはアメリカの部品を持ってきて日本で組み立てる、こういう話だったんですが、そうじゃないですか。
岡太直
219
○
説明員
(
岡太
直君) 複座機の二十機につきましては、
米国
で完成したものを日本で再び組み立てます。それからさきほど御
指摘
ありました三機につきましても、やはりこれは
米国
で生産しまして完成したものを日本で再組み立てをする、そういうことなっております。
相澤重明
220
○相澤重明君 まあそれはあとでよく資料を調べます。どうも最初の聞いた話と私は違うような気がする。最初は、三機は完成したものを向こうで解体をして日本で組み立てる、あとは十七機は向こうの部品を持ってきて組み立てる、こういうふうに理解しておったのだが、違うように思うが……。 その次に、単座の
内訳
でありますが、これもやっぱり今のような考え方でいくんですか、いかがですか。
岡太直
221
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。単座機は、合計生産機数百八十機でございまして、そのうち三機は
米国
で完成されたものを日本に持ってきまして再組み立てをいたします。それから続きまして十七機、これはノック・ダウンと申しておりますが、
米国
でできました部品を持ってきまして日本で組み立てて飛行機にいたします。残りの百六十機が
国産
と、そういう
計画
でございます。
相澤重明
222
○相澤重明君 今の御答弁でありますと、だいぶ私はまた違ってきたと思うんですが、単座のうち三機が
米国
で完成したものを持ってきて組み立てる、あとの十七機が部品を持ってきて組み立てる、こういう点が、単座のうち二十機は
米国
製の部品を買い入れて日本で作る、こういうふうに言っておった当時とは違うんですか。その点そうですか。
岡太直
223
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。最初の
計画
におきまして二十機部品で持って参りまして、日本で組み立てるという
計画
でございましたが、途中で、三機、向こうで完成する、こちらに部品で来るのは十七機というふうに
計画
が変わっております。
相澤重明
224
○相澤重明君 これは、私どもが
説明
を
防衛庁
から受けたときの
計画
を、実は聞いておったのですが、今だいぶ変わっておるというのでありますが、一番最初、実は変わっていなかったのだね。あなたの言うようなことだったのでしょう。それが途中で、いろいろ日本の国としてやはり賃金の問題や、あるいは
関係
会社とのことを考えれば、できるだけ日本においてやるのがよろしいという意見で、実は私の先ほど質問したようになったのだけれども、それからまた変わってきたというんだね、これは。 そこで、私はその次にひとつあなたにお答えいただきたいのだが、それは残りの百六十機は
国産
だ——そうですね、今あなたの答弁したのは。
岡太直
225
○
説明員
(
岡太
直君) 残りの百六十機は
国産
でございます。
相澤重明
226
○相澤重明君 それは全部
国産
ですか。私の聞いておるのは、やはり一部について部品はアメリカから来る、こう聞いておるのですが、全部
国産
ですか。あなた、間違いないですか。
岡太直
227
○
説明員
(
岡太
直君) 百六十機の
国産
と申しましたのは、作業が国内で行なわれるので
国産
と申しておったのであります。 それで一部の部品は国内の部品を使います。それで一部の部品は輸入したものを使いまして、その二つを使いまして飛行機を組み立てる、そういう
計画
でございます。
相澤重明
228
○相澤重明君 まあ一部の部品を日本のものを使って、一部のものはアメリカのものを使って
国産
だと、そういう解釈をすれば、これは日本語の解釈はずいぶん使いようによって違ってくるんで、そういう考え方では私はいかぬと思う。やっぱり
国産
という概念は、
国産
品で国の中で作っていく、そういう解釈をするのがすなおじゃないですか。私は今の答弁を聞いておって、
国産
に対する解釈が、政府の考えが、もし今のようなことであれば、これは誤りだと思う。しかし、
国産
と言っておっても、実際は今答弁があったように、アメリカの部品も来る、こういうふうに私は理解をしているのですが、それはそのとおりですか。いま一度答弁を願います。
岡太直
229
○
説明員
(
岡太
直君) そのとおりでございます。
相澤重明
230
○相澤重明君 そこで、そのアメリカからくる部品ですね、それはどうなんですか。日本の
国産
品に比較をして……。あるいは日本で
国産
できないという考え方が一つあるのか。それから、日本で
国産
はできてもアメリカの部品を買わなければいけない。そういうことで部品を買う。その部品というものは非常に優秀である、こういう考えなのか。その点はいかがですか。
岡太直
231
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。先ほど申しました百六十機の
国産
のものを製作する場合、国内の材料とそれから輸入したものを
使用
いたしますが、国内の
国産
するアイテムを選定する際に、将来104を運用する際、どうしても整備、
補給
その他の面から、
国産
をしておかないと整備、
補給
上困る。そういうアイテムをまず優先的に選んで
国産
しております。
相澤重明
232
○相澤重明君 そこで
米国
から来るいわゆる部品でありますが、これはアメリカで使っておりますが、軍用として。
岡太直
233
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。104Cは
米国
でまだ使っております。ただ104Cと104Jとは共通な部分もありますけれども、違った部分もありますから、厳密に申しますと、
米国
で使っていないものも多少あるかと思います。104Cは
米国
において現在使っております。
相澤重明
234
○相澤重明君 これは一部ですね、一部アメリカの中でも使っている。ほとんどは使っていない、アメリカの軍用としてはほとんどは使っていない、一部使っているものはある、こういうことですな、あなたの言うのは。私の質問しているのは、軍用にアメリカが現在使っておりますかと、こう聞いているんですよ、いいですか。だからあなたの言う使っておりますというのは、印象は大部分使っているという印象を受けるわけであります。私が聞いているのは、そうではなくて、一部使っているものはあるかもしれないけれども、大部分は現在アメリカでは軍用として使っておらない、こう理解をしていいのですか、この点はどうなんですか。
岡太直
235
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。104Cの
使用
状況でございますけれども、それほど少ないというのでもないと思います。
相澤重明
236
○相澤重明君 これはもうアメリカがMAP
計画
に基づいて、そうして西ドイツなり、日本なり、カナダなり、こういうところに出している品物なんです。これはアメリカの軍用として使っているのじゃないのです、日本へくるのは。はっきりしているんだ、アメリカの
計画
なんだから。そういうものを、あなたが少なくはないというような考え方は、誤りですよ。アメリカからちゃんと
計画
が出ているんじゃないですか。そんなこと言ったって、アメリカの調べたものを見ればすぐわかるんじゃないですか、この点どうですか。このMAPの
計画
に基づくものであるということを、あなたは理解できませんか、どうですか。
岡太直
237
○
説明員
(
岡太
直君) お答えいたします。おっしゃるとおりだと思います。
相澤重明
238
○相澤重明君 まあそれはよろしい、それで。 その次に、それでは進んで、
契約
の方法はどうしましたか。
三原桂
239
○
説明員
(三原桂君)
契約
の方法は、機体につきましては新三菱重工株式会社と随意
契約
をいたしております。その他の通信機
関係
も随意
契約
をいたしております。
相澤重明
240
○相澤重明君 随意
契約
——それはまあよろしい、それとして、それはそれなりに。それで、
契約
の内容はどういうことです。内容はどういうことです。
三原桂
241
○
説明員
(三原桂君) 内容は、膨大な
契約
書がございますが、それによって
契約
をしているわけでございますが、細部の点を申し上げるとすれば、
契約
書を持って参らなくちゃならぬと思いますが、いかがでございましょう。
相澤重明
242
○相澤重明君 それでは
契約
書を資料で出してもらいたいのだけれども、基本的なものをひとつ聞いておきましょう。それは概算
契約
か、いわゆる出来高払いでいくのか、最終的にいわゆる整理をするのか。それとも一機作ったら、それでもって清算をする、こういうことでいっているのか。
契約
の基本的なことをひとつ
説明
して下さい。
三原桂
243
○
説明員
(三原桂君) 本件は概算
契約
でやっております。ある時期、大体実績がほとんど出たところで中途確定をしょう、こういうことになっております。
相澤重明
244
○相澤重明君 そうすると、単価の改定が出てくる、こういうことですな。
三原桂
245
○
説明員
(三原桂君) 概算
契約
ではございますが、
契約
の限度額というものを作っておりまして、前提条件に著しい
変更
がない限り、この
契約
限度額でいくという
契約
になっております。したがって、前提条件に著しい変動がない限りは、このままいける、こういうふうに考えております。
相澤重明
246
○相澤重明君 そうなりますかな、どうです。今まで岸内閣以来、グラマンかロッキードかということであれだけ大騒ぎをやって、とにかくロッキードにきまった。そうして赤城
防衛庁長官
が当時
説明
をしたのは、たいへん安くできる、こういう結論になったのだけれども、次々と
防衛庁長官
がかわってくると値段が変わってきておる。現在もすでに、あなた先ほど御
説明
になった価格というものは、決してこれは安いとは、私はおせじにも言えない。しかもこれは、いわゆる全工程の問題でないわけですから、そういう点からいきますというと、今のように随意
契約
でしかもそれが
契約
の内容が出来高払いということになってくると、それにはその時期においてやはり、私は三年先ほどの
計画
でいって三十九年までですかね、これは、三十九
年度
末に七十機を生産して一応終わると、こういうことになるのですから、今日の事態から考えて、それで限度額がきめてあるから、それは変わりないということで通せるかどうか。私は非常に疑問に思う。それは通してもらいたいと思うのですよ、あなた、りっぱなものですからね、通してもらいたい。これはひとつ三年、四年後になってあなたの責任を一応聞いてみましょう。そこで、通せるか通せないかという一つの議論として、私は、本件の請負の一体実態はどういうことなんです、請負の実態はどういうことなんです。アメリカの人たちの意見というものはこの中には入ってこないですか、アメリカの意見は入りませんか。日本側が組み立てる、日本側が生産をする、こういうことであるからもうそういうことは御心配がありません、こういうことであなたは答辯が、限度額があるからということで、できたと私は思う。そういうことで理解してよろしいですか、いかがですか。
三原桂
247
○
説明員
(三原桂君) 今のアメリカの意見ということにつきましては、私は実はぴんとこないのですが、
契約
の相手は新三菱その他日本の会社でございまして、ただいまの限度額の問題でございますが、税法その他が大きく改正になりましたり、公共料金その他が著しく上昇するとか労賃がわれわれが想定した以上に高くなるとか一般物価が非常に高騰する、何分長期間のことでございますので、
相当
いろいと
契約
当時考えて想定したことよりも
相当
違ってくる現象も起こるかと思いますが、現在までのところそう著しい変動はないようでございますので、やっていけるのではないかというふうに判断をしておる次第でございます。
相澤重明
248
○相澤重明君 これらの発注をされた新三菱、石川島、三菱電機、日本電機、東洋通信、大沢商会、これらについては、あなたは日本の会社であるからこれはそういう心配はない。アメリカの特許がそんな簡単にあなたの言うようになりますか。アメリカのこの製品の持っておるのは特許ですよ。特許というのはどういうものかわかるかね。特許というものはそう簡単に日本の思うようになりますか。これはそのときの事情においては確かに
契約
ができますね、随意
契約
。しかもこの会社もそういうことでやっておる、内容は出来高払い。いいですか、こういうときにこの特許を持っておったアメリカがそのままいわゆる最終回までこれはもう上げなくてもよろしい。こういうことが確認ができますか。あなたはそういうことはないとおっしゃいますか。いかがですか。
三原桂
249
○
説明員
(三原桂君) ただいまの特許と言われましたのは、私どもは技術提携の費用であるというふうに考えるわけであります。したがいまして
契約
当時技術提携の大体の打ち合わせをやりまして、その技術提携料を会社としては前提として
契約
をいたしておりますので、その後になって技術提携費用が著しく上がるとかいうことはまずないのではないかというふうに考えております。現に、
契約
前に打ち合わしておった技術提携料と現実に日本の会社とアメリカの会社で
契約
をされた技術提携料とは大体一致しておりますので、その点についてそう心配をいたしておりません。
相澤重明
250
○相澤重明君 けっこうです。もう心配をされないようにやって、大へんけっこうです。しかし私は今のこのアメリカ側のニュースをいろいろ取ってみて、残念ながらなかなかそうゆくには大へんだろうと、むしろあなた方のほうを、それはやってもらいたいと鞭撻をしているんです。しかしこの特許というものはそんな簡単なものではない、こういう点を私は実は聞きたかったんです。あなたのほうがそういうふうにこれは大丈夫だと言うから、それは自信をもってやっていただくんですから、長官もそのことを聞いておいてもらって、
事務当局
は大丈夫でありますとか、随意
契約
でありますとか、また限度額をきめてあるし、技術提携についても決してそういう改定をされることはない、こういうことですから、当
委員会
でもそれを確認したいと思う。これは
決算委員会
ですから、国の財政
支出
についてそういうふうに政府が責任を持つということを明確にされたと思うので、私もその点は大へんけっこうだと思うのです。この点を長官にも御銘記を願って、この問題を終わりたいと思うのですが、長官、その点いいですか。
志賀健次郎
251
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) ただいまの相澤先生のきわめて示唆に富むお話、十分胸に体して、私今後処理して参りたいと思います。
相澤重明
252
○相澤重明君 それでは最後に一つ長官もだいぶ御苦労を願ったわけですが、午前中の衆議院の社労
委員会
においでになったと思うんですが、駐留軍要員の賃金の問題あるいは退職金の問題、これについて衆議院で取り上げられたと思うんですが、すでに組合とあなたのほうとのお話の中では、やはり公務員に対する人事院の勧告の問題等も含んで、いわゆる
努力
をするためにストライキはやめてほしい、ストライキをやめる、こういうことで私は解決ついたと思う。ところが時日がたつに従って、だんだんそのことが、ストライキはやめたけれども、何か本質的な解決がつかない、あるいはそれは大蔵省との折衝の問題かもしれませんが、そういう点について衆議院の社労でも御
説明
になったと思いますが、私も非常に関心を持っておりますので、今の時点の問題ですから、ひとつあなたから御答弁を願いたい。
志賀健次郎
253
○
国務大臣
(
志賀健次郎
君) 本日、私衆議院の社労にお呼び出しはなかったんでございますが、ただいま相澤先生からせっかく御
指摘
に相なったんで、若干申し上げたいんでありますが、私が就任した日からこの問題に私は取り組んだのであります、最後的には在日米軍司令官のスマート中将と私はじかに会談をいたしまして、いろいろ組合側の希望を十分生かすために最善の
努力
をいたしたんであります。ところが御承知のとおり、結果的には新しい
給与
体系に切りかえるという一つの本質的な大きな問題の見通しが一応ついたのでございますが、賃金の凍結問題あるいはまた退職者に対する問題、べース・アップの問題あるいはまた低所得者の問題等について今後問題が残されておるのでありますが、引き続き
調達庁長官
が中心になりまして米軍側とも緊密な連絡をとりながら問題の解決に一生懸命になっておる際でございますから、これはぜひとも御鞭撻を賜わりたい、むしろ私ものほうから御鞭撻を願って、この問題の円満な解決に当たりたい
所存
でございます。なお、経過については林長官から
説明
いたさせます。
林一夫
254
○
政府委員
(林一夫君)
駐留軍従業員
の
給与
の改定の問題につきましては、ただいま大臣からあらまし御
説明
があったんでございますが、この
給与
の改定をするということは、今までの
給与
体系というものには非常に不合理な点がある、これを改善しようということから、この
給与
改定の問題が起こってきたわけでございます。ところがこの
給与
改定の
実施
期日がたいへんおくれまして、そのために組合との間にいろいろのトラブルがあったわけでございまするが、本月の初めにおきまして、この
給与
の改定は、来年の一月一日
実施
するという目標のもとに、その改定案の内容についてはほぼ管理者のほうがまとまりましたので、すでに組合に提示して、現在組合と団体交渉を始めておるような状況でございます。この
給与
の改定ができますれば、
相当
給与
体系の上に非常に改善される点が出てくるというふうに私どもは信じております。 なお、組合は、さらにその上に、たとえば賃金凍結者のベース・アップの問題だとか、あるいは低額所得者の賃上げの問題、その他退職手当の増額の問題といったような各種の要望もあるのでございます。こういうような
要求
につきましては、今後その希望の趣旨を体して米側とさらに折衝を続けて、だんだんと解決して参りたいと、こういうふうに考えております。
相澤重明
255
○相澤重明君 だんだんと解決していきたい——それはもちろんそのとおりだと思うのですよね。だけれども、あなた、とにかく今までも、公務員なり、他のですね、公務員なり一般民間産業の労働者が賃金が引き上げられておるのに、この駐留軍に働いておるがために、米軍との
関係
においていまだにできないのでしょう、あなたの言うとおり。しかもそれを改善をしなければならぬのは、これはもうやはり日本政府の責任ですよ、これはね。そうして、あなたのほうは団体交渉をしたのでしょう。団体交渉を受けて、誠意をもって解決をするというからこそ、この実力行使というものが避けられたのじゃないですか。それが、実力行使が避けられたにもかかわらず、現実にまだその、誠意をもって
努力
しますという長期的な展望に立っているような話では、これは問題が解決しないでしょう。どうなんですか、そのあなたの
努力
をするというのはいつごろまでです、めどは。
林一夫
256
○
政府委員
(林一夫君) 先ほども申しましたように、賃金点体の改定につきましては、これは来年の一月一日に
実施
するということで、すでに具体案を組合に示して協議を進めておるわけでございます。ただここに一つ問題は、賃金凍結者のベース・アップの問題、もしもこの賃金体系の
実施
期日である一月一日以前に人事院勧告によるベース・アップが
実施
されるということになりますれば、その際にこの賃金凍結者に対してもベース・アップをするというようなことで、米軍と現在折衝を始めておるわけであります。その他退職金の増額の問題とか、あるいは低額所得者の賃上げの問題ということにつきましても、すでに米軍と折衝を始めておるというようなわけでございまして、このような問題につきましては、至急解決するように大いに
努力
いたしております。
相澤重明
257
○相澤重明君 人事院はすでに今
年度
ペース・アップの勧告をしていますね。これはあなたも御承知のとおりだと思うのです。七・一%、
年度
内で七・九%、こういうことは、もうすでに勧告、私ども
国会
は受けておるわけです。政府も受けておるわけです。だから、これは当然、この
国会
において公務員の
給与
勧告についてはこれを
実施
をする、池田総理大臣自身が、これを尊重をしたい——。だからあなたは、その政府のいわゆる中における最高のスタッフなんですからね。駐留軍要員の少なくともその問題については、あなたは政府
関係
の最高スタッフ、
防衛庁長官
を除けばです、
防衛庁長官
が政治的には閣僚としての問題はあっても、あなたは最もその長官に対して忠実に、しかもその問題はついては善処しなければならぬ立場にある。人事院勧告が来年一月から
実施
されます——何言っているか。今出ているじゃないか、人事院勧告は。そういうスローモーの考えだから、この問題の解決がなかなかできない。人事院の勧告出ているのをあなたは知っているでしょう。どうですか、知らないですか。お答えいただきます。
林一夫
258
○
政府委員
(林一夫君) 人事院勧告が出ておるということは承知しております。私が申し上げましたのは、賃金体系の改定は来年の一月一日に
実施
するということになっておるわけです。その前にベース・アップがあるということになれば、その際にはこの賃金凍結者の問題についてのベース・アップはこれはどうしてもやらなくちゃならぬというようなことで、米軍と折衝をやっておるということでございます。
相澤重明
259
○相澤重明君 米軍と折衝をやっていることはわかっているんだよ。賃金凍結者の問題もわかっている。わかっていて、それを解決しなければ困るというのが駐留軍要員のあなた方に対する団体交渉の中心でしょう。だから人事院もこのたび勧告を
国会
並びに政府に行なっておるのだから、当然この事情を、日本側の事情を積極的に米軍に話してですよ、そうしてこれを、賃金凍結者の問題も解決をする。そうしてこの
協定
が締結されればですよ、一月一日から
実施
するならこれははっきりしているわけだ。その誠意の問題であってですよ、その時期判断をあなた方はどうするかということを私は聞いておるのですよ。それから退職金の問題もそのとおりでしょう。今まで長い間紛争してきた問題を、この時点になって退職金の問題もまだあまり誠意を持っていない、こういうことでは私はいけないと思う。あなたが
努力
するというのだから、この
努力
を私はまあ買っておきたいと思うのですがね。ひとつこの問題は
国会
並びに政府に対しても、日本で人事院の勧告が行なわれておると、こういうことを
米国
側に積極的に言って下さいよ、これは。これはあなたの
努力
をひとつ認めたいと思うのですが、あなたそれでいいですね。お答えいいですか。
林一夫
260
○
政府委員
(林一夫君)
駐留軍従業員
に対するベース・アップの問題、これは人事院勧告によるベース・アップがあった場合においては同時同率の原則で
実施
するということは従来やってきていると思います。もちろん今回その勧告がありましたので、同時同率の原則によってベース・アップをやるということは、これははっきりしておる。賃金凍結者に対するペース・アップの問題も合わせて解決するように
努力
する、こういうことを申し上げておるのです。
相澤重明
261
○相澤重明君 それからいま一つ聞いておきたい。 それは、
基地
内に働いておる日本人労務者の
騒音
手当について、これはどうなりましたか。
林一夫
262
○
政府委員
(林一夫君) 御承知のように、この
基地
内で作業に従事しておる方々に対する
騒音
手当の問題でございますが、これには付属
協定
がございます。これは御承知のとおり、その付属
協定
によりますと、エンジン修理工場の中でラン・アップが行なわれる場合を対象としておるわけです。要するにジェット・エンジンの修理工場の中でラン・アップしておる場合、その工場内あるいはこの工場の
周辺
において作業に従事しておる者に対しては
騒音
手当を
支給
するということに付属
協定
がなっておる。ところが実際問題としましてはこのエンジンのラン・アップを修理工場ではいたさずに、そこから離れた特定の地域で修理を行なう事実が多いのでございます。そういうわけで、この付属
協定
の対象になっていなかったのであります。そういうようなことでございましたので、
調達庁
としましても、これははなはだ不合理なことじゃないか。当然このような修理工場以外の場所においてエンジン・テストをやる場合において、その近くで作業に従事しておる者に対しても
騒音
手当を与えるべきであるということを米軍に
要求
して参ったのであります。この点につきましては、大体日米間で原則的に合意に達することができまして、近く御趣旨に沿うような方向に改善ができると、こういうふうに考えております。
相澤重明
263
○相澤重明君 そうすると、九号、十二号の付属
協定
については、これは日米間の合意に達しておるのですね。そうして近く
実施
をすると、こういうことを確認してよろしいですか。
林一夫
264
○
政府委員
(林一夫君) さようでございます。
横川正市
265
○横川正市君
会計検査院
の方にちょっとだけお聞きしておきますが、三十五
年度
の
防衛庁
の会計検査の種目の中で、
工事
請負の中で、外注したものと、それから、
防衛庁
は事実上
施設
その他を持っているわけですから、そういった自力でもって
工事
を完成したものと、そういったものの具体的な内容について
調査
いたしましたか。
樺山糾夫
266
○
説明員
(
樺山
糾夫君)
防衛庁
の内部で修理等をされる場合は、現在では非常に少ないと思いますが、大部分が外注ということになろうかと思いますが、そういった資料を手元には持っておりませんので、のちほど……、
横川正市
267
○横川正市君 同じような内容ですが、大体、公営
事業
、市町村その他の要請に従がって
施設
隊その他が出動する場合の取りきめが行なわれて
実施
するわけですが、完成された
工事
その他の
内容等
を検討いたしましたか。
樺山糾夫
268
○
説明員
(
樺山
糾夫君) ただいまのは
自衛隊
の受注
工事
のことだろうと思いますが、それにつきましても、大体それが
法律
の
規定
にかなっているかどうか、それから、それに伴う物品の受け払いが妥当かどうかという点につきましては検査をいたしております。
横川正市
269
○横川正市君 公営
事業
、公共
事業
関係
で、
自衛隊
の駐屯する隊長と、それから
工事
を要請する市町村長との間で、それぞれとりきめをして
工事
を請け負うわけですね、請け負うというか、それを引き受けるわけですが、その
工事
を完成したあとの現場について具体的に調べたことがありますか、検査の内容として。
樺山糾夫
270
○
説明員
(
樺山
糾夫君) そういう場合の
工事
の最後の出来型等についてまだ検査いたしたことはございません。
横川正市
271
○横川正市君 そうすると、具体的には隊員が
施設
その他の
提供
を受けて、そして
工事
をやるわけですけれども、その場合に
自衛隊
から持ち出しになる分についてのいろいろな金の使い方については、これはノー・タッチというこになりますか、調べてないということは。
樺山糾夫
272
○
説明員
(
樺山
糾夫君) 先ほど申し上げたのは、実際の出来型が
設計
どおりできているかどうかという点の検査の問題ということでお答えいたしたいのでありますが、
自衛隊
が
工事
を受託いたします場合には、いろいろ、燃料とかそういう点につきましては、委託者から物品で補てんしてもらうということになっております。そういったものの
関係
が正しく行なわれているかどうかという点につきましては検査をしているわけでございます。
横川正市
273
○横川正市君 その内容については、報告すべき内容というのはなかったということになりますか、三十五年は。
樺山糾夫
274
○
説明員
(
樺山
糾夫君) 現在までの検査の結果におきましては、特に御報告する
事項
はございません。
横川正市
275
○横川正市君 あと、私のほうは、
防衛庁
に対する質問は後日に保留いたします。
鈴木壽
276
○
委員長
(
鈴木壽
君) 他に御質疑の方、ございませんか。——他に質疑もなければ、
防衛庁
に関する
審査
は、本日のところこの程度といたします。 なお、残余の質疑につきましては、
理事会
におきまして協議の上、後日適当なる時期に譲ることにいたしたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十七分散会